JP5760427B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に作用する燃料圧力を調節するために圧力応動型の制御部材を備える燃料噴射装置に関する。
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に燃料圧力を作用させる圧力室と、この圧力室の圧力を調節することによって弁部材を移動させる圧力調節機構とを備える燃料噴射装置が開示されている。これらの燃料噴射装置においては、圧力調節機構は、電磁弁の開閉によって生じる圧力変化に応答して移動する圧力応動型の制御部材を用いることが提案されている。この種の燃料噴射装置においては、期待された性能を発揮するために、複数の部材が正確に位置決めされることが重要であった。
欧州特許第1656498号明細書 特開平6−108948号公報 特許第4054621号公報
燃料供給装置における複数の部品を正規の位置に整列させるために、ピンを用いることが考えられる。図8は、アライメント用のピンを採用した比較例に係る燃料噴射装置P10の断面図である。噴孔を開閉するニードルP1は、噴孔が形成されたノズルボディP2内に収容されている。ノズルボディP2は、リテーニングナットP4によってオリフィス部材P3に固定されている。ノズルボディP2内には、シリンダP5が配置されている。シリンダP5内には、ニードルP1の端部がピストンとして挿入されている。シリンダP5は、オリフィス部材P3に押し付けられている。シリンダP5内には、圧力室が区画形成されている。圧力室内には、制御部材としてのフローティングプレートP6が配置されている。フローティングプレートP6は、圧力室への燃料の流入と、圧力室からの燃料の流出とを制御する。
ノズルボディP2とオリフィス部材P3との間には、ピンP71、P72が設けられている。ピンP71、P72は、ノズルボディP2とオリフィス部材P3とを正規の位置において整列させる。ノズルボディP2には、ピンP71を収容するための穴P81と、ピンP72を収容するための穴P82とが形成されている。オリフィス部材P3には、ピンP71を収容するための穴P91と、ピンP72を収容するための穴P92とが形成されている。
ところが、ピンP71、P72を使用するアライメント構造は、大きい誤差を生じる複数の要因を有している。例えば、穴P81、P82、P91、P92の位置の誤差、穴P81、P82、P91、P92の大きさの誤差、ピンP71、P72の大きさの誤差などの要因が、ノズルボディP2とオリフィス部材P3との間にずれを生じさせる。このずれは、オリフィス部材P3とシリンダP5とのずれを生じさせる。
図9は、比較例の燃料噴射装置P10のずれた配置を示す拡大断面図である。図10は、比較例の燃料噴射装置P10のずれた配置を示す平面図である。ノズルボディP2とオリフィス部材P3とがずれると、オリフィス部材P3の中心軸AXP3と、シリンダP5の中心軸AXP5とが正規の位置からずれる。この場合、オリフィス部材P3とフローティングプレートP6との接触部CSは、図示されるように、偏りを生じる。しかも、この偏り量は一定ではない。このため、フローティングプレートP6に作用する圧力にも偏りが生じる。この結果、フローティングプレートP6が、期待された挙動を示さない。例えば、期待された燃料噴射特性を実現できない場合があった。また、フローティングプレートP6の挙動が不安定となるため、燃料噴射特性が不安定となるおそれがあった。また、複数の製品毎に、フローティングプレートP6が異なる挙動を示し、燃料噴射特性の差を生じるおそれがあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明の他の目的は、生産性に優れた構造によって安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、弁本体の内部において弁本体の軸方向に移動し、噴孔への高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、弁部材の端部に面して形成され、弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、圧力室に高圧燃料を流入させる流入路(31)および圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、圧力室に配置され、ハウジング部材に接離することにより、少なくとも流入路と圧力室との連通を断続するとともに、弁本体によって径方向の位置が規定される制御部材(100)と、弁本体(40)およびハウジング部材(50)のいずれか一方に形成された内円周面(123、223)と、他方に形成された外円周面(124、224)とを有し、内円周面と外円周面とが互いに嵌め合わされることにより、弁本体とハウジング部材とを径方向に関して位置決めする嵌め合い部(120)とを備え、内円周面(123、223)および外円周面(124、224)の一方が凹部(121、221)に形成され、他方が凸部(122、222)に形成されていることを特徴とする。
この構成によると、内円周面と外円周面とが嵌め合わされることによって、弁本体とハウジング部材とが径方向に関して正確に位置決めされる。このため、弁本体よって径方向の位置が規定される制御部材と、ハウジング部材とが径方向に関して正確に位置決めされる。この結果、ハウジング部材と制御部材との間の径方向の位置ずれに起因する噴射特性の不安定を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、弁本体の内部において弁本体の軸方向に移動し、噴孔への高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、弁部材の端部に面して形成され、弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、圧力室に高圧燃料を流入させる流入路(31)および圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、圧力室に配置され、ハウジング部材に接離することにより、少なくとも流入路と圧力室との連通を断続するとともに、弁本体によって径方向の位置が規定される制御部材(100)と、弁本体(40)およびハウジング部材(50)のいずれか一方に形成された内円周面(123、223)と、他方に形成された外円周面(124、224)とを有し、内円周面と外円周面とが互いに嵌め合わされることにより、弁本体とハウジング部材とを径方向に関して位置決めする嵌め合い部(120)とを備え、ハウジング部材と弁部材との間に配置され、弁部材を閉弁方向へ付勢するリターンスプリング(97)を備え、内円周面(123、223)と外円周面(124、224)との嵌め合いの長さ(GE)は、リターンスプリング(97)の圧縮量(SP)より長く(GE>SP)なるように設定されており、内円周面(123、223)および外円周面(124、224)の一方が凹部(121、221)に形成され、他方が凸部(122、222)に形成されていることを特徴とする。この構成によると、内円周面と外円周面とが嵌め合わされることによって、弁本体とハウジング部材とが径方向に関して正確に位置決めされる。このため、弁本体よって径方向の位置が規定される制御部材と、ハウジング部材とが径方向に関して正確に位置決めされる。この結果、ハウジング部材と制御部材との間の径方向の位置ずれに起因する噴射特性の不安定を抑制することができる。この構成によると、リターンスプリングが自由長にあるときでも内円周面と外円周面とを嵌め合わせることができる。
請求項3に記載の発明は、凹部(121、221)が弁本体に形成され、凸部(122、222)がハウジング部材に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、凹部(121、221)がハウジング部材に形成され、凸部(122、222)が弁本体に形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、凹部(121、221)に高圧燃料の通路(33)が開口していることを特徴とする。この構成によると、凹部によって高圧燃料の通路を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、弁部材の端部に設けられたピストン部(91)を収容するとともに、ハウジング部材(50)に押し付けて配置され、ハウジング部材とともに圧力室(34)を区画するシリンダ(80)を備え、制御部材(100)の径方向の位置がシリンダによって規定され、シリンダの径方向の位置が弁部材によって規定され、さらに弁部材の径方向の位置が弁本体によって規定されており、ハウジング部材と制御部材(100)とが、流入路と圧力室との連通を断続するための平面シールを形成していることを特徴とする。この構成によると、制御部材の径方向の位置は、シリンダと弁部材とを介して弁本体によって規定される。さらに、ハウジング部材と制御部材との間には、制御部材の径方向の位置ずれを許容する平面シールが設けられている。このような構成においても、制御部材を正規の位置に位置決めできる。このため、平面シールのシール面の偏りを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、内円周面(123、223)、または外円周面(124、224)に対して傾斜し、弁本体(40)およびハウジング部材(50)を嵌め合い位置へ案内する傾斜面(128、229)を備えることを特徴とする。この構成によると、傾斜面によって弁本体とハウジング部材とを互いの嵌め合い位置へ案内することができる。このため、弁本体およびハウジング部材を嵌め合う作業が容易になる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明を適用した第1実施形態に係る燃料供給システムを示すブロック図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す拡大断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す拡大断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置の正規の配置を示す拡大断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置の正規の配置を示す平面図である。 本発明を適用した第1実施形態の燃料噴射装置を示す拡大断面図である。 比較例の燃料噴射装置の断面図である。 比較例の燃料噴射装置のずれた配置を示す拡大断面図である。 比較例の燃料噴射装置のずれた配置を示す平面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第一実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る燃料供給システム1を示すブロック図である。燃料供給システム1には、第1実施形態に係る燃料噴射装置10が用いられている。燃料供給システム1は、内燃機関2に燃料を供給する。内燃機関2は、多気筒のディーゼル機関である。内燃機関2のヘッド部材2aは、燃焼室2bを区画している。燃料供給システム1は、直接噴射式燃料供給システムである。燃料噴射装置10は、燃焼室2b内に向けて直接的に燃料を噴射する。燃料供給システム1は、燃料タンク3、フィードポンプ4、高圧燃料ポンプ5、コモンレール6、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)7、および燃料噴射装置10を備える。
フィードポンプ4は、電動式のポンプである。フィードポンプ4は、燃料タンク3内に収容されている。フィードポンプ4は、高圧燃料ポンプ5に燃料配管8aによって接続されている。フィードポンプ4は、燃料タンク3内の液相燃料に、所定のフィード圧を与え、高圧燃料ポンプ5に供給する。燃料配管8aには、燃料の圧力を所定値に調節する調圧弁を設けることができる。
高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2に取り付けられている。高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2の出力軸によって駆動される。高圧燃料ポンプ5は、コモンレール6に燃料配管8bによって接続されている。高圧燃料ポンプ5は、フィードポンプ4によって供給された燃料にさらに圧力を加えて、コモンレール6に供給する。高圧燃料ポンプ5は、ECU7と電気的に接続された電磁弁を有している。この電磁弁の開閉は、ECU7によって制御される。ECU7は、高圧燃料ポンプ5からコモンレール6に供給される燃料の圧力を所定の圧力に調節するように電磁弁を制御する。
コモンレール6は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料からなる管状の部材である。コモンレール6には、気筒数に応じた複数の分岐部6aが形成されている。ひとつの分岐部6aは、供給流路8cを形成する燃料配管によって、ひとつの燃料噴射装置10に接続されている。燃料供給システム1は、複数の燃料噴射装置10を備える。燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5とは、戻り流路8dを形成する燃料配管によって接続されている。コモンレール6は、高圧燃料ポンプ5から供給された高圧燃料を一時的に蓄える。コモンレール6は、高圧燃料を、複数の燃料噴射装置10に供給流路8cを介して分配する。コモンレール6は、軸方向の両端部のうち、一方の端部にコモンレールセンサ6bを有する。コモンレール6は、他方の端部に圧力レギュレータ6cを有する。コモンレールセンサ6bは、ECU7に電気的に接続されており、高圧燃料の圧力および温度を検出してECU7に出力する。圧力レギュレータ6cは、高圧燃料の圧力を一定に調節するとともに、余剰分の燃料を減圧して排出する。圧力レギュレータ6cを通過した余剰分の燃料は、コモンレール6と燃料タンク3との間を接続する燃料配管8e内の流路を介して、燃料タンク3へ戻される。
燃料噴射装置10は、噴孔11から燃焼室2b内へ高圧燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射装置10は、噴孔11からの高圧燃料の噴射を、ECU7からの制御信号に応じて制御する弁機構を備えている。弁機構は、高圧燃料の噴射を断続する主弁12と、制御弁13とを含む。燃料噴射装置10は、弁機構を駆動し、制御するために供給流路8cから供給された高圧燃料の一部を使用する。弁機構を駆動し、制御するために使用された燃料は、燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5との間を連通する戻り流路8dに排出され、高圧燃料ポンプ5へ戻される。燃料噴射装置10は、内燃機関2のヘッド部材2aの挿入孔に挿入されて、取り付けられている。燃料噴射装置10は、160から220メガパスカル(MPa)程度の高圧燃料を噴射する。
ECU7は、マイクロコンピュータ等によって構成されている。ECU7は、複数のセンサと電気的に接続されている。複数のセンサには、上述したコモンレールセンサ6b、内燃機関2の回転速度を検出する回転速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサ、吸入吸気量を検出するエアフローセンサ、過給圧を検出する過給圧センサ、冷却水温を検出する水温センサ、および潤滑油の油温を検出する油温センサ等を含むことができる。ECU7は、センサからの情報に基づいて、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10の弁機構の開閉を制御するための電気信号を、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10に出力する。
図2は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す断面図である。図3は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す拡大断面図である。上述の断面図には、通路配置をわかり易く示すために、異なる箇所の断面が図示されている。燃料噴射装置10は、電磁式の駆動部20、ボディ30、ノズルニードル90、およびフローティングプレート100を備える。
図2において、駆動部20は、ボディ30内に収容されている。駆動部20は、パイロット式の電磁弁である。駆動部20は、制御弁13を構成する。駆動部20は、ソレノイド21、固定子22、可動子23、スプリング24、バルブシート部材25、およびターミナル26を有している。ターミナル26は、通電部材である。ターミナル26の一方の端部は、ボディ30から外部に露出している。ターミナル26の他方の端部は、ソレノイド21と接続されている。ソレノイド21は、ターミナル26を介してECU7からのパルス電流の供給を受ける。ソレノイド21は、通電されると磁界を発生させる。固定子22は、磁性材料によって形成された円筒状の部材である。固定子22は、ソレノイド21によって発生された磁束を案内する。可動子23は、磁性材料によって形成された二段円柱状の部材である。可動子23は、固定子22の軸方向先端側に配置されている。可動子23は、ソレノイド21が励磁されると、固定子22に向けて吸引される。スプリング24は、コイルスプリングである。スプリング24は、可動子23を固定子22から離間させる方向に付勢している。バルブシート部材25は、ボディ30の制御弁座部52とともに圧力制御弁27を形成している。バルブシート部材25は、可動子23の軸方向の端部に設けられている。バルブシート部材25は、制御弁座部52に着座し、流体の流通を阻止することができる。ソレノイド21が励磁されないとき、バルブシート部材25は、スプリング24の付勢力によって制御弁座部52に着座している。ソレノイド21が励磁されると、バルブシート部材25は、制御弁座部52から離座する。
ボディ30は、ノズルボディ40、オリフィス部材50、ホルダ60、リテーニングナット70、およびシリンダ80を有している。ノズルボディ40、オリフィス部材50、およびホルダ60は、噴孔11が設けられた先端側から、この順序で並んでいる。ボディ30は、流入路31、流出路32、主供給路33、および圧力室34を区画形成している。ボディ30は、オリフィス部材50の下面によって、圧力室34に露出する当接面51を提供する。流入路31の一端は、供給流路8cに連通している。流入路31の他端は、当接面51に開口する流入口31aに連通している。流出路32の一端は、圧力制御弁27を介して戻り流路8dに連通している。流出路32の他端は、当接面51に開口する流出口32aに連通している。圧力室34は、シリンダ80と、オリフィス部材50と、ノズルニードル90とによって区画されている。圧力室34には、供給流路8cを通過した高圧燃料が流入口31aから流入することができる。圧力室34内の燃料は、流出口32aを経由して戻り流路8dに流出することができる。
ノズルボディ40は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる有底円筒状の部材である。ノズルボディ40は、ノズルニードル収容部41、弁座部42、および噴孔11を有している。ノズルニードル収容部41は、ノズルボディ40の軸方向に沿って形成され、ノズルニードル90を収容する円筒穴である。ノズルニードル収容部41内には、高圧燃料が供給される。弁座部42は、ノズルニードル収容部41の底壁に形成されている。弁座部42は、ノズルニードル90の先端と接触するように形成されている。弁座部42は、高圧燃料の流通を断続する主弁の固定側弁座を提供する。噴孔11は、弁座部42より下流側に位置している。噴孔11は、ノズルボディ40の内側から外側に向けて放射状に複数形成されている。噴孔11を通過することで、高圧燃料は、微粒化され、および拡散して空気と混合し易い状態となる。ノズルボディ40は、ノズル部材、または弁本体とも呼ばれる。ノズルボディ40は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔11が先端部に形成された部材である。
シリンダ80は、金属材料よりなる円筒状の部材である。シリンダ80は、オリフィス部材50およびノズルニードル90とともに圧力室34を区画する。シリンダ80は、ノズルニードル収容部41内に、ノズルニードル収容部41と同軸となるように配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50側に配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50の当接面51に押し付けられている。この結果、シリンダ80は、オリフィス部材50に固定され、保持されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に対して移動可能であるが、圧力室34を区画する部材として、オリフィス部材50に属する部材として見ることができる。一方で、シリンダ80は、その径方向の位置がノズルニードル90を介してノズルボディ40によって規定されるから、ノズルボディ40に属する部材としても見ることができる。
図3において、オリフィス部材50は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる円柱状の部材である。オリフィス部材50は、ノズルボディ40とホルダ60との間に配置され、保持されている。オリフィス部材50は、当接面51、制御弁座部52、流入路31、流出路32、および主供給路33を形成している。当接面51は、オリフィス部材50のノズルボディ40側の端面の径方向中央部に形成されている。当接面51は、シリンダ80によって囲まれて円形をなしている。制御弁座部52は、オリフィス部材50の軸方向の両端面のうち、ホルダ60側の端面に形成されている。制御弁座部52は、バルブシート部材25とともに圧力制御弁27を構成している。流入路31は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。流出路32は、当接面51の径方向中央部から、制御弁座部52に向って延びている。流出路32は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。主供給路33は、供給流路8cとノズルニードル収容部41とを連通している。
オリフィス部材50は、フローティングプレート100に対向する面に、流入凹部53と、流出凹部54と、二重環状の当接面51を形成している。流入凹部53は、オリフィス部材50の中心軸AX50と同心状の環状の溝状に形成されている。流入凹部53は、当接面51の頂面から窪んでいる。流入凹部53には、流入口31aが開口している。流出凹部54は、中心軸AX50と同心状の円形の溝状に形成されている。流出凹部54は、オリフィス部材50の径方向中央部に設けられている。流出凹部54は、当接面51の頂面から円形に窪んでいる。流入凹部53は、流出凹部54の径方向外側に位置する。流入凹部53と流出凹部54との間には、当接面51の内環が位置している。流入凹部53と流出凹部54とは、当接面51の内環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53と流出凹部54とを完全に仕切る。流入凹部53の径方向外側には、当接面51の外環が位置している。流入凹部53とノズルニードル収容部41とは、当接面51の外環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53とノズルニードル収容部41とを完全に仕切る。
オリフィス部材50は、ノズルボディ40に対向する端面に、主供給路33より径方向外側に位置するシール面55を備える。ノズルボディ40は、オリフィス部材50に対向する端面に、ノズルニードル収容部41より径方向外側に位置するシール面43を備える。これらシール面43、55は、ノズルボディ40とオリフィス部材50との間において高圧燃料をシールするシール部を提供している。
オリフィス部材50は、ハウジング部材、またはオリフィスプレートとも呼ばれる。オリフィス部材50は、ノズルニードル90の端部に面して形成され、ノズルニードル90に作用する燃料の圧力を調節することによりノズルニードル90の移動を制御する圧力室34を区画する。さらに、オリフィス部材50は、圧力室34に高圧燃料を流入させる流入路31および圧力室34から燃料を流出させる流出路32を形成する。
ホルダ60は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる筒状の部材である。ホルダ60は、軸方向に沿って形成される縦孔61、62、およびソケット部63を有する。縦孔61は、供給流路8cと流入路31とを連通する燃料流路である。縦孔62のオリフィス部材50側には駆動部20が収容されている。縦孔62のオリフィス部材50とは反対側には、縦孔62の開口を閉塞するようソケット部63が形成されている。ソケット部63は、内部に駆動部20のターミナル26の一端が突出している。ソケット部63は、ECU7と接続されたプラグと嵌合可能なコネクタである。ソケット部63とプラグとの接続により、ECU7から駆動部20へのパルス電流の供給が可能となる。
リテーニングナット70は、金属材料よりなる二段円筒状の部材である。リテーニングナット70は、ノズルボディ40の一部と、オリフィス部材50と、ホルダ60の一部を収容している。リテーニングナット70は、ホルダ60のオリフィス部材50に近い端部に螺合されている。リテーニングナット70は、内周壁部に段差部71を形成している。段差部71は、ノズルボディ40の移動を規制する。リテーニングナット70がホルダ60へ取り付けられると、ノズルボディ40およびオリフィス部材50が、ホルダ60側に押し付けられる。ホルダ60と、リテーニングナット70とは、ノズルボディ40およびオリフィス部材50を軸方向に挟持し、固定している。
ノズルニードル90は、高速度工具鋼等の金属材料よって形成された全体として円柱状の部材である。ノズルニードル90は、ピストン部91、摺動部92、およびシート部93を有する。ピストン部91は、ノズルニードル90の円柱状の外周壁のうち、シリンダ80内に位置する部分である。ピストン部91は、シリンダ80内において、シリンダ80の内面に対して摺動自在に支持されている。摺動部92は、ノズルニードル90の外周面に等間隔に形成されている。摺動部92は、ノズルボディ40の内面に接触している。摺動部92は、ノズルニードル90を、ノズルボディ40内において軸方向に移動可能に案内する。シート部93は、ノズルニードル90の軸方向の両端部のうち、圧力室34とは反対側となる端部に形成されている。シート部93は、弁座部42に着座可能である。シート部93と弁座部42は、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料の噴孔11への流れを断続する主弁12を構成している。ノズルニードル90の段差部には、環状の鍔部材96が装着されている。ノズルニードル90は、弁部材とも呼ばれる。ノズルニードル90は、ノズルボディ40の内部においてノズルボディ40の軸方向に移動し、噴孔11への高圧燃料の供給を断続する。
シリンダ80とノズルニードル90との間には、リターンスプリング97が圧縮状態で配置されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に接触しているから、リターンスプリング97は、オリフィス部材50とノズルニードル90との間に配置されているといえる。ノズルニードル90は、リターンスプリング97によって閉弁方向へ付勢されている。リターンスプリング97は、コイルスプリングである。リターンスプリング97の軸方向の一端は、鍔部材96に当接し、他端はシリンダ80の端面に当接している。ノズルニードル90は、ピストン部91に作用する燃料の圧力と、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料との圧力差に応答して、シリンダ80の軸方向に沿って直線的に往復変位する。ノズルニードル90は、シート部93を弁座部42に着座、または離座させることにより、主弁12を開閉する。
シリンダ80内には、フローティングプレート100が収容されている。フローティングプレート100は、圧力室34への燃料の流入と流出とを制御する制御部材である。フローティングプレート100は、金属材料よりなる円板状の部材である。フローティングプレート100は、圧力室34内に移動可能に配置されている。フローティングプレート100の中心軸は、シリンダ80の中心軸に沿って配置されている。フローティングプレート100は、シリンダ80と同軸上に配置されている。フローティングプレート100は、主としてその軸方向に往復変位可能に配置されている。フローティングプレート100の両端面のうち、当接面51と対向する一方の端面は、当接面51に当接可能である。フローティングプレート100の外周面と、シリンダ80との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。フローティングプレート100の中央部には、連通孔101がフローティングプレート100を軸方向に貫通して形成されている。連通孔101は、圧力室34と流出路32とを連通する。連通孔101は、絞り部でもある。連通孔101は、連通孔101を流れる燃料の流量を制限する。
フローティングプレート100が当接面51から離れているとき、流入口31aから流入した燃料は、フローティングプレート100とシリンダ80との間を通過して圧力室34に流入する。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、圧力室34内の燃料は、連通孔101を経由して、流出口32aから流出することができる。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、流入口31aと圧力室34との間の連通は遮断される。フローティングプレート100と、オリフィス部材50とは、圧力室34への高圧燃料の導入と、圧力室34からの燃料の排出とを切替える流路切替え弁を提供している。
フローティングプレート100は、圧力制御弁27によって制御される圧力に応じて移動する圧力応動型の制御部材である。フローティングプレート100は、圧力室34に配置され、オリフィス部材50に接離することにより、少なくとも流入路31と圧力室34との連通を断続する。さらに、フローティングプレート100は、ノズルボディ40によって径方向の位置が規定される部材である。オリフィス部材50とフローティングプレート100とは、流入路31と圧力室34との連通を断続するための平面シールを形成している。
プレートスプリング110は、コイルスプリングである。プレートスプリング110の軸方向の一端は、フローティングプレート100の端面に着座している。プレートスプリング110の軸方向の他端は、ノズルニードル90の受圧面94に着座している。プレートスプリング110は、フローティングプレート100とノズルニードル90との間に、軸方向に縮められ状態で配置されている。プレートスプリング110はフローティングプレート100を当接面51に向けて付勢している。
図3において、ボディ30は、シリンダ80の内面によって、圧力室34に露出する内壁面81を提供する。内壁面81は、大径部82、および小径部83を形成している。大径部82は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50側に位置する。大径部82の内部に、流入口31aおよび流出口32aが位置付けられている。小径部83は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50とは反対側に位置する。小径部83は、ノズルニードル90の端部を、軸方向に沿って摺動可能に収容している。小径部83は、シリンダ側の摺動面を提供する。小径部83は、シリンダボアを形成している。また、シリンダ80の内径は大径部82から小径部83に向かって縮径されている。
シリンダ80は、ノズルニードル90の端部に設けられたピストン部91を収容する。シリンダ80は、オリフィス部材50に押し付けて配置されることによってオリフィス部材50とともに圧力室34を区画する。
ピストン部91は、小径部83内に位置している。ピストン部91は、小径部83に対して摺動自在に支持されている。ピストン部91は、受圧面94、およびスプリング収容部95を形成する。受圧面94は、ノズルニードル90の軸方向の両端部のうち、シート部93とは反対側となる、圧力室34側の端部によって形成されている。受圧面94は、圧力室34を区画している。受圧面94は、圧力室34内の燃料の圧力を受ける。スプリング収容部95は、受圧面94の径方向中央部にノズルニードル90と同軸に形成される円筒穴である。スプリング収容部95は、プレートスプリング110の一部を収容している。
フローティングプレート100は、シリンダ80の大径部82内に収容されている。フローティングプレート100の外周面と、シリンダ80の大径部82との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。
燃料供給システム1は、燃料噴射装置10に高圧燃料を供給する。燃料噴射装置10は、ECU7からの信号に応答して燃料を噴射する。
ECU7からの信号がないとき、圧力制御弁27は閉弁している。高圧燃料は、ノズルニードル収容部41内に供給される。一方、流入口31aから流入凹部53に供給された高圧燃料は、フローティングプレート100を当接面51からリフトさせるように作用する。このとき、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しい。このため、流入凹部53内の高圧燃料は、フローティングプレート100を押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。ノズルニードル収容部41内の圧力と、圧力室34内の圧力との差は小さいから、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射を停止させている。
ECU7からの信号によってソレノイド21が励磁されると、圧力制御弁27が開弁する。圧力制御弁27が開弁すると、圧力室34内の燃料が連通孔101を通して流出する。これにより、圧力室34内の燃料圧力が低下する。このとき流出凹部54内の圧力が低いため、フローティングプレート100は当接面51に着座したままである。圧力室34内の圧力が低下すると、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料は、リターンスプリング97に抗してノズルニードル90を圧力室34側に高速で押し上げる。この結果、ノズルニードル90は、弁座部42から離座し、噴孔11からの燃料噴射が開始される。
ECU7からの信号によってソレノイド21の励磁が停止されると、圧力制御弁27が閉弁する。これにより、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しくなる。この結果、流入口31aから流入凹部53に供給される高圧燃料は、フローティングプレート100をわずかに押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。圧力室34の圧力が上昇すると、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射が停止される。
図3において、オリフィス部材50とフローティングプレート100とを正確に正規の位置に位置決めするための構成を説明する。フローティングプレート100は、シリンダ80の大径部82によって案内されている。よって、フローティングプレート100の径方向の位置は、大径部82によって規定されている。また、シリンダ80の径方向の位置は、ノズルニードル90のピストン部91によって規定されている。さらに、ノズルニードル90の径方向の位置は、ノズルボディ40によって規定されている。このため、オリフィス部材50に対するフローティングプレート100の径方向の位置を正確に規定するためには、オリフィス部材50とノズルボディ40とを正確に位置決めする必要がある。
オリフィス部材50とノズルボディ40とには、嵌め合い部120が設けられている。嵌め合い部120は、ノズルボディ40とオリフィス部材50との一方に設けられた凹部121と、他方に設けられた凸部122とを有する。凸部122は凹部121内に配置されている。凹部121と凸部122とは、ノズルボディ40とオリフィス部材50とを径方向に関して位置決めするように嵌り合っている。
オリフィス部材50のノズルボディ40に対向する端面には、凹部121が形成されている。凹部121は、シール面55より凹んでいる。また、凹部121は、当接面51より凹んでいる。凹部121は、環状の溝によって提供されている。凹部121には、主供給路33の端部が開口している。凹部121は、主供給路33から供給された燃料を周方向に分配する分配路でもある。凹部121は、ノズルニードル収容部41とシリンダ80との間の環状の隙間に連通する通路を形成している。凹部121は、当接面51より径方向外側に位置している。凹部121は、シール面55より径方向内側に位置している。
ノズルボディ40のオリフィス部材50に対向する端面には、凸部124が形成されている。凸部122は、シール面55より突出している。また、凸部122は、当接面51より突出している。凸部124は、環状の筒状突起によって提供されている。凸部124は、ノズルニードル収容部41より径方向外側に位置している。凸部124は、シール面43より径方向内側に位置している。
図4は、第1実施形態の燃料噴射装置10における嵌め合い部120を示す拡大断面図である。嵌め合い部120は、ノズルボディ40とオリフィス部材50との一方に設けられた内円周面123と、他方に設けられた外円周面124とを備える。内円周面123は、外円周面124の内部に挿入されて配置される。内円周面123と外円周面124とは、径方向に関して互いに当接する。嵌め合い部120は、内円周面123と外円周面124とが互いに嵌め合わされることにより、ノズルボディ40とオリフィス部材50とを径方向に関して位置決めする。内円周面123は、凹部121によって提供される段差部に形成されている。外円周面124は、凸部122によって提供される段差部に形成されている。
凹部121は、径方向外側に内円周面123を備える。内円周面123は、燃料噴射装置10の軸方向に沿って延びる円筒の内側の円周面である。内円周面123は、オリフィス部材50の中心軸と同軸に形成された円筒の内側の円周面である。凹部121は、径方向内側に外円周面125を備える。外円周面125は、燃料噴射装置10の軸方向に沿って延びる円柱の外側の円周面である。外円周面125は、オリフィス部材50の中心軸と同軸に形成された円柱の外側の円周面である。
凸部122は、ノズルニードル収容部41の端部に設けられ、ノズルボディ40の端部に向けて徐々に内径が大きくなるろうと部を形成する傾斜面126を有する。凸部122は、軸方向の頂部に環状の頂面127を有する。凸部122は、軸方向の頂部の径方向外側に、環状の傾斜面128を有する。傾斜面128は、外円周面124から頂面127に向けて徐々に内直径が小さくなる部分円錐面を形成する。傾斜面128は、凸曲面によって提供することができる。傾斜面128は、ノズルボディ40とオリフィス部材50とを連結するときに、凸部122を凹部121内に案内する。凸部122は、径方向外側に外円周面124を備える。外円周面124は、燃料噴射装置10の軸方向に沿って延びる円柱の外側の円周面である。外円周面124は、オリフィス部材50の中心軸と同軸に形成された円柱の外側の円周面である。
凸部122の径方向外側には、環状の凹溝129が形成されている。凹溝129は、外円周面124を加工するための加工代として形成されている。凹溝129は、シール面43より径方向内側に形成されている。
内円周面123の内直径は、外円周面124の外直径よりわずかに大きい。内円周面123の軸方向の全長GDは、凸部122の軸方向の突出長さGPより長い(GD>GP)。また、内円周面123と外円周面124とが重複している軸方向の長さGEは、長さGPより短い(GE<GP)。長さGEは、内円周面123と外円周面124との嵌め合いの長さGE、あるいは嵌め合い部120が提供する有効長さGEとも呼ばれる。
燃料噴射装置10は、以下に述べる製造工程を含む製造方法によって製造される。まず、準備工程において、ノズルボディ40、オリフィス部材50、およびガイド部材120を含む部品が図示の形状に形成される。
次に、ノズルボディ40内に、ノズルニードル90、鍔部材96、リターンスプリング97、シリンダ80、プレートスプリング110、およびフローティングプレート100を装着する。このとき、リターンスプリング97と、プレートスプリング110とは、自由長である。このため、ノズルボディ40の端面から、シリンダ80とフローティングプレート100とが突出している。
次に、リターンスプリング97を含む複数の部品が装着されたノズルボディ40が、オリフィス部材50に仮組立てされる。この仮組立て工程において、凸部122が、凹部121内に挿入される。ここで、傾斜面128は、凸部122の先端に外円周面124より小径であって、かつ先端に向けて外直径が徐々に小さくなる錘面を形成している。よって、まず傾斜面128が凹部121内に挿入され、その後、徐々に凸部122が凹部121内に深く挿入されてゆく。よって、傾斜面128によって凸部122の中心軸と凹部121の中心軸とが一致するように、言い換えると内円周面123と外円周面124とが整列するようにノズルボディ40とオリフィス部材50とが案内される。さらに、凸部122は、フローティングプレート100をオリフィス部材50に当接させた状態で、プレートスプリング110を徐々に圧縮しながら、凹部121内に挿入される。凸部122は、シリンダ80がオリフィス部材50に当接するまで、凹部121内に挿入される。
プレートスプリング110はリターンスプリング97より圧縮されやすい。このため、ノズルボディ40をオリフィス部材50に仮組立てする工程において、プレートスプリング110は容易に圧縮されるが、リターンスプリング97はほとんど圧縮されない。プレートスプリング110は、ノズルボディ40とノズルニードル90との重さで圧縮できる。リターンスプリング97に荷重がないとき、リターンスプリング97の長さは、自由長SFである。図示される正規の装着状態では、リターンスプリング97の長さは、圧縮長さSCである。自由長SFと圧縮長さSCとの差が、リターンスプリング97の圧縮量SPである。ノズルボディ40が、オリフィス部材50に仮組立てされた状態では、シリンダ80は、ノズルボディ40の端面から圧縮量SPだけ突出している。よって、仮組立て状態では、シール面55とシール面43とは、軸方向に圧縮量SPだけ離れている。
凸部122の突出長さGPは、仮組立て状態においても、ノズルボディ40とオリフィス部材50とを径方向に関して位置決めするように設定されている。凸部122の軸方向の長さGPは、シリンダ80だけがオリフィス部材50に当接した状態で、外円周面124が内円周面123内に到達するように設定されている。具体的には、凸部122の軸方向の突出長さGPは、リターンスプリング97の圧縮量SPより長く(GP>SP)なるように設定されている。より詳細には、長さGEが、リターンスプリング97の圧縮量SPより長く(GE>SP)設定されている。これにより、リターンスプリング97が圧縮される前の仮組み立て状態においてオリフィス部材50とノズルボディ40とを正規の位置に位置決めすることができる。
次に、リテーニングナット70が締め付けられる。リテーニングナット70が締め付けられる過程において、リターンスプリング97が徐々に圧縮される。やがて、ノズルボディ40とオリフィス部材50とが直接に当接すると、リテーニングナット70の締め付け工程が終了する。
この実施形態では、燃料噴射装置10の製造方法に上記のような製造工程を含むから、ノズルボディ40とオリフィス部材50との径方向位置を正確に位置決めしながら、ノズルボディ40とオリフィス部材50とを組み立てることができる。
図5は、第1実施形態の燃料噴射装置10の正規の配置を示す拡大断面図である。図6は、第1実施形態の燃料噴射装置10の正規の配置を示す平面図である。この実施形態では、嵌め合い部120は、ノズルボディ40の外円周面124と、オリフィス部材50の内円周面123とを基準面として、それらを整列させる。円周面は、部品の中心軸に対して高い精度をもって形成することができる。嵌め合い部120は、ノズルボディ40の中心軸と、オリフィス部材50の中心軸とを正確に一致させる。したがって、ノズルボディ40とオリフィス部材50とが高い精度をもって位置決めされる。
ノズルボディ40とオリフィス部材50とが正規の配置に位置付けられると、オリフィス部材50の中心軸AX50と、シリンダ80の中心軸AX80とが一致する。この結果、オリフィス部材50に対するフローティングプレート100の位置も高い精度をもって正規の位置に位置決めされる。具体的には、当接面51上におけるフローティングプレート100の位置が正規の位置となる。オリフィス部材50とフローティングプレート100との接触部CSは、図示されるように同心円となる。接触部CSは、オリフィス部材50とフローティングプレート100との間の平面シールを示している。このため、フローティングプレート100には、その周方向に沿って均等に燃料の流れ、および燃料の圧力が作用する。この結果、フローティングプレート100の動作が安定する。また、燃料噴射特性が安定する。しかも、生産性に優れた構成により高い精度を実現できる。
(第2実施形態)
図7は、本発明を適用した第2実施形態の燃料噴射装置を示す拡大断面図である。第1実施形態では、オリフィス部材50が凹部121を備え、ノズルボディ40が凸部122を備えた。これに代えて、第2実施形態では、ノズルボディ40が凹部221を備え、オリフィス部材50が凸部222を備える。この構成では、凹部221の径方向外側に位置する内円周面223と、凸部222の径方向外側に位置する外円周面224とが接触する。この構成においても、オリフィス部材50に対するフローティングプレート100の位置を、高い精度をもって正規の位置に位置決めすることができる。また、第1実施形態では、凸部122の端部に案内用の傾斜面128を設けた。これに代えて、第2実施形態では、凹部221の開口端に案内用の傾斜面228を設けた。傾斜面228は、凹部221の内円周面223の端部に、端に向けて内直径が徐々に広がる内径拡大部を形成する。この構成においても、ノズルボディ40とオリフィス部材50との組み付け性を改善することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、内円周面123、223の内直径を、外円周面124、224の外直径以下に設定してもよい。この場合、内円周面123、223は、外円周面124、224内に圧入される。
また、上記実施形態では、凹部121、221によって内円周面123、223を形成し、凸部122、222によって外円周面124、224を形成した。これに代えて、凹部によって外円周面を形成し、凸部によって内円周面を形成してもよい。従って、内円周面123、223および外円周面124、224の一方が凹部121、221に形成され、他方が凸部122、222に形成された構成を採用することができる。また、凹部に代えて、段差部を採用してもよい。また、凸部に代えて、段差部を採用してもよい。
また、円周面123、124、223、224は、わずかな傾斜をもつ部分円錐面としてもよい。本発明における円周面は、部分円錐面を包含する概念である。
1 燃料供給システム、10 燃料噴射装置、11 噴孔、20 駆動部、27 圧力制御弁、30 ボディ、34 圧力室、40 ノズルボディ(弁本体)、43 シール面、50 オリフィス部材(ハウジング部材)、55 シール面、60 ホルダ、70 リテーニングナット、80 シリンダ、90 ノズルニードル(弁部材)、97 リターンスプリング、100 フローティングプレート(制御部材)、110 プレートスプリング、120 嵌め合い部、121 凹部、122 凸部、123 内円周面、124 外円周面、221 凹部、222 凸部、223 内円周面、224 外円周面。

Claims (7)

  1. 高圧燃料の通路が内部に形成され、前記高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、
    前記弁本体の内部において前記弁本体の軸方向に移動し、前記噴孔への前記高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、
    前記弁部材の端部に面して形成され、前記弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより前記弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、前記圧力室に前記高圧燃料を流入させる流入路(31)および前記圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、
    前記圧力室に配置され、前記ハウジング部材に接離することにより、少なくとも前記流入路と前記圧力室との連通を断続するとともに、前記弁本体によって径方向の位置が規定される制御部材(100)と、
    前記弁本体(40)および前記ハウジング部材(50)のいずれか一方に形成された内円周面(123、223)と、他方に形成された外円周面(124、224)とを有し、前記内円周面と前記外円周面とが互いに嵌め合わされることにより、前記弁本体と前記ハウジング部材とを径方向に関して位置決めする嵌め合い部(120)とを備え、
    前記内円周面(123、223)および前記外円周面(124、224)の一方が凹部(121、221)に形成され、他方が凸部(122、222)に形成されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 高圧燃料の通路が内部に形成され、前記高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、
    前記弁本体の内部において前記弁本体の軸方向に移動し、前記噴孔への前記高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、
    前記弁部材の端部に面して形成され、前記弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより前記弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、前記圧力室に前記高圧燃料を流入させる流入路(31)および前記圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、
    前記圧力室に配置され、前記ハウジング部材に接離することにより、少なくとも前記流入路と前記圧力室との連通を断続するとともに、前記弁本体によって径方向の位置が規定される制御部材(100)と、
    前記弁本体(40)および前記ハウジング部材(50)のいずれか一方に形成された内円周面(123、223)と、他方に形成された外円周面(124、224)とを有し、前記内円周面と前記外円周面とが互いに嵌め合わされることにより、前記弁本体と前記ハウジング部材とを径方向に関して位置決めする嵌め合い部(120)とを備え、
    前記ハウジング部材と前記弁部材との間に配置され、前記弁部材を閉弁方向へ付勢するリターンスプリング(97)を備え、
    前記内円周面(123、223)と前記外円周面(124、224)との嵌め合いの長さ(GE)は、前記リターンスプリング(97)の圧縮量(SP)より長く(GE>SP)なるように設定されており、
    前記内円周面(123、223)および前記外円周面(124、224)の一方が凹部(121、221)に形成され、他方が凸部(122、222)に形成されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 前記凹部(121、221)が前記弁本体に形成され、前記凸部(122、222)が前記ハウジング部材に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記凹部(121、221)が前記ハウジング部材に形成され、前記凸部(122、222)が前記弁本体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記凹部(121、221)に前記高圧燃料の通路(33)が開口していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  6. 前記弁部材の端部に設けられたピストン部(91)を収容するとともに、前記ハウジング部材(50)に押し付けて配置され、前記ハウジング部材とともに前記圧力室(34)を区画するシリンダ(80)を備え、
    前記制御部材(100)の径方向の位置が前記シリンダによって規定され、
    前記シリンダの径方向の位置が前記弁部材によって規定され、さらに
    前記弁部材の径方向の位置が前記弁本体によって規定されており、
    前記ハウジング部材と前記制御部材(100)とが、前記流入路と前記圧力室との連通を断続するための平面シールを形成していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  7. 前記内円周面(123、223)、または前記外円周面(124、224)に対して傾斜し、前記弁本体(40)および前記ハウジング部材(50)を嵌め合い位置へ案内する傾斜面(128、229)を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料噴射装置。
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