JP5310806B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に作用する燃料圧力を調節するために圧力応動型の制御部材を備える燃料噴射装置に関する。
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材に燃料圧力を作用させる圧力室と、この圧力室の圧力を調節することによって弁部材を移動させる圧力調節機構とを備える燃料噴射装置が開示されている。これらの燃料噴射装置においては、圧力調節機構は、電磁弁の開閉によって生じる圧力変化に応答して移動する圧力応動型の制御部材を用いることが提案されている。このような制御部材は、他の部材との接触面において流体的な抵抗を受ける。
欧州特許第1656498号明細書 特開平6−108948号公報 特許第4054621号公報
従来技術の構成では、制御部材と他の部材との接触面の面積が大きいと、流体的な抵抗力が大きくなり、応答性が低下するおそれがあった。また、燃料は温度に応じて粘度が変化する。このため、接触面に起因する流体的な抵抗は、温度に応じて変化する。この結果、接触面の面積が大きいと、流体的な抵抗力の変動が大きくなり、噴射特性に変動を与えるおそれがあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた応答性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明の他の目的は、安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、弁本体の内部において弁本体の軸方向に移動し、噴孔への高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、弁部材の端部に面して形成され、弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、圧力室に高圧燃料を流入させる流入路(31)および圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、圧力室に配置され、ハウジング部材に接離することにより、少なくとも流入路と圧力室との連通を断続する制御部材(100)と、制御部材を軸方向に移動可能に収容するとともに、制御部材の外周面(102)と対向する大径内周面(81)と、制御部材の外周面の外直径より小さい内直径をもつ小径内周面(82)と、大径内周面と小径内周面との間に設けられ制御部材の端面(104)と対向する段差面(83)とを有するシリンダ(80)とを備え、制御部材の端面(104)および/またはシリンダの段差面(83)に、端面と段差面との接触面を複数の島部分(CS)に分割する複数の溝(105、106、206、306、406、584、684、907、1085、1405)が形成されていることを特徴とする。
この構成によると、複数の溝によって接触面が複数の島部分に分割される。この結果、接触面の間からの燃料の排出と、接触面の間への燃料の流入が促進され、接触面における流体的な抵抗が抑制される。
請求項1に記載の発明は、複数の溝は、小径内周面(82)より径方向外側の領域に少なくとも設けられていることを特徴とする。この構成によると、接触面となる可能性のある小径内周面(82)より径方向外側の領域に溝が設けられる。この結果、溝によって接触面を減らし、接触面における流体的な抵抗が抑制される。
請求項1に記載の発明は、複数の溝は、外周面(102)と大径内周面(81)との間の隙間と、圧力室(34)とを連通する溝(105、106、206、306、406、584、684、1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、外周面と大径内周面との間の隙間と、圧力室とが、溝によって連通される。この結果、溝によって流路を提供するとともに、接触面における流体的な抵抗が抑制される。
請求項1に記載の発明は、複数の溝は、端面(104)から見て弓形をなすように制御部材に形成され、外周面と端面とに開口する切欠部(105、1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、外周面と大径内周面との間の隙間と、圧力室とを連通する溝が、主として弓形の切欠部によって提供される。この結果、弓形の切欠部によって流路を提供するとともに、接触面における流体的な抵抗が抑制される。
請求項1に記載の発明は、複数の溝は、複数の切欠部(105、1405)を備えることを特徴とする。この構成によると、複数の切欠部によって、複数の島部分を形成することができる。
請求項1に記載の発明は、段差面(83)と端面(104)とは、軸方向に関して、小径内周面(82)より径方向外側であって、外周面(102)より径方向内側である環状の重複範囲において重複しており、環状の重複範囲のうち、1/2を超える範囲は複数の切欠部を含む複数の溝によって失われていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、複数の溝は、制御部材の直径に沿って平行に延在する2つの切欠部(105、1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、制御部材の直径に沿って延在する2つの切欠部によって、複数の島部分を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、複数の溝は、制御部材の外周を囲むように配置された複数の切欠部(1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、複数の切欠部が制御部材の外周を囲むように配置される。よって、制御部材の外周を囲むように複数の島部分を配置することができる。
請求項4に記載の発明は、複数の溝は、4つの切欠部(1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、4つの切欠部によって少なくとも4つの島部分を形成することができる。
請求項5に記載の発明は、切欠部は、制御部材の外周面(102)と端面(104)との間の角部に形成された面取り部(1405)であることを特徴とする。この構成によると、面取り加工によって切欠部を形成することができる。
請求項6に記載の発明は、複数の溝は、さらに、切欠部より細い細溝(106、206、306、406、584、684、907、1085)を含むことを特徴とする。この構成によると、弓形の切欠部を設けてもなお残る接触面が細溝によって分割される。この結果、弓形の切欠部を設けてもなお残る接触面における流体的な抵抗が抑制される。複数の切欠部が設けられる場合、細溝は、複数の切欠部の間に形成することができる。
請求項7に記載の発明は、複数の溝は、接触面を3つ以上の島部分に分割する3つ以上の溝(105、106、206、306、406、584、684、907、1085、1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、3つ以上の溝が接触面を3つ以上の島部分に分割する。この結果、接触面における流体的な抵抗が抑制される。
請求項8に記載の発明は、複数の溝は、制御部材に形成された溝(105、106、206、306、406、907、1405)を含むことを特徴とする。この構成によると、複数の溝の少なくとも一部が、制御部材に形成される。
請求項9に記載の発明は、複数の溝は、シリンダに形成された溝(584、684、1085)を含むことを特徴とする。この構成によると、複数の溝の少なくとも一部が、シリンダに形成される。
請求項10に記載の発明は、外周面(102)は、大径内周面(81)と対向する大径外周面(102a)と、大径外周面より段差面(83)側に位置付けられ、端面(104)を囲む小径外周面(102b)とを備えることを特徴とする。この構成によると、制御部材の外周面は、大径内周面と対向する大径外周面と、大径外周面より段差面側に位置付けられ、端面を囲む小径外周面とを備える。すなわち、制御部材は、大径部分と小径部分とを有する段付き円柱状に形成される。この構成では、小径外周面によって端面が囲まれることにより、端面の外径が縮小される。この結果、接触面の面積を小さくすることができる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明の第1実施形態に係る燃料供給システムを示すブロック図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 第1実施形態の溝の形状を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第3実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第3実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第4実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第5実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第5実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第6実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第7実施形態(参考例)の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第7実施形態(参考例)の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第8実施形態(参考例)の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第8実施形態(参考例)の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第9実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第9実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第10実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第10実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第11実施形態の溝の形状を示す部分断面図である。 本発明の第12実施形態の溝の形状を示す部分断面図である。 本発明の第13実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第13実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。 本発明の第14実施形態の燃料噴射装置を示す部分拡大断面図である。 第14実施形態の燃料噴射装置を示す部分平面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る燃料供給システム1を示すブロック図である。燃料供給システム1には、第1実施形態に係る燃料噴射装置10が用いられている。燃料供給システム1は、内燃機関2に燃料を供給する。内燃機関2は、多気筒のディーゼル機関である。内燃機関2のヘッド部材2aは、燃焼室2bを区画している。燃料供給システム1は、直接噴射式燃料供給システムである。燃料噴射装置10は、燃焼室2b内に向けて直接的に燃料を噴射する。燃料供給システム1は、燃料タンク3、フィードポンプ4、高圧燃料ポンプ5、コモンレール6、電子制御装置(ECU:Electronic Control
Unit)7、および燃料噴射装置10を備える。
フィードポンプ4は、電動式のポンプである。フィードポンプ4は、燃料タンク3内に収容されている。フィードポンプ4は、高圧燃料ポンプ5に燃料配管8aによって接続されている。フィードポンプ4は、燃料タンク3内の液相燃料に、所定のフィード圧を与え、高圧燃料ポンプ5に供給する。燃料配管8aには、燃料の圧力を所定値に調節する調圧弁を設けることができる。
高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2に取り付けられている。高圧燃料ポンプ5は、内燃機関2の出力軸によって駆動される。高圧燃料ポンプ5は、コモンレール6に燃料配管8bによって接続されている。高圧燃料ポンプ5は、フィードポンプ4によって供給された燃料にさらに圧力を加えて、コモンレール6に供給する。高圧燃料ポンプ5は、ECU7と電気的に接続された電磁弁を有している。この電磁弁の開閉は、ECU7によって制御される。ECU7は、高圧燃料ポンプ5からコモンレール6に供給される燃料の圧力を所定の圧力に調節するように電磁弁を制御する。
コモンレール6は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料からなる管状の部材である。コモンレール6には、気筒数に応じた複数の分岐部6aが形成されている。ひとつの分岐部6aは、供給流路8cを形成する燃料配管によって、ひとつの燃料噴射装置10に接続されている。燃料供給システム1は、複数の燃料噴射装置10を備える。燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5とは、戻り流路8dを形成する燃料配管によって接続されている。コモンレール6は、高圧燃料ポンプ5から供給された高圧燃料を一時的に蓄える。コモンレール6は、高圧燃料を、複数の燃料噴射装置10に供給流路8cを介して分配する。コモンレール6は、軸方向の両端部のうち、一方の端部にコモンレールセンサ6bを有する。コモンレール6は、他方の端部に圧力レギュレータ6cを有する。コモンレールセンサ6bは、ECU7に電気的に接続されており、高圧燃料の圧力および温度を検出してECU7に出力する。圧力レギュレータ6cは、高圧燃料の圧力を一定に調節するとともに、余剰分の燃料を減圧して排出する。圧力レギュレータ6cを通過した余剰分の燃料は、コモンレール6と燃料タンク3との間を接続する燃料配管8e内の流路を介して、燃料タンク3へ戻される。
燃料噴射装置10は、噴孔11から燃焼室2b内へ高圧燃料を直接的に噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射装置10は、噴孔11からの高圧燃料の噴射を、ECU7からの制御信号に応じて制御する弁機構を備えている。弁機構は、高圧燃料の噴射を断続する主弁12と、制御弁13とを含む。燃料噴射装置10は、弁機構を駆動し、制御するために供給流路8cから供給された高圧燃料の一部を使用する。弁機構を駆動し、制御するために使用された燃料は、燃料噴射装置10と高圧燃料ポンプ5との間を連通する戻り流路8dに排出され、高圧燃料ポンプ5へ戻される。燃料噴射装置10は、内燃機関2のヘッド部材2aの挿入孔に挿入されて、取り付けられている。燃料噴射装置10は、160から220メガパスカル(MPa)程度の高圧燃料を噴射する。
ECU7は、マイクロコンピュータ等によって構成されている。ECU7は、複数のセンサと電気的に接続されている。複数のセンサには、上述したコモンレールセンサ6b、内燃機関2の回転速度を検出する回転速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサ、吸入吸気量を検出するエアフローセンサ、過給圧を検出する過給圧センサ、冷却水温を検出する水温センサ、および潤滑油の油温を検出する油温センサ等を含むことができる。ECU7は、センサからの情報に基づいて、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10の弁機構の開閉を制御するための電気信号を、高圧燃料ポンプ5の電磁弁および燃料噴射装置10に出力する。
図2は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す断面図である。燃料噴射装置10は、電磁式の駆動部20、ボディ30、ノズルニードル90、およびフローティングプレート100を備える。
駆動部20は、ボディ30内に収容されている。駆動部20は、パイロット式の電磁弁である。駆動部20は、制御弁13を構成する。駆動部20は、ソレノイド21、固定子22、可動子23、スプリング24、バルブシート部材25、およびターミナル26を有している。ターミナル26は、通電部材である。ターミナル26の一方の端部は、ボディ30から外部に露出している。ターミナル26の他方の端部は、ソレノイド21と接続されている。ソレノイド21は、ターミナル26を介してECU7からのパルス電流の供給を受ける。ソレノイド21は、通電されると磁界を発生させる。固定子22は、磁性材料によって形成された円筒状の部材である。固定子22は、ソレノイド21によって発生された磁束を案内する。可動子23は、磁性材料によって形成された二段円柱状の部材である。可動子23は、固定子22の軸方向先端側に配置されている。可動子23は、ソレノイド21が励磁されると、固定子22に向けて吸引される。スプリング24は、コイルスプリングである。スプリング24は、可動子23を固定子22から離間させる方向に付勢している。バルブシート部材25は、ボディ30の制御弁座部52とともに圧力制御弁27を形成している。バルブシート部材25は、可動子23の軸方向の端部に設けられている。バルブシート部材25は、制御弁座部52に着座し、流体の流通を阻止することができる。ソレノイド21が励磁されないとき、バルブシート部材25は、スプリング24の付勢力によって制御弁座部52に着座している。ソレノイド21が励磁されると、バルブシート部材25は、制御弁座部52から離座する。
ボディ30は、ノズルボディ40、オリフィス部材50、ホルダ60、リテーニングナット70、およびシリンダ80を有している。ノズルボディ40、オリフィス部材50、およびホルダ60は、噴孔11が設けられた先端側から、この順序で並んでいる。ボディ30は、流入路31、流出路32、主供給路33、および圧力室34を区画形成している。ボディ30は、オリフィス部材50の下面によって、圧力室34に露出する当接面51を提供する。流入路31の一端は、供給流路8cに連通している。流入路31の他端は、当接面51に開口する流入口31aに連通している。流出路32の一端は、圧力制御弁27を介して戻り流路8dに連通している。流出路32の他端は、当接面51に開口する流出口32aに連通している。圧力室34は、シリンダ80と、オリフィス部材50と、ノズルニードル90とによって区画されている。圧力室34には、供給流路8cを通過した高圧燃料が流入口31aから流入することができる。圧力室34内の燃料は、流出口32aを経由して戻り流路8dに流出することができる。
ノズルボディ40は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる有底円筒状の部材である。ノズルボディ40は、ノズルニードル収容部41、弁座部42、および噴孔11を有している。ノズルニードル収容部41は、ノズルボディ40の軸方向に沿って形成され、ノズルニードル90を収容する円筒穴である。ノズルニードル収容部41内には、高圧燃料が供給される。弁座部42は、ノズルニードル収容部41の底壁に形成されている。弁座部42は、ノズルニードル90の先端と接触するように形成されている。弁座部42は、高圧燃料の流通を断続する主弁の固定側弁座を提供する。噴孔11は、弁座部42より下流側に位置している。噴孔11は、ノズルボディ40の内側から外側に向けて放射状に複数形成されている。噴孔11を通過することで、高圧燃料は、微粒化され、および拡散して空気と混合し易い状態となる。ノズルボディ40は、ノズル部材、または弁本体とも呼ばれる。ノズルボディ40は、高圧燃料の通路が内部に形成され、高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔11が先端部に形成された部材である。
シリンダ80は、金属材料よりなる円筒状の部材である。シリンダ80は、オリフィス部材50およびノズルニードル90とともに圧力室34を区画する。シリンダ80は、ノズルニードル収容部41内に、ノズルニードル収容部41と同軸となるように配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50側に配置されている。シリンダ80の一方の端面は、オリフィス部材50の当接面51に押し付けられている。この結果、シリンダ80は、オリフィス部材50に固定され、保持されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に対して移動可能であるが、圧力室34を区画する部材として、オリフィス部材50に属する部材として見ることができる。一方で、シリンダ80は、その径方向の位置がノズルニードル90を介してノズルボディ40によって規定されるから、ノズルボディ40に属する部材としても見ることができる。
オリフィス部材50は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる円柱状の部材である。オリフィス部材50は、ノズルボディ40とホルダ60との間に配置され、保持されている。オリフィス部材50は、当接面51、制御弁座部52、流入路31、流出路32、および主供給路33を形成している。当接面51は、オリフィス部材50のノズルボディ40側の端面の径方向中央部に形成されている。当接面51は、シリンダ80によって囲まれて円形をなしている。制御弁座部52は、オリフィス部材50の軸方向の両端面のうち、ホルダ60側の端面に形成されている。制御弁座部52は、バルブシート部材25とともに圧力制御弁27を構成している。流入路31は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。流出路32は、当接面51の径方向中央部から、制御弁座部52に向って延びている。流出路32は、オリフィス部材50の中心軸に対して傾斜している。主供給路33は、供給流路8cとノズルニードル収容部41とを連通している。
オリフィス部材50は、フローティングプレート100に対向する面に、流入凹部53と、流出凹部54と、二重環状の当接面51を形成している。流入凹部53は、オリフィス部材50の中心軸と同心状の環状の溝状に形成されている。流入凹部53は、当接面51の頂面から窪んでいる。流入凹部53には、流入口31aが開口している。流出凹部54は、オリフィス部材50の中心軸と同心状の円形の溝状に形成されている。流出凹部54は、オリフィス部材50の径方向中央部に設けられている。流出凹部54は、当接面51の頂面から円形に窪んでいる。流入凹部53は、流出凹部54より径方向外側に位置する。流入凹部53と流出凹部54との間には、当接面51の内環が位置している。流入凹部53と流出凹部54とは、当接面51の内環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53と流出凹部54とを完全に仕切る。流入凹部53より径方向外側には、当接面51の外環が位置している。流入凹部53とノズルニードル収容部41とは、当接面51の外環によって提供される平面シールによって仕切られる。平面シールは、当接面51の頂面とフローティングプレート100とが接触するとき、流入凹部53とノズルニードル収容部41とを完全に仕切る。
オリフィス部材50は、ハウジング部材、またはオリフィスプレートとも呼ばれる。オリフィス部材50は、ノズルニードル90の端部に面して形成され、ノズルニードル90に作用する燃料の圧力を調節することによりノズルニードル90の移動を制御する圧力室34を区画する。さらに、オリフィス部材50は、圧力室34に高圧燃料を流入させる流入路31および圧力室34から燃料を流出させる流出路32を形成する。
ホルダ60は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる筒状の部材である。ホルダ60は、軸方向に沿って形成される縦孔61、62、およびソケット部63を有する。縦孔61は、供給流路8cと流入路31とを連通する燃料流路である。縦孔62のオリフィス部材50側には駆動部20が収容されている。縦孔62のオリフィス部材50とは反対側には、縦孔62の開口を閉塞するようソケット部63が形成されている。ソケット部63は、内部に駆動部20のターミナル26の一端が突出している。ソケット部63は、ECU7と接続されたプラグと嵌合可能なコネクタである。ソケット部63とプラグとの接続により、ECU7から駆動部20へのパルス電流の供給が可能となる。
リテーニングナット70は、金属材料よりなる二段円筒状の部材である。リテーニングナット70は、ノズルボディ40の一部と、オリフィス部材50と、ホルダ60の一部を収容している。リテーニングナット70は、ホルダ60のオリフィス部材50に近い端部に螺合されている。リテーニングナット70は、内周壁部に段差部71を形成している。段差部71は、ノズルボディ40の移動を規制する。リテーニングナット70がホルダ60へ取り付けられると、ノズルボディ40およびオリフィス部材50が、ホルダ60側に押し付けられる。ホルダ60と、リテーニングナット70とは、ノズルボディ40およびオリフィス部材50を軸方向に挟持し、固定している。
ノズルニードル90は、高速度工具鋼等の金属材料よって形成された全体として円柱状の部材である。ノズルニードル90は、ピストン部91、摺動部92、およびシート部93を有する。ピストン部91は、ノズルニードル90の円柱状の外周壁のうち、シリンダ80内に位置する部分である。ピストン部91は、シリンダ80内において、シリンダ80の内面に対して摺動自在に支持されている。摺動部92は、ノズルニードル90の外周面に等間隔に形成されている。摺動部92は、ノズルボディ40の内面に接触している。摺動部92は、ノズルニードル90を、ノズルボディ40内において軸方向に移動可能に案内する。シート部93は、ノズルニードル90の軸方向の両端部のうち、圧力室34とは反対側となる端部に形成されている。シート部93は、弁座部42に着座可能である。シート部93と弁座部42は、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料の噴孔11への流れを断続する主弁12を構成している。ノズルニードル90の段差部には、環状の鍔部材96が装着されている。ノズルニードル90は、弁部材とも呼ばれる。ノズルニードル90は、ノズルボディ40の内部においてノズルボディ40の軸方向に移動し、噴孔11への高圧燃料の供給を断続する。
シリンダ80とノズルニードル90との間には、リターンスプリング97が圧縮状態で配置されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に接触しているから、リターンスプリング97は、オリフィス部材50とノズルニードル90との間に配置されているといえる。ノズルニードル90は、リターンスプリング97によって閉弁方向へ付勢されている。リターンスプリング97は、コイルスプリングである。リターンスプリング97の軸方向の一端は、鍔部材96に当接し、他端はシリンダ80の端面に当接している。ノズルニードル90は、ピストン部91に作用する燃料の圧力と、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料との圧力差に応答して、シリンダ80の軸方向に沿って直線的に往復変位する。ノズルニードル90は、シート部93を弁座部42に着座、または離座させることにより、主弁12を開閉する。
シリンダ80内には、フローティングプレート100が収容されている。フローティングプレート100は、圧力室34への燃料の流入と流出とを制御する制御部材である。フローティングプレート100は、金属材料よりなる円板状の部材である。フローティングプレート100は、圧力室34内に移動可能に配置されている。フローティングプレート100の中心軸は、シリンダ80の中心軸に沿って配置されている。フローティングプレート100は、シリンダ80と同軸上に配置されている。フローティングプレート100は、主としてその軸方向に往復変位可能に配置されている。フローティングプレート100の両端面のうち、当接面51と対向する一方の端面は、当接面51に当接可能である。フローティングプレート100の外周面と、シリンダ80との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。フローティングプレート100の中央部には、連通孔101がフローティングプレート100を軸方向に貫通して形成されている。連通孔101は、圧力室34と流出路32とを連通する。連通孔101は、絞り部でもある。連通孔101は、連通孔101を流れる燃料の流量を制限する。
フローティングプレート100が当接面51から離れているとき、流入口31aから流入した燃料は、フローティングプレート100とシリンダ80との間を通過して圧力室34に流入する。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、圧力室34内の燃料は、連通孔101を経由して、流出口32aから流出することができる。フローティングプレート100が当接面51に着座しているとき、流入口31aと圧力室34との間の連通は遮断される。フローティングプレート100と、オリフィス部材50とは、圧力室34への高圧燃料の導入と、圧力室34からの燃料の排出とを切替える流路切替え弁を提供している。
フローティングプレート100は、圧力制御弁27によって制御される圧力に応じて移動する圧力応動型の制御部材である。フローティングプレート100は、圧力室34に配置され、オリフィス部材50に接離することにより、少なくとも流入路31と圧力室34との連通を断続する。さらに、フローティングプレート100は、ノズルボディ40によって径方向の位置が規定される部材である。オリフィス部材50とフローティングプレート100とは、流入路31と圧力室34との連通を断続するための平面シールを形成している。
プレートスプリング110は、コイルスプリングである。プレートスプリング110の軸方向の一端は、フローティングプレート100の端面に着座している。プレートスプリング110の軸方向の他端は、ノズルニードル90に着座している。プレートスプリング110は、フローティングプレート100とノズルニードル90との間に、軸方向に縮められ状態で配置されている。プレートスプリング110はフローティングプレート100を当接面51に向けて付勢している。
図3は、第1実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図4は、第1実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。図中には、フローティングプレート100を下から見た平面図が図示されている。図中において、破線は小径内周面82の投影位置を示し、ハッチングされた範囲は、接触面を示す。
シリンダ80は、筒状の部材である。シリンダ80の内面は、大径内周面81と、小径内周面82と、段差面83とを有する。大径内周面81の内直径は、小径内周面82の内直径より大きい。大径内周面81は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50側に位置する。大径内周面81の内部に、流入口31aおよび流出口32aが位置付けられている。大径内周面81は、フローティングプレート100の外周面102と対向している。大径内周面81と外周面102との間には、わずかな隙間が形成されている。大径内周面81の軸方向の深さは、フローティングプレート100の軸方向厚さよりやや大きい。このため、大径内周面81が区画する円柱状の空間は、フローティングプレート100が軸方向にわずかに移動することを許容する。小径内周面82は、シリンダ80の軸方向においてオリフィス部材50とは反対側に位置する。小径内周面82は、フローティングプレート100の外周面102の外直径より小さい内直径をもつ。小径内周面82は、ノズルニードル90の端部に設けられたピストン部91を、軸方向に沿って摺動可能に収容している。小径内周面82は、シリンダ側の摺動面を提供する。小径内周面82は、シリンダボアを形成している。段差面83は、オリフィス部材50と対向する環状の平面である。段差面83は、フローティングプレート100の端面104の径方向外側の縁部と対向する。段差面83は、大径内周面81と小径内周面82との間に形成されている。シリンダ80は、オリフィス部材50に押し付けて配置されることによってオリフィス部材50とともに圧力室34を区画する。
ピストン部91は、小径内周面82内に位置している。ピストン部91は、小径内周面82に対して摺動自在に支持されている。ピストン部91は、圧力室34を区画している。ピストン部91は、圧力室34内の燃料の圧力を受ける。ピストン部91は、円筒状に形成されており、内部にプレートスプリング110の一部を収容するスプリング収容部を形成している。
フローティングプレート100は、シリンダ80の大径内周面81の径方向内側に収容されている。フローティングプレート100の外周面102と、シリンダ80の大径内周面81との間には、燃料の流通を可能とする十分な大きさの隙間が形成されている。フローティングプレート100は、オリフィス部材50と対向する端面103と、段差面83と対向する端面104とを有する。端面103は上面とも呼ばれる。端面104は、下面とも呼ばれる。
端面104の径方向外側の外縁部には、部分的に切欠部105が形成されている。切欠部105は、外周面102と端面104とにまたがって開口する直線状の凹溝である。切欠部105は、フローティングプレート100のひとつの直径から離れて位置し、かつその直径と平行な直線状の稜線を、端面104上に形成する。フローティングプレート100には、複数の切欠部105が形成されている。フローティングプレート100には、2つの切欠部105が互いに平行に形成されている。この結果、端面104は、ひとつの直径方向の反対側に位置する一対の円弧と、その直径と直交する直径方向の反対側に位置する一対の直線とで区画されている。ひとつの切欠部105は、端面104から見て弓形をなすようにフローティングプレート100に形成されている。弓形は、円弧と、その円弧の両端を結ぶ弦とで囲まれた範囲である。2つの切欠部105は、円板状のフローティングプレート100の外周面102と端面104との間の角部を切除して形成することができる。2つの切欠部105は、フローティングプレート100に形成された溝とも見ることができる。よって、この実施形態では、端面104と段差面83との接触面を複数の島部分CSに分割する溝には、切欠部105が含まれている。2つの切欠部105は、フローティングプレート100の直径に沿って平行に延在している。
切欠部105は、外周面102から径方向へ所定の幅をもち、端面104から軸方向へ所定深さをもつ。切欠部105の幅は、段差面83の径方向の幅より大きい。切欠部105は、小径内周面82より径方向内側に達しており、圧力室34に連通する通路を形成している。このため、外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料は、切欠部105を通して圧力室34に流入することができる。
図3および図4において、端面104には、複数の溝106が形成されている。複数の溝106は、2つの切欠部105、105の間にだけ位置している。複数の溝106は、放射状に配置されている。
溝106は、外周面102に直接に開口している。溝106は、端面104において、小径内周面82より径方向内側に開口している。溝106は、外周面102と端面104とにまたがって開口している。ただし、溝106は、切欠部105より明らかに小さい。複数の溝106のそれぞれが提供する流路断面積は、ひとつの切欠部105が提供する流路断面積より明らかに小さい。流路断面積は、圧力室34に流入する燃料の流れに垂直な断面積である。このため、外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料は、主として切欠部105を通して圧力室34に流入する。外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料の一部だけが、複数の溝106を通して圧力室34に流入することができる。
溝106の少なくとも一部は、端面104上における小径内周面82より径方向外側に形成されている。段差面83と端面104とは、軸方向に関して環状の範囲において重複している。図中において、小径内周面82より径方向外側であって、外周面102より径方向内側の範囲が、環状の重複範囲である。この環状の重複範囲は、段差面83と端面104との接触面となる可能性がある範囲である。フローティングプレート100における環状の重複範囲のうち、径方向の反対側に位置する2つのおよそ1/4の範囲は2つの切欠部105によって失われている。すなわち、環状の重複範囲のうち、およそ1/4の範囲は、ひとつの切欠部105によって失われている。また、径方向の反対側に位置する他のひとつの1/4の範囲は、他のひとつの切欠部105によって失われている。
環状の重複範囲のうち、ひとつの残る1/4の範囲は、複数の溝106によって2つ以上の複数の島部分CSに分割されている。また、環状の重複範囲のうち、他の残る1/4の範囲も、複数の溝106によって2つ以上の複数の島部分CSに分割されている。これら複数の島部分CSは、段差面83と端面104との接触面である。複数の島部分CS、すなわち複数の接触面は、溝106と溝106との間、または溝106と切欠部105との間に形成されている。
複数の島部分CSは、フローティングプレート100の周方向に沿って互いに離れて分散して配置されている。複数の切欠部105が端面104上に点対称に配置され、さらに複数の溝106が端面104上に点対称に配置されているから、複数の島部分CSは端面104上に点対称に分散している。これにより、フローティングプレート100がシリンダ80に当接した状態でのフローティングプレート100の姿勢が安定する。
複数の溝106は、端面104と段差面83とが接近するときに、複数の島部分CSからの燃料の排出を促進する。また、複数の溝106は、端面104と段差面83とが離れるときに、複数の島部分CSへの燃料の流入を促進する。このため、複数の溝106により、段差面83と端面104との接触面における流体的な抵抗が抑制される。
この実施形態では、フローティングプレート100は、2つの切欠部105と複数の溝106とを含む複数の溝を備えている。これらの溝は、フローティングプレート100と段差面83との接触面の面積を減らす。また、これらの溝は、燃料の流路を形成する。切欠部105は、弓形溝とも呼ぶことができる。一方、溝106は、線形溝とも呼ぶことができる。切欠部105は、端面104において溝106より太く、外周面102において溝106より深い。そこで、切欠部105は太溝、または深溝とも呼ばれる。一方、溝106は、端面104において切欠部105より細く、外周面102において切欠部105より浅い。そこで、溝106は、細溝、または浅溝とも呼ばれる。この実施形態では、フローティングプレート100だけに、端面104と段差面83との接触面を複数の島部分CSに分割する複数の溝105、106が形成されている。しかも、複数の溝105、106は、接触面を3つ以上の島部分に分割する3つ以上の溝105、106を含む。
図5は、第1実施形態の溝106の形状を示す部分断面図である。溝106は、端面104の頂面から凹んでいる。溝106は、断面矩形の溝である。
燃料供給システム1は、燃料噴射装置10に高圧燃料を供給する。燃料噴射装置10は、ECU7からの信号に応答して燃料を噴射する。
ECU7からの信号がないとき、圧力制御弁27は閉弁している。高圧燃料は、ノズルニードル収容部41内に供給される。一方、流入口31aから流入凹部53に供給された高圧燃料は、フローティングプレート100を当接面51からリフトさせるように作用する。このとき、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しい。このため、流入凹部53内の高圧燃料は、フローティングプレート100を押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。ノズルニードル収容部41内の圧力と、圧力室34内の圧力との差は小さいから、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射を停止させている。
ECU7からの信号によってソレノイド21が励磁されると、圧力制御弁27が開弁する。圧力制御弁27が開弁すると、圧力室34内の燃料が連通孔101を通して流出する。これにより、圧力室34内の燃料圧力が低下する。このとき流出凹部54内の圧力が低いため、フローティングプレート100は当接面51に着座したままである。圧力室34内の圧力が低下すると、ノズルニードル収容部41内に供給された高圧燃料は、リターンスプリング97に抗してノズルニードル90を圧力室34側に高速で押し上げる。この結果、ノズルニードル90は、弁座部42から離座し、噴孔11からの燃料噴射が開始される。
ECU7からの信号によってソレノイド21の励磁が停止されると、圧力制御弁27が閉弁する。これにより、流出凹部54内の圧力は連通孔101によって圧力室34内の圧力と等しくなる。この結果、流入口31aから流入凹部53に供給される高圧燃料は、フローティングプレート100をわずかに押し下げ、圧力室34に流入する。圧力室34の圧力が上昇すると、フローティングプレート100は、当接面51に着座する。圧力室34の圧力が上昇すると、ノズルニードル90は、弁座部42に着座し、噴孔11からの燃料噴射が停止される。
この実施形態によると、フローティングプレート100がシリンダ80に接触するとき、および/またはフローティングプレート100がシリンダ80から離れるときに、フローティングプレート100に作用する燃料の抵抗を抑制することができる。このため、フローティングプレート100の動きの応答性が高められる。また、接触面が小さいため、燃料の温度が変化しても、フローティングプレート100の応答性の変動が小さい。このため、安定した燃料噴射特性が実現される。
(第2実施形態)
図6は、本発明を適用した第2実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。第1実施形態では、複数の溝106を放射状に配置した。これに代えて、複数の溝を互いに平行に配置してもよい。端面104には、複数の溝206が形成されている。複数の溝206は、互いに平行に配置されている。複数の溝206は、2つの切欠部105、105とも平行に配置されている。この実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3実施形態)
図7は、本発明を適用した第3実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図8は、第3実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。第1実施形態では、端面104の直径にわたって延びる溝106を採用した。これに代えて、この実施形態では、複数の溝306を採用する。複数の溝306は、端面104上に放射状に延びている。ただし、複数の溝306は、端面104上における中央部にはない。複数の溝306は、端面104上における径方向外側領域にだけ設けられている。複数の溝306は、プレートスプリング110の外直径より径方向外側にだけ設けられている。複数の溝306は、小径内周面82より径方向外側の領域に少なくとも設けられている。この実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、プレートスプリング110のための安定した座面を提供することができる。
(第4実施形態)
図9は、本発明を適用した第4実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。先の実施形態では、複数の溝306を放射状に配置した。これに代えて、複数の溝を互いに平行に配置してもよい。端面104には、複数の溝406が形成されている。この実施形態でも、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第5実施形態)
図10は、本発明を適用した第5実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図11は、第5実施形態の燃料噴射装置10のシリンダ80を示す部分平面図である。図中には、シリンダ80を上から見た平面図が図示されている。図中において、破線は切欠部105の投影位置を示し、ハッチングされた範囲は、接触面を示す。
先行する実施形態では、フローティングプレート100だけに複数の溝を形成した。これに代えて、この実施形態では、シリンダ80の段差面83にも、複数の溝584を形成する。複数の溝584は、段差面83の頂面から凹んでいる。複数の溝584は、段差面83に放射状に配置されている。複数の溝584は、段差面83の周方向に沿って均等に分散して設けられている。
フローティングプレート100には、接触面を分割する溝のひとつとしての切欠部105が形成されている。よって、この実施形態では、フローティングプレート100およびシリンダ80に、端面104と段差面83との接触面を複数の島部分CSに分割する複数の溝105、584が形成されている。
溝584は、段差面83上における外周面102より径方向外側に開口している。また、溝584は、小径内周面82にも開口している。従って、外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料の一部が、複数の溝584を通して圧力室34に流入することができる。この実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、プレートスプリング110のための安定した座面を提供することができる。
(第6実施形態)
図12は、本発明を適用した第6実施形態の燃料噴射装置10のシリンダ80を示す部分平面図である。先の実施形態では、複数の溝584を放射状に配置した。これに代えて、複数の溝を互いに平行に配置してもよい。段差面83には、複数の溝684が形成されている。この実施形態でも、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第7実施形態(参考例)
図13は、本発明第7実施形態(参考例)の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図14は、第7実施形態(参考例)の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。先行する複数の実施形態では、切欠部105を設けていた。これに代えて、この実施形態(参考例)では、切欠部105を備えないフローティングプレート100を採用する。この実施形態(参考例)は、図7、図8に図示された第3実施形態の変形例である。端面104には、その全周にわたって複数の溝306が形成されている。複数の溝306は、端面104の周方向に沿って均等に分散して設けられている。外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料は、複数の溝306だけを通して圧力室34に流入することができる。
(第8実施形態(参考例)
図15は、本発明第8実施形態(参考例)の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図16は、第8実施形態の燃料噴射装置10のシリンダ80を示す部分平面図である。この実施形態(参考例)では、切欠部105を備えないフローティングプレート100を採用する。この実施形態(参考例)は、図10、図11に図示された第5実施形態の変形例である。
この実施形態(参考例)では、シリンダ80だけに、端面104と段差面83との接触面を複数の島部分CSに分割する複数の溝584が形成されている。外周面102と大径内周面81との間の隙間を通過した燃料は、複数の溝584だけを通して圧力室34に流入することができる。
(第9実施形態)
図17は、本発明を適用した第9実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図18は、第9実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。先行する複数の実施形態では、外周面102と大径内周面81との間の隙間と、圧力室34とを連通する複数の溝を採用した。これに代えて、この実施形態では、溝907が採用される。端面104の径方向外側の縁部には、2つの円弧状の溝907が形成されている。溝907は、段差面83と端面104との環状の重複範囲を径方向に分割している。環状の重複範囲のうち、およそ1/4の範囲はひとつの切欠部105によって失われている。また、環状の重複範囲のうち、およそ1/4の範囲は、他のひとつの切欠部105によって失われている。環状の重複範囲のうち、残る1/4の範囲は、溝907によって複数の島状部分CSに分割されている。また、環状の重複範囲のうち、残る1/4の範囲も、溝907によって複数の島部分CSに分割されている。これら複数の島部分CSは、段差面83と端面104との接触面である。複数の島部分CS、すなわち複数の接触面は、溝907と外周面102との間、および溝907と小径内周面82との間に形成されている。
島部分CSの径方向の幅は、重複範囲の径方向の幅より小さい。島部分CSの径方向の幅は、段差面83の径方向の幅の1/3以下である。
この実施形態によると、フローティングプレート100がシリンダ80に接触するとき、および/またはフローティングプレート100がシリンダ80から離れるときに、フローティングプレート100に作用する燃料の抵抗を抑制することができる。このため、フローティングプレート100の動きの応答性が高められる。また、接触面が小さいため、燃料の温度が変化しても、フローティングプレート100の応答性の変動が小さい。このため、安定した燃料噴射特性が実現される。
(第10実施形態)
図19は、本発明を適用した第10実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図20は、第10実施形態の燃料噴射装置10のシリンダを示す部分平面図である。先の実施形態では、フローティングプレート100に溝907を形成した。これに代えて、この実施形態では、溝1085が採用される。段差面83には、環状の溝1085が形成されている。溝1085は、段差面83と端面104との環状の重複範囲を径方向に分割している。この実施形態でも、複数の島部分CSが形成される。この実施形態でも、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第11実施形態)
図21は、上記実施形態の変形例に係る溝の形状を示す部分断面図である。上述の複数の実施形態の溝106、206、306、406、584、684、907、1085は、図示されるような台形断面をもつ溝1200によって形成することができる。
(第12実施形態)
図22は、上記実施形態の変形例に係る溝の形状を示す部分断面図である。上述の複数の実施形態の溝106、206、306、406、584、684、907、1085は、図示されるような円弧断面または半円断面をもつ溝1300によって形成することができる。
(第13実施形態)
図23は、本発明を適用した第13実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図24は、第13実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。この実施形態は、図1から図5に図示された第1実施形態の変形例である。端面104には、複数の溝106を形成することなく、2つの切欠部105だけが形成されている。よって、フローティングプレート100に形成された溝は、切欠部105だけである。
複数の切欠部105は、段差面83と端面104との環状の重複範囲を周方向に分割することによって、2つの互いに離れた島部分CSを形成している。この実施形態でも、切欠部105によって接触面の面積を減らすことができる。また、フローティングプレート100がシリンダ80の段差面83に着座しているときに、切欠部105によって燃料の流路を形成することができる。この実施形態によると、フローティングプレート100の動きの応答性が高められる。また、安定した燃料噴射特性が実現される。
(第14実施形態)
図25は、本発明を適用した第14実施形態の燃料噴射装置10を示す部分拡大断面図である。図26は、第14実施形態の燃料噴射装置10のフローティングプレート100を示す部分平面図である。
先の実施形態では、少なくともひとつの切欠部105をフローティングプレート100に形成した。さらに、先の実施形態では、複数の切欠部105をフローティングプレート100に形成した。先の実施形態では、複数の切欠部105として、端面104を挟むように配置された2つの切欠部105を例示した。これに代えて、3つ以上の複数の切欠部を配置してもよい。この実施形態では、フローティングプレート100は、フローティングプレート100を囲むように、詳細には端面104を囲むように配置された4つの切欠部1405を備える。
この実施形態では、フローティングプレート100は、大径部分と小径部分とを有する段付き円柱状に形成されている。外周面102は、大径外周面102aと、大径外周面102aより径が小さい小径外周面102bとを提供している。これら大径外周面102aと小径外周面102bとの間に環状の段差面が形成されている。大径外周面102aは、大径内周面81と対向し、大径内周面81上を摺動することができる。小径外周面102bの直径は、小径内周面82より大きい。小径外周面102bは、大径外周面102aより段差面83側に位置付けられている。小径外周面102bは、端面104を囲んでいる。小径外周面102bは、端面104の外径を縮小することに貢献する。小径外周面102bは、段差面83と端面104との環状の重複範囲の径方向外側の縁の外径を小さくすることに貢献する。
フローティングプレート100には、複数の切欠部1405が形成されている。複数の切欠部1405は、フローティングプレート100の四方を囲むように配置された4つの切欠部1405を含む。フローティングプレート100には、互いに平行な2つの切欠部1405を一組として、複数組の切欠部1405が形成されている。ひとつの組に属する2つの切欠部1405は、フローティングプレート100の直径に沿って平行に延在している。ひとつの組の切欠部1405と、他のひとつの組の切欠部1405とは、互いに交差する方向に、例えば直交する方向に沿って延在している。周方向に隣接する2つの切欠部1405は、互いに交差する方向に、例えば直交する方向に延びている。複数の切欠部1405は、フローティングプレート100の周方向に沿って等間隔に分散して配置されている。周方向に隣接する2つの切欠部1405は、それらの周方向の間に小径外周面102bを部分的に残すように配置されている。
複数の切欠部1405は、段差面83と端面104との環状の重複範囲を周方向に分割することによって、互いに離れた複数の島部分CSを形成している。複数の島部分CSは、フローティングプレート100の周方向に沿って分散して配置されている。複数の島部分CSは、フローティングプレート100の周方向に沿って互いに等間隔だけ離れて配置されている。島部分CSは、円弧状に延在している。島部分CSの径方向外側の縁は、小径外周面102bによって規定されている。島部分CSの径方向内側の縁は、小径内周面82によって規定されている。島部分CSの周方向の両縁は、切欠部1405によって規定されている。
切欠部1405は、フローティングプレート100の小径部分の角部にのみ形成されている。切欠部1405は、大径外周面102aに到達することなく、小径外周面102bにのみ到達するように形成されている。切欠部1405は、フローティングプレート100の中心軸に対して傾斜して広がる傾斜平面を提供する。切欠部1405は、小径外周面102bと端面104との間の角部に形成された面取り部によって提供されている。よって、切欠部1405は、溝部であるとともに、面取り部とも呼ばれる。切欠部1405は、角部を斜めに切削する面取り加工によって形成される。4つの切欠部1405は、フローティングプレート100の小径部分の先端の断面形状を、部分的に台形に形成する。切欠部1405は、小径外周面102b上に円弧状の境界線を形成するとともに、端面104上に直線状の境界線を形成する。
図示されるように、ひとつの切欠部1405は、小径外周面102b上の曲線と、端面104上の直線とで区画されている。ひとつの切欠部1405は、端面104側から軸方向に見て、弓型の形状を有する。ひとつの切欠部1405は、フローティングプレート100のひとつの直径から離れて、この直径と平行に延在している。切欠部1405の長手方向(弦の方向)の両端は小径外周面102b上に位置している。この結果、端面104は、4つの切欠部1405によって提供される4つの弦と、小径外周面102bによって提供される4つの曲線とを交互に配置して、それらによって囲まれている。
切欠部1405の径方向の幅は、切欠部1405が小径内周面82より径方向内側にまで到達するように設定されている。切欠部1405の径方向幅は、切欠部1405に平行なフローティングプレート100の外周面の接線からの幅である。切欠部1405の径方向幅は、先行する実施形態の切欠部105の径方向幅より浅い。外周面102と大径内周面81との間の隙間と圧力室34とを連通するための流路は、4つの切欠部1405に分散して配置される。この結果、必要な流路断面積を確保しながら、複数の島部分CSがフローティングプレート100の周方向に沿って分散して配置される。
この実施形態では、段付き円柱状のフローティングプレート100を採用したから、接触面の外径を減らすことができ、その結果接触面の面積を減らすことができる。しかも、複数の切欠部1405によって接触面の面積を減らすことができる。また、フローティングプレート100がシリンダ80の段差面83に着座しているときに、切欠部1405によって燃料の流路を形成することができる。また、切欠部1405は、面取り部によって提供されるから、流体の容積の過剰な増加を抑制することができる。さらに、複数の切欠部1405を周方向に関して等間隔に分散して配置し、複数の島部分CSを周方向に関して等間隔に分散して形成したから、フローティングプレート100を安定的に着座させることができる。また、複数の島部分CSは、円弧状に形成されているから、過剰な摩耗を生じることがない。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、溝106、206、306、406、584、684、907、1085は、三角断面をもつ溝によって形成してもよい。また、フローティングプレート100の端面104と、シリンダ80の段差面83との両方に複数の小溝を設けてもよい。また、複数の溝106、206、306、406、584、684は、縦横に交差するように設けられてもよい。
また、切欠部105は、フローティングプレート100の軸方向に沿って広がる面と、軸方向と直交する面とによって溝状に形成した。これに代えて、切欠部105は、切欠部1405のように面取り部によって形成されてもよい。
また、第14実施形態に説明した段付き円柱状のフローティングプレート100を先行する実施形態に適用し、小径部分に切欠部105を形成してもよい。
1 燃料供給システム、10 燃料噴射装置、11 噴孔、20 駆動部、27 圧力制御弁、30 ボディ、34 圧力室、40 ノズルボディ(弁本体)、50 オリフィス部材(ハウジング部材)、60 ホルダ、70 リテーニングナット、80 シリンダ、90 ノズルニードル(弁部材)、97 リターンスプリング、100 フローティングプレート(制御部材)、102 外周面、102a 大径外周面、102b 小径外周面、110 プレートスプリング、105 切欠部(溝)、106 溝、206 溝、306 溝、406 溝、584 溝、684 溝、907 溝、1085
溝、1405 切欠部(溝)。

Claims (10)

  1. 高圧燃料の通路が内部に形成され、前記高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴孔(11)が先端部に形成された弁本体(40)と、
    前記弁本体の内部において前記弁本体の軸方向に移動し、前記噴孔への前記高圧燃料の供給を断続する弁部材(90)と、
    前記弁部材の端部に面して形成され、前記弁部材に作用する燃料の圧力を調節することにより前記弁部材の移動を制御する圧力室(34)を区画するとともに、前記圧力室に前記高圧燃料を流入させる流入路(31)および前記圧力室から燃料を流出させる流出路(32)を形成するハウジング部材(50)と、
    前記圧力室に配置され、前記ハウジング部材に接離することにより、少なくとも前記流入路と前記圧力室との連通を断続する制御部材(100)と、
    前記制御部材を軸方向に移動可能に収容するとともに、前記制御部材の外周面(102)と対向する大径内周面(81)と、前記制御部材の外周面の外直径より小さい内直径をもつ小径内周面(82)と、前記大径内周面と前記小径内周面との間に設けられ前記制御部材の端面(104)と対向する段差面(83)とを有するシリンダ(80)とを備え、
    前記制御部材の前記端面(104)および/または前記シリンダの前記段差面(83)に、前記端面と前記段差面との接触面を複数の島部分(CS)に分割する複数の溝(105、106、206、306、406、584、684、907、1085、1405)が形成されており、
    複数の前記溝は、前記小径内周面(82)より径方向外側の領域に少なくとも設けられており、
    複数の前記溝は、前記外周面(102)と前記大径内周面(81)との間の隙間と、前記圧力室(34)とを連通する溝(105、106、206、306、406、584、684、1405)を含み、
    複数の前記溝は、前記端面(104)から見て弓形をなすように前記制御部材に形成され、前記外周面と前記端面とに開口する切欠部(105、1405)を含み、
    複数の前記溝は、複数の前記切欠部(105、1405)を備え、
    前記段差面(83)と前記端面(104)とは、軸方向に関して、前記小径内周面(82)より径方向外側であって、前記外周面(102)より径方向内側である環状の重複範囲において重複しており、前記環状の重複範囲のうち、1/2を超える範囲は複数の前記切欠部を含む複数の前記溝によって失われていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 複数の前記溝は、前記制御部材の直径に沿って平行に延在する2つの前記切欠部(105、1405)を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 複数の前記溝は、前記制御部材の外周を囲むように配置された複数の前記切欠部(1405)を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 複数の前記溝は、4つの前記切欠部(1405)を含むことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記切欠部は、前記制御部材の前記外周面(102)と前記端面(104)との間の角部に形成された面取り部(1405)であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  6. 複数の前記溝は、さらに、前記切欠部より細い細溝(106、206、306、406、584、684、907、1085)を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  7. 複数の前記溝は、前記接触面を3つ以上の島部分に分割する3つ以上の溝(105、106、206、306、406、584、684、907、1085、1405)を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  8. 複数の前記溝は、前記制御部材に形成された溝(105、106、206、306、406、907、1405)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  9. 複数の前記溝は、前記シリンダに形成された溝(584、684、1085)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  10. 前記外周面(102)は、前記大径内周面(81)と対向する大径外周面(102a)と、前記大径外周面より前記段差面(83)側に位置付けられ、前記端面(104)を囲む小径外周面(102b)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料噴射装置。
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