JP2011225534A - メイクアップ化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧持ちが良好で、適度な使用量が取れ、重ね付けしやすくフィット感があり、均一な化粧膜に仕上がる化粧効果に優れたメイクアップ化粧料を提供すること。
【解決手段】(A)ジェランガム、(B)酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有する皮膜形成性ポリマー、(C)水を配合したことを特徴とするメイクアップ化粧料。
【選択図】図1

Description

本発明は、メイクアップ化粧料に関し、更に詳しくは、ジェランガムと酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有する皮膜形成性ポリマーと水とを配合することにより、化粧持ちが良好で、使用時の指や塗布具での取れの良さ、重ね付けしやすくフィット感があり、均一な化粧膜に仕上がる化粧効果に優れたメイクアップ化粧料に関するものである。
メイクアップ化粧料は、まぶたや頬に塗布し、陰影を付けたり、化粧効果を演出するためにパールの光沢感が高いものが求められている。水と水系のゲル化剤を用いてゲルを形成した基剤に光輝性粉体を配合したメイクアップ化粧料は、基剤のもつ透明感のある光沢感、水々しさを演出することができ、市場で好まれている。透明感があり、水々しい感触のメイクアップ化粧料として、水系のゲル化剤としてジェランガムを配合したメイクアップ化粧料が開発された。
水系のメイクアップ化粧料は、水系のゲル化剤、粉体、水からなり、化粧料として求められる使用性、使用感、及び機能性を向上させるために、剤型や成分の配合検討が行われてきた。例えば、皮膜形成剤を配合したものとしては、ジェランガムとポリエーテル変性シリコーン等の皮膜形成剤を配合することで、化粧持ちを向上させる技術(特許文献1)や、ジェランガムと光輝性粉体を配合することでパール光沢粉体の光沢感を高める技術(特許文献2)の中で、アクリル酸アルキル共重合体ポリマーエマルションの配合も例示されていた。さらに、水中油型乳化化粧料で、光輝性粉体を多量に配合し、化粧効果を高める技術(特許文献3)があった。
特開2008−273877号公報 特開2005−97148号公報 特開2009−155209号公報
しかしながら、ジェランガムとポリエーテル変性シリコーンを配合することで、化粧持ちは向上するものの、ポリエーテル変性シリコーンは水系に分散しづらく、着手の取れが悪く、重ね付けしづらくフィット感に欠け、化粧膜が不均一になるという欠点があった。また、ジェランガムとアクリル酸アルキル共重合体ポリマーエマルションを配合することによって、パールの光沢感を高めることはできるものの、アクリル酸アルキル共重合体ポリマーエマルションは肌への付着性が弱いことから、重ね付けしづらくフィット感に欠け、化粧膜が不均一になるという欠点があった。さらに、水中油型乳化化粧料で、光輝性粉体を多量に配合する技術を利用したメイクアップ化粧料は、化粧効果を高めることはできるものの、感触の水々しさに欠け、透明感がないためにパールの光沢感が十分ではない場合があった。
そこで、化粧持ちが良好で、適度な使用量が取れ、重ね付けしやすくフィット感があり、均一な化粧膜に仕上がる化粧効果に優れたメイクアップ化粧料が求められていた。
本発明者らは、ジェランガムを用いた水々しい感触のメイクアップ化粧料に、皮膜形成剤を配合することで、化粧持ちに優れた化粧膜になると考え、種々の皮膜形成剤の配合検討を行ったところ、酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有する皮膜形成性ポリマーを配合することで、化粧持ちに優れた化粧膜となり、更にその付着性により、使用時に指や塗布具でとる量を調整できる取れの良さ、肌へのフィット感があり、上滑りすることなく重ね付けがしやすく、均一な化粧膜に仕上がることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のメイクアップ化粧料は、(A)ジェランガム、(B)酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有する皮膜形成性ポリマー、(C)水を配合したことを特徴とするメイクアップ化粧料を提供するものである。
本発明のメイクアップ化粧料は、化粧持ちが良好で、使用時に指や塗布具でとる量を調整できる取れの良さ、重ね付けしやすくフィット感があり、均一な化粧膜に仕上がる化粧効果に優れたメイクアップ化粧料に関するものである。
本発明のメイクアップ化粧料の実施例1、2及び比較例1、4の人工皮膚を用いた化粧持ち試験の化粧膜の図面(写真)である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のメイクアップ化粧料に用いられる成分(A)は水で膨潤させることで、弾力のあるゲルを形成する水性ゲル化剤である。ジェランガムには脱アシル型ジェランガムやネイティブ型ジェランガムがあり、どちらも好適に使用することができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて配合することもできる。ジェランガムは、食品、化粧品などで用いられており、市販品としては、ケルコゲル、ケルコゲル LT100、ケルコゲル HM(以上、大日本住友製薬社製)等があり、これらを用いることができる。
本発明に用いられる成分(A)の配合量は、ゲルを形成するのに十分な量であれば特に限定されないが、0.1〜3質量%(以下%とする)が好ましく、より好ましくは0.2〜2%である。この範囲であると、使用時の指や塗布具での取れの良いものができる。また、光輝性粉体を配合した場合には、パール感が良好なゲルを形成することができる。
本発明に用いられる成分(B)の皮膜形成性ポリマーは、その構成単位に酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有することを特徴としている。成分(B)としては、特に限定されないが、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン・ビニルピロリドン共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・メチルスチレン・インデン共重合体等が挙げられる。これらの皮膜形成性ポリマーは、ポリマーエマルションであることが、均一な膜を形成する上で好ましく、入手しやすく生産時にも配合しやすい。これらの中でも、酢酸ビニル重合体エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、スチレン・ビニルピロリドン共重合体エマルションであると、化粧持ちが良好で、重ね付けしやすくフィット感がある化粧効果に優れたメイクアップ化粧料が得られる点で好ましい。このようなポリマーエマルションの市販品としては、ビニブランGV−5651(固型分35%エマルション、日信化学工業社製)、ビニゾール2140L(固型分43%エマルション、大同化成工業社製)、ANTARA430(固型分40%エマルション、ISP社製)、YODOSOL GH41F(固型分45%エマルション、アクゾノーベル社製)等が挙げられる。
本発明に用いられる成分(B)の皮膜形成性ポリマーの配合量は、固形分濃度として0.1〜10%が好ましく、0.3〜5%がより好ましい。この範囲であれば、使用時の指や塗布具での取れが良く、化粧持ちが良好で、重ね付けしやすくフィット感があり、均一な化粧膜が得られる。これらの皮膜形成性ポリマーは1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いられる成分(C)の水は、成分(A)のジェランガムとゲルを作る基剤であり、配合量は、30〜80%が好ましく、40〜70%がより好ましい。
本発明のメイクアップ化粧料には、さらに、成分(D)の板状粉体を配合することができる。
本発明の成分(D)の板状粉体としては、化粧料に通常使用される板状粉体であれば、特に限定されず、例えば、マイカ、セリサイト、合成マイカ、合成セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、劈開タルク、板状無水ケイ酸、板状酸化アルミニウム、板状カオリン、板状窒化硼素、板状酸化チタン、板状セルロース等の体質粉体、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性粉体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、マイカ、合成マイカ、光輝性粉体が、光沢が良いので好ましい。
なお、これらの成分(D)は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
成分(D)の配合量としては1〜70%が好ましく、5〜60%がより好ましい。この範囲であれば、十分な化粧効果が得られ、使用時の指や塗布具での取れが良く、重ね付けしやすくフィット感がある化粧膜が得られる。
本発明における成分(D)は撥水撥油処理されたものを含んでいると、さらに化粧持ちの点で好ましく、化粧料の安定性の面からもよい。撥水撥油処理は、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、特にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理が好ましい。撥水撥油処理されたものを含む場合、その配合量は成分(D)中に15%以上であるのが好ましく、30%以上であるとより好ましい。
本発明における成分(D)の板状粉体は平均粒径が5μm以上のものを含んでいると、適度な使用量の取れや、重ね付けのしやすさの点で好ましく、これらが光輝性粉体である場合には、光輝性に優れた化粧効果が得られる。平均粒径が5μm以上の板状粉体が成分(D)中に10%以上であると好ましい。
本発明のメイクアップ化粧料は、上記の成分(A)〜(D)の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常化粧料に使用される成分、油性成分、成分(B)以外の皮膜形成性ポリマー、成分(D)以外の粉体、粉体分散や感触調整としての界面活性剤、保湿としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂、揮発性油剤等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(
パルミチン酸/ オクタン酸) デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられる。
成分(B)以外の皮膜形成性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸アルキル重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体、オルガノポリシロキサン重合体等が挙げられる。
また、上記の重合体または共重合体の1種または2種以上を水性溶媒に分散したポリマーエマルションとして、例えば、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸アルキル重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体、オルガノポリシロキサン重合体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を水性溶媒に分散したポリマーエマルションとしては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル重合体エマルション、メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、オルガノポリシロキサン重合体エマルション等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
成分(D)以外の粉体としては、紡錘状、針状、繊維状、球状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素、窒化硼素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理してあっても良い。
粉体の分散性向上を目的で配合される界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2―ペンタンジオール等が挙げられる。
本発明のメイクアップ化粧料は、アイカラー、フェイスカラー、チークカラー、アイライナーなどに応用でき、形状としては、固型、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でも粘度50,000mm2/s以上の流動性のあるものから流動性を有しない固型のゲル状が好ましい。外観は、透明、半透明、不透明それぞれの化粧料として使用することができる。剤型としては、水をを主成分とする水性、水相を連続相とする水中油型が挙げられる。この中でも、水性ゲル状であると本発明の効果が発揮されやすい。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜4:アイカラー(水性ゲル状)
表1に示す処方のアイカラーを調製し、a.指や塗布具での取れ、b.重ね付けのしやすさ、c.フィット感、d.化粧膜の均一性、e.化粧持ちについて下記の方法により評価した。a.化粧持ちについては、付着性、膜の柔軟性を含めて化粧持ちを評価した。その結果も併せて表1に示す。
※1:ケルコゲル LT100(大日本住友製薬社製)
※2:ビニブランGV−5651(日信化学工業(株)製)固形分35%
※3:ビニゾール2140L (大同化成工業社製) 固形分43%
※4:ANTARA430(ISP社製)固形分40%
※5:クラレポバール 224C(クラレ社製)
※6:YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製)固形分45%
※7:KF−6019(信越化学工業社製)
※8:PDM−40L 平均粒径35〜45μm(トピー社製)
※9:FLAMENCO ULTRA SPARKLE 4500 平均粒径50μm(BASF社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理を施したもの
※10:FLAMENCO ULTRA SPARKLE 4500 平均粒径50μm(BASF社製)
※11:メタシャインMC1080RC−S 平均粒径80μm(日本板硝子社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理を施したもの
※12:メタシャイン1080RC−S 平均粒径80μm(日本板硝子社製)
※13:アルミフレーク シルバー 0.15mm 平均粒径150μm(角八魚鱗箔社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(8)の一部で均一に加温膨潤する。
B.Aに(2)〜(7)、(8)の残部、(9)〜(19)を加え均一に混合する。
C.Bを容器に充填しアイカラー(水性ゲル状)を得た。
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.指や塗布具での取れ
b.重ね付けのしやすさ
c.フィット感
d.化粧膜の均一性
e.化粧持ち
a〜eの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が実施例1〜3及び比較例1〜4の各アイカラーを指で使用し、下記絶対評価にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。容器に充填された試料を指でとる時に適量をとることができたかどうかをa.適度な取れとして評価し、指でまぶたに塗布した後に、さらに重ね付けをした場合の塗りやすさ、肌への密着感があるか、化粧膜が均一に塗れているかどうかを、それぞれb.重ね付けのしやすさ、c.フィット感、d.化粧膜の均一性として評価した。またe.化粧持ちについては、各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に涙や汗などで化粧膜がくずれていないかを評価した。
絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下:良好
△ :1点を超え3.5点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜4の水性アイカラーは、比較例1〜4に比べ、化粧持ち、重ね付けのしやすさ、フィット感、適度な取れ、均一性の全てにおいて優れたものであった。これに対して、成分(B)の皮膜形成性ポリマーのかわりに、ポリビニルアルコールを配合した比較例1、アクリル酸アルキル共重合体エマルションを配合している比較例2、(ポリオキシエチレン/メチルポリシロキサン)コポリマーを配合している比較例3は、付着力がないため重ね付けがしづらく、フィット感、均一性の点で、満足の行くものが得られなかった。特に比較例3は、指への取れが悪いものであった。さらに、成分(B)が配合されていない比較例4では、化粧料の指への取れが悪く、重ね付けの際に上滑りしてしまい、化粧膜の均一性やフィット感もなく、経時でのよれ、剥がれ落ちなどがあり化粧持ちの点においても満足のいくものが得られなかった。
化粧持ちについては、人工皮膚を用いた肌の動きに対する実験もおこなった。
表1の実施例1、2及び比較例1、4の水性アイカラーを、ウレタン樹脂の人工皮膚(バイオスキン黒(Beaulax社製)厚さ5mm)上に、膜厚406μmのドクターブレードで塗布し、乾燥させた後、人工皮膚を、たわませてから元に戻す作業を10回繰り返し、皮膚の動きの代用とした。それぞれの化粧膜を観察したところ、実施例1,2では化粧膜が均一なまま維持されているのに対して、本発明の成分(B)以外の皮膜形成性ポリマーを配合した比較例1、皮膜形成性ポリマーを配合していない比較例4では化粧膜が剥がれ落ちしていることが観察された。このことから、実施例のアイカラーは肌の動きに対しても優れた化粧持ちを有することが確認できた。図1は、たわませてから戻す作業を10回繰り返した後の化粧膜の様子である。
実施例5 頬紅(水性固型ゲル状)
(成分) (%)
1.脱アシル型ジェランガム 0.6
2.水 残量
3.トリエタノールアミン 0.1
4.EDTA−2Na 0.05
5.ジブチレングリコール 15
6.レシチン 0.2
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.15
8.タルク 2
9.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理黄酸化鉄※14 0.2
10.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理黒酸化鉄※15 0.02
11.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理ベンガラ※16 0.1
12.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理酸化チタン※17 0.05
13.合成金雲母※8 14
14.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
酸化チタン被覆マイカ※9 10
15.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理
酸化チタン被覆合成金雲母※18 1
16.酢酸ビニル・クロトン酸共重合体エマルション 7
※14:タロックス YP−1200P(チタン工業社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理を施したもの
※15:タロックス BL−100P(チタン工業社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理を施したもの
※16:タロックス R−516P(チタン工業社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理を施したもの
※17:酸化チタン CR−50(石原産業社製)にパーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理を施したもの
※18:HELIOS R100S(S)平均粒径105μm(トピー工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(3)〜(12)を均一に分散する。
C.AにBと成分(13)〜(16)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填し頬紅(水性ゲル状)を得た。
本実施例5の頬紅は、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。
実施例6 ファンデーション(水中油型固型ゲル状)
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.5
2.水 残量
3.L−アルギニン 0.3
4.EDTA−2Na 0.05
5.塩化カルシウム 0.03
6.フェノキシエタノール 0.3
7.1,3−ブチレングリコール 15
8.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール※19 0.3
9.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
10.ジメチルポリシロキサン処理タルク 3.5
11.ジメチルポリシロキサン処理黄酸化鉄 1.5
12.ジメチルポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.1
13.ジメチルポリシロキサン処理ベンガラ 0.1
14.ジメチルポリシロキサン処理板状酸化チタン 7
15.ジメチルポリシロキサン処理板状硫酸バリウム 3
16.モノステアリン酸グリセリン 1.5
17.セタノール 1.5
18.流動パラフィン 1
19.スクワラン 2
20.トリオクタン酸グリセリル 3
21.ジペンタエリトリットテトラ12−ヒドロキシステアリン酸
セスキステアリン酸ヘミロジンエステル 0.5
22.ジメチルポリシロキサン(20CS) 0.5
23.アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション 3
※19:ユニルーブ70DP−950B(日本油脂社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)にて均一に加温膨潤する。
B.成分(3)〜(15)を均一に分散する。
C.成分(16)〜(22)を加熱溶解する。
D.A、Bを混合し、そこにCを加えて乳化する。
E.Dに成分(23)を添加し混合する。
F.Eを加温溶解し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状ファンデーションを得た。
本実施例6のゲル状ファンデーションは、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。
実施例7 下地(水中油型クリーム状))
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.3
2.ローカストビーンガム 0.1
3.キサンタンガム 0.1
4.1,2−ペンチレングリコール 5
5.水 残量
6.アクリル酸アミド・スチレン共重合体エマルション 3
7.2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.3
8.EDTA−2Na 0.05
9.塩化カルシウム 0.03
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
12.ジメチルポリシロキサン処理タルク 3.5
13.ジメチルポリシロキサン処理黄酸化鉄 1.5
14.ジメチルポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.1
15.ジメチルポリシロキサン処理ベンガラ 0.1
16.ジメチルポリシロキサン処理板状酸化チタン 7
17.モノステアリン酸ポリグリセリル 1.5
18.セタノール 1.5
19.ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油 1
20.スクワラン 3
21.トリオクタン酸グリセリル 5
22.モノステアリン酸グリセリル 0.5
23.ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
24.ワセリン 0.5
(製造方法)
A.成分(1)〜(3)、(7)〜(10)を成分(4)、(5)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(17)〜(24)を加熱溶解する。
C.成分(4)、(5)の残部、成分(11)〜(16)を均一分散し、加温する。
D.CにBを添加して乳化する。
E.DにA、成分(6)を添加し混合する。
F.Eを容器に溶融充填した後、室温まで冷却して、ゲル状下地を得た。
本実施例7のゲル状下地は、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。
実施例8 アイライナー(水性液状)
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.1
2.水 残量
3.EDTA−2Na 0.05
4.トリエタノールアミン 0.1
5.1,3−ブチレングリコール 15
6.レシチン 0.2
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.15
8.セリサイト 2
9.板状セルロース 2
10.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄※15 5
11.合成金雲母※8 5
12.黒酸化鉄被覆マイカ※20 20
13.アクリロニトリルスチレン共重合体エマルション 10
※20:COLORONA MICA BLACK(メルク社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)で均一に加温膨潤する。
B.成分(3)〜(10)を均一に分散する。
C.AにBと成分(11)〜(13)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填しアイライナー(水性ゲル状)を得た。
本実施例8のアイライナーは、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。
実施例9 マスカラ(水性ペースト状)
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.2
2.水 残量
3.エタノール 15
4.L−アルギニン 0.1
5.EDTA−2Na 0.05
6.レシチン 0.2
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.15
8.劈開タルク 2
9.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄※15 0.5
10パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理
酸化チタン被覆マイカ※9 2
11.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理
酸化チタン被覆合成金雲母※18 3
12.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理
酸化チタン被覆ガラス末※11 5
13.(PET/Al/エポキシ樹脂)ラミネート※13 3
14.アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体エマルション 10
15.アクリル酸アルキル共重合体エマルション※6 5
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(2)の残部と成分(6)〜(10)を均一に分散する。
C.AにBと成分(3)〜(5)、(11)〜(15)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填しマスカラ(水性ペースト状)を得た。
本実施例9のマスカラは、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。
実施例10 アイカラー下地(水性固形ゲル状)
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.5
2.水 残量
3.トリエタノールアミン 1
4.フェニルベンズイミゾスルホン酸 2
5.ジプロピレングリコール 15
6.エタノール 5
7.酢酸ビニル共重合体エマルション※2 10
8.ヒアルロン酸 5
9.ノバラエキス 0.1
10.甘草エキス 0.1
11.ヨクイニンエキス 0.1
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)の一部で均一に加温膨潤する。
B.成分(2)の残部と成分(3)〜(5)を均一に混合溶解する。
C.AにBと成分(6)〜(11)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填しアイカラー下地(水性固形ゲル状)を得た。
本実施例10のアイカラー下地は、適度な取れ、重ね付けのしやすさ、フィット感、均一性、化粧持ち全ての項目に優れたメイクアップ化粧料であった。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)ジェランガム;
    (B)酢酸ビニル及び/又はスチレンを構成単位に含有する皮膜形成性ポリマー;
    (C)水;
    を配合したことを特徴とするメイクアップ化粧料。
  2. 前記成分(B)をポリマーエマルションとして配合することを特徴とする請求項1に記載のメイクアップ化粧料。
  3. 前記成分(B)が酢酸ビニル重合体エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、スチレン・ビニルピロリドン共重合体エマルションから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメイクアップ化粧料。
  4. さらに成分(D)板状粉体を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメイクアップ化粧料。
  5. 前期成分(D)が5μm以上のものを含むことを特徴とする請求項4に記載のメイクアップ化粧料。
  6. 前記成分(D)が撥水撥油処理されているものを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のメイクアップ化粧料。
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