JP2011224982A - 離型層付きモールドおよびその製造方法ならびにモールドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールド30に離型層が設けられる離型層付きモールドにおいて、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、前記化合物の分子鎖は、元型モールドに対して吸着している吸着官能基を少なくとも2個以上有し、前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きい。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1には、離型層として、直鎖パーフルオロポリエーテル構造を有する有機シリコーン化合物からなる表面改質剤を用いる技術が記載されている。
また、特許文献2には、オルガノポリシロキサン構造を基本構造とするシリコーン系離型剤について記載されており、具体的には、未変性または変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等が挙げられている。
一方、離型剤におけるパーフルオロポリエーテル基の部分は、フッ素により表面エネルギーが低下している。そして、化合物の分子鎖における変性シラン基が設けられていない部分、すなわちこのパーフルオロポリエーテル基の部分と被転写物とが接触することになる。その結果、元型モールド上に設けられた離型層から元型モールドを円滑に離型できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、前記吸着官能基はヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、またはこれらのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記吸着官能基が、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における両末端に設けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3のいずれかの態様に記載の発明において、前記フルオロカーボンには(CmF2mO)n[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(CmF2mO)nの分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が一種類または複数種類含まれることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1ないし第4のいずれかの態様に記載の発明において、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖は側鎖を有さないことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールドに離型層が設けられる離型層付きモールドにおいて、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖には(CmF2mO)n[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(CmF2mO)nの分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が一種類または複数種類含まれ、前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基としてヒドロキシル基を少なくとも2個以上有し、前記化合物の分子鎖における両末端に前記ヒドロキシル基が設けられており、前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1ないし第6のいずれかの態様に記載の発明において、前記元型モールドは、所定のパターンに対応する溝が設けられた石英基板よりなることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールドに離型層が設けられる離型層付きモールドの製造方法において、前記元型モールドに離型剤を塗布した後、前記元型モールドに対して100℃以上250℃以下にて熱処理を行う熱処理工程を有し、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基を少なくとも2個以上有し、前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とする離型層付きモールドの製造方法である。
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載の発明において、前記熱処理工程の後に、離型層に対してリンス処理を行うことを特徴とする。
本発明の第10の態様は、所定のパターンに対応する溝が設けられたインプリント用の元型モールドからモールドを製造する方法であって、前記元型モールドに対して離型層を設ける工程と、前記モールド用の基板上にハードマスク層を形成し、前記ハードマスク層上にパターン形成用レジスト層を形成する工程と、光インプリントまたは熱インプリントにより、前記元型モールドが有するパターンを前記レジスト層に転写する工程と、前記レジスト層から前記元型モールドを離型する工程と、所定のパターンが転写された前記レジスト層をマスクとして、前記ハードマスク層に対してエッチングを行う工程とを有し、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基を少なくとも2個以上有し、前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とするモールドの製造方法である。
以下、本発明の実施形態について説明する。順序としては、まず、元型モールドに離型層を設ける工程について、断面概略図である図2を用いて説明する。その後、光インプリントによりコピーモールド20を製造する工程について、断面概略図である図3を用いて説明する。
元型モールド30であるが、図2に示すように、コピーモールド20に転写されるパターンの元型となるモールド30を用意する。この元型モールド30は、インプリントモールドとして使用できるものならばよいが、透光性を有するもの(例えば石英、サファイア)であれば元型モールド30上から後述する露光を行うことができるため好ましい。コピーモールド用基板が透光性を有するならば、コピーモールド用基板側から露光を行うことができる。その場合、元型モールド30の材料としては、透光性を有さないもの(例えばシリコンウエハ、ニッケル)であっても使用することができる。また、基板に直接離型層31を設けるのではなく、基板上に別の物質からなる層を設けた元型モールド30に対し、その別の物質の層の上に離型層31を設けても構わない。本実施形態においては、所定のパターンに対応する溝が設けられた石英基板を用いた場合について説明する。
そして本実施形態においては、図2に示すように、この元型モールド30、少なくとも所定のパターンが形成された部分に離型剤を塗布することにより離型層31を設ける。この離型層31を設けることにより、後述する図3に示すコピーモールド作製用基板1上に設けられたレジスト層4と元型モールド30(ひいては離型層31)とを接触させたときに、レジスト層4から離型層31を容易に引き離すことができる。その結果、レジスト層4から元型モールド30を円滑に離型でき、スループットが向上するとともに元型モールド30及びレジスト層4のパターン毀れを抑制することができる。以下、この離型層31について詳述する。
まず、本実施形態に係る離型層31に含まれる化合物は、離型に寄与する主鎖部分と、元型モールド30に吸着するための吸着官能基とを含む。
この分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれている。フルオロカーボンにおけるフッ素により、離型層31における表面、すなわちコピーモールド作製用基板1上に設けられたレジスト層4と接触する部分の表面エネルギーを低下させることができる。その結果、円滑に離型を行うことができる。
mが1以上であれば、適度に屈曲性が発揮されるため、元型モールド30と吸着した後の分子鎖同士の間隔を適度に近接させることができ、適度に密集したフルオロカーボンからなる分子鎖により、離型層31の表面エネルギーを十分に低下させることができる。
mが7以下であれば、適度に剛直性が発揮されるため、先に述べたような分子鎖全長に層厚が依存するのを防ぐことができる。このような分子鎖の密着性及び剛直性のバランスを取るためには、mが3または4であるのが特に好ましい。
(CmF2mO)nの分子量が500以上であれば、分子鎖が短くなりすぎて吸着官能基同士が自己凝集しやすくなることもなくなる。さらに、元型モールド30上に吸着した後の分子鎖同士を近接させる方向の分子間力を維持することができ、適度に密集したフルオロカーボンからなる分子鎖により、離型層31の表面エネルギーを十分に低下させることができる。
また、分子量が6000以下であれば、分子鎖が長すぎることにより離型層31の層厚減少効果が相殺されてしまうこともなくなる。
具体的なnの値としては、6または7が好ましい。
また、離型層31に含まれる化合物は、元型モールドに対する吸着官能基を少なくとも2個以上有している。先にも述べたように、離型層31は、コピーモールド作製用基板上に設けられたレジスト層との離型を円滑に行えることが求められるのと同時に、レジスト層と物理的に接触・離型する際のインプリント耐久力が求められる。具体的には、元型モールド30に対して離型層31が十分な密着性を有している必要がある。仮に十分な密着性を有していない場合、インプリントの最中に離型層31が元型モールドから剥離してレジスト層上に残存してしまい、コピーモールドのパターン精度に影響を与えるおそれがある。本実施形態においては、元型モールドに対する吸着官能基を複数とすることにより、元型モールド30と吸着官能基1個では強固に吸着できなくとも、化合物における1つの分子鎖に2つの吸着官能基を設けていれば、1つの分子鎖の2箇所で元型モールド30に対していわばアンカーを設けることができ、その結果、元型モールド30との密着性を高めることができる。
さらに、前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きくする。先にも述べたように、インプリントにおいては離型層内部における離型剤の自己凝集が、パターン精度を低下させる要因の一つとなる。しかしながら、このような結合エネルギーの関係を有する化合物を離型剤に使用することにより、吸着官能基が仮に自己凝集を起こしたとしても、元型モールド上に存在する物質と吸着官能基との結合エネルギーの方が高いが故に自己凝集が解除される。そして最終的には、元型モールド30上に存在する物質と吸着官能基とが結合することになる。その結果、離型剤による自己凝集を抑制することにより、元型モールド30と離型層31との密着性を高めることができる。
なお、この離型剤は上記のような化合物以外にも、離型剤に添加可能な公知の物質を含んでいてもよい。
以上のような化合物を有する離型剤を、元型モールド30に離型層31を設けるべく、元型モールド30上に塗布する。この塗布方法については、一例を挙げるとするならば、ディップ法、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられる。
また、浸漬した後の引き上げ速度は80〜200mm/分で行うのが好ましい。上限以下の速度ならば、液面の揺れで離型剤の塗布の際の均一性が損なわれることはない。また、下限以上の速度ならば、メニスカス力のせいで引き上げ液量が低下するという事態を抑制することができる。
このように離型剤を元型モールド30に塗布した後、この元型モールド30に対し100℃〜250℃にて熱処理を行うのが好ましい。離型剤における溶媒を除去することにより、離型層31を緻密化し、元型モールド30と離型層31との密着性を向上させるためである。またこの温度範囲ならば、離型剤における化合物の熱分解を発生させずに密着性向上を図れる。さらに、上記の温度範囲で熱処理を行うことにより、図4に示すように、2個以上ある吸着官能基を元型モールド30と吸着させやすくすることができる。言い換えるなら、2個以上ある吸着官能基を元型モールド30上の物質と結合させやすくすることができる。ひいては、元型モールド30と離型層31との間の密着性を更に向上させることができ、分子鎖の全長に膜厚が依存することを防止することができる。
具体的な加熱手段としては、一例を挙げるとすれば、クリーンオーブンやホットプレートなどが挙げられる。
上述のような熱処理を行った後、離型層31付き元型モールド30に対してリンス処理を行う。このリンス処理は、元型モールド30と吸着しなかった化合物の分子を洗い流すために行われる。
まず図3(a)に示すように、コピーモールド20のための基板1を用意する。
この基板1は、コピーモールド20として用いることができるのならば良く、先に述べた元型モールド30と同様の材質でも構わない。また、元型モールド30と同材質であってもよい。なお、光インプリントを行う場合は被転写材への光照射の観点から透光性基板であることが好ましい。この透光性基板1としては、石英基板などのガラス基板が挙げられる。なお、元型モールドが透光性を有するのならば、Si基板などの非透光性基板であっても構わない。
本実施形態においては、円盤形状の石英基板1を用いて説明する。
次に、図3(b)に示すように、前記石英基板1をスパッタリング装置に導入する。そして本実施形態においては、タンタル(Ta)とハフニウム(Hf)の合金からなるターゲットをアルゴンガスでスパッタリングし、タンタル−ハフニウム合金からなる導電層2を成膜し、基板1上に形成される溝に対応する微細パターンを有するハードマスク層7の内の下層(導電層2)とするのが好ましい。
このように、基板上にハードマスク層7を設けたものを、本実施形態においてはマスクブランクスという。
マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して適宜洗浄・ベーク処理を行った後、図3(c)に示すように、前記マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して光インプリント用のレジストを塗布してレジスト層4を形成し、本実施形態におけるコピーモールド20の製造に用いられるレジスト付きマスクブランクスを作製する。光インプリント用のレジストとしては、光硬化性樹脂とりわけ紫外線硬化性樹脂が挙げられるが、光硬化性樹脂の内、後で行われるエッチング工程に適するものであればよい。
このレジスト層4に対して適宜ベーク処理を行った後、図3(d)に示すように、このレジスト層4の上に、微細パターン及び離型層31が形成された元型モールド30を配置する。この時、レジスト層4が液状であるならば、元型モールド30を載置するだけでよい。また、レジスト層4が固体形状の場合は、元型モールド30をレジスト層4に対して押圧して微細パターンを転写できる程度に軟らかいレジスト層4であればよい。
その後、紫外光照射装置を用いて、前記レジスト層4に対して元型モールド30の微細パターンを転写する。このとき紫外光の露光は元型モールド30側から行うのが通常であるが、マスクブランクスの基板1が透光性基板である場合は、基板1側から行ってもよい。
微細パターン転写後、図3(e)に示すように、元型モールド30をレジスト付きマスクブランクスから離型する。そして、窒化クロム層3上にあるレジストの残膜層を、酸素、オゾン等のガスのプラズマを用いたアッシングにより除去する。こうして、図3(f)に示すように、所望の微細パターンに対応するレジストパターンを形成する。なお、レジストが形成されなかった部分において、基板1上に溝が形成されることになる。
次に、基板上にレジストパターンが形成された基板1を、ドライエッチング装置に導入する。そして、酸素ガスを実質的に含まない雰囲気下で塩素系ガスを含むガスによる第1のエッチングを行う。このとき、還元性ガスと共に上記のガスによるエッチングを行うと、導電層2の酸化防止という観点からも好ましい。
続いて、第1のエッチングで用いられたガスを真空排気した後、同じドライエッチング装置内で、フッ素系ガスを用いた第2のエッチングを、石英基板1に対して行う。この際、前記ハードマスク層7をマスクとして石英基板1をエッチング加工し、図3(h)に示すように、微細パターンに対応した溝を基板1に施す。その前後において、アルカリ溶液や酸溶液にてレジストを除去する。
このように作製された残存ハードマスク層除去前モールド10に対し、第1のエッチングと同様の手法で、引き続いて残存ハードマスク層除去前モールド10上に残存するハードマスク層7をドライエッチングにて除去する工程が行われ、それによりインプリントモールド20が作製される(図3(i))。
以上の工程を経て、前記溝形成部分以外の部分のハードマスク層7を除去した後、必要があれば基板1の洗浄等を行う。このようにして、図3(i)に示すようなコピーモールド20を完成させる。
新たにコピーモールドを作製するために、インプリントを行った後の元型モールド30に対して、再生処理を行う。具体的には、硫酸過水などで元型モールド30を洗浄して離型層31を除去する。その後、適宜洗浄や乾燥等を行う。そして、再び離型剤を塗布することにより新たに離型層を元型モールド30上に設ける。
まず、離型層を構成するフルオロカーボンにおけるフッ素により、コピーモールド作製用基板上に設けられたレジスト層と接触する部分の表面エネルギーを低下させることができる。その結果、円滑に離型を行うことができる。
先に述べた実施の形態1においては、光インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20について述べた。
その一方、本実施形態においては、熱インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20について説明する。なお、以下の説明において特筆しない部分については、実施の形態1と同様である。
本実施形態においては、円盤形状のSiC基板を用いて説明する。
次に、前記マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して熱インプリント用のレジストを塗布し、レジスト層4を形成して本実施形態におけるコピーモールド20の製造に用いられるレジスト付きマスクブランクスを作製する。熱インプリント用のレジストとしては冷却すると硬化する樹脂が挙げられるが、この樹脂の内、後で行われるエッチング工程に適するものであればよい。なお、この樹脂は、元型となるモールドを押圧したときに転写すべき微細パターンが形成される程度の軟らかさを有することが好ましい。元型となるモールドをレジスト上に押圧したとき、元型モールド30の微細パターン及び離型層31に合わせてレジストが容易に変形し、後の冷却処理にて微細パターンを精度良く転写することができるためである。
本実施例においては、深さ30nm、ライン15nmかつスペース10nmのハーフピッチ25nm周期構造のラインアンドスペースパターンが設けられている石英基板からなる元型モールド30を用いた。この元型モールド30を、VERTRELXF−UP(VERTRELは登録商標 三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)で0.5wt%に希釈した下記化合物((C3F6O)nの分子量:500以上かつ6000以下)を含む離型剤に5分間浸漬した。
上述の実施例と比較するために、比較例においては離型剤として変性シラン基を有する化合物(製品名:OPTOOL(登録商標)ダイキン製)を用い、離型剤塗布の際に110℃にて熱処理を行った。これ以外については、実施例と同様にして離型層付きモールド及びコピーモールドを作製した。
実施例および比較例により得られた離型層付きモールドについて、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。その結果を図5に示す。図5(a)(b)は実施例における離型層付きモールドの表面を示す写真であり、(a)はインプリントを行う前の離型層付きモールドの表面を示す写真であり、(b)はインプリントを1回行った後の離型層付きモールドの表面を示す写真である。また、図5(c)(d)は比較例における離型層付きモールドの表面を示す写真であり、(c)はインプリントを行う前の離型層付きモールドの表面を示す写真であり、(d)はインプリントを1回行った後の離型層付きモールドの表面を示す写真である。
その一方、比較例においては、図5(c)(d)より、自己凝集による欠陥が複数発生していた。しかも、インプリント後には欠陥が多く発生していた。
2 導電層
3 窒化クロム層
4 レジスト層
7 ハードマスク層
10 残存ハードマスク層除去前モールド
20 コピーモールド
30 元型モールド
31 離型層
Claims (10)
- インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールドに離型層が設けられる離型層付きモールドにおいて、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、
前記化合物の分子鎖は、元型モールドに対して吸着している吸着官能基を少なくとも2個以上有し、
前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とする離型層付きモールド。 - 前記吸着官能基はヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、またはこれらのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の離型層付きモールド。
- 前記吸着官能基が、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における両末端に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の離型層付きモールド。
- 前記フルオロカーボンには(CmF2mO)n[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(CmF2mO)nの分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が1種類または複数種類含まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の離型層付きモールド。
- 前記離型層に含まれる化合物の分子鎖は側鎖を有さないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の離型層付きモールド。
- インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールドに離型層が設けられる離型層付きモールドにおいて、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖には(CmF2mO)n[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(CmF2mO)nの分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が一種類または複数種類含まれ、
前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基としてヒドロキシル基を少なくとも2個以上有し、
前記化合物の分子鎖における両末端に前記ヒドロキシル基が設けられており、
前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とする離型層付きモールド。 - 前記元型モールドは、所定のパターンに対応する溝が設けられた石英基板よりなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の離型層付きモールド。
- インプリントにより所定のパターンを被転写物に転写するための元型モールドに離型層が設けられる離型層付きモールドの製造方法において、
前記元型モールドに離型剤を塗布した後、前記元型モールドに対して100℃以上250℃以下にて熱処理を行う熱処理工程を有し、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、
前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基を少なくとも2個以上有し、
前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とする離型層付きモールドの製造方法。 - 前記熱処理工程の後に、離型層に対してリンス処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の離型層付きモールドの製造方法。
- 所定のパターンに対応する溝が設けられたインプリント用の元型モールドからモールドを製造する方法であって、
前記元型モールドに対して離型層を設ける工程と、
前記モールド用の基板上にハードマスク層を形成し、前記ハードマスク層上にパターン形成用レジスト層を形成する工程と、
光インプリントまたは熱インプリントにより、前記元型モールドが有するパターンを前記レジスト層に転写する工程と、
前記レジスト層から前記元型モールドを離型する工程と、
所定のパターンが転写された前記レジスト層をマスクとして、前記ハードマスク層に対してエッチングを行う工程とを有し、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、
前記化合物は、元型モールドに対する吸着官能基を少なくとも2個以上有し、
前記吸着官能基において、前記吸着官能基と元型モールドとの吸着の元となる結合エネルギーが、前記化合物の分子鎖における吸着官能基同士の結合エネルギーよりも大きいことを特徴とするモールドの製造方法。
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