JP2011224104A - 炊飯器 - Google Patents

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【課題】蒸気とともにおねばが噴出するため、これを抑制するがために蒸気の排出部に電動のターボファンを設けて外気を導入しておねばの抑制を行うが、蓋内に電装品を設けることで構造が複雑になり、コストもかかるという課題があった。
【解決手段】蒸気を排出する部分の蒸気筒11内に鍋2から発生する蒸気の流入口11a−1および蒸気を外部に排出する排出口11b−1を設け、流入口11a−1に対向する位置に翼12aを有するファン12を備えるようにして、鍋2から流入する蒸気の噴出力でファンを回転させ、その回転力でおねばを潰してふきこぼれを抑えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、炊飯中に発生する蒸気やおねばが本体外に排出の抑制化をはかった炊飯器に関するものである。
従来、この種の炊飯器としては、炊飯工程で沸騰状態が維持されると火力を弱めて、おねばが炊飯器本体外へあふれることを防止するようにプログラムされている手段が多く知られている。また、外気取入孔と排気孔とを有した、おねばの貯留タンクを蓋体に設け、内部にターボファンを備え、炊飯中に発生するおねばを貯めるもの(例えば、特許文献1参照)、なども知られている。
特開2009−100889号公報
しかしながら、前記特許文献1参照の構成では、蓋内に電装品(モータ)を必要とすることにより複雑な構成を取らざるを得ず、その結果コストもかかるという課題を有していた。また、特許文献1の構成を採ってない構成の場合はおねばのふきこぼれを回避すべく炊飯工程の沸騰後に火力を控えるようなプログラムであり、米飯の食味が低下するという課題もあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、安価で簡素な構成で、炊き上げ工程中のおねばを含む気泡の発生を抑制することができ、結果、火力を維持し続けることを可能にして食味の優れた米飯を得ることの可能な炊飯器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、蓋体に設けられた貫通孔に着脱自在に嵌合する蒸気筒を備え、蒸気筒は鍋から発生する蒸気の流入口および蒸気を外部に排出する蒸気排出口を有し、流入口に対向する位置に翼を有するファンを備え、ファンは翼を蒸気流入口側から外周に向けて略インボリュート曲線状に複数枚配置するようにしたものである。
これによって、鍋から炊き上げ工程中に発生する水蒸気が蒸気筒流入口より流入し、その噴出力によりファンが回転する。ファンが回転することによって、おねばを含む気泡が蒸気排出口より排出する前に気泡を潰し、ふきこぼれを抑えることができるものである。
本発明の炊飯器は、外部におねばが流出される事を抑え、その間の火力を維持し続けることを可能にして食味の優れた米飯を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態における炊飯器側面の断面図 同炊飯器蒸気筒部分の拡大断面図 同炊飯器蒸気筒部分を底側から見た部分断面図 本発明の第1の実施の形態における炊飯工程を示す図 従来の炊飯器の部分断面図
第1の発明は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記鍋を含み本体上面開口部を覆う蓋体と、前記蓋体に着脱自在に設けられ前記鍋上面開口部に付勢されると共に蒸気をシールする手段を有する内蓋と、前記蓋体に設けられた貫通孔に着脱自在に嵌合する蒸気筒とを備え、前記蒸気筒は前記鍋から発生する蒸気流入口および蒸気を外部に排出する蒸気排出口を有し、前記蒸気流入口に対向する位置に翼を有するファンを備え、前記ファンは前記翼を前記蒸気流入口側から外周に向けて略インボリュート曲線状に複数枚配置することにより、鍋から炊き上げ工程中に発生する水蒸気が蒸気筒流入口より流入し、その噴出力により翼が押され、ファンの回転力に変換される。その回転によっておねばを含む気泡を潰して気泡が外部に排出されることを抑えることが出来る。
第2の発明は、蒸気流入口は、3か所以上の開口部を有した事により、ファンに向かって排出される蒸気が円周方向に対して等分にバランスをとることが出来る。
第3の発明は、ファンを構成する翼は、蒸気流入口の開口部の数とは異なる枚数を有する事により、ファンに対して排出される蒸気の力を翼の回転位置に影響を受けずに常に回転力に変換させることが可能となる。
第4の発明は、ファンを軸支する軸受部は、径方向の隙間を0.5mm以下に設定する事により、ファンの回転を安定させ、回転ぶれによる騒音の発生を防ぐ。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜4に本発明の第1の実施の形態における炊飯器を示している。
図1に示すように、第1の実施の形態における炊飯器は、炊飯器本体1と、炊飯器本体1内部に形成された鍋収納部1aに収納される鍋2と、炊飯器本体1の開口部を回動開閉可能に炊飯器本体1に取り付けられる蓋体3と、蓋体3の内側(鍋2の開口部を覆う側)に着脱自在に取り付けられて、鍋2の開口部を密閉可能とし、鍋2内で炊飯されたときに発生する蒸気を導通させる蒸気孔(図示せず)を具備する略円盤状の内蓋4を備えている。
鍋収納部1aの外周面には、鍋2を誘導加熱する鍋加熱装置5が取り付けられている。鍋収納部1aの底部の中央部分には開口部分が設けられており、当該開口部分には、鍋2の温度を測定するための鍋温度検知装置の一例である鍋温度センサ6が鍋2の底部に当接可能に配置されている。
炊飯器本体1内には、各部及び各装置を駆動制御して炊飯動作を行う制御装置7が設置されている。制御装置7は、例えば蓋体3に設けられた操作スイッチから得られた指示に応じて、各部及び各装置の駆動制御を行い、炊飯加熱を実施する。
炊飯器本体1の前壁上部(図1の左側上部)には、蓋体3のフック8に係合可能なフックレバー1bが設けられている。
蓋体3には、略前方位置に蓋温度検知装置の一例である内蓋温度センサ9と、後方部分
に回動中心位置のヒンジ軸10とが具備され、ヒンジ軸10は回動自在に固定された蓋体3の開閉軸になっている。蓋体3はヒンジ軸10の近傍に設けた回動バネ(図示せず)により回動する。また蓋体3の略中央に設けられた貫通孔3aには、着脱自在にその空間内に嵌合固定される略円筒状の蒸気筒11があり、その下端は内蓋4に面し、上端は蓋体3の外観面の一部としての形状を呈する。
図2は、蒸気筒11周辺の拡大図を表しており、蒸気筒11は蒸気攪拌室11a、蒸気筒蓋11b、蒸気通過部11cなどで構成される。前記蒸気攪拌室11aは、鍋2内より発生する蒸気が入ってくる蒸気流入口11a―1、軸受部11a―2を有しており、前記軸受部11a―2に回転自在に軸支されているのがファン12である。ファン12は前記蒸気流入口11a―1に対向する位置に翼12aを備えている。ファン12は例えばポリプロピレンのように耐蒸気性のある樹脂材料を成型して構成している。
軸受部11a―2とファン12内側との径方向の隙間を、片側0.2mmに設定している。この隙間が0.05mmを下回ると、軸受け部11a―2とファン12内側が擦れてファン12の回転に支障が発生、逆に隙間が0.5mmを越えるとファン12の回転がぶれて軸受け部11a―2とファン12内側とが衝突を繰り返し、衝突音による騒音が出てしまうため、隙間を詰めたほうが良い。
蒸気筒蓋11bは蒸気通過部11c外周と溶着等で一体化され天面に蒸気排出口11b−1を有している。蒸気攪拌室11aと蒸気通過部11cとを分割する壁11c−1には還流弁13が設けられており、蒸気通過部11c側の圧力が上昇した時は還流弁13が壁11c−1に押し当てられて蒸気の通過を塞ぎ、蒸気通過部11c側の圧力が下降した時は還流弁13と壁11c−1との間に隙間が出来て蒸気攪拌室11a内に入ったおねばが蒸気通過部11cに滴下するようになっている。
図3は、ファン12と蒸気流入口11a―1との位置関係を下方より見た状態を示す部分断面図である。矢印は蒸気の流れとファン12の回転方向を示す。
蒸気流入口11a―1は、ファン12の中央部に位置する筒形状に設けられた穴である。この数が2箇所以下だと、ファン12に対して特定の箇所に集中的に蒸気が噴き出してファン12がバランスを崩し、正常に回転しなくなる恐れがあるが、逆に蒸気流入口11a―1の数が多いと蒸気流入口11a―1の形状が複雑化してくるため、この場合には、3箇所設けている。
一方、ファン12に構成された翼12aは、図に示すように内側から外周に向けて放射方向から円周方向に変化していく略インボリュート曲線状になっており、この場合は5箇所装備されている。翼12aと蒸気流入口11a―1との数を変えることで、ファン12の回転方向の位置がどこにある時でも、翼12aに噴射された蒸気が当たって回動力に変換される位置関係となり、回動力を安定させている。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、鍋2内に所定の米と水をセットし、炊飯工程が開始される。炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる前炊き、鍋2を鍋加熱装置5により一気に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態にする炊き上げ、鍋2内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らしからなり、これらの工程の間に米の糊化を進めて炊飯する。制御装置7は鍋底センサ6により鍋2の温度に応じて最適に鍋加熱装置5を制御し、あらかじめ決められた炊飯プログラムに従って炊飯を行う。炊飯プログラムは米の種類などによって複数のコースが準備されている。この蒸らし工程が終了すると炊飯が終了し、自動的に保温工程へと移行し、炊き上がったご飯の温度が低下しないようにして、使用者がいつでも温かいご飯を
得られる。
炊飯プログラム実行による動作の詳細を、図4をもとに、以下説明する。
炊飯が開始されると、まず米に水を吸収させる前炊き工程が始まる。制御装置7は、鍋加熱装置5により鍋2を加熱し、鍋2内の水の温度を鍋底センサ5によって検知し、米の糊化が始まらない程度の温度(約60℃未満)に調整して米の吸水を促進する。
次に炊き上げに入る。炊き上げ初期の昇温工程では、米に水と熱を加えて糊化を進行させる。制御装置7は、鍋加熱装置5を動作させて鍋2を急速に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態とする。次に沸騰維持工程に入るが、このとき連続的に沸騰が生じて蒸気が大量に発生する。発生した蒸気が鍋2を充満すると、余分な蒸気は蒸気筒11に入り込み、蒸気通過部11cや蒸気の流入口11a―1を経て蒸気攪拌室11a内に入り込む。蒸気筒内に流入する噴出力によりファン12が回転する。
沸騰維持工程では鍋加熱装置5に短時間単位での通電・停止が繰り返されるが、蒸気筒11へ侵入した蒸気のうち、おねばを含む泡状の蒸気も鍋2内を満たすようになり、蒸気流入口11a―1まで達するようになる。この時、蒸気流入口11a―1を通り抜けた泡状のおねばは、蒸気攪拌室11aの中で風船状の泡となってそのまま蒸気排出口11b−1から外部へ抜け出そうとする。抜け出してしまうと、これがふきこぼれとなって蓋体3や炊飯器本体1を置いてある台上などを汚す事につながる。
本実施の形態では、蒸気攪拌室11aの中で風船状の泡となったおねばは、ファン12の回転によりファン12の翼12aがおねばの泡を切り裂いて潰す。おねばの泡が潰される事でおねばの風船が弾けて液状となり、蒸気攪拌室11aの下部に落とされて還流弁13から蒸気通過部11cに流れ落ち、更には鍋2内へ戻される。
このため、おねばは蒸気排出口11b−1には容易には届かず、ふきこぼれにならないため、その分鍋加熱装置5への通電時間を従来の炊飯器に比べて増やすことが可能となり、火通りの良い食味の優れた米飯を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、ふきこぼれ抑制機能に関するものであるので、他のふきこぼれが生ずる調理機器の用途にも適用できる。
1 炊飯器本体
1a 鍋収納部
2 鍋
3 蓋体
3a 貫通孔
4 内蓋
5 鍋加熱手段
11 蒸気筒
11a―1 蒸気流入口
11a―2 軸受部
11b−1 蒸気排出口
12 ファン
12a 翼

Claims (4)

  1. 炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記鍋を含み本体上面開口部を覆う蓋体と、前記蓋体に着脱自在に設けられ前記鍋上面開口部に付勢されると共に蒸気をシールする手段を有する内蓋と、前記蓋体に設けられた貫通孔に着脱自在に嵌合する蒸気筒とを備え、前記蒸気筒は前記鍋から発生する蒸気流入口および蒸気を外部に排出する蒸気排出口を有し、前記蒸気流入口に対向する位置に翼を有するファンを備え、前記ファンは前記翼を前記蒸気流入口側から外周に向けて略インボリュート曲線状に複数枚配置することを特徴とする炊飯器。
  2. 蒸気流入口は、少なくとも3か所の開口部を有したことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. ファンを構成する翼は、蒸気流入口の開口部の数とは異なる枚数を有することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
  4. ファンを軸支する軸受部は、径方向の隙間を0.5mm以下に設定してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
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