JP2011222579A - 放熱構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、電子機器の設計変更することなく、効率よく発熱体の熱を拡散して外部に逃がすことが可能な放熱構造体を提供することを目的とする。また優れた耐熱性、耐久性、を有するとともに、従来技術で問題視されている環状シロキサン等による接点障害の可能性が低く、使用状況により熱抵抗が変化しにくく性能の安定した放熱構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】 発熱体および/または放熱体の少なくとも一部が、プライマー層を介して硬化型熱伝導性組成物の硬化物と接着していることを特徴とする放熱構造体。前記硬化型熱伝導性組成物は、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有するものであることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 発熱体および/または放熱体の少なくとも一部が、プライマー層を介して硬化型熱伝導性組成物の硬化物と接着していることを特徴とする放熱構造体。前記硬化型熱伝導性組成物は、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有するものであることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子機器、精密機器などに用いられる発熱体から放熱を行なうための放熱構造体に関する。
近年、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器の性能向上は著しく、性能向上に伴い集積度も増し、体積あたりの発熱量が著しく増加している。そのため電子機器設計において、熱対策をどの様に行うかが機器の性能や長期信頼性への重要な課題になっている。放熱は多くの場合は大気へ、水冷式の場合は水へ熱を伝えることで行われる。そのため発熱体の熱をヒートシンクやヒートスプレッダを用いて素早く広げ、大気や水との接触面を増やすことが好ましい。
発熱体からの熱の伝わりにくさを示す熱抵抗を低減させるには放熱材の熱伝導率を大きくすることと、熱源と密着してより熱を伝えること(接触熱抵抗の低減)が求められる。このような熱伝導材料としては炭素材料や金属、セラミック、及びそれらをフィラーとして含む樹脂等が用いられている。
炭素材料や金属、セラミックは高熱伝導率であるが硬いため接触熱抵抗が大きい。そこで、接触熱抵抗低減のために低硬度の放熱シートを用いることがある(特許文献1)が、シートにかかる圧力によって接触熱抵抗が変化し放熱性能が安定しない、低硬度を実現する代償に熱伝導性が十分でないなどの問題があった。また、接触熱抵抗を低減させる目的で、熱伝導性のグリスやフェイズチェンジシートが用いられることもある(たとえば特許文献2を参照)。しかし、電子部品の動作時にその発熱により低粘度化、軟化または溶解して流れ出してしまう問題がある。これらの問題のない接触熱抵抗の低減方法として、未硬化シリコーンゴムが提案されているが(たとえば特許文献3を参照)、低分子シロキサン成分や環状シロキサン成分の揮発による電子機器内汚染の問題がある。
そのため、これらの問題のない非シリコーン硬化型伝導性組成物が開発されている(たとえば特許文献4、5、6を参照)。
近年の小型電子機器の発熱がますます深刻化しつつあることから、放熱部材による放熱性をよりいっそう高めたいというニーズが強まっている。その際、放熱部材には高熱伝導率と低接触熱抵抗が要求される。そのような放熱部材として低硬度の放熱シートや硬化型熱伝導性組成物が用いられるが、粘着性のものは使用時の圧力によって熱抵抗が変化し剥がれ落ちる可能性もあることや、接着性のものは硬化後の硬度が高く柔軟性に乏しいことや貯蔵安定性がよくないことが問題となっていた。
本発明は、優れた耐熱性、耐久性、を有するとともに、従来技術で問題視されている環状シロキサン等による接点障害の可能性が低く、使用状況により熱抵抗が変化しにくく性能の安定した放熱構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に基づき鋭意検討を行った結果、プライマーを用いて熱伝導性組成物を接着することにより、使用状況による熱抵抗の変化を小さくし安定した放熱性能を発揮できることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下の[1]〜[5]に関する。
[1] 発熱体および/または放熱体の少なくとも一部が、プライマー層を介して硬化型熱伝導性組成物の硬化物と接着していることを特徴とする放熱構造体。
[2] 前記硬化型熱伝導性組成物が、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有するものである、[1]に記載の放熱構造体。
[3] 前記硬化型熱伝導性組成物が、架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有する硬化性ビニル系樹脂(I)、熱伝導性充填材(II)、硬化性ビニル系樹脂(I)の硬化触媒(III)、を少なくとも含有する組成物の硬化物であって、熱伝導率0.9W/mK以上のものである、[1]または[2]に記載の放熱構造体。
[4] 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、硬化させることで接着させる工程
[5] 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物の硬化物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、接着させる工程
[1] 発熱体および/または放熱体の少なくとも一部が、プライマー層を介して硬化型熱伝導性組成物の硬化物と接着していることを特徴とする放熱構造体。
[2] 前記硬化型熱伝導性組成物が、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有するものである、[1]に記載の放熱構造体。
[3] 前記硬化型熱伝導性組成物が、架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有する硬化性ビニル系樹脂(I)、熱伝導性充填材(II)、硬化性ビニル系樹脂(I)の硬化触媒(III)、を少なくとも含有する組成物の硬化物であって、熱伝導率0.9W/mK以上のものである、[1]または[2]に記載の放熱構造体。
[4] 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、硬化させることで接着させる工程
[5] 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物の硬化物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、接着させる工程
本発明は、優れた耐熱性、耐久性、を有するとともに、従来技術で問題視されている環状シロキサン等による接点障害の可能性が低く、使用状況により熱抵抗が変化しにくく性能の安定した、汎用的な電子基板に広く対応しうる放熱構造体を提供するものである。
11a:発熱体a、11b:発熱体b、12:基板、13:放熱体、14:硬化型熱伝導性組成物の硬化物層
本発明の放熱構造体の一実施形態は、図1を参照して、発熱体11a及び発熱体11b、発熱体11a、11bを固定する基板12、放熱体13、及び硬化型熱伝導性組成物の硬化物層14を備え、硬化型熱伝導性組成物の硬化物層14が、発熱体11、及び放熱体13と接する界面にプライマーを用いて接着されている箇所があることを特徴とする。
本発明において、「発熱体、放熱体と接する界面」とは、発熱体と放熱体が、同一の硬化型熱伝導性組成物と接する場合も、それぞれ異なる硬化型熱伝導性組成物と接する場合も含むものとする。また、全ての界面が接着されている場合や特定部材界面の一部のみが接着されている場合を含むものとする。
また、本発明において、「配置」とは発熱体、放熱体間の硬化型熱伝導性材料をスパチュラなどで塗布または押し付けて広げる場合も、放熱体を固定し硬化型熱伝導性組成物を隙間へ流し込む場合も含むものとする。
なお放熱体13の形態には特に制限はなく、図1に示すように基板12が発熱体、熱伝導性組成物の硬化物の硬化物層14を覆うような形態に限定されず、基板12が支柱により放熱体13と接続されているような形態であっても、発熱体及び基板12全体を放熱体13が覆うような構造、即ち放熱体が筐体を兼ねるような構造であっても良い。
<硬化型熱伝導性組成物の硬化物層> 図1を参照して、硬化型熱伝導性組成物の硬化物層14は、発熱体11a、11b、放熱体13と接する。これらの接触面は、熱抵抗ができる限り小さくなるよう密着している必要がある。これにより、発熱体から生じる熱を効率よく放熱体に伝えることが可能となる。硬化型熱伝導性組成物をプライマーを用いて接着することにより、硬化型熱伝導性組成物の硬化物層と、他構成物との間の熱抵抗を非常に小さくすることが可能である。
<硬化型熱伝導性組成物> 硬化型熱伝導性組成物は、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性フィラー(II)とを少なくとも含有する硬化型熱伝導性組成物が用いられる。これらの他に必要に応じて、硬化性ビニル系樹脂(I)を硬化させるための硬化触媒(III)、硬化型熱伝導性組成物の熱老化防止剤、可塑剤、増量剤、チクソ性付与剤、接着性付与剤、脱水剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、電磁波吸収材、充填剤、溶剤、等が添加されていても良い。
<硬化性ビニル系樹脂> 硬化性ビニル系樹脂は、分子内に反応性基を有し硬化性があるビニル系樹脂が用いられる。硬化性ビニル系樹脂の具体例としては、硬化性アクリル系樹脂、硬化性メタクリル系樹脂、などが挙げられる。反応性基としては、エポキシ基、加水分解性シリル基、ビニル基、アクリロイル基、SiH基、ウレタン基、カルボジイミド基、無水カルボン酸基とアミノ基との組合せ、など各種の反応性官能基を用いることができる。これらが2種類の反応性基の組合せ、あるいは反応性基と硬化触媒との反応、により硬化する場合には、2液型組成物として準備した後、基板や発熱体へ塗布する際に2液を混合することにより、硬化性を得ることができる。あるいは加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂の場合には、空気中の湿気と反応して硬化できることから、一液型室温硬化性組成物とすることも可能である。ビニル基とSiH基とPt触媒との組合せの場合や、ラジカル開始剤とアクリロイル基の組み合わせ、などの場合には、一液型硬化性組成物あるいは二液型硬化性組成物とした後、架橋温度にまで加熱させたり、紫外線や電子線などの架橋エネルギーを付与したりすることにより、硬化させることもできる。一般的には、放熱構造体全体をある程度加熱するのが容易である場合には、加熱硬化型組成物を用いるのが好ましく、放熱構造体の加熱が困難である場合には、二液型硬化性組成物とするか、湿気硬化型組成物とするのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
硬化性ビニル系樹脂の中でも、低分子量シロキサンによる電子機器内汚染の問題が少ないこと、耐熱性に優れていること、等から、硬化性アクリル系樹脂を用いるのが好ましい。硬化性アクリル系樹脂としては、公知のさまざまな反応性アクリル樹脂を用いることができる。これらの中でも、分子末端に反応性基を有するアクリル系オリゴマーを用いるのが好ましい。これら硬化性アクリル系樹脂としては、リビングラジカル重合、中でも特に原子移動ラジカル重合にて製造された硬化性アクリル系樹脂と、硬化触媒との組合せを最も好ましく用いることができる。このような樹脂の例として、(株)カネカ製カネカXMAPが良く知られている。
<架橋性シリル基を有する硬化性ビニル系樹脂及び硬化触媒> 硬化性ビニル系樹脂の中でも、架橋性シリル基を平均して少なくとも1個有する硬化性ビニル系樹脂(I)と、硬化触媒(III)とを用いることにより、室温でも湿分で硬化可能な一液型硬化性組成物を得ることができ、容易に硬化反応を進行させることが可能となるため好ましい。硬化性ビニル系樹脂の架橋性シリル基の数は特に限定されないが、組成物の硬化性、及び硬化物の物性の観点から、分子中に平均して1個以上有することが好ましく、より好ましくは1.1個以上4.0以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5個以下である。硬化触媒(III)としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、等の有機錫化合物、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物、金属キレート化合物類、アミン化合物、等公知のシラノール縮合触媒が例示できる。
<熱伝導性充填材> 硬化型熱伝導性組成物に用いられる熱伝導性充填材(II)としては、市販されている一般的な良熱伝導性充填材を用いることが出来る。なかでも、熱伝導率、入手性、絶縁性や電磁波シールド性や電磁波吸収性などの電気特性を付与可能、充填性、毒性、等種々の観点から、グラファイト、ダイヤモンド、等の炭素化合物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素等の金属炭化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;結晶性シリカ:アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機性ポリマー焼成物;Znフェライトとの複合フェライト;Fe−Al−Si系三元合金;金属粉末、等が好ましく挙げられる。
さらに、入手性や熱伝導性の観点から、グラファイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、結晶化シリカがより好ましく、グラファイト、α―アルミナ、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、鉄ニッケル合金(パーマロイ)がより好ましく、球状化グラファイト、丸み状あるいは球状のα―アルミナ、球状化六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、球状Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、が特に好ましい。本発明でカルボニル鉄を用いる場合には、還元カルボニル鉄粉であることが望ましい。還元カルボニル鉄粉とは、標準グレードではなく、還元グレードに分類されるカルボニル鉄粉であり、標準グレードに比べ、カーボンと窒素の含有量が低いことが特徴である。
また、これらの熱伝導性充填材は、樹脂に対する分散性が向上する点から、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、又は、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアピチン酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コルム酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等により、表面が処理されたものであることが好ましい。
このような熱伝導性充填材の使用量としては、本発明の組成物から得られる熱伝導性材料の熱伝導率を高くすることができる点から、熱伝導性充填材の容積率(%)が全組成物中の25容量%以上となることが好ましい。25容量%よりも少ない場合は、熱伝導性が十分でなくなる傾向がある。さらに高い熱伝導率を望む場合は、熱伝導性充填材の使用量を、全組成物中の40容量%以上とすることがより好ましい。熱伝導性充填材の容積率(%)は、好ましくは98容量%以下である。
ここで熱伝導性充填材の容積率(%)とは、樹脂分及び熱伝導性充填材のそれぞれの重量分率と比重から算出されるものであり、次式により求められる。なお、次式においては、熱伝導性充填材を単に「充填材」と記載した。
充填材容積率(容量%)=(充填材重量比率/充填材比重)÷[(樹脂分重量比率/樹脂分比重)+(充填材重量比率/充填材比重)]×100
ここで、樹脂分とは、熱伝導性充填材を除いた全成分を指す。
充填材容積率(容量%)=(充填材重量比率/充填材比重)÷[(樹脂分重量比率/樹脂分比重)+(充填材重量比率/充填材比重)]×100
ここで、樹脂分とは、熱伝導性充填材を除いた全成分を指す。
また、樹脂に対する熱伝導性充填材の充填率を高める1手法として、粒子径の異なる熱伝導性充填材を2種類以上併用することが好適である。この場合、粒子径の大きい熱伝導性充填材と、粒子径の小さい熱伝導性充填材との粒径比を10/1程度とすることが好ましい。
またこれら熱伝導性充填材は、同一種類の熱伝導性充填材だけでなく、種類の異なる2種以上を併用することもできる。また本発明の効果を妨げない程度に、熱伝導性充填材以外の各種充填材を必要に応じて用いても良い。熱伝導性充填材以外の各種充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、ケイソウ土、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、非晶質球形シリカ等)、カーボンブラックのような補強性充填材;ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末などの充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。 これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、酸化チタン、タルクなどが好ましい。なおこれら充填材の中には、わずかに熱伝導性充填材としての機能を有しているものもあり、また炭素繊維、各種金属粉、各種金属酸化物、各種有機繊維のように、組成、合成方法、結晶化度、結晶構造によっては優れた熱伝導性充填材として使用可能となるものもある。
<硬化型熱伝導性組成物の硬化物の熱伝導率> 硬化型熱伝導性組成物の硬化物は、熱を効率的に外部に伝える必要があることから、高熱伝導性の材料を用いる必要がある。熱伝導率は具体的には0.9W/mK以上、好ましくは1.0W/mK以上、さらに好ましくは1.2W/mK以上であるとよい。このような高熱伝導性組成物の硬化物を用いることにより、発熱体が空気と接している場合と比較して、発熱体の熱を効率よく逃がすことが可能となる。熱伝導率は、好ましくは10000W/mK以下である。
硬化型熱伝導性組成物の熱伝導率測定は、材料を十分硬化させた後に、京都電子工業(株)製ホットディスク法熱伝導率測定装置TPA−501を用い、4φサイズのセンサーを厚み3mm、直径20mmの円盤状サンプル2枚で挟む方法にて23℃でおこなった。
<硬化型熱伝導性組成物の硬化物の熱抵抗> 硬化型熱伝導性組成物の硬化物の熱抵抗は、理論上は熱伝導率と形状から計算して求めることができるが、実際には粘度など材料の扱いやすさ、使用する条件などにより変化する。特にエラストマーにおいては使用時の加圧条件や配置時の密着性の影響を受ける。もちろん熱抵抗が小さい方が放熱性は向上し熱伝導性組成物としてより好ましい。また、使用条件による熱抵抗の変化が小さいほど安定した放熱性を発揮でき信頼性を向上することができる。熱抵抗の変化は材料が破壊されない範囲において加圧前後で好ましくは0%以上20%以下、より好ましくは0%以上10%以下、更に好ましくは0%以上5%以下であることが好ましい。
熱抵抗測定はASTM D5470を模した装置を用いて熱抵抗の測定を行った。φ30mmサイズの測定プローブにサンプルを挟み、一定の熱流量時の温度差から熱抵抗を求めた。
<硬化型熱伝導性組成物の硬化物の硬度> 硬化型熱伝導性組成物の硬化物の硬度は、高温時の熱膨張や歪みを吸収できるように低いことが好ましい。材料間の線膨張率差による剥離やクラックを防ぐため、好ましい硬度は1以上99以下、より好ましくは10以上90以下、更に好ましくは30以上85以下、最も好ましくは50以上80以下である。
硬化物の硬度はアスカーC型硬度計で厚さ6mmのサンプルを測定した。
<放熱体> 図1を参照して、放熱体13は一つだけであってもよいし、異なるサイズを複数個用いても良い。また、放熱体がなくとも硬化型熱伝導性材料層で十分な放熱性を発揮できる場合は必要としない。形状は特に制限はなく、ブロック状でも球状でも板状でも良い。
<放熱体の材質> 放熱体の材質は、高熱伝導性を有しているほど温度分布が均一になり、放熱性が高まるため好ましい。放熱体として好ましい素材は、アルミニウム、銅、マグネシウムをはじめとする高熱伝導性金属、グラファイト、ダイヤモンド等の高熱伝導性炭素材料、上記の<熱伝導性充填材>として用いられる材料、それらの複合材、及びそれらをフィラーとして含む樹脂等を例示することができ、もちろん硬化型熱伝導性材料を硬化させたブロックを用いることができるが、これらに限定されるものではない。放熱体の熱伝導率は、好ましくは1W/mK以上、より好ましくは3W/mK以上、さらに好ましくは5W/mK以上、最も好ましくは10W/mK以上であることが、放熱性向上のために好ましい。放熱体の熱伝導率は、好ましくは10000W/mK以下である。
また、放射率が高いほど周囲との温度差が縮まるので放熱体の放射率は高いほど放熱性が高くなり好ましい。特に金属の場合は低放射率なので放射率を高める表面加工を行うと効果的である。
<発熱体の温度> 発熱体の温度は、発熱体から発生する熱を効率よく放熱体に伝えるほど、低くなる。発熱体の温度はその耐熱温度以下とする観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃、さらに好ましくは111℃以下である。130℃以上になると、発熱体を形成する半導体素子の働きが鈍くなったり故障したりする場合がある。なお、電子機器によっては、発熱体の耐熱温度が、120℃以下に制限される場合もある。また、耐熱温度が発熱体温度以上である硬化型熱伝導性組成物の硬化物を用いることが好ましい。発熱体の温度は、好ましくは0℃以上である。
<発熱体と放熱体との距離> 発熱体と放熱体との距離が離れる程、熱抵抗が大きくなり、発熱体の温度が高くなる。したがって、発熱体の温度が高くなりすぎないように、発熱体と放熱体との距離はなるべく薄いことが望ましい。しかし、放熱体を用いない構造の場合はその限りではない。
<発熱体の数> 図1を参照して、本発明の発熱体は、基板12上に一つだけあってもよいし、複数個が基板上に取り付けられていても良い。複数個の発熱体が基板上に取り付けられている場合、発熱体の基板からの高さが一致している必要は無い。未硬化の硬化型熱伝導性組成物を配置した後硬化させることにより、発熱体の高さが一致していない場合にも密着し、発熱体から発生する熱を効率よく放熱体13に伝えることが可能となる。
<プライマー> 本発明の放熱構造体中のプライマー層は、以下で説明するプライマーを用いて形成される。プライマーは、硬化型熱伝導性組成物を被着体と接着させる、若しくは接着性を向上させるために用いられる。本発明のようにプライマーを用いて被着体とシーリング材を接着させる方法はよく知られているが、放熱構造体に適用することで特に性能が向上することを見出した。プライマーとしては、シランカップリング剤をはじめ、市販されている一般的なプライマーを用いることができる。
シランカップリング剤の具体例としてはアミノ基や、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲン等の官能基をもったシランカップリング剤が例示でき、その具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン等のポリスルファン類等を挙げることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とアクロイルオキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とイソシアネート基含有シラン類との反応物も使用できる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソシアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類と例えばメチルイソブチルケトン等のケトン化合物との反応によって得られるケチミン化合物等もシランカップリング剤として用いることができる。
シランカップリング剤以外の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン/ブタジエン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソブテン−ポリスチレン等の直鎖状または分岐状のブロック共重合体、アルキルスルフォン酸エステル、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。エポキシ樹脂は上記のアミノ基含有シラン類と反応させて使用することができる。本発明の硬化型熱伝導性組成物でも用いる硬化性ビニル系樹脂とシランカップリング剤を反応させて使用することもできる。
また、接着性を高め、使用範囲を広める1手法として上記のプライマーを2種類以上の併用や、反応性制御剤、濡れ性向上剤、接着性向上剤、それらの機能性を持つフィラー等を含有する組成物を使用することも可能である。
以下に実施例により発明の実施態様、効果を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
[硬化性アクリル系樹脂の合成例1] 架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)樹脂Aの合成例:
窒素雰囲気下、250L反応機にCuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸ブチル(26.0kg)及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70〜80℃で30分程度撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応開始30分後から2時間かけて、アクリル酸ブチル(104kg)を連続的に追加した。反応途中ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温70℃〜90℃となるようにした。ここまでで使用したペンタメチルジエチレントリアミン総量は220gであった。反応開始から4時間後、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより揮発分を除去した。これにアセトニトリル(45.7kg)、1,7−オクタジエン(14.0kg)、ペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して8時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
窒素雰囲気下、250L反応機にCuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸ブチル(26.0kg)及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70〜80℃で30分程度撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応開始30分後から2時間かけて、アクリル酸ブチル(104kg)を連続的に追加した。反応途中ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温70℃〜90℃となるようにした。ここまでで使用したペンタメチルジエチレントリアミン総量は220gであった。反応開始から4時間後、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより揮発分を除去した。これにアセトニトリル(45.7kg)、1,7−オクタジエン(14.0kg)、ペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して8時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、ろ過助剤として珪藻土、吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温100℃で加熱攪拌した。混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を内温100℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
更にこの濃縮物に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイト、熱劣化防止剤を加え、減圧下、加熱攪拌した(平均温度約175℃、減圧度10Torr以下)。
更に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを追加し、酸化防止剤を加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。
更に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを追加し、酸化防止剤を加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を減圧下加熱攪拌して揮発分を除去し、アルケニル基を有する重合体を得た。
このアルケニル基を有する重合体、ジメトキシメチルシラン(アルケニル基に対して2.0モル当量)、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1.0モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のキシレン溶液:以下白金触媒という](白金として重合体1kgに対して10mg)を混合し、窒素雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。アルケニル基が消失したことを確認し、反応混合物を濃縮して末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)樹脂Aを得た。得られた樹脂の数平均分子量は約26000、分子量分布は1.3であった。樹脂1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
[硬化型熱伝導性組成物の製造例1] 硬化性アクリル系樹脂の合成例1で得られた樹脂A100重量部、可塑剤:DIDP(ジェイプラス製)100重量部、酸化防止剤:アデカスタブAO−60(アデカ製)1重量部、熱伝導性充填剤:AS−40(丸み状アルミナ、昭和電工製)900重量部を手混ぜで十分攪拌混練した後に、5Lバタフライミキサーを用いて加熱混練しながら真空に引き脱水した。脱水完了後に冷却し、脱水剤:A171(ビニルトリメトキシシラン、東レダウコーニングシリコーン製)4重量部、硬化触媒:ネオスタンU−220H(ジブチル錫ジアセチルアセトナート、日東化成製)2重量部と混合し、硬化型熱伝導性組成物Aを得た。AS−40は混練前に120℃乾燥機内で一晩乾燥させたものを使用した。硬化後の熱伝導率は1.4W/mK、硬化前の粘度は200Pa・sであった。
(実施例1−1)接着性
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に綿棒を用いてプライマーA(A1120(トリメトキシシラン、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製))を塗布し、一分後硬化型熱伝導性組成物Aを塗布した。その後一晩硬化させ、ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に綿棒を用いてプライマーA(A1120(トリメトキシシラン、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製))を塗布し、一分後硬化型熱伝導性組成物Aを塗布した。その後一晩硬化させ、ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。
(実施例1−2)
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に綿棒を用いてプライマーAを塗布し、一分後硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を配置した。その後一晩放置し、ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に綿棒を用いてプライマーAを塗布し、一分後硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を配置した。その後一晩放置し、ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。
(比較例1−1)
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に、硬化型熱伝導性組成物Aを塗布した。その後一晩硬化させた後は接着していたが、ハンドピール試験をおこなうと、小さな力で界面剥離(AF)した。
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に、硬化型熱伝導性組成物Aを塗布した。その後一晩硬化させた後は接着していたが、ハンドピール試験をおこなうと、小さな力で界面剥離(AF)した。
(比較例1−2)
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を配置した。その後一晩放置すると接着していたが、ハンドピール試験をおこなうと、小さな力で界面剥離(AF)した。
アルマイト加工されたアルミ製放熱体上に硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を配置した。その後一晩放置すると接着していたが、ハンドピール試験をおこなうと、小さな力で界面剥離(AF)した。
(実施例2)貯安、硬度
硬化型熱伝導性組成物Aを室温にて作成後3月保管し、(実施例1−1、実施例1−2)と同様の試験を行った。ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。硬化物の硬度は76であった。
硬化型熱伝導性組成物Aを室温にて作成後3月保管し、(実施例1−1、実施例1−2)と同様の試験を行った。ハンドピール試験により十分接着している事を確認した。硬化物の硬度は76であった。
(比較例2)
プライマーを用いずに接着性を発現できるように、硬化型熱伝導性組成物Aに
シランカップリング剤:A―1120(トリメトキシアミノシラン、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)2重量部を混ぜた硬化型熱伝導性組成物Bを作成した。硬化型熱伝導性組成物Bを室温にて保管し、作成翌日と作成後3月のものに対し、(実施例1−1)と同様の試験を行った。ハンドピール試験により作成翌日のサンプルは十分接着するが作成後3月のサンプルは接着が十分でなかった。硬化物の硬度は83であった。
プライマーを用いずに接着性を発現できるように、硬化型熱伝導性組成物Aに
シランカップリング剤:A―1120(トリメトキシアミノシラン、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)2重量部を混ぜた硬化型熱伝導性組成物Bを作成した。硬化型熱伝導性組成物Bを室温にて保管し、作成翌日と作成後3月のものに対し、(実施例1−1)と同様の試験を行った。ハンドピール試験により作成翌日のサンプルは十分接着するが作成後3月のサンプルは接着が十分でなかった。硬化物の硬度は83であった。
(実施例3−1) 熱抵抗
プライマーAを、綿棒を用いて塗布したプローブに硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を挟み、熱抵抗を測定した。3種類の厚さにおいて2500g荷重で熱抵抗を測定した。
プライマーAを、綿棒を用いて塗布したプローブに硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を挟み、熱抵抗を測定した。3種類の厚さにおいて2500g荷重で熱抵抗を測定した。
(比較例3−1)
硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を、プローブに挟み、熱抵抗を測定した。3種類の厚さにおいて2500g荷重で熱抵抗を測定した。
硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を、プローブに挟み、熱抵抗を測定した。3種類の厚さにおいて2500g荷重で熱抵抗を測定した。
(実施例3−2)
プライマーAを、綿棒を用いて塗布したプローブに硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を挟み、熱抵抗を測定した。厚さ3.28mm状態で荷重を変化させ熱抵抗を測定した。
プライマーAを、綿棒を用いて塗布したプローブに硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を挟み、熱抵抗を測定した。厚さ3.28mm状態で荷重を変化させ熱抵抗を測定した。
(比較例3−2)
硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を、プローブに挟み、熱抵抗を測定した。厚さ2.62mm状態で荷重を変化させ熱抵抗を測定した。
実施例3−1、比較例3−1の評価結果を表1に示す。
実施例3−2、比較例3−2の評価結果を表2に示す。
硬化型熱伝導性組成物Aの硬化物を、プローブに挟み、熱抵抗を測定した。厚さ2.62mm状態で荷重を変化させ熱抵抗を測定した。
実施例3−1、比較例3−1の評価結果を表1に示す。
実施例3−2、比較例3−2の評価結果を表2に示す。
表1に示すように、プライマーを用いたものは厚みに対して熱抵抗が小さい傾向を持つ。表2に示すように、プライマーを用いたものはサンプルがより厚いにもかかわらず測定時の加圧条件の影響が少ない。
実施例1と比較例1からプライマーを用いることで接着性を発現し、実施例2と比較例2からプライマーを用いることで貯蔵安定性を改善でき、実施例3と比較例3からプライマーを用いることで熱抵抗を低減し、かつ使用状況による変化が小さいことが確認できた。
実施例1と比較例1からプライマーを用いることで接着性を発現し、実施例2と比較例2からプライマーを用いることで貯蔵安定性を改善でき、実施例3と比較例3からプライマーを用いることで熱抵抗を低減し、かつ使用状況による変化が小さいことが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (5)
- 発熱体および/または放熱体の少なくとも一部が、プライマー層を介して硬化型熱伝導性組成物の硬化物と接着していることを特徴とする放熱構造体。
- 前記硬化型熱伝導性組成物が、硬化性ビニル系樹脂(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有するものである、請求項1に記載の放熱構造体。
- 前記硬化型熱伝導性組成物が、架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有する硬化性ビニル系樹脂(I)、熱伝導性充填材(II)、硬化性ビニル系樹脂(I)の硬化触媒(III)、を少なくとも含有する組成物の硬化物であって、熱伝導率0.9W/mK以上のものである、請求項1または2に記載の放熱構造体。
- 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、硬化させることで接着させる工程 - 以下の工程からなる、放熱構造体の製造方法。
(1)発熱体および/または放熱体の表面にプライマーを塗布する工程
(2)硬化型熱伝導性組成物の硬化物を、発熱体および/または放熱体上のプライマーと接するように配置し、接着させる工程
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Cited By (2)
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JP2016201532A (ja) * | 2015-04-08 | 2016-12-01 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | 回路基板 |
JP2019011930A (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-24 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 複合管、及び冷凍装置 |
Citations (2)
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JPH10154779A (ja) * | 1996-11-21 | 1998-06-09 | Toray Dow Corning Silicone Co Ltd | 放熱部品およびその製造方法 |
JP2006274094A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Kaneka Corp | 放熱シート用組成物およびそれを硬化させてなる放熱シート |
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