JP5390202B2 - 放熱構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器など、種々の装置の発熱体から効率的に放熱を行なうための放熱構造体に関する。
近年、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器などの性能向上は著しく、それは演算素子や発光素子の著しい性能向上によっている。この様に演算素子や発光素子の性能向上に伴い発熱量も著しく増加し、電子機器、照明、表示機器における放熱をどの様に行うかが重要な課題になっている。熱対策として、演算素子や発光素子の発生する熱をロス無く放熱体に伝え、放熱体を通じて放熱するために、発熱体と放熱体との間に熱伝導性材料層を設ける対策が重要である。
この様な放熱、伝熱の目的に使用される熱伝導性材料としては、例えばシリコーンゴム等のベースゴムに熱伝導性充填材を高充填し硬化させた、軟質放熱シートが知られており、各種熱伝導性充填材とシリコーンゴムとの組合せによる技術が開示されている(特許文献1〜3参照)。
この様な熱伝導を目的とした放熱シートには、材料自体の熱伝導だけでなく、発熱体や放熱体との熱抵抗を低くする必要があることから、発熱体や放熱体との密着性が重要とされている。発熱体が基板上に一つしか存在していない場合には、発熱体と放熱体との距離がほぼ一定であることから、このような放熱シートを用いた放熱方法でもある程度効率よく熱を伝えることが可能である。ところが発熱体が基板上に複数個存在しており、これを一つの放熱体で放熱するような構造となっている場合には、発熱体と放熱体との間の距離が一定ではないことが多い。そのため、厚みが一定の放熱シートを用いたのでは、複数の発熱体を同時に一つの放熱体に接するよう配置することが困難であるという問題があった。
これらの問題を解決するため、例えば特許文献4には、硬化前のシリコーンゴムに熱伝導性充填材を高充填した液状物を塗布した後、室温で硬化させることが可能な、室温硬化型熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されている。このような組成物は液状物であるため、発熱体や放熱体との密着性が非常に良好となるうえ、発熱体と放熱体との間の距離が一定でない場合にも対応可能であることから好適である。しかしながら未硬化のシリコーンゴム組成物であることから、使用時に低分子シロキサン成分や環状シロキサン成分の揮発が多くなるという課題がある。シリコーン樹脂にはしばしば低分子成分である環状シロキサンの揮発により、電気部品の接点不良を誘発したり、ハードディスクなどの精密機器の読み取り不良を誘発したりすると言う課題が指摘されている。
一方例えば特許文献5には、ポリαオレフィンオリゴマーに熱伝導性充填材を高充填させた熱伝導性グリースが開示されている。このような組成物を用いれば、液状物であるため熱体や放熱体との密着性が非常に良好となり、なおかつ使用時に低分子シロキサン成分が揮発する可能性も少ない。しかしながらこのような組成物は室温で硬化することが無いため、発熱体が高温となった際に、低粘度となった液状グリースが流出してしまい、周囲の電子機器を汚染してしまうことがあるという課題を有している。
特許文献6には、ポリアルキレングリコールやポリイソブチレン等の加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有オリゴマーをベースに、熱伝導性充填材を配合したものは、優れた強度と密着性を併せ持つ樹脂組成物であることが開示されている。しかしながら加水分解性シリル基含有ポリアルキレングリコール系オリゴマーは耐熱性が十分でない場合があり、また、加水分解性シリル基含有ポリイソブチレン系オリゴマーは、比較的粘度が高くハンドリングが困難なほか、硬化速度が遅いため、1液型組成物として用いるには困難な場合が多い。
また特許文献7〜8には、分子量分布が1.8以下のリビングラジカル重合法にて製造されたビニル系重合体に、熱伝導性充填材を充填した放熱シート用組成物が示されているが、液状物のまま室温硬化型熱伝導性組成物として利用する方法に関しては記されていない。
特公平6−55891号公報 特公平6−38460号公報 特公平7−91468号公報 特開2004−352947号公報 特開2008−19319号公報 特開2001−302936号公報 特開2006−274094号公報 特開2006−278476号公報
上述のように、熱伝導性硬化性組成物や熱伝導性グリースを発熱体や放熱体表面へ塗布する従来技術には、様々な課題があった。一方で予め硬化させた放熱シートを用いる場合には、発熱体と放熱体との間の距離が一定ではない場合に使用が困難であるという課題があり、さまざまな厚みの放熱シートを予め準備しておくことで、距離の差にある程度対応させることが可能であるが、種々のシートを張り合わせる作業が伴うため作業性が悪化する上、種々のシートを予め加工して準備しておく必要があるなど、コストアップの原因となる。さらには熱伝導性硬化性組成物で発熱体を覆った場合と比較すると放熱効果にも劣るものであった。
本発明は、優れた耐熱性、耐久性、を有するとともに、従来技術で問題視されている環状シロキサン等による接点障害の可能性が低く、塗布などの操作が容易であり、さらに室温にて硬化させることが可能で、効率的に発熱体の熱を放熱体に伝えることが可能な、室温硬化型熱伝導性組成物を用いた放熱構造体を得ることを目的とする。
すなわち本発明は、基板と、前記基板上に固定された少なくとも2つ以上の発熱体と、前記発熱体に対向した位置にある放熱体と、前記発熱体、前記基板および前記放熱体に接する熱伝導性材料層とを備え、前記熱伝導性材料層は前記少なくとも2つ以上の発熱体の表面を被覆しており、前記熱伝導性材料層が、硬化性ビニル系重合体(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有する熱伝導性硬化性組成物を、前記発熱体と前記基板と前記放熱体のいずれにも接触するように塗布した後硬化させた、熱伝導率0.9W/mK以上の材料よりなることを特徴とする、放熱構造体に関する。
本発明にかかる放熱構造体において、前記少なくとも2つ以上の発熱体のそれぞれと前記放熱体とのなす距離の最小値と最大値の差が0.1mm以上であることが好ましい。
さらに本発明にかかる放熱構造体において、前記熱伝導性硬化性組成物が、架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(I)、熱伝導性充填材(II)、ビニル系重合体(I)の硬化触媒(III)、を少なくとも含有し、かつ室温における硬化前の粘度が50Pa・s以上であることが好ましい。
さらに本発明にかかる放熱構造体において、 前記熱伝導性材料層と前記放熱体との間に、グラファイトフィルムを含む熱拡散フィルムを設け、熱伝導性材料層と放熱体とが熱拡散フィルムを介して接触していることが好ましい。
本発明によれば、電子機器の設計が極めて簡単で、かつ放熱構造に優れ、発熱体の熱を拡散してから外部に逃がすことが可能な放熱構造体を提供することができる。
本発明にかかる放熱構造体の一例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。 本発明にかかる放熱構造体の他の例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。 本発明にかかる放熱構造体のさらに他の例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。 本発明にかかる放熱構造体のさらに他の例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。 典型的な放熱構造体の一例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。 典型的な放熱構造体の一例を示す概略図である。ここで、(a)は放熱構造体の概略断面図であり、(b)は放熱構造体の上面から見た発熱体、基板、熱伝導性材料層を示す概略平面図である。
本発明の放熱構造体の一実施形態は、図1を参照して、発熱体11a及び発熱体11bと、発熱体11を固定する基板12と、放熱体13と、熱伝導性材料層14とを備え、熱伝導性材料層14は発熱体11a及び11bと基板12と放熱体13のいずれにも接触しており、かつ発熱体11全体を被覆していることを特徴とする。
本実施形態の放熱構造体は、発熱体11が空気に接することなく熱伝導性材料層14に覆われていることから、発熱体で発生した熱を発熱体表面全面から放熱体13へ伝えることができ、熱伝導性材料層14が発熱体天面のみに接している場合などと比べ、熱の伝達効率が高められ、発熱体の温度をより低く抑えることが可能となる。また熱伝導性材料層14が塗布可能な硬化性組成物であることから、発熱体11a及び11bと放熱体13とのなす距離が一定でない場合でも、両方の発熱体から発する熱を効率良く放熱体13に伝えて逃がすことが可能である。
本実施形態の放熱構造体は、熱伝導性材料層として塗布可能な硬化性組成物を用いることにより、発熱体寸法の公差により寸法にバラツキがある場合も、バラツキを吸収することができる。
さらに本実施形態の放熱構造体は、熱伝導性材料層が、塗布可能な硬化性組成物を、発熱体、基板、放熱体、のいずれにも接触するよう塗布した後硬化させる施工方法を採用することにより、発熱体の高さにバラツキがある場合はもちろん、液状物が発熱体の公差による寸法のバラツキを吸収することができるので、発熱体の高さのバラツキがあっても熱拡散フィルムを発熱体の形状に追従させることが可能となり、平面形状の放熱体をそのまま使用することができる。また熱伝導性材料層に塗布可能な熱伝導性硬化性組成物を用いることで、熱伝導材料層と発熱体との間を確実に密着させることができ、両者間の熱抵抗を大きく低減させうることとなる。
なお放熱体13の形態には特に制限はなく、図1に示すように基板12が発熱体11、熱伝導性材料層14を覆うような形態に限定されず、基板12が支柱により放熱体13と接続されているような形態であってもよい。また図3に示すように発熱体11及び基板12全体を放熱体13が覆うような構造、即ち放熱体が筐体を兼ねるような構造であっても良い。
<発熱体の温度> 発熱体の温度は、発熱体から発生する熱を効率よく放熱体に伝えるほど、低くなる。発熱体の温度はその耐熱温度以下とする観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃、さらに好ましくは111℃以下である。130℃以上になると、発熱体を形成する半導体素子の働きが鈍くなったり故障したりする場合がある。なお、電子機器によっては、発熱体の耐熱温度が、120℃以下に制限される場合もある。
<発熱体と放熱体との距離> 発熱体と放熱体との距離が離れる程、熱抵抗が大きくなり、発熱体の温度が高くなる。したがって、発熱体の温度が高くなりすぎないように、発熱体と放熱体との距離を選択することが重要である。
本発明の発熱体と放熱体とのなす距離は、0mmより大きく6.0mm以下、好ましくは0.01mm以上5.0mm以下、さらに好ましくは0.03mm以上3.0mm以下である。発熱体と放熱体との距離が6.0mmより大きい場合は、発熱体の温度を放熱体に効率的に伝達できないため、発熱体の温度が高くなりすぎる。また、発熱体と放熱体との距離が0mm、すなわち直接接する場合には、熱伝導性材料層の設置スペースが無いため発熱体の公差による寸法のバラツキを吸収することができず、熱抵抗の低減効果が小さい。
<発熱体のワット数> 本発明の発熱体の出力(ワット数)は、100W以下、好ましくは80W以下、さらに好ましくは50W以下である。発熱体の出力が100Wより大きい場合は、発熱体の熱を十分逃がすことが困難となるため、発熱体の温度が耐熱温度以上まで上昇する場合がある。
<発熱体の数> 本発明は、発熱体11が基板12上に複数個取り付けられている場合でも効率よく放熱できることにある。基板上に発熱体が一つしかない場合でも、本発明で用いるような高熱伝導性硬化性組成物を用いることで効率的に熱を逃がすことが可能であるが、このような方法以外に、一般的な熱伝導性グリースや放熱シートを用いても同様の効率で熱を逃がすことが可能である。
複数の発熱体と放熱体とのなす距離は、一致していても異なっていても良い。設計上は各発熱体と放熱体との距離が一致している場合でも、取り付け時の誤差や、発熱体の寸法公差、寸法のばらつき、などにより、実際の使用時には極わずかに両者の距離に差が生じる場合があることから、高熱伝導性硬化性組成物を使用することで、複数の発熱体と放熱体との距離の差をカバーすることが可能である。但しわずかな寸法のばらつき程度であれば、一般的な放熱シートを用いてもほぼ同様の効率で熱を逃がせる場合がある。従って、複数の発熱体それぞれと放熱体との間の距離に、差が大きければ大きいほど、高熱伝導性硬化性組成物を用いる効果が明確となる。これらの距離の差が0.1mm以上ある場合に、高熱伝導性硬化性組成物の効果がより明確となるため好ましい。より好ましくは距離の差が0.2mm以上ある場合であり、最も好ましくは距離の差が0.5mm以上ある場合である。
<放熱体の材質> 図1を参照して、放熱体13の材質は、高熱伝導性を有しているほど放熱効率が高まるため好ましい。放熱体として好ましい素材は、アルミニウム、銅、マグネシウムをはじめとする高熱伝導性金属、グラファイト、ダイヤモンド等の高熱伝導性炭素材料、アルミナ、窒化アルミ、窒化ケイ素、等の高熱伝導性セラミックス、等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。放熱体の熱伝導率は、好ましくは15W/mK以上、より好ましくは20W/mK以上、さらに好ましくは30W/mK以上、最も好ましくは100W/mK以上であることが、放熱性向上のために好ましい。
<熱伝導性材料層> 図1を参照して、熱伝導性材料層14は、発熱体11、基板12、放熱体13、いずれとも接することにより、発熱体全体が熱伝導性材料層で覆われる構造となる。これらの接触面は、熱抵抗ができる限り小さくなるよう密着している必要がある。これにより、発熱体から生じる熱を効率よく放熱体に伝えることが可能となる。熱伝導性材料層の材料として、熱伝導性硬化性組成物を塗布した後で硬化させることにより、熱伝導性材料層と、発熱体・基板・放熱体との間の熱抵抗を非常に小さくすることが可能である。
<熱伝導性材料層の熱伝導率> 熱伝導性材料層は、熱を効率的に外部に伝える必要があることから、高熱伝導性の材料を用いる必要がある。熱伝導率は具体的には0.9W/mK以上、好ましくは1.0W/mK以上、さらに好ましくは1.2W/mK以上であるとよい。このような高熱伝導性材料を用いることにより、発熱体が空気と接している場合と比較して、発熱体の熱を効率よく逃がすことが可能となる。熱伝導性材料層の熱伝導率測定は、材料に硬化性組成物を用いた場合には材料を十分硬化させた後に、京都電子工業(株)製ホットディスク法熱伝導率測定装置TPA−501を用い、4φサイズのセンサーを厚み3mm、直径20mmの円盤状サンプル2枚で挟む方法にて23℃で測定することができる。
<熱伝導性材料層の硬化前粘度> 熱伝導性材料層は、室温における硬化前の粘度が50Pa・s以上の、流動性を有するが比較的高粘度な硬化性組成物を塗布することが好ましい。硬化前の粘度が50Pa・s未満程度の低粘度であると、図2を参照して、塗布後に発熱体と放熱体との間の硬化物が流失してしまうなどして、塗布時の作業性が低下してしまうという課題が生じる。硬化前の粘度は好ましくは100Pa・s以上、より好ましくは300Pa・s以上、最も好ましくは500Pa・s以上である。硬化前の粘度は、窒素置換された水分を含まない雰囲気下にて、23℃でBS型粘度計を用いて2rpmの条件で測定した値を用いる。硬化前の粘度の上限値に特に制限は無いが、あまり粘度が高すぎると、塗布が困難となったり、塗布時に空気を巻き込んでしまい熱伝導性を低下させる一因となったりする場合があるため、一般的には10000Pa・s以下、好ましくは5000Pa・s以下のものが用いられる。
<熱伝導性硬化性組成物> 熱伝導性硬化性組成物は、硬化性ビニル系重合体(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有する硬化性組成物が用いられる。これらの他に必要に応じて、硬化性液状樹脂を硬化させるための硬化触媒(III)、熱伝導性硬化性組成物の熱老化防止剤、可塑剤、増量剤、チクソ性付与剤、接着性付与剤、脱水剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、電磁波吸収材、充填剤、溶剤、等が添加されていても良い。
<硬化性ビニル系重合体> 硬化性ビニル系重合体は、分子内に反応性基を有し硬化性があるビニル系重合体が用いられる。硬化性ビニル系重合体の具体例としては、硬化性アクリル系樹脂、硬化性メタクリル系樹脂、などが挙げられる。反応性基としては、エポキシ基、加水分解性シリル基、ビニル基、アクリロイル基、SiH基、ウレタン基、カルボジイミド基、無水カルボン酸基とアミノ基との組合せ、など各種の反応性官能基を用いることができる。これらが2種類の反応性基の組合せ、あるいは反応性基と硬化触媒との反応、により硬化する場合には、2液型組成物として準備した後、基板や発熱体へ塗布する際に2液を混合することにより、硬化性を得ることができる。あるいは加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂の場合には、空気中の湿気と反応して硬化できることから、一液型室温硬化性組成物とすることも可能である。ビニル基とSiH基とPt触媒との組合せの場合や、ラジカル開始剤とアクリロイル基の組み合わせ、などの場合には、一液型硬化性組成物あるいは二液型硬化性組成物とした後、架橋温度にまで加熱させたり、紫外線や電子線などの架橋エネルギーを付与したりすることにより、硬化させることもできる。一般的には、放熱構造体全体をある程度加熱するのが容易である場合には、加熱硬化型組成物を用いるのが好ましく、放熱構造体の加熱が困難である場合には、二液型硬化性組成物とするか、湿気硬化型組成物とするのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
<硬化性ビニル系樹脂> 硬化性ビニル系樹脂の中でも、低分子量シロキサンによる電子機器内汚染の問題が少ないこと、耐熱性に優れていること、等から、硬化性アクリル系樹脂を用いるのが好ましい。硬化性アクリル系樹脂としては、公知のさまざまな反応性アクリル樹脂を用いることができる。これらの中でも、分子末端に反応性基を有するアクリル系オリゴマーを用いるのが好ましい。これら硬化性アクリル系樹脂としては、リビングラジカル重合、中でも特に原子移動ラジカル重合にて製造された硬化性アクリル系樹脂と、硬化触媒との組合せを最も好ましく用いることができる。このような樹脂の例として、(株)カネカ製カネカXMAPが良く知られている。
<架橋性シリル基を有する硬化性ビニル系樹脂及び硬化触媒> 硬化性ビニル系樹脂の中でも、架橋性シリル基を平均して少なくとも1個有するビニル系重合体(I)と、硬化触媒(III)とを用いることにより、室温でも湿分で硬化可能な一液型硬化性組成物を得ることができ、容易に硬化反応を進行させることが可能となるため好ましい。ビニル系重合体の架橋性シリル基の数は特に限定されないが、組成物の硬化性、及び硬化物の物性の観点から、分子中に平均して1個以上有することが好ましく、より好ましくは1.1個以上4.0以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5個以下である。硬化触媒(III)としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、等の有機錫化合物、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物、金属キレート化合物類、アミン化合物、等公知のシラノール縮合触媒が例示できる。
<熱伝導性充填材> 熱伝導性硬化性組成物に用いられる熱伝導性充填材(II)としては、市販されている一般的な良熱伝導性充填材を用いることが出来る。なかでも、熱伝導率、入手性、絶縁性や電磁波シールド性や電磁波吸収性などの電気特性を付与可能、充填性、毒性、等種々の観点から、グラファイト、ダイヤモンド、等の炭素化合物;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素等の金属炭化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;結晶性シリカ:アクリロニトリル系ポリマー焼成物、フラン樹脂焼成物、クレゾール樹脂焼成物、ポリ塩化ビニル焼成物、砂糖の焼成物、木炭の焼成物等の有機性ポリマー焼成物;Znフェライトとの複合フェライト;Fe−Al−Si系三元合金;金属粉末、等が好ましく挙げられる。
さらに、入手性や熱伝導性の観点から、グラファイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、結晶化シリカがより好ましく、グラファイト、α―アルミナ、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、鉄ニッケル合金(パーマロイ)がより好ましく、球状化グラファイト、丸み状あるいは球状のα―アルミナ、球状化六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、Mn−Zn系ソフトフェライト、Ni−Zn系ソフトフェライト、球状Fe−Al−Si系三元合金(センダスト)、カルボニル鉄、が特に好ましい。本発明でカルボニル鉄を用いる場合には、還元カルボニル鉄粉であることが望ましい。還元カルボニル鉄粉とは、標準グレードではなく、還元グレードに分類されるカルボニル鉄粉であり、標準グレードに比べ、カーボンと窒素の含有量が低いことが特徴である。
また、これらの熱伝導性充填材は、樹脂に対する分散性が向上する点から、シランカップリング剤(ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナートシラン、クロロシラン、アミノシラン等)やチタネートカップリング剤(アルコキシチタネート、アミノチタネート等)、又は、脂肪酸(カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸等)や樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸、レボピマール酸、ネオアピチン酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、コルム酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等)等により、表面が処理されたものであることが好ましい。
このような熱伝導性充填材の使用量としては、本発明の組成物から得られる熱伝導性材料の熱伝導率を高くすることができる点から、熱伝導性充填材の容積率(%)が全組成物中の25容量%以上となることが好ましい。25容量%よりも少ない場合は、熱伝導性が十分でなくなる傾向がある。さらに高い熱伝導率を望む場合は、熱伝導性充填材の使用量を、全組成物中の40容量%以上とすることがより好ましい。
ここで熱伝導性充填材の容積率(%)とは、樹脂分及び熱伝導性充填材のそれぞれの重量分率と比重から算出されるものであり、次式により求められる。なお、次式においては、熱伝導性充填材を単に「充填材」と記載した。
充填材容積率(容量%)=(充填材重量比率/充填材比重)÷[(樹脂分重量比率/樹脂分比重)+(充填材重量比率/充填材比重)]×100
ここで、樹脂分とは、熱伝導性充填材を除いた全成分を指す。
また、樹脂に対する熱伝導性充填材の充填率を高める1手法として、粒子径の異なる熱伝導性充填材を2種類以上併用することが好適である。この場合、粒子径の大きい熱伝導性充填材と、粒子径の小さい熱伝導性充填材との粒径比を10/1程度とすることが好ましい。
またこれら熱伝導性充填材は、同一種類の熱伝導性充填材だけでなく、種類の異なる2種以上を併用することもできる。また本発明の効果を妨げない程度に、熱伝導性充填材以外の各種充填材を必要に応じて用いても良い。熱伝導性充填材以外の各種充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、ケイソウ土、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、非晶質球形シリカ等)、カーボンブラックのような補強性充填材;ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末などの充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。 これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、酸化チタン、タルクなどが好ましい。なおこれら充填材の中には、わずかに熱伝導性充填材としての機能を有しているものもあり、また炭素繊維、各種金属粉、各種金属酸化物、各種有機繊維のように、組成、合成方法、結晶化度、結晶構造によっては優れた熱伝導性充填材として使用可能となるものもある。
<熱拡散フィルム> 本発明の別形態として、熱伝導性材料層と放熱体との間に熱拡散フィルムが存在し、熱拡散フィルムを介して熱伝導性材料層と放熱体とが接していても良い。このような形態の放熱構造体とすることにより、発熱体の熱を横方向に広めてから放熱体に伝えることができるので、放熱効率が著しく向上し、発熱体、放熱体、いずれの温度も低く抑えることが可能となる。熱拡散フィルムを用いる場合の熱拡散フィルムの面積は、熱拡散フィルムを取り付ける放熱体の面積に対して、広いほど好ましい。
<グラファイトフィルム> 本発明の熱拡散フィルムとしては、グラファイトフィルムを含むものが好ましく用いられる。グラファイトフィルムは厚み方向と比べて面方向に高熱伝導率であるという特徴を有している。グラファイトフィルムの面方向の熱伝導率は、50W/mK以上、好ましくは100W/mK以上、さらに好ましくは200W/mK以上、最も好ましくは500W/mK以上である。一方グラファイトフィルムの厚さ方向の熱伝導率は、30W/mK以下、好ましくは20W/mK以下、より好ましくは10W/mK以下であるとよい。グラファイトフィルムの厚さ方向の熱伝導率が30W/mKより大きいと、発熱体から発熱した熱が拡散する前に、放熱体に直接伝わってしまう。一方、厚さ方向の熱伝導率が30W/mK以下であると、発熱体から伝達された熱を厚さ方向にあまり伝えず面方向へ逃がす割合が大きくなるため好ましい。
<グラファイトフィルムの熱拡散率> グラファイトフィルムの面方向の熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社製LaserPit)を用いて、グラファイトフィルムを4mm×40mmのサンプル形状に切り取り、20℃の雰囲気下、10Hzにおいて測定した。グラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率測定には、京都電子工業(株)製のLFA−502を用いレーザーフラッシュ法で測定した。グラファイトフィルムを直径10mmにカットし、このフィルム両面を黒化処理した後、室温でレーザーフラッシュ法による厚さ方向の熱拡散率測定を行なった。また、グラファイトフィルムの熱容量を熱容量が既知である参照標準物質Moとの比較から算出し、別途測定される密度とあわせ、次の式(1)
λ=α×d×Cp (1)
から算出した。式(1)において、λは熱伝導率を、αは熱拡散率を、dは密度を、Cpは比熱容量をそれぞれ表わす。
<グラファイトフィルムと貼り合わせる保護フィルム> グラファイトフィルムは、場合によっては粉落ちが発生し、機器内を汚染する可能性がある。また、グラファイトフィルムは導電性を示すために、電子機器基板の短絡を招く恐れもある。このような理由から、本発明のグラファイトフィルムは、保護フィルムと貼り合わせて用いる方が好ましい。保護フィルムとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムの片面にアクリル系、シリコーン系、エポキシ系、ポリイミド系の粘着材や接着剤が形成されたフィルムが好ましい。また、ポリエステル系などのホットメルトタイプ(熱可塑性)のフィルムであってもよい。また、熱放射率の高いテープは、貼り合わせると非接触の際の熱の伝達量が増加するため、好ましい。樹脂テープは熱伝導率が悪いので、薄いものがよい。なお、熱拡散フィルムのうち熱伝導性材料層と接している面については、グラファイトフィルムの粉落ちや短絡の原因となる可能性が小さいため、保護フィルムを用いなくても良い。保護フィルムを用いないほうが熱伝導性は向上するため好ましいが、熱拡散フィルムの製造時に保護フィルムを一部分だけ取り外す必要があることから、生産コストアップの原因となる場合がある。
<グラファイトフィルムと貼り合わせる接着層> グラファイトフィルムを含む熱拡散フィルムで拡散された熱は、放熱体に粘着材、接着剤などの接着層により貼り付けて用いるのが好ましい。本発明において接着層として用いられる粘着材または接着剤の材質は、アクリル系、シリコーン系、エポキシ系またはポリイミド系の樹脂である。このような粘着材および接着剤は熱伝導率が悪いので、接着層は基本的に薄いほうがよい。
<グラファイトフィルムの製造方法> 本発明で好ましく用いられるグラファイトフィルムの第一の製法は、グラファイト粉末をシート状に押し固めたグラファイトフィルムである。グラファイト粉末がフィルム状に成型されるためには粉末がフレーク状、あるいは鱗片状になっている必要がある。この様なグラファイト粉末の製造のための最も一般的な方法がエキスパンド(膨張黒鉛)法と呼ばれる方法である。これはグラファイトを硫酸などの酸に浸漬し、グラファイト層間化合物を作製し、しかる後にこれを熱処理、発泡させてグラファイト層間を剥離するものである。剥離後、グラファイト粉末を洗浄して酸を除去し薄膜のグラファイト粉末を得る。この様な方法で得られたグラファイト粉末をさらに圧延ロール成型してフィルム状のグラファイトを得る。この様な手法で得られた、膨張黒鉛を用いて作製されたグラファイトフィルムは柔軟性にとみ、フィルム面方向に高い熱伝導性を有するので本発明の目的に好ましく用いられる。
本発明で好ましく用いられるグラファイトフィルムの第二の製造方法は、フィルム状グラファイトがポリイミド樹脂、ポリパラフェニレンビニレン樹脂、ポリオキサジアゾール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂の熱処理によって作製されたものである。この方法で最も一般的に用いられる樹脂はポリイミド樹脂である。ポリイミドをはじめとする樹脂フィルムのグラファイト化においては、出発物質である樹脂フィルムを窒素ガス中で通常1000℃程度の温度領域で30分程度の時間保持して炭化処理を行った後、次いでアルゴンをはじめとする不活性ガス中で最低でも2400℃以上、好ましくは2700℃以上、より好ましくは2800℃以上の温度にて黒鉛化処理することによって得られる。
本発明の放熱構造体は、内部に発熱体を有する装置、例えば電子機器、精密機械、自動車などに使用できる。とくに、電子機器の中でも携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、などの小型モバイル機器に好適である。
以下に実施例により発明の実施態様、効果を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
<熱伝導性材料層> [硬化性アクリル系樹脂の合成例1] 架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体Aの合成例:
窒素雰囲気下、250L反応機にCuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸ブチル(26.0kg)及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70〜80℃で30分程度撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応開始30分後から2時間かけて、アクリル酸ブチル(104kg)を連続的に追加した。反応途中ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温70℃〜90℃となるようにした。ここまでで使用したペンタメチルジエチレントリアミン総量は220gであった。反応開始から4時間後、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより揮発分を除去した。これにアセトニトリル(45.7kg)、1,7−オクタジエン(14.0kg)、ペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して8時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、ろ過助剤として珪藻土、吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温100℃で加熱攪拌した。混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を内温100℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
更にこの濃縮物に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイト、熱劣化防止剤を加え、減圧下、加熱攪拌した(平均温度約175℃、減圧度10Torr以下)。
更に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを追加し、酸化防止剤を加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を減圧下加熱攪拌して揮発分を除去し、アルケニル基を有する重合体を得た。
このアルケニル基を有する重合体、ジメトキシメチルシラン(アルケニル基に対して2.0モル当量)、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1.0モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のキシレン溶液:以下白金触媒という](白金として重合体1kgに対して10mg)を混合し、窒素雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。アルケニル基が消失したことを確認し、反応混合物を濃縮して末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体Aを得た。得られた重合体の数平均分子量は約26000、分子量分布は1.3であった。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
<熱伝導性材料層> [硬化性アクリル系樹脂の合成例2] 架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体の合成例
合成例2と同様にして、モノマーと開始剤との比率を変更することにより、ほぼ両末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体[P2]を得た。得られた重合体の数平均分子量は約14000、分子量分布は1.1であった。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約2.0個であった。
<熱伝導性材料層> [熱伝導性硬化性組成物の製造例1] 硬化性アクリル系樹脂の合成例1で得られた重合体A100重量部、可塑剤:UP−1020(アクリル系可塑剤、東亞合成製)100重量部、酸化防止剤:アデカスタブAO−60(アデカ製)1重量部、熱伝導性充填剤:AS−40(丸み状アルミナ、昭和電工製)1130重量部、脱水剤:A171(ビニルトリメトキシシラン、東レダウコーニングシリコーン製)1重量部、を手混ぜで充分撹拌混合した後に3本ペイントロールに3回通して各種硬化性組成物を得た。これらの硬化性組成物を真空脱泡装置にて脱泡処理した後、硬化触媒:ネオスタンU−220H(ジブチル錫ジアセチルアセトナート、日東化成製)2重量部と混合し、熱伝導性硬化性組成物Aを得た。硬化後の熱伝導率は2.1W/mK、硬化前の粘度は1140Pa・sであった。
<熱伝導性材料層> [熱伝導性硬化性組成物の製造例2] 硬化性アクリル系樹脂の合成例2で得られた重合体B100重量部、可塑剤:DIDP(フタル酸ジイソデシル、ジェイ・プラス製)100重量部、酸化防止剤:アデカスタブAO−60(アデカ製)1重量部、熱伝導性充填剤:BF083(水酸化アルミニウム、日本軽金属製)660重量部、脱水剤:A171(ビニルトリメトキシシラン、東レダウコーニングシリコーン製)1重量部、チクソ性付与剤:ディスパロン#6500(水添ひまし油、楠本化成製)1重量部、を手混ぜで充分撹拌混合した後に3本ペイントロールに3回通して各種硬化性組成物を得た。これらの硬化性組成物を真空脱泡装置にて脱泡処理した後、硬化触媒:ネオスタンU−220H(ジブチル錫ジアセチルアセトナート、日東化成製)2重量部と混合し、熱伝導性硬化性組成物Bを得た。硬化後の熱伝導率は1.7W/mK、硬化前の粘度は980Pa・sであった。
<熱伝導性材料層> [熱伝導性硬化性組成物の製造例3] 硬化性アクリル系樹脂の合成例2で得られた重合体B100重量部、可塑剤:DIDP(フタル酸ジイソデシル、ジェイ・プラス製)100重量部、酸化防止剤:アデカスタブAO−60(アデカ製)1重量部、熱伝導性充填剤:PTX−60(球状化窒化ホウ素、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)300重量部、脱水剤:A171(ビニルトリメトキシシラン、東レダウコーニングシリコーン製)1重量部、チクソ性付与剤:ディスパロン#6500(水添ひまし油、楠本化成製)1重量部、を手混ぜで充分撹拌混合した後に3本ペイントロールに3回通して各種硬化性組成物を得た。これらの硬化性組成物を真空脱泡装置にて脱泡処理した後、硬化触媒:ネオスタンU−220H(ジブチル錫ジアセチルアセトナート、日東化成製)2重量部と混合し、熱伝導性硬化性組成物Cを得た。硬化後の熱伝導率は4.5W/mK、硬化前の粘度は2500Pa・sであった。
<ホットディスク法による熱伝導材料層の熱伝導率測定> ホットディスク法熱伝導率測定装置TPA−501(京都電子工業(株)製)を用い、4φサイズのセンサーを厚み3mm、直径20mmの円盤状サンプル2枚で挟む方法にて、熱伝導材料層の熱伝導率を測定した。熱伝導性材料層として硬化性組成物を用いた場合には、硬化後50℃にて1日、23℃50%湿度にて1日静置し、硬化が十分進行してから熱伝導率を測定した。
<グラファイトフィルム> [グラファイトフィルムA] [ポリイミドフィルムAの作製] 4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ビロメリット酸二無水物の1当量を溶解してポリアミド酸溶液(18.5質量%)を得た。
この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次にこの混合溶液を乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布した。アルミ箔上の混合溶液層を、熱風オーブンおよび遠赤外線ヒーターを用いて乾燥した。
以下にできあがり厚さが75μmの場合におけるフィルム作製をする場合の乾燥条件を示す。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブンで120℃において240秒乾燥して、自己支持性を有するゲルフィルムにした。このゲルフィルムをアルミ箔から引き剥がし、フレームに固定し、熱風オーブンにて120℃で30秒、275℃で40秒、400℃で43秒、450℃で50秒、さらに遠赤外線ヒーターにて460℃で23秒、段階的に加熱して乾燥した。以上のようにして、厚さ75μmのポリイミドフィルムA(弾性率3.1GPa、吸水率2.5%、複屈折0.10、線膨張係数3.0×10-5-1)を製造した。
[炭素化フィルムAの作製] 厚さ75μmのポリイミドフィルムAを黒鉛板に挟み、電気炉を用いて窒素雰囲気下で、1000℃まで昇温した後、1000℃で1時間熱処理して炭素化処理(炭化処)を行ない、炭素化フィルムAを得た。
[グラファイトフィルムAの作製] 炭素化フィルムA(縦200mm×横200mm;面積400cm2)を、縦270mm×横270mm×厚さ3mmの板状の平滑なグラファイト板で上下から挟み、300mm×横300mm×厚さ60mmの黒鉛容器(容器A)内に保持し、容器Aの温度が3000℃になるまで加熱し、炭素化フィルムAをグラファイト化してグラファイトフィルムを作製した。この熱処理後のグラファイトフィルムを、単板プレスで厚さ方向に圧縮して、グラファイトフィルムAを得た。面方向熱拡散率は9.0cm2/s、面方向熱伝導率は1150W/mK、厚さ方向熱伝導率は5.0W/mK、厚さは40μmであった。
[グラファイトフィルムB] グラファイトフィルムBは、ジェルテック(株)製のグラファイトフィルム「λ300μm品」である。面方向熱拡散率は3.0cm2/s、面方向熱伝導率は210W/mK、厚さ方向熱伝導率は50W/mK、厚さは300μmであった。
<グラファイトフィルムの熱伝導率測定> 上記グラファイトフィルムA、Bの熱伝導率は、次の式(1)
λ=α×d×Cp (1)
から算出した。ここで、式(1)において、λは熱伝導率を、αは熱拡散率を、dは密度を、Cpは比熱容量をそれぞれ表わす。なお、グラファイトフィルムの熱拡散率、密度、比熱容量は以下に示す方法で求めた。
<光交流法によるグラファイトフィルムの面方向の熱拡散率測定> グラファイト化の進行状況を、フィルムの面方向の熱拡散率を測定することによって判定した。熱拡散率が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社製LaserPit)を用いて、グラファイトフィルムを4mm×40mmのサンプル形状に切り取り、20℃の雰囲気下、10Hzにおいて測定した。
<レーザーフラッシュ法によるグラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率および熱伝導率測定> レーザーフラッシュ法によるグラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率および熱伝導率測定には、JIS R1611−1997に準拠した京都電子工業(株)製のLFA−502を用いた。グラファイトフィルムを直径10mmにカットし、このフィルムの両面をグラファイト化(黒鉛化)処理した後、室温でレーザーフラッシュ法による厚さ方向の熱拡散率測定を行なった。また、グラファイトフィルムの熱容量を熱容量が既知である参照標準物質Moとの比較から算出した。これら測定したグラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率、密度、熱容量から厚さ向の熱伝導率を算出した。
<グラファイトフィルムの密度測定> グラファイトフィルムの密度は、グラファイトフィルムの質量(g)をグラファイトフィルムの縦、横、厚さの積で算出した体積(cm3)で除することにより算出した。なお、グラファイトフィルムの厚さは、任意の10点で測定した平均値を使用した。密度が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。
<グラファイトフィルムの厚さ測定> グラファイトフィルムの厚さの測定方法としては、50mm×50mmのフィルムを厚さゲージ(ハイデンハイン(株)社製HEIDENHAIN−CERTO)を用いて室温(25℃)の恒温室にて、任意の10点を測定し、平均して測定値とした。
<グラファイトフィルムの比熱測定> グラファイトフィルムの比熱測定は、エスアイアイナノテクノロジー株式会社製の熱分析システム、示差走査熱量計DSC220CUを使用して、20℃から260℃まで10℃/minの昇温条件で測定を実施した。
(実施例1) 図1を参照して、幅5mm×5mm×厚さ1mmのシリコン製の出力1.5Wの発熱体11a、及び幅5mm×5mm×厚さ1.2mmのシリコン製の出力1.0Wの発熱体11b、幅30mm×20mm×厚さ0.8mmのエポキシ樹脂製で容器状の形状をした基板12に固定される。発熱体11に対向して距離Daが1.00mm、距離Dbが0.80mm、の間隔を有する位置に支持されるように、厚さ1.2mm、幅35mm×25mm×高さ10mm、のアルミニウムA6061製で熱伝導率180W/mKの放熱体13が取り付けられている。発熱体11a及び11bをいずれも完全に覆い、基板12及び放熱体13に接する状態で、熱伝導性硬化性組成物Aを、空気層を含まないよう注意しながら充填塗布して硬化させる方法により、熱伝導性材料層14を設けた。このような放熱構造体について、発熱開始から600秒経過後(定温状態となったとき)の発熱体の中心部の温度TH(℃)および放熱体のうち発熱体に最も近い部分(この部分は発熱体中心部の真上に位置する)の温度TC(℃)を測定することにより、放熱特性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは92.2℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは82.5℃、発熱体11bの中心部温度THbは86.1℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは81.9℃であった。
(実施例2) 基板12を図2の形状に変更した以外は実施例1と同様の構成にて、放熱構造体の放熱性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは104.8℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは84.9℃、発熱体11bの中心部温度THbは95.9℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは84.2℃であった。
(実施例3) 図3を参照して、幅5mm×5mm×厚さ1mmのシリコン製の出力1.5Wの発熱体11a、及び幅5mm×5mm×厚さ1.2mmのシリコン製の出力1.0Wの発熱体11b、幅30mm×20mm×厚さ0.8mmのエポキシ樹脂製で板形状の基板12に固定される。発熱体11に対向して距離Daが1.00mm、距離Dbが0.80mm、の間隔を有する位置に支持されるように、幅100mm×50mm×厚さ1.0mmのSUS405製で熱伝導率27W/mKの放熱体13が、基板12全体を包むように取り付けられている。発熱体11a及び11bをいずれも完全に覆い、基板12及び放熱体13に接する状態で、熱伝導性硬化性組成物Aを空気層を含まないよう注意しながら充填塗布して硬化させる方法により、熱伝導性材料層14を設けた。このような放熱構造体について、発熱開始から600秒経過後(定温状態となったとき)の発熱体の中心部の温度TH(℃)および放熱体のうち発熱体に最も近い部分(この部分は発熱体中心部の真上に位置する)の温度TC(℃)を測定することにより、放熱特性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは82.4℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは70.3℃、発熱体11bの中心部温度THbは73.6℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは67.0℃であった。
(実施例4) 図4を参照して、幅5mm×5mm×厚さ1mmのシリコン製の出力1.5Wの発熱体11a、及び幅5mm×5mm×厚さ1.2mmのシリコン製の出力1.0Wの発熱体11b、幅30mm×20mm×厚さ0.8mmのエポキシ樹脂製で板形状の基板12に固定される。発熱体11に対向して距離Daが1.10mm、距離Dbが0.90mm、の間隔を有する位置に支持されるように、幅100mm×50mm×厚さ1.0mmのSUS405製で熱伝導率27W/mKの放熱体13が、基板12全体を包むように取り付けられている。放熱体の発熱体に対向する面には、グラファイトフィルムAよりなるグラファイト層16と厚み30μmのアクリル系粘着剤よりなる接着層17と厚み30μmのPETフィルムよりなる保護フィルム18とからなる、幅60mm×40mm×厚み100μmの熱拡散フィルム15が貼り付けられている。発熱体11a及び11bをいずれも完全に覆い、基板12及び熱拡散フィルム15に接する状態で、熱伝導性硬化性組成物Aを空気層を含まないよう注意しながら充填塗布して硬化させる方法により、熱伝導性材料層14を設けた。このような放熱構造体について、発熱開始から600秒経過後(定温状態となったとき)の発熱体の中心部の温度TH(℃)および放熱体のうち発熱体に最も近い部分(この部分は発熱体中心部の真上に位置する)の温度TC(℃)を測定することにより、放熱特性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは77.8℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは60.9℃、発熱体11bの中心部温度THbは69.7℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは59.8℃であった。
(実施例5) 熱伝導性材料層15として熱伝導性硬化性組成物Bを塗布後硬化させたこと以外は、実施例1と同様の構成を有する放熱構造体の放熱性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは94.3℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは82.7℃、発熱体11bの中心部温度THbは87.0℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは82.0℃であった。
(実施例6) 熱伝導性材料層15として熱伝導性硬化性組成物Cを塗布後硬化させたこと以外は、実施例1と同様の構成を有する放熱構造体の放熱性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは87.2℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは82.7℃、発熱体11bの中心部温度THbは84.0℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは82.0℃であった。
(実施例7) 放熱体の発熱体に対向する面に、グラファイトフィルムBよりなるグラファイト層16と厚み30μmのアクリル系粘着剤よりなる接着層17と厚み30μmのPETフィルムよりなる保護フィルム18とからなる、幅60mm×40mm×厚み360μmの熱拡散フィルム15を貼り付けたこと以外は、実施例5と同様の構成を有する放熱構造体の放熱性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは76.9℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは60.0℃、発熱体11bの中心部温度THbは68.9℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは59.0℃であった。
(比較例1) 図5を参照して、幅5mm×5mm×厚さ1mmのシリコン製の出力1.5Wの発熱体11a、及び幅5mm×5mm×厚さ1.2mmのシリコン製の出力1.0Wの発熱体11b、幅30mm×20mm×厚さ0.8mmのエポキシ樹脂製で容器状の形状をした基板12に固定される。発熱体11に対向して距離Daが1.00mm、距離Dbが0.80mm、の間隔を有する位置に支持されるように、厚さ1.2mm、幅35mm×25mm×高さ10mm、のアルミニウムA6061製で熱伝導率180W/mKの放熱体13が取り付けられている。発熱体11a及び11bと放熱体13にのみ接する状態で、熱伝導性硬化性組成物Aを、空気層を含まないよう注意しながら充填塗布して硬化させる方法により、熱伝導性材料層14a及び14bを設けた。このような放熱構造体について、発熱開始から600秒経過後(定温状態となったとき)の発熱体の中心部の温度TH(℃)および放熱体のうち発熱体に最も近い部分(この部分は発熱体中心部の真上に位置する)の温度TC(℃)を測定することにより、放熱特性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは96.8℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは83.3℃、発熱体11bの中心部温度THbは88.0℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは82.5℃であった。
(比較例2) 図6を参照して、幅5mm×5mm×厚さ1mmのシリコン製の出力1.5Wの発熱体11a、及び幅5mm×5mm×厚さ1.2mmのシリコン製の出力1.0Wの発熱体11b、幅30mm×20mm×厚さ0.8mmのエポキシ樹脂製で板形状の基板12に固定される。発熱体11に対向して距離Daが1.00mm、距離Dbが0.80mm、の間隔を有する位置に支持されるように、厚さ1.2mm、幅35mm×25mm×高さ10mm、のアルミニウムA6061製で熱伝導率180W/mK放熱体13が取り付けられている。発熱体11a及び11bと放熱体13にのみ接する状態で、熱伝導性硬化性組成物Aを空気層を含まないよう注意しながら充填塗布して硬化させる方法により、熱伝導性材料層14a及び14bを設けた。このような放熱構造体について、発熱開始から600秒経過後(定温状態となったとき)の発熱体の中心部の温度TH(℃)および放熱体のうち発熱体に最も近い部分(この部分は発熱体中心部の真上に位置する)の温度TC(℃)を測定することにより、放熱特性を評価した。発熱体11aの中心部温度THaは125.5℃、放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度TCaは86.8℃、発熱体11bの中心部温度THbは108.0℃、放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度TCbは85.9℃であった。
Figure 0005390202
比較例1、比較例2では、熱伝導性材料層が発熱体を十分覆っておらず熱伝導性材料層が基板と接していないため、発熱体温度及び支持体外面中央部温度が高くなっている。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
11a:発熱体a、SHa:発熱体aの面積、TCa:放熱体のうち発熱体11aに最も近い部分の外側温度、THa:発熱体a中心部温度、11b:発熱体b、SHb:発熱体bの面積、TCb:放熱体のうち発熱体11bに最も近い部分の外側温度、THb:発熱体b中心部温度、12:基板、SS:基板の面積、13:放熱体、14:熱伝導性材料層、SG:熱伝導性材料層の面積、15:熱拡散フィルム、16:グラファイトフィルム、17:接着層、18:保護フィルム

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板上に固定された少なくとも2つ以上の発熱体と、前記発熱体に対向した位置にある放熱体と、前記発熱体、前記基板および前記放熱体に接する熱伝導性材料層とを備え、前記熱伝導性材料層は前記少なくとも2つ以上の発熱体の表面を被覆しており、前記熱伝導性材料層が、硬化性ビニル系重合体(I)と、熱伝導性充填材(II)とを少なくとも含有し、熱伝導性充填剤の使用量が全組成物中の40容量%以上である熱伝導性硬化性組成物を、前記発熱体と前記基板と前記放熱体のいずれにも接触するように塗布した後硬化させた、熱伝導率0.9W/mK以上の材料よりなる放熱構造体であって、
    前記少なくとも2つ以上の発熱体のそれぞれと前記放熱体とのなす距離の最小値と最大値の差が0.1mm以上であることを特徴とする放熱構造体
  2. 前記熱伝導性硬化性組成物が、架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(I)、熱伝導性充填材(II)、ビニル系重合体(I)の硬化触媒(III)、を少なくとも含有し、かつ室温における硬化前の粘度が50Pa・s以上であることを特徴とする、請求項1に記載の放熱構造体。
  3. 前記熱伝導性材料層と前記放熱体との間に、グラファイトフィルムを含む熱拡散フィルムを設け、熱伝導性材料層と放熱体とが熱拡散フィルムを介して接触していることを特徴とする、請求項1または2に記載の放熱構造体。
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