JP2011222494A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電容量が大きく、かつ、エネルギー密度の高い蓄電装置を得ることを課題とする。
【解決手段】オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表され、且つ導電率が、1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下である正極活物質正極に有する蓄電装置、または、正極集電体と、該正極活物質を正極集電体上に有する正極と、正極と電解質を介して対向する負極とを有する蓄電装置に関する。また、正極集電体と、当該正極活物質を当該正極集電体上に有する正極と、当該正極と電解質を介して対向する負極とを有し、放電容量が150mAh/g以上であり、且つエネルギー密度が500mWh/gより大きい蓄電装置に関する。
【選択図】図1

Description

開示される発明の一様態は、蓄電装置に関するものである。
パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯可能な電子機器の分野が著しく進歩している。携帯可能な電子機器において、小型軽量で信頼性を有している、高エネルギー密度で充電可能な蓄電装置が必要になっている。このような蓄電装置として、例えばリチウムイオン二次電池が知られている。また、環境問題やエネルギー問題の認識の高まりから二次電池を搭載した電気推進車両の開発も急速に進んでいる。
リチウムイオン二次電池の正極材料として、リチウムを安定して供給できる材料の開発が続けられている。
例えば、リチウム供給源として、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)などのオリビン型のリチウム、鉄(Fe)またはコバルト(Co)を含むリン酸化合物などが知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
特開平11−25983号公報
Byoungwoo Kang、Gerbrand Deder、Nature,Vol.458(12)、P.190−193(2009)
上述のオリビン型のリチウム、鉄(Fe)またはコバルト(Co)を含むリン酸化合物は、安定したリチウム供給源である。
特に、リン酸鉄リチウム(LiFePO)を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、充放電しても構造が安定であり、安全性が高い。さらに、リン酸鉄リチウム(LiFePO)を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、容量が大きいという利点がある。
しかし、このような安定したリチウム供給源であるリン酸鉄リチウム(LiFePO)を、正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、出力するエネルギーのエネルギー密度が小さいという欠点がある。
上記の課題に鑑み、開示される発明の一様態では、放電容量が大きく、かつ、エネルギー密度の高い蓄電装置を得ることを課題の一とする。
開示される発明の一態様は、オリビン型のリン酸鉄リチウムにおいて、鉄原子の一部を鉄よりも酸化還元電位が大きい金属原子に置き換えたものを正極活物質として用いることを特徴とする。
また、開示される発明の一様態は、上記正極活物質を有する蓄電装置である。
鉄よりも酸化還元電位が大きい金属原子として、代表的には、マンガン、コバルト、ニッケル等を用いる。
すなわち、本発明の一形態に係る正極活物質は、構造式LiFeMe1−xPOで表される化合物である。構造式LiFeMe1−xPOにおいて、xは0より大きく1より小さい、更には0.2以上0.8以下、更には0.3以上0.5以下とすることが好ましい。
オリビン型のリン酸鉄リチウムは、導電率が高いため、容量は大きい。しかしながらエネルギー密度が小さい。
しかしながら、リチウムと、鉄と、鉄よりも酸化還元電位が大きい金属Meを有するリン酸化合物を正極活物質として用いることで、リチウム二次電池の充放電において、鉄原子の酸化還元反応とともに金属Meの酸化還元反応が生じるため、放電電圧が高く、エネルギー密度が高くなると共に、放電容量を高くすることができる。
以上のことから、放電容量が大きく、かつ、エネルギー密度が高い正極活物質を得ることが可能である。さらにこのような正極活物質を得ることにより、放電容量が大きく、放電電圧が高く、かつエネルギー密度が高い蓄電装置を得ることができる。
より具体的には、このような正極活物質を得ることにより、放電容量が150mAh/g以上と大きく、放電電圧が高く、かつエネルギー密度が500mWh/gより高い蓄電装置を得ることができる。
開示される発明の一様態は、オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表され、且つ導電率が、1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下である正極活物質を正極に有することを特徴とする蓄電装置に関する。
開示される発明の一様態は、正極集電体と、オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表され、且つ導電率が1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下である正極活物質を当該正極集電体上に有する正極と、当該正極と電解質を介して対向する負極と、を有することを特徴とする蓄電装置に関する。
当該正極活物質は、放電容量が、150mAh/g以上であり、かつ、単位重量あたりのエネルギー密度が、550mWh/g以上である。
開示される発明の一態様は、正極集電体と、正極集電体上に形成される正極活物質とで構成される正極と、電解質を介して正極と対向する負極とを有する蓄電装置であって、オリビン型のリン酸鉄リチウムにおいて、鉄原子の一部を鉄よりも酸化還元電位が大きい金属原子に置き換えたものを正極活物質として用いることで、放電容量が150mAh/g以上であり、且つエネルギー密度が500mWh/gより大きいを特徴とする。
当該負極は、黒鉛、シリコン、アルミニウムのうち、いずれか1つ以上を含む。
当該電解質は、リチウムイオンを含む電解液である。
開示される発明の一形態により、容量が大きく、放電電圧が高く、エネルギー密度の大きな蓄電装置を得ることができる。
蓄電装置の断面図。 XRD回折の結果を示す図。 蓄電装置の充放電特性を説明する図。 蓄電装置の放電特性を説明する図。 リン酸鉄化合物の導電率を説明する図。 蓄電装置のエネルギー密度を説明する図。
本発明の実施の形態について、図面を参照して以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて本発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書にて用いる第1、第2、第3といった序数を用いた用語は、構成要素を識別するために便宜上付したものであり、その数を限定するものではない。
本実施の形態は、蓄電装置の正極活物質として、構造式LiFeMe1−xPO((MeはMn、Ni、Co)(xは0より大きく1より小さい))で示される、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物を用いる。なお、本明細書中では、該オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物は、説明のため、単に「リン酸鉄化合物」と呼ぶこともある。
該リン酸鉄化合物は、リチウム(Li)、鉄(Fe)、及びリン酸(PO)、並びに金属Meとして、鉄より酸化還元電位が大きい金属原子であるマンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)のいずれかの元素を含む。また、当該リン酸鉄化合物は、オリビン型のリン酸鉄リチウムの鉄原子の配位子の一部が金属Me原子である固溶体である。オリビン構造の構造式LiFeMe1−xPO(Meは、Mn、Ni、Co)において、xは0より大きく1より小さい、更には0.2以上0.8以下、更には0.3以上0.5以下が好ましい。構造式LiFeMe1−xPO(MeはMn、Ni、Co)において、鉄と共に、金属Meとして鉄より酸化還元電位が大きい金属原子であるマンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)のいずれかを含み、且つ金属Meに対する鉄の割合として上記構造式におけるxの値を、0より大きく1より小さい、更には0.2以上0.8以下、更には0.3以上0.5以下とすることで、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)のいずれかが触媒として作用し、リン酸鉄化合物の導電率が上昇すると共に、エネルギー密度が上昇する。この結果、当該リン酸鉄化合物を正極活物質層に用いたリチウムイオン二次電池において、放電容量を大きくすることができる(より具体的には、放電容量を150mAh/g以上)と共に、放電電圧を高くすることができる。更には、エネルギー密度は放電容量及び放電電圧の積であるため、エネルギー密度を高めることができる。より具体的には、エネルギー密度を500mWh/gより大きく、さらには550mWh/g以上にすることができる。
次に、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物の作製方法について、以下に説明する。
リチウムの原料として、炭酸リチウム(LiCO)、水酸化リチウム(Li(OH))、水酸化リチウム水和物(Li(OH)・HO)、硝酸リチウム(LiNO)等がある。鉄の原料として、シュウ酸鉄二水和物(Fe(COO)・2HO)、塩化鉄(FeCl)等がある。またリン酸の原料として、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、五酸化二リン(P)等がある。
また、マンガンの原料として、炭酸マンガン(MnCO)、塩化マンガン四水和物(MnCl・4HO)等がある。ニッケルの原料として、酸化ニッケル(NiO)、水酸化ニッケル(Ni(OH))等がある。コバルトの原料として、炭酸コバルト(CoCO)、塩化コバルト(CoCl)等がある。
ただし、リチウム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルトなどの各金属を含む原料であれば、上記の原料に限定されず、他の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、塩化物、硫酸塩などを用いてもよい。
またリン酸の原料としては、上記原料に限定されず、他のリン酸を含む原料を用いることができる。
所望のリン酸鉄化合物の構造式の化学量論比に合わせて、各原料において所望のモル比が得られる量を秤量する。上記構造式ではリチウム:鉄:Me:リン酸基=1:x:(1−x):1(ただし、xは0より大きく1より小さい、更には0.2以上0.8以下、更には0.3以上0.5以下とすることが好ましい)であり、このモル比に合わせて、各原料の重量を正確に秤量する。
秤量された各原料をボールミル粉砕器に入れ微細な粉体になるまで粉砕する(第1の粉砕工程)。その時には原料に他の金属が混入しないように配慮された材料(例えばメノウなど)からなるボールミル粉砕器を使用した方がよい。この時にアセトン、アルコールなどを一緒に微量を加えると、原料はまとまり易くなり、粉体として飛散することが抑制できる。
その後、粉体を第1の圧力での加圧工程を行い、ペレット状に成型する。これを焼成炉に入れ、加熱して第1の焼成工程を行う。原料における様々な脱ガス及び熱分解は、ほぼ当該工程で行われている。
第1の焼成工程を終えた際に、グルコースなどの有機化合物を添加してもよい。グルコースを添加して以後の工程を行うと、グルコースから供給された炭素が、リン酸鉄化合物粒子の表面に担持される。
なお本明細書中では、リン酸鉄化合物粒子の表面に炭素材料が担持されることを、リン酸鉄化合物粒子がカーボンコートされるとも言う。
担持される炭素(炭素層)の厚さは、0nmより大きく100nm以下、好ましくは5nm以上10nm以下が好ましい。
リン酸鉄化合物粒子の表面に炭素を担持させることで、リン酸鉄化合物粒子表面の導電率を上昇させることができる。また、リン酸鉄化合物粒子同士が、表面に担持された炭素を介して接すれば、リン酸鉄化合物粒子同士が導通し、正極活物質の導電率を高めることができる。
なお、本実施の形態では、グルコースはリン酸基と容易に反応するため、炭素の供給源としてグルコースを用いたが、グルコースの代わりに、リン酸基との反応性のよい環状単糖類、直鎖単糖類、または多糖類を用いてもよい。
その後、アセトンと共にペレットをボールミル粉砕器に入れ再度粉砕する(第2の粉砕工程)。次に、微細な粉体を再度ペレット状に成型し、焼成炉にて第2の焼成工程を行う。第2の焼成工程により、リチウム:鉄:Me:リン酸基=1:x:(1−x):1のリン酸鉄化合物粒子を複数作製することができる。
第2の焼成工程を経て得られたリン酸鉄化合物粒子の粒径は、10nm以上100nm以下、好ましくは、20nm以上60nm以下が好ましい。リン酸鉄化合物粒子の粒径が上記範囲であるとリン酸鉄化合物粒子が小さいため、リチウムイオンの脱離がしやすくなり、リチウムイオン二次電池のレート特性が向上し、短時間での充電が可能である。
得られたリン酸鉄化合物のペレットの導電率は、1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下が好ましい。
リチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物は、鉄を有するため、リチウム及び金属Meを含み、鉄を有さないリン酸化合物と比較して導電率が高い。また、リン酸鉄化合物の導電率が、1×10−9S/cm以上であると、リン酸鉄化合物内を電子が移動しやすい。当該電子の移動に伴って、リチウムイオンもリン酸鉄化合物の内部を移動しやすくなる。
リン酸鉄化合物の内部をリチウムイオンが移動しやすいと、正極活物質として機能するリン酸鉄化合物の内部に出入りするリチウムイオンの量が増大する。また、鉄とともに、金属Meの酸化還元反応が進行するため、リチウムイオン二次電池としての放電容量を増大させることができる。
またリン酸鉄リチウム(LiFePO)の導電率が、7×10−9S/cmであるので、本実施の形態で得られるリン酸鉄化合物の導電率は、その値に近いことが望ましい。
上述の作製工程によって得られたリン酸鉄化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池について、以下に説明する。リチウムイオン二次電池の概要を図1に示す。
図1に示すリチウムイオン二次電池は、正極102、負極107、及びセパレータ110を外部と隔絶する筐体120の中に設置し、筐体120中に電解液111が充填されている。また、正極102及び負極107との間にセパレータ110を有する。正極集電体100には第1の電極121が、負極集電体105には第2の電極122が接続されており、第1の電極121及び第2の電極122より、充電や放電が行われる。また、正極活物質層101及びセパレータ110の間、負極活物質層106及びセパレータ110との間、それぞれは一定間隔をおいて示しているが、これに限らず、正極活物質層101及びセパレータ110、負極活物質層106及びセパレータ110それぞれが接していても構わない。また、正極102及び負極107は間にセパレータ110を配置した状態でリチウムイオン二次電池を筒状に丸めても構わない。
正極集電体100上に正極活物質層101が形成されている。正極活物質層101には、本実施の形態で作製したリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物が含まれている。一方、負極集電体105の上には負極活物質層106が形成されている。本明細書では、正極活物質層101と、それが形成された正極集電体100を合わせて正極102と呼ぶ。また、負極活物質層106と、それが形成された負極集電体105を合わせて負極107と呼ぶ。
なお、活物質とは、キャリアであるイオンの挿入及び脱離に関わる物質を指し、グルコースを用いた炭素層などを含むものではない。よって、例えば、活物質の導電率を表す時には、活物質自身の導電率を指し、表面に形成された炭素層を含む活物質の導電率を意味するものではない。後に説明する塗布法により正極102を作製する時には、炭素層が形成された活物質と共に、導電助剤やバインダ、溶媒等の他の材料を混合したものを正極活物質層101として正極集電体100上に形成する。よって、活物質と正極活物質層101は区別される。
正極集電体100としては、アルミニウム、ステンレス等の導電性の高い材料を用いることができる。正極集電体100は、箔状、板状、網状等の形状を適宜用いることができる。
正極活物質としては、構造式LiFeMe1−xPO(MeはMn、Ni、Co)(xは0より大きく1より小さい、更には0.2以上0.8以下、更には0.3以上0.5以下とすることが好ましい)で表されるオリビン型のリン酸鉄化合物を用いる。
第2の焼成工程後、得られたリン酸鉄化合物を再度ボールミル粉砕器で粉砕して(第3の粉砕工程)、微粉体を得る。得られた微粉体に、導電助剤やバインダ、溶媒を加えてペースト状に調合する。
導電助剤は、その材料自身が電子導電体であり、電池装置内で他の物質と化学変化を起こさないものであればよい。例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、VGCF(商標登録)などの炭素系材料、銅、ニッケル、アルミニウムもしくは銀など金属材料またはこれらの混合物の粉末や繊維などがそれに該当する。導電助剤とは、活物質間の導電性を助ける物質であり、離れている活物質の間に充填され、活物質同士の導通をとる材料である。
バインダとしては、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムもしくはポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂またはゴム弾性を有するポリマーなどがある。
活物質、導電助剤、及びバインダは、それぞれ80〜96重量%、2〜10重量%、2〜10重量%の割合で、且つ全体で100重量%になるように混合する。更に、活物質、導電助剤、及びバインダの混合物と同体積程度の有機溶媒を混合し、スラリー状に加工する。なお、活物質、導電助剤、バインダ、及び有機溶媒をスラリー状に加工して得られたものを、スラリーと呼ぶ。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンや乳酸エステルなどがある。成膜した時の活物質および導電助剤の密着性が弱い時にはバインダを多くし、活物質の抵抗が高い時には導電助剤を多くするなどして、活物質、導電助剤、バインダの割合を適宜調整するとよい。
ここでは、正極集電体100としてアルミ箔を用い、その上にスラリーを滴下してキャスト法により薄く広げた後、ロールプレス機で更に延伸し、厚みを均等にした後、真空乾燥(10Pa以下)や加熱乾燥(150〜280℃)して、正極集電体100上に正極活物質層101を形成する。正極活物質層101の厚さは、20〜100μmの間で所望の厚さを選択する。クラックや剥離が生じないように、正極活物質層101の厚さを適宜調整することが好ましい。さらには、電池の形態にもよるが、平板状だけでなく、筒状に丸めた時に、正極活物質層101にクラックや剥離が生じないようにすることが好ましい。
負極集電体105としては、銅、ステンレス、鉄、ニッケル等の導電性の高い材料を用いることができる。
負極活物質層106としては、リチウム、アルミニウム、黒鉛、シリコン、ゲルマニウムなどが用いられる。負極集電体105上に、塗布法、スパッタ法、蒸着法などにより負極活物質層106を形成してもよいし、それぞれの材料を単体で負極活物質層106として用いてもよい。黒鉛と比較すると、ゲルマニウム、シリコン、リチウム、アルミニウムの理論リチウム吸蔵容量が大きい。吸蔵容量が大きいと小面積でも十分に充放電が可能であり、負極として機能するため、コストの節減及びリチウムイオン二次電池の小型化につながる。ただし、シリコンなどはリチウム吸蔵により体積が4倍程度まで増えるために、材料自身が脆くなる事や爆発する危険性などにも十分に気をつける必要がある。
電解質は、液体の電解質である電解液や、固体の電解質である固体電解質を用いればよい。電解液は、キャリアイオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを含み、このキャリアイオンが電気伝導を担っている。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、若しくはカリウムイオンがある。アルカリ土類金属イオンとしては、例えばベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、若しくはバリウムイオンがある。
電解液111は、例えば溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩またはナトリウム塩とから構成されている。リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、硼弗化リチウム(LiBF)、LiAsF、LiPF、Li(CSON等がある。ナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化ナトリウム(NaF)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、硼弗化ナトリウム(NaBF)等がある。
電解液111の溶媒として、環状カーボネート類(例えば、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびビニレンカーボネート(VC)など)、非環状カーボネート類(ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソブチルカーボネート(MIBC)、およびジプロピルカーボネート(DPC)など)、脂肪族カルボン酸エステル類(ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなど)、非環状エーテル類(γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、およびエトキシメトキシエタン(EME)等)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等)、環状スルホン(スルホランなど)、アルキルリン酸エステル(ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン等やリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびリン酸トリオクチルなど)やそのフッ化物があり、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
セパレータ110として、紙、不織布、ガラス繊維、あるいは、ナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ビナロンともいう)(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いればよい。ただし、上記した電解液111に溶解しない材料を選ぶ必要がある。
より具体的には、セパレータ110の材料として、例えば、フッ素系ポリマ−、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子およびこれらの誘導体、セルロース、紙、不織布から選ばれる一種を単独で、または二種以上を組み合せて用いることができる。
上記に示すリチウムイオン二次電池に充電をする時には、第1の電極121に正極端子、第2の電極122に負極端子を接続する。正極102からは電子が第1の電極121を介して奪われ、第2の電極122を通じて負極107に移動する。加えて、正極からはリチウムイオンが正極活物質層101中の活物質から溶出し、セパレータ110を通過して負極107に達し、負極活物質層106内の活物質に取り込まれる。当該領域でリチウムイオン及び電子が合体して、負極活物質層106に吸蔵される。同時に正極活物質層101では、活物質から電子が放出され、活物質に含まれる鉄及び金属Meの酸化反応が生じる。
放電する時には、負極107では、負極活物質層106がリチウムをイオンとして放出し、第2の電極122に電子が送り込まれる。リチウムイオンはセパレータ110を通過して、正極活物質層101に達し、正極活物質層101中の活物質に取り込まれる。その時には、負極107からの電子も正極102に到達し、鉄及び金属Meの還元反応が生じる。
以上のようにして作製したリチウムイオン二次電池は、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物を正極活物質として有している。このような活物質単位重量あたりの容量が、150mAh/g以上である。一方、後述するリン酸鉄リチウム(LiFePO)を正極活物質とする、リチウムイオン二次電池の活物質単位重量あたりの容量は、160mAh/gである。
そのため、本実施の形態で得られた、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物を正極活物質として有するリチウムイオン二次電池は、リン酸鉄リチウム(LiFePO)を正極活物質とするリチウムイオン二次電池と同等で、放電容量が大きい。
しかしながら、上述のようにリン酸鉄リチウム(LiFePO)を正極活物質とするリチウムイオン二次電池は、放電電圧及びエネルギー密度が低い。
一方、本実施の形態で得られた、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物を正極活物質として有する、リチウムイオン二次電池は、活物質の単位重量あたりのエネルギー密度が、500mWh/gより高く、550mWh/g以上であるので、エネルギー密度が高いと言える。
本実施の形態で得られたリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物は、鉄原子の一部が鉄よりも酸化還元電位が大きい金属Me原子に置き換えられている。この金属Meの酸化還元反応により、該リン酸鉄化合物のエネルギー密度が高くなる。また、該リン酸鉄化合物を正極活物質として有するリチウムイオン二次電池の放電電圧及びエネルギー密度は高くなる。
以上から、オリビン型のリチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物において、鉄原子の一部を、鉄よりも酸化還元電位が大きい金属Me原子に置き換えることで、放電容量が大きく、かつ、エネルギー密度が高い正極活物質を得ることが可能である。さらにこのような正極活物質を得ることにより、放電容量が大きく(具体的には150mAh/g以上)、かつ、放電電圧が高く、かつ、エネルギー密度が高い(具体的には500mWh/gより大きい、さらに550mWh/g以上)蓄電装置を得ることができる。
本実施例では、オリビン型のリン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)(xは0より大きく、1より小さい)の作製工程と、作製したオリビン型のリン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)(xは0より大きく、1より小さい)の物性の評価結果について説明する。また、リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)を正極活物質として用いたときの、リチウムイオン二次電池の物性の評価結果について説明する。
はじめに、リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)の作製工程について、説明する。
リチウムの原料として炭酸リチウム(LiCO)を用い、鉄の原料としてシュウ酸鉄二水和物(Fe(COO)・2HO)を用い、マンガンの原料として炭酸マンガン(MnCO)を用い、リン酸の原料としてリン酸水素二アンモニウム((NHHPO)を用いた。
各原料に関して、リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)の構造式の化学量論比に合わせて、各材料から所望のモル比が得られる量を秤量した。上記構造式ではリチウム:鉄:マンガン:リン酸基=1:x:(1−x):1であり、このモル比に合わせて、各原料の重量を正確に秤量した。
リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)の作製工程は、実施の形態1を援用した。ただし、実施の形態1で述べた、第1の圧力は、1.96×10Pa〜4.90×10Pa(200kgf/cm〜500kgf/cm)、好ましくは3.82×10Pa(400kgf/cm)である。
また、実施の形態1で述べた、第1の焼成工程は、窒素雰囲気にて炉内350℃で10時間の加熱処理を行った。
また、実施の形態1で述べた、第2の焼成工程は、窒素雰囲気にて炉内温度600℃で10時間の加熱処理を行った。
得られたリン酸鉄マンガンリチウムのうち、xが0.5であるもの、すなわち構造式LiFe0.5Mn0.5POで表されるリン酸鉄マンガンリチウムに関して、X線回折法を用いて結晶構造を調べた結果を図2に示す。図2から、得られたリン酸鉄マンガンリチウム(LiFe0.5Mn0.5PO)は、空間群pnma(62)のオリビン構造であることがわかる。
また、xの値を変化させた(x=0、0.1、0.3、0.5、1)オリビン型のリン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)を、実施の形態1で述べたようにペレット状に成型し、得られたペレットの導電率を図5に示す。ただし図5では、炭素層を担持させず(カーボンコートを行わず)、第2の焼成工程までを行った得られたリン酸鉄マンガンリチウムの導電率を示している。
実施の形態1で、リン酸鉄化合物の導電率が1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下が好ましいことを述べた。図5より、本実施例で作製されたリン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)は、xが0より大きく1より小さい範囲で、導電率が1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下であり好適である。
リチウム及び金属Meを含むリン酸鉄化合物は鉄を有するため、x=1のリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)と比較して導電率が高く、リン酸鉄化合物内を電子が移動しやすい。当該電子の移動に伴って、リチウムイオンもリン酸鉄化合物の内部を移動しやすくなる。
リン酸鉄化合物の内部をリチウムイオンが移動しやすいと、正極活物質として機能するリン酸鉄化合物の内部に出入りするリチウムイオンの量が増大する。また、鉄とともに、金属Meの酸化還元反応が進行するため、リチウムイオン二次電池としての放電容量を増大させることができる。
次に、アルミニウムを正極集電体100に用い、正極集電体100上にリン酸鉄マンガンリチウム(LiFe0.5Mn0.5PO)を含む正極活物質層101を形成する。正極活物質層101には、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた。負極107にはリチウム金属を用いた。
上述のようにして得られたリン酸鉄マンガンリチウム(LiFe0.5Mn0.5PO)を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の電池特性を図3に示す。
図3から、充電時の電圧として3.5V(第1の平坦部)、4.2V(第2の平坦部)が示される。リチウムイオンがリチウム金属に変化する時の標準電極電位は−3.05V、3価の鉄が2価の鉄に変化する時の標準電極電位は、+0.77V、3価のマンガンが2価のマンガンに変化する時の標準電極電位は、+1.51Vであることが知られている。
これらから電位差を求めると、それぞれリチウム−鉄間の電圧は3.8V、リチウム−マンガン間の電圧は4.5Vであると算出できる。従って、図3の充電カーブによる3.5Vの電圧は、リン酸鉄リチウムのリチウム放出機構によるものであり、4.2Vの電圧は、リン酸マンガンリチウムのリチウム放出機構によるものである。
一方、図3において、放電時の電圧として、3.9V(第3の平坦部)、及び3.4V(第4の平坦部)が得られる。
また、図3において電圧が3.9Vから3.4Vに変化している点は放電容量70〜80mAh/gであり、最大放電容量全体の半ばである事から、活物質中の鉄とマンガンの比率に依存している事がわかる。
また、図3から、単位活物質重量あたりの放電容量は158mAh/gであることが示される。これは、オリビン型リン酸鉄リチウムの理論容量160〜170mAh/gに匹敵するものである。オリビン型リン酸鉄リチウムの理論容量とは、オリビン型リン酸鉄リチウムの結晶格子を基にして、計算により得られた容量のことである。
図3から、本実施例により作製されたオリビン型リン酸鉄マンガンリチウムを正極活物質として用いるリチウムイオン二次電池は、放電容量が大きいことが示される。
図4に、オリビン型リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)において、xの値を変化させた(x=0、0.1、0.3、0.5、1)リチウムイオン二次電池の放電曲線を示す。横軸に放電容量を示し、縦軸に放電電圧を示す。xが0(LiMnPO)の放電曲線を曲線201で示し、xが0.1(LiFe0.1Mn0.9PO)の放電曲線を曲線203で示し、xが0.3(LiFe0.3Mn0.7PO)の放電曲線を曲線205で示し、xが0.5(LiFe0.5Mn0.5PO)の放電曲線を曲線207で示し、xが1(LiFePO)の放電曲線を曲線209で示す。
図4において、xが0のとき、すなわちリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)の場合は、放電容量は小さいが、出力電圧は高い。一方、xが1のとき、すなわちリン酸鉄リチウム(LiFePO)の場合は、放電容量が大きいが、出力電圧は低い。
xが0と1の間の場合、特にxが0.3(LiFe0.3Mn0.7PO)及びxが0.5(LiFe0.5Mn0.5PO)の時、放電容量はリン酸鉄リチウムのみの場合とほぼ同じ値を示す。これは、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)と比較して、リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)はリン酸鉄リチウム(LiFePO)と同様に、鉄を有するため導電率が高いので、電子の移動がしやすくなる。このため、鉄の酸化反応及びマンガンの酸化反応、並びにリチウムイオンの還元反応が促進され、リチウムイオンの移動が容易となる。
また、オリビン型リン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)において、マンガン原子は、リン酸鉄リチウムの鉄原子の一部と置換されている。そのため、リチウムイオンが移動しやすいと、マンガン原子で構成されている部分にもリチウムイオンが移動できる。この結果、リン酸鉄マンガンリチウム全体に挿入されるリチウムイオンの量が増大する。このため放電容量を増大させることができる。
また、本実施例で得られたリン酸鉄マンガンリチウムは、リン酸鉄リチウムの鉄原子の一部が、鉄よりも酸化還元電位が大きいマンガン原子に置換されている。このマンガン原子が還元反応することにより、リン酸鉄リチウム(LiFePO)と比較して、該リン酸鉄マンガンリチウムの放電電圧を高めることが可能であり、エネルギー密度が高くなる。
以上から、オリビン型のリン酸鉄マンガンリチウム(LiFeMn1−xPO)を活物質として用いることで、放電容量が大きく、かつエネルギー密度が高い正極活物質を得ることが可能である。さらにこのような正極活物質を得ることにより、放電容量が大きく、かつ、放電電圧及びエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
次に、図6に、構造式LiFeMn1−xPOにおいて、xが0(LiMnPO)、xが0.5(LiFe0.5Mn0.5PO)、xが1(LiFePO)のときのエネルギー密度を示す。図6に示すエネルギー密度は、図4の横軸の容量を縦軸の電圧で積分する事によって求められる。なお、図6において、xが0(LiMnPO)のエネルギー密度を曲線211で示し、xが0.5(LiFe0.5Mn0.5PO)のエネルギー密度を曲線213で示し、xが1(LiFePO)のエネルギー密度を曲線215で示す。
図6に示すように、xが0.5のリン酸鉄マンガンリチウム(LiFe0.5Mn0.5PO)を正極活物質として用いると、エネルギー密度は550mW/gを超え、570mW/gに達する。このような高いエネルギー密度は、酸化還元電位の高いマンガン原子が含まれているためである。
以上から、オリビン型のリン酸鉄マンガンリチウムを用いることで、放電容量が大きく、かつ、エネルギー密度が高い正極活物質を得ることが可能である。さらにこのような正極活物質を得ることにより、放電容量が大きく(具体的には150mAh/g以上)、かつ、放電電圧が高く、かつエネルギー密度が高い(具体的には500mWh/gより大きい、さらに550mWh/g以上)リチウムイオン二次電池を得ることができる。
100 正極集電体
101 正極活物質層
102 正極
105 負極集電体
106 負極活物質層
107 負極
110 セパレータ
111 電解液
120 筐体
121 電極
122 電極
201 曲線
203 曲線
205 曲線
207 曲線
209 曲線
211 曲線
213 曲線
215 曲線

Claims (9)

  1. オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表され、且つ導電率が、1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下である正極活物質を正極に有することを特徴とする蓄電装置。
  2. 正極集電体と、
    オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表され、且つ導電率が1×10−9S/cm以上6×10−9S/cm以下である正極活物質を前記正極集電体上に有する正極と、
    前記正極と電解質を介して対向する負極と、
    を有することを特徴とする蓄電装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記正極活物質は、放電容量が、150mAh/g以上であり、かつ、エネルギー密度が、550mWh/g以上であることを特徴する蓄電装置。
  4. 正極集電体と、
    オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表される正極活物質を前記正極集電体上に有する正極と、
    前記正極と電解質を介して対向する負極と、
    を有し、
    放電容量が150mAh/g以上であり、且つエネルギー密度が500mWh/gより大きいことを特徴とする蓄電装置。
  5. 正極集電体と、
    オリビン構造であって、構造式LiFeMe1−xPO(Me=Mn,Ni,Co)(xは0より大きく1より小さい)で表される正極活物質を前記正極集電体上に有する正極と、
    前記正極と電解質を介して対向する負極と、
    を有し、
    放電容量が150mAh/g以上であり、且つエネルギー密度が550mWh/g以上であることを特徴とする蓄電装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記正極活物質は複数の粒子で形成され、前記粒子の粒径は、10nm以上100nm以下であることを特徴とする蓄電装置。
  7. 請求項6において、
    前記粒子は炭素層で覆われ、前記炭素層の厚さは0より大きく100nm以下であることを特徴とする蓄電装置。
  8. 請求項2乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記負極は、黒鉛、シリコン、アルミニウムのうち、いずれか1つ以上を含むことを特徴とする蓄電装置。
  9. 請求項2乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記電解質は、リチウムイオンを含む電解液であることを特徴とする蓄電装置。
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