JP2011219737A - ジエポキシ化合物、該化合物を含む組成物及び該組成物を硬化して得られる硬化物 - Google Patents

ジエポキシ化合物、該化合物を含む組成物及び該組成物を硬化して得られる硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な硬化物及び該硬化物を与え得るジエポキシ化合物が求められている。
【解決手段】式(1)
Figure 2011219737

(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で表わされるジエポキシ化合物、
前記式(1)で表わされるジエポキシ化合物及び硬化剤を含むことを特徴とする組成物、並びに、前記組成物を硬化して得られる硬化物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジエポキシ化合物、該化合物を含む組成物及び該組成物を硬化して得られる硬化物等に関する。
ジエポキシ化合物を硬化させて得られる硬化物は、良好な耐熱性及び耐湿性に加えて、機械的及び電気的に優れた特性を示すことから工業的に広く利用されている。例えば、式(A)
Figure 2011219737
で表わされるジエポキシ化合物及び該化合物を硬化して得られる硬化物が記載されている。
Macromol.Chem.Phys.1998,199,853.
このような状況下、新規な硬化物及び該硬化物を与え得るジエポキシ化合物が求められている。
かかる課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
<1> 式(1)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で表わされるジエポキシ化合物。
<2> 無機塩基の存在下、式(2)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で表わされるジヒドロキシ化合物と式(3)
Figure 2011219737
(式中、Xはハロゲン原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリンとを反応させる工程を含むことを特徴とする式(1)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされるジエポキシ化合物の製造方法。
<3> 前記工程が、無機塩基及び4級アンモニウム塩の存在下、前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物と前記式(3)で表わされるエピハロヒドリンとをで反応させる工程であることを特徴とする<2>記載の製造方法。
<4> 前記工程が、無機塩基、4級アンモニウム塩及び脂肪族アルコールの存在下、前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物と前記式(3)で表わされるエピハロヒドリンとをで反応させる工程であることを特徴とする<2>又は<3>記載の製造方法。
<5> 脂肪族アルコールが、脂肪族2級アルコール及び脂肪族3級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<4>記載の製造方法。
<6> 前記工程が、下記工程A及び工程Bを含むことを特徴とする<3>〜<5>のいずれか記載のジエポキシ化合物の製造方法。
工程A:前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物、前記式(3)で表わされるエピハロヒドリン、及び4級アンモニウム塩を混合する工程。
工程B:工程Aで得られた混合物に無機塩基を混合する工程。
<7> 前記無機塩基が、アルカリ金属水酸化物であることを特徴とする<2>〜<6>のいずれか記載のジエポキシ化合物の製造方法。
<8> 式(2’)
Figure 2011219737
(式中、R1’〜R6’はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。ただし、R1’〜R6’の少なくとも1つはアルキル基を表わす。)
で表わされるジヒドロキシ化合物。
<9> 式(1)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で表わされるジエポキシ化合物及び硬化剤を含むことを特徴とする組成物。
<10> 硬化剤が、アミン硬化剤、フェノール硬化剤及び酸無水物硬化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤であることを特徴とする<9>記載の組成物。
<11> 硬化剤が、アミン硬化剤であることを特徴とする<9>又は<10>記載の組成物。
<12> アミン硬化剤が、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン及びp−フェニレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン硬化剤であることを特徴とする<11>記載の組成物。
<13> さらに、アルミナを含むことを特徴とする<9>〜<12>のいずれか記載の組成物。
<14> 前記式(1)で表されるジエポキシ化合物と硬化剤とアルミナとの合計100重量部に対して、アルミナを75重量部〜95重量部含むことを特徴とする<13>記載の組成物。
<15> アルミナが、2μm以上100μm以下のD50(累積体積50%の粒子径)を有するアルミナAと、1μm以上10μm以下のD50を有するアルミナBと、及び、0.01μm以上5μm以下のD50を有するアルミナCとの混合物であり、かつ、アルミナAとアルミナBとアルミナCの合計100体積%に占める各アルミナの割合が、アルミナAが50〜90体積%、アルミナBが5〜40体積%、及び、アルミナCが1〜30体積%の混合物であることを特徴とする<13>又は<14>記載の組成物。
<16> <9>〜<15>のいずれか記載の組成物を硬化して得られる硬化物。
<17> <13>〜<15>のいずれか記載の組成物を硬化して得られる硬化物であって、該硬化物に含まれるアルミナの含有割合が、該硬化物100体積%に対し、50〜80体積%であることを特徴とする硬化物。
<18> <9>〜<15>のいずれか記載の組成物を基材に塗布もしくは含浸した後、半硬化して得られるプリプレグ。
本発明によれば、新規な硬化物及び該硬化物を与え得るジエポキシ化合物が提供可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、式(1)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で表わされるジエポキシ化合物である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等を挙げることができる。
好ましいR〜Rとしては、例えば、水素原子、メチル基等が挙げられる。
ジエポキシ化合物(1)としては、例えば、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−エチルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−エチルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−イソプロピルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンゾエート、4−(3−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3−プロピル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3’−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3’−エチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−エチルベンゾエート、4−(3−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−イソプロピルベンゾエート、4−(3’−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエート、4−(3’−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−エチルベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエート、4−(3−メチル−3’−エチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3−エチル−3’−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−プロピルベンゾエート等が挙げられる。
好ましくは、例えば、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルベンゾエート、4−(4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエート、
4−(3’−メチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−(2,3−エポキシプロポキシ)−1,1’−ビフェニル)=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート等が挙げられる。
本発明のジエポキシ化合物(1)は、融点が110〜170℃程度と前記式(A)で表される化合物(融点183℃)と比較して融点が低く、硬化剤と低温で溶融混合し、硬化させることができ、低い温度で加工することができる。
ジエポキシ化合物(1)の製造方法としては、例えば、無機塩基の存在下、式(2)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされるジヒドロキシ化合物(以下、ジヒドロキシ化合物(2)と記すことがある)と式(3)
Figure 2011219737
(式中、Xはハロゲン原子を表わす。)
で表わされるエピハロヒドリン(以下、エピハロヒドリン(3)と記すことがある)とを反応させる工程を含む方法(以下、グリシジルエーテル化工程と記すことがある)を挙げることができる。
前記とは異なるジエポキシ化合物(1)の製造方法としては、例えば、塩基の存在下、ジヒドロキシ化合物(2)と式(4)
Figure 2011219737
(式中、XはXと同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(4)と記すことがある。)とを反応させて、下記式
Figure 2011219737
(式中、R〜Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされるジアリル化物(以下、ジアリル化物(5)と記すことがある。)を得、次いで、ジアリル化物(5)を酸化剤で酸化する工程を含む方法(以下、アリル化工程と記すことがある)等を挙げることができる。
グリシジルエーテル化工程及びアリル化工程のいずれにも用いられるジヒドロキシ化合物(2)としては、例えば、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−メチルベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−エチルベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3−エチルベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−イソプロピルベンゾエート、4−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンゾエート、4−(3−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3−プロピル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−メチルベンゾエート、4−(3−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、4−(3’−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3’−エチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3’−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、4−(3’−エチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−イソプロピルベンゾエート、4−(3−エチル−3’−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3−エチル−3’−メチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−2−エチルベンゾエート、4−(3,3’−ジメチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル)=4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンゾエート等が挙げられる。
まず、グリシジルエーテル化工程について説明する。
エピハロヒドリン(3)におけるXは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表わし、塩素原子が好ましい。エピハロヒドリン(3)としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等を挙げることができる。グリシジルエーテル化工程において、異なる複数種のエピハロヒドリン(3)を併用してもよい。好ましいエピハロヒドリン(3)としては、例えば、エピクロロヒドリンが挙げられる。
エピハロヒドリン(3)の使用量は、ジヒドロキシ化合物(2)1モルに対して、例えば、2〜200モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、例えば、5〜150モルの範囲等が挙げられる。
本発明における4級アンモニウム塩(以下、単に「アンモニウム塩」と記すことがある)とは、分子内の窒素原子に4つの炭化水素基が結合したカチオンを含む塩であり、4級アンモニウム塩に含まれるアニオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン等を挙げることができる。アンモニウム塩としては、例えば、4級アンモニウムハライド等を挙げることができる。具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド等が挙げられ、好ましくは、4級アンモニウムブロミド等が挙げられ、より好ましくは、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
アンモニウム塩として、複数種のアンモニウム塩を併用してもよい。
アンモニウム塩の使用量は、ジヒドロキシ化合物(2)1モルに対して、例えば、0.0001〜1モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、例えば、0.001〜0.5モルの範囲等が挙げられる。
アンモニウム塩の存在下にグリシジルエーテル化工程を行う場合、無機塩基としてはアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩が好ましい。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物などを挙げることができる。無機塩基として、複数種の無機塩基を併用してもよい。
好ましい無機塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物が挙げられ、より好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
無機塩基の使用量は、ジヒドロキシ化合物(2)1モルに対して、例えば、0.1〜20モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、0.5〜10モルの範囲等が挙げられる。
無機塩基は、例えば、粒状などの固体の形状を挙げることができる。無機塩基が、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属炭酸塩等の水に対して安定な無機塩基を用いる場合は、例えば、1〜60重量%程度の濃度に調製した水溶液の形状を挙げることができる。
グリシジルエーテル化工程は、さらに、脂肪族アルコールの存在下に反応させることが好ましい。脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、4−デカノール、2−ドデカノール、3−メチル-2−ブタノール、3,3−ジメチル-2−ブタノール、3−メチル-2−ペンタノール、5−メチル-2−ヘキサノール、4−メチル-3−ヘプタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール等が挙げられる。
二種以上の脂肪族アルコールを混合して用いてもよい。
好ましい脂肪族アルコールとしては、例えば、2−プロパノール、2−ブタノール等の炭素数3〜12の脂肪族2級アルコール、例えば、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール等の炭素数4〜12の脂肪族3級アルコールを挙げることができ、より好ましくは、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数4〜10の脂肪族3級アルコール等が挙げられる。
脂肪族アルコールを用いる場合の使用量としては、ジヒドロキシ化合物(2)1重量部に対して、例えば、0.01〜100重量部の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、0.1〜50重量部の範囲等が挙げられる。
グリシジルエーテル化工程は無溶媒で行ってもよいし、溶媒の存在下で行ってもよい。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等を挙げることができ、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
溶媒として、複数種の溶媒を併用してもよい。
溶媒を用いる場合の使用量としては、ジヒドロキシ化合物(2)1重量部に対して、例えば、0.01〜100重量部の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、0.1〜50重量部の範囲等が挙げられる。
グリシジルエーテル化工程は、常圧条件下で行ってもよいし、加圧条件下で行ってもよいし、あるいは、減圧条件下で行ってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
グリシジルエーテル化工程は、ジヒドロキシ化合物(2)、エピハロヒドリン(3)、アンモニウム塩及び無機塩基、並びに、必要に応じて溶媒、脂肪族アルコールを任意の順序で混合すればよい。
グリシジルエーテル化工程の反応温度としては、例えば、−20℃〜150℃の範囲を挙げることができ、好ましくは−10℃〜120℃の範囲が挙げられる。
また、グリシジルエーテル化工程における反応の進行は、液体クロマトグラフィー等の分析手段により、ジヒドロキシ化合物(2)の減少量またはジエポキシ化合物(1)の生成量で確認することができ、ジエポキシ化合物(1)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。具体的な反応時間としては、例えば、1〜150時間の範囲内を挙げることができる。
グリシジルエーテル化工程としては、下記工程A及び工程Bを含む方法が好ましい。
工程A:ジヒドロキシ化合物(2)、エピハロヒドリン(3)、及びアンモニウム塩、並びに、必要に応じて溶媒を混合する工程。
工程B:工程Aで得られた混合物に、さらに、無機塩基を混合する工程。
工程Aは、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でおこなってもよい。
工程Aの混合温度としては、例えば、−10℃〜150℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、0℃〜120℃の範囲等が挙げられる。
工程Aの混合時間は、混合温度等によっても異なるが、例えば、0.5〜72時間の範囲等を挙げることができる。
工程Aで得られた混合物には、ジヒドロキシ化合物(2)及びエピハロヒドリン(3)が反応して得られるジエポキシ化合物(1)が含有されていてもよい。
工程Bは、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でおこなってもよい。
工程Bの混合温度としては、例えば、−20℃〜120℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−10℃〜80℃の範囲等が挙げられる。
工程Bの反応の進行度合いを液体クロマトグラフィーなどの測定により追跡することにより調節でき、ジエポキシ化合物(1)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。具体的な反応時間としては、混合温度等によっても異なるが、例えば、0.5〜72時間の範囲等を挙げることができる。
工程B終了後、例えば、反応液に、水を加えた後、必要に応じて水に不溶の溶媒を加えてジエポキシ化合物(1)を含む層を得、水洗した後、必要に応じて不溶分を濾過で除去し、該層から過剰のエピハロヒドリン及び溶媒を留去して、ジエポキシ化合物(1)を得る方法等が挙げられる。
ここで、水に不溶な溶媒とは、水と分液し得る溶媒であって、ジエポキシ化合物(1)を溶解し得る溶媒であり、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒およびメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒等を挙げることができる。
水に不溶な溶媒の使用量としては、例えば、ジエポキシ化合物(1)1重量部に対して、例えば、1〜300重量部の範囲等が挙げられ、好ましくは、例えば、10〜200重量部の範囲等が挙げられる。
また、ジエポキシ化合物(1)は、必要に応じて再結晶等の精製手段を施すことにより、さらに精製することもできる。
次に、アリル化工程について説明する。
アリル化工程に用いられる化合物(4)としては、例えば、アリルクロリド、アリルブロミド等を挙げることができる。
化合物(4)の使用量としては、ジヒドロキシ化合物(2)1モルに対して、例えば、2〜200モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは2〜100モルの範囲等が挙げられる。尚、必要に応じて、2種類以上の化合物(4)を併用してもよい。
アリル化工程に用いられる塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の無機塩基、例えばピリジン等の有機塩基等を挙げることができる。塩基として、複数種の塩基を併用してもよい。
好ましい塩基としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩等の無機塩基が挙げられ、より好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが挙げられる。
塩基の使用量としては、無機塩基の場合、ジヒドロキシ化合物(2)1モルに対して、例えば、2〜10モルの範囲等を挙げることができる。有機塩基の場合、2モル以上であればよく、有機塩基を溶媒として用いるときには、該有機塩基を大過剰に用いてもよい。
ジヒドロキシ化合物(2)と化合物(4)との反応は、好ましくは、溶媒中で行われる。溶媒としては、ジヒドロキシ化合物(2)とエピハロヒドリン(3)との反応で用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。また、上記で述べたように、有機塩基を用いる場合は、かかる塩基を溶媒として用いてもよい。
ジヒドロキシ化合物(2)、化合物(4)及び塩基、並びに、必要に応じて溶媒を任意の順序で混合して、ジヒドロキシ化合物(2)と化合物(4)とを反応させることにより、ジヒドロキシ化合物(2)のジアリル化物(5)を得ることができる。
この反応は、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でおこなってもよい。
この反応の反応温度としては、例えば、−20℃〜120℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−10℃〜100℃の範囲等が挙げられる。
ジアリル化物(5)を得る反応の進行度合いを液体クロマトグラフィーなどの測定により追跡することにより調節でき、ジアリル化物(5)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。
ジアリル化物(5)を含む反応液を、例えば、そのまま酸化剤による酸化反応を行うことによりジエポキシ化合物(1)を製造してもよいし、例えば、ジアリル化物(5)を含む反応液を水洗等により、生成する塩を除去した後、酸化剤による酸化反応を行うことにより、ジエポキシ化合物(1)を製造してもよい。
酸化剤としては、炭素−炭素二重結合をエポキシ基へ酸化することが可能な酸化剤であればよく、例えば、m−クロロ過安息香酸等の過酸などが挙げられる。酸化剤の使用量は、例えば、ジアリル化物(5)1モルに対して、2〜20モルの範囲等を挙げることができる。
酸化反応は、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
酸化反応の反応温度としては、例えば、−20℃〜120℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−10℃〜100℃の範囲等が挙げられる。
酸化反応は、反応の進行度合いを液体クロマトグラフィーなどで測定することができ、ジエポキシ化合物(1)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。具体的な反応時間は、反応温度等によっても異なるが、例えば、0.5〜72時間の範囲等を挙げることができる。
酸化反応の終了後、例えば、必要に応じて残存する酸化剤を分解処理した後、濃縮処理して、ジエポキシ化合物(1)を製造することができる。
また、ジエポキシ化合物(1)は、必要に応じて再結晶等の精製手段を施すことにより、さらに精製することもできる。
ここで、グリシジルエーテル化工程又はアリル化工程で用いられるジヒドロキシ化合物(2)の製造方法について説明する。
ジヒドロキシ化合物(2)の製造方法としては、例えば、塩基の存在下、式(6)
Figure 2011219737
(式中、R〜Rは前記と同じ意味を表わす。また、Zは炭素数1〜5のアルキル基を表わし、Xは塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表わす。)
で表わされる酸ハライド(以下、酸ハライド(6)と記すことがある)と式(7)
Figure 2011219737
(式中、R、Rは前記と同じ意味を表わし、ZはZと同じ意味を表わす。)
で表わされるフェノール(以下、フェノール(7)と記すことがある)とを反応させ、下記式(8)
Figure 2011219737
(式中、R〜R、Z及びZは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(8)と記すことがある)を得、次いで、第一級アミンまたはアンモニアを反応させる工程を含む方法(以下、方法Eと記すことがある)を挙げることができる。
異なるジヒドロキシ化合物(2)の製造方法としては、例えば、塩基の存在下、酸ハライド(6)と式(9)
Figure 2011219737
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表わす。)
で表わされるフェノール(以下、フェノール(9)と記すことがある)とを反応させ、
下記式(10)
Figure 2011219737
(式中、R〜R、Z及びXは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(10)と記すことがある)を得、次いで、パラジウム触媒及びテトラアルキルアンモニウムフルオリドの存在下、化合物(10)と下記式(11)
Figure 2011219737
(式中、Rは前記と同じ意味を表わし、Yはそれぞれ独立して、水酸基またはアルコキシ基を表わすか、または、2つのYが結合して、ホウ素原子を含む環を形成する。)
で表わされる化合物(以下、化合物(11)と記すことがある)とを反応させ、下記式(12)
Figure 2011219737
(式中、R〜R、Zは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(12)と記すことがある)を得、次いで、第一級アミンまたはアンモニアを反応させる工程を含む方法(以下、方法Cと記すことがある)等を挙げることができる。
まず、方法Eについて説明する。
酸ハライド(6)としては、具体的には、4−アセトキシ安息香酸クロリド、4−アセトキシ−2−メチル安息香酸クロリド、4−アセトキシ−3−メチル安息香酸クロリド、4−アセトキシ−2−エチル安息香酸クロリド、4−アセトキシ−3−エチル安息香酸クロリド、4−アセトキシ−3,5−ジメチル安息香酸クロリド、4−アセトキシ安息香酸ブロミド、4−アセトキシ−2−メチル安息香酸ブロミド等が例示される。
酸ハライド(6)は、例えば、酸ハライド(6)のXがOHであり、ZC(=O)OがOHである化合物(例えば、酸ハライド(6)が4−アセトキシ安息香酸クロリドの場合、4−ヒドロキシ安息香酸を意味する。)を無水酢酸等でアシル化して、酸ハライド(6)に対応するアシル化安息香酸(例えば、4−アセトキシ安息香酸クロリドに対応する4−アセトキシ安息香酸等)を得、該アシル化安息香酸を塩化チオニル、オキサリルクロリド、五塩化リン、三臭化リン等でハロゲン化する方法(J.Med.Chem.2007,50,5685.やEur.J.Med.Chem.2009,44,772.参照)等の公知の方法を参考にして製造したものを用いてもよい。
フェノール(7)としては、具体的には、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3−メチル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3−プロピル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3’−メチル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−3’−エチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−3’−エチル−4’−ヒドロキシ−3−メチル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3’−メチル−3−プロピル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−3,3’−ジエチル−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−3,3’−ジプロピル−1,1’−ビフェニル等が例示される。
フェノール(7)は、例えば、下記式
Figure 2011219737
(式中、R、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表されるビフェノールを、該ビフェノールのモル数とほぼ同じモル数の酸無水物(例えば、無水酢酸等)を用いて、ピリジンなどの有機塩基の存在下にモノアセチル化する方法等の公知の方法を参考にして製造したものを用いてもよい。
フェノール(7)の使用量は、酸ハライド(6)1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、1〜5モルの範囲等が挙げられる。
方法Eに用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。その使用量は、酸ハライド(6)1モルに対して、例えば、1〜50モルの範囲等が挙げられる。必要に応じて、2種類以上の塩基を併用してもよい。
方法Eは、好ましくは、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル溶媒等を挙げることができ、好ましくは、エーテル溶媒が挙げられる。その使用量は、酸ハライド(6)1重量部に対して、例えば、1〜200重量部の範囲等が挙げられ、好ましくは3〜100重量部の範囲等が挙げられる。
酸ハライド(6)、フェノール(7)及び塩基、並びに、必要に応じて溶媒を任意の順序で混合して、化合物(8)を得ることができる。
化合物(8)を得る際に、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でおこなってもよい。
化合物(8)を得る際の反応温度としては、例えば、−30〜150℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−30〜100℃の範囲等が挙げられる。
反応時間は、液体クロマトグラフィーなどの測定により追跡することができ、化合物(8)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。
化合物(8)を得た後、例えば、そのまま第一級アミンまたはアンモニアを反応させてジヒドロキシ化合物(2)を得てもよいし、例えば、化合物(8)を含む反応液から、水洗等により、生成する塩を除去した後、第一級アミンまたはアンモニアを反応させ、ジヒドロキシ化合物(2)を得てもよい。
第一級アミンとしては、炭素数1〜20の第一級アミンが好ましく、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ネオペンチルアミン、sec−ペンチルアミン、n−へキシルアミン、tert−オクチルアミン、n−ウンデシルアミン、4−フェニルブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン等が挙げられる。
アンモニアは、例えば、1〜60重量%程度の濃度に調製した水溶液やアルコール溶液として用いてもよい。
第一級アミンまたはアンモニアの使用量は、例えば、化合物(8)1モルに対して、1〜50モルの範囲等を挙げることができる。
化合物(8)と第一級アミンまたはアンモニアとの反応は無溶媒で行ってもよいし、溶媒を用いて行ってもよい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル溶媒等を挙げることができ、好ましくは、エーテル溶媒が挙げられる。
溶媒として、異なる複数種の溶媒を併用してもよい。
溶媒を用いる場合の使用量としては、化合物(8)1重量部に対して、例えば、0.01〜100重量部の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、0.1〜50重量部の範囲等が挙げられる。
化合物(8)と第一級アミンまたはアンモニアの反応温度は、例えば、−50〜150℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−30〜100℃の範囲等が挙げられる。
反応時間は、反応温度等によっても異なるが、例えば、0.5〜72時間の範囲等を挙げることができる。
また、ジヒドロキシ化合物(2)は、必要に応じて再結晶等の精製手段を施すことにより、さらに精製することもできる。
次に、方法Cについて説明する。
方法Cは、まず、酸ハライド(6)とフェノール(9)とを反応させ、化合物(10)を得る。
ここで、フェノール(9)としては、具体的には、4−クロロフェノール、4−クロロ−2−メチルフェノール、4−クロロ−2−エチルフェノール、4−クロロ−2−プロピルフェノール、4−クロロ−2−イソプロピルフェノール、4−ブロモフェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−2−エチルフェノール、4−ブロモ−2−プロピルフェノール、4−ヨードフェノール、4−ヨード−2−メチルフェノール、2−エチル−4−ヨードフェノール、4−ヨード−2−プロピルフェノール、4−ヨード−2−イソプロピルフェノール等が例示される。
フェノール(9)の使用量は、酸ハライド(6)1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、1〜5モルの範囲等が挙げられる。
酸ハライド(6)とフェノール(9)とから化合物(10)を得る反応は、フェノール(7)の代わりにフェノール(9)を用いる以外は、前記方法Eにおける酸ハライド(6)とフェノール(7)との反応と同様に行う。
次に、化合物(12)を得る方法としては、上記で得られた化合物(10)を、例えば、水洗等により、生成する塩を除去した後、パラジウム触媒及びテトラアルキルアンモニウムフルオリドの存在下、化合物(11)と反応させる方法等を挙げることができる。
化合物(11)としては、例えば、4−ヒドロキシ−3−メチルフェニルボロン酸、3−エチル−4−ヒドロキシフェニルボロン酸、4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニルボロン酸、4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニルボロン酸、4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−メチルフェノール、4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−エチルフェノール、4−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−プロピルフェノール、2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、2−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、2−プロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、2−メチル−4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−エチル−4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−プロピル−4−(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−メチル−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−エチル−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−プロピル−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−メチル−4−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−エチル−4−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−プロピル−4−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−メチル−4−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−エチル−4−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール、2−プロピル−4−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)フェノール等が挙げられる。
化合物(10)と化合物(11)との反応における化合物(11)の使用量は、化合物(10)1モルに対して、1〜5モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、1〜2モルの範囲等が挙げられる。
化合物(10)と化合物(11)との反応におけるパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム付加体、ビス(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノエタン))パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、パラジウムシアニド、アリルパラジウムクロライドダイマー、クロチルパラジウムクロライドダイマー、2−メチルアリルパラジウムクロライドダイマー、パラジウムアセチルアセトナート、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム等が挙げられ、酢酸パラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、化合物(10)1モルに対して、パラジウム金属原子が、例えば、0.0005〜0.5モルの範囲等を挙げることができる。
化合物(10)と化合物(11)との反応は、必要に応じて、パラジウム原子に配位し得る化合物(以下、単に配位子と記すことがある)の存在下に行ってもよい。配位子としては、リン原子を含む配位子(以下、ホスフィン配位子と記すことがある)が好ましい。 ホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,2−ジシクロヘキシルホスフィノエタン、1,3−ジシクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシクロヘキシルホスフィノブタン、1,2−ジメチルホスフィノエタン、1,3−ジメチルホスフィノプロパン、1,4−ジメチルホスフィノブタン、1,2−ジエチルホスフィノエタン、1,3−ジエチルホスフィノプロパン、1,4−ジエチルホスフィノブタン、1,2−ジイソプロピルホスフィノエタン、1,3−ジイソプロピルホスフィノプロパン、1,4−ジイソプロピルホスフィノブタン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチル−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−イソプロピルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
配位子の使用量は、パラジウム原子1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲を挙げることができ、好ましくは1〜5モルである。
化合物(10)と化合物(11)との反応は、好ましくは、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル溶媒等を挙げることができ、好ましくは、非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量としては、化合物(10)1重量部に対して、例えば、1〜200重量部の範囲等が挙げられ、好ましくは3〜100重量部の範囲等が挙げられる。
化合物(10)と化合物(11)とを反応させて化合物(12)を調製する方法としては、例えば、化合物(10)、化合物(11)、パラジウム触媒及びテトラアルキルアンモニウムフルオリド、並びに、必要に応じて溶媒を任意の順序で混合する方法等を挙げることができる。
上記方法は、常圧条件下でおこなってもよいし、加圧条件下でおこなってもよいし、あるいは減圧条件下でおこなってもよい。また、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下でおこなってもよい。
上記方法の混合温度としては、例えば、−30〜200℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、−30〜180℃の範囲等が挙げられる。
混合時間は、上記混合溶液を液体クロマトグラフィーなどの測定により追跡することができ、化合物(12)の増加が認められなくなるまで反応を行うことが好ましい。
テトラアルキルアンモニウムフルオリドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド、テトラ−tert−ブチルアンモニウムフルオリド等を挙げられ、好ましくは、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリドを挙げることができる。
テトラアルキルアンモニウムフルオリドの使用量としては、化合物(11)1モルに対して、例えば、1〜5モルの範囲等が挙げられ、好ましくは、1〜3モルの範囲等が挙げられる。
化合物(12)を得た後、例えば、そのまま第一級アミンまたはアンモニアを反応させてジヒドロキシ化合物(2)を得てもよいし、例えば、化合物(12)を含む反応液から、水洗等により、生成する塩を除去した後、第一級アミンまたはアンモニアを反応させ、ジヒドロキシ化合物(2)を得てもよい。
具体的には、化合物(8)の代わりに化合物(12)を用いる以外には、化合物(8)と第一級アミンまたはアンモニアとの反応と同様に行えばよい。
続いて、ジエポキシ化合物(1)と硬化剤とを含む組成物(以下、本組成物と記すことがある)について説明する。
本組成物は、ジエポキシ化合物(1)を少なくとも1種と硬化剤を少なくとも1種とを含むものである。本組成物は、ジエポキシ化合物(1)と硬化剤に加えて、溶媒を含むことができる。調製が容易という点で、本組成物は溶媒を含むことが好ましい。
溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えば酢酸ブチル等のエステル溶媒、例えばプロピレングリゴールモノメチルエーテル等のグリコール溶媒等が挙げられ、好ましくは、ケトン溶媒及び非プロトン性極性溶媒であり、例えばメチルイソブチルケトンやN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
本組成物の製造方法としては、例えば、ジエポキシ化合物(1)と硬化剤とを溶媒中で混合する方法等を挙げることができる。
本発明のジエポキシ化合物(1)と硬化剤とを溶媒に溶解させることにより得られる溶液から、当該溶媒を除去しても、均一な混合物が得られる傾向がある。また、ジエポキシ化合物(1)と硬化剤と後述するアルミナと溶媒とを混合することにより得られる混合物から、当該溶媒を除去しても、均一な混合物が得られる傾向がある。
硬化剤とは、ジエポキシ化合物(1)中のエポキシ基と硬化反応し得る官能基を少なくとも1個有するもの、または、ジエポキシ化合物(1)の硬化反応において触媒作用を示す硬化触媒である。具体的には、前記官能基がアミノ基であるアミン硬化剤、前記官能基が水酸基であるフェノール硬化剤、前記官能基が酸無水物基である酸無水物硬化剤および硬化触媒が挙げられ、アミン硬化剤、フェノール硬化剤および硬化触媒が好ましい。
アミン硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数2〜20の脂肪族多価アミン(すなわち、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素に含まれる水素原子の一部がアミノ基に置換された化合物)、例えばp−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン等の芳香族多価アミン(すなわち、芳香族炭化水素基を有する炭素数6〜20の炭化水素における芳香族炭化水素基に含まれる水素原子の一部がアミノ基に置換された化合物)、例えば4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式多価アミン(すなわち、脂環式炭化水素基を有する炭素数5〜20の炭化水素における脂環式炭化水素基に含まれる水素原子の一部がアミノ基に置換された化合物)、例えばジシアンジアミド等が挙げられ、好ましくは、例えば、芳香族多価アミンやジシアンジアミド等が挙げられ、より好ましくは、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン、p−フェニレンジアミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。
フェノール硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂およびポリオキシスチレン樹脂が挙げられる。フェノール樹脂としては、アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、および、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂等の特殊フェノール樹脂が挙げられる。ポリオキシスチレン樹脂としては、ポリ(p−オキシスチレン)が挙げられる。
酸無水物硬化剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
硬化触媒としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
かかる硬化剤の使用量は、用いる硬化剤の種類に応じて適宜選択すればよく、アミン硬化剤やフェノール硬化剤であれば、例えば該硬化剤中のエポキシ基と硬化反応し得る官能基の合計モル数が、ジエポキシ化合物(1)中のエポキシ基1モルに対して、0.5〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.1モルとなる量が用いられる。
本組成物は、ジエポキシ化合物(1)、硬化剤及び前記溶媒以外に、本組成物を硬化して得られる硬化物が、溶解性、耐熱性及び熱伝導性等の所望の性能の低下を招かない限り、他のエポキシ化合物を含んでいてもよい。
他のエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、オルソクレゾール型エポキシ化合物、ビフェノールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(3,4−エポキシブテン−1−イロキシ)フェニルベンゾエート、ナフタレンジグリシジルエーテル、α−メチルスチルベン−4,4’−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
本組成物は、さらに、各種添加剤、例えば、トリフェニルホスフィン、1,8−アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、2−フェニルイミダゾール等の硬化促進剤、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、例えばカーボンブラック等の着色剤、例えばシリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、例えば天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等、例えば、溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、二次凝集シリカ粉末等のシリカ又はその粉末、例えば、α−アルミナ又は遷移アルミナ(γ−アルミナ、θ−アルミナ、δ−アルミナ)等のアルミナ又はその粉末、例えば、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、ガラス繊維等が含有されていてもよい。本組成物における各種添加剤の含有量としては、融点等の所望の性能の低下を招かない程度である。
本組成物がアルミナを含有すると、得られる硬化物の熱伝導性が優れる傾向があることから、好ましい。すなわち、本組成物としては、ジエポキシ化合物(1)及び硬化剤に、さらに、アルミナを含む組成物(以下、アルミナ含有組成物と記すことがある)が好ましい。また、アルミナ含有組成物が上記有機溶媒を含有する場合、アルミナ含有組成物の混合が容易になる傾向があることから好ましい。
アルミナ含有組成物におけるアルミナの含有量としては、ジエポキシ化合物(1)と硬化剤とアルミナとの合計100重量部に対して、例えば、75重量部〜95重量部の範囲を挙げることができ、好ましくは83重量部〜90重量部である。アルミナが75重量部以上であると、得られる硬化物の熱伝導性が向上する傾向があり、95重量部以下であると、アルミナ含有組成物の成形が容易となる傾向があることから好ましい。
アルミナとしては、粒子状であることが好ましい。粒子状のアルミナとしては、例えば、重量累積粒度分布の微粒子側からの累積体積50%の粒子径をD50(レーザー回折法による平均粒子径)としたとき、2μm以上100μm以下のD50を有するアルミナA、1μm以上10μm以下のD50を有するアルミナB及び0.01μm以上5μm以下のD50を有するアルミナCの混合物であることが好ましい。特に、アルミナAとアルミナBとアルミナCの合計100体積%に占める各アルミナの割合が、アルミナAが50〜90体積%、アルミナBが5〜40体積%及びアルミナCが1〜30体積%の混合物であることが好ましい。
このようなアルミナは、例えば、市販されている種々の平均粒子径を有するアルミナを、適宜混合することにより調製することができる。
また、後述する硬化物に含まれるアルミナの含有割合は、硬化物100体積%に対して、50〜80体積%、好ましくは60〜74体積%であることが好ましい。
本発明の硬化物は、本組成物を硬化して得られるもの(以下、本硬化物と記すことがある)である。
本硬化物の製造方法としては、例えば、本組成物をそのまま所定温度まで加熱して硬化させる方法;本組成物を加熱溶融して金型等に注ぎ、該金型をさらに加熱して成形する方法;本組成物を溶融させ、得られる溶融物を予め加熱された金型に注入し硬化する方法;本組成物を部分硬化させ、得られる部分硬化物を粉砕し、得られた粉末を金型に充填し、該充填粉末を溶融成形する方法;本組成物を必要に応じて溶媒に溶解し、攪拌しながら部分硬化させ、得られた溶液をキャストした後、溶媒を通風乾燥等で乾燥除去し、必要に応じてプレス機等で圧力をかけながら所定時間加熱する方法等が挙げられる。本硬化物は、熱伝導性に優れる傾向がある。
次に、本組成物を用いたプリプレグの製造方法について説明する。まず、有機溶媒を含む本組成物をそのまま、必要に応じて、さらに有機溶媒で希釈し、基材に塗布もしくは含浸させた後、得られた基材を加熱して、該基材中のジエポキシ化合物(1)を半硬化させることによりプリプレグが得られる。この際に用いられる有機溶媒としては、メチルイソブチルケトンなどの前記本組成物の製造方法で用いられた有機溶媒である。かくして得られたプリプレグを、複数個、積層してプレスなどにより加圧及び加熱することにより積層板を調製することができる。
プリプレグに用いられる基材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維の織布もしくは不織布、例えばポリエステル等の有機質繊維の織布もしくは不織布等が挙げられる。
また、本硬化物の中でも、アルミナ含有組成物を硬化したもの(以下、アルミナ含有硬化物と記すことがある)は、一層、熱伝導性に優れる。アルミナ含有硬化物の製造方法としては、例えば、アルミナ含有組成物をそのまま所定温度まで加熱して硬化させる方法;アルミナ含有組成物の一部(例えば、ジエポキシ化合物及び硬化剤)を加熱溶融して金型等に注ぎ、該金型をさらに加熱して成形する方法;アルミナ含有組成物を部分硬化させ、得られる部分硬化物を粉砕してなる粉末を金型に充填し、該充填粉末を溶融成形する方法等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
Figure 2011219737
[フェノール(7)の製造例1]
冷却装置を取り付けた反応容器内に、4,4’−ビフェノール100.0g(537mmol)、ピリジン4.25g(53.7mmol)及びテトラヒドロフラン888gを約25℃の室温で混合した。得られた混合液を80℃に昇温した後、同温度で攪拌しながら、無水酢酸54.83g(537mmol)を5分間かけて滴下し、さらに、同温度で4時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液及び酢酸エチルを加えて混合した後、分液し、得られた有機層をさらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。
次に、得られた粗生成物およびクロロホルム約5Lを室温で1時間混合し、不溶物を除去した後、クロロホルムを濃縮し、固形分を得た。
続いて、該固形分、トルエン約3.5Lおよびエタノール55mLを75℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出物を取得した。
さらに、該析出物、トルエン1.4Lおよびエタノール60mLを75℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾過により取り出した。取り出した固体を乾燥し、上記式(7−1)で表されるフェノール化合物(以下、フェノール(7−1)と記すことがある)を含む白色結晶22.57gを得た。
該結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、97.1%であり、該結晶中のフェノール(7−1)の含有量を97.1重量%と仮定すると、4,4’−ビフェノールを基準とするフェノール(7−1)の収率は、18%であった。
尚、以下の実施例に用いられるフェノール(7−1)の含有量は、該フェノール(7−1)を含む結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率をそのまま含有量(重量%)とした。
得られたフェノール(7−1)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 9.56(s,1H),7.59(d,2H),7.48(d,2H),7.16(d,2H),6.85(d,2H),2.28(s,3H)
[化合物(8)の製造例1]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、4−アセトキシ安息香酸14.30g(79.4mmol、東京化成工業株式会社製)、N,N−ジメチルホルムアミド0.16g(2.19mmol)、トルエン37gを約25℃の室温で混合し、50℃まで昇温した。得られた混合液に、塩化チオニル11.33g(95.2mmol)を同温度にて、1時間30分かけて滴下した後、さらに同温度にて3時間攪拌した後、室温まで冷却した。その後、減圧下で溶媒を留去し、白色固体を得た。
該白色固体をテトラヒドロフラン107gに溶解させて、上記式(6−1)で表される酸ハライド(以下、酸ハライド(6−1)と記すことがある)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に、冷却装置を取り付けた反応容器内にて、[フェノール(7)の製造例1]で得られたフェノール(7−1)22.38g(95.2mmol)、ピリジン24.57g(311mmol)、テトラヒドロフラン107gを約25℃の室温で混合し、0℃まで冷却した。得られた冷却液に、同温度を維持しながら、酸ハライド(6−1)のテトラヒドロフラン溶液を41分間かけて滴下した後、室温まで昇温し、室温で27時間攪拌した後、再び0℃まで冷却した。
続いて、再び冷却された反応液にイオン交換水を240mL加え、析出物を得て、該析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、上記式(8−1)で表される化合物(以下、化合物(8−1)と記すことがある)を含む白色結晶27.53gを得た。
白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、97.8%であり、該結晶中の化合物(8−1)の含有量を97.8重量%と仮定すると、4−アセトキシ安息香酸を基準とする化合物(8−1)の収率は、87%であった。
得られた化合物(8−1)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 8.22(d,2H),7.65−7.85(c,4H),7.37−7.49(c,4H),7.24(d,2H),2.33(s,3H),2.30(s,3H)
Figure 2011219737
[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例1]
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、[化合物(8)の製造例1]で得られた化合物(8−1)27.0g(67.6mmol)、1,4−ジオキサン179gを室温で混合し、さらに、28重量%のアンモニア水溶液25.3g(415mmol)を加えて、3時間攪拌した。続いて、28重量%のアンモニア水溶液12.6g(208mmol)を加えて5時間攪拌した。得られた反応液にイオン交換水を450mL加え、得られた析出物を濾過により取得した。得られた析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、上記式(2−1)で表される化合物(以下、ジヒドロキシ化合物(2−1)と記すことがある)を含む白色結晶16.4gを得た。
該結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、98.4%であり、該結晶中のジヒドロキシ化合物(2−1)の含有量を98.4重量%と仮定すると、化合物(8−1)を基準とするジヒドロキシ化合物(2−1)の収率は、78%であった。
得られたジヒドロキシ化合物(2−1)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 9.80(br,2H),8.00(d,2H),7.63(d,2H),7.51(d,2H),7.27(d,2H),6.94(d,2H),6.86(d,2H),
[実施例1]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例1]で得られたジヒドロキシ化合物(2−1)16.4g(52.7mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.86g(2.68mmol)、エピクロロヒドリン198g(2142mmol)、及び2−メチル−2−プロパノール131g(1767mmol)を室温で混合し、さらに、70℃で14時間攪拌した後、18℃まで冷却した。次に、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を42.83g(161mmol)徐々に加え、18℃にてさらに3時間攪拌した後、0℃まで冷却した。
得られた冷却液に、イオン交換水及びクロロホルムを加え、分液した。クロロホルム層は、さらにイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過にて除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物を得た。
続いて、冷却装置を取り付けた反応容器に、粗生成物、テトラブチルアンモニウムブロミド5.18g(16.1mmol)、エピクロロヒドリン198g(2142mmol)、及び2−メチル−2−プロパノール131g(1767mmol)を室温で混合し、18℃まで冷却した。次に、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を42.83g(161mmol)徐々に加えて、18℃で3時間攪拌した後、0℃まで冷却し、反応液を得た。
次に、該反応液にイオン交換水を0.55L及びクロロホルム1.6Lを加えた後混合し、分液した。得られたクロロホルム層は、さらにイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過にて除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物[1]を得た。
冷却装置を取り付けた反応容器内に、得られた粗生成物[1]、トルエン450mLおよび2−プロパノール200mLを混合し、さらに、70℃まで昇温して、1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾過により取り出した。取り出した固体を2−プロパノールで洗浄して粗生成物[2]を得た。
次に、粗生成物[2]について、トルエンおよび2−プロパノールを用いて、上記と同様に混合、析出及び洗浄を繰り返し、粗生成物[3]を得た。
続いて、粗生成物[3]について、トルエンおよび2−プロパノールを用いて、上記と同様に混合、析出及び洗浄を繰り返し、粗生成物[4]を得た。
次に続いて、粗生成物[4]について、トルエン900mLおよびクロロホルム400mLを用いて、上記と同様に混合、析出及び洗浄を繰り返し、さらに乾燥して、上記式(1−1)で表されるジエポキシ化合物(以下、ジエポキシ化合物(1−1)と記すことがある)を含む白色結晶13.70gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、90.4%であり、該結晶中のジエポキシ化合物(1−1)の含有量を90.4重量%とすると、ジヒドロキシ化合物(2−1)を基準とするジエポキシ化合物(1−1)の収率は、56%であった。融点160℃。
実施例1で得られたジエポキシ化合物(1−1)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,CDCl) 8.18(d,2H),7.46−7.70(c,4H),7.25(d,2H),6.90−7.10(c,4H),4.35(dd,1H),4.28(dd,1H),3.95−4.08(c,2H),3.34−3.46(c,2H),2.88−3.00(c,2H),2.76−2.86(c,2H)
[化合物(8)の製造例2]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、4−アセトキシ−3−メチル安息香酸8.00g(41.2mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.080g(1.09mmol)、トルエン21gを混合し、50℃まで昇温した。得られた混合液に、同温度にて塩化チオニル7.35g(61.8mmol)を54分間かけて滴下した後、さらに、同温度にて3時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた冷却液は、減圧下で溶媒を留去し、黄白色固体を得た。該固体をテトラヒドロフラン49gに溶解させて、上記式(6−2)で示される4−アセトキシ−3−メチル安息香酸クロリドのテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に、冷却装置を取り付けた反応容器に、式(7−1)で示される4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル11.92g(49.4mmol、フェノール(7−1)、含有量94.7重量%)、ピリジン10.81g(137mmol)及びテトラヒドロフラン49gを約25℃の室温で混合し、得られた混合液を0℃まで冷却した。該混合液を0℃に維持しながら、先に調整した4−アセトキシ−3−メチル安息香酸クロリドのテトラヒドロフラン溶液を30分間かけて滴下した後、室温で24時間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた冷却液に、イオン交換水を110mL加えて、析出物を取得し、該析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、上記式(8−2)で表される化合物(以下、化合物(8−2)と記すことがある)を含む白色結晶13.38gを得た。
該結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、99.2%であり、該結晶中の化合物(8−2)の含有量を99.2重量%と仮定すると、4−アセトキシ−3−メチル安息香酸を基準とする化合物(8−2)の収率は、80%であった。
得られた化合物(8−2)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 8.11(s,1H),8.04(d,1H),7.68−7.85(c,4H),7.18−7.48(c,5H),2.36(s,3H),2.30(s,3H),2.24(s,3H)
[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例2]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[化合物(8)の製造例2]で得られた化合物(8−2)7.00g(17.2mmol)を1,4−ジオキサン45gで溶解し、得られた溶解液に、28重量%のアンモニア水溶液6.32g(104mmol)を加えて、室温にて3時間攪拌した。続いて、28重量%のアンモニア水溶液6.32g(104mmol)を加えてさらに室温にて4時間攪拌した。
得られた反応液に、イオン交換水を100mL加え、析出物を得た。濾過により取得した該析出物は、メタノールで洗浄した後、乾燥させ、ジヒドロキシ化合物(2−2)を含む白色結晶4.24gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、99.0%であり、該結晶中の化合物(2−2)の含有量を99.0重量%と仮定すると、化合物(8−2)を基準とするジヒドロキシ化合物(2−2)の収率は、78%であった。
得られたジヒドロキシ化合物(2−2)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 9.94(c,2H),7.76−7.92(c,2H),7.63(d,2H),7.51(d,2H),7.26(d,2H),6.75−6.96(c,3H),2.20(s,3H)
[実施例2]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例2]で得られたジヒドロキシ化合物(2−2)1.50g(4.64mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.075g(0.23mmol)、エピクロロヒドリン17g(187mmol)、及び2−メチル−2−プロパノール11g(148mmol)を室温で混合した後、70℃まで昇温し、同温度で13時間攪拌した後、18℃まで冷却した。次に、得られた冷却液に同温度を維持しながら、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を3.73g(14.0mmol)徐々に加えて、同温度で3時間攪拌した後、0℃までさらに冷却し、反応液を得た。
該反応液にイオン交換水を50mL及びクロロホルム100mLを加えて混合し、分液した。得られたクロロホルム層は、さらにイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過して除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物を得た。
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、得られた粗生成物、トルエン33mLおよび2−プロパノール25mLを混合し、得られた混合物を70℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾過により取り出した。取り出した固体を2−プロパノールで洗浄して粗生成物を得た。
続いて、冷却装置を取り付けた反応容器内にて、得られた粗生成物、トルエン34mLおよびエタノール15mLを混合し、得られた混合物を70℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却した。冷却液から析出物を濾過により取り出した。取り出した析出物を2−プロパノールで洗浄した後、乾燥し、上記式(1−2)で表されるジエポキシ化合物(以下、ジエポキシ化合物(1−2)と記すことがある)を含む白色結晶0.95gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、92.7%であり、該結晶中のジエポキシ化合物(1−2)の含有量を92.7重量%と仮定すると、ジヒドロキシ化合物(2−2)を基準とするジエポキシ化合物(1−2)の収率は、44%であった。融点165℃。
実施例2で得られたジエポキシ化合物(1−2)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,CDCl) 7.97−8.12(c,2H),7.47−7.65(c,4H),7.24(dd,2H),7.00(dd,2H),6.90(d,1H),4.37(dd,1H),4.27(dd,1H),3.97−4.12(c,2H),3.37−3.46(c,2H),2.88−3.00(c,2H),2.76−2.86(c,2H),2.32(s,3H)
Figure 2011219737
[化合物(8)の製造例3]
冷却装置を取り付けた反応容器にて、4−アセトキシ−2−メチル安息香酸4.00g(20.6mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.040g(0.55mmol)及びトルエン10gを混合した。得られた混合物を50℃まで昇温し、同温度にて、塩化チオニル3.68g(30.9mmol)を10分間かけて滴下した後、同温度にて3時間攪拌した後、室温まで冷却した。冷却液を減圧下で溶媒を留去し、黄色固体を得た。該固体をテトラヒドロフラン22gに溶解させて、上記式(6−3)で示される4−アセトキシ−2−メチル安息香酸クロリドのテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に、冷却装置を取り付けた反応容器に、4−アセトキシ−4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル5.96g(24.7mmol、フェノール(7−1)、含有量94.7重量%)、ピリジン5.90g(74.6mmol)及びテトラヒドロフラン22gを混合し、得られた混合液を0℃まで冷却した後、先に調整した4−アセトキシ−2−メチル安息香酸クロリドのテトラヒドロフラン溶液を45分間かけて滴下し、さらに、室温で25時間攪拌した後、0℃まで冷却し、反応液を得た。得られた反応液にイオン交換水を90mL加えると、析出物が得られた。該析出物を濾過によって取得し、該析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、白色結晶6.06gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、97.7%であり、該結晶中の化合物(8−3)の含有量を97.7重量%と仮定すると、4−アセトキシ−2−メチル安息香酸を基準とする化合物(8−3)の収率は、71%であった。
得られた化合物(8−3)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 8.18(d,1H),7.65−7.86(c,4H),7.40(d,2H),7.13−7.34(c,4H),2.61(s,3H),2.32(s,3H),2.30(s,3H)
[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例3]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[化合物(8)の製造例3]で得られた化合物(8−3)6.06g(14.6mmol)、1,4−ジオキサン39g及び28重量%のアンモニア水溶液5.47g(90.0mmol)を混合し、室温でさらに3時間攪拌した。得られた混合液に、28重量%のアンモニア水溶液5.47g(90.0mmol)を加えてさらに3時間攪拌した後、28重量%のアンモニア水溶液5.47g(90.0mmol)を加えてさらに4時間攪拌し、続いて、28重量%のアンモニア水溶液2.74g(45.0mmol)を加えてさらに2時間攪拌した後、28重量%のアンモニア水溶液5.47g(90.0mmol)を加えてさらに2時間攪拌し、さらに続いて、28重量%のアンモニア水溶液2.74g(45.0mmol)を加えてさらに1時間攪拌し反応液を得た。該反応液にイオン交換水を130mL加えると、析出物が得られ、該析出物を濾過により取得し、取得した析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、ジヒドロキシ化合物(2−3)を含む白色結晶2.45gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、99.3%であり、該結晶中のジヒドロキシ化合物(2−3)の含有量を99.3重量%と仮定すると、化合物(8−3)を基準とするジヒドロキシ化合物(2−3)の収率は、52%であった。
得られたジヒドロキシ化合物(2−3)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 10.33(br,1H),9.56(br,1H),8.02(t,1H),7.63(d,2H),7.51(d,2H),7.26(d,2H),6.86(d,2H),6.68−6.81(c,2H),2.53(s,3H)
[実施例3]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例3]で得られたジヒドロキシ化合物(2−3)2.00g(6.20mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.10g(0.31mmol)、エピクロロヒドリン23g(250mmol)及び2−メチル−2−プロパノール15g(202mmol)を室温で混合し、さらに、70℃まで昇温し、同温度で11時間攪拌した後、18℃まで冷却した。次に、得られた冷却液に15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を5.00g(18.8mmol)徐々に加えて、18℃まで昇温し、同温度にて4時間攪拌した後、0℃まで冷却し、反応液を得た。
得られた反応液に、イオン交換水を50mL及びクロロホルム100mLを混合し、分液してクロロホルム層を得た。該クロロホルム層をイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過して除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物を得た。
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、得られた粗生成物、トルエン5mLおよび2−プロパノール15mLを混合し、得られた混合物を70℃まで昇温し、同温度にて1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾過により取り出した。取り出した固体を2−プロパノールで洗浄して粗生成物を得た。
続いて、得られた粗生成物に、トルエン13mLおよび2−プロパノール10mLを用いて、前記と同様に混合、析出及び洗浄を行い、上記式(1−3)で表されるジエポキシ化合物(以下、ジエポキシ化合物(1−3)と記すことがある)を含む白色結晶2.03gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、90.9%であり、該結晶中のジエポキシ化合物(1−3)の含有量を90.9重量%と仮定すると、ジヒドロキシ化合物(2−3)を基準とするジエポキシ化合物(1−3)の収率は、69%であった。融点122℃。
実施例3で得られたジエポキシ化合物(1−3)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,CDCl) 8.19(d,1H),7.40−7.71(c,4H),7.24(d,2H),7.00(d,2H),7.76−7.92(c,2H),4.18−4.42(c,2H),3.92−4.10(c,2H),3.35−3.46(c,2H),2.89−3.00(c,2H),2.74−2.88(c,2H),2.67(s,3H)
[フェノール(7)の製造例2]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール40.0g(187mmol)、ピリジン1.48g(18.7mmol)及びテトラヒドロフラン355gを混合し、得られた混合液を80℃まで昇温した。続いて、昇温された混合液に無水酢酸19.1g(187mmol)を5分間かけて滴下した後、同温度にて7時間攪拌した後、室温まで冷却し反応液を得た。得られた反応液、飽和塩化ナトリウム水溶液1.6L及び酢酸エチル2.56Lを混合した後、分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、洗浄された有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、得られた濾液を濃縮して粗生成物を得た。
次に、反応容器内にて、得られた粗生成物、イオン交換水570mLおよびエタノール570mLを混合し、得られた混合物を室温で1時間攪拌して、析出物[1]を濾過により取り出した。
さらに、析出物[1]、ヘキサン1.69Lおよびクロロホルム0.85Lを用いて、上記と同様に析出物[1]について、混合、及び析出により、析出物[2]を取り出した。
続いて、析出物[2]、エタノール26mLおよびトルエン35mLを用いて、上記と同様に析出物[1]について、混合、及び析出により、析出物[3]を取り出した。析出物[3]をヘキサンで洗浄した後、乾燥し、上記式(7−2)で表されるフェノール化合物(以下、フェノール(7−2)と記すことがある)を含む白色結晶12.06gを得た。
該結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、95.4%であり、該結晶中のフェノール(7−2)の含有量を95.4重量%と仮定すると、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノールを基準とするフェノール(7−2)の収率は、24%であった。
得られたフェノール(7−2)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 9.42(s,1H),7.22−7.53(c,4H),7.06(d,1H),6.84(d,1H),2.31(s,3H),2.18(s,3H),2.15(s,3H)
[化合物(8)の製造例4]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、4−アセトキシ安息香酸2.50g(13.9mmol、東京化成工業株式会社製)、N,N−ジメチルホルムアミド0.030g(0.41mmol)及びトルエン7gを混合し、50℃まで昇温した。昇温された混合液に、塩化チオニル2.48g(21mmol)を10分間かけて滴下し、同温度にて3時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた冷却液から、減圧下で溶媒を留去し、白色固体を得た。
該白色固体をテトラヒドロフラン27gに溶解させて、上記式(6−1)で表される酸ハライド(以下、酸ハライド(6−1)と記すことがある)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に、冷却装置を取り付けた反応容器内にて、[フェノール(7)の製造例2]で得られたフェノール(7−2)4.48g(16.7mmol)、ピリジン5.89g(74.4mmol)及びテトラヒドロフラン27gを約25℃の室温で混合した後、0℃まで冷却し、同温度にて、先に調整した酸ハライド(6−1)のテトラヒドロフラン溶液を31分間かけて滴下し、室温で29時間攪拌した後、0℃まで冷却して反応液を得た。次に、該反応液にイオン交換水を60mL加えて、析出物を得、該析出物を濾過により取り出し、該析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、上記式(8−4)で表される化合物(以下、化合物(8−4)と記すことがある)を含む白色結晶3.85gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、97.1%であり、該結晶中の化合物(8−4)の含有量を97.1重量%と仮定すると、4−アセトキシ安息香酸を基準とする化合物(8−4)の収率は、64%であった。
得られた化合物(8−4)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 8.24(d,2H),7.48−7.75(c,4H),7.41(d,2H),7.31(d,1H),7.16(d,1H),2.34(s,3H),2.33(s,3H),2.24(s,3H),2.20(s,3H)
[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例4]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[化合物(8)の製造例4]で得られた化合物(8−4)3.85g(8.93mmol)を室温にて1,4−ジオキサン24gと混合した。得られた混合液に、28重量%のアンモニア水溶液3.36g(55.2mmol)を加えて、3時間攪拌し、さらに、28重量%のアンモニア水溶液3.36g(55.2mmol)を加えてさらに2時間攪拌し、さらに続いて、28重量%のアンモニア水溶液3.36g(55.2mmol)を加えて5時間攪拌し、反応液を得た。該反応液に、イオン交換水を100mL加えると、析出物が得られ、該析出物を濾過により取り出し、続いてメタノールで洗浄後、乾燥させて、ジヒドロキシ化合物(2−4)を含む白色結晶1.56gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、98.7%であり、該結晶中のジヒドロキシ化合物(2−4)の含有量を98.7重量%と仮定すると、化合物(8−4)を基準とするジヒドロキシ化合物(2−4)の収率は、52%であった。
得られたジヒドロキシ化合物(2−4)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 10.53(br,1H),9.42(br,1H),8.02(d,2H),7.22−7.60(c,4H),7.17(d,1H),6.95(d,2H),6.86(d,1H),2.19(s,3H),2.18(s,3H)
[実施例4]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例4]で得られたジヒドロキシ化合物(2−4)1.00g(2.95mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.048g(0.15mmol)、エピクロロヒドリン11g(120mmol)、及び2−メチル−2−プロパノール7g(94mmol)を室温で混合し、さらに、70℃で23時間攪拌した後、18℃まで冷却した。次に、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を2.40g(9.00mmol)徐々に加えて、18℃で3時間攪拌した後、0℃まで冷却した。
次に、イオン交換水を50mL加え、室温で、クロロホルム100mLを加えた後混合し、クロロホルム層と水層とを得た。クロロホルム層は、さらにイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過して除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物を得た。
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、得られた粗生成物、トルエン15mLおよび2−プロパノール12mLを混合し、得られた混合物を70℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、析出した固体を濾過により取り出した。取り出した固体を2−プロパノールで洗浄した後、乾燥し、上記式(1−4)で表されるジエポキシ化合物(以下、ジエポキシ化合物(1−4)と記すことがある)を含む白色結晶0.86gを得た。
該結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、93.3%であり、該結晶中のジエポキシ化合物(1−4)の含有量を93.3重量%とすると、ジヒドロキシ化合物(2−4)を基準とするジエポキシ化合物(1−4)の収率は、60%であった。融点160℃。
実施例4で得られたジエポキシ化合物(1−4)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,CDCl) 8.19(d,2H),7.30−7.50(c,4H),7.16(d,1H),7.03(d,2H),6.87(d,1H),4.20−4.42(c,2H),3.96−4.11(c,2H),3.37−3.48(c,2H),2.88−3.00(c,2H),2.77−2.87(c,2H),2.32(s,3H),2.27(s,3H)
[化合物(10)の製造例1]
Figure 2011219737
4−アセトキシ安息香酸10.60g(58.8mmol、東京化成工業株式会社製)、N,N−ジメチルホルムアミド0.12g(1.64mmol)及び塩化チオニル8.40g(70.6mmol)を用いる以外は[化合物(8)の製造例4]の項と同様にして、酸ハライド(6−1)を含むテトラヒドロフラン溶液を調製した。
次に、冷却装置を取り付けた反応容器内にて、4−ヨードフェノール7.75g(35.3mmol)、ピリジン9.80g(124mmol)及びテトラヒドロフラン45gを混合して、該混合液を0℃まで冷却した後、同温度にて先に調整した酸ハライド(6−1)のテトラヒドロフラン溶液を50分間かけて滴下し、室温まで昇温した後、3時間攪拌し、再び、0℃まで冷却して反応液を得た。次に、反応液にイオン交換水100mLを加えて室温とし、さらに、クロロホルム200mL及び飽和塩化ナトリウム水100mLを混合して分液した。得られた有機層をさらに飽和塩化ナトリウム水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。
反応容器内にて、得られた粗生成物、ヘキサン150mLおよびジエチルエーテル25mLを混合し、得られた混合物を室温で2時間攪拌して析出物を得た。該析出物を濾過により取り出した後、ヘキサンで洗浄、乾燥し、上記式(10−1)で表される化合物(以下、化合物(10−1)と記すことがある)を含む白色固体14.25gを得た。
[化合物(11)の製造例1]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、酢酸パラジウム0.54g(2.41mmol)、4−ブロモ−2−メチルフェノール9.00g(48.1mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン15.89g(62.6mmol)、酢酸カリウム7.08g(72.2mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン1.35g(4.81mmol)及び1,2−ジメトキシエタン209gを室温で混合し、得られた混合液を90℃まで昇温し、同温度にて20時間攪拌した後、0℃まで冷却した。得られた冷却液にイオン交換水150mLを加えて室温まで昇温した後、さらに、酢酸エチル500mL及びイオン交換水91mLを加えて混合し、有機層と水層とを得た。
得られた水層に酢酸エチル500mLを加えて分液し、酢酸エチル層を得た。該有機層と該酢酸エチル層とを混合し、得られた混合液を飽和塩化ナトリウム水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して上記式(11−1)で表される化合物(以下、化合物(11−1)と記すことがある)を含むオイル状の液体19.42gを得た。
[ジヒドロキシ化合物(12)の製造例1]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、酢酸パラジウム0.26g(1.16mmol)、[化合物(10)の製造例1]で得られた化合物(10−1)9.00g、[化合物(11)の製造例1]で得られた化合物(11−1)7.17g、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリド三水和物11.15g(35.3mmol)、トリフェニルホスフィン0.62g(2.36mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド132gを室温で混合し、さらに、90℃まで昇温して、同温度で1時間30分攪拌した後、室温まで冷却した。得られた冷却液に、クロロホルム200mLを加えて濾過した後、得られた濾液にクロロホルム200mL及びイオン交換水400mLを加えて分液した。得られたクロロホルム層を、飽和塩化ナトリウム水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、上記式(12−1)で表される化合物(以下、化合物(12−1)と記すことがある)を含む固体1.41gを得た。
[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例5]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[化合物(12)の製造例1]で得られた化合物(12−1)を含む固体1.41g、1,4−ジオキサン9gを室温で混合した。得られた混合液に、28重量%のアンモニア水溶液0.64g(10.5mmol)を加えて、2時間攪拌し、次に、28重量%のアンモニア水溶液0.64g(10.5mmol)を加えてさらに3時間攪拌し、続いて、28重量%のアンモニア水溶液0.64g(10.5mmol)を加えてさらに5時間攪拌し、反応液を得た。得られた反応液に、イオン交換水を30mL加えると析出物が得られ、該析出物を濾過により取り出し、該析出物をメタノールで洗浄した後、乾燥させて、上記式(2−5)で表される化合物(以下、ジヒドロキシ化合物(2−5)と記すことがある)を含む白色結晶0.84gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、94.8%であり、該結晶中のジヒドロキシ化合物(2−5)の含有量を94.8重量%と仮定して、実施例5で用いた。
得られたジヒドロキシ化合物(2−5)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,DMSO−d) 9.54(br,2H),7.99(d,2H),7.61(d,2H),7.18−7.48(c,4H),6.80−7.08(c,3H),2.18(s,3H)
[実施例5]
Figure 2011219737
冷却装置を取り付けた反応容器に、[ジヒドロキシ化合物(2)の製造例5]で得られたジヒドロキシ化合物(2−5)0.80g(2.37mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.040g(0.12mmol)、エピクロロヒドリン9g(99.9mmol)、及び2−メチル−2−プロパノール6g(80.9mmol)を室温で混合し、さらに、70℃まで昇温して、同温度で19時間攪拌した後、18℃まで冷却した。得られた冷却液に、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.00g(7.49mmol)を徐々に加えて、18℃で4時間30分攪拌した後、0℃までさらに冷却し、反応液を得た。反応液に、イオン交換水50mL及びクロロホルム100mLを混合し、分液した。得られたクロロホルム層は、さらにイオン交換水で3回洗浄した後、水洗されたクロロホルム層に含まれる不溶分を濾過して除去し、得られた濾液を濃縮して粗生成物[1]を得た。
冷却装置を取り付けた反応容器内にて、得られた粗生成物[1]に、トルエン9mLおよび2−プロパノール8mLを加えて70℃まで昇温して同温度で1時間攪拌した後、室温まで冷却したところ、粗生成物[2]が析出され、粗生成物[2]を濾過により取り出した。
続いて、粗生成物[2]、トルエン7mLおよび2−プロパノール6mLを用いる以外は前記と同様に混合し、冷却及び濾過を行って析出物を得、該析出物を2−プロパノールで洗浄した後、乾燥し、上記式(1−5)で表されるジエポキシ化合物(以下、ジエポキシ化合物(1−5)と記すことがある)を含む白色結晶0.35gを得た。
該白色結晶を液体クロマトグラフィーによって分析し、得られたクロマトグラフの面積百分率を算出したところ、93.4%であり、該結晶中のジエポキシ化合物(1−5)の含有量を93.4重量%とすると、ジヒドロキシ化合物(2−5)を基準とするジエポキシ化合物(1−5)の収率は、32%であった。融点120℃。
実施例5で得られたジエポキシ化合物(1−5)のスペクトルデータは以下の通りであった。
H−NMR(δ:ppm,CDCl) 8.18(d,2H),7.58(d,2H), 7.32−7.43(c,2H),7.24(d,2H),7.02(d,2H),6.88(d,1H),4.21−4.42(c,2H),3.96−4.12(c,2H),3.32−3.48(c,2H),2.88−3.00(c,2H),2.73−2.87(c,2H),2.32(s,3H)
[実施例6:本組成物及びその硬化物の製造例1]
ジエポキシ化合物(1−1)100重量部と、硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルメタン(和光純薬製)24重量部と、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドとを混合し、溶液状の本組成物を得た。
得られた組成物を遠心濃縮装置で濃縮して溶媒を留去し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物をアルミナパンに充填した。本組成物を充填したアルミナパンを、示差走査熱量測定装置(TAインスツルメンツ社製DSC Q2000)の炉内に静置した。炉内を窒素雰囲気下とした後、アルミナパンを140℃で20分間加熱し、続いて、1℃/分の昇温速度で140℃〜180℃まで加熱した後、さらに、200℃で30分間加熱し、20℃まで冷却し、アルミナパン内に硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。
生成した硬化物を、再び、示差走査熱量測定装置で、昇温速度 20℃/分で、室温から200℃まで昇温したところ、当該硬化物のガラス転移点として176℃が測定された。
[実施例7:本組成物及びその硬化物の製造例2]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン24重量部に代えて、1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬工業株式会社製)19重量部を用いた以外は実施例6と同様に行い、溶液状の本組成物を得た。得られた溶液状の本組成物を遠心濃縮装置で濃縮し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物を実施例6と同様に加熱し、硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。硬化物のガラス転移点は、実施例6と同様に測定した結果、141℃であった。
[実施例8:本組成物及びその硬化物の製造例3]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン24重量部に代えて、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(東京化成工業株式会社製)36重量部を用い、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール2.7重量部をさらに加えた以外は実施例6と同様に行い、溶液状の本組成物を得た。得られた溶液状の本組成物を遠心濃縮装置で濃縮し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物を実施例6と同様に加熱し、硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。硬化物のガラス転移点は、120℃であった。
[実施例9:本組成物及びその硬化物の製造例4]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン24重量部に代えて、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(東京化成工業株式会社製)31重量部を用い、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール2.6重量部をさらに加えた以外は実施例6と同様に行い、溶液状の本組成物を得た。得られた溶液状の本組成物を遠心濃縮装置で濃縮し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物を実施例6と同様に加熱し、硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。硬化物のガラス転移点は、188℃であった。
[実施例10:本組成物及びその硬化物の製造例5]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン24重量部に代えて、フェノールノボラック硬化剤「MEH−7851H」(明和化成株式会社製)99重量部を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン4.0重量部をさらに加えた以外は実施例6と同様に行い、溶液状の本組成物を得た。得られた溶液状の本組成物を遠心濃縮装置で濃縮し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物を実施例6と同様に加熱し、硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。硬化物のガラス転移点は、109℃であった。
[実施例11:本組成物及びその硬化物の製造例6]
4,4’−ジアミノジフェニルメタン24重量部に代えて、ジシアンジアミド(和光純薬工業株式会社製)10重量部を用い、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール2.2重量部をさらに加えた以外は実施例6と同様に行い、溶液状の組成物を得た。得られた溶液状の組成物を遠心濃縮装置で濃縮し、均一な粉末状の本組成物を得た。得られた粉末状の本組成物を実施例6と同様に加熱し、硬化物を得た。140℃に昇温した時点で、ジエポキシ化合物(1−1)と硬化剤が硬化反応したことを示す発熱が観測された。硬化物のガラス転移点は、183℃であった。
[実施例12:アルミナ含有組成物及びその硬化物の製造例1]
ジエポキシ化合物(1−1)100重量部と、硬化剤として1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬工業株式会社製)19重量部と、アルミナ1097重量部(住友化学株式会社製α−アルミナ;レーザー回折法によって測定された平均粒子径(D50)が18μmであるアルミナA1と、平均粒子径(D50)が3μmであるアルミナB1と、平均粒子径(D50)が0.4μmであるアルミナC1とを、重量比(アルミナA1/アルミナB1/アルミナC1)=812/154/132、体積比(アルミナA1/アルミナB1/アルミナC1)=74/14/12で混合することにより調製)と、溶媒としてメチルイソブチルケトン530重量部とN,N−ジメチルホルムアミド60重量部とを混合し、溶液状のアルミナ含有組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、アプリケータで、調製したアルミナ含有組成物を350μmの厚みになるよう塗布した。アルミナ含有組成物が塗布されたPETフィルムを1時間室温で乾燥し、さらに140℃で3分間乾燥し、溶媒を留去し、PETフィルムを剥がし、シートを得た。得られたシートを厚さ40μmのアルミ箔で挟み、真空プレス成形(プレス温度:150℃、真空度:1kPa、プレス圧:6MPa、処理時間:20分)を行った。その後、プレス温度を180℃まで40分かけて昇温した。アルミ箔を剥がし、210μmの厚みを有するシート状の硬化物を得た。NETZSCH製キセノンフラッシュアナライザー nanoflash LFA447型により、該硬化物の熱伝導率を測定したところ、10.2W/(m・K)であった。
ジエポキシ化合物(1−1)と1,5−ジアミノナフタレンとを含み、アルミナを含まない組成物を硬化させることにより得られる硬化物の密度を1.2g/cm、アルミナの密度を3.97g/cmとして、得られた硬化物中のアルミナの含有割合を算出したところ、該硬化物中のアルミナの含有割合は、74体積%であった。
[実施例13:本組成物及びそのプリプレグの製造例]
ジエポキシ化合物(1−1)100重量部と、硬化剤として1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬工業株式会社製)19重量部と、溶媒としてメチルイソブチルケトン380重量部と、N,N−ジメチルホルムアミド70重量部とを混合することにより、溶液状の本組成物を得ることができる。得られる組成物を、厚さ0.2mmのガラス繊維織布に含浸した後、加熱乾燥することにより、プリプレグを得ることができる。得られるプリプレグ4枚を重ね、温度175℃、圧力4MPaの条件で90分間プレス成形することにより、積層板を得ることができる。
[実施例14:アルミナ含有組成物及びその硬化物の製造例2]
ジエポキシ化合物(1−3)100重量部と、硬化剤として1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬工業株式会社製)18重量部と、アルミナ1091重量部(住友化学株式会社製α−アルミナ;レーザー回折法によって測定された平均粒子径(D50)が18μmであるアルミナA1と、平均粒子径(D50)が3μmであるアルミナB1と、平均粒子径(D50)が0.4μmであるアルミナC1とを、重量比(アルミナA1/アルミナB1/アルミナC1)=807/153/131、体積比(アルミナA1/アルミナB1/アルミナC1)=74/14/12で混合することにより調製)と、溶媒としてメチルイソブチルケトン370重量部とN,N−ジメチルホルムアミド60重量部とを混合し、溶液状のアルミナ含有組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、アプリケータで、調製した組成物を350μmの厚みになるよう塗布した。アルミナ含有組成物が塗布されたPETフィルムを実施例12と同様に溶媒を留去し、PETフィルムを剥がし、シートを得た。得られたシートを、厚さ40μmのアルミ箔で挟み、真空プレス成形(プレス温度:140℃、真空度:1kPa、プレス圧:6MPa、処理時間:20分)を行った。その後、プレス温度を180℃まで40分かけて昇温した。アルミ箔を剥がし、313μmの厚みを有するシート状の硬化物を得た。実施例12と同様にして、得られた硬化物の熱伝導率を測定したところ、10.2W/(m・K)であった。得られた硬化物中のアルミナの含有割合は、74体積%であった。
本発明によれば、新規な硬化物及び該硬化物を与え得るジエポキシ化合物が提供可能である。

Claims (18)

  1. 式(1)
    Figure 2011219737
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
    で表わされるジエポキシ化合物。
  2. 無機塩基の存在下、式(2)
    Figure 2011219737
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
    で表わされるジヒドロキシ化合物と式(3)
    Figure 2011219737
    (式中、Xはハロゲン原子を表わす。)
    で表わされるエピハロヒドリンとを反応させる工程を含むことを特徴とする式(1)
    Figure 2011219737
    (式中、R〜Rは前記と同じ意味を表わす。)
    で表わされるジエポキシ化合物の製造方法。
  3. 前記工程が、無機塩基及び4級アンモニウム塩の存在下、前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物と前記式(3)で表わされるエピハロヒドリンとを反応させる工程であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 前記工程が、無機塩基、4級アンモニウム塩及び脂肪族アルコールの存在下、前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物と前記式(3)で表わされるエピハロヒドリンとを反応させる工程であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  5. 脂肪族アルコールが、脂肪族2級アルコール及び脂肪族3級アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 前記工程が、下記工程A及び工程Bを含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか記載のジエポキシ化合物の製造方法。
    工程A:前記式(2)で表わされるジヒドロキシ化合物、前記式(3)で表わされるエピハロヒドリン、及び4級アンモニウム塩を混合する工程。
    工程B:工程Aで得られた混合物に無機塩基を混合する工程。
  7. 前記無機塩基が、アルカリ金属水酸化物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか記載のジエポキシ化合物の製造方法。
  8. 式(2’)
    Figure 2011219737
    (式中、R1’〜R6’はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。ただし、R1’〜R6’の少なくとも1つはアルキル基を表わす。)
    で表わされるジヒドロキシ化合物。
  9. 式(1)
    Figure 2011219737
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
    で表わされるジエポキシ化合物及び硬化剤を含むことを特徴とする組成物。
  10. 硬化剤が、アミン硬化剤、フェノール硬化剤及び酸無水物硬化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤であることを特徴とする請求項9記載の組成物。
  11. 硬化剤が、アミン硬化剤であることを特徴とする請求項9又は10記載の組成物。
  12. アミン硬化剤が、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン及びp−フェニレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン硬化剤であることを特徴とする請求項11記載の組成物。
  13. さらに、アルミナを含むことを特徴とする請求項9〜12のいずれか記載の組成物。
  14. 前記式(1)で表されるジエポキシ化合物と硬化剤とアルミナとの合計100重量部に対して、アルミナを75重量部〜95重量部含むことを特徴とする請求項13記載の組成物。
  15. アルミナが、2μm以上100μm以下のD50(累積体積50%の粒子径)を有するアルミナAと、1μm以上10μm以下のD50を有するアルミナBと、0.01μm以上5μm以下のD50を有するアルミナCとの混合物であり、かつ、アルミナAとアルミナBとアルミナCの合計100体積%に占める各アルミナの割合が、アルミナAが50〜90体積%、アルミナBが5〜40体積%、及び、アルミナCが1〜30体積%の混合物であることを特徴とする請求項13又は14記載の組成物。
  16. 請求項9〜15のいずれか記載の組成物を硬化して得られる硬化物。
  17. 請求項13〜15のいずれか記載の組成物を硬化して得られる硬化物であって、該硬化物に含まれるアルミナの含有割合が、該硬化物100体積%に対し、50〜80体積%であることを特徴とする硬化物。
  18. 請求項9〜15のいずれか記載の組成物を基材に塗布もしくは含浸した後、半硬化して得られるプリプレグ。
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