JP2011219532A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノニオン活性剤を主な界面活性剤とする衣料用液体洗浄剤組成物において、洗濯、乾燥の後に発生する、菌に由来する異臭や悪臭を抑制する効果の高い組成を特定して、洗浄後の衣類の臭い抑制、抗菌効果において高い特性を有する液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る液体洗浄剤組成物は、(a)ノニオン界面活性剤、(b)ベタイン基と疎水基を有する水溶性共重合体、(c)ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)から選ばれる少なくとも1種の機能性成分、を含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、衣料等の洗浄において、洗濯、乾燥の後に発生する、菌や酸化に由来する異臭や悪臭を抑制する液体洗浄剤組成物に関するものである。
従来より衣類等の洗浄において、洗濯、乾燥の後に発生する菌や酸化に由来する異臭や悪臭を抑制することが求められている。その対策の一つとして液体洗浄剤組成物に抗菌剤や抗酸化剤を大量に配合することが考えられるが、組成物の液安定性の面からも経済性の面でも好ましくない。特許文献1や特許文献2には、被洗布への抗菌剤や抗酸化剤の吸着性を高め、異臭や悪臭を抑制する効果を向上させるべく、抗菌効果のあるカチオン界面活性剤の被洗布への吸着性を増す剤としてのアルキルアミン併用例が開示されている。しかしながら、これらの技術は洗濯後に湿度の高い室内で乾燥させた場合、衣料の臭いを抑制する効果はとうてい満足できるレベルではなく、一層の改善が求められている。
特許文献3や特許文献4では、ベタイン基の共重合体を含む洗浄剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3の技術は衣類の感触を向上させるものであり、また、特許文献4の技術は、皮膚の感触を向上させるものであり、いずれも本願における抗菌性の向上に寄与しない。
特開2006−316130号公報 特開2009−73915号公報 特開平10−140183号公報 特開平05−310542号公報
ノニオン活性剤を主界面活性剤とする衣料用液体洗浄剤組成物において、洗濯、乾燥の後に発生する、菌に由来する異臭や悪臭を抑制する効果の高い液体洗浄剤組成物が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その課題は、衣類の洗濯・乾燥の後に発生する、菌や酸化に由来した異臭や悪臭に対して高い抑制効果を有する液体洗浄剤組成物を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、下記構成を採用した液体洗浄剤組成物を提供する。
[1] (a)ノニオン界面活性剤、(b)ベタイン基と疎水基を有する水溶性共重合体、(c)ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)から選ばれる少なくとも1種の機能性成分、を含有する液体洗浄剤組成物。
[2] 上記(b)成分が、下記一般式(1):
Figure 2011219532
(R ,R :それぞれ水素原子またはメチル基、R,R :それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基、R :水素原子、メチル基またはエチル基、R:炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基)で表わされ、P/Q比が質量比基準で0.25〜9.0である、上記[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3] (a)成分が15〜50質量%、(b)成分が0.5〜5.0質量%、(c)成分が0.02〜0.2質量%であることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4] (b)成分/(c)成分比(質量比)が10〜60であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の液体洗浄剤組成物。
本発明にかかる液体洗浄剤組成物は、洗濯、乾燥後に発生する、菌や酸化に由来する異臭や悪臭を効果的に抑制できる。
本発明に用いる水溶性共重合体は、ノニオン界面活性剤溶液中で、特定の機能性成分((c)成分)を疎水基が有する疎水性相互作用で取り込む一方、ベタイン基によって、綿繊維に吸着する作用をもつ。
従来のカチオン性高分子と比べて、本発明に用いる水溶性共重合体は、特定の機能性成分と親和性が高く、この特定の機能性成分を分子鎖に取り込んだ本発明に用いる水溶性共重合体は、洗濯後に湿度の高い室内で乾燥させた場合などに衣料の臭いを抑制する効果(高い抗菌効果に基づく消臭効果)を有する。そして、この特定の機能性成分を分子鎖に取り込んだ水溶性共重合体は、ノニオン界面活性剤との組合せにおいて、特にすぐれたパフォーマンス(高い抗菌効果)を示す。
図1は、本発明に用いる機能性成分(c)と水溶性共重合体(b)との親和性において強弱が生じる原因について検討した結果を示すグラフである。
上述のように、本発明に係る液体洗浄剤組成物は、(a)ノニオン界面活性剤、(b)ベタイン基と疎水基を有する水溶性共重合体、(c)ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)から選ばれる少なくとも1種の機能性成分、を含有する。
以下、各成分について、詳しく説明する。
(ノニオン界面活性剤)
本発明における(a)成分のノニオン界面活性剤としては、その種類は特に制限されず、一般の洗浄剤組成物に常用されるノニオン界面活性剤のいずれも好適に使用することができるが、これらの中でも、特に下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。

7−X−(EO)(PO)−R8 ・・・(2)

式(2)中、R7は炭素数8〜22、好ましくは10〜18の疎水基であり、直鎖であっても分岐鎖であっても良い。疎水基としては、1級または2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等を原料とするものが挙げられる。−X−は、−O−、−COO−、−CONH−等の官能基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドである。s及びtは平均付加モル数を表し、sは3〜20、好ましくは5〜18の整数であり、tは0〜6、好ましくは0〜3の整数である。R8は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは水素原子、又は1〜3のアルキル基又はアルケニル基である。
EOの平均付加モル数sが20を超えると、HLB値が高くなりすぎて皮脂洗浄に不利となるために洗浄機能が低下する傾向にある。一方、EOの平均付加モル数sが3未満であると基材臭が増加し好ましくない。POの平均付加モル数tが6を超えると、液体洗浄剤組成物の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
EOまたはPOの付加モル数分布は特に限定されない。EOまたはPOの付加モル数分布は、上記非イオン界面活性剤を製造する際の反応方法により異なるが、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた分布の比較的広いものでもよく、例えば特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた分布の狭いものでもよい。
また、式(2)において、−X−が−O−かつtが0かつ−Rが−Hのとき、非イオン性界面活性剤はアルコールエトキシレートである。この場合において、Rの直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基の炭素数は10〜22、好ましくは10〜20、より好ましくは10〜18である。
また、式(2)において−X−が−COO−のとき、非イオン性界面活性剤は脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤である。この場合において、Rの直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基の炭素数は9〜21、好ましくは11〜21である。Rは不飽和結合を有していてもよい。またこの場合においてRは、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
これらは、随意に1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、一般式(2)の化合物の生成の際には、質量平均分子量200〜20000程度のポリエチレングリコールが、生成物100質量%に対して0.01〜2質量%程度副生するのが一般的である。従って、本発明の液体洗浄剤組成物は、この様な副生物を含有してもよい。
式(2)で表される非イオン性界面活性剤の具体例としては、Shell社製:商品名「Neodol(C12/C13)」、Sasol社製:商品名「Safol23(C12/C13)」等の、アルコールに対して、12モル相当、または15モル相当の酸化エチレンを付加したもの;P&G社製:商品名「CO−1214」や「CO−1270」等の、天然アルコールに12モル相当、または15モル相当の酸化エチレンを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名「Lutensol TO7」);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名「Lutensol XL70」);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに6モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名「Lutensol XA60」);炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当、または15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(日本触媒社製:商品名「ソフタノール90」や「ソフタノール150」)などが挙げられる。さらには、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したものも挙げられる。
(a)成分の配合量は液体洗浄剤組成物中、好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは15〜50質量%である。10質量%以上とすることにより、(b)(c)成分共存の組成物の保存安定性が確保でき、充分な洗浄力も得られる。また、(a)成分の配合量を10質量%以上とすることにより、(a)成分の効果を阻害する皮脂成分を除去できるので抗菌性も向上する。(a)成分の配合量が60質量%を越えるとゲル化など保存時における安定性が低下する。
(水溶性共重合体(b))
本発明で使用される(b)成分ポリマーは、次の一般式(1)で表わされ、重量平均分子量は2万〜100万、好ましくは2万〜50万のものである。
Figure 2011219532
(一般式(1)中、R,R:それぞれ水素原子またはメチル基、R,R:それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基、R:水素原子、メチル基またはエチル基、R:炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基、P,Q:P/Qは質量比として0.25〜9である。)
上記(b)成分のポリマーは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのベタイン型両性化合物(以下、b1成分と称す)と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(以下、b2成分と称す)とからなる共重合物である。
また、本発明における水溶性共重合体における水溶性とは、純水、または(a)成分に代表される界面活性剤を含む水溶液に対して溶解する性質を意味する。
(b1)単量体としては、下記一般式(1−1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2011219532
(一般式(1−1)中、R:それぞれ水素原子またはメチル基、R,R:それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基、R:水素原子、メチル基またはエチル基。)
一般式(1−1)で表される化合物としては、例えば、3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムエタンカルボキシレート、3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンカルボキシレート、3−ジメチル(アクリロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンカルボキシレート、3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムブタンカルボキシレート、3−ジメチル(アクリロイルオキシエチル)アンモニウムカルボキシレート等が挙げられる。また、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
一般式(1−1)の化合物は、3級アミノ基含有ビニル単量体のカルボキシベタイン化により合成することができる。カルボキシベタイン化は、該3級アミノ基含有ビニル単量体と、モノクロロ酢酸塩等のハロカルボン酸塩、又はβ−ラクトンやγ−ラクトン等のラクトン類との反応によって得ることができる。本発明においては、反応後速やかに進行し塩を副生しない点から、ラクトン類との反応が好ましい。
上記3級アミノ基含有ビニル単量体としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、(メタ)アクリルとはアクリル及び/又はメタクリルを示す。
(b2)単量体としては、下記一般式(1−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011219532
(一般式(1−2)中、R:それぞれ水素原子またはメチル基、R:炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基。)
上記一般式(1−2)で示される化合物の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
疎水性である(c)成分を保持する観点から、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましく、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、が特に好ましい。
上記(b)成分のポリマーにおけるb1成分とb2成分の共重合比(質量比)P/Qは、P/Q=0.25〜9.0が好ましく、更に好ましくは0.7〜4の範囲であり、P/Qが9.0を超えるとポリマーによる抗菌性向上効果が顕著に低下し、P/Qが0.25未満だとポリマーの水溶液への溶解性が低下し、保存安定性が劣化する。
なお、本発明(b)成分については、市販品も使用することができる。具体的に例示すると、三菱化学株式会社製:製品名「ユカフォーマー201」、「ユカフォーマー204」、「ユカフォーマー204WL」、「ユカフォーマーW」等を挙げることができる。
本発明において用いられるポリマーの配合量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%、特に好ましくは1〜5質量%の範囲である。ポリマーの量が0.1%質量未満では充分な抗菌性を発揮することはできず、又、10質量%を超えると、液の安定性が低下するため好ましくない。また、該液体洗浄剤組成物の粘度が急激に上昇し、使用面で不具合を生じる。
(機能性成分(c))
本発明における機能性成分(c)としては、滅菌(目的とする対象物からすべての微生物を殺滅又は除去すること)、殺菌(微生物を殺すこと)、消毒(人畜に対して病原性のある特定の微生物を死滅させ、感染を防止すること)、除菌(目的とする対象物から微生物を除去すること)、静菌(微生物の繁殖を阻害又は阻止すること)および酸化防止作用を有するすべての成分が使用可能であるが、前記(b)成分との親和性が特に良好である数種を限定的に使用する。
本発明に用いる機能性成分(c)としては、具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)であり、特にジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。また、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができるが、2種以上を組み合わせることが有効となる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(c)成分を合計で好ましくは0.001〜1質量%、更に好ましくは0.02〜0.2質量%含有する。(c)成分の量が0.001%質量未満では充分な抗菌性および、又は酸化防止効果を発揮することはできず、又、1質量%を超えると、液の安定性や経済性の観点から好ましくない。
本発明において、上記(b)成分と(c)成分の量比は好ましくは(b)/(c)=3〜150、より好ましくは10〜60である。(b)成分は(c)成分を保持して綿布に吸着させる効果を持つことから、(b)/(c)の値が3未満では液の安定性が低下する。また、クレーム2の配合量範囲で(b)/(c)の値が150を超えると、(b)成分の一分子に保持される(c)成分の量が減少するため、綿布に(b)成分が吸着した際の(c)成分の吸着量が減少することから、十分な効果が発揮されない。
(その他の成分)
本発明の液体洗浄剤組成物には、上記成分の他に、さらに、必要に応じて以下の任意成分を配合することができる。
皮膜形成防止のためにエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアルキレングリコールブチルエーテル、ポリアルキレングリコールフェニルエーテル等のグリコール系溶剤を好ましくは0〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%;低温安定化のためにパラトルエンスルホン酸ナトリウムやキュメンスルホン酸ナトリウム、エタノール等のハイドロトロープ剤を好ましくは0〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%;再汚染防止の為にポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ソイルリリースポリマー等の再汚染防止剤を0〜2質量%;皮脂汚れ以外の洗浄力向上の為にリパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素を0〜1質量%;酵素安定化の為に、ホウ酸、硼砂、蟻酸やその塩、塩化カルシウム・炭酸カルシウム・硫酸カルシウムなどのカルシウム塩類0〜3質量%;風合い向上の為にジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを0〜5質量%;白色衣料の白度向上の為にジスチリルビフェニル型等の蛍光剤を0〜1質量%;液体洗浄剤組成物の着色の為に酸性染料等の色素を0.00001〜0.001質量%;香気安定化の為にジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤を0.0001〜0.5質量%;防腐性の為にケーソンCG(商品名、ローム・アンド・ハース社製)等の抗菌剤を0〜0.03質量%;等を配合することができる。
また、芳香のための香料としては、特開2002−146399号公報記載の、香料成分、溶剤及び安定化剤を含有する香料組成物等が挙げられ、本発明の液体洗浄剤組成物中に0.01〜1質量%配合することができる。
また、pH調整剤として、硫酸、水酸化ナトリウム等の無機酸及び無機塩基を配合することが可能であり、本発明の液体洗浄剤組成物のpHとしては、皮脂汚れ洗浄力、保存安定性等の観点から6.0〜11.0が好ましく、6.5〜10.0がより好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分を、必要に応じて他に配合可能な任意成分とともに、配合し、水等の適当な溶剤でバランスすることにより、製造することができる。また、液体洗浄剤組成物の固形分濃度は10〜70質量%程度である。
以下、調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
[調製例1]
3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンカルボキシネート(以下、DM−betと略す)/イソブチルメタクリレート(以下、iBMAと略す)共重合体(DM−bet/iBMA)の調製
撹拌機、還流冷却管、温度計、モノマー滴下口、開始剤滴下口及び窒素の導入管を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、エタノール155.1gを加え、85℃の湯浴で加温を始めるとともに、窒素導入管より窒素の導入を開始した。
一方、300mL容のビーカーに、(b1成分)カルボキシベタイン基含有ビニル単量体の前駆体としてジメチルアミノエチルメタクリレート28g、(b2成分)疎水性基含有ビニル単量体としてイソブチルメタクリレート(iBMA)112g、エタノール77.5gを秤取り、かき混ぜて均一なモノマー溶液を調製した。
また、100mLのビーカーに2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1.4gを秤取り、エタノール25.8gを加えて溶解し、開始剤溶液を調製した。
次に、前記セパラブルフラスコの内温が78℃になった時点で、滴下ポンプを用いて、開始剤溶液、モノマー溶液を2時間かけて添加し、さらに5時間撹拌を続け、重合を終了した。得られたベタイン化前のDM/iBMA共重合体溶液をエタノールで該共重合体の質量濃度が15%になるように希釈し、液温25℃で、β−ラクトン66.5gを1時間かけて添加し、35℃に昇温後、4時間反応を継続した。冷却後、反応溶媒を除去、乾燥することで、ベタイン化されたDM−bet/iBMA共重合体を得た。
該共重合体の〔b1〕:〔b2〕(質量比)は26:74であり、重量平均分子量は下記条件のGPC測定で7万であった。
なお、得られた共重合体は下記式(3)で示されるものである。
Figure 2011219532
(GPC条件)
リン酸二水素ナトリウム2水和物を0.175(M)、リン酸水素二ナトリウム12水和物を0.025(M)、トリエチルアミン0.1(M)、硝酸ナトリウム0.1(M)、メタノール20質量%を含む移動相液とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により処理前後のピークを測定し、分子量5,800〜853,000のプルラン標準(「P−80」;昭和電工製)にて換算して重量平均分子量を算出した。カラムには東ソー(株)製TSK−GelG2500PWXLとTSK−GelGMPWXLを連結して設置し、カラムオーブン設定温度40℃、流速0.5mL/min、検出はRIにて行った。
[調製例2〜4、7、8]
3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンカルボキシネート(以下、DM−betと略す)/ラウリルメタクリレート(以下、LMAと略す)共重合体(DM−bet/LMA)の調製
調製例1において、イソブチルメタクリレートをラウリルメタクリレート(LMA)とし、DMとLMAの配合量を、それぞれ、56gと86g(調製例2)、86gと56g(調製例3)、112gと28g(調製例4)、14gと126g(調製例7)、126gと14g(調製例8)とすることで、DM−bet/LMA共重合体を得た。但し、調製例7についてのみ、重合反応後の試料が溶媒に溶解しなかったため、検討を断念した。
該共重合体の〔b1〕:〔b2〕(質量比)はそれぞれ48:52(調製例2)、67:33(調製例3)、85:15(調製例4)、93:7(調製例8)であり、重量平均分子量はGPC測定でいずれも7万であった。
[調製例5、6]
3−ジメチル(メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンカルボキシネート(以下、DM−betと略す)/ステアリルメタクリレート(以下、StMAと略す)共重合体(DM−bet/StMA)の調製
調製例1において、イソブチルメタクリレートをステアリルメタクリレート(StMA)とし、DMとStMAの配合量を、それぞれ、98gと42g(調製例5)、112gと28g(調製例6)とすることで、DM−bet/StMA共重合体を得た。該共重合体の〔b1〕:〔b2〕(質量比)はそれぞれ13:87(調製例5)、93:7(調製例6)であり、重量平均分子量はGPC測定でいずれも7万であった。
上記(b)成分の調製例1〜8の組成分および組成分量を下記(表1)に示した。
Figure 2011219532
上記(表1)において、共重合体b−1〜b−6が本発明で使用する(b)成分であり、共重合体b−7およびb−8は(b)成分の比較品である。なお、b−9((b)成分の比較品)として、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体=アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(日本触媒(株)製:製品名「アクアリックTL−400」)を用意した。
(実施例1〜21、比較例1〜10)
下記(表2)〜(表7)に示す組成の液体洗浄剤組成物(実施例1〜21、比較例1〜10)を以下の調製法に基づいて調製し、それらを洗濯に使用し被洗布のにおいの評価及び抗菌効果の評価を行った。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示し、(表2)〜(表7)中の各成分の量は、香料以外は純分としての配合量を示し、香料は組成物としての配合量を示す。
(液体洗浄剤組成物の調製法)
50mLのビーカーに、(表2)〜(表7)に示す種類と配合量(%)の(b)成分又はその比較品を計量し、次いで(b)成分又はその比較品に対して8倍量(%)の水を添加した。マグネットスターラー(MITAMURA RIKEN KOGYO INC.)を用い、長さ25mm、直径8mmのスターラーチップで20分間攪拌して溶解または分散させた後、(表2)〜(表7)に示す種類と配合量(%)の(c)成分又はその比較品を加え、さらに攪拌することで事前混合し、事前混合物を得た。
別途、500mLのビーカーに、水を20.0%と表2に示す種類と配合量(%)の(a)成分又はその比較品と共通成分を投入して攪拌し、これらの成分を溶解させた。
ついで、pHメーター(東亜ディーケーケー社製:製品名「HM−30G」)を用い、溶液の25℃におけるpHが9.5になるようにpH調整剤として水酸化ナトリウムおよび硫酸を用いて調整した。これに、上記事前混合物を添加し、最終生成物である液体洗浄剤組成物の総量が100質量%になるようにバランス水を添加することで液体洗浄剤組成物を得た。
なお、下記(表2)〜(表7)の各成分の詳細は以下の通りである。
LMAL((a)成分):天然のC12,14アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比で71/29の混合物(P&G社製、商品名「CO−1214」)に対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(合成品)。
合成は、次のように行った。「CO−1214」186g、30質量%NaOH水溶液2.0gを、耐圧型反応容器中にそれぞれ採取し、容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを撹拌しながら酸化エチレン(ガス状)660gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応の酸化エチレンを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、p−トルエンスルホン酸(70質量%水溶液)を加えて中和し、LAMLを得た。
MEE((a)成分):ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(合成品)。特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例1に準じて以下のように製造した。
すなわち、化学組成が2.5MgO・Al・nHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業社製、商品名「キョーワード300」)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。
ついで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキサイド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別し、MEEを得た。
ソフタノール90((a)成分):炭素数12〜14の第2級アルコールにEOを平均9モル付加させたもの(日本触媒株式会社製)。
LAS((a)成分の比較品:アニオン性界面活性剤):直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製:商品名ライポンLH−200、炭素数10〜14、平均分子量322)。
(共通成分:液体洗浄剤組成物中の配合量:12.9質量%)
安息香酸ナトリウム:「安息香酸ナトリウム」((株)伏見製薬製):配合量=0.5質量%
クエン酸:「クエン酸3ナトリウム2水塩」(扶桑化学工業(株)製):配合量=0.2質量%
95%エタノール:配合量=6質量%
パラトルエンスルホン酸:「パラトルエンスルホン酸」協和発酵工業(株)製:配合量=2質量%
ポリエチレングリコール:「PEG#1000」(商品名、日本油脂(株)製):配合量=4質量%
香料: 特開2002−146399の表11-18のAに記載の香料:配合量=0.2質量%
バランス(残部)は水により調整した。また、pHは、0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調節した。
上記実施例および比較例で得られた各液体洗浄剤組成物の評価を以下のように行った。評価結果は、下記(表2)〜(表7)に併記した。
[におい評価法]
家庭内で3ヶ月以上実際に使用(洗濯、使用の繰り返し)した手拭きタオルを最後だけ洗濯せずに回収した。浴比30となるように、その回収手拭タオル3枚と残りを新品の肌シャツを用い、2槽式洗濯機(MITUBISHI製、製品名「CW−C30A1−H」)に入れ、温度20℃、硬度3゜DHの水道水を30L注水し、表2に記載の各液体洗剤組成物20mLを添加して10分間洗濯した。1分間脱水後、2分間流水ですすぎ、1分間脱水した。
洗濯終了後、回収手拭タオルを室温約25℃、湿度90%RHの室内で干し、24時間乾燥した後のにおいの評価を行った。
上記の通り洗濯・乾燥したタオル3枚について5名のパネラーで官能評価を行った。各タオルについて下記評価基準を基に点数化し、5名の平均点で判定した。
(評価基準)
5:非常に強い臭い。
4:強い臭い。
3:やや強い臭い
2:弱い臭い。
1:かすかに感じられる臭い。
0:臭わない。
このうち、0点以上1点未満を二重マル印、1点以上2点未満を丸印、2点以上3点未満を三角印、3点以上を×印とした。
[抗菌効果評価試験]
30×25cmに裁断した綿金巾3号を「Terg−O−Tometer」(U.S.Testing社製)を用いて、120rpm,20℃、3°DH水道水、浴比30、洗浄剤濃度667ppmで10分間洗浄を行った。尚、洗浄剤は実施例及び比較例で調製したものを使用した。次いで3分間すすぎを行い、1分間脱水し、最後に室温で一晩乾燥させた。脱水は、組成毎に2槽式洗濯機(MITUBISHI製、製品名「CW−C30A1−H」)を用い、脱水した。
洗浄後乾燥した布に対し、「繊維製品の定量的抗菌性試験方法JISL1902」の菌吸収法に従い、バイアル瓶に布試料0.4gを入れ、菌懸濁液(界面活性剤Tween80、0.05%添加)0.2 mLを滴下し、37℃ で18 時間培養後、洗い出し生菌数を測定した。試験菌種としては黄色ぶどう球菌(staphylococcus aureus ATCC6538P)を用い、菌接種濃度0.7×10個/mLとした。
なお、洗剤を用いない、水だけで洗浄した場合での生菌数に対する菌数の差をlogで表示した値を静菌活性値とした。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
5点 : 静菌活性値4.0以上
4点 : 静菌活性値3.0以上4.0未満
3点 : 静菌活性値2.0以上3.0未満
2点 : 静菌活性値1.0以上2.0未満
1点 : 静菌活性値1.0未満
[組成物の保存安定性試験]
組成物を40℃で3ヶ月保存した後の液の外観について、以下の基準で評価を行った。
(評価基準)
4点: 沈殿物やにごりが全くない
3点: ごくわずかな沈殿物やかすかなにごりがあるが、25℃に戻すと透明になる
2点: 少量の沈殿物やにごりがあり、25℃に戻しても透明にならない。
1点: 多量の沈殿物や強いにごりがある。
上記評価で、3点以上を合格とした。
Figure 2011219532
Figure 2011219532
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Figure 2011219532
上記(表2)〜(表7)から以下のことを確認することができる。
実施例1では、(a)成分としてLMALを用い、(b)成分として(表1)に示した調製例2で得た共重合体b−2を用いているが、(a)成分と(b)成分の組み合わせとしては、最もよい評価結果が得られている。
実施例1〜3において、(c)成分の組み合わせを変えているが、臭い抑制効果、抗菌効果において効果の出方が幾分異なっており、2種以上の組み合わせがよいことが分かる。
実施例2,5においてノニオン界面活性剤の種類の相異を見ているが、相異がないことが分かる。
実施例6〜10において(b)成分ポリマーの種類と効果の関係を見ているが、本発明で使用する(b)成分であるb−1〜b−6を使用している場合、評価において大差はなく、良好であることが分かる。
(a)成分量としては、実施例11,12にて理解されるように、15質量%〜50質量%がより好ましいことが分かる。
(b)成分量としては、実施例13,14にて理解されるように、0.5質量%〜5質量%がより好ましいことが分かる。
(c)成分量としては、実施例15,16にて理解されるように、0.02質量%〜0.2質量%がより好ましいことが分かる。
実施例17〜21において、(b)/(c)比を変動させているが、3〜150の範囲内にあれば、良好な評価が得られることが分かる。
比較例1は(a)成分がない組成であり、比較例2は(b)成分がない組成であり、比較例3は(c)成分がない組成であり、これらから本願の目的のためには、(a)+(b)+(c)の組み合わせは必須であることが分かる。
比較例4、5では、一般式(1)で表される共重合体のうちP/Q比が本発明で限定している範囲(0.25〜9.0)を外れている共重合体を使用しているが、その内の比較例4は、エタノールなどの合成溶媒や、洗浄剤組成物調製における界面活性剤((a)成分)含有水溶液に不溶であり、効果測定に至っていない。また、比較例5は実用的な効果が得られない結果となっている。
比較例6では(a)成分の替わりに比較品を用いており、比較例7では(b)成分の替わりに比較品を用いているが、両例とも臭い抑制や抗菌性などの機能が不十分となることが分かる。
また、比較例8〜10では、(c)成分の替わりに、本発明で特定しているBHT、BHA、IPMP以外の機能性成分(比較品)を用いているが、臭い抑制や抗菌性などの機能が不十分となることが分かる。このようなBHT、BHA、IPMP以外の機能性成分と、本発明で限定使用するBHT、BHA、IPMPとの性能評価において大きな相異があるが、その理由について検討したところ、(c)成分と(b)成分との親和性における差異によるものであることが推測された。その検討結果を以下に示す。
((c)成分と(b)成分との親和性評価)
本発明で使用するブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)の3種の機能性成分(b)の他、本発明の課題である、衣類の洗濯・乾燥の後に発生する、菌や酸化に由来した異臭や悪臭に対して高い抑制効果を発揮し得ると一般に考えられるパラヒドロキシアニソール(4−メトキシフェノール)、トリクロサン、塩化ベンゼトニウム、ビタミンE(トコフェロール)、緑茶抽出物(カテキン)、ローズマリー抽出物(ローズマリー酸)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、チオジプロピオン酸ジラウリルについて、それらの分子量と、親水性の強さ(無機性値/有機性値)との関係を調べた。親水性の強さ(無機性値/有機性値)については、甲田善生、佐藤四郎、本間善夫、「新版 有機概念図 基礎と応用」、三共出版(2008)の開示計算式を用いて求めた。上記化合物について、分子量を縦軸に、親水性の強さ(無機性値/有機性値)を横軸にとって、各化合物のデータをプロットした。その結果を、図1に示す。
図1から分かるように、BHT、BHA、IPMPは、分子量:100〜250、無機性値/有機性値:0.4〜0.7の範囲に入っており、他の化合物はこの範囲に入っていない。分子量:100〜250、無機性値/有機性値:0.4〜0.7の範囲は、図1から分かるように、分子量および無機性値/有機性値が同時に最も小さい領域に相当しており、このことが、特にBHT、BHA、IPMPが本発明に使用する水溶性共重合体(b)への親和性が高いことの理由であると推測された。
以上のように、本発明にかかる液体洗浄剤組成物は、洗濯、乾燥後に発生する、菌や酸化に由来する異臭や悪臭を効果的に抑制できる。

Claims (4)

  1. (a)ノニオン界面活性剤、(b)ベタイン基と疎水基を有する水溶性共重合体、(c)ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)から選ばれる少なくとも1種の機能性成分、を含有する液体洗浄剤組成物。
  2. 上記(b)成分が、下記一般式(1):
    Figure 2011219532
    (R ,R :それぞれ水素原子またはメチル基、R,R :それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基、R :水素原子、メチル基またはエチル基、R:炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基)で表わされ、P/Q比が質量比基準で0.25〜9.0である請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
  3. (a)成分が15〜50質量%、(b)成分が0.5〜5.0質量%、(c)成分が0.02〜0.2質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体洗浄剤組成物。
  4. (b)成分/(c)成分比(質量比)が10〜60であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体洗浄剤組成物。
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JP2019034986A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 ライオン株式会社 液体洗浄剤組成物の製造方法
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