JP2014028942A - 繊維製品用の液体洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】液安定性が良好であり、かつ殺菌効果をより高められる繊維製品用の液体洗浄剤を提供する。
【解決手段】(A)成分:特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート及び特定のアルコールアルコキシレートから選択される1種以上と、(B)成分:特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート及び特定のアルコールアルコキシレートから選択される1種以上と、(C)成分:4級アンモニウム化合物、3級アミン化合物、2級アミン化合物、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体及びビグアニド化合物から選択される1種以上(c1)、又は水溶性銀塩(c2)と、を含有し、(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜3であり、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分が特定の範囲であることよりなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用の液体洗浄剤に関する。
近年、清潔志向の高まりから、繊維製品用の液体洗浄剤には、繊維製品に付着した汚れを除去すること(洗浄効果)に加え、繊維製品から発生する不快な臭気を除去したり、繊維製品からの不快な臭気が発生するのを防止したりできることが求められている。
繊維製品から発せられる不快な臭気の原因の多くは、繊維製品に付着した微生物が繊維製品の乾燥中や保管中に増殖することにある。
カチオン界面活性剤は殺菌効果を有するが、繊維製品用の液体洗浄剤の洗浄効果を高めるためにアニオン界面活性剤を併用すると、カチオン界面活性剤の殺菌効果が十分に発揮されないという問題があった。
また、殺菌効果を有する化合物として銀化合物が知られている。しかし、銀化合物は、水中で銀イオンを放出し、この銀イオンが水道水中の塩化物イオンと塩化銀を形成して析出してしまうため、十分な殺菌効果を発揮できないという問題がある。
こうした問題に対し、例えば、オキシアルキレン基を有する2種のノニオン界面活性剤と、4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤と、特定のアニオン界面活性剤と特定の溶剤と、グリコール類とを特定の比率で含有する衣料用液体洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、抗菌性・消臭性付与性能、液安定性の向上が図られている。
また、例えば、オキシアルキレン基を有する特定のノニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤と、ハイドロトロープ剤と、過酸化水素と、水混和性溶剤と、水とを特定の比率で含有する液体洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、消臭性及び保存安定性の向上が図られている。
特開2011−137112号公報 特開2011−246585号公報
しかしながら、繊維製品用の液体洗浄剤には、殺菌効果のさらなる向上が求められている。
本発明者らが検討したところ、以下の知見を得た。特許文献1〜2の発明で用いられているノニオン界面活性剤は、オキシアルキレン基の繰り返し数が少ないほど、殺菌効果を高められるものの、水に溶解しにくくなる。このため、殺菌効果を高めるために、単に、オキシアルキレン基の繰り返し数が少ないノニオン界面活性剤を採用すると、液安定性が損なわれやすい。特に、界面活性剤の含有量を高めた濃縮タイプの液体洗浄剤において、液安定性が損なわれやすい。
そこで、本発明は、液安定性が良好であり、かつ殺菌効果をより高められる繊維製品用の液体洗浄剤を目的とする。
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤は、
(A)成分:下記一般式(a1)で表される化合物及び下記一般式(a2)で表される化合物から選択される1種以上と、
(B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物及び下記一般式(b2)で表される化合物から選択される1種以上と、
(C)成分:4級アンモニウム化合物、3級アミン化合物、2級アミン化合物、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体及びビグアニド化合物から選択される1種以上(c1)、又は水溶性銀塩(c2)と、を含有し、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜3であり、
(C)成分が(c1)成分である場合、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が0.1〜100であり、
(C)成分が(c2)成分である場合、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が10〜10000であることを特徴とする。
−CO(ORm1OR ・・・(a1)
[(a1)式中、Rは炭素数9の炭化水素基、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m1は(OR)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
−O(RO)m2H ・・・(a2)
[(a2)式中、Rは炭素数10の炭化水素基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m2は(RO)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
11−CO(OR12n1OR13 ・・・(b1)
[(b1)式中、R11は炭素数11〜13の炭化水素基、R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R12は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n1は(OR12)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
14−O(R15O)n2H ・・・(b2)
[(b2)式中、R14は炭素数11〜14の炭化水素基を表す。R15は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n2は(R15O)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤によれば、液安定性と、殺菌効果の向上とを図れる。
(繊維製品用の液体洗浄剤)
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤(以下、単に液体洗浄剤ということがある)は、下記(A)〜(C)成分を含有するものである。
(A)成分:下記一般式(a1)で表される化合物(以下、(a1)成分ということがある)及び下記一般式(a2)で表される化合物(以下、(a2)成分ということがある)から選択される1種以上。
−CO(ORm1OR ・・・(a1)
[(a1)式中、Rは炭素数9の炭化水素基、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m1は(OR)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
−O(RO)m2H ・・・(a2)
[(a2)式中、Rは炭素数10の炭化水素基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m2は(RO)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
(B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物(以下、(b1)成分ということがある)及び下記一般式(b2)で表される化合物(以下、(b2)成分ということがある)から選択される1種以上。
11−CO(OR12n1OR13 ・・・(b1)
[(b1)式中、R11は炭素数11〜13の炭化水素基、R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R12は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n1は(OR12)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
14−O(R15O)n2H ・・・(b2)
[(b2)式中、R14は炭素数11〜14の炭化水素基を表す。R15は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n2は(R15O)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
(C)成分:4級アンモニウム化合物、3級アミン化合物、2級アミン化合物、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、及びビグアニド化合物から選択される1種以上(c1)、又は水溶性銀塩(c2)。
<(A)成分>
(A)成分は、(a1)成分と(a2)成分とから選択される1種以上である。液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、殺菌効果を高められる。
(A)成分としては、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、(a1)成分が好ましい。
≪(a1)成分≫
(a1)成分は、下記一般式(a1)で表される化合物、即ち、特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートである。
−CO(ORm1OR ・・・(a1)
(a1)式中、Rは炭素数9の炭化水素基である。
は、不飽和結合を有していてもよいし、不飽和結合を有していなくてもよい。
は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
としては、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましい。
は炭素数2〜4のアルキレン基であり、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。即ち、(OR)は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
m1は(OR)の平均繰り返し数(即ち、アルキレンオキシドの平均付加モル数)を表す2〜4の数である。m1が小さいほど、殺菌効果を高められるものの、水に溶解しにくくなり、液安定性が損なわれる場合がある。このため、m1は3〜4であることが好ましい。
(ORm1は、1種のオキシアルキレン基で構成されていてもよいし、2種以上のオキシアルキレン基で構成されていてもよい。
は炭素数1〜3のアルキル基であり、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数1のアルキル基(即ち、メチル基)が好ましい。
(a1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(a1)成分は、例えば、公知の触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステル(R−COOR)に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させることで、容易に製造される。この際、用いられる触媒によって、m1の分布(即ち、アルキレンオキシドの付加モル数の分布)は変動する。
例えば、触媒として、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いた場合、m1は、比較的広い分布となる。また、例えば、特公平6−15038号に記載された複合金属酸化物(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム)等を用いた場合には、m1は比較的狭い分布となる。
また、例えば、脂肪酸(R−COOH)又は脂肪酸アルキルエステル(R−COOR)と、(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルとのエステル交換反応により、(a1)成分を製造してもよい。
≪(a2)成分≫
(a2)成分は、下記一般式(a2)で表される化合物、即ち、特定のアルコールアルコキシレートである。
−O(RO)m2H ・・・(a2)
(a2)式中、Rは炭素数10の炭化水素基である。
は、不飽和結合を有していてもよいし、不飽和結合を有していなくてもよい。
は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
としては、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましい。
は炭素数2〜4のアルキレン基であり、殺菌効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。即ち、(RO)は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
m2は(RO)の平均繰り返し数(即ち、アルキレンオキシドの平均付加モル数)を表す2〜4の数である。m2が小さいほど、殺菌効果を高められるものの、水に溶解しにくくなり、液安定性が損なわれる場合がある。このため、m2は3〜4であることが好ましい。
(RO)m2は、1種のオキシアルキレン基で構成されていてもよいし、2種以上のオキシアルキレン基で構成されていてもよい。
(a2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(a2)成分は、例えば、公知の触媒を用いて、アルコール(ROH)に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加することにより製造される。この際、用いられる触媒によって、m2の分布は変動する。
例えば、触媒として、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いた場合、m2は、比較的広い分布となる。また、例えば、特公平6−15038号に記載された複合金属酸化物等を用いた場合には、m2は比較的狭い分布となる。
原料のアルコールとしては、ヤシ油、パーム油、牛脂等の天然油脂由来のアルコールや石油由来のアルコールが使用できる。
また、例えば、アルコール(ROH)と(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルとのエステル交換反応により、(a2)成分を製造してもよい。
(a2)成分としては、例えば、NIKKOL BD−3SY(日光ケミカルズ株式会社製)等、炭素数10の直鎖アルコールに対し3モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ノイゲンSD−30(第一工業製薬株式会社製)、ルテンゾールON−30(BASF社製)等、炭素数10の分岐鎖アルコールに対し3モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ノイゲンXL40(第一工業製薬株式会社製)、ルテンゾールXL−40(BASF社製)等、ゲルベ反応により生成した炭素数10の分岐鎖アルコールに4モル相当のエチレンオキシドを付加したもの等が挙げられる。
液体洗浄剤中、(A)成分の含有量は、0.3〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。上記下限値未満では、殺菌効果が低下するおそれがあり、上記上限値超では、液安定性が低下するおそれがある。
<(B)成分>
(B)成分は、(b1)成分と(b2)成分とから選択される1種以上である。液体洗浄剤は、(B)成分を含有することで、液安定性を高められ、かつ良好な洗浄効果を発揮できる。
(B)成分としては、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、(b1)成分が好ましい。
≪(b1)成分≫
(b1)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物、即ち、特定の脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートである。
11−CO(OR12n1OR13 ・・・(b1)
(b1)式中、R11は炭素数11〜13の炭化水素基である。
11は、不飽和結合を有していてもよいし、不飽和結合を有していなくてもよい。
11は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、液安定性のさらなる向上、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
11としては、液安定性のさらなる向上、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましい。
12は炭素数2〜4のアルキレン基であり、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。即ち、(OR12)は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
n1は(OR12)の平均繰り返し数(即ち、アルキレンオキシドの平均付加モル数)を表す7〜22の数である。液安定性及び洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、n1は12〜18が好ましい。
(OR12n1は、1種のオキシアルキレン基で構成されていてもよいし、2種以上のオキシアルキレン基で構成されていてもよい。
13は炭素数1〜3のアルキル基であり、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数1のアルキル基(即ち、メチル基)が好ましい。
(b1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(b1)成分において、下記(1)式で表されるナロー率Wは、20質量%以上が好ましく、上限値としては80質量%以下が好ましい。ナロー率Wは、アルキレンオキシドの付加モル数が異なるアルキレンオキシド付加体の分布の割合を意味する。ナロー率Wは、20〜60質量%がより好ましく、低温での液安定性のさらなる向上、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、30〜45質量%がさらに好ましい。
ナロー率Wが高いほど、(b1)成分の原料臭気を低減でき、かつ洗浄効果をより高められる。これは、(b1)成分と共存する、該(b1)成分の原料である脂肪酸アルキルエステル、(b1)式中のn1=1〜2である脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートの含有量が少なくなるためであると考えられる。
Figure 2014028942
(1)式中、nmaxは、アルキレンオキシド付加体((b1)成分)中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体のアルキレンオキシドの付加モル数を示す。iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。Yiは全体のアルキレンオキシド付加体中に存在する、アルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
(b1)成分は、例えば、公知の触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステル(R11−COOR13)に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加させることで、容易に製造される。この際、用いられる触媒によって、n1の分布(即ち、ナロー率W)は変動する。
例えば、触媒として、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いた場合、n1は、比較的広い分布となる(ナロー率Wが低い)。また、例えば、特公平6−15038号に記載された複合金属酸化物や、特開2000−144179号公報、特開2009−221150号公報に記載の、表面改質された複合金属酸化物等をアルコキシル化触媒として用いた場合には、n1は比較的狭い分布となる(ナロー率Wが高い)。
表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等の表面改質剤により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒が挙げられる。
複合金属酸化物の表面改質においては、複合金属酸化物100質量部に対する表面改質剤の使用量が、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。前記使用量が0.5質量部以上であれば、改質効果を得られやすい。また、前記使用量が10質量部以下であれば、十分な触媒活性を得られやすい。また、複合金属酸化物の表面改質に用いる表面改質剤の使用量を制御することにより、複合金属酸化物触媒により製造される(b1)成分のナロー率Wを制御できる。表面改質剤の使用量が多いほど、ナロー率Wの高い(b1)成分を得られる。
また、例えば、脂肪酸(R11−COOH)又は脂肪酸アルキルエステル(R11−COOR13)と、(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルとのエステル交換反応により、(b1)成分を製造してもよい。
≪(b2)成分≫
(b2)成分は、下記一般式(b2)で表される化合物、即ち、特定のアルコールアルコキシレートである。
14−O(R15O)n2H ・・・(b2)
(b2)式中、R14は、炭素数11〜14の炭化水素基であり、炭素数12〜14の炭化水素基が好ましい。
14は、不飽和結合を有していてもよいし、不飽和結合を有していなくてもよい。
14は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、液安定性のさらなる向上、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状又は分岐鎖状のものが好ましい。
14としては、液安定性のさらなる向上、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましい。
加えて、R14としては、第2級アルコール由来のものが好ましい。
15は炭素数2〜4のアルキレン基であり、洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。即ち、(R15O)は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
n2は(R15O)の平均繰り返し数(即ち、アルキレンオキシドの平均付加モル数)を表す7〜22の数である。液安定性及び洗浄効果のさらなる向上を図る観点から、n2は11〜17が好ましい。
(R15O)n2は、1種のオキシアルキレン基で構成されていてもよいし、2種以上のオキシアルキレン基で構成されていてもよく、中でも、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基で構成されたものが好ましい。
(b2)成分としては、R14が直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素であり、(R15O)n2が、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基で構成されたものが好ましい。
(b2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(b2)成分は、例えば、公知の触媒を用いて、アルコール(R14OH)に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加することにより製造される。この際、用いられる触媒によって、n2の分布は変動する。
例えば、触媒として、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いた場合、n2は、比較的広い分布となる。また、例えば、特公平6−15038号に記載された複合金属酸化物等を用いた場合には、n2は比較的狭い分布となる。
原料のアルコールとしては、ヤシ油、パーム油、牛脂等の天然油脂由来のアルコールや石油由来のアルコールが使用できる。
また、例えば、アルコール(R14OH)と(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルとのエステル交換反応により、(b2)成分を製造してもよい。
(b2)成分としては、例えば、ソフタノール90、120、150(日本触媒株式会社製)等、炭素数12〜14の第2級アルコールに9、12又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ソフタノールEP7025(日本触媒株式会社製)等、炭素数12〜14の第2級アルコールに7モル相当のエチレンオキシド及び2.5モル相当のプロピレンオキシドを付加したもの;ソフタノールEP9050(日本触媒株式会社製)等、炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当のエチレンオキシド及び5モル相当のプロピレンオキシドを付加したもの;ソフタノールEP1205W(日本触媒株式会社製)等、炭素数12〜14の第2級アルコールに12モル相当のエチレンオキシド及び5モル相当のプロピレンオキシドを付加したもの等が挙げられる。
液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。上記下限値未満では、分離しやすくなり、上記上限値超では、ゲル化しやすくなる。
液体洗浄剤中、(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、A/B比ということがある)は、0.1〜3であり、0.2〜0.5が好ましく、0.2〜0.3がさらに好ましい。上記下限値未満では、殺菌効果が不十分となり、上記上限値超では、液安定性が損なわれる。
<(C)成分>
(C)成分は、4級アンモニウム化合物(以下、(c1−1)成分ということがある)、3級アミン化合物(以下、(c1−2)成分ということがある)、2級アミン化合物(以下、(c1−3)成分ということがある)、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体(以下、(c1−4)成分ということがある)、及びビグアニド化合物(以下、(c1−5)成分ということがある)から選択される1種以上(c1)(以下、(c1)成分ということがある)、又は水溶性銀塩(c2)(以下、(c2)成分ということがある)である。液体洗浄剤は、(C)成分を含有することで、殺菌効果を発揮する。
≪(c1)成分≫
(c1)成分は、(c1−1)成分、(c1−2)成分、(c1−3)成分、(c1−4)成分及び(c1−5)成分から選択される1種以上である。
[(c1−1)成分]
(c1−1)成分は、4級アンモニウム化合物であり、従来、殺菌剤として用いられているものであればよく、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)下記一般式(c1−1−1)で表される、モノアルキル型又はジアルキル型カチオン界面活性剤。
Figure 2014028942
(c1−1−1)式中、R21〜R24は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、少なくとも2つ以上が炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である。
好ましくは、R21〜R24の内、2つ以上が炭素数1のアルキル基であり、それ以外は炭素数10〜18の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。より好ましくは、R21〜R24の内、2つが炭素数1のアルキル基で、他の2つが炭素数10〜21の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基であるか、R21〜R24の内、3つが炭素数1のアルキル基で、1つが炭素数12〜18の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。さらに好ましくは、R21〜R24の内、3つが炭素数1のアルキル基で、1つが炭素数12〜14の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。このような(c1−1)成分であれば、殺菌効果のさらなる向上を図れる。
21〜R24の内、最も長いアルキル基の炭素数は、10〜18が好ましく、10〜16がより好ましく、14がさらに好ましい。
は、対イオンを示し、ハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンであり、汎用性の点から塩素イオンが好ましい。
(2)下記(c1−1−2)式で表されるベンザルコニウム塩。
Figure 2014028942
(c1−1−2)式中、R31〜R32は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R34は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基、R33は炭素数1〜3のアルキレン基である。
34の炭素数は10〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。上記範囲内であれば、殺菌効果のさらなる向上を図れる。
は、対イオンを表し、ハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンである。
ベンザルコニウム塩としては、アーカードCB(ライオンアクゾ株式会社製)、ハイアミン3500−J(ロンザジャパン株式会社製)、オスバンS(日本製薬株式会社製)等が挙げられる。
(3)下記一般式(c1−1−3)で表されるエチレンオキシド付加型4級カチオン界面活性剤。
Figure 2014028942
(c1−1−3)式中、R41〜R42は、それぞれ独立して、炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のヒドロキシアルキル基、メチル基、トリル基であり、R41〜R42の内、少なくとも1つは、炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のヒドロキシアルキル基である。
EOは、オキシエチレン基を表す。
x、yは、それぞれ、オキシエチレン基の平均繰り返し数を表し、x+yは、2〜30である。x+yが上記範囲内であれば殺菌効果のさらなる向上を図れる。
は、対イオンを表し、ハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンである。
エチレンオキシド付加型4級カチオン界面活性剤としては、エソカードC/12(ライオンアクゾ株式会社製)等が挙げられる。
(4)下記一般式(c1−1−4)で表されるセチルピリジニウム塩。
Figure 2014028942
(c1−1−4)式中、Z は、対イオンを表し、ハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンである。
セチルピリジニウムとしては、汎用性の点で、Z が塩素イオン、即ち、塩化セチルピリジニウムが好ましい。塩化セチルピリジニウムとしては、和光純薬工業株式会社等の市販品が用いられてもよい。
(c1−1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
[(c1−2)成分]
(c1−2)成分は、3級アミン化合物であり、従来、殺菌剤として用いられているものであればよい。(c1−2)成分としては、例えば、下記一般式(c1−2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014028942
(c1−2)式中、R51は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基である。R51は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、中でも直鎖状が好ましい。R51が直鎖状であれば、液体洗浄剤の殺菌効果をより高められる。
51の炭素数は、8〜18であり、8〜14が好ましく、12がより好ましい。上記下限値未満では殺菌効果が不十分となり、上記上限値超では水への溶解性が低下する。
wは、1〜4の数であり、2〜4が好ましく、3がより好ましい。上記範囲内であれば良好な殺菌効果を発揮できる。
(c1−2)成分としては、N,N−ビス(3−アミノメチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノメチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノメチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノメチル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノエチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノエチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノエチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノエチル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノプロピル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノプロピル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノブチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノブチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノブチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノブチル)アルキルアミン等が挙げられ、中でも、N,N−ビス(3−アミノプロピル)アルキルアミンが好ましく、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンがより好ましい。これらの(c2)成分は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)又は脂肪酸塩等のアニオン界面活性剤が存在しても殺菌効果が低下しにくい点で好ましい。
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンとしては、トリアミンY12D(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)、ロンザバック12−100(商品名、ロンザジャパン株式会社製)等が挙げられる。
(c1−2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
[(c1−3)成分]
(c1−3)成分は、2級アミン化合物であり、従来、殺菌剤として用いられているものであればよい。(c1−3)成分としては、例えば、下記一般式(c1−3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014028942
(c1−3)式中、R61は炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基である。R61の炭素数が上記範囲内であれば良好な殺菌効果を発揮できる。
(c1−3)成分としては、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパンとしては、デュオミンCD(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等が挙げられる。
(c1−3)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
[(c1−4)成分]
(c1−4)成分は、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体であり、下記一般式(c1−4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014028942
(c1−4)式中、pは平均重合度を示し、例えば、6〜6000が好ましく、60〜1200がより好ましい。
は対イオンを示し、ハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンであり、汎用性の点から塩素イオンが好ましい。
(c1−4)成分の分子量は、1000〜1000000が好ましく、10000〜200000がより好ましい。分子量が上記範囲内であれば、良好な殺菌効果を発揮できる。
(c1−4)成分としては、マーコート100(商品名、ナルコ社製)、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L(商品名、日東紡績株式会社製)等が挙げられる。
(c1−4)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
[(c1−5)成分]
(c1−5)成分は、ビグアニド化合物であり、例えば、下記一般式(c1−5)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014028942
(c1−5)式中、qは2〜14であり、11〜13が好ましく、12がより好ましい。
HYは、有機酸又は無機酸であり、塩酸、グルコン酸、酢酸が好ましく、塩酸がより好ましい。
(c1−5)成分としては、例えば、(c1−5)式中のqが12であり、HYが塩酸である、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩(商品名:Proxel IB、ロンザジャパン株式会社製)等が挙げられる。
(c1−5)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上述した(c1)成分の中でも、液体洗浄剤の粘度の上昇を抑える観点からは、(c1−1)〜(c1−3)、(c1−5)成分が好ましく、液安定性のさらなる向上を図る観点から(c1−1)〜(c1−2)成分がより好ましく、上記(c1−1−1)式で表されるモノアルキル型又はジアルキル型カチオン界面活性剤、(c1−2)成分がさらに好ましく、上記(c1−1−1)式で表されるモノアルキル型又はジアルキル型カチオン界面活性剤が特に好ましい。
≪(c2)成分≫
(c2)成分は、水溶性銀塩である。(c2)成分としては、水に溶解するものであり、その際に銀イオンを放出するものであれば特に限定されない。
「水溶性」とは、20℃の水に対する溶解度が0.01g/100g以上であるこという。(c2)成分の溶解度は、0.1g/100g以上が好ましい。
(c2)成分としては、例えば、硫酸銀、硝酸銀、酢酸銀、フッ化銀、過塩素酸銀等が挙げられる。中でも、取り扱い性及び臭気の点で、硫酸銀、硝酸銀、酢酸銀が好ましく、硫酸銀がより好ましい。
これらの(c2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、(C)成分の種類等を勘案して決定される。(C)成分が(c1)成分であれば、液体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。上記下限値未満では、殺菌効果が低下するおそれがあり、上記上限値超では、液安定性が低下するおそれがある。
(C)成分が(c2)成分であれば、液体洗浄剤中の(C)成分の含有量は、例えば、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。上記下限値未満では、殺菌効果が低下するおそれがあり、上記上限値超では、液安定性が低下するおそれがある。また、上記上限値超としても、殺菌効果は飽和し、経済的にも不利となる。
(C)成分が(c1)成分である場合、液体洗浄剤中、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比(以下、(A+B)/C比ということがある)は、0.1〜100であり、1〜100が好ましく、2〜100がより好ましく、4〜25がさらに好ましい。(A+B)/C比が上記上限値超では、(C)成分の含有量が少なくなりすぎて、殺菌効果が不十分になる。上記下限値未満では、(A)成分と(B)成分との含有量が少なくなりすぎて、(C)成分の殺菌効果を十分に高められない。
(C)成分が(c2)成分である場合、液体洗浄剤中の(A+B)/C比は、10〜10000であり、20〜5000が好ましく、50〜2000がより好ましく、100〜1000がさらに好ましい。(A+B)/C比が上記上限値超では、(C)成分の含有量が少なくなりすぎて、殺菌効果が不十分になる。上記下限値未満では、(A)成分と(B)成分との含有量が少なくなりすぎて、(C)成分の殺菌効果を十分に高められない。
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤は、(A)〜(C)成分以外に、(A)〜(C)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、可溶化剤(又は減粘剤)、金属イオン捕捉剤、酸化防止剤、防腐剤、洗浄性ビルダー、風合い向上剤、pH調整剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁剤、蛍光剤、酵素、エキス等の任意成分を含有できる。
任意界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、(A)〜(B)成分以外のノニオン界面活性剤(任意ノニオン界面活性剤)、(C)成分以外のカチオン界面活性剤(任意カチオン界面活性剤)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、SO基又はSO基を有するものが挙げられる。このようなアニオン界面活性剤を含有することで、再汚染防止効果を発揮できる。
SO基又はSO基を有するアニオン界面活性剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したもの(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩の炭素数は、10〜20が好ましく、14〜17がより好ましい。中でも、二級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
これらのアニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、市場において入手したものであってもよいし、公知の方法により合成したものであってもよい。
また、アニオン界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸等の高級脂肪酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの両性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
任意ノニオン界面活性剤としては、(A)〜(B)成分を除くものであれば特に限定されない。
任意ノニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
任意カチオン界面活性剤としては、(C)成分を除くものであれば特に限定されない。
任意カチオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の任意界面活性剤の含有量は、種類等を勘案して決定され、例えば、0.1〜15質量%とされる。
加えて、液体洗浄剤中の任意界面活性剤の含有量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対し、0.2〜30質量部が好ましい。上記下限値未満では、任意界面活性剤を配合した効果を得られにくく、上記上限値超では、液安定性が低下するおそれがある。
可溶化剤又は減粘剤としては、パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩、クメンスルホン酸塩、尿素等が挙げられる。液体洗浄剤中の可溶化剤又は減粘剤の含有量は、例えば、0.01〜15質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。液体洗浄剤中の金属イオン捕捉剤の含有量は、例えば、0.1〜20質量%とされる。
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。液体洗浄剤中の酸化防止剤の含有量は、例えば、0.01〜2質量%とされる。
防腐剤としては、ケーソンCG(商品名、ローム・アンド・ハ−ス社製)等が挙げられる。液体洗浄剤中の防腐剤の含有量は、例えば、0.001〜1質量%とされる。
洗浄性ビルダーとしては、従来公知のものが用いられ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン等のアルカノールアミン等のアルカリビルダーが挙げられる。
風合い向上剤としては、東レ・ダウコーニング株式会社製のFZ−3707、FZ−3504、BY16−205、FZ−3760、FZ−3705、BY16−209、FZ−3710、SF8417、BY16−849、BY16−850、BY16−879B、BY16−892、FZ3501、FZ−3785、BY16−872、BY16−213、BY16−203、BY16−898、BY16−890、BY16−878、BY16−891、BY16−893、FZ−3789、BY16−880、SF8428、FZ−3704、BY16−606、CF1188HV、SH3748、SH3794、SH3772M、SH3775M、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZF1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−22−22;信越化学工業株式会社製のX−20−8010B、KF352A、KF6008、KF615A、KF6012、KF6016、KF6017;GE東芝シリコーン株式会社製のTSF4450、TSF4452、TSF4445(以上、商品名)等の変性シリコーン等が挙げられる。
液体洗浄剤中の、上記変性シリコーンの含有量は、例えば、0.1〜3質量%とされる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;アルカノールアミン、アンモニア等の有機塩基が挙げられる。中でも、液体洗浄剤の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。例えば、任意の量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加することにより制御した場合、さらに、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加してもよい。
再汚染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
着香剤としては、例えば、特開2002−146399号公報や特開2009−108248号公報に記載の香料組成物等が挙げられる。
液体洗浄剤中の着香剤の含有量は、例えば、0.1〜2質量%とされる。
着色剤としては、例えば、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、黄色203号ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。液体洗浄剤中の着色剤の含有量は、例えば、0.00005〜0.005質量%とされる。
乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション等が挙げられ、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。好ましい乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション(サイビノールRPX−196 PE−3(商品名)、固形分40質量%、サイデン化学株式会社製)等が挙げられる。液体洗浄剤中の乳濁剤の含有量は、例えば、0.01〜0.5質量%とされる。
蛍光剤としては、例えば、ジスチリルビフェニル型の蛍光剤が挙げられる。液体洗浄剤中の蛍光剤の含有量は、例えば、0〜1質量%とされる。
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。液体洗浄剤中の酵素の含有量は、例えば、0〜1質量%とされる。
酵素を用いる場合、該酵素を安定化する点から、ホウ酸、硼砂、蟻酸やその塩、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等の酵素安定化剤を用いてもよい。液体洗浄剤中の酵素安定化剤の含有量は、例えば、0〜3質量%とされる。
エキスとしては、天然物由来のものが挙げられ、例えば、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物エキスが挙げられる。液体洗浄剤中のエキスの含有量は、例えば、0〜0.5質量%とされる。
<物性>
液体洗浄剤のpHは、特に限定されないが、好ましくは4〜9、より好ましくは4〜8とされる。pHが上記範囲内であれば、長期間の保存において、液安定性をより高められる。
液体洗浄剤のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社)を用いて25℃で測定される値である。
液体洗浄剤の粘度は、特に限定されないが、例えば、50〜200mPa・sが好ましい。粘度が上記範囲内であれば、液体洗浄剤を計量する際の取り扱いが良好である。
なお、液体洗浄剤の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)により測定される値(測定条件:ロータNo.2、回転数30rpm、10回転後の粘度)である。
<製造方法>
本発明の液体洗浄剤は、常法により製造される。液体洗浄剤の製造方法としては、例えば、(A)〜(C)成分及び必要に応じて任意成分を水等の分散媒と混合する方法が挙げられる。
<使用方法>
本発明の液体洗浄剤の使用方法(洗浄方法)は、一般的な液体洗浄剤の使用方法と同様である。例えば、液体洗浄剤を被洗浄物と共に水に入れ、洗濯機で洗浄する方法、液体洗浄剤を被洗浄物に直接塗布する方法、洗浄剤を水に溶解して洗浄液とし、この洗浄液に被洗浄物を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗浄物に塗布し、適宜放置した後、洗濯機等を用いて洗浄してもよい。
被洗浄物である繊維製品としては、例えば、衣料、布巾、シーツ、カーテン等の繊維製品が挙げられ、中でも、衣料が好ましい。
洗浄液中の液体洗浄剤の含有量は、例えば、洗浄液中の(A)成分の含有量が1〜1000質量ppmとなる量が好ましく、10〜100質量ppmとなる量がより好ましい。上記範囲内であれば、殺菌効果のさらなる向上を図れる。
上述したように、本発明の液体洗浄剤によれば、(C)成分を含有するため、殺菌効果を発揮できる。加えて、(A)〜(B)成分を特定の質量比で含有し、かつ(A+B)/C比が特定の範囲であるため、殺菌効果を相乗的に高め、かつ液安定性に優れる。
(A)〜(C)成分を含有することで、液安定性が良好であり、かつ殺菌効果をより高められる理由は明らかではないが、以下のように推測する。
(A)成分は、微生物の細胞膜に対し(C)成分の浸透性を高めて、殺菌効果をより高められると考えられる。
また、一般に、ノニオン界面活性剤と、(c1)成分とが存在すると、(c1)成分は、洗浄液中でノニオン界面活性剤のミセル中に取り込まれて、殺菌対象となる微生物等に接触しにくくなる。この際、ノニオン界面活性剤におけるオキシアルキレン基の数が少ない(即ち、親水部分が小さい)ほど、ノニオン界面活性剤のミセルの形状は不安定となり、(c1)成分の親水部分がノニオン界面活性剤のミセル表面に現れやすくなる。このため、オキシアルキレン基の数が少ない(A)成分を用いることで、(c1)成分が微生物等に接触しやすくなると考えられる。
ところが、(A)成分は、オキシアルキレン基の数が少ないため、比較的、水に分散しにくい。このため、オキシアルキレン基の数が多い(B)成分を含有することで、水への(A)成分の分散性を高め、液安定性を高められる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
≪(a1)成分≫
(1)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C10EO2)):(a1)式中、Rが炭素数9の直鎖アルキル基、Rが炭素数1のアルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m1が2のもの(C19CO(OCHCHm1OCH、m1=平均2)。下記調製例1で得られたもの。
[調製例1]MEE(C10EO2)の調製
1L容量の四つ口フラスコに還流管を取り付け、この還流管の先に凝縮管を取り付けて反応容器とし、この反応容器にマグネット式攪拌機を取り付けて反応装置とした。反応容器内にカプリン酸(東京化成工業株式会社製、純度98%)226gと、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)157gとを入れ、70℃に昇温させた。その後、パラトルエンスルホン酸・一水塩(PTS酸、協和発酵ケミカル株式会社製)2.5gと、ジブチルヒオドロキシトルエン(BHT、製品名:K−NOX、Degussa社製)0.25gとを反応容器に入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した。還流管に80℃の水を通流させると共に、反応容器内を26660Paとした。次いで、150℃まで1時間かけて昇温させた後、同温度で1時間加熱した。反応容器内を2時間かけて1330Paまで減圧した。その後、反応温度と1330Paの気圧を保ち、エステル化反応を行なった。反応温度に達してから7時間経過した時点で、反応容器内の反応物を60℃に冷却した。冷却した反応物90gを取り出し、水5gを加えて1N水酸化ナトリウム水溶液(滴定用試薬)を滴下してpH8.0(50℃)に調整した。PTS酸を中和し、エステル化反応を停止させた。全量が100gとなるように水を加え、ナロー率95質量%のMEE(C10EO2)の水溶液を得た。
(2)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C10EO3)):(a1)式中、Rが炭素数9の直鎖アルキル基、Rが炭素数1のアルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m1が3のもの(C19CO(OCHCHm1OCH、m1=平均3)。下記調製例2で得られたもの。
[調製例2]MEE(C10EO3)の調製
ジエチレングリコールモノメチルエーテルに換えて、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)215gを用いた以外は、調製例1と同様にして、MEE(C10EO3)を得た。
(3)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C10EO4)):(a1)式中、Rが炭素数9の直鎖アルキル基、Rが炭素数1のアルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m1が4のもの(C19CO(OCHCHm1OCH、m1=平均4)。下記調製例3で得られたもの。
[調製例3]MEE(C10EO4)の調製
ジエチレングリコールモノメチルエーテルに換えて、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)274gを用いた以外は、調製例1と同様にして、MEE(C10EO4)を得た。
≪(a2)成分≫
(1)アルコールエトキシレート(AE(C10EO4)):(a2)式中、Rが炭素数10の直鎖アルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m2が4のもの(C1021−O(OCHCHm2H、m2=平均4)。下記調製例4で得られたもの。
[調製例4]AE(C10EO4)の調製
特開2009−221150号公報の記載に準じて、AE(C10EO4)を調製した。
水酸化アルミニウム・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、組成:2.5MgO・Al・vHO、協和化学工業株式会社製)を750℃で3時間焼成してマグネシム・アルミニウム複合金属酸化物触媒を得た。これに40質量%水酸化カリウム水溶液(触媒に対して水酸化カリウム純分で5質量%)を噴霧し、乾燥させることにより、アルカリ変性処理を施した複合金属酸化物触媒を得た。
4L容量オートクレーブ中に1−デカノール(一級、東京化成工業株式会社製)を573g(3.63モル)、前記のアルカリ変性処理を施した複合金属酸化物触媒を3.6g仕込み、撹拌混合した。撹拌しながらオートクレーブ内を窒素置換した後、昇温し、45℃にて、減圧下(約1.33kPa)で1時間、脱水を行った。次いで、180℃にて、圧力上限値を0.49MPaとし、エチレンオキシド640g(14.52モル(1−デカノール1モルに対して4モル。))を添加した。さらに0.5時間熟成を行った後、80℃まで冷却し、抜き出して粗製物を得た。
撹拌器と温調装置とを備えた圧力容器に上記粗製物を入れ、60℃に加温した。次いで、水分含量が5質量%となるようにイオン交換水を加え、水希釈物を得た。これを80℃に維持したまま15分間撹拌した。その後、ろ過助剤としてハイフロスーパーセル(東京珪藻土工業株式会社製)を4.05g(対水希釈物0.3質量%)、KCフロックW−50(S)(日本製紙ケミカル株式会社製)を4.05g(対水希釈物0.3質量%)を添加し、15分間撹拌した。次いで、ろ過助剤の入った水希釈物を170g取り、さらにプレコート剤としてハイフロスーパーセルを0.25g(ろ過面積に対して0.2kg/m)、KCフロックW−50(S)を1.26g(ろ過面積に対して1.0kg/m)を添加し、均一に分散させた後、プレコートを行った。プレコート終了後、本ろ過を行い、前記アルカリ変性処理を施した複合金属酸化物触媒をろ別除去してAE(C10EO4)を得た。本ろ過は、ろ過装置として、ろ材がセルロースとポリエステルの二重フィルター、内径4cmの加圧ろ過器(ADVANTEC社製)を使用し、温度60℃、窒素圧0.2MPaで行われた。
(2)アルコールエトキシレート(AE(C10BEO3)):ノイゲンSD−30(商品名、第一工業製薬株式会社製)。炭素数10の分岐鎖アルコールに対し3モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
(3)アルコールエトキシレート(AE(C10GBEO4)):ノイゲンXL−40(商品名、第一工業製薬株式会社製)。ゲルベ反応により生成した炭素数10の分岐鎖アルコールに4モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
≪(a1’)成分:(a1)成分の比較品≫
(1)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C8EO4)):(a1)式中、Rが炭素数7の直鎖アルキル基、Rが炭素数1のアルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m1が4のもの(C15CO(OCHCHm1OCH、m1=平均2)。下記調製例5で得られたもの。
[調製例5]MEE(C8EO4)の調製
カプリン酸に換えてカプリル酸(特級、純正化学株式会社製)188gを用いた以外は、調製例3と同様にして、MEE(C8EO4)を得た。
(2)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C12EO4)):(a1)式中、Rが炭素数11の直鎖アルキル基、Rが炭素数1のアルキル基、Rが炭素数2のアルキレン基、m1が4のもの(C1123CO(OCHCHm1OCH、m1=平均4)。下記調製例6で得られたもの。
[調製例6](MEE(C12EO4))の調製
カプリン酸に換えてラウリン酸(一級、東京化成工業株式会社製)262gを用いた以外は、調製例3と同様にして、(MEE(C12EO4))を得た。
≪(a2’)成分:(a2)成分の比較品≫
(1)アルコールエトキシレート(AE(C10GBEO14)):ノイゲンXL−140(商品名、第一工業製薬株式会社製)。ゲルベ反応により生成した炭素数10の分岐鎖アルコールに14モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
<(B)成分>
≪(b1)成分≫
(1)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C124EO15−33)):(b1)式中、R11が炭素数11の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1123CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)8質量部と、R11が炭素数13の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1327CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)2質量部との混合物。ナロー率W=33質量%。下記調製例7で得られたもの。
[調製例7]MEE(C124EO15−33)の調製
特開2000−144179号公報に記載の方法に準じて、MEE(C124EO15−33)を調製した。
キョーワード300(商品名、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム触媒(未改質)2.2gと、表面改質剤として0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gとミリスチン酸メチルエステル70gとの混合物とを4L容量オートクレーブに仕込み、該オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後に昇温し、温度180℃、圧力3×10Paに維持しつつ、エチレンオキシド1052g(ラウリン酸メチルエステルとミリスチン酸メチルエステルとの混合物1モルに対し15モル相当)を導入して攪拌しながら反応させた。次いで、反応液を80℃まで冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒をろ別除去して、MEE(C124EO15−33)を得た。
(2)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C12EO15−33)):(b1)式中、R11が炭素数11の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1123CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)。ナロー率W=33質量%。下記調製例8で得られたもの。
[調製例8]MEE(C12EO15−33)の調製
ラウリン酸メチルエステル280gとミリスチン酸メチルエステル70gとの混合物に換えて、ラウリン酸メチルエステル342gを用いた以外は、調製例7と同様にして、MEE(C12EO15−33)を得た。
(3)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C124EO15−45)):(b1)式中、R11が炭素数11の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1123CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)8質量部と、R11が炭素数13の直鎖アルキル基、R13はが素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1327CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)2質量部との混合物。ナロー率W=45質量%。下記調製例9で得られたもの。
[調製例9]MEE(C124EO15−45)の調製
0.5N水酸化カリウムエタノール溶液の配合量を、ナロー率が45質量%となるようにした以外は、調製例7と同様にして、MEE(C124EO15−45)を得た。
(4)脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE(C124EO15−60)):(b1)式中、R11が炭素数11の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1123CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)8質量部と、R11が炭素数13の直鎖アルキル基、R13が炭素数1のアルキル基、R12が炭素数2のアルキレン基、n1が15のもの(C1327CO(OCHCHn1OCH、n1=平均15)2質量部との混合物。ナロー率W=60質量%。下記調製例10で得られたもの。
[調製例10]MEE(C124EO15−60)の調製
0.5N水酸化カリウムエタノール溶液の配合量を、ナロー率が60質量%となるようにした以外は、調製例7と同様にして、MEE(C124EO15−60)を得た。
≪(b2)成分≫
(1)アルコールアルコキシレート(AE(C124EO9PO5)):ソフタノールEP9050(商品名、日本触媒株式会社製)。炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当のエチレンオキシド及び5モル相当のプロピレンオキシドを付加したもの。
(2)アルコールアルコキシレート(AE(C124EO16PO2)):ドデシルアルコールとテトラデカノール(C12/C14=7/3)に、16モルのエチレンオキシドと2モルのプロピレンオキシドとをランダム付加したもの。下記調製例11で得られたもの。
[調製例11]AE(C124EO16PO2)の調製
ドデシルアルコール(東京化成工業株式会社製、特級)150g、テトラデカノール(東京化成工業株式会社製、特級)74g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に入れ、容器内を窒素置換した。容器内を2.0kPa以下とし、100℃で30分間脱水してから、160℃まで昇温した。ドデシルアルコールを攪拌しつつ、これにエチレンオキシド(ガス状)704gとプロピレンオキシド116g(ガス状)とを添加した。この際、容器内が180℃以下となるように、エチレンオキシド及びプロピレオキシドの添加速度を調整した。
エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを添加し終えた後、0.3MPa、180℃の条件で、30分間熟成した。熟成した後、容器内を180℃、6.0kPaとして、10分間、未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを留去した。
次に、容器内を100℃以下に冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和して、AE(C124EO16PO2)を得た。
(3)アルコールアルコキシレート(AE(C124EO12)):ソフタノール120(商品名、日本触媒株式会社製)。炭素数12〜14の第2級アルコールに12モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
(4)アルコールアルコキシレート(AE(C12EO15)):エマレックス715(商品名、日本エマルジョン株式会社製)。炭素数12の直鎖アルコールに15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
<(C)成分>
≪(c1)成分≫
(1)塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム:試薬、東京化成工業株式会社製。(c1−1)式で表される(c1−1)成分に相当。
(2)塩化パルミチルトリメチルアンモニウム:アーカード16(商品名)、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−1−1)式で表される(c1−1)成分に相当。
(3)塩化ジデシルジメチルアンモニウム:アーカード210(商品名)、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−1−1)式で表される(c1−1)成分に相当。
(4)塩化ベンザルコニウム:アーカードCB(商品名)、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−1−2)式で表される(c1−1)成分に相当。
(5)EO付加型4級カチオン界面活性剤:エソカードC/12(商品名)、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−1−3)式中、R41がヤシ油由来のアルキル基、R42が炭素数3のアルキル基、x及びyが1、Z が塩素のもの。(c1−1−3)式で表される(c1−1)成分に相当。
(6)塩化セチルピリジニウム:和光純薬工業株式会社製。(c1−1−4)式で表される(c1−1)成分に相当。
(7)3級アミン化合物:トリアミンY12D(商品名)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−2)式中、R51が炭素数12の直鎖アルキル基、wが3のもの(C1225−N[(CHNH)])。(c1−2)成分に相当。
(8)2級アミン化合物:デュオミンCD(商品名)、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、ライオンアクゾ株式会社製。(c1−3)式中、R61がヤシ油由来の炭化水素基のもの。(c1−3)成分に相当。
(9)ジメチルジアリルアンモニウムの重合体:マーコート100(商品名)、ナルコ社製。(c1−4)式で表され、平均分子量が160000のもの。(c1−4)成分に相当。
(10)塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB):Proxel IB(商品名)、ロンザジャパン株式会社製。(c1−5)成分に相当。
≪(c2)成分≫
(1)硫酸銀:試薬、関東化学株式会社製。
(2)硝酸銀:試薬、関東化学株式会社製。
(3)酢酸銀:試薬、関東化学株式会社製。
<pH調整剤>
0.1N塩酸:試薬、関東化学株式会社製。
0.1N水酸化ナトリウム:試薬、関東化学株式会社製。
<任意界面活性剤>
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS):ライポンLH−200(商品名)、アルキル基の炭素数10〜14、平均分子量322、ライオン株式会社製。
ヤシ油脂肪酸:ライオン株式会社製。
<共通成分>
各成分の末尾に記載の質量%は、液体洗浄剤中の含有量を示す。
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(PTS)(試薬、関東化学株式会社製)・・・0.5質量%。
クエン酸(試薬、関東化学株式会社製)・・・1質量%。
ポリエチレングリコール#1000(試薬、関東化学株式会社製)・・・1質量%。
モノエタノールアミン(試薬、関東化学株式会社製)・・・1質量%。
サビナーゼ16L(プロテアーゼ、ノボザイムズ社製)・・・0.3質量%。
エタノール(試薬、関東化学株式会社製)・・・10質量%。
色素(青色205号)・・・0.0001質量%。
香料(特開2009−108248号公報に記載の香料a)・・・0.5質量%。
水(イオン交換水)・・・バランス(液体洗浄剤が100質量%となる量)。
(実施例1−1〜1−27、比較例1−1〜1−17)
表1〜4の組成に従い、500mLビーカーにエタノール、(A)成分(又は(A’)成分)、(B)成分及び(C)成分を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で攪拌した。次いで、エタノール以外の共通成分と任意界面活性剤とを加えて攪拌しながら、全体量が98質量%になるように水を入れ、さらによく攪拌した。25℃でのpHが7.0になるようにpH調整剤(0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウム)を適量添加した後、全体量が100質量%になるように水を加えて、各例の液体洗浄剤を得た。
得られた液体洗浄剤について、殺菌効果、洗浄効果及び液安定性を評価し、その結果を表中に示す。
なお、pH調整に用いたpH調整剤の総量は、0〜2質量%であった。また、表中の配合量は、純分を表す。
(評価方法)
<殺菌効果>
大腸菌(Escherichia coli NBRC3972、製品評価技術基盤機構(NBRC)より入手)をトリプトソイ寒天培地(ディフコ社)の平板培地に植菌し、37℃で24時間培養する操作を2回繰り返した。平板上に生育した菌株を白金耳で回収して滅菌水に懸濁し、OD660nmにおける濁度が30となるように滅菌水で希釈して菌液とした。
各例の液体洗浄剤を333質量ppmとなるように滅菌水を用いて希釈し、その10mLに、前記の菌液0.01mLを添加して試験液とした。この試験液を25℃にて、1分、2.5分、5分、10分、15分、20分放置して、殺菌処理をした。各時間放置した試験液の0.3mLをSCDLP培地(ダイゴ社)2.7mLに添加して殺菌処理を停止し、その1mLを45℃、25mLのトリプトソイ寒天培地(ディフコ社)と混合し、これを37℃、48時間、混釈培養した。生育したコロニーの有無を観察し、コロニーを検出しない最小の放置時間(殺菌時間)を求めた。殺菌時間が短いほど、殺菌効果が高いと判断できる。表中の「殺菌時間[分]」の「>20」は、殺菌時間を20分としても、コロニーの発現が確認されたことを示す。
<洗浄効果>
塩化カルシウム二水和物59.03g及び塩化マグネシウム六水和物27.21gを精製水に溶解して1000mLとし、これを3000°DHの硬水とした。液体洗浄剤の含有量が333質量ppmとなるように、3000°DHの硬水0.9mLと、各例の液体洗浄剤とを25℃のイオン交換水に添加して、900mLの洗浄液を調製した。洗浄液をターゴトメータ(Terg−O−Tometer)に入れ、人工汚垢布(油化協布(未汚染布)に人工汚垢を含浸したもの、洗濯科学協会製)10枚及び裁断した綿メリヤス布を合わせて30g入れ、25℃、10分、120rpmで洗浄した。その後、30Lの水道水で布を2回すすぎ、人工汚垢布を乾燥させた。
未汚染布、人工汚染布、洗浄処理後の人工汚垢布(洗浄布)のそれぞれについて、分光式色差計(日本電色工業株式会社製、SE2000)にてZ値(反射率)を測定し、下記式(I)により洗浄率(%)を算出した。洗浄率が高いほど、洗浄効果が高いと判断できる。
洗浄率(%)={(人工汚垢布のZ値−洗浄布のZ値)/人工汚垢布のZ値−未汚染布のZ値}}×100 ・・・(I)
<液安定性>
製造直後の各例の液体洗浄剤を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
≪評価基準≫
◎:透明で均一な液体。
○:白濁しているが、ゲル化又は液層の分離は認められない。
△:ゲル化は認められないが、わずかに液層の分離が認められる。
×:ゲル化が認められるか、液層の著しい分離が認められる。
Figure 2014028942
Figure 2014028942
Figure 2014028942
Figure 2014028942
表1〜4に示すように、本発明を適用した実施例1−1〜1−27は、殺菌時間が15分以下、洗浄率が46%以上、液安定性が「△」〜「◎」であった。
(A)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数が4の実施例1−3は、(A)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数が2の実施例1−8、及び(A)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数が3の実施例1−7よりも、殺菌時間が短い(即ち、殺菌効果が高い)ものであった。
(A)成分として(a1)成分を用いた実施例1−1は、(a1)成分を用いた実施例1−9〜1−11よりも殺菌時間が短い(即ち、殺菌効果が高い)ものであった。
(B)成分として(b1)成分を用いた実施例1−3、1−12〜1−14は、(b2)成分を用いた実施例1−15〜1−16よりも洗浄率が高い(即ち、洗浄効果が高い)ものであった。
(C)成分として、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウムを用いた実施例2は、他の(C)成分を用いた実施例1−18〜1−26よりも殺菌時間が短い(即ち、殺菌効果が高い)ものであった。
LASの含有量が3質量%の実施例1−27は、殺菌時間が2.5分であり、良好な殺菌効果を示した。この結果から、3級アミン化合物はアニオン界面活性剤の影響を受けにくいことが判った。
一方、(C)成分を含有しない比較例1−1、(A)成分を含有しない比較例1−4〜1−13、(A)成分に換えて(A’)成分を含有する比較例1−14〜1−16は、殺菌時間が20分超であり、殺菌効果が低いものであった。A/B比が4である比較例1−2〜1−3、及び(B)成分に換えて(A’)成分を用いた比較例1−17は、液安定性が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、液安定性が良好であり、かつ殺菌効果をより高められた液体洗浄剤を得られることが判った。
(実施例2−1〜2−11、比較例2−1〜2−11)
表5〜6の組成に従い、実施例1−1と同様にして各例の液体洗浄剤を得た。
得られた液体洗浄剤について、殺菌効果、洗浄効果及び液安定性を評価し、その結果を表中に示す。
なお、pH調整に用いたpH調整剤の総量は、0〜2質量%であった。また、表中の配合量は、純分を表す。
Figure 2014028942
Figure 2014028942
表5〜6に示すように、本発明を適用した実施例2−1〜2−11は、殺菌時間が5分以下、洗浄率が37%以上、液安定性が「△」〜「◎」であった。
一方、(A)〜(B)成分を含有しない比較例2−1、(B)成分を含有しない比較例2−2は、殺菌時間が20分超、洗浄率が30%、液安定性が「×」であった。
(A+B)/C比が12500である比較例2−3、A/B比が0.03である比較例2−5、(A)成分に換えて(A’)成分を用いた比較例2−7〜2−9、(A)成分を含有しない比較例2−10〜2−11は、洗浄率が62%以上であったものの、殺菌時間が20分超であった。
(A+B)/C比が5である比較例2−4、A/B比が4である比較例2−6は、液安定性が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、液安定性が良好であり、かつ殺菌効果をより高められた液体洗浄剤を得られることが判った。

Claims (1)

  1. (A)成分:下記一般式(a1)で表される化合物及び下記一般式(a2)で表される化合物から選択される1種以上と、
    (B)成分:下記一般式(b1)で表される化合物及び下記一般式(b2)で表される化合物から選択される1種以上と、
    (C)成分:4級アンモニウム化合物、3級アミン化合物、2級アミン化合物、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体及びビグアニド化合物から選択される1種以上(c1)、又は水溶性銀塩(c2)と、を含有し、
    (A)成分/(B)成分で表される質量比が0.1〜3であり、
    (C)成分が(c1)成分である場合、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が0.1〜100であり、
    (C)成分が(c2)成分である場合、[(A)成分+(B)成分]/(C)成分で表される質量比が10〜10000であることを特徴とする繊維製品用の液体洗浄剤。
    −CO(ORm1OR ・・・(a1)
    [(a1)式中、Rは炭素数9の炭化水素基、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m1は(OR)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
    −O(RO)m2H ・・・(a2)
    [(a2)式中、Rは炭素数10の炭化水素基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、m2は(RO)の平均繰り返し数を表す2〜4の数である。]
    11−CO(OR12n1OR13 ・・・(b1)
    [(b1)式中、R11は炭素数11〜13の炭化水素基、R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R12は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n1は(OR12)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
    14−O(R15O)n2H ・・・(b2)
    [(b2)式中、R14は炭素数11〜14の炭化水素基を表す。R15は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、n2は(R15O)の平均繰り返し数を表す7〜22の数である。]
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