JP2017114967A - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄液中に存在する菌の殺菌性に優れ、洗浄時の泡立ちが少ない衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】(a)ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し、脂肪酸又はその塩を除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤10質量%以上70質量%以下、(b)炭素数8以上10以下の鎖式炭化水素基を2つ有する特定の第4級アンモニウム塩0.1質量%以上5質量量%以下、(c)炭素数14の脂肪酸又はその塩、(d)炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩、及び水を含有し、(c)成分の含有量/(b)成分の含有量の質量比が0.55以上10以下、(d)成分の含有量/(b)成分の含有量の質量比が0以上0.50以下である、衣料用液体洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料に付着した汚れを洗浄する作用を有する。近年、カチオン界面活性剤を含有する衣料用液体洗浄剤組成物を用いて、衣料を洗浄し脱水した後、衣料が乾燥するまでに衣料から発生する生乾き臭を抑制することが望まれている。更には、乾燥後の衣料を着用中に衣料から発生する臭いを抑制することが望まれている。
特許文献1には、抗菌性金属成分等を含有する複合酸化物微粒子、界面活性剤、有機系抗菌剤及び水を含有する衣料用液体洗浄剤組成物が開示されている。有機系抗菌剤として、2つの炭素数8〜14のアルキル基を有する第4級アンモニウム化合物が記載されている。特許文献1で開示される衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料に抗菌効果を付与し、室内干しによる衣類の生乾き臭を抑制することができ、汗等を原因とする着用後の衣類の臭いも抑制できることが記載されている。
特許文献2には、特定のアミン化合物、アルカノールアミン、非イオン性化合物、水溶性抗菌剤化合物及び水を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。水溶性抗菌剤化合物として、炭素数8〜10のアルキル基を2つ以上有する第4級アンモニウム化合物が記載されている。特許文献2で開示される液体洗浄剤組成物は、洗浄力、保存による耐変色性、及び被洗浄物の変褪色防止性に優れることが記載されている。
特許文献3には、第4級窒素含有ポリマー、カチオン性抗菌性化合物及びその他の界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。カチオン性抗菌性化合物として、炭素数8〜10のアルキル基を2つ以上有する第4級アンモニウム化合物が記載されている。特許文献3で開示される液体洗浄剤組成物は、洗濯後の衣料に抗菌効果を付与し、汗等を原因とする着用後の衣類の臭いや室内干しによる衣類の生乾き臭を抑制できることが記載されている。
特開2006−321870号公報 特開2004−10680号公報 特開2002−60788号公報
衣料には種々の菌が付着していることが知られている。衣料上の菌が増殖することで、衣料から臭いが発生することも知られている。従来、衣料上の菌を抑制する為に、炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩が使用されてきた。
一方で、近年、ドラム型洗濯機が普及している。使用者は、ドラム型洗濯機での洗浄工程の直後に、ドラム型洗濯機の前面の窓から、洗濯機内部の泡の状態を見ることができる。窓から見える洗濯機内の泡が少ない方が、次のすすぎが充分に行われると使用者は感じることから好ましいことが明らかとなった。
前記の特許文献1〜3には、洗浄成分又は任意成分として脂肪酸又はその塩が記載されている。また、脂肪酸又はその塩の機能として消泡効果があることは周知であるが、第4級アンモニウム塩と併用した場合には、洗浄時の泡立ちを抑制する点においては、未だ改善の余地がある場合があることが判明した。
本発明は、洗浄液中に存在する菌の殺菌性に優れ、洗浄時の泡立ちが少ない衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
本発明は、(a)成分10質量%以上70質量%以下、(b)成分0.1質量%以上5質量量%以下、(c)成分、(d)成分、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(c)成分の含有量/(b)成分の含有量が0.55以上10以下であり、(d)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(d)成分の含有量/(b)成分の含有量が0以上0.50以下である、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し、脂肪酸又はその塩を除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤
(b)成分:下記一般式(b1)で表される化合物
〔式中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立に、炭素数8以上10以下の鎖式炭化水素基であり、Rb3及びRb4は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、Xは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、又はハロゲンイオンである。〕
(c)成分:炭素数14の脂肪酸又はその塩
(d)成分:炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩
本発明によれば、洗浄液中に存在する菌の殺菌性に優れ、洗浄時の泡立ちが少ない衣料用液体洗浄剤組成物が提供される。
実施例の泡立ち抑制性の評価点の状態を示す図
本発明者らは、(b)成分の炭素数8〜10のアルキル基を2つ有する第4級アンモニウム塩を使用し、(c)成分、(d)成分の特定2種の炭素数の脂肪酸又はその塩と特定比で併用することで、洗浄時の泡立ちを更に抑制できることを見出した。
更には、本発明者らは、衣料に抗菌性を付与する観点とは異なり、洗浄時の洗浄液中に存在する菌を殺菌することが、衣料からの臭いの発生を抑制する点で効果的となるのではないかと考えた。この観点で検討した結果、炭素数8〜10のアルキル基を2つ有する第4級アンモニウム塩を使用した場合には、(c)成分の特定の鎖長の脂肪酸又はその塩により、洗浄液中の殺菌性が向上することを見出した。
(c)成分は、炭素数14の脂肪酸又はその塩である。(c)成分を(b)成分と特定比で用いることで、洗浄時の泡立ちの抑制と洗浄液中の菌の殺菌性の向上を両立することができる。効果の発現は推測であるが、炭素数14の脂肪酸又はその塩と(b)成分が洗浄液中で共存することで、洗浄液中で(b)成分と(c)成分が複合体を形成し、疎水性が高まることで、洗浄液中の菌に吸着しやすくなることにより(b)成分による殺菌性が向上しているものと考えている。更には、疎水性が高い(b)成分と(c)成分の複合体が(a)成分による泡膜に吸着し抑泡効果を向上していると考えている。
なお、(b)成分は菌を構成する細胞膜に浸透することで、殺菌性を発現していると考えられているが、脂肪酸との複合体が強固すぎると、(b)成分が菌の細胞膜に浸透しにくくなる。(c)成分の特定の炭素鎖長は、洗浄液中での(b)成分と(c)成分との疎水性相互作用による複合体を形成する点と、(b)成分と(c)成分が形成した複合体が洗浄液中で菌の細胞膜に接近した時には、(b)成分を細胞膜に浸透させる為に、前記複合体が解離する点で重要である。
(d)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩である。(d)成分を(b)成分と特定比以下の量で用いることで、洗浄時の泡立ちの抑制と洗浄液中の菌の殺菌性の向上を両立することができる。理由は必ずしも明らかではないが、(d)成分は洗浄液中で(b)成分と複合体を形成し(b)成分の疎水性を高めることで、洗浄液中に存在する菌の細胞膜に吸着しやすくなる。しかしながら、(d)成分は前記(c)成分よりも炭素鎖長が長く、(b)成分と(d)成分との疎水性相互作用が強くなり、(b)成分と(d)成分とが形成する複合体が菌に吸着しても(b)成分が菌の細胞膜に浸透しにくくなる。故に本発明では(d)成分の含有量が制限される。
<(a)成分>
(a)成分は、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し、脂肪酸又はその塩を除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤の好ましい例として、下記一般式(a1)で表されるノニオン界面活性剤が挙げられる。
a1(CO)O−(AO)−R (a1)
〔式中、Ra1は炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であって、2以上30以下の数である。〕
一般式(a1)中、Ra1は炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基である。衣料の防臭効果をより高める点で、Ra1は、炭素数11以上14以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。Ra1の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が挙げられ、アルキル基が好ましい。Ra1は、直鎖の基であることが好ましい。Ra1のCO又はOと結合する炭素原子は、第1級炭素原子であることが好ましい。
衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、Ra1の全量中、炭素数11以上14以下の脂肪族炭化水素基の割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、そして、100質量%以下が好ましく、100質量%であってもよい。
一般式(1)中、mは0又は1の数であり、洗浄時の泡立ちを更に抑制できる点で、mは1の数が好ましい。
一般式(a1)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、AO基はエチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。また、衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点と、洗浄液中に存在する菌の殺菌性をより高める観点で、AO基はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む基であることが好ましい。AO基がエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む基である場合の、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の結合様式は、ランダムでも良く、ブロックでも良く、又はランダムとブロックの混合で合っても良い。
一般式(a1)中、nは平均付加モル数であって、2以上30以下の数である。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、nは、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、そして28以下が好ましく、26以下がより好ましく、24以下が更に好ましい。
アニオン界面活性剤の好ましい例として、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩、及び炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。
炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩の好ましい具体例としては、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。炭素数8以上18以下のアルキル基とは、アルキルベンゼンスルホン酸塩のベンゼン環に置換するアルキル基を意味し、ベンゼン骨格は含まない。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、アルキル基の炭素数は10以上が好ましく、11以上がより好ましく、そして16以下が好ましい。
炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩の好ましい例としては、下記一般式(a2)で表される硫酸エステル塩から選ばれる1種以上の硫酸エステル塩が挙げられる。
O−(AO)−SOM (a2)
〔式中、Rは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、lは平均付加モル数であって、0以上5以下の数である。Mは対イオンである。〕
一般式(a2)中、Rは、衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基が好ましく、そして炭素数16以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、R中の炭素数12以上、16以下の脂肪族炭化水素基の含有割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましい。すなわち、(a2)中、Rが炭素数12以上16以下の脂肪族炭化水素基であるアニオン界面活性剤の割合は、衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましい。
の脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基が挙げられ、アルキル基が好ましい。
一般式(a2)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。AO基は、全てエチレンオキシ基であっても良く、また全てプロピレンオキシ基であっても良い。また、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含んでいても良い。エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む場合は、ランダムに含んでいても良く、ブロックであっても良い。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、AO基はエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(a2)中、lは、平均付加モル数であり、0以上5以下の数である。平均付加モル数が「0」である硫酸エステル塩の意味は、一般式(a2)中にAO基が含まれない硫酸エステル塩を表す。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、lは0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.3以上がより好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上がより好ましい。衣料に付着した汚れの洗浄性の向上の観点で、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
例えば前記一般式(a2)において、lが0を超え5以下の硫酸エステル塩中には、lが0である硫酸エステル塩を含む場合がある。また、lが0である硫酸エステル塩とlが0を超え5以下の硫酸エステル塩の2種類の硫酸エステル塩を配合し、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物中に含有させる場合もある。本発明において、前記一般式(a2)中のlは、本発明の組成物中に含まれる全ての一般式(a2)で表される硫酸エステル塩を合計して算出される値で表すものとする。
一般式(a2)中、Mで表される対イオンとしては、アルカリ金属イオン、及び炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンから選ばれる対イオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンとしては、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、N−メチルエタノールアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンが挙げられる。
洗浄液中に存在する菌の殺菌性をより高める点で、(a)成分中のノニオン界面活性剤の割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更により好ましくは40質量%以上、更により好ましくは50質量%以上、更により好ましくは60質量%以上、更により好ましくは70質量%以上、更により好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上、更により好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
<(b)成分>
(b)成分は、前記一般式(b1)で表される化合物である。(b)成分は、殺菌剤として知られている成分であるが、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物に用いた場合には、更に洗浄中の泡立ちを抑制する作用を有する。
一般式(b1)中、Rb1、Rb2は、洗浄液中に存在する菌の殺菌性をより高める点で、それぞれ、炭素数8以上であり、炭素数9以上が好ましく、10がより好ましい。Rb1、Rb2の具体例は、それぞれ独立に、オクチル基、ノニル基、デシル基であり、洗浄液中に存在する菌の殺菌性をより高める点で、ノニル基、デシル基が好ましく、デシル基が更に好ましい。Rb3、Rb4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基である。炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基の具体例は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が挙げられる。XはCHSO 、CHCHSO 、又はハロゲンイオンである。
(b)成分のより具体的な化合物は、N,N−ジオクチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジノニル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N,N−ジオクチル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩、N,N−ジノニル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩、及びN,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。これらの塩となる対イオンは、CHSO 、CHCHSO 、又はクロルイオン等のハロゲンイオンである。
洗浄液中に存在する菌の殺菌性をより高める点で、(b)成分は、N,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、及びN,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。これらの塩となる対イオンは、CHSO 、CHCHSO 、又はクロルイオン等のハロゲンイオンである。
<(c)成分>
(c)成分は、炭素数14の脂肪酸又はその塩である。
本発明では、(c)成分を(b)成分と特定比で用いることで、洗浄時の泡立ちの抑制と洗浄液中の菌の殺菌性の向上を両立することができる。
炭素数14の脂肪酸又はその塩としては、ミリスチン酸及びミリストレイン酸から選ばれる1種以上の脂肪酸又はそれらの塩が挙げられる。ミリスチン酸及びミリストレイン酸又はそれらの塩はそれぞれ単一で用いても良く、併用しても良い。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、炭素数1以上6以下のアルカノールアミン塩が挙げられる。アルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属としては、マグネシウムが挙げられる。炭素数1以上6以下のアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
<(d)成分>
(d)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩である。
本発明では、(d)成分を(b)成分と特定比以下の量で用いることで、洗浄時の泡立ちの抑制と洗浄液中の菌の殺菌性の向上を両立することができる。
(d)成分の脂肪酸は、洗浄時の泡立ちをより抑制できる点で、炭素数16以上であり、18以上が好ましい。また、(d)成分の脂肪酸は、洗浄時の泡立ちをより抑制できる点と洗浄時の菌の殺菌性の向上の両立の点で、炭素数24以下であり、22以下が好ましく、20以下がより好ましい。
(d)成分の具体的な態様としては、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩が挙げられる。より具体的には、炭素数16以上24以下の直鎖の飽和の脂肪酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸が挙げられる。炭素数16以上24以下の直鎖の不飽和の脂肪酸の具体例としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸が挙げられる。(d)成分の脂肪酸又はその塩は、単一で用いても良く、併用しても良い。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、炭素数1以上6以下のアルカノールアミン塩が挙げられる。アルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属としてはマグネシウムが挙げられる。炭素数1以上6以下のアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
<水>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、水を含有する。水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、次亜塩素酸塩ナトリウムを1mg/kg以上5mg/kg以下含有する水などを使用することができる。
<衣料用液体洗浄剤組成物の組成、任意成分等>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料の洗浄性をより向上する点で、(a)成分を10質量%以上、好ましくは12質量%以上、より好ましくは14質量%以上、更に好ましくは15質量%以上含有する。そして、洗浄液中での菌の殺菌性をより高める点で、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下含有する。
尚、本明細書においてアニオン界面活性剤の質量は対イオンをNaに換算した値とする。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄液中の菌を殺菌する点で、(b)成分を0.1質量%以上、殺菌性をより向上できる点で、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上、更により好ましくは2質量%以上、更により好ましくは2.5質量%以上、そして、洗浄時の泡立ちが更に低い点で、5質量量%以下、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4質量%以下含有する。
尚、本明細書において(b)成分の質量は対イオンを除いた第4級アンモニウム部分に換算した値とする。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄液中の菌の殺菌性を維持しつつ、洗浄中の泡立ちを抑制できる点で、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(c)成分の含有量/(b)成分の質量比が0.55以上10以下である。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(c)成分を、前記質量比を満たす量で含有する。洗浄液中の泡立ちをより抑制し、又は洗浄液中の殺菌性をより向上できる点で、(c)成分の含有量/(b)成分の質量比は0.55以上であり、0.60以上が好ましく、0.70以上がより好ましく、0.80以上がより好ましく、0.90以上がより好ましく、1.0以上がより好ましく、1.1以上がより好ましく、1.3以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.7以上がより好ましく、1.9以上がより好ましく、2.1以上がより好ましい。洗浄液中の殺菌性をより向上できる点で、(c)成分の含有量/(b)成分の質量比は10以下であり、9以下が好ましく、8以下がより好ましく、7以下がより好ましく、6以下がより好ましく、5以下がより好ましく、4以下がより好ましく、3以下がより好ましい。
尚、本明細書において(c)成分の質量は、酸型化合物、即ち塩の場合は塩を形成する陽イオンを水素原子に置き換えた化合物に換算した質量である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄中の泡立ちを抑制しつつ、洗浄液中の菌の殺菌性を向上できる点で、(d)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(d)成分の含有量/(b)成分の質量比が0以上0.50以下である。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(d)成分を、前記質量比を満たす量で含有する。洗浄液中の殺菌性をより向上できる点で、(d)成分の含有量/(b)成分の質量比は0.50以下であり、0.45以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.30以下がより好ましく、0.28以下がより好ましく、0.26以下がより好ましく、0.23以下がより好ましく、0.20以下がより好ましく、0.17以下がより好ましく、0.15以下がより好ましく、0.13以下がより好ましく、0.10以下がより好ましく、0でも良い。
尚、本明細書において(d)成分の質量は、酸型化合物、即ち塩の場合は塩を形成する陽イオンを水素原子に置き換えた化合物に換算した質量である。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(e)成分として、前記(c)成分及び(d)成分以外の脂肪酸又はその塩を含有しても良い。(e)成分としては、具体的には、炭素数10以上12以下の脂肪酸又はその塩が挙げられる。より具体的にはデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸又はそれらの塩が挙げられる。塩としてアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、炭素数1以上6以下のアルカノールアミン塩が挙げられる。アルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属としてはマグネシウムが挙げられる。炭素数1以上6以下のアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
(c)成分の含有量、(d)成分の含有量及び(e)成分の含有量の合計中の(e)成分の含有量の割合は、0質量%以上60質量%以下の範囲で選択することができる。この(e)成分の含有量の割合は、本発明の(c)成分と(d)成分が有する、本発明の課題解決への作用効果をより高める点で、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下がより更に好ましく、20質量%以下がより更に好ましく、15質量%以下がより更に好ましく、10質量%以下がより更に好ましく、0質量%であっても良い。
本発明では、(c)成分、(d)成分、及び(e)成分を含有する混合脂肪酸を用いることができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、任意成分として、下記の(1)〜(11)の成分を含有することができる。
(1)アルカリ剤
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄力の向上の点からアルカリ剤を含有することが好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などの無機アルカリ剤、窒素原子に結合する基のうち、1つ以上、3つ以下が炭素数2以上、4以下のアルカノール基であり、残りが炭素数1以上、4以下のアルキル基又は水素原子であるアルカノールアミンを挙げることができる。このうちアルカノール基はヒドロキシアルキル基、更にヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子、又はメチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。アルカノールアミンとしては、2−アミノエタノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。本発明では、(1)成分として、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。
また、上記(1)成分であるアルカリ剤は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物のpHを所定の値に調整する為にも用いることができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物では、(1)成分を、後出するpHになるような量を配合しても良い。具体的には、組成物中、0.01質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、10質量%以下、更に8質量%以下、含有しても良い。なお、本発明では、(1)成分のアルカリ剤、中でもアルカノールアミンの配合量には、アニオン界面活性剤の対イオンなど、他の成分に由来して組成物中に配合される分も算入するものとする。
(2)キレート剤
キレート剤の具体例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属又は低級アミン塩等が挙げられる。(2)成分のキレート剤の含有量は、酸型とみなした場合に、組成物中、0.1質量%以上、5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上、4質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上、3質量%以下である。
(3)再汚染防止剤及び/又は分散剤
再汚染防止剤及び/又は分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。再汚染防止剤及び/又は分散剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(4)漂白剤
漂白剤としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム等が挙げられる。漂白剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(5)漂白活性化剤
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等が挙げられる。漂白活性化剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
(6)酵素
酵素としては、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素が挙げられる。酵素の含有量は、組成物中、0.001質量%以上2質量%以下が好ましい。(6)成分としては、より速い洗浄速度が得られる点で、アミラーゼを含む酵素が好ましい。皮脂汚れが付着した衣料上に、ミートソースなどの食べこぼし汚れが付着した汚れに対して、より高い洗浄性が得られる点で、アミラーゼ及びプロテアーゼを含む酵素であることが好ましい。
(7)蛍光染料
蛍光染料としては、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料が挙げられる。蛍光染料の含有量は、組成物中、0.001質量%以上1質量%以下が好ましい。
(8)酸化防止剤
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、組成物中、0.01質量%以上、2質量%以下が好ましい。
(9)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の、(c)、(d)、(e)成分以外の消泡剤を適量。
(10)水酸基を有する有機溶剤
水酸基を有する有機溶剤としては、以下の(10-1)成分〜(10-6)成分から選ばれる1種以上の化合物が用いられる。
(10-1)成分:炭素数2以上6以下の脂肪族炭化水素基を有する1価のアルコール
(10-1)成分として、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールから選ばれる1価のアルコールが挙げられる。
(10-2)成分:炭素数2以上6以下の2価以上6価以下のアルコール
(10-2)成分として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びグリセリンから選ばれる2価又は3価のアルコールが挙げられる。2−メチル−2,4−ペンタンジオールは、ヘキシレングリコールとも称される。
(10-3)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位を含有するポリアルキレングリコール
(10-3)成分として、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量400以上4000以下のポリエチレングリコール及び重量平均分子量400以上4000以下のポリプロピレングリコールから選ばれるポリアルキレングリコールが挙げられる。
(10-4)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位と、炭素数1以上4以下のアルキル基とを有する、(モノ又はポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル
(10-4)成分として、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノールから選ばれる化合物が挙げられる。
(10-5)成分:炭素数1以上8以下のアルキルを有するアルキルグリセリルエーテル
(10-5)成分として、例えば1−メチルグリセリルエーテル、2−メチルグリセリルエーテル、1,3−ジメチルグリセリルエーテル、1−エチルグリセリルエーテル、1,3−ジエチルグリセリルエーテル、トリエチルグリセリルエーテル、1−ペンチルグリセリルエーテル、2−ペンチルグリセリルエーテル、1−オクチルグリセリルエーテル及び2−エチルヘキシルグリセリルエーテルから選ばれるアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。
(10-6)成分:炭素数2又は3のアルキレングリコール単位を有する(モノ又はポリ)アルキレングリコールの芳香族アルキルエーテル
(10-6)成分として、例えば2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−ベンジルオキシエタノール及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる化合物が挙げられる。
前記(10-4)成分、(10-6)成分において「(モノ又はポリ)アルキレングリコール」なる用語は、モノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを意味する。また、「ポリアルキレングリコール」とは、アルキレングリコール単位を2個以上9個以下の量で含有することを意味する。
(10)成分は、低温での保存安定性が更に向上できる観点で、(10-1)成分、(10-2)成分、(10-4)成分、及び(10-6)成分から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
より具体的には、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、水酸基を有する有機溶剤として、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ポリエチレングリコールフェニルエーテルから選ばれる1種以上の有機溶剤を含有することが好ましい。
(10)成分の含有量は、組成物中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更により好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更により好ましくは10質量%以下である。
(11)ハイドロトロープ剤
衣料用液体洗浄剤組成物の安定性のためにハイドロトロープ剤を配合することができる。本発明のハイドロトロープ剤は、陰イオン性基を有する有機化合物であり、更にはメチル基、エチル基又はプロピル基から選ばれるアルキル基を1〜2つ含み、スルホン酸基又はカルボン酸基を1つ有するアルキルベンゼンカルボン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸又はそれらの塩、並びに安息香酸又はその塩を挙げることができる。より具体的にはパラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸であり、塩はアルカリ金属塩が好ましい。本発明ではパラトルエンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩が好ましく、酸として配合し、組成物中のアルカリ剤で中和してもよい。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、ハイドロトロープ剤を、酸型化合物に換算して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更により好ましくは3質量%以下、含有することができる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、20℃におけるpHが2.5以上8.5以下であることが好ましい。該pHは8.0以下が好ましく、7.8以下がより好ましく、7.6以下が更に好ましく、そして3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上が更に好ましい。該pHは、ガラス電極を用いて20℃で測定した値である。具体的には、以下の方法で測定されたものである。
<pHの測定方法>
堀場製作所製pHメーター D−52にpH電極(型式6367)をあらかじめフタル酸緩衝液(pH4.01)、リン酸標準液(pH6.84)、ホウ酸塩標準液(pH9.18)で校正し、イオン交換水で十分すすいでおく。温度を20℃に調整した衣料用液体洗浄剤組成物に、上記の通り校正、洗浄したpH電極を入れ、pHメーターのAUTO HOLDモードを用いて、測定値が一定になるまで測定する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、衣類、タオル、寝具、寝具用の繊維製品(シーツ、枕カバーなど)などの衣料の洗浄に用いられる。これら以外の洗濯が可能な繊維製品も対象とすることができる。
下記成分を用い、表2、3に示す衣料用液体洗浄剤組成物を調製し、得られた組成物を用いて、下記の方法で殺菌性及び泡立ち抑制性の評価を行った。その結果を表2、3に示す。pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液とクエン酸水溶液を用いた。pHの測定は、ガラス電極を使用したpHメーターを使用した。pH調整時の組成物の温度は20℃で行った。表2、3中の衣料用液体洗浄剤組成物の20℃のpHは5.0であった。
尚、表2、3において(b)成分の質量は対イオンを除いた第4級アンモニウム部分に換算した値である。
また、表2、3では、(b’)成分を(b)成分とみなして(c)/(b)の質量比と(d)/(b)の質量比を示した。
〔(a)成分〕
(a−1):ラウリルアルコールにエチレンオキシドが平均で12モル付加した化合物。
(a−2):ポリオキシエチレン(9)ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレン(9)アルキルエーテル(カッコ内の数値は平均付加モル数)〔炭素数10〜14の直鎖1級飽和アルコール1モル当りにエチレンオキシドを9モル、プロピレンオキシドを2モル、エチレンオキサイドを9モルの順にブロック付加させた化合物、一般式(a1)中、Ra1が炭素数10〜14の直鎖アルキル基、Rが水素原子、mが0、AO基がエチレンオキシ基(以下、EO基ともいう)及びプロピレンオキシ基(以下、PO基ともいう)、nが合計で20(EO基が9モル、PO基が2モル、EO基が9モル)の化合物〕
(a−3):ソフタノール70(日本触媒(株)製)、炭素数12〜14の2級アルコールにエチレンオキシドが平均7モル付加した化合物。
(a−4):R−COO−(CO)−R’で表されるノニオン界面活性剤〔式中のRは炭素数11の直鎖アルキル基、lは15、R’はメチル基〕
(a−5):アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基は炭素数8以上16以下のアルキル基)
〔(b)成分〕
(b−1):N,N−ジデシル−N−エチル−N−メチルアンモニウムエチルサルフェート(化合物中の対イオンを除く、陽イオン部分の質量%=339/463=73.2質量%)
(b−2):N,N−ジデシル−N、N−ジメチルアンモニウムクロリド(化合物中の対イオンを除く、陽イオン部分の質量%=(326/362)×100=90.1質量%)
(b−3):N,N−ジオクチル−N、N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェート(化合物中の対イオンを除く、陽イオン部分の質量%=(270/381)×100=70.9質量%)
〔(b’)成分:(b)成分の比較化合物〕
(b’−1):N−ミリスチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(化合物中の対イオンを除く、陽イオン部分の質量%=(256/367)×100=69.8質量%)
〔(c)成分、(d)成分、及び任意の(e)成分〕
表1に記載の脂肪酸1〜6を用いた。
〔その他の成分:(f)成分〕
(f−1):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(f−2):ポリエチレングリコールフェニルエーテル(エチレングリコールモノフェニルエーテル/ジエチレングリコールモノフェニルエーテル/トリエチレングリコールモノフェニルエーテル=95/4/1(質量比)の混合物)
(f−3):プロピレングリコール
(f−4):エタノール
(f−5):パラトルエンスルホン酸ナトリウム
(f−6):ポリアクリル酸ナトリウム:重量平均分子量4000
(f−7):亜硫酸ナトリウム
(f−8):酵素(プロテアーゼ(花王(株)製))
(f−9):香料(特開2005−314559に記載の表1のa−3の香料組成物)
(f−10):蛍光染料(チノパールCBS−X(商品名)(チバスペシャリティケミカルズ製))
<殺菌性の試験方法>
(1) 着用済みの衣類から分離されたモラクセラ属細菌(Moraxella sp.)をSCD−LP寒天培地を平板としたプレートに画線培養し、37℃で24時間培養したものを白金耳でかきとり、滅菌水で希釈してOD600=1.5の菌濃度に調製した。
(2) 試験溶液(表の衣料用液体洗浄剤組成物を0.33g/Lとなるように水で希釈したもの)10mlに対して、(1)の懸濁液を0.1ml添加し、10分間、150rpm、25℃で接触させた。水は全て滅菌済みの水道水を使用した。
(3) (2)で菌を接触させた試験溶液をLP希釈溶液で段階希釈し、混釈法によってSCD−LP寒天培地上に生育したコロニー数をカウントした。以下の式により殺菌活性値を求めた。
殺菌活性値=LogA−LogB
A:試験溶液接触前の菌数の平均値
B:試験溶液接触後の菌数の平均値
殺菌活性値が高い方が殺菌効果に優れる。この評価では、殺菌活性値2.2以上が合格である。
<泡立ち抑制性の評価方法>
市販の綿肌シャツ(グンゼYG、男性用、サイズL)4kgを、ドラム式洗濯機(National、NA-V82)に投入し、次いで衣料用液体洗浄剤組成物16gを洗濯槽に投入し、乾燥を含まない洗濯のみのコース(水量20L、洗浄20分間、すすぎ2回、脱水6分間)に設定してスタートボタンを押し、洗濯開始から20分後に洗濯を一次停止し、停止した後30秒後の洗濯槽内の泡立ちの状態を目視により観察した。
泡立ちの状態は、ドラム式洗濯機のフロント扉(円形状)を正面から観察し、フロント扉の面を占める泡の割合を指標として下記評価基準に基づいて泡立ち抑制性を評価した。なお、評価点が1と2を合格と判定した。尚、評価点2よりも評価点1がより優れる。図1に、各評価点における洗濯槽内の泡立ちの状態を示す。
・泡立ち抑制の評価点
評価点1:フロント扉の面を占める泡の割合が1/4未満(図1(a))
評価点2:フロント扉の面を占める泡の割合が1/4以上、1/2未満(図1(b))
評価点3:フロント扉の面を占める泡の割合が1/2以上、3/4未満(図1(c))
評価点4:フロント扉の面を占める泡の割合が3/4以上(図1(d))
評価点4は、フロント扉の面のほとんどを泡が占めた状態である。
表中、(e)/[(c)+(d)+(e)](質量%)は、(c)成分の含有量、(d)成分の含有量及び(e)成分の含有量の合計中の(e)成分の含有量の割合である。
表中、(c)/(b)(質量比)は、(c)成分の含有量/(b)成分の含有量の質量比であり、(d)/(b)(質量比)は、(d)成分の含有量/(b)成分の含有量の質量比である。
尚、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、衣料に付着した皮脂汚れの洗浄性を有していた。

Claims (4)

  1. (a)成分10質量%以上70質量%以下、(b)成分0.1質量%以上5質量量%以下、(c)成分、(d)成分、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(c)成分の含有量/(b)成分の含有量が0.55以上10以下であり、(d)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比である、(d)成分の含有量/(b)成分の含有量が0以上0.50以下である、衣料用液体洗浄剤組成物。
    (a)成分:ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(但し、脂肪酸又はその塩を除く)から選ばれる1種以上の界面活性剤
    (b)成分:下記一般式(b1)で表される化合物

    〔式中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立に、炭素数8以上10以下の鎖式炭化水素基であり、Rb3及びRb4は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基であり、Xは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、又はハロゲンイオンである。〕
    (c)成分:炭素数14の脂肪酸又はその塩
    (d)成分:炭素数16以上24以下の脂肪酸又はその塩
  2. (a)成分が、ノニオン界面活性剤、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸塩、及び炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸エステル塩から選ばれる1種以上の界面活性剤である、請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  3. 前記ノニオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤である請求項1又は2に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  4. (a)成分中のノニオン界面活性剤の割合が、95質量%以上100質量%以下である、請求項1〜3の何れかに記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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