JP6242195B2 - 殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は殺菌方法に関する。
生活者の節水意識が高まり、風呂水の残り湯を使用して、衣料を洗濯する生活者が増加している。風呂水の残り湯の中には菌が存在していることが知られている。一方、菌は洗濯機の洗濯槽内の表面に付着した菌や生活者が着用した衣料に付着している菌もある。風呂水の残り湯を使用し、洗濯機で衣料を洗濯すると、より多くの菌が洗濯水を通して衣料に付着する可能性がある。衣料に菌が付着すると、洗濯後の生乾き状態の衣料から異臭が発生する場合がある。
洗濯用洗剤の提供者は、殺菌成分や抗菌成分を配合し、衣料に付着した菌の増殖を抑制する効果を有する技術を開発している。例えば、特許文献1には、炭素数6〜22の炭化水素基を一つ有する第4級アンモニウム塩を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、漂白活性化剤の安定性の向上の為に、水酸化テトラブチルアンモニウムを含有する液体漂白剤組成物が開示されている。特許文献2には、比較化合物としてテトラブチルアンモニウムクロリドも開示されている。液体漂白剤組成物中にはアニオン界面活性剤等の界面活性剤を含有しても良いことが記載されている。
特開2011−246585号 特開2007−308595号
生活者が風呂水の残り湯を洗濯に使用すると、洗濯機の洗濯槽に付着している菌、及び着用した衣料に存在する菌に加えて、風呂水の残り湯中に存在している菌が、洗濯水中に存在する。特許文献1に記載の液体洗浄剤組成物は、衣料上に付着した菌の繁殖を抑制する効果に優れる。しかしながら、洗浄剤組成物が含有する洗浄水中の菌をより効果的に殺菌する技術が求められる。また、衣料上に存在する菌は、衣料に存在する皮脂汚れを代謝することが知られている。衣料上の皮脂汚れの洗浄性をより高める技術も依然として要望されている。
本発明は、殺菌性、例えば洗浄液などの液体中の菌や衣料に存在する菌の殺菌性に優れた殺菌方法を提供する。
本発明は、下記(A)成分、(B)成分及び液体媒体を配合して得られる液体組成物を、菌と接触させる工程を含む、殺菌方法に関する。
<(A)成分>
下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤。
RO−(EO)mH (1)
〔式中、Rは炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、mは平均付加モル数を示し、1以上、12以下の数である。〕
<(B)成分>
下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物。
Figure 0006242195
〔式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数6以上、8以下の脂肪族炭化水素基であり、R4は炭素数6以上、8以下の炭化水素基であり、X-は陰イオンである。〕
本発明によれば、殺菌性、例えば風呂水を用いた洗浄液などの液体中の菌や衣料に存在する菌の殺菌性に優れた殺菌方法が提供される。本発明の殺菌方法は、例えば、洗浄液のようにアニオン界面活性剤を含む液体の殺菌に適用した場合、洗浄力を維持できるため、衣料の洗浄方法において実施できる。
本発明では、(A)成分と(B)成分を配合して得られる液体組成物を用いる。本発明では、4級アンモニウム基に結合した4つのアルキル基いずれもが、同程度の炭素数を有する特異的な(B)成分の第4級アンモニウム塩が菌に吸着し、菌の表面に疎水的な界面を形成し、その疎水的な界面に、ポリオキシアルキレン基と炭化水素基を有する(A)成分のノニオン界面活性剤が疎水的な相互作用で吸着性が高まることで、顕著な殺菌効果を発現するものと推察される。
まず、本発明に用いられる液体組成物の成分について説明する。
(A)成分は、下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤である。
RO−(EO)mH (1)
〔式中、Rは炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、mは平均付加モル数を示し、1以上、12以下の数である。〕
(A)成分は、衣料の洗浄成分としても知られている。本発明における(A)成分は、後述する特異的な構造の(B)成分と液体媒体中で併用することで、菌に吸着した(B)成分が形成する疎水的な界面に対して、(A)成分の炭化水素基が疎水的な相互作用で吸着することで、菌への吸着量が増加し、(A)成分が殺菌成分としても作用していると考えている。
一般式(1)において、Rは、炭素数10以上、18以下の炭化水素基である。菌に吸着した(B)成分が形成する疎水的な界面への吸着のしやすさの点からRの炭素数は好ましくは11以上であり、より好ましくは12以上である。菌を構成する細胞膜に浸透し顕著な殺菌効果を発現する点からRの炭素数は16以下が好ましく、14以下がより好ましい。13以下がより好ましい。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基が挙げられ、アルキル基が好ましい。炭化水素基は、直鎖、分岐鎖があるが、直鎖が好ましい。また、炭化水素基は1級、2級、3級があるが、殺菌性の点で1級が好ましい。Rは、殺菌性の点で直鎖アルキル基が好ましい。また、Rは殺菌性の点で1級アルキル基が好ましい。また、Rは、殺菌性の点で直鎖の1級アルキル基が好ましい。
一般式(1)において、mはエチレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1以上、12以下の数である。菌を構成する膜へ浸透しやすくなることで殺菌性が向上する点から、mは1.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上がより好ましい。菌への吸着性が高まることで殺菌性が向上する点で、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8以下がより好ましく、7以下がより好ましく、6以下がより好ましく、5以下がより好ましい。
(B)成分は下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物である。
(B)成分は、後述する液体媒体中で菌に吸着することで、菌と液体媒体との界面に疎水的な界面を形成し、前述の(A)成分の菌に対する吸着性を高めていると考えている。
Figure 0006242195
〔式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数6以上、8以下の脂肪族炭化水素基であり、R4は炭素数6以上、8以下の炭化水素基であり、X-は陰イオンである。〕
一般式(2)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数6以上、8以下の脂肪族炭化水素基である。殺菌性の向上の点から、R1、R2及びR3は、それぞれ、炭素数6の脂肪族炭化水素基が好ましく、ヘキシル基がより好ましく、n−ヘキシル基がより好ましい。
一般式(2)において、R4は炭素数6以上、8以下の炭化水素基である。R4は、製造の容易性又は殺菌性の点から、炭素数6以上、7以下の炭化水素基が好ましく、炭素数6の脂肪族炭化水素基及びベンジル基から選ばれる基がより好ましく、ヘキシル基がより好ましく、n−ヘキシル基がより好ましい。
一般式(2)において、X-は陰イオンであり、原料の入手のし易さの点から、ハロゲンイオンが好ましく、塩化物イオン(Cl-)及び臭化物イオン(Br-)から選ばれる1種以上が好ましい。
好ましい(B)成分の具体例は、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロリド及びテトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロミドから選ばれる1種以上の化合物である。
本発明の(A)成分と(B)成分と菌とを接触させる殺菌方法が、高い殺菌効果を有する理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下の様に推定している。本発明の(B)成分が菌と液体媒体の界面に吸着し、菌と液体媒体の界面に疎水的な界面が形成される。(B)成分が形成した疎水的な界面に、炭化水素基を有する比較的疎水性の高い(A)成分が吸着しやすくなり、(A)成分による殺菌効果が高くなったものと考えている。
本発明の液体組成物は、更に(C)成分として、アニオン界面活性剤を配合して得られるものであってよい。液体組成物に(C)成分を配合することは、本発明の殺菌方法と同時に衣料を洗浄する観点で好ましい。すなわち、本発明の液体組成物により衣料を洗浄する場合には、液体組成物に(C)成分を配合することが好ましい。本発明の殺菌方法によれば、洗浄液中にアニオン界面活性剤が衣料を洗浄する量で存在していたとしても、殺菌効果が低下することなく洗浄性を維持できる。
本発明の殺菌方法は、(C)成分という、(B)成分とはイオン性が反対の化合物を併用しても、衣料の洗浄力を維持しつつ優れた殺菌性を発現する。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下の様に推定している。本発明の(B)成分に該当しない第4級アンモニウム化合物、例えば、特許文献1に記載の炭素数8〜22の炭化水素基を一つ有する第4級アンモニウム塩は、疎水性基と親水性基である陽イオン基が隣り合っている。一方、(C)成分のアニオン界面活性剤も疎水性基と親水性基である陰イオン基が隣り合っている。これらを併用した場合、第4級アンモニウム塩とアニオン界面活性剤が、疎水性基同士の疎水性相互作用と親水性基同士の強い静電相互作用により、水中で複合結晶を形成することで、第4級アンモニウム塩が菌と接触しにくくなっていると推定される。また、(B)成分以外の第4級アンモニウム塩とアニオン界面活性剤が水中で複合結晶を形成した結果、アニオン界面活性剤が汚れに吸着しにくくなり洗浄力が低下するものと考えている。一方、本発明の(B)成分は、第4級アンモニウム基のまわりを取り囲むように鎖長の近い疎水性基が存在している為、(C)成分と結晶を形成しにくくなり、第4級アンモニウム塩が水中の菌に対してより接触しやすくなっていると考えている。また、汚れに対する吸着性も阻害されない為、洗浄力が維持できていると考えている。
(C)成分のアニオン界面活性剤としては、衣料の洗浄性の点から、スルホン酸基及び硫酸エステル基並びにこれらの塩から選ばれる基を有するアニオン界面活性剤が好ましい。
スルホン酸基及びそれらの塩から選ばれる基を有するアニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、及びα−スルホ脂肪酸塩のエステル塩から選ばれるアニオン界面活性剤が挙げられる。スルホン酸基及びそれらの塩から選ばれる基を有するアニオン界面活性剤としては、高い洗浄性能を発現させる観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、より好ましくは14以下の脂肪族アルキル基、好ましくは直鎖アルキル基、より好ましくは直鎖1級アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
硫酸エステル基及びそれらの塩から選ばれる基を有するアニオン界面活性剤としては、高い洗浄性能を発現させる観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下の脂肪族アルキル基、好ましくは直鎖アルキル基、より好ましくは直鎖1級アルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下の脂肪族アルキル基、好ましくは直鎖アルキル基、より好ましくは直鎖1級アルキル基を有し、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩について、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上が好ましく、エチレンオキサイドがより好ましく、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを含むことがより好ましい。
(C)成分の塩となる対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニムイオン、アルカノールアンモニウムイオンが挙げられるが、アルカリ金属イオンが好ましい。よって、(C)成分の塩は、アルカリ金属塩が好ましい。
殺菌性と衣料の洗浄性を両立できる観点から、(C)成分は、炭素数10以上、16以下の脂肪族アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数12以上、16以下の脂肪族アルキル基を有する硫酸エステル塩、及び炭素数12以上、16以下の脂肪族アルキル基を有し、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が1以上、6以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤であることが好ましい。
本発明に用いられる液体組成物は、(A)成分と(B)成分と液体媒体とを混合してなる。液体媒体は、(A)成分と(B)成分を菌あるいは衣料に接触させるための媒体として用いられる。液体媒体としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分や後述する任意成分が溶解及び/又は分散できる化合物であれば特に限定はされない。液体媒体としては、水が挙げられる。また、液体媒体としては、炭素数1以上、3以下の1価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールから選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。また、液体媒体としては、炭素数2以上、6以下の2価以上、6価以下の多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、及びソルビトールから選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。取り扱いの容易性の点から水を使用することが好ましい。水を使用する場合、イオン交換水、蒸留水あるいは水道水を特に限定なく用いることができる。液体媒体を構成する成分としては、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられる液体組成物は、(A)成分の殺菌効果を損なわない範囲で(A)成分以外の非イオン界面活性剤〔(D)成分〕を配合して得られたものでも良い。(D)成分の具体例としては、下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
R’O−(EO)m'H (3)
〔式中、R’は炭素数10以上、18以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、m’は平均付加モル数で18以上、60以下の数である。〕
一般式(3)において、R’は、炭素数10以上、18以下の炭化水素基である。殺菌性の維持の点からRの炭素数は好ましくは11以上であり、より好ましくは12以上であり、そして、16以下が好ましく、14以下がより好ましく、13以下がより好ましい。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基が挙げられる。
一般式(1)において、m’はエチレンオキシ基の平均付加モル数を示し、18以上、60以下の数である。水への溶解性の点から、m’は19以上が好ましく、20以上がより好ましく、21以上がより好ましい。そして、55以下が好ましく、50以下がより好ましく、45以下がより好ましく、40以下がより好ましく、35以下がより好ましく、30以下がより好ましい。
(A)成分に対する(D)成分の質量比は(D)成分/(A)成分=0.5以下が殺菌効果の点で好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下がより好ましく、0、即ち(D)成分を含まないことがより好ましい。
本発明に用いられる液体組成物は、(A)成分、(B)成分及び液体媒体並びに(C)成分などの任意成分を配合して得られるものである。該液体組成物は、JIS Z8802:2011記載の方法により20℃で測定したpHが3以上、11以下であることが使用の容易性の点から好ましい。pHが3以上、6未満の液体組成物、又は10以上液体組成物においては、殺菌性が向上するためより好ましい。しかしながら、pH6以上、10以下という、菌が増殖しやすく、一般的な殺菌剤でも殺菌しにくい環境下においても、本発明によれば、効果的に殺菌でき、且つ多様な種の菌を殺菌することができる。本発明の効果をより享受できる点で、液体組成物の20℃でのpHは好ましくは6以上、より好ましくは6.5以上であり、そして、好ましくは9.5以下、より好ましくは9以下である。
液体組成物が液体媒体として水を含む場合、水の含有量は、取り扱いの容易性の点で60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましい。
液体組成物への(B)成分の配合量は、より高い殺菌性を得る点で、0.1mg/kg以上が好ましく、0.2mg/kg以上がより好ましく、0.3mg/kg以上がより好ましく、0.5mg/kg以上がより好ましく、1mg/kg以上がより好ましく、1.5mg/kg以上がより好ましく、2mg/kg以上がより好ましく、3mg/kg以上がより好ましい。液体組成物への(B)成分の配合量は、経済性の点で、100mg/kg以下が好ましく、80mg/kg以下がより好ましく、60mg/kg以下がより好ましく、40mg/kg以下がより好ましく、30mg/kg以下がより好ましく、20mg/kg以下がより好ましい。
液体組成物中の(A)成分に対する(B)成分の質量比は、高い殺菌性を有する点から、(B)成分/(A)成分で、0.06以上、5以下が好ましい。より高い殺菌性を有する点で、(B)成分/(A)成分の質量比は、0.08以上、が好ましく、0.09以上がより好ましく、0.1以上がより好ましく、0.13以上がより好ましく、0.15以上がより好ましく、そして、4.5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がより好ましく、2以下がより好ましく、1.8以下がより好ましく、1.5以下がより好ましく、1.3以下がより好ましく、1.0以下がより好ましい。
本発明が適用可能な菌は、特に限定されないが、とりわけ、特開2013−18971号公報に記載のモラクセラ属の細菌、大腸菌又はアシネトバクター菌に対してより効果的である。モラクセラ・オスロエンシス及びモラクセラ・エスピーから選ばれる1種以上の細菌が本発明の対象として好ましい。これらの細菌は使用した衣料上に多く存在し、衣料を洗濯・脱水後〜乾くまで臭う臭い物質の原因菌として知られている。使用された衣料上には様々な属や種の菌が共存している。
本発明の殺菌方法は、(A)成分、(B)成分及び液体媒体を配合してなる液体組成物と菌とを接触させる工程(以下、接触工程という場合もある)を含む。接触工程における液体組成物の温度は、殺菌効果の点で、0℃以上、40℃以下が好ましい。本発明の殺菌方法を用いれば、より低い温度でも殺菌効果を得ることができる。本発明による殺菌効果を実感しやすい点において、35℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。殺菌の速度がより速い点で、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
液体組成物と菌とを接触させる時間としては、より高い殺菌効果を得る点で、2分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がより好ましく、15分以上がより好ましい。経済性の点から60分以下が好ましく、30以下がより好ましく、20分以下がより好ましい。
本発明の殺菌方法は、実施例に記載の方法で求められる殺菌活性値が4.0以上であることが好ましく、より好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上である。本発明において、実施例に記載の方法で求められた殺菌活性値の最大値は7.0である。実施例では、殺菌活性値の評価対象は、モラクセラ属の細菌である。
本発明の殺菌方法の具体的な態様としては、以下のものが挙げられる。
少なくとも(A)成分、(B)成分及び液体媒体から構成される成分を混合して液体組成物を調製し、好ましくは、0℃以上、40℃以下の温度に設定する。次いで、例えば洗濯後の衣料を液体組成物に好ましくは2分以上、60分以下浸漬する。かかる操作を行うことにより、衣料に存在する各種菌、例えばモラクセラ属の細菌を殺菌することができる。
本発明において、(A)成分、(B)成分及び液体媒体を配合してなる液体組成物中に更に(C)成分であるアニオン界面活性剤を配合することで、殺菌効果に加えて洗浄効果を得ることができる。本発明により、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び液体媒体を含有する液体組成物を用いて対象物を洗浄し且つ殺菌する処理方法が提供される。一例として、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び液体媒体を含有する液体組成物を用いて衣料を洗浄し且つ殺菌する衣料の洗浄方法が提供される。(C)成分を含有する場合、液体組成物中の(C)成分の含有量は洗浄性の点で5mg/kg以上が好ましく、10mg/kg以上が好ましく、15mg/kg以上がより好ましく、50mg/kg以上がより好ましい。コストの点から300mg/kg以下が好ましく、200mg/kg以下がより好ましく、150mg/kg以下がより好ましい。
以下の成分を用いて表1〜3の液体組成物を調製し、以下の方法で殺菌効果及び洗浄力を評価した。
<(A)成分>
(a−1):炭素数12と13の混合脂肪アルコールにエチレンオキシ基が平均で10モル付加した化合物〔一般式(1)中、Rが炭素数12の13の混合アルキル基、mが10の非イオン界面活性剤〕
(a−2):ラウリルアルコールにエチレンオキシ基が3モルのみ付加した化合物〔一般式(1)中、Rがラウリル基、mが3(単一分布)の非イオン界面活性剤〕
(a−3):ラウリルアルコールにエチレンオキシ基が4モルのみ付加した化合物〔一般式(1)中、Rがラウリル基、mが4(単一分布)の非イオン界面活性剤〕
(a−4):ラウリルアルコールにエチレンオキシ基が5モルのみ付加した化合物〔一般式(1)中、Rがラウリル基、mが5(単一分布)の非イオン界面活性剤〕
<(B)成分>
(b−1):テトラヘキシルアンモニウムブロミド(関東化学(株)製)〔一般式(2)中、R1、R2、R3、R4が、それぞれn−ヘキシル基、X-が臭化物イオン(Br-)の第4級アンモニウム化合物〕
<(B’)成分:(B)成分の比較化合物>
(b’−1):ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド(和光純薬工業(株)製)〔便宜的に一般式(2)の構造で表記すると、一般式(2)中、R1、R2、R3、R4のうち、1つがn−ヘキシル基、3つがメチル基、X-が臭化物イオン(Br-)の第4級アンモニウム化合物〕
(b’−2):テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(和光純薬工業(株)製)〔便宜的に一般式(2)の構造で表記すると、一般式(2)中、R1、R2、R3、R4のうち、1つがn−テトラデシル基、3つがメチル基、X-が臭化物イオン(Br-)の第4級アンモニウム化合物〕
(b’−3):テトラブチルアンモニウムクロリド(和光純薬工業(株)製)〔便宜的に一般式(2)の構造で表記すると、R1、R2、R3、R4が、それぞれn−ブチル基、X-が臭化物イオン(Br-)の第4級アンモニウム化合物〕
<(C)成分>
(c−1):ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
(c−2):ラウリル硫酸エステルナトリウム(和光純薬工業(株)製)
(c−3):ポリオキシエチレン(平均付加モル数が3モル)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム
<(D)成分:任意成分>
(d−1):ラウリルアルコールにエチレンオキシ基が平均で21モル付加した化合物〔一般式(3)の構造で表記すると、一般式(3)中、R’がラウリル基、m’が21の非イオン界面活性剤〕
<水、硬度成分>
水:イオン交換水〔塩化カルシウム(和光純薬工業(株))及び塩化マグネシウム(和光純薬工業(株))で硬度4°DHに調整したもの〕
<液体組成物の調製>
表1の実施例1−1の組成において、出来上がり質量が50gになるのに必要な30℃のイオン交換水に対して、濃厚硬度調整水を添加して硬度が4°DHになるように調整した硬度水を使用した。濃厚硬度調整水は、イオン交換水に対して、塩化カルシウム(無水)を66.7g/L、塩化マグネシウム(6水和物)を29.6g/Lとなるように添加し、Ca/Mg比(質量比)が4/1であり、硬度が4000°DHの濃厚硬度水溶液として得た。
硬度水の90質量%を100mLのガラス製ビーカーに入れた。直径が1.5cmのテフロン(登録商標)製攪拌子を入れ、マグネットスターラーで50r/minで攪拌しながら、次に(a−1)成分を5分かけて投入した。次に、(b−1)成分を5分かけて投入した。更に10分攪拌後、出来上がり質量が50gになるように4°DHの硬度水を添加し、更に3分間攪拌し、実施例1−1に記載の液体組成物を得た。
同様の方法で表1〜3の他の液体組成物を調製した。なお、各液体組成物のpHは、pH調整剤として0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液又は0.1規定の塩酸を用いて表中の値に調整した。
<評価>
(1)殺菌効果
モラクセラ・オスロエンシスに対する殺菌効果を評価した。菌は、Moraxella osloensis ATCC 19976を使用した。
液体組成物10mLに、菌液(初発菌数1.0×107CFU/mL)を0.1mL添加してテストチューブミキサーにて、25℃の温度条件下で、150r/minで10分間攪拌した。液体組成物と菌が最初に接触してから15分後、500μLをマイクロピペットで分取し、4500μLのLP希釈液(日本製薬(株)製)に懸濁することで液体組成物を不活化した。希釈液の段階希釈を行い、SCD−LP寒天培地(日本製薬(株)製)にて混釈後、37℃にて静置培養(1日)を行い、得られたコロニー数を計測し、表1の比較例1−1の生菌数の常用対数値から、各実施例又は比較例の生菌数の常用対数値を引いたもの(対数値)を殺菌活性値とした。この評価では、殺菌活性値が、4.0以上が合格であり、殺菌活性値は高いほど殺菌効果が高いことを意味する。
(2)洗浄力評価
<人工汚染布の作製>
使用した人工汚染布は、6cm×6cmの木綿/ポリエステルブロード混紡染着布(木綿/ポリエステル比=35/65 谷頭商店より購入)に、下記組成から成るモデル皮脂汚れを1枚当り100mgになるようグラビア塗工したものである。
・モデル皮脂汚れ
以下の組成を有するモデル皮脂汚れを使用した。
ラウリン酸0.44質量%、ミリスチン酸3.15質量%、ペンタデカン酸2.35質量%、パルチミチン酸6.31質量%、ヘプタデカン酸0.44質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.91質量%、トリオレイン13.33質量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル2.22質量%、スクアレン6.66質量%
<洗浄条件>
風呂水を用いた洗浄液のモデル洗浄液として、硬度が4°DH(Ca/Mg=6/4、質量比)の水1リットルに、モデル皮脂汚れを0.2g、氷酢酸を0.3ml、液体組成物を0.25g添加した洗浄液(20℃)を用いた。このモデル洗浄液1リットルに、人工モデル皮脂汚れ汚染布を5枚入れた。次に6cm×12cmの木綿/ポリエステルブロード混紡染着布を投入し、浴比を20に調整した。ターゴトメーターで、85回転、10分間の条件で洗浄した。
洗浄力は、汚染前の原布、及び洗浄前後の550nmにおける反射率を測色色差計(日本電色株式会社製Z−300A)にて測定し、次式によって洗浄率(%)を求めた。汚染布5枚についてそれぞれ測定し平均値を求めた。洗浄率は30%以上が合格ラインであり、数値が高い方がより好ましい。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)]
Figure 0006242195
Figure 0006242195
Figure 0006242195

Claims (4)

  1. 下記(A)成分、(B)成分及び液体媒体を配合して得られる液体組成物を、菌と接触させる工程を含む、殺菌方法。
    <(A)成分>
    下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤。
    RO−(EO)mH (1)
    〔式中、Rは炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、mは平均付加モル数を示し、1以上、12以下の数である。〕
    <(B)成分>
    下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物。
    Figure 0006242195

    〔式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数6以上、8以下の脂肪族炭化水素基であり、R4は炭素数6以上、8以下の炭化水素基であり、X-ハロゲンイオンである。〕
  2. (B)成分が、前記一般式(2)中のR1、R2、R3及びR4が、それぞれ炭素数6の脂肪族炭化水素基の第4級アンモニウム化合物である、請求項1に記載の殺菌方法。
  3. (A)成分と(B)成分との質量比が、(B)成分/(A)成分で0.06以上、5以下である、請求項1又は2の何れかに記載の殺菌方法。
  4. 液体組成物が、更に(C)成分として、アニオン界面活性剤を配合して得られたものである、請求項1〜3の何れか1項記載の殺菌方法。
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