JP2011216513A - 表面保護用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に150μm以上のバンプ電極等の突起物を有する半導体ウェハの裏面を研削する際に用い、ウェハを薄くまで研削しても、ディンプルおよびウェハの割れを生ぜず、また、糊残りなく容易に剥離できる表面保護用粘着テープを提供する。
【解決手段】半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、基材フィルム1、中間層3、粘着剤層5が順に積層して形成され、中間層3がフィラーを含有することを特徴とする表面保護用粘着テープである。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハの表面保護用粘着テープに関し、特に、回路面上に高さの高いバンプが高密度で配列された半導体ウェハのバックグラインド工程で使用される表面保護用粘着テープに関する。
半導体デバイスは、回路素子や配線の形成後に表面を保護するために、パッシベーション膜をウェハ全面に形成している。外部配線と電気的に接続するためにこのパッシベーション膜上にレジストによるパタ―ニングを行い、その後エッチングによってスルーホールを空けている。残ったレジストは除去され、ウェハ表面にパターンが形成される。
このようにパターニングされたウェハは所定の厚さまでウェハ裏面を削られるバックグラインド工程へ送られる。このバックグラインド工程では、パターニングされた表面を保護する目的で表面保護用粘着テープを使用してウェハの薄膜化が行われている。
しかしながら、近年の半導体業界の技術革新に伴い、従来の半導体ウェハ表面保護用粘着テープでは対応が困難な表面形状を有するウェハが出現してきている。特に、半導体集積回路表面が下側に配置されて基板に接続されるフリップチップ実装と呼ばれる実装方法は、この実装方法等に適したチップを有するウェハとして突起状のバンプ電極を有している。バンプ電極の材質は、半田、金、銀、銅等であり、形状はボール状、円柱状、方形状など様々な形状が存在する。そして、バンプ電極はウェハの表面から突出して形成されており、一般的にはその高さは100μm程度であるが、実装信頼性を確保するために200μmを超えるものも見られるようになってきた。
バンプ電極を有するウェハ表面に従来の半導体ウェハ表面保護用粘着テープを貼着して研削する場合には、表面保護用粘着テープが突起状物に対して十分に追従できず、突起状物による凸部に対する粘着テープの密着が不十分となる。そして、突起状物に対して研削時の応力が集中してディンプルと呼ばれる研削跡が発生することがあり、最悪の場合は研削中にウェハが割れてしまうことがあった。更に、近年のウェハの薄膜化の要請と共に、バンプピッチの狭幅化、バンプ径(バンプの高さ)の増大傾向により、バックグラインドでのディンプルが発生しやすく、またウェハが割れやすくなってきている。
ディンプルが発生してしまうとウェハ面内の厚み精度が悪化し、ダイシング等の次以降の工程に悪影響を与えたり、製品不良の原因になったりすることがあった。また厚み精度の悪化により、チップの抗折強度が低下し、ディンプル部が起点となってクラックが発生してしまい歩留まりに大きく影響することがある。
バンプ径が大きく、高く、狭ピッチなバンプ電極を有するウェハに対して、従来の半導体ウェハ表面保護用テープ側からの解決アプローチとして、粘着剤層の弾性率を下げて粘着剤を柔らかくしたり、粘着剤の厚みをバンプの高さ以上にしたりすることでバンプを包み込みディンプルの発生およびウェハの割れを抑制する方法がとられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、バンプ高さが150μm以上になるとバンプを完全に密着させるために粘着剤を非常に柔らかくしなければならず、テープ剥離後に糊(粘着剤)がウェハ上に残ってしまう糊残りが問題となっている。
また、粘着剤を2層に分けることによってバンプに対する密着性と耐糊残り性を両立させる方法が考えられてきた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、バンプに粘着剤を完全に密着させた場合、UV硬化反応により粘着剤がバンプに噛み込んでしまい、テープの剥離不良やバンプ自体をウェハから剥がしてしまう問題が発生している。また、十分に粘着剤を硬化させないでテープを剥離した場合は、剥離はできるがやはり糊残りが発生してしまい、完全に解決されていない。
特開2003−173994号公報 特開2001−203255号公報
したがって本発明は、上記のような問題点に鑑み、バンプ高さの高いバンプ電極を有するウェハの裏面研削に用いる表面保護用粘着テープで、ウェハを薄く研削しても、ディンプルおよびウェハの割れを生ぜず、また、糊残りなく容易に剥離できる表面保護用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するのに、以下の(1)〜(5)の手段によるものである。
すなわち本発明は、
(1)半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、基材フィルム、中間層、粘着剤層が順に積層して形成され、前記中間層がフィラーを含有することを特徴とする表面保護用粘着テープ。
(2)前記半導体ウェハが、表面にバンプ電極を有する半導体ウェハであり、前記中間層の厚さが前記バンプ電極の高さの1.2倍以上であり、前記粘着剤層の厚さが前記中間層の厚さに対して1〜20%の厚さであることを特徴とする(1)に記載の表面保護用粘着テープ。
(3)前記中間層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の表面保護用粘着テープ。
(4)前記フィラーが導電性を有していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面保護用粘着テープ、
(5)前記粘着剤層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の表面保護用粘着テープ、
である。
本発明の表面保護用粘着テープによれば、バンプの径が大きく、高く、狭ピッチなバンプ電極を有するウェハにおいても、ディンプルの発生やウェハの割れがほとんど生ぜず、薄くまでウェハの研削が可能であり、粘着テープの剥離が容易であり、糊残りがほとんどない。
また、バンプ電極等の突起物は柔軟で硬化収縮の少ない中間層により保護されているため、ウェハ表面への研削時のダスト、研削くず、洗浄水の浸入を防止でき、ウェハの汚染を防ぐことができる。
本発明の表面保護用粘着テープの断面図。 本発明の表面保護用粘着テープの他の例の断面図。 本発明にかかる表面保護用粘着テープを、バンプ電極を有する半導体ウェハに貼着した際の断面図。
本発明の表面保護用粘着テープの好ましい実施の態様について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2は、本発明の表面保護用粘着テープの一例を示す断面図である。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。また、各構成要素の大きさは模式的に描かれている。
本発明の表面保護用粘着テープは、図1に示すように、基材フィルム1の片表面に中間層3が形成され、中間層3上に粘着剤層5が形成されてなる。
本発明の基材フィルム1は、半導体ウェハの裏面を研削加工するときの衝撃からの保護を主目的とするものであって、特に水洗浄等に対する耐水性と加工部品の保持性を有することが重要である。
本発明の基材フィルム1の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。また基材フィルム1は単層フィルムまたは二層以上のフィルムを積層した複層フィルムとして用いることができる。
また基材フィルム1は、可視光透過性であるものが好ましく、さらに放射線透過性であるものが好ましい。また、基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜500μmである。フィルムが50μm以下であると製造する際に厚み精度が悪くなりやすく、また剛性が無いため、ウェハの保持性に欠け、搬送エラーを引き起こす可能性が高い。一方、フィルムが500μmを超えると、研削後の反りが大きくなるため搬送エラーを引き起こす、剛性が強すぎるためテープ化できないなどの問題が発生する可能性が高い。基材フィルムの厚さは、更に好ましくは80〜300μm、より好ましくは100〜200μmである。基材フィルムの厚さが100〜200μmの範囲内とすることにより、搬送性及び反りの抑制を兼ね揃えた性能を付与させやすい。
本発明の中間層3は、主成分であるポリマーに、フィラーが配合されてなる。また、必要に応じて架橋剤(硬化剤)等の任意の種々の添加剤を配合する。
主成分ポリマーの種類は、何ら限定するものではなく、中間層3の形成には例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の粘着剤や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブテン−1、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、1、2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ペンテン−スチレン共重合体(SEPS)又はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などの弾性樹脂が好適に用いられる。
また中間層3は、放射線硬化型や加熱発泡型の粘着剤を用いてもよい。放射線硬化型粘着剤としては、紫外線、電子線等を照射することにより硬化して、剥離しやすくなるもの、また、加熱発泡型粘着剤としては、発泡剤や膨張剤の作用により膨張し剥離しやすくなる粘着剤であれば、特に制限なく使用可能である。また中間層3は、ダイシング・ダイボンディング兼用可能な接着剤を用いてもよい。
中間層3に用いる粘着剤としては、アクリル系粘着剤が特に好ましく、具体的には、アクリル酸エステルを主たる構成モノマー単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系ポリマー、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が好適に用いられる。例えば、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど、また上記のアクリル酸エステルを例えばメタクリル酸エステルに代えたものなども好ましく使用できる。
また接着性や凝集力を制御する目的で、アクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させてもよい。
これらモノマーを重合して得られるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、1.0×10〜3.0×106であることが好ましく、更に好ましくは、1.0×10〜1.0×10である。分子量が低くなると低分子量成分が粘着剤表面にブリードアウトすることによって被着体を汚染してしまう。一方、高分子量になると低分子量成分による汚染は少なくなるが、ポリマーの合成が難しくなり、また塗工時にゲル化してしまうため、使用できなくなってしまう。より好ましい重量平均分子量は1.0×10〜5.0×10であり、特に好ましくは2.0×10程度である。この範囲にある場合、バンプ電極への密着性と非汚染性の両立がし易くなり、また後に説明するフィラーの配合にも適している。なお、重量平均分子量は、高分子をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の重量平均分子量として算出したものである。
また上記粘着剤は、架橋剤を配合することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような架橋剤としては、ポリマーに対応して、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物、アミン樹脂等が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのアダクトタイプのもの等が用いられる。多価エポキシ化合物としては、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が用いられる。多価アジリジン化合物としては、具体的にはトリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。またキレート化合物としては、具体的にはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が用いられる。
さらに、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
中間層3の形成に用いる放射線硬化型粘着剤は、例えば特公平1−56112号公報、特開平7−135189号公報等に記載のものが好ましく使用される。放射線硬化型粘着剤は、通常粘着剤の主成分ポリマーに、光重合性化合物を混合することによって得られる。また、主成分ポリマー自体を、放射線重合性基を有する放射線硬化性ポリマーとしてもよい。
光重合性化合物は、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。具体的には、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが挙げられる。
放射線硬化性ポリマーは、放射線硬化性を有すればよく、特に限定するものではないが、前記したアクリル系ポリマーを基本骨格として、側鎖に放射線重合性の炭素―炭素二重結合を含有するポリマー等が好適に用いられる。放射線硬化性ポリマーは例えば、予め官能基含有モノマーを共重合させてアクリル系ポリマーを得た後、この官能基と反応しうる官能基および放射線重合性の炭素―炭素二重結合を有する化合物を縮合、または付加反応させることにより得られる。
また、放射線硬化型ポリマーに、更に前記光重合性化合物を混合して用いることもできる。
なお、本発明に用いられる中間層3を放射線照射によって硬化させる場合には、必要に応じ副成分として、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキメチルフェニルプロパン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。これら光重合開始剤の配合量は光重合性化合物または放射線硬化性ポリマー100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。
このようにして形成される放射線硬化型粘着剤からなる中間層3に対し、光、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の粘着力が大きく低下し、容易に被着体から本発明の粘着テープを剥離することができる。
本発明の中間層3はフィラーを必須成分とする。中間層3にフィラーを含有させることによって、中間層3のバンプへの咬み込みを少なくすることができ、本発明の粘着テープを容易に剥離することができる。特に中間層3が放射線硬化型粘着剤で構成される場合に効果が大きく、従来は、硬化による収縮で粘着テープの剥離が容易ではなくなり、最悪の場合にはバンプをもいでしまうことがあったが、本発明では、フィラーの配合により、硬化収縮が緩和されるため非常に容易に剥離可能となる。
本発明に用いられるフィラーは、有機フィラーおよび無機フィラーのいずれを使用してもよい。
無機フィラーとして特に制限は無いが、例えば、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素、結晶質シリカ、非晶質シリカ、アルミナなどが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用することもできる。
有機フィラーとしては、カーボンブラックや各種ゴムフィラーなどがあり、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴムフィラー、シリコーンゴムフィラーなどが挙げられる。
また、中間層3に帯電防止性を積極的に付与する目的で、導電性を有するフィラーを用いることもできる。導電性を有するフィラーは、例えば金、ニッケル、銀、銅、タングステンやはんだなどの金属粒子、これら金属粒子表面に金やパラジウムなどの薄膜をめっきや蒸着によって形成した金属粒子やこれらの窒化物、酸化物および水酸化物等、ポリスチレン等の高分子の球状の核材にニッケル、銅、金、はんだ等の導電層を設けた導電粒子やカーボンブラックなどを用いることができる。
特に好ましいフィラーは、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム等である。
本発明のフィラーの配合量は、中間層の主成分ポリマー100質量部に対して10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜150質量部である。
本発明のフィラーの大きさは、バンプの直径以下であることが好ましい。バンプの直径以上のフィラーを配合するとバンプ密着性への影響が大きく十分に密着しなくなるためである。
中間層3の厚さは、バンプ電極の高さの1.2倍以上であることが好ましい。バンプ電極の高さの1.2倍より小さいと、十分に密着できない場合がある。
中間層3に前記のような弾性樹脂を用いる場合は、厚さが50〜400μmであることが好ましい。
中間層3の形成は、例えば粘着剤を用いる場合は、ポリマー等の原料組成物を混合して溶液として、溶液にフィラーを分散させた後、基材フィルム上に塗布、乾燥する方法や、剥離紙の表面に塗布、乾燥した後、基材フィルムに貼り合わせる方法により形成される。また、前記弾性樹脂を用いる場合は、フィラーをコンパウンドした樹脂をTダイ法でフィルム状にし、基材フィルムに、溶剤系接着剤で貼り合わせる(ドライラミネート)方法やPETなどを支持体としてキャスト方式で弾性樹脂層を形成する方法などが挙げられる。
本発明の粘着剤層5を形成する粘着剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の感圧性粘着剤が使用可能であり、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等のポリマーを用いた粘着剤が好適に用いられる。
また粘着剤層5を形成する粘着剤として、紫外線、電子線等の照射により硬化して剥離が容易となる放射線硬化型や発泡剤や膨張剤を含有し、加熱により膨張して、剥離が容易となる加熱発泡型の粘着剤も用いることができるが、放射線硬化型粘着剤とすることが、粘着力をコントロールすることが容易で、硬化後に糊残り無く剥離可能であることから好ましい。
粘着剤層5に用いる粘着剤はアクリル系粘着剤が特に好ましく、具体的には、アクリル酸エステルを主たる構成モノマー単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系ポリマー、その他の官能性単量体との共重合体、およびこれら重合体の混合物が好適に用いられる。例えば、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど、また上記のアクリル酸エステルを例えばメタクリル酸エステルに代えたものなども好ましく使用できる。
また接着性や凝集力を制御する目的で、アクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させたものでもよい。
これらのモノマーを重合して得られるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、1.0×10〜3.0×106であることが好ましく、更に好ましくは、1.0×10〜2.0×10である。分子量が低くなると低分子量成分が粘着剤表面にブリードアウトすることによって被着体を汚染してしまう。一方、高分子量になると低分子量成分による汚染は少なくなるが、ポリマーの合成が難しくなり、また塗工時にゲル化してしまうため、使用できなくなってしまう。最も好ましい重量平均分子量は7.0×10〜1.5×10である。この範囲にある場合、バンプへの密着性と非汚染性の両立がし易くなる。なお、粘着剤層5に含まれるアクリル系ポリマーは、中間層3に含まれるアクリル系ポリマーに比べて、重量平均分子量が高いことが好ましい。
また、上記粘着剤は、架橋剤を配合することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような架橋剤としては、中間層3形成用の架橋剤を同様に使用することができる。
さらに、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
粘着剤層5に用いる放射線硬化型粘着剤としては、放射線により硬化し三次元網状化する性質を有すればよく、例えば通常のゴム系あるいはアクリル系の感圧性粘着剤の主成分ポリマーに、光重合性化合物が混合されてなる。あるいは、粘着剤の主成分ポリマー自体を、側鎖に放射線重合性基を有する放射線硬化型ポリマーとしてもよい。
粘着剤層5形成に用いられる光重合性化合物は、特に限定するものではないが、中間層3形成用の粘着剤に使用される光重合化合物が同様に使用できる。
粘着剤層5形成用の放射線硬化性ポリマーは、特に限定するものではなく、中間層3形成用に使用する放射線硬化性ポリマーが同様に使用できる。
また、放射線硬化型ポリマーに、更に前記光重合性化合物を混合して用いることもできる。
また粘着剤層5に用いる放射線硬化型粘着剤は、イソシアネート系硬化剤を混合することにより、初期の接着力を任意の値に設定することができると共に、紫外線照射量や加熱、電子線照射によって、剥離時の粘着力の制御が可能である。これらの粘着力制御方法の中では、紫外線による硬化反応がウェハ加工工程のスループットなどの点から最も好ましい。このような硬化剤としては、具体的には多価イソシアネート化合物、たとえば2,4トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネートなどが用いられる。
なお、本発明に用いられる粘着剤層5を放射線照射によって硬化させる場合には、必要に応じ副成分として、光重合開始剤を配合する。粘着剤層5形成用のベースポリマーに含まれる光重合開始剤としては、中間層形成用の光重合開始剤を同様に使用することができる。
このようにして形成される放射線硬化型粘着剤層に対し、光、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の接着力が大きく低下し、容易に被着体から本発明の粘着テープを剥離することができる。
本発明の粘着剤層5は、一層でもよいし、二層以上積層して形成してもよい。
また、粘着剤層5の厚さは、中間層の厚さに対して1〜20%であることが好ましい。ここでいう粘着剤層5の厚さは、粘着剤層が二層以上で形成される場合は、最外層(使用時にウェハへ接する層)の厚さとする。1%より小さいと、汚染や糊残りを引き起こしやすく、20パーセントより大きいとバンプへの密着性が不十分になりやすい。
図2に粘着剤層を二層積層して設けた本発明の表面保護用粘着テープの一例の断面図を示す。基材フィルム1の片表面に中間層3が形成され、中間層3上に一層目の粘着剤層5a、最外層の粘着剤層5bが順に形成されてなる。
本発明の表面保護用粘着テープの製造方法は特に限定されず、基材フィルム上に中間層および粘着剤層を形成することにより得ることができる。中間層がおよび粘着剤層の形成は、それぞれポリマー等の原料組成物を混合して溶液とし(以下、「塗布液」という)、基材フィルム上にコンマコーター、ロールコーター等の公知の方法で、順次塗布、乾燥する方法を用いることができる。また、剥離紙の表面に塗布液を塗布、乾燥して、中間層、粘着剤層を、それぞれ形成した後、基材フィルム上に、中間層、粘着剤層を順次貼り付ける方法により形成させてもよい。
本発明の表面保護用粘着テープは、回路面上にどのような高さのバンプ電極を形成したウェハの研削にも適用できるが、特に、これまでの表面保護テープでは不十分であったバンプ電極の高さが150μm以上、望むならば200μm以上のウェハにも良好に適用できる。そして、このように高いバンプウェハの研削に際しても、ウェハを仕上げ厚さ200μm以下、好ましくは150μm以下、100μm程度まで薄くディンプルやウェハ割れを殆ど生じることなく加工することができる。
本発明の表面保護用粘着テープの使用の一例を図3に示す。図3は、バンプ電極9を有する半導体ウェハ7表面に本発明の表面保護用粘着テープが貼合されており、中間層3および粘着剤層5がバンプ電極9に十分に追従し、密着する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明し、比較例と共に性能試験例を示し、本発明の優れた効果を明示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有する重量平均分子量25万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を0.5質量部、光重合開始剤イルガキュア184(商品名、チバジャパン社製)を3質量部、フィラーとしてシリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製)を100質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して中間層塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ50μm)に調整した中間層塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが200μmである放射線硬化型の中間層を得、得られた中間層を厚み200μmのポリオレフィン(PO)基材フィルムと貼り合わせて、剥離ライナー付きの中間層形成フィルムを作製した。
次に、粘着剤層の粘着剤として放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有する重量平均分子量80万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を3.0質量部、光重合開始剤イルガキュア184(商品名、チバジャパン社製)を5.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ50μm)に、調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが5μmである放射線硬化型の粘着剤層を得た。中間層形成フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー)を剥離し、粘着剤層を中間層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、後記する評価方法でバンプ密着性試験、研削性試験、剥離試験、非汚染性試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの中間層形成フィルムを作製した。
次に、第1の粘着剤層の粘着剤として放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基、水酸基、及びカルボキシル基を含有する基をそれぞれ有する重量平均分子量50万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を1.0質量部、光重合開始剤イルガキュア184(商品名、チバジャパン社製)を1.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ50μm)に、調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが10μmである放射線硬化型の第1の粘着剤層を得た。前記中間層形成フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー)を剥離し、第1の粘着剤層を中間層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの第1の粘着層及び中間層が形成されたフィルムを作製した。
次に、実施例1の粘着剤層と同様にして、乾燥後の厚さが5μmである最外層の粘着剤層を得た。前記中間層及び第1の粘着剤層が形成されたフィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー)を剥離し、最外層の粘着剤層を第1の粘着剤層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
炭素−炭素間に二重結合を持たない重量平均分子量40万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を0.5質量部、フィラーとしてシリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製)を100質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して中間層塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ50μm)に調製した中間層塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが200μmである中間層を得、得られた中間層を厚み200μmであるポリオレフィン基材フィルムと貼り合わせて、剥離ライナー付きの中間層形成フィルムを作製した。
次に、粘着剤層の乾燥後の厚さが10μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして粘着剤層を得た。前記中間層形成フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー)を剥離し、粘着剤層を中間層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
中間層を乾燥後の厚さが170μmになるように形成した以外は実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの中間層形成フィルムを作製した。
次に、粘着剤層の粘着剤として炭素−炭素間に二重結合を持たない重量平均分子量120万のアクリル系共重合体100質量部として、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を3.0質量部を配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ50μm)に、調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが20μmである粘着剤層を得た。前記中間層形成フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー)を剥離し、粘着剤層を中間層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
粘着剤層を、乾燥後の厚さが20μmになるように形成した以外は実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
粘着剤層を、乾燥後の厚さが40μmになるように形成した以外は実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
粘着剤層を、乾燥後の厚さが60μmになるように形成した以外は実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
中間層塗布液におけるシリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製)の配合量を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
中間層塗布液におけるシリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製)の配合量を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
75μm厚みのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂基材と350μm厚みのエチレン−酢酸ビニル共重合体をドライラミネートによって積層し、基材フィルム厚75μm、中間層厚350μmの粘接着フィルムを得た。
更に、粘着剤層の粘着剤として炭素−炭素二重結合を持たない重量平均分子量80万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を2.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ25μm)に、調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが20μmである粘着剤層を得た。これを中間層が形成された粘接着フィルムの中間層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
100μm厚みの高密度ポリエチレン(HDPE)基材と350μm厚みのエチレン−酢酸ビニル共重合体をドライラミネートによって積層し、基材フィルム100μm、中間樹脂層350μm厚の粘接着テープを得た。
次に、粘着剤層の粘着剤として炭素−炭素二重結合を持たない重量平均分子量80万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を2.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ25μm)に調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが20μmである粘着剤層を得た。これを前記中間樹脂層が形成された粘接着フィルムの中間樹脂層と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
粘着剤層の粘着剤として炭素−炭素二重結合を持たない重量平均分子量80万のアクリル系共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を2.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整して粘着剤塗布液を得た。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離ライナー、厚さ25μm)に、調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、乾燥後の厚さが30μmである粘着剤層を得た。これを厚み100μm厚のポリエチレン樹脂(HDPE)基材と貼り合わせて、剥離ライナー付きの表面保護用粘着テープを作製した。
得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
中間層塗布液のフィラー(シリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製))を配合しない以外は、実施例1と同様にして、表面保護用テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
中間層塗布液のフィラー(シリカフィラーMR−7HG(商品名、綜研化学社製))を配合しない以外は、実施例3と同様にして、表面保護用テープを作製した。得られた表面保護用粘着テープについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(評価方法)
<バンプ密着性試験>
高さ150μmであるバンプ電極が300μmのピッチ間隔で形成された8インチのシリコンウエハの表面にラミネータで貼り付け、10分以内に照射量500mJにてUV照射を行い、表面保護テープを手で剥離した。その剥離したテープのバンプによる凹みの大きさについて顕微鏡観察を行い、ランダムで選定した凹みの直径を計測し、10個の凹みの平均径を計算した。
180μm〜230μmであるもの:◎
130μm〜180μmであるもの:○
100μm〜130μmであるもの:△
100μm以下であるもの:×
とした。
・使用したラミネータ:タカトリ ATM−1100G
<研削性試験>
高さ150μmであるバンプ電極が300μmのピッチ間隔で形成された8インチのシリコンウエハの表面にラミネータで貼り付け、シリコンウエハの裏面をウエハ厚150μmにまで研削した。
ウェハ厚150μm以下にまで研削可能であり、ディンプルが発生せず、エッジクラックのなかったもの:◎
ウェハ厚150μm以下にまで研削可能であり、ディンプルが発生しなかったがエッジ部のみにクラックが発生したもの:○
ウェハ厚150μm以下の研削実験において、ディンプルが発生したか、ウェハ割れが発生したもの:×
とした。
・使用したラミネータ:タカトリ ATM−1100G
・使用したグラインダー:DISCO DFG8540
<剥離試験>
研削実験で使用したテープ付ウェハを常温(20℃〜25℃)環境にて自動剥離機で剥離実験を行った。
自動機にて容易に剥離できたもの:◎
自動機にて剥離できたものの1回で剥離できなかったもの:◎
ウェハと接着してしまい、剥離できなかったもの:×
・使用した剥離機:日東電工製 HR8500II
<非汚染性試験>
ウェハ表面にウェハ加工用粘着シートを貼り付け、剥がしたウェハ表面の元素比率はXPS(X線光電子分光分析)にて測定し、粘着シートからの転写汚染物に由来する炭素の増加量をブランクウェハと比較しmol%として算出した。また測定条件は以下の条件にて測定を行った。
X線原:MgKα、X線のTake off angle:45°、
測定面積:1.1mmφ
C量mol%が15以下であったもの:◎
C量mol%が15〜25以下であったもの:○
C量mol%が25より大きかったもの:×
Figure 2011216513
Figure 2011216513
中間層を有し、中間層がフィラーを含有する実施例1〜9では、研削性と剥離性に優れた表面保護用粘着テープが得られた。
一方、中間層がフィラーを有しないか、中間層自体が存在しない比較例1〜5においては、いずれも剥離性が劣る結果であった。
特に、実施例1と比較例4を、または実施例3と比較例5を比べることで、中間層にフィラーを加えることにより、剥離性が向上していることが分かる。
また、粘着剤層の厚さ/中間層の厚さが、5%である実施例2、10%である実施例5、20%である実施例6、30%である実施例7を比べると、実施例7のみ、研削性が◎でなく○であり、粘着剤層の厚さ/中間層の厚さが20%以下であることがより好ましいことが分かる。
1………基材フィルム
3………中間層
5………粘着剤層
5a………粘着剤層
5b………粘着剤層
7………半導体ウェハ
9………バンプ電極

Claims (5)

  1. 半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、
    基材フィルム、中間層、粘着剤層が順に積層して形成され、
    前記中間層がフィラーを含有することを特徴とする表面保護用粘着テープ。
  2. 前記半導体ウェハが、表面にバンプ電極を有する半導体ウェハであり、
    前記中間層の厚さが前記バンプ電極の高さの1.2倍以上であり、
    前記粘着剤層の厚さが前記中間層の厚さに対して1〜20%の厚さであることを特徴とする請求項1に記載の表面保護用粘着テープ。
  3. 前記中間層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面保護用粘着テープ。
  4. 前記フィラーが導電性を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護用粘着テープ
  5. 前記粘着剤層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面保護用粘着テープ。
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