JP2011210953A - フラックスピン,フラックス転写装置及びフラックス転写方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体表面にフラックスを転写する軸状のフラックスピンの先端に凹部1aを形成し、該凹部1aと該フラックスピンの周面8aとを連通する連通路1cを設ける。該連通路1cとして、該先端を該軸方向に切り込んだ切り込み部1bを形成することが好ましい。
【選択図】図4
Description
本件の目的の一つは、このような課題に鑑み創案されたもので、フラックスの転写精度を向上させることである。
また、開示のフラックス転写装置は、液状のフラックスを貯留するトレイと、上記のフラックスピンとを備える。また、該トレイに貯留された該フラックスが該フラックスピンの先端に付着する第一位置と、該フラックスピンの先端に付着した該フラックスが該物体の表面に転写される第二位置との間で該フラックスピンを駆動する駆動装置を備える。
図1は、一実施形態に係るフラックス転写装置10の一例を示す斜視図である。このフラックス転写装置10には、トレイ3,作業台5,転写ヘッド2及び駆動装置4が設けられる。
トレイ3は、液状のフラックスを貯留する水平に配置された板状の部材である。トレイ3の上面3bには、くぼみ部3aが凹設される。トレイ3の上面からくぼみ部3aの底面までの深さはtであり、水平方向の位置に関わらず一定である。くぼみ部3aの内部には、転写前のフラックスが膜状に貯留される。
転写ヘッド2は、トレイ3上のフラックスを転写対象物6のパッド6a上に転写するものであり、その先端に複数のフラックスピン1を有する。これらのフラックスピン1の形状は軸状である。転写ヘッド2は、トレイ3の上面3bに対して垂直に配向された状態でフラックスピン1を固定する。以下、トレイ3上のフラックスがフラックスピン1の先端に付着するときのフラックスピン1の位置を第一位置と呼ぶ。また、フラックスピン1の先端が作業台5上の転写対象物6に転写されるときのフラックスピン1の位置を第二位置と呼ぶ。
図2(a),(b)に示すように、複数のフラックスピン1は、転写ヘッド2の先端に列をなして配置される。これらのフラックスピン1の転写ヘッド2の下面からの突出寸法Aは全て同一であり、各フラックスピン1の下端の位置は水平方向に揃う。複数のフラックスピン1の数は、それぞれのフラックスピン1によって異なる位置にフラックスが同時に転写される箇所数に対応する。
図3に示すように、フラックスピン1は外筒7,中芯8及びスプリング9を有する。
外筒7は中空の筒状に形成され、内部に棒状の中芯8を遊挿されてなる。外筒7の筒軸と中芯8の軸心Cは一致し、中芯8の少なくとも一端が外筒7の下端から突出するように設けられる。また、外筒7の内部には中芯8を弾性的に支持するスプリング9が内挿され、中芯8を外筒7に対して往復動動自在に支持する。スプリング9の一端は中芯8に固定され、他端は外筒7に固定される。なお、スプリング9の代替手段として板バネやゴム等といった任意の弾性部材を用いてもよい。あるいは、外筒7及びスプリング9を省略してもよい。
本実施形態では、中芯8をその軸心方向から見て中央に凹部1aが配置され、凹部1aの周囲から放射方向外側に向かって切り込み部1bが四ヶ所に形成されたものが示されている。例えば、図4(c)に示すように、凹部1aの形状は正方形の面状であり、軸心Cに対して垂直に配向される。また、凹部1aをなす四辺のそれぞれに隣接して、矩形の平面1dが凹部1aに対して傾斜して設けられる。
また、各平面1dの四辺のうち、凹部1aに接続された辺に対して垂直な二辺が稜線をなすように、各平面1d間がV字型の溝状に刻設され、切り込み部1bが形成される。切り込み部1bにおけるV字型の溝の底辺をなす線は軸心Cに対して垂直であり、凹部1aと周面8aとを連通する連通路1cとして機能する。以下、連通路1cの周面8a側の端部を指して開口部1eと呼ぶ。
なお、図4(d)に示す中芯8の側面図は、図4(b)に示す中芯8を筒軸C周りに45°回転させたものである。切り込み部1bは側面視において開口部1eを頂点とした三角形状に切り込まれた部位であり、連通路1cは開口部1eから凹部1aに向かって軸心Cに対して垂直に配置された部位である。
なお、本実施形態では、切り込み部1bの切り込み深さh2が、前述のくぼみ部3aの深さtよりも大きな値に設定される。好ましくは、深さt及び切り込み深さh2のそれぞれの値が不等式h2>at(ただし、1.3≦a≦1.5)を満たすように設定する。
図5は、フラックス転写装置10によるフラックス転写方法の一例を説明するフローチャートである。
ステップA1では、トレイ3のくぼみ部3aに液状のフラックスが投入される。またステップA2では、スキージ等によってフラックスの表面がトレイ3の上面3bに沿って均される。くぼみ部3aの内部にはフラックスの薄膜(厚さt)が形成される。
ステップA6(第二工程)では、転写ヘッド2が転写対象物6のパッド6aに向かって垂直に下ろされ、フラックスピン1が第二位置まで運搬される。フラックスピン1の先端がパッド6aに当接すると、図6(a)に示すように、フラックスがパッド6aの表面に転写される。フラックスピン1とパッド6aとの当接時に生じうる荷重は、フラックスピン1の外筒7に内挿されたスプリング9によって吸収される。
[4−1.フラックス転写時]
図6(a)に示すように、フラックスピン1の先端形状は、転写対象物6のパッド6aに当接したときにフラックスの上部に通気が確保される形状である。つまり、フラックスピン1の先端に付着したフラックスの上部に切り込み部1bを介して通気が確保されるため、フラックスをフラックスピン1から液離れしやすくすることができる。これにより、転写されたフラックスの断面形状に起伏が生じにくくなり、フラックスの厚みを均一化することができる。また、液離れにかかる速度が上昇するため、作業工程でのタクトタイムを短縮することができる。
フラックスピン1の切り込み部1bの切り込み深さh2がくぼみ部3aの深さtよりも大きいため、図3に示すように、フラックスをフラックスピン1の先端に充填する際に、フラックスピン1の先端に付着したフラックスの上部に隙間が形成される。つまり、フラックスピン1に付着するフラックスを凹部1aの下端側(先端側)に偏在させることができる。これにより、転写時に液離れしやすいようにフラックスを充填することができる。
また、フラックスピン1の内部のスプリング9は、フラックスの転写時だけでなく、フラックスの充填時に作用しうる荷重をも吸収する。したがって、充填時におけるフラックスピン1の先端形状の変形を防止することができる。
なお近年では、半田接合部が高集積化,高密度化しており、フラックスの転写面積,転写厚に対して高い精度が要求されているという実情がある。一方、開示のフラックスピン,フラックス転写装置及びフラックス転写方法によれば、このようなニーズにも応えることができる。
開示の実施形態の一例に関わらず、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、パッド6a上にフラックスを転写するものを例示したが、フラックスの転写対象となる物体表面はこれに限定されない。ここでいう物体表面とは、半田接合に係る金属表面を意味する。例えば、基板上に半田バンプを形成する際に半田ボールが載置される基板上の金属パッド表面を含み、あるいは基板上に形成された半田バンプの表面を含む。すなわち、フラックスの転写対象物は半田及び金属パッド表面の何れでもよい。
なお、これらの図7(a),(b)に記載されたような構造の場合には、凹部1aの内部全体にフラックスが充填されたとしても、転写時の通性性を確保することができるというメリットがある。
1a 凹部
1b 切り込み部
1c 連通路
1d 平面
1e 開口部
2 転写ヘッド
3 トレイ
3a くぼみ部
6 転写対象物
6a パッド
8 中芯
8a 周面
10 フラックス転写装置
Claims (7)
- 物体表面にフラックスを転写する軸状のフラックスピンであって、
先端で軸方向に凹設された凹部と、
該凹部と該フラックスピンの周面とを連通する連通路とを備えた
ことを特徴とする、フラックスピン。 - 該先端を該軸方向に切り込まれた形状を有し、該連通路をなす切り込み部を備えた
ことを特徴とする、請求項1記載のフラックスピン。 - 該切り込み部の該先端からの切り込み深さが、該凹部の該先端からの凹み深さ以上の寸法である
ことを特徴とする、請求項2記載のフラックスピン。 - 液状のフラックスを貯留するトレイと、
該フラックスの転写対象である物体の表面に該フラックスを転写するフラックスピンと、
該トレイに貯留された該フラックスが該フラックスピンの先端に付着する第一位置と、該フラックスピンの先端に付着した該フラックスが該物体の表面に転写される第二位置との間で該フラックスピンを駆動する駆動装置とを備え、
該フラックスピンが、先端で軸方向に凹設された凹部と、該凹部と該フラックスピンの周面とを連通する連通路とを有する
ことを特徴とする、フラックス転写装置。 - 該フラックスピンが、該先端を該軸方向に切り込まれた形状を有し、該連通路をなす切り込み部を備えた
ことを特徴とする、請求項4記載のフラックス転写装置。 - 該切り込み部の該先端からの切り込み深さが、該凹部の該先端からの凹み深さ以上の寸法である
ことを特徴とする、請求項5記載のフラックス転写装置。 - 先端で軸方向に凹設された凹部と、該凹部と該フラックスピンの周面とを連通する連通路とを有するフラックスピンを用いて、液状のフラックスが貯留されたトレイから該フラックスの転写対象である物体の表面に該フラックスを転写するフラックス転写方法であって、
少なくとも該連通路の該周面における開口部が該フラックスの液面よりも上方に位置するように、該フラックスピンの該先端を該フラックスの液中に浸漬させる第一工程と、
該フラックスピンの該先端に付着した該フラックスを該物体の表面に転写する第二工程とを備えた
ことを特徴とする、フラックス転写方法。
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