JP2011208213A - 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板 - Google Patents

耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP2011208213A
JP2011208213A JP2010076669A JP2010076669A JP2011208213A JP 2011208213 A JP2011208213 A JP 2011208213A JP 2010076669 A JP2010076669 A JP 2010076669A JP 2010076669 A JP2010076669 A JP 2010076669A JP 2011208213 A JP2011208213 A JP 2011208213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
less
toughness
weld
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010076669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5515954B2 (ja
Inventor
Akio Omori
章夫 大森
Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
Nobuo Shikauchi
伸夫 鹿内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2010076669A priority Critical patent/JP5515954B2/ja
Publication of JP2011208213A publication Critical patent/JP2011208213A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5515954B2 publication Critical patent/JP5515954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】建築構造用として好適な、降伏強さYS:440MPa以上、引張強さTS:590MPa以上、降伏比YR:80%以下を有し、さらに超大入熱溶接部および小入熱多パス溶接部において、耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.07〜O.09%、Si:0.01〜0.07%、Mn:1.0〜1.6%、P:0.009%以下、S:0.0008〜0.0019%、Mo:0.20〜0.60%、Al:0.005〜0.060%と、さらにCr:0.05〜0.60%、Nb:0.005〜0.030%、V:0.005〜0.080%のうちから選ばれた1種または2種以上を含み、さらにB:0.0003%以下、N:0.0040%以下で、Ceq:0.40〜0.47、Pcm:0.21以下を満足する組成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、土木、建築、橋梁等の溶接構造物用として好適な、高張力厚鋼板に係り、とくに入熱15〜900kJ/cmの広範囲の溶接条件においても、耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板に関する。ここでいう「低降伏比高張力厚鋼板」は、板厚12mm以上で、降伏強さ:440MPa以上、引張強さ590MPa以上で、降伏比80%以下の厚鋼板をいうものとする。
近年、溶接構造物の大型化に伴い、鋼材の高強度化や厚肉化が進められている。しかし、同時に、構造物の施工能率向上と施工コストの低減が要望されている。このような要望から、溶接効率の向上が求められ、大入熱溶接の適用範囲が拡大されている。例えば、高層建築物に用いられるボックス柱では、サブマージアーク溶接やエレクトロスラグ溶接などの溶接入熱が400kJ/cmを超えるような超大入熱溶接が適用されている。
また、建築構造物では、耐震性の向上が要求され、鋼板自体の塑性変形能確保のために、降伏比YRを80%以下とする低YR特性が要求されてきた。近年では、この低YR特性に加えて、さらに、溶接継手部において高い靱性が要求されるようになっている。例えば、ボックス柱の溶接部や柱-梁接合部において、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが、重要な部位では70J以上、その他の部位でも27J以上の高靱性を有することが要求されている。
一般に、鋼材に大入熱溶接を適用した際に、最も靭性が低下する部位は、溶接熱影響部(以下HAZともいう)のうち、溶融線近傍のボンド部と呼ばれる領域である。ボンド部では、大入熱溶接時に融点に近い高温にさらされ、オーステナイト粒が粗大化しやすく、さらに引続く冷却の際に、上部ベイナイト相や島状マルテンサイト相といった低靭性の組織をオーステナイト粒内に生成しやすい。このようなHAZは、旧オーステナイト粒が粗大化していることから、粗粒HAZ(Coarse grain HAZ:CGHAZ)と呼ばれている。
一方、小入熱多パス溶接時のボンド部では、後続パスにより再加熱され、二相域まで再加熱される領域(1nter-critical1y reheated CGHAZ :ICCGHAZ)が存在する。このような領域では、島状マルテンサイトが生成しやすく、靱性が低下する。
引張強さが590MPaを超えるような高強度鋼板では、強度確保のために合金を多量に添加することが多い。このため、このような鋼板では、降伏比が上昇し、また大入熱溶接のボンド部や小入熱溶接での二相域再加熱HAZでは、靭性が低下する傾向にある。また、このような鋼板の、仮付け溶接や吊り工具の溶接など小入熱でかつビード長さが短い溶接部では、HAZが硬化しやすくなる。硬さがHV350を超えると低温割れや遅れ破壊などの危険がある。このため、このような高強度鋼板では、HV350未満に抑えられるような耐溶接割れ性(または耐溶接硬化性)も要求される。このようなことから、低降伏比と、優れたHAZ靭性および耐溶接割れ性(耐溶接硬化性)などを兼備した高強度厚鋼板が要望されている。
このような要望に対し、鋼中に微細な介在物・析出物を分散させて、オーステナイト粒の粗大化を防止するとともに、これら微細な介在物・析出物を粒内フェライトの核生成サイトとして機能させて、旧オーステナイト粒内組織の微細化を図る技術が種々提案され、実施されている。
例えば、特許文献1には、C:0.01〜0.15%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.08%を基本成分として含有し、強さと靱性の要請に応じて、Nb、V、Ni、Cu、Cr、Mo、Bの1種以上を含むほか、N:0.001〜0.007%に抑制し、Ti:0.005〜0.025%とREM:0.002〜0.01%とを複合含有する成分調整を行った組成になる鋼を、(Ac3点−30℃)の温度から1150℃を超えない温度範囲におけるスラブ加熱下の熱間圧延にて製造し、加熱の際に伴われる異常粒の生成を抑制することを特徴とする溶接構造物用高張力鋼のじん性安定化方法が提案されている。特許文献1に記載された技術では、TiNとREM(希土類元素)の酸硫化物(オキシサルファイド)とが複合的に有効に作用して、母材および大入熱溶接部における靭性がすぐれ、かつそのばらつきのない高張力鋼材が得られるとしている。
また、特許文献2には、5μm以下の大きさのTiOx(ただしx:0.65〜1.3)を0.004〜0.06%含有する溶接用鋼材が提案されている。特許文献2に記載された技術では、針状フェライトの核生成サイトとして有効なTiOxを微細分散させて、溶接ボンド部とHAZとを高靭化するとしている。
また、特許文献3には、C:0.05〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜1.6%を含み、P,S,Alを適正範囲に調整して含有し、さらに、Cu:0.1〜1.0%、NI:0.1〜2.0%、Ti:0.005〜0.030%、B:0.0003〜0.0050%、Ca:0.0005〜0.0050%、N:0.0030〜0.0060%、O:0.0010〜0.0030%を、ACRが0.2〜0.8%、Ceqが0.47%以下となる範囲で含む鋼素材を、熱間圧延後、加速冷却を施し厚鋼板とし、さらに二相域の温度に再加熱したのち焼入れ、焼戻する、超大入熱溶接熱影響部靭性に優れる低降伏比高強度厚鋼板の製造方法が提案されている。特許文献3に記載された技術では、超大入熱溶接部靭性を向上するために、高温に加熱された領域におけるオーステナイト粒の粗大化抑制と、冷却時にフェライト変態を促進する変態核の微細分散が重要で、TiNの適用と、Ca、O、Sの含有量をACRが適正範囲となるように調整して形態を最適化したCa酸硫化物を鋼中に分散して粒内フェライトの核生成を促進させて、超大入熱溶接部靭性を向上させるとしている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された技術では、Ti、N、Ca、S、Oなどの微量元素の量を精密に制御する必要があり、精錬に長時間を要し製鋼コストの増加につながったり、大量生産が難しいという問題があった。また、TiNを鋼中に多量に分散させようとしてN量を増加させると、連鋳スラブの表面性状が劣化して鋳片表面の手入負荷が増大したり、歩留りが低下して製造コストの増加につながるという問題があった。
また、特許文献4には、C:0.05〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.30〜2.00%、Al:0.002〜0.10%、N:0.002〜0.010%を、基本成分として、焼入れ性の指標DIを40.6〜55.9mmまたは83.8〜99.1mmに調整した組成と、5〜20%の粒界析出フェライトと残部がベイナイトからなる組織からなる、大入熱溶接部の熱影響部靭性が優れた低降伏比高張力鋼板が提案されている。特許文献4に記載された技術では、合金元素含有量を調整して、焼入性を適正な範囲に制御して、大入熱溶接のHAZ靭性を向上できるとしている。
また、特許文献5には、質量%で、C:0.02〜0.04%、固溶B:0.0002〜0.002%を含有し、合金元素を、合金元素の関係式であるCENが0.21〜0.30%を満足するように調整して含有し、ベイナイトを主体とし、0.8〜2.5体積%の島状マルテンサイトが分散した組織とする非調質型低降伏比高張力鋼板が提案されている。特許文献5に記載された技術では、C含有量を適正に低減し、その代わりに固溶Bおよび焼入れ性向上元素を適正に添加して、組織をベイナイトとして所望の高強度と予熱不要を達成するとしている。
特開昭60-152626号公報 特開昭57-51243号公報 特開2005-68519号公報 特開平9-202936号公報 特開2000-219934号公報
しかしながら、特許文献4に記載された技術では、60mmを超える厚肉鋼板で、引張強さ:590MPa以上の母材部強度および溶接継手部強度を安定して確保することは難しい。引張強さ:590MPa以上の母材部強度および溶接継手部強度を安定して確保するためには、多量の合金元素を含有する必要があるという問題があった。
また、特許文献5に記載された技術では、60mmを超える厚肉鋼板で、所望の高強度を確保するためには、高い焼入性を確保する必要があり、多量の合金元素の含有を必要とする。Mn、Cu、Ni等の合金元素量を増加することは、連鋳スラブの表面性状を劣化させたり、中央偏析部の硬さ上昇によるスラブ内部欠陥増加などを引き起こす危険性が増加するという問題がある。
本発明は、上記した従来技術の間題を解決し、建築構造用として好適な、降伏強さYS :440MPa以上、引張強さTS:590MPa以上、降伏比YR:80%以下を有し、さらに超大入熱溶接部および小入熱多パス溶接部において、耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた高張力厚鋼板を提供することを目的とする。なお本発明は、介在物・析出物の微細分散制御など高度な製鋼技術を用いることなく、また、スラブ表面性状を損ねる元素を含有することもなく、大量生産に適した方式で安価に、製造できる高張力厚鋼板を目的とする。
なお、ここでいう「厚鋼板」とは、板厚:12mm以上、好ましくは60mm以上100mm以下の厚肉の鋼板をいうものとする。また、ここでいう「溶接熱影響部靭性に優れた」とは、溶接入熱量が400kJ/cmを超える超大入熱溶接部のボンド部付近と、溶接入熱量が20〜50kJ/cmの小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの両方において、シャルピー衝撃試験の0℃における吸収エネルギー(vEo)が27J以上を示す場合をいうものとする。また、「耐溶接割れ性に優れた」とは、長さ40mmのショートビート溶接部の最高硬さがHV350未満である場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、合金元素の種類とその含有量について鋭意検討した。その結果、まず、本発明では、製造性を損ねないために、スラブ割れを助長し連鋳スラブ性状に悪影響を及ぼすN、B、さらにはCu、Ni等の合金元素の含有をできるだけ制限することとした。そして、合金元素含有量を低減しつつ、母材および溶接継手部において所望の強度を安定して確保するために、C量を0.07〜0.09質量%の狭い範囲に限定することとし、さらに適正量のMoを含有して、組織をベイナイト相主体の組織として、母材および溶接継手部において所望の高強度と、優れた耐溶接割れ性と優れたHAZ靭性とを兼備して、確保することができることに想到した。
また、本発明者らは、HAZ靭性に及ぼす合金元素の影響についてさらに検討した。その結果、SiとPとをともに低減し、さらに適量のSを含有させることにより、超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの靭性が向上することを見出した。なお、Siを低減しさらにPを低減することは、島状マルテンサイトの生成を抑制するとともに、生成された島状マルテンサイト自体の靭性向上に寄与し、また、適量のS含有は、旧オーステナイト粒内でのベイナイトの核生成を促進し、ベイナイトパケットサイズまたはブロックサイズの微細化に寄与する。これらを組み合わせて、HAZ靭性が顕著に向上する。
またさらに、N、B、Cu、Ni等の合金元素をできるだけ低減することにより、超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接のICCGHAZにおける島状マルテンサイトの生成を抑制できることも見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.07〜O.09%、Si:0.01〜0.07%、Mn:1.0〜1.6%、P:0.009%以下、S:0.0008〜0.0019%、Mo:0.20〜0.60%、Al:0.005〜0.060%と、さらにCr:0.05〜0.60%、Nb:0.005〜0.030%、V:0.005〜0.080%のうちから選ばれた1種または2種以上を含み、さらにB,NがB:0.0003%以下、N:0.0040%以下であり、かつ、次(1)式
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 ‥‥(1)
(ここで、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%))
で定義されるCeqが0.40〜0.47、次(2)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ‥‥(2)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義されるPcmが0.21以下を満足するように含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を、次(3)式
Mn+Cu+Ni ≦ 1.6% ‥‥(3)
(ここで、Mn、Cu、Ni:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有することを特徴とする低降伏比高張力厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.030%を含有することを特徴とする低降伏比高張力厚鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0030%、REM:0.0010〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする低降伏比高張力厚鋼板。
本発明によれば、建築構造用として好適な、降伏強さYS:440MPa以上、引張強さTS:590MPa以上、降伏比YR:80%以下を有し、さらに超大入熱溶接部および小入熱多パス溶接部において、耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた、厚肉の高張力鋼板を、安価に大量生産することが可能となるという、産業上格段の効果を奏する。また、本発明は、鋼構造物の大型化や、耐震性の向上、施工効率の向上などに、大きく寄与するという効果もある。
実施例で用いた溶接継手の開先形状を模式的に示す説明図である。 実施例で使用したシャルピー衝撃試験片の採取位置を模式的に示す説明図である。
まず、本発明高張力厚鋼板の組成限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り、質量%は単に%と記す。
C:0.07〜0.09%
Cは、鋼の強度を増加させ、構造用鋼材として必要な強度を確保するのに有用な元素である。本発明では、他の合金元素の含有量を必要最小限とするために、Cは0.07%以上含有させる。一方、O.09%を超えて含有すると、耐溶接割れ性が低下し、HAZ靭性も著しく低下する。このため、Cは0.07〜0.09%の範囲に限定した。
Si:0.01〜0.07%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、母材の強度を高める元素であり、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.07%を超える含有は、HAZでの島状マルテンサイトの生成が促進され、HAZ靭性の低下が著しくなる。このため、本発明ではSiは、0.01〜0.07%に限定した。このような低Si含有とすることにより、HAZでの島状マルテンサイトの生成が抑制され、HAZ靭性が向上する。なお、好ましくはSiは0.01〜0.05%である。
Mn:1.0〜1.6%
Mnは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明では、引張強さ:590MPa以上の強度を確保するために、1.0%以上の含有を必要とする。一方、1.6%を超えて含有すると、凝固時の中央偏析部への濃化が著しくなり、スラブ欠陥の増加などの原因となる。また、母材およびHAZ靱性の低下が著しくなる。このため、Mnは1.0〜1.6%の範囲に限定した。
P:0.009%以下
Pは、島状マルテンサイトに濃化し、島状マルテンサイトの生成を助長するとともに、島状マルテンサイト自体の靭性を低下させる元素であり、HAZ靱性を向上するために、本発明ではできるだけ低減する。Pの低減は、特に低Si化と組み合わせたときに、島状マルテンサイトの生成量が顕著に減少し、HAZ靭性が著しく向上する。とくに、Pを0.009%以下に低減することにより、HAZ靭性向上効果が顕著となる。このため、Pは0.009%以下に限定した。なお、好ましくは0.007%以下である。
S:0.0008〜0.0019%
Sは、Mnと結合してMnSを形成する。MnSは、旧オーステナイト粒内で粒内フェライトあるいは粒内ベイナイトの生成サイトとして機能し、HAZ組織の微細化に寄与し、HAZ靱性を向上する効果を有する。しかし、MnS量が多すぎると、圧延で伸長した粗大なMnSが増加し、とくにシャルピー衝撃試験における板厚方向(Z方向)の吸収エネルギーが低下する。このため、MnS量が適正な範囲内になるようにS含有量を制御する必要がある。適正なS含有量は、その他の化学成分の含有量によって変化するが、本発明では、Sは0.0008〜0.0019%に限定した。なお、好ましくは0.0010〜0.0019%である。
Mo:0.20〜0.60%
Moは、粒界フェライトの生成を抑制し、母材およびHAZをベイナイト相を主体とする組織とする作用を有する。本発明では、母材およびHAZの強度確保のために必須含有させる。このような効果を得るためには、0.20%以上の含有を必要とする。一方、0.60%を超えて含有すると、耐溶接割れ性が低下する。このため、Moは0.20〜0.60%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.20〜0.45%である。
Mn、Cu、Niなどの合金元素は、強度を増加させるが、連鋳スラブの表面性状を劣化させたり、中央偏析部の硬さの上昇を生起させ、スラブ内部欠陥の増加などの問題を引き起こす。また、Mn、Cu、Niなどの合金元素は、超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの島状マルテンサイトの生成を促進し、HAZ靱性を劣化させるなどの悪影響を及ぼす。このため、Mn、Cu、Niなどの合金元素に代えて、本発明では強度増加のために、主としてMoを用いる。
Al:0.005〜0.060%
Alは、脱酸剤として作用し、高張力鋼の溶鋼脱酸プロセスにおいて、もっとも汎用的に使われる元素である。また、Alは、鋼中のNをAlNとして固定し、Nによる靭性低下や割れ発生を防止する作用も有する。このような効果は0.005%以上の含有で認められる。一方、0.060%を超える含有は、母材の靱性を低下させるとともに、溶接時に溶接金属に混入して靱性を劣化させる。このため、Alは0.005〜0.060%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.010〜0.045%である。
Cr:0.05〜0.60%、Nb:0.005〜0.030%、V:0.005〜0.080%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cr、Nb、Vはいずれも、強度を増加させる元素であり、選択して1種または2種以上を含有する。
Crは、強度を増加させるが、スラブ表面性状や中央偏析部に及ぼす悪影響が少なく、また超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの靭性劣化に対して影響の少ない元素であり、母材およびHAZの強度調整のため必要に応じて含有する。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.60%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、含有する場合には、Crは0.05〜0.60%の範囲に限定した。
Nb、Vは、いずれも析出強化を介して強度の増加に寄与する元素である。また、Nb、Vは、制御圧延時にオーステナイトの再結晶を抑制し、その後の変態組織を微細化して母材を強靱化する効果も有する元素であり、母材およびHAZの強度調整のため必要に応じて含有する。このような効果を得るには、Nb:0.005%以上、V:0.005%以上のそれぞれの含有を必要とする。一方、Nb:0.030%、V:0.080%を超える含有は、HAZ靱性を著しく低下させる。このため、含有する場合には、Nb:0.005〜0.030%、V:0.005〜0.080%の範囲に限定した。なお、好ましくは、Nb:0.008〜0.020%、V:0.010〜O.050%である。
B:0.0003%以下
Bは、少量の含有で焼入れ性を向上させる元素であり、小入熱溶接のHAZを硬化させて耐溶接割れ性を低下させたり、超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの島状マルテンサイトの生成を促進して、靱性を劣化させる悪影響を及ぼす元素で、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.0003%以下であれば、問題のない程度まで悪影響を抑制できる。このため、Bは0.0003%以下に限定した。
N:0.0040%以下
Nは、不可避的不純物として含有されるが、母材や超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接のICCGHAZにおける島状マルテンサイトの生成を促進させ、靱性を劣化させる悪影響を及ぼす元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.0040%以下に低減すれば、問題のない程度まで悪影響を抑制できる。このため、Nは0.0040%以下に限定した。
上記した成分が基本の成分であるが、これら基本の組成に加えてさらに、選択元素として、Ti:0.005〜0.030%、および/または、次(3)式
Mn+Cu+Ni ≦ 1.6% ‥‥(3)
(ここで、Mn、Cu、Ni:各元素の含有量(質量%))
を満足するように、Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を、および/または、Ca:0.0005〜0.0030%、REM:0.0010〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種、を含有できる。
Ti:0.005〜0.030%
Tiは、Nとの親和力が強く凝固時にTiNとして析出し,HAZでのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト変態核としてHAZの高靱化に寄与する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.030%を超える含有は、TiN粒子が粗大化し、上記した効果が期待できなくなる。このため、含有する場合は、Tiは0.005〜0.030%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.O08〜0.020%である。
Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下、かつ
Mn+Cu+Ni ≦ 1.6% ‥‥(3)
Cu、Niは、 Mnと同様に、鋼の強度を増加させる元素であり、母材およびHAZの強度を確保するために、必要に応じて含有できる。しかし、Mn、Cu、Niは、連鋳スラブの表面性状を劣化させたり、中央偏析部の硬さの上昇によるスラブ内部欠陥増加などを引き起こしたり、また、超大入熱溶接のCGHAZおよび小入熱多パス溶接のICCGHAZにおける島状マルテンサイトの生成を促進し、靭性を劣化させるなどの悪影響を及ぼす。Mnは、母材およびHAZの強度を確保するためにある程度の含有が必要となる。このため、Cu、Niを含有する場合には、(3)式を満足するように、Mn+Cu+Niを1.6%以下に限定するとともに、Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下にそれぞれ限定することが好ましい。Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下であれば、上記したようなCu、Niの悪影響は許容できる程度に抑制できる。
Ca:0.0005〜0.0030%、REM:0.0010〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種
Ca、REMは、いずれも硫化物の形態制御を介して鋼の延性向上に寄与する元素である。また、これらの元素の硫化物または酸化物粒子は、MnSと複合して溶接時にフェライト変態核として作用し、HAZ靱性の向上に寄与する元素であり、必要に応じて1種または2種含有できる。このような効果は、Ca:0.0005%以上、REM:0.0010%以上の含有で顕著となる。一方、Ca:0.0030%、REM:0.0050%をそれぞれ超える含有は、介在物量が増大しすぎて、清浄度を低下させるとともに、延性、靭性を劣化させる。このため、含有する場合は、Ca:0.0005〜0.0030%、REM:0.0010〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
本発明の厚鋼板は、上記した成分を上記した範囲で、かつCeq:0.40〜0.47、Pcm:0.21以下となるように調整して含有する。
Ceq:0.40〜0.47
本発明では、Ceqは、次(1)式で定義されるものを使用する。なお、(1)式に記載された元素が含有されない場合には、その元素を零として計算するものとする。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 ‥‥(1)
(ここで、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、V:各元素の含有量(質量%))
板厚:60mm以上の厚肉材で、所望の母材およびHAZの強度を確保するためには、CeqはO.40以上とする必要がある。一方、Ceqが0.47を超える多量の合金元素を含有する場合には、溶接性が低下し、またHAZ靱性が低下する。このため、Ceqは0.40〜O.47の範囲に限定した。
Pcm:0.21以下
本発明では、Pcmは、次(2)式で定義されるものを使用する。なお、(2)式に記載された元素が含有されない場合には、その元素を零として計算するものとする。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ‥‥(2)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
良好な耐低温割れ性を有し、板厚:60mm以上の厚肉材で、ほぼ予熱を必要としない溶接性を確保するためは、PcmをO.21以下とする必要がある。PcmがO.21を超える多量の合金元素を含有する場合には、溶接割れが多発する。このため、Pcmは0.21以下に限定した。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、O:0.0030%以下が許容できる。
つぎに、本発明厚鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成を有する鋼素材に、熱間圧延を施し、所定の板厚100mm以下の厚鋼板とすることが好ましい。
使用する鋼素材は、上記した組成を有していれば、その製造方法はとくに限定する必要はないが、上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の常用の溶製方法で溶製し、必要に応じてさらに脱酸処理や脱ガスプロセス等を経て、連続鋳造法等の鋳造法によりスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
また、熱間圧延の条件は、とくに限定する必要はないが、所望の特性に応じて、制御圧延としてもよく、あるいは熱間圧延終了後にさらに所定の温度域を所定の冷却速度で冷却する加速冷却を施してもよい。
熱間圧延では、鋼素材はまず、加熱炉等で1000〜1200℃の温度に加熱することが好ましい。というのは、加熱温度が1000℃未満では、圧延荷重が過大となり圧延が困難となり、一方、1200℃を超える高温では、結晶粒が粗大化するとともに、酸化ロスが増大し歩留りが低下する。
熱間圧延を制御圧延(CR)とする場合には、鋼素材を上記した範囲内の加熱温度に加熱したのち、950℃以下の温度域での累積圧下率を30%以上とし、仕上圧延終了温度を800℃以上900℃未満とする圧延とすることが好ましい。なお、上記した制御圧延に加えて、加速冷却を施してもよい。
また、熱間圧延後に加速冷却(ACC)を施す場合には、鋼素材を上記した範囲内の加熱温度に加熱し、仕上圧延終了温度を800℃以上とする熱間圧延を施し、該熱間圧延を終了後、2℃/s以上の冷却速度で、600℃以下の冷却停止温度まで冷却する加速冷却とすることが好ましい。
また、鋼素材を上記した範囲内の加熱温度に加熱し、仕上圧延終了温度を900℃以上とする熱間圧延を施した後直ちに、焼入れし、400〜700℃の温度で焼戻する直接焼入れ(DQ)−焼戻(T)処理を施してもよい。直接焼入れ(DQ)−焼戻(T)処理は、熱間圧延を制御圧延としてもなんら問題はない。
また、鋼素材を上記した範囲内の加熱温度に加熱し、仕上圧延終了温度を900℃以上とする熱間圧延を施し、室温まで冷却し、厚鋼板としたのち、該厚鋼板に、850〜950℃の温度に再加熱し、急冷する焼入れを施し、ついで400〜700℃の温度に焼戻しする再加熱焼入れ(RQ)−焼戻(T)処理を施してもよい。また、再加熱焼入れ(RQ)−焼戻(T)処理は熱間圧延を制御圧延としても何等問題はない。
なお、再加熱焼入れ(RQ)−焼戻(T)処理、あるいは直接焼入れ(DQ)−焼戻(T)処理に代えて、焼入れ(RQまたはDQ)−二相域加熱焼入れ(Q’)−焼戻(T)処理としてもよい。二相域加熱焼入れ(Q’)は、Ac1変態点〜Ac3変態点の間の二相域の温度域に再加熱し、ついで急冷する処理とすることが好ましい。
以下、さらに、実施例に基づいてさらに、本発明について詳細に説明する。
表1に示す組成の溶鋼を転炉、取鍋精錬で溶製し、連続鋳造法でスラブ(肉厚:250mm)とし鋼素材とした。これら鋼素材に、表2に示す条件で熱間圧延を施し、表2に示す板厚の厚鋼板とした。なお、一部の厚鋼板では、熱間圧延を制御圧延とした。また、一部の厚鋼板では、表2に示す条件で、熱間圧延後に、再加熱焼入れ−二相域加熱焼入れ−焼戻処理(RQ−Q’−T)、直接焼入れ−二相域加熱焼入れ−焼戻処理(DQ−Q’−T)を施した。
得られた厚鋼板から、試験片を採取して、引張試験、靭性試験を実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)引張試験
得られた厚鋼板の板厚1/4位置から、圧延方向と直交する方向が引張方向となるように、J1S4号引張試験片を採取し、J1S Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(YS,TS,El)を測定し、母材の強度を調査した。
(2)母材靭性試験
得られた厚鋼板の板厚1/4位置から、圧延方向と直交する方向が試験片の長さ方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JlS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−40℃における吸収エネルギーvE−40(J)を求め、母材靱性を評価した。
また、得られた厚鋼板から継手用試験板(大きさ:400×600mm)を採取し、開先を、図1に示すような形状に加工し、エレクトロスラグ溶接ESW(溶接入熱量:1000kJ/cm)により溶接継手(ESW継手)を作製した。なお、使用したワイヤは、JlS Z 3353 YES62相当品、フラックスはJlS Z 3353FS-FG3相当品を使用した。
(3)溶接熱影響部靭性試験
得られた溶接継手から、図2に示すように、試験片の切欠き位置をボンド部とするVノッチ試験片を採取し、JlS Z 2242の規定に準拠して、シャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:0℃における吸収エネルギー(vEo)を求め、継手靱性を評価した。
また、得られた厚鋼板の板厚1/4位置から再現熱サイクル試験片を採取し、該再現熱サイクル試験片に、誘導加熱装置を利用して、溶接入熱量が20kJ/cmの小入熱多パス溶接のICCGHAZに相当する再現熱サイクルを付与した。なお、再現熱サイクルは、ピーク温度を1400℃および800℃とし、平均冷却速度を50℃/sとする二重熱サイクルとした。得られた試験片から、シャルピー衝撃試験のVノッチ試験片を採取し、試験温度:0℃における吸収エネルギー(vEo)を求めた。
(4)溶接部硬さ試験
得られた厚鋼板から採取した溶接部硬さ試験片(大きさ:板厚75×125mm)に、溶接入熱量:17kJ/cmの被覆アーク溶接により、長さ40mmのショートビードを溶接した。そして、該ビードの長さ方向中央部で切断し、断面を研磨し、JIS Z 3101の規定に準拠してビッカース硬さ計(試験力:98N)で溶接部の最高硬さを求めた。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2011208213
Figure 2011208213
Figure 2011208213
Figure 2011208213
Figure 2011208213
Figure 2011208213
本発明例はいずれも、降伏強さ:440MPa以上、引張強さ:590 MPa以上で、降伏比:80%以下と、所望の高強度で低降伏比を有する高張力厚鋼板となっている。しかも、本発明例は、いずれも溶接入熱量が400kJ/cmを超える1000 kJ/cmの超大入熱溶接部のボンド部付近と、溶接入熱量が20kJ/cmの小入熱多パス溶接におけるICCGHAZの両方において、vEoが27J以上を示し、溶接熱影響部靭性に優れた高張力厚鋼板となっている。また、本発明例はいずれも、長さ40mmのショートビート溶接部の最高硬さがHV350未満であり、耐溶接割れ性に優れた厚鋼板となっている。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、所望の強度を満足できていないか、所望の母材靭性を確保できていないか、あるいは溶接熱影響部靭性が低下しているか、あるいは耐溶接割れ性が低下している。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.07〜O.09%、 Si:0.01〜0.07%、
    Mn:1.0〜1.6%、 P:0.009%以下、
    S:0.0008〜0.0019%、 Mo:0.20〜0.60%、
    Al:0.005〜0.060%
    と、さらにCr:0.05〜0.60%、Nb:0.005〜0.030%、V:0.005〜0.080%のうちから選ばれた1種または2種以上を含み、さらにB,NがB:0.0003%以下、N:0.0040%以下であり、かつ、下記(1)式で定義されるCeqが0.40〜0.47、下記(2)式で定義されるPcmが0.21以下を満足するように含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板。

    Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 ‥‥(1)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ‥‥(2)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.10%以下、Ni:0.10%以下のうちから選ばれた1種または2種を、下記(3)式を満足するように含有することを特徴とする請求項1に記載の低降伏比高張力厚鋼板。

    Mn+Cu+Ni ≦ 1.6% ‥‥(3)
    ここで、Mn、Cu、Ni:各元素の含有量(質量%)
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.005〜0.030%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低降伏比高張力厚鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0030%、REM:0.0010〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の低降伏比高張力厚鋼板。
JP2010076669A 2010-03-30 2010-03-30 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板 Active JP5515954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010076669A JP5515954B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010076669A JP5515954B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011208213A true JP2011208213A (ja) 2011-10-20
JP5515954B2 JP5515954B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=44939568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010076669A Active JP5515954B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5515954B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147742A (ja) * 2011-12-22 2013-08-01 Jfe Steel Corp 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板
JP2014198866A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板およびその製造方法
JP2014198867A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた高張力鋼板
JP2015190008A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147742A (ja) * 2011-12-22 2013-08-01 Jfe Steel Corp 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板
JP2014198866A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板およびその製造方法
JP2014198867A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた高張力鋼板
JP2015190008A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 Jfeスチール株式会社 溶接熱影響部靭性に優れた非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5515954B2 (ja) 2014-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5846311B2 (ja) 溶接熱影響部ctod特性に優れた厚肉高張力鋼およびその製造方法
JP5476763B2 (ja) 延性に優れた高張力鋼板及びその製造方法
WO2015088040A1 (ja) 鋼板およびその製造方法
JP5407478B2 (ja) 1層大入熱溶接熱影響部の靭性に優れた高強度厚鋼板およびその製造方法
JP7262288B2 (ja) 母材と溶接熱影響部の靭性に優れかつ音響異方性の小さい高強度低降伏比厚鋼板およびその製造方法
JP5045073B2 (ja) 低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板およびその製造方法
JP5849940B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板
JP2016084524A (ja) 低温用h形鋼及びその製造方法
JP4120531B2 (ja) 超大入熱溶接熱影響部靱性に優れる建築構造用高強度厚鋼板の製造方法
JP2007177326A (ja) 低降伏比を有する高張力薄肉鋼板およびその製造方法
JP2019199649A (ja) 非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法
JP6086090B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法
JP2011214053A (ja) 超大入熱溶接部靭性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法
JP2005256037A (ja) 高強度高靭性厚鋼板の製造方法
JP5515954B2 (ja) 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板
JP5999005B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板およびその製造方法
JP2008169440A (ja) 薄肉低降伏比高張力鋼板およびその製造方法
JP2007138203A (ja) 溶接性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法
JP5008879B2 (ja) 強度および低温靭性の優れた高張力鋼板および高張力鋼板の製造方法
JP6226163B2 (ja) 溶接熱影響部の低温靭性に優れる高張力鋼板とその製造方法
JP7410438B2 (ja) 鋼板
JP6237681B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力鋼板
JP6308148B2 (ja) 超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用低降伏比高強度厚鋼板およびその製造方法
JP5862592B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた高張力鋼板
JP2020204091A (ja) 大入熱溶接用高強度鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130221

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5515954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250