JP2007138203A - 溶接性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶接性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接性に優れた引張強さ780MPa級の高張力厚鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】C:0.06〜0.09%と低減し、Si、Al 、P、S、Nを適正量に調整し、Mn:1.8〜2.5%、Nb:0.03〜0.08%、Ti:0.008〜0.020%、B:0.0005〜0.0025%を複合含有し、Pcmを0.22以下とする組成とする。さらに、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちの1種または2種以上を含有してもよく、また、Ca、REMのうちの1種または2種を含有してもよい。これにより、引張強さが780MPa以上で、溶接性に優れ、かつ表面品質に優れた高張力厚鋼板となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、橋梁、建築、造船、建設機械、産業機械、海洋構造物、ペンストック等に用いて好適な、高張力厚鋼板に関し、特に、780MPa以上の引張強さを有する高張力厚鋼板の溶接性改善に関する。なお、本発明にいう「溶接性」の改善とは、主として、溶接継手部、とくに溶接熱影響部の耐軟化特性の向上、および溶接割れ感受性の低下をいうものとする。また、「厚鋼板」とは板厚6mm以上の鋼板をいうものとする。
高張力鋼板は、従来から、強度を高める合金元素を添加しているが、とくに、引張強さ:780MPa級以上の高張力厚鋼板では、添加する合金元素を多くする必要があり、そのため、焼入れ性が増大して、溶接時にその熱影響部が硬化し、溶接割れを発生しやすくなる。溶接割れの発生を防止するためには、溶接施工時に予熱作業が必要となる。しかし、溶接時の予熱作業は、溶接作業全体の能率を低下させるという問題があり、予熱作業を省略あるいは軽減できる高張力鋼板が要望されてきた。
このような要望に対して、溶接割れ感受性バラメータPcmを低く抑えた、引張強さ780MPa級の高張力鋼板が提案されている。
例えば、特許文献1には、Cを0.02〜0.08重量%に制限し、Si、Mn、Alを適正量に調整したうえ、さらにCr、Mo、Ti、Nbを適量添加し、かつPcmを0.21以下とした鋼スラブを、1000℃以下の温度に加熱して熱間圧延した後、直接焼入れして焼戻す、引張強さ80kgf/mm以上(780MPa級)の高張力鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1に記載された技術では、C含有量を制限してPcmを低くし、溶接性を向上させている。しかし、特許文献1に記載された技術では、加熱温度が1000℃以下と低温になるため、圧延能率が低下するという問題がある。
また、特許文献2には、重量比で、Cを0.05〜0.11%に制限し、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量に調整したうえ、さらにMo、Vを適正量添加し、かつPcmを0.222以下とした鋼を、1000〜1250℃の温度範囲に再加熱して、1000℃以下の累積圧下量が50%以上となるように圧延したのち、直接焼入れし、ついで焼戻しを行う、引張強さ80kgf/mm以上(780MPa級)の高張力鋼板の製造方法が提案されている。特許文献2に記載された技術では、C含有量を制限してPcmを低くし溶接性を向上させ、Vの析出強化を利用して所望の高強度を確保するとしている。
また、特許文献3には、質量%で、Cを0.075〜0.094%に制限し、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量に調整したうえ、さらにNi、Cr、Nbを適正量添加し、さらにCu、V、Tiの1種または2種以上を含み、かつPcmを0.24以下、Ceqを0.45以上とし、実質的にBを含有しない組成に調整した鋼を、1000〜1250℃に加熱し、圧延仕上温度を所定の範囲内とする圧延を行なったのち、Ar変態点以上から直接焼入れし、ついで焼戻し処理する溶接性および音響異方性に優れた780N/mm級高張力鋼の製造方法が提案されている。
また、特許文献4には、重量比で、Cを0.04〜0.08%に制限し、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量に調整したうえ、さらにCu、Ni、Mo、Nb、V、Tiを適正量添加し、かつPcmを0.28以下とし、実質的にBを含有しない組成に調整した鋼を、1000〜1250℃の温度範囲に再加熱して、1000℃以下の累積圧下量が20%以上となるように圧延したのち、ついで空冷するか、あるいは圧延後800℃以上の温度から直接焼入れし、さらに850〜950℃に再加熱し焼入れ、焼戻する、溶接性に優れた厚手引張強さ80kgf/mm級(780MPa級)の高張力鋼の製造方法が提案されている。特許文献4に記載された技術では、C含有量を制限してPcmを低くし溶接性を向上させ、Cuを0.9%以上添加し、Cuの析出強化を利用して、所望の強度を確保するとしている。
また、特許文献5には、質量%で、Cを0.010〜0.060%とかなり低く制限し、さらにMn、Cr、Mo、Bを含み、さらに、Cu、Nbを所定量以下含み、KP値が3.20以上を満足する組成とした溶接性に優れた780MPa級高張力鋼が提案されている。特許文献5に記載された技術では、Mn、Cr、Moを積極添加し、さらにBを添加して、溶接性に優れた高張力鋼板を得るとしている。
特開昭63-145711号公報 特許第3208495号公報 特開2002-180132号公報 特許第2500948号公報 特開2000-160281号公報
上記したように、C量を規制し、Pcmを低くした鋼板は、確かに溶接割れ感受性が低く予熱作業が軽減され溶接作業全体の能率が向上する。Pcmを低くするには、C含有量を低減することが最も効果がある。しかし、このような鋼板は、焼入れ性が低いため、溶接熱影響部の軟化が大きく、継手部の機械的特性で重要な項目である溶接継手強度を確保するには不利であり、溶接入熱を大きくした場合には所望の継手強度を満足することができなくなるという問題があった。
このようなことから、従来は、C含有量を適正範囲内に低減するとともに、他の合金元素、例えばMn、Cu、Ni、Cr、Mo、Bなどの合金元素を含有させ、さらに製造プロセスを工夫して、所望の強度を有し、溶接性に優れた高張力厚鋼板を製造してきた。
しかし、合金元素として、例えばNiを多量に含有すると、鋼板の表面に疵が発生しやすくなり、鋼板の表面品質が低下するとともに、疵の除去等手入れ作業が増加し、生産性が低下するという問題を残していた。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、溶接割れ感受性が低く、かつ溶接熱影響部の軟化が少なく、溶接熱影響部の耐軟化特性および溶接性に優れるとともに、表面品質にも優れた、引張強さ780MPa級の高張力厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明で目標とする鋼板強度は、降伏点:685MPa以上、引張強さ:780MPa以上であり、目標とする鋼板靭性は、試験温度:0℃でのシャルピー吸収エネルギーが70J以上とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、引張強さ780MPa級高張力厚鋼板の溶接割れ感受性、溶接熱影響部の耐軟化特性に及ぼす各種要因について鋭意検討した。その結果、溶接割れ感受性を低く抑えるためにはやはりC含有量の低減が必須となるが、それに伴う溶接熱影響部の軟化を抑制するためにNbの析出作用を最大限に利用することに想到した。そして、C含有量を低減してPcmを低下させ、また、従来のMoとNiの含有に代えて、1.8質量%以上とMn含有量を増量し、さらに、Nbの適正量(0.03質量%以上)を含有することにより、すなわちC含有量を低減し、MnとNbを複合含有させることにより、所望の母材強度が確保でき、さらに溶接割れ感受性の低下と溶接熱影響部の耐軟化特性の向上が同時に実現でき、溶接部の靭性を低下させることなく、所望の溶接継手部強度を確保することが可能となり、さらには表面品質も向上させることができ、生産性を向上させることができることを新たに見出した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.06〜0.09%、Si:0.05〜0.60%、Mn:1.8〜2.5%、Al:0.01〜0.08%、Nb:0.03〜0.08%、Ti:0.008〜0.020%、B:0.0005〜0.0025%、P:0.020%以下、S:0.0040%以下、N:0.0050%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ次(1)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義されるPcmが0.22以下である組成を有し、引張強さが780MPa以上であることを特徴とする溶接性に優れた高張力厚鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高張力厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高張力厚鋼板。
(4)質量%で、C:0.06〜0.09%、Si:0.05〜0.60%、Mn:1.8〜2.5%、Al:0.01〜0.08%、Nb:0.03〜0.08%、Ti:0.008〜0.020%、B:0.0005〜0.0025%、P:0.020%以下、S:0.0040%以下、N:0.0050%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ次(1)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義されるPcmが0.22以下である組成を有する鋼素材に、1000〜1300℃に加熱したのち、圧延終了温度を800℃以上とする圧延を施して厚鋼板とする熱間圧延と、該熱間圧延に引続き、該厚鋼板に300℃以下まで水冷を行う加速冷却と、ついで、400℃以上Ac1変態点以下の温度に加熱する焼戻とを、順次施すことを特徴とする引張強さ780MPa以上で溶接性に優れた高張力厚鋼板の製造方法。
(5)(4)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高張力厚鋼板の製造方法。
(6)(4)または(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高張力厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、溶接割れ感受性が低く、かつ溶接熱影響部の軟化が少なく、溶接熱影響部の耐軟化特性および溶接性に優れるとともに、表面品質にも優れた、引張強さ780MPa級の高張力厚鋼板を、容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
まず、本発明の高張力厚鋼板の組成限定理由について説明する。以下、組成における質量%は、単に%と記す。
C:0.06〜0.09%
Cは、鋼の強度を向上する元素であり、本発明では、所望の強度を確保するために0.06%以上の含有を必要とする。一方、0.09%を超える含有は、Pcmの上昇を招き、溶接割れ感受性が高くなり、溶接性が低下する。このため、Cは0.06〜0.09%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.07〜0.09%である。
Si:0.05〜0.60%
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、本発明では、脱酸を有効に行うための製鋼上の要請から、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.60%を超えて含有すると、靭性が低下する。このため、Siは0.05〜0.60%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.20〜0.45%である。
Mn:1.8〜2.5%
Mnは、鋼の強度を向上する元素であり、780MPa以上の引張強さを確保するためには、1.8%以上の含有を必要とする。一方、2.5%を超える含有は、Pcmの上昇を招き、溶接割れ感受性が高くなるとともに、溶接熱影響部の靭性を著しく低下させる。このようなことから、Mnは1.8〜2.5%の範囲に限定した。
Al:0.01〜0.08%
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.08%を超える含有は、母材靭性を低下させるとともに、溶接した場合に、溶接金属部の靭性をも低下させる。このため、Alは0.01〜0.08%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.02〜0.04%である。
Nb:0.03〜0.08%
Nbは、焼入れ性を高める作用を有し、母材の高強度化に寄与する元素である。780MPa以上の母材引張強さを確保するために、本発明では0.03%以上の含有を必要とする。また、Nbは、溶接熱影響部でNbCとして析出して溶接熱影響部の軟化を防止し、継手部強度の確保に寄与する。一方、0.08%を超える含有は、析出するNbCの粗大化を招き、析出強化の効果が低減するうえ、粗大化したNbCは、靭性に悪影響を及ぼす。このため、Nbは0.03〜0.08%の範囲に限定した、なお、好ましくは0.03%超〜0.06%以下、より好ましくは0.03〜0.05%である。
なお、Nbは、従来から溶接熱影響部の軟化を抑制する元素として知られていたが、引張強さ780MPa以上の高張力鋼板では0.03%以下の微量な添加に制限することが一般的であった。これは、過剰なNbの含有が溶接ボンド部付近の粗粒域の靭性を低下させるため、従来はNbの多量含有を避ける必要があったためである。本発明では、MoとNiの含有に代えて、Mn含有量を増量することにより、Nbを0.03%以上多量に含有しても、Nbの溶接熱影響部靭性への悪影響が軽減でき、溶接熱影響部の軟化抑制効果を発揮しながら所望の靭性を確保できる。
溶接熱影響部の軟化は、最高温度:850〜700℃に再熱される部分が最も大きい。というのは、850℃以上又はAc3変態点を超えて再熱される部分は、完全にオーステナイト化した状態から冷却されるため、再変態してある程度の強度が確保されるためである。しかし、最高温度:850℃以下の温度に再熱される部分では、マルテンサイトあるいはベイナイトの軟化が起こるため、強度が低下する。本発明では、850〜700℃の温度域に再熱される領域の軟化を抑えるために、0.03%以上のNbを含有する。溶接熱影響部でNbの析出強化を有効に発揮させるためには、母材ではNbを固溶させた状態で存在させ、溶接による再熱で析出させる。これにより、溶接熱影響部の強度低下、すなわち軟化を抑制することができ、継手部強度でも780MPa以上を確保できることになる。
Ti:0.008〜0.020%
Tiは、NをTiNとして固定して、BNの析出を抑制する作用を有し、Bの焼入れ性向上の作用を有効に発揮させるために、不可欠な元素である。このような効果は、0.008%以上の含有で顕著となる。一方、0.020%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Tiは0.008〜0.020%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010〜0.015%である。
B:0.0005〜0.0025%
Bは、オーステナイト粒界に偏析して、微量で焼入れ性を顕著に向上させる元素であり、本発明では必須の元素である。このような効果を得るためには、0.0005%以上の含有を必要とする。一方、0.0025%を超えて含有しても、効果が飽和するうえ、靭性にも悪影響を及ぼす。このため、Bは0.0005〜0.0025%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.0006〜0.0015%である。
P:0.020%以下
Pは、不可避的不純物元素として含有されるが、0.020%を超えて含有すると、母材及び溶接部の靭性を低下させる。このため、本発明では、0.020%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.0040%以下
Sは、不可避的不純物元素として含有されるが、0.0040%を超えて含有すると、母材および溶接部の靭性を低下させる。このため、本発明では、0.0040%以下に限定した。なお、好ましくは0.0030%以下である。
N:0.0050%以下
Nは、溶接部の靭性を低下させる元素であり、0.0050%を超えて含有すると、溶接部の靭性低下が著しくなる。このため、Nは0.0050%以下に限定した。
以上が基本組成であるが、本発明では、上記した基本組成に加えて、さらに、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有できる。
Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Mo、Vは、いずれも鋼の強度を向上する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
Cuは、固溶強化により鋼の強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが好ましいが、0.2%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、含有する場合、Cuは0.2%以下に限定することが好ましい。
Niは、母材靭性を確保しつつ強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが好ましいが、0.3%を超えて含有すると、必須成分であるNbとの複合添加により、溶接熱影響部粗粒域の靭性を低下させる。また、Niは、鋼板表面に疵を発生させやすく、鋼板の表面品質を低下させる。このため、含有する場合、Niは、0.3%以下に限定することが好ましい。なお、なお、好ましくは0.05〜0.15%である。
Crは、鋼の強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが好ましいが、0.5%を超える含有は、溶接熱影響部の靭性を低下させる。このため、含有する場合、Crは、0.5%以下に限定することが好ましい。
Moは、焼入れ性の向上を介して、微量で鋼の強度を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.04%を超える含有は、溶接熱影響部の粗粒域の靭性を低下させる。このため、含有する場合、Moは0.04%以下に限定することが好ましい。
Vは、V(CN)として析出し、鋼の強度を向上させる析出強化元素であり、このような効果を得るためには、0.003%以上含有させることが好ましいが、0.08%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Vは0.08%以下に限定することが好ましい。
Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
Ca、REMはいずれも、溶接熱影響部靭性を向上させる元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
Caは、0.0003%以上の含有で、介在物の形態制御によりS、Oとのバランスを適切に選択することで溶接熱影響部靭性を向上させる。このような効果を得るためには、0.0003%以上含有することが好ましいが、一方、0.0030%を超えて含有してもその効果が飽和する。このため、Caは0.0030%以下に限定することが好ましい。
REMは、REM (O、S)を形成して、溶接熱影響部靭性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.0003%以上含有することが好ましいが、0.02%を超えて含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなる。このため、REMは0.02%以下に限定することが好ましい。因みに、REMは、希土類元素を意味し、代表的なものとしてはLa、Ce、Hfなどがある。
上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
本発明では、上記した各成分の範囲で、かつ次(1)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(1)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%))
で定義されるPcmが0.22以下となるように、各成分を調整する。
(1)式で定義されるPcmは、溶接割れ感受性指数(パラメータ)であり、Pcmが0.22を超えて大きくなると、溶接割れ感受性が高くなり、溶接時に予熱作業を必要とするようになる。このため、本発明ではPcmは0.22以下に限定した。なお、好ましくは0.20以下である。
つぎに、本発明の高張力厚鋼板の好ましい製造方法について説明する。
上記した組成の溶鋼を、転炉等の溶製炉で溶製し、連続鋳造等により鋼素材(スラブ)とする。ついで、得られた鋼素材に、1000〜1300℃に加熱したのち、圧延終了温度を800℃以上とする圧延を施して厚鋼板とする熱間圧延と、該熱間圧延に引続き、該厚鋼板に300℃以下まで水冷を行う加速冷却と、ついで、400℃以上Ac1変態点以下の温度に加熱する焼戻とを、順次施すことが好ましい。
本発明では、鋼素材に含有するNbを、鋼素材(スラブ)の加熱段階で十分に固溶させる必要がある。このため、鋼素材の加熱温度は1000℃以上とすることが好ましい。一方、1300℃を超える高温では、オーステナイト粒が粗大化し、靭性の低下を招くばかりか、酸化ロスが顕著となり、歩留が低下する。このため、鋼素材の加熱温度は1000〜1300℃とすることが好ましい。
熱間圧延は、厚鋼板の製造ラインを利用して行うことが好ましいが、圧延終了温度は800℃以上とすることが好ましい。圧延終了温度が800℃未満であっても鋼板の機械的特性に問題はない。しかし、圧延後の鋼板の形状が不良となり、とくに平坦度の低下が著しくなる。なお、本発明では、圧延終了温度の上限は特に規定する必要はないが、1000℃以下とするのが望ましい。
熱間圧延に引続き、変態強化により高強度化するために、厚鋼板に300℃以下までの水冷を行い、その後放冷する加速冷却を施すことが好ましい。加速冷却の冷却停止温度が300℃超えでは、変態が終了していないため、所望の引張強さを確保できない。また、本発明の組成範囲では、加速冷却の冷却速度は、5℃/s以上とすることが好ましい。冷却速度が空冷や、5℃/s未満では、所望の引張強さを確保できない。
加速冷却についで、厚鋼板を400℃以上Ac変態点以下の温度に加熱する焼戻を施すことが好ましい。焼戻により、引張強さ780MPa級厚鋼板としての強度と靭性が適切に付与される。焼戻のための加熱温度が400℃未満では、母材靭性が低下し、一方、Ac変態点を超えると、オーステナイト(γ)に再変態するため、所望の母材強度および靭性を確保できなくなる。なお、焼戻は、オンラインで行なってもオフラインで行なっても、どちらでもよい。
表1に示す組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼素材(スラブ)(鋼素材厚:250mm)とした。これらスラブに、熱間圧延、加速冷却および焼戻を施した。熱間圧延では、スラブに表2に示す条件の熱間圧延を施し、板厚25mmの厚鋼板とした。熱間圧延に引続く加速冷却では、熱間圧延後、厚鋼板に表2に示す条件で加速冷却を施した。冷却後に厚鋼板に施す焼戻では、厚鋼板に、オフラインの熱処理炉で、表2に示す温度で焼戻しを行なった。
得られた厚鋼板について、引張試験、シャルピー衝撃試験、最高硬さ試験、溶接継手試験を実施した。試験方法は次のとおりである。
(1)引張試験
得られた厚鋼板から全厚のJIS 5号引張試験片を引張方向が圧延直角方向となるように採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を行い、引張特性(降伏点YS、引張強さTS)を求めた。
(2)シャルピー衝撃試験
得られた厚鋼板の板厚1/4t部から圧延方向に、JIS Z 2202の規定に準拠してVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:0℃での吸収エネルギーvE0を求めた。
(3)最高硬さ試験
得られた厚鋼板から試験材を採取して、JIS Z 3101の規定に準拠して溶接熱影響部の最高硬さを求めた。得られた溶接熱影響部の最高硬さから、鋼板の溶接割れ感受性を評価した。なお、最高硬さHvが350以下であれば、溶接割れ感受性が低く、耐低温割れ性に優れると判定した。
(4)溶接継手試験
得られた厚鋼板から試験材を採取して、X開先の多層サブマージアーク溶接継手(溶接入熱:45kJ/cm)を作製した。得られた溶接継手からJIS 1号継手引張試験片を採取し、継手強度を測定した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2007138203
Figure 2007138203
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本発明例はいずれも、目標の鋼板強度および靭性を満足し、しかも溶接割れ感受性が低く、かつ溶接継手強度も母材と同等以上の強度を示した。一方、本発明の範囲から外れる比較例は、強度(YS、TS)、靭性(vE0)、溶接熱影響部の最高硬さ、継手強度のどれかが目標値を満足できていない。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.06〜0.09%、 Si:0.05〜0.60%,
    Mn:1.8〜2.5%、 Al:0.01〜0.08%、
    Nb:0.03〜0.08%、 Ti:0.008〜0.020%、
    B:0.0005〜0.0025%、 P:0.020%以下、
    S:0.0040%以下、 N:0.0050%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式で定義されるPcmが0.22以下である組成を有し、引張強さが780MPa以上であることを特徴とする溶接性に優れた高張力厚鋼板。

    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(1)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の高張力厚鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高張力厚鋼板。
  4. 質量%で、
    C:0.06〜0.09%、 Si:0.05〜0.60%,
    Mn:1.8〜2.5%、 Al:0.01〜0.08%、
    Nb:0.03〜0.08%、 Ti:0.008〜0.020%、
    B:0.0005〜0.0025%、 P:0.020%以下、
    S:0.0040%以下、 N:0.0050%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式で定義されるPcmが0.22以下である組成を有する鋼素材に、1000〜1300℃に加熱したのち、圧延終了温度を800℃以上とする圧延を施して厚鋼板とする熱間圧延と、該熱間圧延に引続き、該厚鋼板に300℃以下まで水冷を行う加速冷却と、ついで、400℃以上Ac1変態点以下の温度に加熱する焼戻とを、順次施すことを特徴とする引張強さ780MPa以上で溶接性に優れた高張力厚鋼板の製造方法。

    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(1)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(質量%)
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.2%以下、Ni:0.3%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.04%以下、V:0.08%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項4に記載の高張力厚鋼板の製造方法。
  6. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0030%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項4または5に記載の高張力厚鋼板の製造方法。
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