JP5045073B2 - 低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、橋梁、造船、建築、ラインパイプ、建産機械などに用いて好適な、高張力厚鋼板およびその製造方法に関し、とくに地震によって大きな塑性変形を受け、耐震性を必要とする建築構造物用として好適な、低降伏比を有する高張力厚鋼板に関する。
近年、建築構造物などでは、地震時の安全性確保の観点から、優れた耐震性を有する鋼板が要求されている。また、降伏比の低い鋼板ほど耐震性に優れることが、従来の研究結果から明らかにされており、建築構造物には、降伏比が80%以下の鋼材を使用することが義務付けられている。
また、建築構造物の高層化や大スパン化などに伴い、従来より高い強度を有する、例えば、590MPa級高張力鋼材の建築構造物への適用が増加している。
従来、建築構造物用として用いられる、低降伏比を有する590MPa級高張力鋼材は、二相域熱処理やその後の焼戻し熱処理など、複数回の熱処理を実施して製造されるのが一般的であった。しかし、二相域熱処理やその後の焼戻し熱処理など、複数回の熱処理を施すことは、製造コストを高騰させるうえ、製造工期の長期化など、問題を残していた。
このような問題に対して、二相域熱処理や焼戻し熱処理の省略、すなわち、非調質化が考えられる。例えば、特許文献1には、粗圧延の後に加速冷却を行って、オーステナイト(γ)を過冷却したうえで、フェライト(α)変態を促進するための仕上圧延を行い、さらに仕上圧延後に加速冷却を行うことで軟質相であるαの微細化と軟質相と硬質相の比率を適切に制御して高靭性と低降伏比化を両立させる、低降伏比高張力鋼材の製造方法が開示されている。特許文献1に記載された技術によれば、高価な合金元素の添加や生産性の低い複雑な熱処理を必要とすることなく、低降伏比高張力鋼材が製造できるとしている。
また、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、C、Si、Mn、Nb、Ti、V、Al等の含有量を適正範囲に調整した鋼片を加熱し圧延するに際し、800℃以下の温度での圧下量を5〜15mmとし、Ar3変態点以下の温度で圧延を完了する、低降伏比を有する590〜690MPa級高張力鋼板の製造方法が提案されている。しかし、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載された技術では、板厚を25mm以下に限定し、かつ、降伏比のレベルも85%以下を目標としており、耐震性確保の観点からは十分とは言い難いうえ、Ti等の合金元素を多量に添加することを必要とし、溶接熱影響部の靭性確保の観点からも問題を残していた。
また、特許文献5には、C:0.02〜0.04%、固溶B:0.0002〜0.002%を含有し、合金元素含有量に関係する式CENを所定範囲とする組成と、ベイナイトを主体とし、島状マルテンサイトを0.8〜2.5体積%分散させた組織からなる590MPa級の非調質型低降伏比高張力鋼板が提案されている。また、特許文献6には、C:0.025〜0.045%を含み、Si、Mn、Al、Nb、B、Nを適正範囲に調整し、さらにTiをNとの関係で適正範囲に限定するとともに、合金元素含有量に関係する式CENを所定範囲とする組成の鋼素材を、Nb固溶温度以上1250℃以下に加熱後圧延を開始し、オーステナイトの未再結晶温度域で累積圧下率を60%以下とし、オーステナイトの未再結晶温度−80℃以上で圧延を終了し、空冷して、ベイナイト地に島状マルテンサイト相が微細分散した組織とする590MPa級の非調質型低降伏比高張力鋼板の製造方法が提案されている。しかし、特許文献5、特許文献6に記載された技術では、鋼素材のC含有量を0.02〜0.04%あるいは0.025〜0.045%と低炭素化し、さらに、特に厚物材の強度を確保するためには合金元素量を多量に添加することが必要となり、製造コストが増大するという問題がある。また、さらに、特許文献6に記載された技術では、圧延仕上温度を低温化することを必須としており、圧延機負荷の観点から安定製造が困難になるという問題もある。
また、特許文献7には、C:0.05〜0.15%、Mo:0.7〜1.2%を含み、さらにSi、Mn、P、S、Nb、Al、Nを適正量含み、Pcmが0.25%以下の組成を有する鋼片に、950℃以下での累積圧下量を50%以上とし700〜800℃の温度で圧延を完了、放冷して、板厚方向1/4厚位置のミクロ組織がポリゴナルまたは擬ポリゴナル・フェライトを主体とする組織となる高温強度に優れた非調質低降伏比高張力鋼の製造方法が提案されている。しかし、特許文献7に記載された技術では、圧延仕上温度を低温化して、高強度と低降伏比化を図っているが、合金元素添加量が多く、特にMoを0.7%以上添加することを必須としており、製造コストの高騰が避けられないという問題がある。
一方、特許文献8〜13には、合金元素添加量を削減するために、加速冷却を活用し、高強度化を図り、高強度と低降伏比を両立させる、低降伏比非調質高張力鋼の製造方法が提案されている。
特許文献8、特許文献9、特許文献10に記載された技術は、鋼片にAr3変態点以上で圧延を完了する熱間圧延を施した後、冷却を開始する前に、所定の温度になるまで空冷してフェライトを生成させ、二相域から冷却して、低降伏比化を図る方法である。しかし、このような方法では、僅かな冷却開始温度の違いによっても、フェライト生成率が異なってくるため、材質ばらつきが大きくなる。そのため、実際にこの方法で鋼板を製造する場合には、厳密な冷却開始温度の管理が必要となり、安定製造が困難になるという問題があった。
また、特許文献11には、鋼片に、オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量を30%以上として720℃以上の温度で熱間圧延を終了し、680℃以上の温度から加速冷却を開始し、150〜350℃の温度で加速冷却を停止して、板厚方向1/4厚の組織を、マルテンサイト又はマルテンサイト−オーステナイト混合相を1〜10%含む組織とする、低降伏比高張力鋼の製造方法が提案されている。
また、特許文献12には、C:0.005〜0.03%を含有する鋼片に、加熱後、1000〜1250℃の温度域における累積圧下率を30%以上、オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下率を30%以上、圧延終了温度をAr3点以上とする熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却速度:0.1〜20℃/sで加速冷却する非調質高強度低降伏比高靭性厚鋼板の製造方法が提案されている。これにより、700MPa以上の高強度と80%以下の低降伏比とが両立できるとしている。
また、特許文献13には、C:0.02%以上0.05%未満を含有する鋼片に、加熱後、1100℃以下の温度域における累積圧下量を30%以上とし、Ae3温度以上の温度で圧延を終了する熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、Ae3温度以上の温度から300℃以下までの冷却速度を、2K/s以上とする加速冷却を施す低降伏比570MPa級高張力鋼の製造方法が提案されている。
特開平10-306316号公報 特開平4-210419号公報 特開平4-221017号公報 特開平5-171271号公報 特開2000-219934号公報 特開2002-53912号公報 特開2004-84068号公報 特開昭63-219523号公報 特開昭63-223123号公報 特開平1-301819号公報 特開2002-3983号公報 特開2003-147477号公報 特開2004-339550号公報
しかしながら、特許文献11に記載された技術では、冷却停止時の温度が鋼板内で大きくばらつくことが原因で、鋼板に歪が発生したり、鋼板内に残留応力が発生する場合がある。このため、特許文献11に記載された技術で製造された鋼板では、鋼板をガス切断する時に、いわゆる条切りキャンバーと呼ばれる歪が発生するため、製造条件の厳密な管理を必要とするという問題がある。
また、特許文献12に記載された技術では、特許文献5、特許文献6、特許文献7に記載された技術と同様に、低C化したため、高強度化を図るために高価な合金元素の多量添加が必要になる。このため、製造コストの高騰を招くという問題がある。
また、特許文献13に記載された技術では、低C化したため、高強度化を図るために高価な合金元素を多量添加する必要があり、製造コストの高騰を招くという問題がある。またさらに、特許文献13に記載された技術では、冷却停止温度を300℃以下と低温化しているため、冷却停止時の温度が鋼板内で大きくばらつき、鋼板に歪が発生したり、鋼板内に残留応力が発生する場合がある。このため、特許文献13に記載された技術で製造された鋼板では、鋼板をガス切断する時に、いわゆる条切りキャンバーと呼ばれる歪が発生するため、製造条件の厳密な管理を必要とするという問題がある。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決し、オフラインの熱処理を必要とせずにオンラインで、さらに上記したような、高価な合金元素の多量添加や、製造条件の厳密な管理を必要とすることなく、溶接性に優れ、かつ低降伏比を有し、さらに好ましくは板厚方向の材質変動が小さい高張力厚鋼板、および該高張力厚鋼板を安価に製造できる、高張力厚鋼板の製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明でいう「高張力厚鋼板」は、板厚40mm超えで、引張強さTS:590MPa以上の高強度を有する厚鋼板をいうものとする。また、「低降伏比」とは、降伏比:80%以下を指すものとする。また、「板厚方向の材質変動が小さい」とは、板厚1/4t位置と板厚1/2t位置とにおける降伏強さおよび引張強さの差が、それぞれ40MPa以下である場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、高強度化と低降伏比化に影響する要因について鋭意研究した。その結果、Moおよび/またはWを、Mo+W/2で0.08〜0.70mass%含有した組成の鋼素材に、熱間圧延を施し厚鋼板としたのち、該厚鋼板に所定条件の加速冷却を施すことにより、非調質で、引張強さTS:590MPa以上の高強度と80%以下の低降伏比を同時に満足する高張力厚鋼板を製造できることを見出した。また、上記した条件を満足させたうえ、C含有量を0.045〜0.08mass%に、(Mo+W/2)を0.08〜0.20mass%に制限することにより、非調質で、引張強さTS:590MPa以上の高強度と80%以下の低降伏比と、さらに板厚1/4t位置と板厚1/2t位置とにおける降伏強さおよび引張強さの差が、それぞれ40MPa以下を同時に満足する、低降伏比でかつ板厚方向における材質変動が小さい高張力厚鋼板を製造できることを見出した。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。
mass%で、0.08%C−0.25%Si−1.25%Mn−0.018%P−0.002%Sを基本成分として、Cu、Ni、Cr、Mo、W、V、Nb、Ti、Bのうちの1種または2種以上を添加して、炭素当量Ceq(=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14)を0.42%と一定にしたスラブに、熱間圧延を施して50mm厚の厚鋼板とし、熱間圧延直後に板厚中心部の温度が580℃になるまでの加速冷却を行い、その後空冷した。得られた鋼板について、板厚1/4位置よりJIS Z 2201の規定に準拠してJIS 4号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(引張強さTS、降伏強さYS)を求めた。
得られた結果を図1に示す。
図1から、引張強さTS:590MPa以上でかつ降伏比YR:80%以下を確保するためには、Mo+W/2を0.08%以上とする必要があることがわかる。
また、mass%で、0.05%C−0.25%Si−1.25%Mn−0.018%P−0.002%Sを基本成分として、Cu、Ni、Cr、Mo、W、V、Nb、Ti、Bのうちの1種または2種以上を添加して、炭素当量Ceqを0.42%と一定にしたスラブに、熱間圧延を施して60mm厚の厚鋼板とし、熱間圧延直後に板厚中心部の温度が620℃になるまでの加速冷却を行い、その後空冷した。得られた鋼板について、板厚1/4位置および板厚1/2位置から、JIS Z2201の規定に準拠して、JIS 4号試験片を採取して、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(引張強さTS、降伏強さYS)を求めた。得られた引張特性から、降伏比YR(=YS/TS)および板厚1/4位置と板厚1/2位置との、引張強さTSの差ΔTS、および降伏強さYSの差ΔYSを算出した。
得られた結果を、ΔYS、ΔTSと(Mo+W/2)との関係、YRと(Mo+W/2)との関係、およびYS、TSと(Mo+W/2)との関係で図2に示す。
図2から、(Mo+W/2)が0.08%以上0.20%以下の範囲で、引張強さTSが590MPa以上、降伏比YRが80%以下でかつ、ΔYS、ΔTSが同時に40MPa以下、となり、低降伏比でかつ板厚方向の材質変動が小さい厚鋼板となることがわかる。
また、mass%で、0.01〜0.12%C−0.18%Si−1.35%Mn−0.014%P−0.002%S−0.16%Moを基本成分として、Cu、Ni、Cr、V、Nb、Ti、Bのうちの1種または2種以上を添加して、炭素当量Ceqを0.41%と一定にしたスラブに、熱間圧延を施して60mm厚の厚鋼板とし、熱間圧延直後に板厚中心部の温度が620℃になるまでの加速冷却を行い、その後空冷した。得られた鋼板について、板厚1/4位置および板厚1/2位置から、JIS Z 2201の規定に準拠してJIS 4号試験片を採取して、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(引張強さTS、降伏強さYS)を求めた。得られた引張特性から、同様に降伏比YRおよび板厚1/4位置と板厚1/2位置との、引張強さTSの差ΔTS、および降伏強さYSの差ΔYSを算出した。
得られた結果を図3に、ΔYS、ΔTSとC量との関係、YRとC量との関係、およびYS、TSとC量との関係で、示す。
図3から、C量が0.045%以上0.08%以下の範囲に調整することにより、板厚中心部(1/2t)でTS:590MPa以上の強度を確保しつつ、降伏比YRが80%以下でかつ、ΔYS、ΔTSが同時に40MPa以下、となることがわかる。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて、完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)mass%で、C:0.045〜0.18%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.1%以下、N:0.0060%以下を含み、さらにMoおよび/またはWを次(1)式
0.08≦ Mo+W/2 ≦0.70 ……(1)
(ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ次(2)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%))
で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有し、板厚方向中央部の組織が、フェライトを主相とし、MA相を含む硬質相を7.6体積%以上20体積%以下含む複合組織であることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板。
(2)mass%で、C:0.045〜0.08%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.1%以下、N:0.0060%以下を含み、さらにMoおよび/またはWを次(1a)式
0.08≦ Mo+W/2 ≦0.20 ……(1a)
(ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ前記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有し、板厚方向中央部の組織が、フェライトを主相とし、MA相を含む硬質相を7.6体積%以上20体積%以下含む複合組織であることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有し、かつ板厚方向の材質変動の小さい非調質高張力厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.03〜1%、Ni:0.03〜2%、Cr:0.05〜1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする非調質高張力厚鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、mass%で、REM :0.0002〜0.0050%を含有する組成とすることを特徴とする非調質高張力厚鋼板。
(5)鋼素材に、熱間圧延と、該熱間圧延後直ちに加速冷却する冷却処理とを施し、厚鋼板とするに当り、前記鋼素材を、mass%で、C:0.045〜0.18%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.1%以下、N:0.0060%以下を含み、さらにMoおよび/またはWを前記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ前記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有する鋼素材とし、前記熱間圧延を、圧延終了温度が表面で800〜950℃の範囲の温度となる熱間圧延とし、前記冷却処理を、平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲の冷却速度で加速冷却し、500〜670℃の範囲の温度で加速冷却を停止する処理とすることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板の製造方法。
(6)鋼素材に、熱間圧延と、該熱間圧延後直ちに加速冷却する冷却処理とを施し、厚鋼板とするに当り、前記鋼素材を、mass%で、C:0.045〜0.08%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜2.0%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.1%以下、N:0.0060%以下を含み、さらにMoおよび/またはWを前記(1a)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ前記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有する鋼素材とし、前記熱間圧延を、圧延終了温度が表面で800〜950℃の範囲の温度となる熱間圧延とし、前記冷却処理を、平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲の冷却速度で加速冷却し、580〜670℃の範囲の温度で加速冷却を停止する処理とすることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有し、かつ板厚方向の材質変動の小さい非調質高張力厚鋼板の製造方法。
(7)(5)または(6)において、前記鋼素材が、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.03〜1%、Ni:0.03〜2%、Cr:0.05〜1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする非調質高張力厚鋼板の製造方法。
(8)(5)ないし(7)のいずれかにおいて、前記鋼素材が、前記組成に加えてさらに、mass%で、REM :0.0002〜0.0050%を含有する組成とすることを特徴とする非調質高張力厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、高価な合金元素の多量添加や、製造条件の厳密な管理、さらには、オフラインでの二相域熱処理を必要とせずに、溶接性、靭性に優れ、かつ低降伏比を有し、さらには板厚方向の材質変動の小さい高張力厚鋼板を非調質で製造でき、優れた特性を有する高張力厚鋼板を容易にしかも安価に提供でき、産業上格段の効果を奏する。
本発明の高張力厚鋼板は、所定の組成と組織を有し、引張強さTS:590MPa以上の高強度と、降伏比YR:80%以下の低降伏比を有する高張力厚鋼板である。
まず、本発明の高張力厚鋼板における組成限定理由について記載する。なお、以下、とくにことわらない限り、%はmass%を意味する。
C:0.045〜0.18%
Cは、鋼の強度を向上させる元素であり、本発明では引張強さTS:590MPa以上を確保するために、0.045%以上の含有を必要とする。しかし、0.18%を超えてCを過剰に含有すると低温割れ感受性を増大させる。このため、本発明ではCは0.045〜0.18%の範囲に限定した。なお、0.08%を超える含有は、板厚1/4t位置と板厚1/2t位置での強度差、ΔYS、ΔTSが40MPa以上となる。このため、板厚方向の材質変動が小さいことが要求される使途には、Cは0.045〜0.08%の範囲に限定することが好ましい。
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸剤として作用し、製鋼上0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超えて含有すると母材靭性が低下する。このため、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.40%である。
Mn:0.6〜2.0%
Mnは、鋼の焼入れ性の向上を介して、強度を向上させる元素である。このような効果を確保するためには、0.6%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、溶接性を著しく低下させる。このため、本発明では、Mnは0.6〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.80〜1.60%である。
P:0.020%以下
Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性を低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。特に、0.020%を超える含有は、著しく靭性を低下させるため、本発明ではPは0.020%以下に限定した。
S:0.005%以下
Sは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性や板厚方向引張試験における絞りを低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。特に、0.005%を超えて含有すると、上記した特性の低下傾向が著しくなる。そのため、Sは0.005%以下に限定した。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、溶鋼の脱酸プロセスにおいて、脱酸剤としてもっとも汎用的に使用される元素であり、0.001%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える含有は、粗大な酸化物を形成して、鋼板母材の延性を著しく低下させる。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.020〜0.080%である。
N:0.0060%以下
Nは、固溶Nとして存在すると、歪時効後の母材靭性や溶接熱影響部靭性を低下させる。このため、Nは0.0060%以下に限定した。
上記した成分に加えてさらに、本発明では、Moおよび/またはWを含有する。
MoおよびWは、強度を確保しつつ、低降伏比化を図るために、重要な元素であり、本発明では、MoまたはW、あるいはMoおよびWを、次(1)式
0.08≦(Mo+W/2)≦0.70 ……(1)
(ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有する。(Mo+W/2)が0.08%未満では、引張強さTSが590MPa以上、かつ降伏比YRが80%以下を確保することができない。一方、(Mo+W/2)が0.70%を超えるようにMo、Wを含有すると、溶接性が低下するとともに、製造コスト(材料コスト)が高騰する。そのため、Moおよび/またはWは、(Mo+W/2)が0.08〜0.70%の範囲となるように、すなわち(1)式を満足するように、含有するよう規定した。なお、板厚方向の材質変動を小さくすることが要求される使途には、次(1a)式
0.08≦ Mo+W/2 ≦0.20 ……(1a)
(ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%))
を満足するように規定することが好ましい。というのは、(Mo+W/2)が0.20%を超えて大きくなると、板厚1/4t位置と板厚1/2t位置との強度差ΔYS、ΔTSが40MPaを超えて大きくなる。
Pcm:0.22%以下
Pcm は、溶接時の割れ感受性を示す溶接割れ感受性指標であり、次(2)式
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
(ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%))
で定義される。なお、(2)式を用いてPcm値を計算する場合、含有されない元素は零として計算するものとする。
Pcm値が高くなると、溶接時に予熱処理、および/または後熱処理を実施する必要がある。溶接条件や溶接部の拘束条件などによって異なるが、概ねPcm 値を0.22%以下とすることにより、予熱をすることなく溶接施工が可能となる。このため、本発明ではPcm を0.22%以下に限定した。なお、好ましくは、0.20%以下である。
本発明の高張力厚鋼板は、上記した成分を基本成分とするが、更に、必要に応じて、Cu:0.03〜1%、Ni:0.03〜2%、Cr:0.05〜1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種以上、および/または、Ca:0.0002〜0.0050%、REM :0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種を含有してもよい。
Cu、Ni、Cr、V、Nb、Ti、Bはいずれも、鋼板の強度を向上させる元素であり、必要に応じて、選択して1種又は2種以上含有できる。
Cu:0.03〜1%
Cuは、靭性を低下させずに強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.03%以上の含有を必要とする。一方、1%を超える含有は、熱間圧延時に表面疵を多発させる。このため、Cuは0.03〜1%に限定することが好ましい。
Ni:0.03〜2%
Niは、靭性を低下させずに強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.03%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる。このため、Niは0.03〜2%の範囲に限定することが好ましい。
Cr:0.05〜1%
Crは、合金コストを著しく上昇させることなく、強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、1%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Crは0.05〜1%の範囲に限定することが好ましい。
V:0.01〜0.1%
Vは、析出強化により鋼板の強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Vは0.01〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。
Nb:0.005〜0.1%
Nbは、析出強化により鋼板の強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Nbは0.005〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは、析出強化により鋼板の強度を向上させるとともに、固溶Nを固定し、溶接熱影響部靭性を改善するために有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.05%を超えて過剰に含有すると、溶接熱影響部靭性が低下する。このため、Tiは0.005〜0.05%の範囲に限定することが好ましい。
B:0.0002〜0.0050%
Bは、極微量の含有で焼入れ性を向上させ、それにより鋼板の強度を向上させる有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.0002%以上の含有を必要とする。一方、0.0050%を超えて含有すると、溶接性が低下する。このため、Bは0.0002〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
また、REMは、板厚方向の延性、溶接熱影響部靭性を改善する元素であり、必要に応じて含有できる
REM:0.0002〜0.0050%
REMは、Sを固定することにより,MnSの生成を抑制して、板厚方向の絞り特性を改善したり、また、溶接熱影響部靭性を改善する効果を有する。このような効果を得るためには、0.0002%以上の含有を必要とする。一方、0.0050%を超える過剰の含有は、母材靭性を低下させる。したがって、REMは0.0002〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、O:0.01%以下、Zr:0.01%以下、Co:0.01%以下、Sn:0.01%以下、Pb:0.01%以下、Sb:0.01%以下が許容できる。
本発明の高張力厚鋼板は、上記した組成を有し、さらに、板厚方向中央部の組織が、フェライトを主相とし、20体積%以下の硬質相を含む複合組織を有する。なお、板厚方向中央部とは、表層部分を除く範囲、すなわち板厚の1/4〜1/2の領域をいうものとする。
鋼板の板厚方向中央部組織が、軟質相であるフェライト相を主相とすることにより、低降伏比を有する厚鋼板となる。なお、主相とは体積%で50%以上を含む相を云うものとする。そして、20体積%以下の硬質相を含むことにより、所望の高強度を確保することができる。なお、硬質相は、10体積%以下のMA相(MA相:島状マルテンサイトの略)を主とし、残りはパーライトおよび/またはベイナイトを含む相とすることが好ましい。MoおよびWはこの硬質相の硬度上昇に顕著に寄与する。
なお、厚鋼板の中央部以外の表層では、冷却に際し当初は急冷され、低温変態相が形成されるが、その後の復熱により、表層硬度が低下する。本発明の高張力厚鋼板では、表層は350HV10以下の硬さを有することが好ましい。さらに好ましくは300HV10以下である。
つぎに、本発明の高張力厚鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成の溶鋼を、転炉等の常用の溶製炉で溶製し、連続鋳造法や、造塊−分塊法等の常用の方法で、スラブ(鋼素材)とする。ついで、鋼素材に、熱間圧延と、該熱間圧延後直ちに加速冷却する冷却処理とを施し、厚鋼板とする。
熱間圧延は、圧延終了温度が表面で800〜950℃の範囲の温度となる圧延とする。
熱間圧延の加熱温度は、とくに限定する必要はないが、1050〜1250℃の範囲の温度に加熱することが好ましい。加熱温度が1050℃未満では、変形抵抗が大きくなり、圧延機負荷が増大する。一方、1250℃を超えると、熱間圧延時に表面疵が発生しやすくなる。そのため、加熱温度は1050〜1250℃の範囲の温度とするのが望ましい。
熱間圧延の圧延終了温度は、表面で800〜950℃の範囲の温度とする。圧延終了温度が800℃未満では、所望の強度が確保できず、一方、950℃を超える温度では、厚鋼板の母材靭性が低下する。このため、熱間圧延の圧延終了温度は、表面で800〜950℃の範囲の温度に限定した。なお、好ましくは800〜900℃である。
冷却処理は、平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲の冷却速度で加速冷却し、500〜670℃の範囲の温度で加速冷却を停止する処理とする。
加速冷却の冷却速度が、平均冷却速度で、0.5℃/s未満では、所望の引張強さが確保できず、一方、50℃/sを超えると、降伏比が80%超えとなる。このため、加速冷却の冷却速度は平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲に限定した。なお、平均冷却速度とは、板厚1/4t位置で定義される値である。
加速冷却の冷却停止温度は、ガス切断時の条切りキャンバーの原因となる残留応力を軽減するためにも、500℃以上の高温とすることが望ましい。加速冷却の冷却停止温度が、500℃未満の温度では、降伏比が80%超えとなる。なお、板厚方向の材質変動を小さくすることが要求される場合には、加速冷却の冷却停止温度は580℃以上とすることが好ましい。一方、670℃を超える温度では、所望の引張強さが確保できない。このため、加速冷却の冷却停止温度は500〜670℃の範囲の温度とした。なお、冷却停止温度は板厚1/2t位置での値とする。
本発明における加速冷却は、鋼板の冷却速度を所望の範囲に制御する必要がある。冷却速度制御法としては、水量密度を調整する方法、強冷却と空冷とを複数回繰り返す方法、強冷却と弱冷却を繰り返す方法など、が挙げられるが、何れの方法を用いても、本発明の効果を損なうことはない。なお、加速冷却後の鋼板の冷却歪や残留応力を軽減するためには、1.5ton/m2/min以上の水量密度の強冷却と空冷とを複数回繰り返すことにより、平均冷却速度を制御する方法が最も望ましい。なお、加速冷却を停止後は空冷とすることが好ましい。
(実施例1)
表1に示した組成を有する鋼素材に、表2に示す条件で熱間圧延、および冷却処理(冷却停止後空冷)を施し、表2に示す板厚の厚鋼板とした。
得られた厚鋼板について、組織観察、引張試験、シャルピー衝撃試験、y形溶接割れ試験を実施し、組織、引張特性、靭性、および溶接割れ性を調査した。試験方法は次の通りとした。
(1)組織観察
得られた厚鋼板から組織観察用試験片を採取し、L方向断面を研磨、ナイタールで腐食し、板厚1/4t位置について、走査型電子顕微鏡で断面組織を5視野以上観察し、撮像して、画像解析により組織分率を求めた。
(2)引張試験
得られた厚鋼板の1/4板厚位置から、JIS Z 2201の規定に準拠して、JIS 4号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張り強さTS、降伏比YR)を求めた。
(3)シャルピー衝撃試験
得られた厚鋼板の1/4板厚位置から、JIS Z 2242の規定に準拠して、Vノッチ試験片を採取し、シャルピー衝撃試験を実施し、0℃における吸収エネルギーvE0(J)および破面遷移温度vTrs(℃)を求めた。
(4)y形溶接割れ試験
得られた厚鋼板から、JIS Z 3158に準拠して採取したy形溶接割れ試験片を用いて、25℃において、溶接割れ試験を実施し、割れの有無を調査した。
得られた結果を表3に示す。
本発明例はいずれも、引張強さTSが590MPa以上、降伏比YRが80%以下を満足する、低降伏比を有する高張力厚鋼板となっており、しかもvE0が100J以上と良好な靭性を有し、さらに、25℃におけるy形溶接割れ試験においても割れは発生しておらず、優れた溶接性(溶接割れ性)を有している。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、強度が不足しているか、降伏比が80%を上回っているか、靭性が低下しているか、または、25℃において溶接割れが発生している。
(実施例2)
表4に示した組成を有する鋼素材に、表5に示す条件で熱間圧延、および冷却処理(冷却停止後空冷)を施し、表5に示す板厚の厚鋼板とした。
得られた厚鋼板について、組織観察、引張試験、シャルピー衝撃試験、y形溶接割れ試験を実施し、組織、引張特性、靭性、および溶接割れ性を調査した。試験方法は、試験片の採取位置が、板厚1/4位置に加えて板厚1/2位置についても実施した以外は、実施例1と同様とした。
得られた結果を表6に示す。
本発明例はいずれも、引張強さTSが590MPa以上、降伏比YRが80%以下を満足し、低降伏比を有し、さらに板厚1/4位置と板厚1/2位置との強度差ΔYS、ΔTSがいずれも40MPa以下と、板厚方向の材質変動が小さい、高張力厚鋼板となっており、しかもvE0が100J以上と良好な靭性を有し、さらに、25℃におけるy形溶接割れ試験においても割れは発生しておらず、優れた溶接性(溶接割れ性)を有している。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、強度が不足しているか、降伏比が80%を上回っているか、靭性が低下しているか、または、25℃において溶接割れが発生している。なお、本発明の好適範囲を外れる本発明例では、板厚1/4位置と板厚1/2位置との強度差ΔYS、ΔTSが40MPaを超えて大きく板厚方向の材質変動が大きくなっている。
引張強さTS、降伏比YRと(Mo+W/2)量との関係を示すグラフである。 引張強さTS、降伏強さYS、降伏比YR、およびΔYS、ΔTSと(Mo+W/2)量との関係を示すグラフである。 引張強さTS、降伏強さYS、降伏比YR、およびΔYS、ΔTSとC量との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. mass%で、
    C:0.045〜0.18%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.6〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.0060%以下
    を含み、さらにMoおよび/またはWを下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有し、板厚方向中央部の組織が、フェライトを主相とし、MA相を含む硬質相を7.6体積%以上20体積%以下含む複合組織であることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板。

    0.08≦ Mo+W/2 ≦0.70 ……(1)
    ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%)
  2. mass%で、
    C:0.045〜0.08%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.6〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.0060%以下
    を含み、さらにMoおよび/またはWを下記(1a)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有し、板厚方向中央部の組織が、フェライトを主相とし、MA相を含む硬質相を7.6体積%以上20体積%以下含む複合組織であることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有し、かつ板厚方向の材質変動の小さい非調質高張力厚鋼板。

    0.08≦ Mo+W/2 ≦0.20 ……(1a)
    ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%)
  3. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.03〜1%、Ni:0.03〜2%、Cr:0.05〜1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の非調質高張力厚鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、mass%で、REM :0.0002〜0.0050%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非調質高張力厚鋼板。
  5. 鋼素材に、熱間圧延と、該熱間圧延後直ちに加速冷却する冷却処理とを施し、厚鋼板とするに当り、前記鋼素材を、mass%で、
    C:0.045〜0.18%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.6〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.0060%以下
    を含み、さらにMoおよび/またはWを下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有する鋼素材とし、
    前記熱間圧延を、圧延終了温度が表面で800〜950℃の範囲の温度となる熱間圧延とし、
    前記冷却処理を、平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲の冷却速度で加速冷却し、500〜670℃の範囲の温度で加速冷却を停止する処理とすることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有する非調質高張力厚鋼板の製造方法。

    0.08≦ Mo+W/2 ≦0.70 ……(1)
    ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%)
  6. 鋼素材に、熱間圧延と、該熱間圧延後直ちに加速冷却する冷却処理とを施し、厚鋼板とするに当り、前記鋼素材を、mass%で、
    C:0.045〜0.08%、 Si:0.05〜0.50%、
    Mn:0.6〜2.0%、 P:0.020%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.0060%以下
    を含み、さらにMoおよび/またはWを下記(1a)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(2)式で示される溶接割れ感受性指標Pcmが0.22%以下である組成を有する鋼素材とし、
    前記熱間圧延を、圧延終了温度が表面で800〜950℃の範囲の温度となる熱間圧延とし、
    前記冷却処理を、平均冷却速度で0.5〜50℃/sの範囲の冷却速度で加速冷却し、580〜670℃の範囲の温度で加速冷却を停止する処理とすることを特徴とする引張強さ:590MPa以上の高強度と降伏比:80%以下の低降伏比を有し、かつ板厚方向の材質変動の小さい非調質高張力厚鋼板の製造方法。

    0.08≦ Mo+W/2 ≦0.20 ……(1a)
    ここで、Mo、W:各元素の含有量(mass%)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B……(2)
    ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B:各元素の含有量(mass%)
  7. 前記鋼素材が、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.03〜1%、Ni:0.03〜2%、Cr:0.05〜1%、V:0.01〜0.1%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項5または6に記載の非調質高張力厚鋼板の製造方法。
  8. 前記鋼素材が、前記組成に加えてさらに、mass%で、REM :0.0002〜0.0050%を含有する組成とすることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の非調質高張力厚鋼板の製造方法。
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