JP2011208013A - 液晶性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

液晶性樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】フィブリル化し難い成形体を与える液晶性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】液晶性樹脂に、けい酸カルシウムの板状結晶が凝集してなる凝集粒子を配合して、液晶性樹脂組成物とする。けい酸カルシウムの板状結晶は、トバモライトの結晶であることが好ましい。液晶性樹脂組成物中のけい酸カルシウムの板状結晶が凝集してなる凝集粒子の含有量は、液晶性樹脂100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましい。液晶性樹脂組成物には、さらに繊維状フィラーが含まれていてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶性樹脂組成物及びその成形体に関する。
液晶性樹脂は、分子が剛直なため、溶融状態でも絡み合いを起こさずに、液晶状態を有するポリドメインを形成し、その成形の際、せん断により分子鎖が流れ方向に著しく配向することから、機械強度が高い成形体を与えるという利点を有しているが、一方で、この配向により、成形体に機械物性や熱物性、電気物性の異方性が生じ易かったり、成形体の表面が繊維状に剥がれ易い、すなわちフィブリル化し易かったりするという欠点がある。このため、成形体の機械強度を著しく低下させない範囲で、液晶性樹脂の成形時の配向を緩和する技術が種々検討されており、例えば、特許文献1には、液晶性樹脂に所定の繊維径のガラス繊維を所定量配合してなり、ガラス繊維が所定の繊維長分布を有する液晶性樹脂組成物が開示されている。
特開平6−240115号公報
従来の液晶性樹脂組成物では、液晶性樹脂の成形時の配向を緩和することにより、得られる成形体の諸物性の異方性は低減できても、フィブリル化を抑制することが難しかった。そこで、本発明の目的は、フィブリル化し難い成形体を与える液晶性樹脂組成物を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、液晶性樹脂と、けい酸カルシウムの板状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含む液晶性樹脂組成物を提供する。また、本発明によれば、前記液晶性樹脂組成物を溶融成形してなる成形体も提供される。
本発明の液晶性樹脂組成物によれば、フィブリル化し難い成形体を得ることができるる。また、液晶性樹脂を製造する際に、無水酢酸を用いたり、原料モノマーとしてアセチル化物を用いたりすると、液晶性樹脂中に酢酸が残存し、成形体から酢酸が発生するという問題が生じることがあるが、本発明の液晶性樹脂組成物により得られる成形体は、酢酸が発生し難いという利点も有している。
本発明で用いる液晶高分子は、溶融時に光学異方性を示し、500℃以下の温度で異方性溶融体を形成する高分子である。この光学的異方性は、直交偏光子を利用した通常の偏光検査法によって確認することができる。液晶高分子は、その分子内に、分子形状が細長く、扁平で分子の長鎖に沿って剛性が高い分子鎖(以下、剛性が高い分子鎖を「メソゲン基」と呼ぶことがある)を有する。液晶高分子は、このようなメソゲン基を主鎖又は側鎖のいずれか一方又は両方に有する高分子であるが、より高耐熱性の成形体を求めるならば高分子主鎖にメソゲン基を有するものが、本発明の液晶性樹脂組成物には好ましい。
該液晶高分子の具体例としては、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルエーテル、液晶ポリエステルカーボネート、液晶ポリエステルイミド、液晶ポリアミド等が挙げられるが、これらの中でも、高強度の成形体が得られる点で液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド又は液晶ポリアミドが好ましい。
前記の好適な液晶高分子を具体的に例示すると、下記の(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種の液晶高分子が好ましい。
(a):構造単位(I)及び/又は構造単位(II)からなる液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド又は液晶ポリアミド。
(b):構造単位(I)及び構造単位(II)から選ばれる構造単位と、構造単位(III)と、構造単位(IV)とからなる液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミド。
(c)構造単位(I)及び構造単位(II)から選ばれる構造単位と、構造単位(III)と、構造単位(IV)、構造単位(V)及び構造単位(VI)から選ばれる構造単位とからなる液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミド。
Figure 2011208013
式中、Ar1、Ar2、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に2価の芳香族基を表し、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に芳香族基、脂環基及び脂肪族基から選ばれる2価の基を表す。なお、前記芳香族基にある芳香環上の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基又は炭素数6〜10のアリール基で置換されていてもよい。なお、ここで脂環基とは脂環式化合物から水素原子を2つ取り去って得られる基を意味し、脂肪族基とは脂肪族化合物から水素原子を2個取り去って得られる基を意味する。
前記の構造単位において、Ar1、Ar2、Ar5及びAr6に係る芳香族基としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルケトン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルメタン等の、単環芳香族化合物、縮合環芳香族化合物及び複数の芳香環が2価の連結基(単結合を含む)で連結された芳香族化合物からなる群から選ばれる芳香族化合物の芳香環に結合している水素原子を2つ取り去って得られる基であり、好適には、2,2−ジフェニルプロパン、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,6−ナフタレンジイル基及び4,4’−ビフェニレン基から選ばれる2価の芳香族基であり、該芳香族基がこのような基である液晶高分子は、より機械強度に優れる傾向にあるため好ましい。
前記の構造単位(III)におけるAr3と、構造単位(IV)におけるAr4は、Ar1、Ar2、Ar5又はAr6で説明した芳香族基に加えて、炭素数1〜9の飽和脂肪族化合物から水素原子を2つ取り去って得られる2価の脂肪族基や2価の脂環基から選ばれる基である。
構造単位(I)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される構造単位であり、該芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸、又はこれらの芳香族ヒドロキシカルボン酸にある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。なお、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6の直鎖、分岐又は脂環状のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、イソプロピオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの、直鎖、分岐又は脂環状のアルコキシ基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基やナフチル基が挙げられる。また、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれる。
構造単位(II)は、芳香族アミノカルボン酸から誘導される構造単位であり、該芳香族アミノカルボン酸としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、又はこれら芳香族アミノカルボン酸にある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族アミノカルボン酸が挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸で例示したものと同じである。
構造単位(III)は、芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸から誘導される基であり、該芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’’−トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、又はこれら芳香族ジカルボン酸にある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ジカルボン酸が挙げられ、該脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;及びトランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン酸、トラシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はこれらの脂肪族ジカルボン酸にある脂肪族基又は脂環基の水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。なお、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸で例示したものと同等である。
構造単位(IV)は、芳香族ジオール又は脂肪族ジオールから誘導される基であり、該芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレン−2,6−ジオール、4,4’−ビフェニレンジオール、3,3’−ビフェニレンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン又はこれら芳香族ジオールにある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ジオールが挙げられ、該脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、シス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジメタノール又はこれらの脂肪族ジオールにある脂肪族基又は脂環基の水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる脂肪族ジオールが挙げられる。なお、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸で例示したものと同じである。
構造単位(V)は、芳香族ヒドロキシアミンから誘導される構造単位であり、該芳香族ヒドロキシアミンとしては、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニル、又はこれら芳香族ヒドロキシアミンにある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族ヒドロキシアミンが挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸で例示したものと同じである。
構造単位(VI)は、芳香族ジアミンから誘導される構造単位であり、該芳香族ジアミンとしては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)、又はこれらの芳香族ジアミンにある芳香環上の水素の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子に置換されてなる芳香族アミノカルボン酸、前記に例示した芳香族ジアミンの1級アミノ基に結合している水素原子がアルキル基に置換されてなる芳香族ジアミンが挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の例示は、前記芳香族ヒドロキシカルボン酸で例示したものと同じである。
前記の好適な液晶高分子において、(b)又は(c)は、構造単位(III)と構造単位(IV)に脂肪族基を有する場合もあるが、かかる脂肪族基の液晶高分子に対する導入量は、該液晶高分子が液晶性を発現し得る範囲で選択され、さらには該液晶高分子の耐熱性を著しく損なわない範囲で選択される。本発明に適用する液晶高分子において、Ar1〜Ar6の総和を100モル%としたとき、2価の芳香族基の総和が60モル%以上であると好ましく、75モル%以上であるとさらに好ましく、90モル%以上であるとより好ましく、2価の芳香族基の総和が100モル%である全芳香族液晶高分子が特に好ましい。
好適な全芳香族液晶高分子の中でも、前記(a)の液晶ポリエステル又は前記(b)の液晶ポリエステルが好ましく、特に前記(b)の液晶ポリエステルが好ましい。前記(b)の液晶ポリエステルの中でも、下記の(I−1)及び/又は(I−2)の芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される構造単位と、下記の(III−1)、(III−2)及び(III−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される構造単位と、下記の(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)及び(IV−4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジオールから誘導される構造単位とからなる液晶ポリエステルは、成形性、耐熱性、高機械強度及び難燃性といった特性がいずれも高水準となる成形体が得られやすいといった利点がある。
Figure 2011208013
該液晶高分子の製造方法としては、前記(a)においては芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸を原料モノマーとし、前記(b)においては、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸と、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールとを原料モノマーとし、前記(c)においては、芳香族カルボン酸及び/又は芳香族アミノカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを原料モノマーとし、これらの原料モノマーを公知の重合方法で重合することにより液晶高分子は製造できる。より好適な液晶高分子である液晶高分子である前記(b)の液晶ポリエステルにおいては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオールとを原料モノマーとして用い重合することで液晶ポリエステルは得ることができる。
上述のように、液晶高分子を製造するには、前記に示した原料モノマーを直接重合してもよいが、より重合を容易にするためには、原料モノマーの一部をエステル形成性誘導体・アミド形成性誘導体(以下、まとめてエステル・アミド形成性誘導体ということがある)に転換してから重合することが好ましい。該エステル・アミド形成性誘導体とは、エステル生成反応又はアミド生成反応を促進するような基を有する化合物を意味し、具体的に例示すると、モノマー分子内のカルボキシル基を、ハロホルミル基、酸無水物、エステルに転換したエステル・アミド形成性誘導体、モノマー分子内のフェノール性水酸基、フェノール性アミノ基を、それぞれエステル基、アミド基にしたエステル・アミド形成性誘導体等が挙げられる。
原料モノマーの一部をエステル・アミド形成性誘導体に転換して重合を行い、前記(b)の液晶ポリエステルを製造する方法としては、例えば、特開2002−146003号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、まず、酸無水物、好ましくは無水酢酸を用いて、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジオールのフェノール性水酸基をアシル基に転換したアシル化物を製造する。次いで、このようにして得られたアシル化物のアシル基と、アシル化芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のカルボキシル基とがエステル交換を生じるようにして脱酢酸重縮合させることによって、液晶ポリエステルが生成する。このような脱酢酸重縮合は、反応温度150〜400℃、反応時間0.5〜8時間という条件での溶融重合で実施できる。該溶融重合では、比較的低分子量の液晶ポリエステル(以下、「プレポリマー」という)が得られる。液晶ポリエステル自身のさらなる特性向上のためには、該プレポリマーをさらに高分子量化させることが好ましく、この高分子量化には固相重合を行うことが好ましい。該固相重合とは、該プレポリマーを粉砕して粉末状にし、得られた粉末状プレポリマーを固相状態のまま加熱する重合方法である。このような固相重合を用いると、重合がより進行して、液晶ポリエステルの高分子量化を図ることができる。
本発明の液晶性樹脂組成物は、前記のような液晶性樹脂と、けい酸カルシウムの板状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含むものである。このように、液晶性樹脂に所定の凝集粒子を配合することにより、フィブリル化し難く、酢酸も発生し難い成形体を与える液晶性樹脂組成物を得ることができる。
前記板状結晶の平均粒径は、通常0.05μm〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmである。なお、ここでいう平均粒径は、顕微鏡法により測定される数平均粒径であり、典型的には、板状結晶をメタノールに分散させて、分散液を調製し、該分散液をスライドガラス上に展開し、メタノールを蒸発させた後、走査型電子顕微鏡を用いて、測定倍率2000倍で顕微鏡写真をとり、その写真から板状結晶100個程度の粒径を計測し、それらを数平均した値である。
前記板状結晶の例としては、トバモライト(化学式;Ca5Si616(OH)2・4H2O)の結晶、ウォラストナイト(化学式;CaO・SiO2)の結晶、ゾノトライト(化学式;CaO・SiO2・H2O)の結晶が挙げられる。
前記凝集粒子の形状は、球状ないし略球状であってもよいし、異形状であってもよく、また、その表面の一部に凹凸を有していてもよい。また、前記凝集粒子は、液晶性樹脂と溶融混練する際、混和性をより良好にする面で、その平均粒径が1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜40μmであることがさらに好ましい。板状結晶を凝集させて凝集粒子を製造した後、得られた凝集粒子がこのような平均粒径を満たさない場合には、適当な分級操作によって分級することで、所望の平均粒径に調節することもできる。なお、ここでいう平均粒径は、レーザー回折法に測定される体積平均粒径である。
前記凝集粒子の市販品の例としては、日本インシュレーション(株)製の「トバモライトパウダーTJ」(平均粒径17μm)や「トバモライトパウダーTK」(平均粒径24μm)が挙げられる。このような市販の凝集粒子は、これまで耐火材、断熱材、意匠材料といった建築材料用途で市販されているものである。このような市販の凝集粒子を用いることで、液晶性樹脂を用いた成形体のフィブリル化を抑制し、かつ成形体から発生する酢酸量を減少させ得ることは、本発明者らの検討によって初めて見出されたものである。
本発明の液晶性樹脂組成物における前記凝集粒子の含有量は、液晶性樹脂100重量部に対して、通常0.1〜150重量部、好ましくは0.5〜67重量部、より好ましくは1〜25重量部である。前記凝集粒子の含有量があまり少ないと、得られる成形体のフィブリル化を十分抑制できないことがある。また、発生する酢酸量の減少効果が小さくなる。一方、前記凝集粒子の含有量があまり多いと、液晶性樹脂組成物の成形加工性が悪化し易く、得られる成形体の機械的強度も低下して脆くなる傾向がある。
本発明の液晶性樹脂組成物は、種々の慣用の方法によって調製することができる。例えば、前記液晶性樹脂及び前記凝集粒子を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等を用いて混合することで本発明の液晶性樹脂組成物を得ることができる。また、押出機を用いて前記液晶性樹脂をあらかじめ加熱溶融させてから、前記凝集粒子を投入して溶融混練することにより、本発明の液晶性樹脂組成物をペレット状(組成物ペレット)にして得ることもできる。また、このような方法を組み合わせてもよい。すなわち、予め前記液晶性樹脂及び前記凝集粒子を、ヘンシェルミキサーやタンブラー等を用いて混合して混合物とした後、さらにこの混合物を、押出機を用いて溶融混練し、本発明の液晶性樹脂組成物をペレット状(組成物ペレット)にして得ることもできる。このようにして本発明の液晶性樹脂組成物を得ることができるが、該液晶性樹脂組成物の製造方法としては、押出機をも用いて組成物ペレットとして得ることが、後の成形に使用する際に取扱性に優れるので好ましい。なお、該押出機としては、2軸の混練押出機を用いることがより好ましい。
この組成物ペレットの製造としては、予め、使用する液晶性樹脂を全量、加熱溶融してから、これに使用する凝集粒子全量を溶融混練することもできるが、好ましくは、液晶性樹脂の一部と凝集粒子とを混合して混合物を得る工程と、該混合物に液晶性樹脂の残部を溶融混練する工程と、を有し、この溶融混練する工程により組成物ペレットを得る液晶性樹脂組成物の製造方法が特に好ましい。
本発明の液晶性樹脂組成物には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、他の諸特性、例えば機械強度等の向上を求めて、液晶性樹脂及び前記凝集粒子以外の成分が含まれていてもよい。そのような成分としては、繊維状フィラー、板状フィラー、球状フィラー、粉状フィラー、異形フィラー、ウイスカー等の充填剤や、着色成分、潤滑剤、各種界面活性剤、酸化防止剤や熱安定剤、その他各種安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が使用可能である。繊維状フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維が挙げられる。板状フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、グラファイトなどが挙げられる。球状フィラーとしては、ガラスビース、ガラスバルーンが挙げられる。粉状フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ硫酸バリウム、酸化チタン、カーボンブラック、導電カーボン、微粒シリカが挙げられる。異形フィラーとしては、例えば、ガラスフレーク、異形断面ガラス繊維が挙げられる。これらの成分は、1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。その使用量は、その種類や組合せにより適宜調整されるが、液晶性樹脂100重量部に対して、合計で通常250重量部以下、好ましくは150重量部以下、より好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは67重量部以下である。例えば機械強度向上のために、液晶性樹脂組成物に繊維状フィラーを含ませる場合、繊維状フィラーの含有量は、液晶性樹脂100重量部に対して、通常5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜50重量部である。
本発明の液晶性樹脂組成物は、従来公知の溶融成形、好ましくは、射出成形において、フィブリル化を極めて良好に防止するという顕著な効果を奏する。また、該溶融成形におけるその他の成形、すなわち、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、Tダイを用いたフィルム成形、インフレーション成形等のフィルム製膜、溶融紡糸にも適用することは可能である。
これらの溶融成形の中でも、様々な形状の成形体が製造可能であり、高生産性が容易である点で射出成形が好ましい。該射出成形において、本発明の液晶性樹脂組成物を上述の組成物ペレットとして得た場合、典型的には、まず、該組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)を求める。ここで、流動開始温度とは射出成形機の可塑化装置内で組成物ペレットが溶融する温度を表し、通常液晶性樹脂組成物自体の流動開始温度である。なお、流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメータを用いて、9.81MPa(100kgf/cm2)の荷重下、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体を昇温しながらノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度である。このような流動開始温度とは、液晶高分子の技術分野では、該液晶高分子の分子量を表す指標として周知のものである(小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。本発明においては、流動開始温度を測定する装置として、株式会社島津製作所製の流動特性評価装置「フローテスターCFT−500D」を用いる。
好適な射出成形としては、組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)に対して、[FT]℃以上[FT+100]℃以下の温度(樹脂溶融温度)で該組成物ペレットを溶融せしめて溶融物を得、該溶融物を、0℃以上の温度に設定された金型に射出する方法である。なお、該組成物ペレットは射出成形に供する前に十分乾燥させておくことが好ましい。該樹脂溶融温度が、FT(℃)よりも低いと、該組成物ペレットが十分溶融することができないため、溶融物の流動性が低くなるので、微細な形状の成形体を得ようとすることが困難になったり、金型面への転写性が低くなって成形体表面が荒れたりする傾向があり、好ましくない。一方、該樹脂溶融温度が、[FT+100]℃よりも高いと、成形機内にある組成物ペレット中の液晶性樹脂の分解が生じて、得られる成形体に膨れ状の外観異常を生じたり、液晶性樹脂の分解物がガス化して脱ガス等が発生しやすくなりなったりするので好ましくない。また、該樹脂溶融温度が、[FT+100]℃よりも高いと、射出成形後に金型を開いて成形体を取り出す際に、ノズルから溶融樹脂が流れ出るような弊害が生じやすいことから、成形体の生産性自体が低下するため、好ましくない。成形体の安定性と成形性(生産性)を考慮すると、該樹脂溶融温度は[FT+10]℃以上[FT+80]℃以下であることが好ましく、さらに[FT+15]以上[FT+60]℃以下であることがより好ましい。
また、金型温度は前記のとおり、通常0℃以上に設定されるが、該金型温度は、得られる成形体の外観、寸法、機械物性、及び、加工性や成形サイクルといった生産性を加味して決定される。この要件を勘案した場合、該金型温度は40℃以上が好適である。該金型温度が40℃を下回ると、連続成形する場合に該金型温度のコントロールが困難になり易く、その温度ばらつきが成形体に悪影響を及ぼすことがある。より好ましくは、該金型温度は70℃以上である。該金型温度が70℃を下回ると、得られる成形体の表面平滑性が損なわれることがある。表面平滑性を良好にする点からは、該金型温度は高いほど有利であるが、高すぎると冷却効果が低下して冷却工程に要する時間が長くなるために生産性が低下したり、離型性の低下により成形体が変形したりするなどの問題が生じるため好ましくない。さらにいえば、該金型温度を上げすぎると金型どうしの噛み合いが悪くなり、金型開閉時に破損する危険性も増加する傾向もある。該金型温度の上限も、前記組成物ペレットに含まれる液晶性樹脂の分解を防止するために、適用する組成物ペレットの種類に応じて適宜最適化することが好ましい。なお、使用する液晶性樹脂が、特に全芳香族ポリエステルである場合、金型温度は70℃以上220℃以下が好ましく、130℃以上200℃以下がより好ましい。
本発明者らの検討結果によれば、液晶性樹脂に前記凝集粒子を充填することにより、射出成形体の表面剥離の問題が大きく改善されることが判明した。これは、以下のような理由によると推測される。
上述のように、溶融した液晶性樹脂を射出成形したとき、かかる溶融液晶性樹脂は、金型表面でせん断を受けるために、大きく配向する(すなわち分子鎖の方向が揃った状態になる)。液晶性樹脂では、分子鎖自体の配向性が非常に強い。加えて、液晶性樹脂は、冷却固化速度が速い反面で緩和時間が長いといった特徴がある。このため、成形体における液晶配向性は、非常に強くなる。
液晶性樹脂の成形体では、通常、その表面に、スキン層と呼ばれる特有の層が形成され易い。このスキン層では、液晶性樹脂が、特に強く配向している。このため、従来の液晶性樹脂成形体では、弱く擦っただけでも表面剥離が発生して、繊維状のフィブリルが毛羽立つ場合がある。表面剥離は、例えばテープ剥離試験(すなわち成形体の表面にテープを張って剥がす操作)を繰り返すことにより、目視で観察できる。このような表面剥離は、従来、液晶性樹脂組成物を用いた射出成形体の欠点の一つであった。
これに対して、本発明の成形体では、このような表面剥離の発生が大きく抑制される。本発明によって耐剥離性が向上するのは、前記凝集粒子が成形体の表面に露出するために、いわゆるアンカー効果が生じて表面強度が増すからであると思われる。
また、本発明に使用する液晶性樹脂で、それが液晶性ポリエステルの場合は、製造方法に起因する酢酸が樹脂内に残存する。この液晶性ポリエステルを使用した成形体では、樹脂から残存している酢酸が発生する。
これに対して、本発明の成形体では、成形体からの酢酸の発生量を抑制することができる。これの理由としては、前記凝集粒子によって残存する酢酸が捕集されて、成形体内に内包されることによって、成形体から発生する酢酸が抑制できるものと推測される。
なお、本発明の液晶性樹脂組成物には、本発明の企図する目的を損なわない範囲で、液晶性樹脂以外の熱可塑性樹脂成分が1種又は2種以上含まれていてもよい。さらに、本発明の企図する目的を損なわない範囲で、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が1種又は2種以上含まれていてもよい。
<成形体の用途>
本発明の液晶性樹脂組成物は、電気・電子部品や光学部品を製造するための成形材料として好適である。かかる電気・電子部品や光学部品としては、例えば、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、プリント配線板、回路基板、半導体デバイスのパッケージ、コンピュータ関連部品、カメラの鏡筒、光学センサーの筐体、コンパクトカメラのモジュール筐体(例えばパッケージや鏡筒等)、プロジェクター光学エンジンの構成部材、半導体製造プロセスの関連部品(例えばICトレーやウエハーキャリヤー等)、家庭電気製品の部品(例えばVTR、テレビ、アイロン、エアーコンディショナー、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具等の部品)、照明器具の部品(例えばランプリフレクター、ランプホルダー等)、音響製品の部品(例えばコンパクトディスク、レーザーディスク(登録商標)、スピーカー部品等)、通信機器の部品(例えば光ケーブル用フェルール、電話機の部品、ファクシミリの部品、モデムの部品等)等を挙げることができる。
また、その他の用途、例えば、複写機・印刷機の関連部品(例えば分離爪、ヒータホルダー等)、機械部品(例えばインペラー、ファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等)、自動車の部品(例えば自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品等)、調理用器具(例えばマイクロ波調理用鍋、耐熱食器等)、建築資材又は土木建築用材料(例えば床材や壁材等の断熱・防音用材料、梁・柱等の支持材料、屋根材等)、航空機・宇宙機・宇宙機器用部品、原子炉等の放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品に用いることができる。
このように、様々な用途に本発明の樹脂成形体を使用することができる。本発明は、表面剥離に対する耐性が優れることから、成形体からのパーティクル(粉塵)の脱落が不良の原因となりやすいもの、例えば接点部品(スイッチやリレー等)や光学センサー部品、カメラ部品などに、特に好適である。
実施例1〜3、比較例1
[液晶性樹脂の製造]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)、無水酢酸1347.6g(13.2モル)及び1−メチルイミダゾール0.194gを仕込んだ。そして、室温で15分間攪拌して反応器内を十分に窒素ガスで置換し、さらに、攪拌しながら昇温した。そして、反応器内の温度が145℃となったところで、この温度を保持したまま1時間攪拌した。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点まで反応させた。これにより、プレポリマーが得られた。かかるプレポリマーの流動開始温度は、261℃であった。
次に、このプレポリマーを室温まで冷却し、さらに粗粉砕機で粉砕することにより、液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。そして、窒素雰囲気下で室温から250℃まで1時間かけて昇温し、さらに、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、その後、285℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。このようにして得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は、327℃であった。
[凝集粒子]
凝集粒子(1)として、(株)日本インシュレーション製の「トバモライトパウダーTJ」(充填密度(JIS K 1464)0.129g/cc、平均粒径(レーザー回折法)17μm、比表面積(BET法)55m2/g、吸油量(JIS K 5101)441ml/100g)を用いた。また、凝集粒子(2)として、(株)日本インシュレーション製の「トバモライトパウダーTK」(充填密度(JIS K 1464)0.136g/cc、平均粒径(レーザー回折法)24μm、比表面積(BET法)56m2/g、吸油量(JIS K 5101)624ml/100g)を用いた。
[液晶性樹脂組成物の製造]
液晶性樹脂100重量部に対して、表1に示す種類及び量の凝集粒子、表1に示す量のガラス繊維(セントラル硝子(株)製の「EFH75−01」(平均繊維長75μm))及びカーボンブラック(三菱化学(株)製の「カーボンブラックCB#45」)1.4重量部を配合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製の「PCM−30」)を用いて、シリンダー温度350℃で造粒し、液晶性樹脂組成物のペレットを得た。
[耐剥離性の評価]
液晶性樹脂組成物のペレットを、乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業(株)製の「PS40E−5ASE」)を用いて、外形寸法が64×64×1mmの板状成形品に成形した。この成形品の表面全長にわたってテープ(ニチバン(株)製の「セロテープ(登録商標)CT−18」)を貼った後でそれを素早く引き剥がすという作業を、30回繰り返した。その際、テープを貼る方向は、MD(成形時の流動方向)及びTD(MD方向に垂直な方向)の両方向とした。この作業の後で、成形品に表面剥離(すなわちフィブリル)が発生しているかどうかを目視で観察し、結果を表1に示した。
[酢酸発生量の評価]
液晶性樹脂組成物のペレットを、乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業(株)製の「PS40E−5ASE」)を用いて、0.8mmtの6号ダンベル状試験片に成形した。この試験片を5mm幅程度に裁断し、窒素置換を行いバイアル瓶に封入後、120℃12時間かけてエージングを行った。このバイアル瓶中のガスについて、ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製の「GC−15A」)を用いて、酢酸濃度をガスクロマトグラフィー(ヘッドスペース法)により測定し、結果を表1に示した。
Figure 2011208013

Claims (6)

  1. 液晶性樹脂と、けい酸カルシウムの板状結晶が凝集してなる凝集粒子とを含む液晶性樹脂組成物。
  2. 前記板状結晶が、トバモライトの結晶である請求項1に記載の液晶性樹脂組成物。
  3. 前記凝集粒子の含有量が、前記液晶性樹脂100重量部に対して、1〜25重量部である請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物。
  4. さらに繊維状フィラーを含む請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性樹脂組成物。
  5. 前記繊維状フィラーの含有量が、前記液晶性樹脂100重量部に対して、15〜50重量部である請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液晶性樹脂組成物を溶融成形してなる成形体。
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