JP2011207272A - 重荷重用空気入りバイアスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ加硫故障を増加させることなく、タイヤの耐カット性を向上させることができ、生産性が良く、生産コストが高くなることのない重荷重用空気入りバイアスタイヤを提供する。
【解決手段】バイアスカーカス層の上にスチール層を配置した重荷重用空気入りタイヤであり、スチール層のスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度が、85〜90度、かつ、スチールコードの間隔が、2mm以上であることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、カーカス外側のオーバーヘッド構造にスチールコードを用いた重荷重用空気入りバイアスタイヤに関し、さらに詳しくは、産廃処理現場等で用いられる建設車両用に用いられ、加硫時の高リフト(タイヤ径方向への大きな拡張)に追従でき、耐カット性及び耐セパレーション性を両立させ、その結果耐久性を向上させることができる重荷重用空気入りバイアスタイヤに関する。
従来、建設車両用空気入りバイアスタイヤ(以下、単に、バイアスタイヤ)では、カーカス外側にナイロン繊維をゴム被覆したオーバーヘッドが配置されているが、耐カット性(耐パンク性)が十分ではない。特に、バイアスタイヤでは、産廃処理現場等でのパンクを防止する技術が望まれている。このため、バイアスタイヤでは、耐カット性を向上させるためのスチールコードを用いたオーバーヘッド構造について、種々の提案がなされている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1では、建設車両用空気入りバイアスタイヤにおいて、カーカス外側に、少なくとも2層の、互いに交差するゴム被覆したスチールコードからなるスチールクロスベルト層(スチールブレーカ)を配置し、その外側に、スチールブレーカと交差する、少なくとも1層の、ゴム被覆した断面偏平なナイロンモノフィラメント層(ナイロンモノフィラメントブレーカ)を、その偏平断面コードの長径をタイヤ断面方向に揃えて、スチールブレーカ幅を越えて配設することにより、水分が浸透するような外傷を受けても耐セパレーション性が確保され、望ましいカーカス形状の設定を可能とし、軽量なブレーカ構造とすることができるとしている。
また、本出願人の出願に係る特許文献2では、重荷重用空気入りタイヤにおいて、トレッド部(クラウン部)におけるカーカス層の外周側、より詳細には、有機繊維コードからなるブレーカ層の外側に、複数のループ部が順次部分的に重なる偏平コイル状のスチールコードから構成されるトレッド保護層(スチールブレーカ)を埋設し、スチールコードのコイルが重なるラップ数を所定範囲に規定することにより、衝撃緩和性を高め、耐久性、特に耐カット性、耐カットスルー性及び耐セパレーション性を向上することができるとしている。
特開平7−156613号公報 特開2004−196095号公報
ところで、特許文献1では、耐カット性を向上する為に、カーカス外側にブレーカとして、スチールクロスベルト層を配置し、そのために低下する、外傷からの水分の浸透による耐セパレーション性を向上させるために、ブレーカの最外層にナイロンモノフィラメントブレーカを配置している。しかしながら、カーカス外側にスチールクロスベルト層を配置しているため、バイアスタイヤの高リフト(成形→加硫、200%程度)に追従させるのが困難であり、タイヤ加硫故障が発生し易いという問題があった。
また、特許文献2では、トレッド部にコイルワイヤを配置しているため、パンク頻度を大幅に改善できるが、コイルワイヤを用いるために、生産性が悪く、生産コストが高くなり、重荷重用バイアスタイヤのコストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消して、建設車両用に用いられる重荷重用空気入りバイアスタイヤで望まれている産廃処理現場等でのパンクを防止する技術を提供するもので、スチールコードの構造、角度、幅、コード間隔及び配置位置を特定したスチール層をオーバーヘッドに配置することにより、タイヤ加硫故障を増加させることなく、タイヤの耐カット性を向上させることができ、生産性が良く、生産コストが高くなることのない重荷重用空気入りバイアスタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の重荷重用空気入りバイアスタイヤは、バイアスカーカス層の上にスチール層を配置した重荷重用空気入りタイヤであって、前記スチール層のスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度が、85〜90度、かつ、前記スチールコードの間隔が、2mm以上であることを特徴とする。
ここで、前記スチールコードが、ラッピングワイヤ付スチールコードであることが好ましい。
また、タイヤ幅方向における前記スチール層の幅は、100mm以上、トレッド展開幅以下であることが好ましい。
また、前記スチール層の上に、ナイロンオーバーヘッド層を配置することが好ましい。
また、前記ナイロンオーバーヘッド層は、前記スチール層よりも、タイヤ幅方向に60mm以上幅広に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、スチールコードの構造、角度、幅、コード間隔及び配置位置を特定したスチール層をオーバーヘッドに配置することにより、加硫時の高リフト(タイヤ径方向への大きな拡張)に追従でき、耐カット性及び耐セパレーション性を両立させ、その結果耐久性を向上させることができる。
また、本発明によれば、タイヤ加硫故障を増加させることなく、タイヤの耐カット性を向上させることができるにかかわらず、生産性が良く、生産コストが高くなることがなく、低コストの重荷重用空気入りバイアスタイヤを提供することができる。
さらに、本発明によれば、産廃処理現場等でのパンクを防止することができる。特に、スチールコードとして、ラッピングワイヤ付スチールコードを用いる場合には、産廃処理現場等で、鉄筋等を踏んでも座屈折れすることのない重荷重用空気入りバイアスタイヤを提供することができる。
本発明に係る重荷重用空気入りバイアスタイヤの一実施形態の子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図である。 図1に示す重荷重用空気入りバイアスタイヤの要部を模式的に示す拡大図である。 本発明に係る重荷重用空気入りバイアスタイヤの他の実施形態の要部を模式的に示す拡大図である。
以下、本発明の重荷重用空気入りバイアスタイヤについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の重荷重用空気入りバイアスタイヤの一実施形態の子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図であり、図2は、図1に示す重荷重用空気入りバイアスタイヤの要部を模式的に示す拡大図である。
図1に示す重荷重用空気入りバイアスタイヤ(以下、単にバイアスタイヤという)10は、産廃処理現場等で建設車両用空気入りバイアスタイヤとして用いられるもので、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。なお、CLは、タイヤ子午線である。図1中で示されていない子午線CLより左側のタイヤ左半分についても、同様の構成を有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。さらに、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわちタイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。
タイヤ10は、バイアスカーカス層(以下、単にカーカス層という)20と、スチール層22及びナイロンオーバーヘッド層24からなるオーバーヘッド26と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッドゴム層32と、サイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、インナーライナゴム層38とを主に有する。上述のように、図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の構成を有するのはもちろんである。
左右一対のビード部18間には、複数層のカーカス層20が装架されている。これらのカーカス層20は、有機繊維からなる補強コードを一定間隔でタイヤ幅方向に対して傾斜するように配列し、コードコーティングゴムで被覆した構成であり、その補強コードが層間で互いに交差するように積層されている。各ビード部18には、それぞれ3組のビードコア28が埋設され、カーカス層20の両端部がこれらビードコア28の廻りにビードフィラー30を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカス層20の内側には、左右のビード部18間にわたってインナーライナゴム層38が設けられている。
なお、カーカス層20としては、重荷重用空気入りバイアスタイヤに用いられるものであれば、特に制限的ではなく、従来公知のカーカス層を用いることができる。すなわち、カーカス層20を構成する補強コードの材質やサイズや配列方向や配置間隔や打ち込み密度などは、特に制限的ではなく、どのようなものであっても良く、従来公知の補強コードの材質やサイズや配列方向や配置間隔や打ち込み密度などであっても良い。また、カーカス層20の層数も、特に制限的ではなく、何層であっても良いが、偶数層であるのが好ましく、例えば、タイヤサイズや構造等に応じて適宜選択すればよい。
また、図2に詳細に示すように、左右のショルダー部14間にわたるカーカス層20の外周側には、スチール層22が埋設されており、スチール層22の外周側には、スチール層22を覆うように、ナイロン繊維コードをゴム被覆したナイロンオーバーヘッド層24が埋設されている。
なお、本実施形態のタイヤ10は、スチール層22及びナイロンオーバーヘッド層24からなるオーバーヘッド(26)を有する。なお、本発明のスチール層22、ナイロンオーバーヘッド層24及びオーバーヘッド26は、それぞれ、スチールブレーカ、有機繊維ブレーカ及びブレーカに相当するものである。
タイヤ10は、この他にゴム材として、オーバーヘッド26の外周側には、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34及びリムクッションゴム層36、及び上述したタイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38を有する。
本発明のタイヤ10においては、オーバーヘッド26、特にスチール層22を除いて、従来公知の重荷重用空気入りバイアスタイヤの構成を適用することができる。
本実施形態のオーバーヘッド26の、本発明の特徴とするスチール層22について説明する。
本発明は、バイアスカーカス層20の外側に、オーバーヘッド26としてスチール層22を配置するもので、スチール層22を構成するスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度が、85〜90度、かつ、スチールコードの間隔が、2mm以上であることを特徴とするものである。
本発明のスチール層22は、複数層からなるカーカス層の外側にバイアスタイヤ10のブレーカとして機能し、耐カット性、すなわち耐パンク性を向上させるものであるが、スチール層22を構成するスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度を85〜90度の直交、もしくは略直交する角度とすることにより、成形後から加硫に至る工程におけるバイアスタイヤの200%程度の高リフトに追従させることを可能とし、タイヤ加硫故障を生じさせることを防止することができ、かつ、スチールコードの間隔を2mm以上とすることにより、耐セパレーション性を向上させて、耐カット性と耐セパレーション性とを両立させることができるものである。
すなわち、本発明のスチール層22は、引用文献1に開示のスチールクロスベルト構造のスチールブレーカにおいて問題となるバイアスタイヤの高リフトに追従させることができない点を改善することができ、タイヤ加硫故障を増加させることをなくすことができる。
したがって、本発明において、スチール層22を構成するスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度を85〜90度に限定する必要がある。なお、本発明では、スチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度は、スチールコードがタイヤ周方向と成す角のうち、小さい方の角度を言う。したがって、スチールコードの配置角度は、90度(直交)以下であり、90度超は存在しない。
本発明において、スチールコードの配置角度を85〜90度に限定する理由は、スチールコードの配置角度が、85度未満では、すなわち限定範囲を外れると、成形工程から加硫工程におけるバイアスタイヤの200%程度の高リフトに追従できず、例えばポーラスの発生といったタイヤ加硫故障を低減することができないからである。
また、本発明では、耐セパレーション性を向上させて確保するために、スチールコードの間隔を2mm以上とする必要があるが、その理由は、2mm未満では、耐セパレーション性が悪化し、耐カット性と耐セパレーション性とが両立できなくなるからである。
一方、スチールコードの間隔の上限は、特に制限的ではないが、耐パンク性を重視すると、50mmとするのが好ましい。すなわち、スチールコードの間隔は、2〜50mmであるのが好ましく、より好ましくは、2〜20mm、最も好ましくは、2〜10mmである。
なお、本発明において、スチール層22は、単層で構成されていても良いし、複数層で構成されていても良く、層数は特に制限されないが、1層〜4層が好ましい。複数層にすることにより、補強度は高くなるが、重量化するので、4層以下が良く、必要な補強度を得るために、スチールコードの打ち込み密度を高くできるのであれば、1層で構成するのが最も好ましい。
また、スチール層22は、そのタイヤ幅方向の中心を、タイヤ10の子午線にCLに合わせて配置するのが好ましい。また、スチール層22の幅、すなわちタイヤ幅方向の長さは、その中心をタイヤ10の子午線CLに合わせて配置して、100mm以上(図1に示す右半分では50以上)、トレッド部12のトレッド展開幅以下とするのが好ましい。その理由は、100mm未満では、顕著な補強効果を得ることが難しくなり、トレッド展開幅超では、その効果が飽和してしまうからである。
本発明のスチール層22に用いられるスチールコードは、複数本の素線を撚り合わせたコード構造を有するものであり、各素線の周囲は被覆ゴムによって被覆される。ここで、本発明に用いられるスチールコードのコード構造は、例えば、7x7、3x7などの複撚りコード構造であっても、3+9+15、3+8などの単撚りコード構造であっても良く、従来公知のコード構造を用いることができる。すなわち、スチールコードの撚りピッチや撚り角や、素線のサイズ(線径)等は、特に制限されない。
本発明に用いられるスチールコードは、このように、従来公知の撚り構造のスチールコードを用いることができるが、スチールコードに単線のワイヤでラッピングしたラッピングワイヤ付きスチールコードを用いるのが好ましい。
本発明において、ラッピングワイヤ付きスチールコードを用いるのは、仮に、バイアスタイヤ10が、産廃処理現場等で鉄筋を踏んでも座屈折れし難くできるからである。
ここで用いるラッピングワイヤ付きスチールコードとしては、例えば、7x7+1、3+8+1などを例示することができる。
ここで、ラッピングワイヤのラッピングピッチとしては、2.5〜8mmであるのが好ましく、ラッピングワイヤのサイズ(線径)は、0.15〜0.17mmであるのが好ましい。これらの範囲を好ましい範囲として限定するのは、ラッピングワイヤ付きスチールコードが座屈折れ防止効果を確保できるからである。
なお、本発明においては、図2に示すように、オーバーヘッド26として、カーカス層20の外周側にスチール層22を配置するのに加え、スチール層22の外周側に、ナイロン繊維コードからなるナイロンオーバーヘッド層24を配置するのが好ましい。その理由は、耐セパレーション性を維持、向上させ、耐カット性と耐セパレーション性との両立を図るためである。ここで、ナイロン繊維コードとしては、ナイロン繊維の細いフィラメントを複数本撚り合わせたマルチフィラメントコードを用いても良いし、引用文献1に開示のナイロンモノフィラメントコードを用いても良く、従来公知のナイロン繊維コードを用いることができる。
ナイロンオーバーヘッド層24としては、例えば、6ナイロン 940dtex/2、打込み密度 23本/50mm、タイヤ周方向に対する配置角度 35度、幅 500mmの1層のナイロン層を用いることができる。本発明では、ナイロンオーバーヘッド層24を構成するナイロン層としては、これに限定されるわけではなく、ナイロン層の材質としては、ナイロンであれば良く、特に限定されないし、また、ナイロン層は、複数層であっても良い。また、ナイロン層のナイロン繊維コードのコード太さは、総繊度で1000〜3000dtexであるのが好ましく、打込み密度は、15〜50本/50mmであるのが好ましく、タイヤ周方向に対する配置角度は、25〜50度であるのが好ましい。
本発明において、オーバーヘッド26をスチール層22とナイロンオーバーヘッド層24で構成する場合には、ナイロンオーバーヘッド層24は、スチール層22よりも、タイヤ幅方向に60mm以上幅広に配置されているのが好ましい。なお、ナイロンオーバーヘッド層24も、そのタイヤ幅方向の中心を、タイヤ10の子午線CLに合わせて配置するのが好ましいので、図1に示す右半分、又は図示しない左半分では、スチール層22よりもタイヤ幅方向に30mm以上幅広に配置されているのが良い。
その理由は、ナイロンオーバーヘッド層24でスチール層22を覆うことにより、スチール層を保護し、さらに、耐セパレーション性を向上させ、耐カット性と耐セパレーション性とのさらなる両立を図るためである。
なお、図1及び図2に示す例においては、オーバーヘッド26として、カーカス層20の外周側に、スチール層22及びナイロンオーバーヘッド層24を配置しているが、本発明はこれに限定されず、図3に示すように、カーカス層20の外周側に、スチール層22のみを配置してもよい。
〔実施例〕
タイヤサイズ23.5−25 16の建設車両用空気入りバイアスタイヤで、本発明の重荷重用空気入りバイアスタイヤの効果を調べた。
表1に示すように、バイアスタイヤ中のオーバーヘッド構造及びスチール層のスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度及びスチールコードの間隔等の構成を変えて、従来例1、実施例1〜6、並びに比較例1及び2の評価タイヤを作製し、各評価タイヤの耐加硫故障性及び耐パンク性を測定した。その結果を表1に示す。
表1中、従来例1のタイヤは、オーバーヘッド26として、カーカス層20の外周側にナイロンオーバーヘッド層24のみが配置されているもので、スチール層22が配置されておらず、本発明の要件を満たさないものであった。この従来例1のタイヤの耐加硫故障性及び耐パンク性をそれぞれ100として、実施例1〜6、並びに比較例1及び2の評価タイヤの耐加硫故障性及び耐パンク性を評価した。
なお、表1のオーバーヘッド構造のナイロンオーバーヘッド層は、 6ナイロン 940dtex/2、打込み密度 23本/50mm、タイヤ周方向に対する配置角度 35度、幅 500mmの1層のナイロン層からなるものであった。
ここで、耐加硫故障性は、以下のようにして評価した。
各例の評価タイヤをそれぞれ真空チャンバー(5kPa)に入れ、クラウン部全周をレントゲン撮影し、下記の3段階評価を行った。各例の評価タイヤ10本の測定をして点数を合計し、従来例1を100とした指数で表した。したがって、耐加硫故障性は、指数が大きい程、良好であることを示す。
1点:5mm以上の空隙がある。
2点:1〜5mm未満の空隙がある。
3点:空隙が1mm未満である。
次に、耐パンク性は、以下のようにして評価した。
各例の評価タイヤをそれぞれホイールローダーに装着し、産業廃棄物処理現場にて走行して、パンク迄の走行距離を記録した。各例の評価タイヤ10本の走行距離を合計し、従来例1を100とした指数で表した。したがって、耐パンク性は、指数が大きい程、良好であることを示す。
Figure 2011207272
表1から明らかなように、実施例1の評価タイヤは、オーバーヘッド構造がナイロン層(ナイロンオーバーヘッド層)とスチール層の2層構造であり、スチール層のスチールコードが、3+9+15×0.17+0.15でコード構造が示されるラッピングワイヤ付きスチールコードであり、スチールコードの配置角度、スチールコードの間隔、及びスチール層の幅が、それぞれ、90度(直交)、5mm及び420mmであり、ナイロン層は、スチール層より80mm幅広であり、本発明の限定範囲を満足するものであるので、実施例1の耐加硫故障性は、従来例の評価タイヤと同様に100であるのに対し、従来例の耐パンク性100に対して、実施例1の耐パンク性が130であり、タイヤの耐加硫故障性が悪化することなく、耐パンク性が大きく向上していることが分かる。
また、実施例2の評価タイヤは、オーバーヘッド構造がスチール層の2層構造であり、スチール層のスチールコードが、3+8×0.22+0.15で示されるラッピングワイヤ付きスチールコードであり、スチールコードの配置角度、スチールコードの間隔、及びスチール層の幅が、それぞれ、上下層共88度、上下層共9mm及び上層300mm、下層420mmであり、本発明の限定範囲を満足するものであるので、実施例2の耐加硫故障性は、従来例の評価タイヤと同様に100であるのに対し、従来例の耐パンク性100に対して、実施例2の耐パンク性は、125であり、実施例1と同様に、タイヤの耐加硫故障性が悪化することなく、耐パンク性が大きく向上していることが分かる。
また、実施例3の評価タイヤは、スチールコードが、3+8×0.22+0.15で示されるラッピングワイヤ付きスチールコードであり、スチール層の幅が480mmである点を除いて、実施例4の評価タイヤは、オーバーヘッド構造がスチール層の1層構造であり、スチールコードが、3+8×0.22+0.15で示されるラッピングワイヤ付きスチールコードである点を除いて、実施例1の評価タイヤと同一であり、実施例1と同様に、本発明の限定範囲を満足するものであり、タイヤの耐加硫故障性が悪化することなく、タイヤの耐久性が向上していることが分かるが、わずかにセパレーションがみられ、実施例3及び4の耐パンク性は、それぞれ120及び110であり、実施例1に比べると低下していることが分かる。
また、実施例5の評価タイヤは、スチールコードが、3+9+15×0.17で示される、ラッピングワイヤが巻かれていないスチールコードであり、スチールコードの間隔が6mmである点を除いて、実施例6の評価タイヤは、スチールコードの間隔が20mmである点を除いて、実施例1の評価タイヤと同一であり、実施例1と同様に、本発明の限定範囲を満足するものであり、タイヤの耐加硫故障性が悪化することなく、タイヤの耐久性が向上していることが分かるが、実施例5では、わずかにコード折れがみられ、実施例3及び4の耐パンク性は、それぞれ105及び110であり、実施例1に比べると低下していることが分かる。
これに対し、比較例1の評価タイヤでは、スチールコードのコード構造及びスチールコードの配置角度を除いて、実施例1と同じであるが、スチールコードの配置角度が80度であり、本発明の限定範囲を外れているために、耐パンク性は良いものの、成形から加硫に至る工程における高リフトに追従できず、耐加硫故障性が85となって従来例1より悪化する。比較例2の評価タイヤでは、スチールコードの間隔を除いて、実施例1と同じであるが、スチールコードの間隔が1mmであり、本発明の限定範囲の下限値より小さいために、耐加硫故障性は悪化していないが、耐セパレーション性が悪化し、耐パンク性が95となって従来例1より悪化する。
以上から、本発明の実施例には、比較例に比べて、タイヤの耐加硫故障性を悪化させることなく、耐パンク性を向上させる効果があり、本発明の効果は、明らかである。
以上、本発明の空気入りラジアルタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 重荷重用空気入りバイアスタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 スチール層
24 ナイロンオーバーヘッド層
26 オーバーヘッド
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層

Claims (5)

  1. バイアスカーカス層の上にスチール層を配置した重荷重用空気入りタイヤであって、
    前記スチール層のスチールコードのタイヤ周方向に対する配置角度が、85〜90度、かつ、前記スチールコードの間隔が、2mm以上であることを特徴とする重荷重用空気入りバイアスタイヤ。
  2. 前記スチールコードが、ラッピングワイヤ付スチールコードである請求項1に記載の重荷重用空気入りバイアスタイヤ。
  3. タイヤ幅方向における前記スチール層の幅は、100mm以上、トレッド展開幅以下である請求項1または2に記載の重荷重用空気入りバイアスタイヤ。
  4. 前記スチール層の上に、ナイロンオーバーヘッド層を配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りバイアスタイヤ。
  5. 前記ナイロンオーバーヘッド層は、前記スチール層よりも、タイヤ幅方向に60mm以上幅広に配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りバイアスタイヤ。
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