JP2019137931A - スチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

スチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】 ゴム浸透性を改善すると共に、耐久性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤを提供する。【解決手段】 空気入りラジアルタイヤにおいて、補強コードとして、N本(N=1〜3)のフィラメント11からなるコア12と、該コア12の周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメント13からなる中間層14と、該中間層14の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメント15からなる最外層16とを有する3層構造のスチールコード10が用いられており、最外層16のフィラメント15のうちの2〜(L−2)本のフィラメント15Aが癖付けされており、その癖付けされたフィラメント15Aの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコード及び該スチールコードを補強層の補強コードとして用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、ゴム浸透性を改善すると共に、耐久性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤに関する。
建設車両用の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層の補強コードとして、複層撚り構造を有するスチールコードが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。より具体的には、例えば、3本のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされた9本のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされた15本のフィラメントからなる最外層とを有する3+9+15構造のスチールコードが挙げられる。
このような複層撚り構造を有するスチールコードは一般的にはタイトコードであるが、ゴム浸透性を改善するために、スチールコードを構成するフィラメントに癖付けが施される場合がある。しかしながら、フィラメントに癖付けを施すと、スチールコードの伸び特性が変化し、初期伸び(低荷重域の伸び率)が過大となる傾向がある。そして、スチールコードの初期伸びが過大であると、それに起因して空気入りラジアルタイヤの耐久性が低下することが懸念される。
特開2008−290502号公報 特開2007−15627号公報 特開2005−336664号公報
本発明の目的は、ゴム浸透性を改善すると共に、耐久性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のスチールコードは、N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコードにおいて、前記最外層のフィラメントのうちの2〜(L−2)本のフィラメントが癖付けされており、その癖付けされたフィラメントの全てが前記中間層の周囲で連続して並ぶように配置されていることを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコードが用いられており、前記最外層のフィラメントのうちの2〜(L−2)本のフィラメントが癖付けされており、その癖付けされたフィラメントの全てが前記中間層の周囲で連続して並ぶように配置されていることを特徴とするものである。
本発明者は、3層構造を有するスチールコードについて鋭意研究したところ、最外層のフィラメントに癖付けを施してゴム浸透性を改善するにあたって、最外層のフィラメントの癖付け本数及びその配置を規定することにより、スチールコードの初期伸びを抑制し、耐久性を効果的に改善可能になることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、空気入りラジアルタイヤの補強層の補強コードとして、N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコードを用いるにあたって、最外層のフィラメントのうちの2〜(L−2)本のフィラメントに癖付けを施すことにより、スチールコードの内部へのゴム浸透性を改善することができ、しかも、その癖付けされたフィラメントの全てを中間層の周囲で連続して並ぶように配置することにより、スチールコードの初期伸びを抑制することができ、空気入りラジアルタイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
本発明において、コアのフィラメントの素線径Dcと中間層のフィラメントの素線径Dmと最外層のフィラメントの素線径Dsが0.8≦Dm/Dc<1.0かつDm=Dsの関係を満たすことが好ましい。このようにコアのフィラメントを中間層のフィラメントよりも太くすることにより、スチールコードの内部へのゴム浸透性を改善することができる。また、コアのフィラメントを中間層のフィラメントよりも太くした場合、スチールコードが座屈し難くなるため、耐久性の観点からも好ましい。
本発明において、上記スチールコードが使用される空気入りラジアルタイヤの補強層は特に限定されるものではなく、例えば、カーカス層、ベルト層、サイド補強層を挙げることができる。しかしながら、上記スチールコードの特性を考慮すると、該スチールコードが使用される補強層はベルト層であることが好ましい。この場合、ベルト層に含まれるスチールコードのゴム浸透性を改善し、空気入りラジアルタイヤの耐久性を効果的に改善することができる。また、上記スチールコードはタイヤ以外のゴム製品を補強するための補強コードとしても利用可能である。
また、本発明は建設車両用の空気入りラジアルタイヤに適用することが好適であるが、上述のようなスチールコードが補強層の補強コードとして使用される限りにおいて、上記以外の用途の空気入りラジアルタイヤにも適用可能である。
本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明で使用される3層構造を有するスチールコードの一例を示す断面図である。 本発明で使用される3層構造を有するスチールコードの他の例を示す断面図である。 本発明の要件を満たさない3層構造を有するスチールコードの一例を示す断面図である。 図2及び図4のスチールコードの伸び特性を示すグラフである。 図2及び図3のスチールコードにおいて癖付けされた最外層のフィラメントを抽出して示す側面図である。 図2及び図3のスチールコードにおいて癖付けされていない最外層、中間層及びコアのフィラメントを抽出して示す側面図である。 (a)〜(g)は試験に使用された各種スチールコードを示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6a,6b,6c,6dが埋設されている。これらベルト層6a〜6dはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層6a〜6dにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば15°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜25本/50mmの範囲に設定されている。
また、ベルト層6a〜6dの外周側には複数層のベルト保護層7a,7bが埋設されている。ベルト層6a〜6dがトレッド部1の補強を担持しているのに対して、ベルト保護層7a,7bはベルト層6a〜6dを保護する目的で配設されている。これらベルト保護層7a,7bはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト保護層7a,7bにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば20°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜30本/50mmの範囲に設定されている。ベルト保護層7a,7bの補強コードとしては、例えば、破断伸びが4%以上であるスチールコードが使用されている。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層6a〜6dの補強コードとして、後述する3層構造を有するスチールコードが使用されている。
図2は本発明で使用される3層構造を有するスチールコードの一例を示すものである。図2に示すように、スチールコード10は、N本(N=1〜3)のフィラメント11からなるコア12と、該コア12の周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメント13からなる中間層14と、該中間層14の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメント15からなる最外層16とを含む3層構造を有している。本実施形態において、スチールコード10は3本のフィラメント11からなるコア12と9本のフィラメント13からなる中間層14と15本のフィラメント15からなる最外層16とから構成されている。つまり、3+9+15構造である。その他の例として、例えば、図3に示すように、1+6+12構造を挙げることができる。なお、コア12が複数本のフィラメント11を有する場合、それらフィラメント11は互いに撚り合わされていることが望ましい。
上述したスチールコード10において、最外層16を構成するL本のフィラメント15のうち、2〜(L−2)本のフィラメント15A(斜線あり)には癖付けが施されており、残りのシースフィラメント15B(斜線なし)には癖付けが施されていない。図2及び図3においては、それぞれ5本のフィラメント15Aに癖付けが施されている。そして、癖付けされたフィラメント15Aの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置される一方で、癖付けされていないフィラメント15Bの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置されている。つまり、図2及び図3に示すように、最外層16を構成するL本のフィラメント15は中間層14を取り囲むように配置されているが、癖付けされたフィラメント15Aの全てが互いに隣接するように配置され、癖付けされていないフィラメント15Bの全てが互いに隣接するように配置されている。なお、最外層16のフィラメント15Bと同様に、コア12のフィラメント11及び中間層14のフィラメント13には癖付けが施されていない。
上述した空気入りラジアルタイヤでは、ベルト層7の補強コードとして、N本(N=1〜3)のフィラメント11からなるコア12と、該コア12の周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメント13からなる中間層14と、該中間層14の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメント15からなる最外層16とを有する3層構造のスチールコード10を用いるにあたって、2〜(L−2)本のフィラメント15Aに癖付けを施すことにより、スチールコード10の内部へのゴム浸透性を改善することができる。しかも、その癖付けされたフィラメント15Aの全てを中間層14の周囲で連続して並ぶように配置することにより、癖付けの位相が揃った状態でフィラメント15Aが所定の位置に配置されるため、スチールコード10の初期伸びを抑制することができ、空気入りラジアルタイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
ここで、本発明に含まれるスチールコード10(図2)の物性と本発明に含まれないスチールコード10′(図4)の物性との差異について説明する。図4に示すスチールコード10′において、フィラメント15Aに癖付けが施されており、フィラメント15Bには癖付けが施されていないという点では図2の例と同じであるが、図2の例とは異なって癖付けされたフィラメント15Aの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置されていない。そして、図2に示すスチールコード10と図4に示すスチールコード10′について、引張荷重(N)を変化させながら伸び率(%)を測定した場合、図5のような結果が得られた。図5に示すように、癖付けされたフィラメント15Aの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置されていない図4のスチールコード10′は、癖付けされたフィラメント15Aの全てが中間層14の周囲で連続して並ぶように配置されている図2のスチールコード10に比べて初期伸びが大きくなっている。このような初期伸びの増大は癖付けされたフィラメント15Aの配置に起因している。
上述したスチールコード10において、コア12を構成するフィラメント11の本数をN本(N=1〜3)とし、中間層14を構成するフィラメント13の本数をM本(M=6〜9)とし、最外層16を構成するフィラメント15の本数をL本(L=12〜15)としているが、これはゴム浸透性と形状安定性を確保するためである。コア12のフィラメント11、中間層14のフィラメント13及び最外層16のフィラメント15の本数が多過ぎるとゴム浸透性が低下し、中間層14のフィラメント13及び最外層16のフィラメント15の本数が少な過ぎると安定した撚り構造を得ることが困難になる。また、2〜(L−2)本のフィラメント15Aに対して癖付けが施されているが、これはゴム浸透性を確保しつつ初期伸びを抑制するためである。癖付けされたフィラメント15Aの本数が少な過ぎるとゴム浸透性が低下し、逆に多過ぎると初期伸びが過大になる。特に、最外層16のフィラメント15のうちの4〜(L−4)本のフィラメント15Aが癖付けされることが好ましい。
図6に示すように、スチールコード10の最外層16を構成するフィラメント15Aはその長手方向に沿って蛇行するように癖付けされている。癖付けの形態は、波状でも良く、或いは、螺旋状でも良い。フィラメント15Aの波高Hは、フィラメント15Aの素線径Dsに対して、1.3≦H/Ds≦2.0の範囲にあると良い。この比H/Dsが小さ過ぎるとゴム浸透性の改善効果が低下し、逆に大き過ぎると初期伸びの抑制効果が低下することになる。また、フィラメント15Aの癖付けピッチWは、フィラメント15Aの波高Hに対して、10≦W/H≦30の範囲にあると良い。この比W/Hが小さ過ぎると初期伸びの抑制効果が低下し、逆に大き過ぎるとゴム浸透性の改善効果が低下することになる。
スチールコード10において、コア12、中間層14及び最外層16の撚り方向及び撚りピッチは特に限定されるものではないが、例えば、図7では、コア12のフィラメント11はピッチPcにより一方向(例えば、S撚り)に撚り合わされ、中間層14のフィラメント13はピッチPmにより一方向(例えば、S撚り)に撚り合わされ、最外層16のフィラメント15はピッチPsにより一方向(例えば、S撚り)に撚り合わされている。また、ピッチPcとピッチPmとピッチPsは同一値に設定されている。このようにコア12、中間層14及び最外層16は同一方向かつ同一ピッチで撚り合わされていることが好ましい。これにより、コア12のフィラメント11と中間層14のフィラメント13と最外層16のフィラメント15を一括して撚り合わせることが可能になるので、スチールコード10の生産性を高めることができる。しかも、そのような撚り構造を採用した場合であっても十分なゴム浸透性を確保することができる。
スチールコード10において、コア12を構成するフィラメント11の素線径Dcと中間層14を構成するフィラメント13の素線径Dmと最外層16を構成するフィラメント15の素線径Dsは0.8≦Dm/Dc<1.0かつDm=Dsの関係を満たしていると良い。このようにコア12のフィラメント11を中間層14のフィラメント13及び最外層16のフィラメント15よりも太くすることにより、スチールコード10の内部へのゴム浸透性を改善することができる。また、コア12のフィラメント11をフィラメント13,15よりも太くした場合、スチールコード10が座屈し難くなるため、耐久性の観点からも好ましい。但し、比Dm/Dcが小さ過ぎるとコア12のフィラメント11とフィラメント13,15との強力のバランスが悪くなって断線等の不都合を生じ易くなる。
スチールコード10において、コア12を構成するフィラメント11の素線径Dc、中間層14を構成するフィラメント13の素線径Dm及び最外層16を構成するフィラメント15の素線径Dsは0.15mm〜0.40mmの範囲に設定することが好ましい。このように素線径Dc,Dm,Dsを適正化することにより、コード強力を十分に確保しながら、良好な耐疲労性を確保することができる。素線径Dc,Dm,Dsが0.15mmよりも小さいとコード強力が不十分になり、逆に0.40mmよりも大きいと耐疲労性が低下することになる。
上述した実施形態では、3層構造を有するスチールコード10をベルト層6に使用した場合について説明したが、本発明では、上記のようなスチールコード10を他の補強層に適用することが可能である。
タイヤサイズ1800R33の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層の補強コードだけを異ならせた従来例、比較例1〜4及び実施例1〜5のタイヤを製作した。
即ち、従来例、比較例1〜4及び実施例1〜5において、ベルト層の補強コードとして、3本のコアフィラメントと9本の中間層フィラメントと15本の最外層フィラメントとを有する3+9+15構造のスチールコード又は1本のコアフィラメントと6本の中間層フィラメントと12本の最外層フィラメントとを有する1+6+12構造のスチールコードを使用し、コード打ち込み密度、コアフィラメントの素線径Dc、中間層フィラメントの素線径Dm、最外層フィラメントの素線径Ds、比Dm/Dc、癖付けされた最外層フィラメントの本数、癖付けされた最外層フィラメントの配置を表1のように設定した。なお、癖付けされた最外層フィラメントの配置は図8(a)〜(g)の通りである。図8(a)〜(g)において、癖付けされた最外層フィラメントには斜線を付与した。従来例、比較例1〜4及び実施例1〜5においては、5層のベルト層(全てのベルト層)に対して同一構造を有するスチールコードを適用した。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、ゴム浸透率及びタイヤ耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ゴム浸透率:
各試験タイヤからベルト層(タイヤ内側から数えて3番目のベルト層)のスチールコードを取り出し、カッターナイフでスチールコードの外側に付着したゴムを除去した後、最外層から1本のフィラメントを除去し、その内部のゴム浸透率を目視にて測定した。更に、最外層のフィラメントを全て除去し、中間層の外側に付着したゴムを除去した後、中間層から1本のフィラメントを除去し、その内部のゴム浸透率を目視にて測定した。更に、中間層のフィラメントを全て除去し、コアの外側に付着したゴムを除去した後、コアから1本のフィラメントを除去し、その内部のゴム浸透率を目視にて測定した。そして、これら測定値に基づいてコード全体としてのゴム浸透率を求めた。このような測定をタイヤ周上の8ケ所に配置されたスチールコードについて行い、これら8本のスチールコードのゴム浸透率の平均値を求め、これをゴム浸透率とした。
タイヤ耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ33×13.00−2.5の試験リムに装着し、空気圧700kPa、速度10km/h、初期荷重183kNの条件にて、高さ200mmのクリート付きのドラムを備えた室内ドラム試験機により走行試験を実施し、10時間毎に荷重を52kNずつ増加させ、タイヤが故障するまでの走行時間を計測した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。なお、タイヤの破壊形態はいずれもベルトエッジセパレーションであった。
Figure 2019137931
表1から明らかなように、実施例1〜5では、従来例との対比において、スチールコードのゴム浸透率が高く、タイヤ耐久性が優れていた。特に、実施例3〜5から判るように、コアフィラメントの素線径Dcを中間層フィラメントの素線径Dm及び最外層フィラメントの素線径Dsよりも適度に太くした場合、タイヤ耐久性の改善効果が顕著に現れていた。これに対して、比較例1,2では、癖付けされた最外層フィラメントの全てが中間層の周囲で連続して並ぶように配置されていないため、初期伸びの増大に起因してタイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。また、比較例3では、癖付けされた最外層フィラメントの本数が少な過ぎるため、ゴム浸透性が不十分であり、タイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。一方、比較例4では、癖付けされた最外層フィラメントの本数が多過ぎるため、初期伸びの増大に起因してタイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6a,6b,6c,6d ベルト層
7a,7b ベルト保護層
10 スチールコード
11 フィラメント(コア)
12 コア
13 フィラメント(中間層)
14 中間層
15 フィラメント(最外層)
15A 癖付けされたフィラメント
15B 癖付けされていないフィラメント
16 最外層

Claims (5)

  1. N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコードにおいて、前記最外層のフィラメントのうちの2〜(L−2)本のフィラメントが癖付けされており、その癖付けされたフィラメントの全てが前記中間層の周囲で連続して並ぶように配置されていることを特徴とするスチールコード。
  2. 前記コアのフィラメントの素線径Dcと前記中間層のフィラメントの素線径Dmと前記最外層のフィラメントの素線径Dsが0.8≦Dm/Dc<1.0かつDm=Dsの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のスチールコード。
  3. 複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、N本(N=1〜3)のフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に撚り合わされたM本(M=6〜9)のフィラメントからなる中間層と、該中間層の周囲に撚り合わされたL本(L=12〜15)のフィラメントからなる最外層とを有する3層構造のスチールコードが用いられており、前記最外層のフィラメントのうちの2〜(L−2)本のフィラメントが癖付けされており、その癖付けされたフィラメントの全てが前記中間層の周囲で連続して並ぶように配置されていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記コアのフィラメントの素線径Dcと前記中間層のフィラメントの素線径Dmと前記最外層のフィラメントの素線径Dsが0.8≦Dm/Dc<1.0かつDm=Dsの関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記補強層がベルト層であることを特徴とする請求項3又は4に記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP2018020091A 2018-02-07 2018-02-07 スチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ Pending JP2019137931A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102274567B1 (ko) * 2020-10-16 2021-07-07 홍덕산업(주) 고무 침투성이 우수한 타이어 보강용 스틸코드

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KR102274567B1 (ko) * 2020-10-16 2021-07-07 홍덕산업(주) 고무 침투성이 우수한 타이어 보강용 스틸코드

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