JP6206168B2 - スチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

スチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、1本のコアストランドとその周囲に撚り合わされた複数本のシースストランドとを有するスチールコード及び該スチールコードを補強層の補強コードとして用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、耐疲労性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤに関する。
建設車両用の空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の補強コードとして、複撚り構造のスチールコードが広く使用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。このような複撚り構造のスチールコードとして、例えば、1本のコアフィラメントと6本のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントと6本のシースフィラメントとから構成されていてコアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドと、そのシースストランドの周囲に巻き付けられたラッピングワイヤとを有する7×7+1構造のスチールコードが挙げられる。
しかしながら、上述のような複撚り構造を有するスチールコードにおいては1本のコアストランドがコード中心に位置するため、スチールコードが圧縮応力を受けた際にコアストランドが屈曲し易く、コアストランドに疲労破断を生じ易いという欠点がある。そのため、1本のコアストランドを備えたスチールコードをカーカス層に適用した場合、空気入りラジアルタイヤの耐久性が必ずしも十分ではない。
特開平11−21775号公報 特開2008−150757号公報
本発明の目的は、耐疲労性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のスチールコードは、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成されていて前記コアストランドの周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランドとを有するスチールコードであって、前記コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tc(MPa)がその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たし、前記シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Ts(MPa)がその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たすことを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成されていて前記コアストランドの周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランドとを有するスチールコードを用い、前記コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tc(MPa)がその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たし、前記シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Ts(MPa)がその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明者は、スチールコードの疲労破断について鋭意研究したところ、コアストランドを構成するフィラメントの引張強度を高くすることにより、耐疲労性の改善が可能であることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、空気入りタイヤの補強層の補強コードとして、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成されていてコアストランドの周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランドとを有するスチールコードを用いるにあたって、コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tcを高くすることにより、コアストランドを構成する各フィラメントの疲労破断を抑制することができる。その一方で、シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tsを低くすることにより、コード靱性の低下による断線を防止することができる。これにより、スチールコードの耐疲労性を向上し、それを用いた空気入りラジアルタイヤの耐久性を向上することができる。また、シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tsを低くした場合、スチールコードの撚り合わせを容易にし、その生産性を良好に維持することができるという利点もある。
本発明において、コアストランドを構成するコアフィラメントの引張強度Tcc(MPa)がその素線径dcc(mm)に対して4500−2000dcc≦Tcc≦4500の関係を満たすことが好ましい。コアストランドを構成するコアフィラメントは、スチールコードが圧縮応力を受けた際に特に屈曲し易く疲労破断を生じ易いので、その引張強度Tccを高くすることにより、スチールコードの耐疲労性を効果的に向上することができる。
また、コアストランドを構成するコアフィラメントの素線径dccとコアストランドを構成するシースフィラメントの素線径dcsとシースストランドを構成する各フィラメントの素線径dsとがds≦dcs<dcc<0.24mmの関係を満たすことが好ましい。これにより、良好な耐疲労性を維持しながら、スチールコード内部へのゴム浸透性を改善することができる。
本発明において、上記スチールコードが使用される空気入りラジアルタイヤの補強層は特に限定されるものではなく、例えば、カーカス層、ベルト層、サイド補強層を挙げることができる。しかしながら、上記スチールコードの特性を考慮すると、該スチールコードが使用される補強層はカーカス層であることが好ましい。また、上記スチールコードはタイヤ以外のゴム製品を補強するための補強コードとしても利用可能である。
本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードの一例を示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6a,6b,6c,6dが埋設されている。これらベルト層6a〜6dはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層6a〜6dにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば15°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜25本/50mmの範囲に設定されている。ベルト層6a〜6dの補強コードとしては、スチールコードが使用されている。
更に、ベルト層6a〜6dの外周側には複数層のベルト保護層7a,7bが埋設されている。ベルト層6a〜6dがトレッド部1の補強を担持しているのに対して、ベルト保護層7a,7bはベルト層6a〜6dを保護する目的で配設されている。これらベルト保護層7a,7bはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト保護層7a,7bにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば20°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は例えば10本/50mm〜30本/50mmの範囲に設定されている。そして、ベルト保護層7a,7bの補強コードとしては、ベルト層6a〜6dに対する保護機能を十分に発揮するように、例えば、4%以上の破断伸びを有するスチールコードが使用されている。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4の補強コードとして、以下のような複撚り構造を有するスチールコードが使用されている。
図2は本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードの一例を示すものである。図2に示すように、スチールコード10は、1本のコアフィラメント11cとn本(n=5〜6)のシースフィラメント11sとから構成された1本のコアストランド11と、1本のコアフィラメン12cとn本(n=5〜6)のシースフィラメント12sとから構成されていてコアストランド11の周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランド12と、シースストランド12の周囲に螺旋状に巻き付けられた1本のラッピングワイヤ13とを有している。本実施形態において、スチールコード10は1本のコアストランド11と6本のシースストランド12とを有し、これらストランド11,12の各々が1本のコアフィラメント11c,12cと6本のシースフィラメント11s,12sとから構成されている。つまり、7×7+1構造である。その他の例として、例えば、6×6+1構造を挙げることができる。なお、ラッピングワイヤ13は複撚り構造を有するスチールコード10の結束性を高める上で有効であるが、このようなラッピングワイヤ13を排除することも可能である。
上記スチールコード10において、コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの素線径はdccであり、コアストランド11を構成するシースフィラメント11sの素線径はdcsであるが、これらフィラメント11c,11s素線径を総称してdcとする。同様に、シースストランド12を構成するコアフィラメント12cの素線径はdscであり、シースストランド12を構成するシースフィラメント12sの素線径はdssであるが、これらフィラメント12c,12sの素線径を総称してdsとする。
コアストランド11を構成する各フィラメント11c,11sの引張強度Tc(MPa)はその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たし、シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの引張強度Ts(MPa)はその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たしている。つまり、コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの引張強度Tcc及びシースフィラメント11sの引張強度Tcsはいずれも上記引張強度Tcの関係を満足し、シースストランド12を構成するコアフィラメント12cの引張強度Tsc及びシースフィラメント12sの引張強度Tssはいずれも上記引張強度Tsの関係を満足している。これらフィラメント11c,11s,12c,12sの引張強度Tc,Tsは、スチールの炭素含有量や伸線加工度に基づいて適宜調整することが可能である。
上述した空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層4の補強コードとして、1本のコアフィラメント11cとn本(n=5〜6)のシースフィラメント11sとから構成された1本のコアストランド11と、1本のコアフィラメント12cとn本(n=5〜6)のシースフィラメント12sとから構成されていてコアストランド11の周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランド12とを有するスチールコード10を用いるにあたって、コアストランド11を構成する各フィラメント11c,11sの引張強度Tcを高くすることにより、コアストランド11を構成する各フィラメント11c,11sの疲労破断を抑制することができる。その一方で、シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの引張強度Tsを低くすることにより、スチールコード10の靱性の低下による断線を防止することができる。これにより、スチールコード10の耐疲労性を向上し、それを用いた空気入りラジアルタイヤの耐久性を向上することができる。また、シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの引張強度Tsを低くした場合、スチールコード10の撚り合わせを容易にし、その生産性を良好に維持することができる。
ここで、コアストランド11を構成する各フィラメント11c,11sの引張強度Tc(MPa)はその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たすことが必要であるが、この引張強度Tcが4200−2000dc(MPa)よりも小さいと、コアストランド11の耐疲労性が不十分になる。引張強度Tcの上限値は、コード生産性とコード靱性を良好に維持するために、4500MPaとすると良い。一方、シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの引張強度Ts(MPa)はその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たすことが必要であるが、この引張強度Tsが3000(MPa)よりも小さいと、シースストランド12の耐疲労性が不十分になり、逆に4100−2000ds(MPa)よりも大きいとコード生産性が低下し、また、コード靱性の低下により断線を生じ易くなる。
特に、コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの引張強度Tcc(MPa)はその素線径dcc(mm)に対して4500−2000dcc≦Tcc≦4500の関係を満たすことが好ましい。コアストランド11を構成するコアフィラメント11cは、スチールコード10の中心位置で直線状に延在しているため、スチールコード10が圧縮応力を受けた際に特に屈曲し易く疲労破断を生じ易い。そのため、コアフィラメント11cの引張強度Tccを選択的に高くすることにより、スチールコード10の耐疲労性を効果的に向上することができる。
ここで、引張強度Tccが4500−2000dcc(MPa)よりも小さいと、コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの耐疲労性の改善効果が不十分になり、逆に4500(MPa)よりも大きいとコード生産性が低下し、また、コード靱性の低下により断線を生じ易くなる。
コアストランド11において、コアフィラメント11cの本数を1本としているが、コアフィラメント11cの本数を複数本とした場合、その撚り合わせが困難になり、スチールコード10の生産性が低下する。また、コアストランド11において、1本のコアフィラメント11cの周囲にn本(n=5〜6)のシースフィラメント11sが撚り合わされているが、シースフィラメント11sの本数が上記範囲から外れると、シースフィラメント11sを所定の位置に配置することが難しくなり、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
同様に、シースストランド12において、コアフィラメント12cの本数を1本としているが、コアフィラメント12cの本数を複数本とした場合、その撚り合わせが困難になり、スチールコード10の生産性が低下する。また、シースストランド12において、1本のコアフィラメント12cの周囲にn本(n=5〜6)のシースフィラメント12sが撚り合わされているが、シースフィラメント12sの本数が上記範囲から外れると、シースフィラメント12sを所定の位置に配置することが難しくなり、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
更に、スチールコード10において、1本のコアストランド11の周囲にm本(m=5〜6)のシースストランド12が撚り合わされているが、シースストランド12の本数が上記範囲から外れると、シースストランド12を所定の位置に配置することが難しくなり、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの素線径dccとコアストランド11を構成するシースフィラメント11sの素線径dcsとシースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの素線径dsとはds≦dcs<dcc<0.24mmの関係を満たすことが好ましい。このように素線径ds,dcs,dccの大小関係を規定することにより、良好な耐疲労性を維持しながら、スチールコード10の内部へのゴム浸透性を改善することができる。その結果、スチールコード10のフィラメント同士の接触を回避してフレッティングによる破断を防止することができ、また、スチールコード10内に浸透した水分に起因する錆の拡散を防止することができる。コアストランド11を構成するコアフィラメント11cを増径することによりゴム浸透性を改善することができるが、その素線径dccが0.24mm以上であると耐疲労性の改善効果が低下することになる。一方、スチールコード10の破断強力を確保するために、シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの素線径dsの下限値は0.15mmとすると良い。シースストランド12を構成する各フィラメント12c,12sの素線径dsが0.15mmよりも細いと、破断荷重が小さくなって破断し易くなり、また、屈曲し易くなるため屈曲による疲労破断が発生し易くなる。
上述した実施形態では、所定の複撚り構造を有するスチールコード10をカーカス層4に使用した場合について説明したが、本発明では上記のようなスチールコード10を他の補強層に適用することが可能である。
タイヤサイズ2700R49で、トレッド部におけるカーカス層の外周側に4層のベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に2層のベルト保護層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の補強コードだけを異ならせた従来例、比較例1〜3及び実施例1〜5のタイヤを製作した。
即ち、従来例、比較例1〜3及び実施例1〜5において、カーカス層の補強コードとして、1本のコアフィラメントと6本のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントと6本のシースフィラメントとから構成されていてコアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドと、シースストランドの周囲に巻き付けられた1本のラッピングワイヤとを有する7×7+1構造のスチールコードを使用し、コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tc(Tcc,Tcs)、シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Ts(Tsc,Tss)、コアストランドを構成する各フィラメントの素線径dc(dcc,dcs)、シースストランドを構成する各フィラメントの各フィラメントの素線径ds(dsc,dss)を表1のように設定した。全てのスチールコードにおいて、素線径が0.15mmで同一強度を有するラッピングワイヤを共通に使用した。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、コード生産性及びタイヤ耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
コード生産性:
各試験タイヤに使用されるスチールコードを生産するにあたって、その生産性を評価した。評価結果は、安定した撚り構造が得られた場合を「○」で示し、撚り構造に若干の乱れが生じた場合、もしくは撚り工程中でフィラメント断線が若干生じた場合を「△」で示し、撚り構造が大幅に乱れてコード生産性が低下した場合、もしくは撚り工程中でフィラメント断線が著しく生じた場合を「×」で示した。
タイヤ耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ19.50のOR試験リムに装着し、空気圧700kPa、速度10km/h、初期荷重183kNの条件にて、高さ200mmのクリートを外周面に設けた回転ドラムを備えた室内ドラム試験機により走行試験を実施し、10時間毎に荷重を52kNずつ増加させ、タイヤが故障するまでの走行時間を計測した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。
Figure 0006206168
表1から明らかなように、実施例1〜5では、従来例との対比において、スチールコードの耐疲労性を改善し、空気入りラジアルタイヤの耐久性を改善することができた。これに対して、比較例1では、コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tcのみならずシースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tsも高くしているため、コード生産性が低下し、しかもコード靱性の低下によりタイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。また、比較例2では、コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tcが低過ぎるため、タイヤ耐久性の改善効果が得られなかった。更に、比較例3では、シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tsが低過ぎるため、シースストランドが先行して破断し、タイヤ耐久性が低下していた。
また、実施例2では、コアストランドを構成するコアフィラメントの引張強度Tccを実施例1よりも高くしているため、スチールコードの耐疲労性が向上していた。実施例3では、コアストランドを構成するコアフィラメントの引張強度Tccを実施例2よりも高くしているが、コード生産性が若干低下し、コード靱性の低下による断線を生じ易くなっていた。実施例4では、コアストランドを構成するコアフィラメントを太くしているため、実施例2に比べてゴム浸透性が向上し、耐フレッティング性が向上していた。実施例5では、コアストランドを構成するコアフィラメントを実施例4の場合よりも更に太くした結果、耐疲労性の改善効果が若干低下していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
10 スチールコード
11 コアストランド
11c コアフィラメント
11s シースフィラメント
12 シースストランド
12c コアフィラメント
12s シースフィラメント
13 ラッピングワイヤ

Claims (7)

  1. 1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成されていて前記コアストランドの周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランドとを有するスチールコードであって、前記コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tc(MPa)がその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たし、前記シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Ts(MPa)がその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たすことを特徴とするスチールコード。
  2. 前記コアストランドを構成するコアフィラメントの引張強度Tcc(MPa)がその素線径dcc(mm)に対して4500−2000dcc≦Tcc≦4500の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のスチールコード。
  3. 前記コアストランドを構成するコアフィラメントの素線径dccと前記コアストランドを構成するシースフィラメントの素線径dcsと前記シースストランドを構成する各フィラメントの素線径dsとがds≦dcs<dcc<0.24mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のスチールコード。
  4. 複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードとして、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、1本のコアフィラメントとn本(n=5〜6)のシースフィラメントとから構成されていて前記コアストランドの周囲に撚り合わされたm本(m=5〜6)のシースストランドとを有するスチールコードを用い、前記コアストランドを構成する各フィラメントの引張強度Tc(MPa)がその素線径dc(mm)に対して4200−2000dc≦Tcの関係を満たし、前記シースストランドを構成する各フィラメントの引張強度Ts(MPa)がその素線径ds(mm)に対して3000≦Ts≦4100−2000dsの関係を満たすことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記コアストランドを構成するコアフィラメントの引張強度Tcc(MPa)がその素線径dcc(mm)に対して4500−2000dcc≦Tcc≦4500の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記コアストランドを構成するコアフィラメントの素線径dccと前記コアストランドを構成するシースフィラメントの素線径dcsと前記シースストランドを構成する各フィラメントの素線径dsとがds≦dcs<dcc<0.24mmの関係を満たすことを特徴とする請求項4又は5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記補強層がカーカス層であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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