JP7024206B2 - スチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、1本のコアストランドとその周囲に撚り合わされた複数本のシースストランドとを有する複撚り構造のスチールコード及び該スチールコードを補強層の補強コードとして用いた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ゴム浸透性を高めて耐久性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤに代表されるゴム製品においては、補強材として、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせてなるスチールコードが採用されている。特に、建設車両等の大型車両に使用される空気入りタイヤは高荷重負荷環境下で使用されるため、その補強材となるスチールコードには高い強度と優れた耐久性が要求される。
従来、建設車両用の空気入りタイヤにおいて、カーカス層やベルト層の補強コードとして、複撚り構造のスチールコードが広く使用されている(例えば、特許文献1~3参照)。このような複撚り構造のスチールコードとして、例えば、2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成された4~5本のストランドが互いに撚り合わされた4×(2+7)構造や5×(2+7)構造のスチールコードが挙げられる。その他にも、3本のコアフィラメントと9本のシースフィラメントとから構成された1本のコアストランドと、3本のコアフィラメントと9本のシースフィラメントとから構成されていてコアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドとを有する1×(3+9)+6×(3+9)構造のスチールコードが挙げられる。
しかしながら、上述のような複撚り構造を有するスチールコードにおいては、撚り構造が複雑であるため、コード内部へのゴム浸透性が低いという欠点がある。そして、ゴム浸透性が低いと、フレッティングによるフィラメントの破断を生じ易くなり、これが空気入りタイヤの耐久性を悪化させる要因となる。
特許第4582672号公報 特許第3709551号公報 特許第5036294号公報
本発明の目的は、ゴム浸透性を高めて耐久性を改善することを可能にしたスチールコード及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のスチールコードは、1~3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランドとを有する複撚り構造のスチールコードにおいて、前記コアストランドの各々が2本のコアフィラメントとn本(n=7~8)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドの各々が2本のコアフィラメントとn′本(n′=3~6)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率が80%以下であり、前記シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径が前記シースストランドを構成するシースフィラメントの素線径よりも大きいことを特徴とするものである。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、前記補強コードとして、1~3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランドとを有するスチールコードが用いられており、前記コアストランドの各々が2本のコアフィラメントとn本(n=7~8)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドの各々が2本のコアフィラメントとn′本(n′=3~6)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率が80%以下であり、前記シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径が前記シースストランドを構成するシースフィラメントの素線径よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明では、空気入りタイヤの補強層の補強コードとして、1~3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランドとを有するスチールコードを用いるにあたって、コアストランドの各々を2本のコアフィラメントとn本(n=7~8)のシースフィラメントとから構成する一方で、シースストランドの各々を2本のコアフィラメントとn′本(n′=3~6)のシースフィラメントとから構成し、シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率を80%以下とすることにより、シースストランドを構成するフィラメントの相互間に適度な隙間を形成し、コード内部へのゴム浸透性を改善することができる。そのため、スチールコードのフレッティングによる破断や錆の拡散を防止することができる。これにより、空気入りタイヤの耐久性を改善することができる。
本発明において、シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径がシースストランドを構成するシースフィラメントの素線径よりも大きいことが好ましい。このようにシースストランドにおいてコアフィラメントの素線径をシースフィラメントの素線径よりも大きくすることにより、シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率を小さくし、コード内部へのゴム浸透性を更に高めることができる。
本発明において、上記スチールコードが使用される空気入りタイヤの補強層は特に限定されるものではなく、例えば、カーカス層、ベルト層、サイド補強層を挙げることができる。しかしながら、上記スチールコードの特性を考慮すると、該スチールコードが使用される補強層はベルト層であることが好ましい。また、上記スチールコードはタイヤ以外のゴム製品を補強するための補強コードとしても利用可能である。
本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードの一例を示す断面図である。 本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードの他の例を示す断面図である。 本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードのコアストランドを抽出して示す断面図である。 本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードのシースストランドを抽出して示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる建設車両用の空気入りタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカス層4の補強コードとしては、スチールコードが使用されている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6a,6b,6c,6dが埋設されている。これらベルト層6a~6dはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ任意の層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層6a~6dにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば5°~45°の範囲に設定されており、より好ましくは、15°~30°の範囲に設定されている。ベルト層6a~6dの補強コードとしては、スチールコードが使用されている。
更に、ベルト層6a~6dの外周側には複数層のベルト保護層7a,7bが埋設されている。ベルト層6a~6dがトレッド部1の補強を担持しているのに対して、ベルト保護層7a,7bはベルト層6a~6dを保護する目的で配設されている。これらベルト保護層7a,7bはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト保護層7a,7bにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば20°~70°の範囲に設定されている。そして、ベルト保護層7a,7bの補強コードとしては、ベルト層6a~6dに対する保護機能を十分に発揮するように、例えば、4%以上の破断伸びを有するスチールコードが使用されている。
上記空気入りタイヤにおいて、ベルト層6a~6dの補強コードとして、以下のような複撚り構造を有するスチールコードが使用されている。
図2は本発明で使用される複撚り構造を有するスチールコードの一例を示すものである。図2に示すように、スチールコード10は、互いに撚り合わされた1~3本のコアストランド11と、該コアストランド11の周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランド12とを有している。コアストランド11の各々は、互いに撚り合わされた2本のコアフィラメント11cと、該コアフィラメント11cの周囲に撚り合わされたn本(n=7~8)のシースフィラメント11sとから構成されている(図4参照)。一方、シースストランド12の各々は、互いに撚り合わされた2本のコアフィラメント12cと、該コアフィラメント12cの周囲に撚り合わされたn′本(n′=3~6)のシースフィラメント12sとから構成されている(図5参照)。本実施形態において、スチールコード10は1本のコアストランド11と6本のシースストランド12とを有し、コアストランド11の各々が2本のコアフィラメント11cと7本のシースフィラメント11sとから構成され、シースストランド12の各々が2本のコアフィラメント12cと3本のシースフィラメント12sとから構成されている。つまり、1×(2+7)+6×(2+3)構造である。その他の例として、例えば、図3に示すように、3×(2+7)+6×(2+3)構造を挙げることができる。
上記スチールコード10において、シースストランド12におけるシースフィラメント12sのコアフィラメント被覆率Xは80%以下、より好ましくは、25%~75%の範囲に設定されている。コアフィラメント被覆率Xは、以下のようにして算出されるものとする。
図5に示すように、シースストランド12におけるコアフィラメント12cの素線径dscとシースフィラメント12sの素線径dssに対して、長径DlがDl=dsc×2+dssの関係を満足し、短径DsがDs=Dl×0.7の関係を満足する楕円Aの周長をLとしたとき、コアフィラメント被覆率Xは下式(1)から算出される。
X=(dss×n′/L)×100% ・・・(1)
つまり、シースフィラメント12sは2本のコアフィラメント12cに外接する楕円Bに沿って2本のコアフィラメント12cの周囲に撚り合わされるが、シースストランド12におけるシースフィラメント12sのコアフィラメント被覆率Xはシースフィラメント12sの周回軌道である楕円Aの周長Lに対するn′本のシースフィラメント12sの占有率に相当するものである。
上述した空気入りタイヤでは、ベルト層6a~6dの補強コードとして、1~3本のコアストランド11と、該コアストランド11の周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランド12とを有するスチールコード10を用いるにあたって、コアストランド11の各々を2本のコアフィラメント11cとn本(n=7~8)のシースフィラメント11sとから構成する一方で、シースストランド12の各々を2本のコアフィラメント12cとn′本(n′=3~6)のシースフィラメント12sとから構成し、シースストランド12におけるシースフィラメント12sのコアフィラメント被覆率Xを80%以下とすることにより、シースストランド12を構成するフィラメント12c,12sの相互間に適度な隙間を形成し、スチールコード10の内部へのゴム浸透性を改善することができる。そのため、スチールコード10のフレッティングによる破断や錆の拡散を防止することができる。これにより、空気入りタイヤの耐久性を改善することができる。
コアストランド11において、コアフィラメント11cの本数を2本とする一方で、シースフィラメント11sの本数をn本(n=7~8)としているが、これはスチールコード10の形状安定性を確保するためである。コアストランド11におけるシースフィラメント11sの本数が上記範囲から外れると、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
一方、シースストランド12において、コアフィラメント12cの本数を2本とする一方で、シースフィラメント12sの本数をn′本(n′=3~6)としているが、これはスチールコード10のゴム浸透性と形状安定性を確保するためである。シースストランド12におけるシースフィラメント12sの本数が少な過ぎると安定した撚り構造を得ることが困難になり、逆に多過ぎるとシースフィラメント12sのコアフィラメント被覆率Xを小さくしてゴム浸透性を確保することが困難になる。
更に、スチールコード10において、1~3本のコアストランド11の周囲に6~9本のシースストランド12が撚り合わされているが、コアストランド11及びシースストランド12の本数が上記範囲から外れると、安定した撚り構造を得ることが困難になる。
また、スチールコード10において、シースストランド12を構成するコアフィラメント12cの素線径dscとシースストランド12を構成するシースフィラメント12sの素線径dssは同じであっても良いが、コアフィラメント12cの素線径dscがシースフィラメント12sの素線径dssよりも大きいことが望ましい。このようにシースストランド12においてコアフィラメント12cの素線径dscをシースフィラメント12sの素線径dssよりも大きくすることにより、シースストランド12におけるシースフィラメント12sのコアフィラメント被覆率Xを小さくし、ゴム浸透性を更に高めることができる。シースストランド12を構成するコアフィラメント12c及びシースフィラメント12sの素線径dsc,dssは0.20mm~0.35mmの範囲にあることが望ましい。
同様に、スチールコード10において、コアストランド11を構成するコアフィラメント11cの素線径dccとコアストランド11を構成するシースフィラメント11sの素線径dcsは同じであっても良いが、コアフィラメント11cの素線径dccをシースフィラメント11sの素線径dcsよりも大きくした場合、コアストランド11の内部へのゴム浸透性を改善することができる。コアストランド11を構成するコアフィラメント11c及びシースフィラメント11sの素線径dcc,dcsは0.20mm~0.35mmの範囲にあることが望ましい。
上述した実施形態では、所定の複撚り構造を有するスチールコード10をベルト層6a~6dに使用した場合について説明したが、本発明では上記のようなスチールコード10を他の補強層に適用することが可能である。
タイヤサイズ2700R49で、トレッド部におけるカーカス層の外周側に4層のベルト層が配置された空気入りタイヤにおいて、ベルト層の補強コードだけを異ならせた従来例1,2、比較例1,2及び実施例1~5のタイヤを製作した。但し、本明細書において、実施例1~4は参考例である。
従来例1のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、互いに撚り合わされた4本のシースストランドを有し、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成された4×(2+7)構造のスチールコードを使用した。
従来例2では、ベルト層の補強コードとして、互いに撚り合わされた5本のシースストランドを有し、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成された5×(2+7)構造のスチールコードを使用した。
比較例1のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、1本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドとを有し、コアストランド及びシースストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成された1×(2+7)+6×(2+7)構造のスチールコードを使用した。
比較例2では、ベルト層の補強コードとして、互いに撚り合わされた3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた9本のシースストランドとを有し、コアストランド及びシースストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成された3×(2+7)+9×(2+7)構造のスチールコードを使用した。
実施例1のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、1本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドとを有し、コアストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成される一方で、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと3本のシースフィラメントとから構成された1×(2+7)+6×(2+3)構造のスチールコードを使用した。
実施例2のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、1本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドとを有し、コアストランドの各々が2本のコアフィラメントと8本のシースフィラメントとから構成される一方で、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと3本のシースフィラメントとから構成された1×(2+8)+6×(2+3)構造のスチールコードを使用した。
実施例3のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、互いに撚り合わされた3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた9本のシースストランドとを有し、コアストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成される一方で、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと3本のシースフィラメントとから構成された3×(2+7)+9×(2+3)構造のスチールコードを使用した。
実施例4のタイヤでは、ベルト層の補強コードとして、1本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6本のシースストランドとを有し、コアストランドの各々が2本のコアフィラメントと7本のシースフィラメントとから構成される一方で、シースストランドの各々が2本のコアフィラメントと5本のシースフィラメントとから構成された1×(2+7)+6×(2+5)構造のスチールコードを使用した。
実施例5のタイヤでは、コアストランドにおいてコアフィラメントの素線径dccをシースフィラメントの素線径dcsよりも大きくし、シースストランドにおいてコアフィラメントの素線径dscをシースフィラメントの素線径dssよりも大きくしたこと以外は、実施例1と同じ構造を有するスチールコードを使用した。
従来例1,2、比較例1,2及び実施例1~5で使用されたスチールコードについて、コード構造、コード断面積、コアストランドを構成するコアフィラメントの素線径dcc、コアストランドを構成するシースフィラメントの素線径dcs、シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径dsc、シースストランドを構成するシースフィラメントの素線径dss、シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率Xは表1の通りである。なお、各スチールコードの断面積に応じてベルト層の単位幅当たりのスチールコードの打ち込み本数を調整することにより、全ての試験タイヤにおいて、ベルト層の単位幅当たりのスチールコードの断面積の総和が一定になるようにした。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、ゴム浸透性、錆進展性及び荷重耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
ゴム浸透性:
各試験タイヤからベルト層のスチールコードを取り出し、カッターナイフでスチールコードの外側に付着したゴムを除去し、1本のシースストランドを除去し、コード内のゴム浸透率を目視にて測定した。このような測定をタイヤ周上の8ケ所に配置されたスチールコードについて行い、これら8本のスチールコードのゴム浸透率の平均値を求めた。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどゴム浸透性が良好であることを意味する。
錆進展性:
各試験タイヤのトレッド部の1箇所にドリルでベルト層に到達する穴を形成し、その試験タイヤを建設車両に装着して300時間の実車走行を行った後、トレッドゴムを剥がしてベルト層を露出させ、ドリル穴からの錆の進展距離を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど錆の進展距離が短いことを意味する。つまり、この指数値が小さいほどベルト層を構成するスチールコードのゴム浸透性が良好であることを意味する。
荷重耐久性:
各試験タイヤを試験リムに装着し、空気圧700kPa、速度10km/h、初期荷重183kNの条件にて、高さ200mmのクリートを外周面に設けた回転ドラムを備えた室内ドラム試験機により走行試験を実施し、10時間毎に荷重を52kNずつ増加させ、タイヤが故障するまでの走行時間を計測した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
Figure 0007024206000001
表1から明らかなように、実施例1~5では、従来例1との対比において、スチールコードの内部へのゴム浸透性が高くなっており、空気入りタイヤの荷重耐久性が大幅に改善されていた。特に、実施例2では、コアストランドのシースフィラメントの本数が実施例1よりも多いため、実施例1に比べてゴム浸透性が若干低下するものの荷重耐久性が更に改善されていた。実施例3では、コアストランドの本数及びシースストランドの本数が実施例1よりも多いため、実施例1に比べてゴム浸透性が若干低下するものの荷重耐久性が更に改善されていた。実施例4では、シースストランドのシースフィラメントの本数が実施例1よりも多いため、実施例1に比べてゴム浸透性が若干低下するものの比較例1に対する荷重耐久性の改善効果が十分に認められた。実施例5では、少なくともシースストランドにおいてコアフィラメントの素線径dscがシースフィラメントの素線径dssよりも大きく設定されているため、実施例1に比べてゴム浸透性が良化して荷重耐久性が更に改善されていた。
これに対して、従来例2では、従来例1よりもシースストランドの本数が多いため、ゴム浸透性の低下が見られた。比較例1,2では、シースストランドを構成するシースフィラメントの本数が多過ぎてシースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率Xが高過ぎるので、ゴム浸透性が悪化して荷重耐久性が低下していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6a~6d ベルト層
7a,7b ベルト保護層
10 スチールコード
11 コアストランド
11c コアフィラメント
11s シースフィラメント
12 シースストランド
12c コアフィラメント
12s シースフィラメント

Claims (3)

  1. 1~3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランドとを有する複撚り構造のスチールコードにおいて、前記コアストランドの各々が2本のコアフィラメントとn本(n=7~8)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドの各々が2本のコアフィラメントとn′本(n′=3~6)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率が80%以下であり、前記シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径が前記シースストランドを構成するシースフィラメントの素線径よりも大きいことを特徴とするスチールコード。
  2. 複数本の補強コードを含む補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、前記補強コードとして、1~3本のコアストランドと、該コアストランドの周囲に撚り合わされた6~9本のシースストランドとを有するスチールコードが用いられており、前記コアストランドの各々が2本のコアフィラメントとn本(n=7~8)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドの各々が2本のコアフィラメントとn′本(n′=3~6)のシースフィラメントとから構成され、前記シースストランドにおけるシースフィラメントのコアフィラメント被覆率が80%以下であり、前記シースストランドを構成するコアフィラメントの素線径が前記シースストランドを構成するシースフィラメントの素線径よりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記補強層がベルト層であることを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
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