JPH08108708A - 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ - Google Patents
建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤInfo
- Publication number
- JPH08108708A JPH08108708A JP6243695A JP24369594A JPH08108708A JP H08108708 A JPH08108708 A JP H08108708A JP 6243695 A JP6243695 A JP 6243695A JP 24369594 A JP24369594 A JP 24369594A JP H08108708 A JPH08108708 A JP H08108708A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- carcass
- tire
- cord
- degrees
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・
タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカスとの
間のセパレーションの発生を防止する。 【構成】 使用内圧を充填した状態において、トレッド
側縁点Tより前記カーカス16の厚さ中間位置が描くカ
ーカス中間ラインLに立てた法線TLと前記ベルト20
層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと前記トレッド側縁
点Tとを結ぶ線分STとがなす角度をθとし、前記カー
カス16の厚さ中間位置が描くカーカス中間ライン6の
タイヤ肩部における曲率半径をRとするとき、0.00
1<(tanθ)/R<0.004、かつ、該最広幅ベ
ルト層の端部Sが該法線TLよりタイヤ幅方向内側に位
置するタイヤであって、該ベルト・コードの空間率が3
5%以上50%未満で、かつ該ベルト・コードの強力が
4000kg以上7500kg未満であることを特徴と
する建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ
である。
タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカスとの
間のセパレーションの発生を防止する。 【構成】 使用内圧を充填した状態において、トレッド
側縁点Tより前記カーカス16の厚さ中間位置が描くカ
ーカス中間ラインLに立てた法線TLと前記ベルト20
層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと前記トレッド側縁
点Tとを結ぶ線分STとがなす角度をθとし、前記カー
カス16の厚さ中間位置が描くカーカス中間ライン6の
タイヤ肩部における曲率半径をRとするとき、0.00
1<(tanθ)/R<0.004、かつ、該最広幅ベ
ルト層の端部Sが該法線TLよりタイヤ幅方向内側に位
置するタイヤであって、該ベルト・コードの空間率が3
5%以上50%未満で、かつ該ベルト・コードの強力が
4000kg以上7500kg未満であることを特徴と
する建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大型ホイール・ローダー
等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイア
ス・タイヤに関するものである。
等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイア
ス・タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラジアル・タイヤの骨格部は、基本的に
は、ラジアル・カーカスとカーカスのクラウン部外側に
配設されたベルト層とで構成されていて、カーカスのク
ラウン部におけるコード角度はタイヤ赤道線に対し90
度または実質的に90度で、ベルト層のクラウン部にお
けるコード角度はタイヤ赤道線に対しおよそ0度乃至3
0度であって、空気圧によって生じる周方向の張力をベ
ルト層が負担し、経方向の張力をラジアル・カーカスが
負担している。バイアス・タイヤの骨格部は、クラウン
部におけるコード角度がタイヤ赤道線に対しおよそ25
度乃至45度であって、コードが互いに交錯するように
配設された複数プライよりなるバイアス・カーカスで構
成され、空気圧によって生じる周方向および経方向の張
力は、いずれも、基本的にはバイアス・カーカスが負担
している。クラウン部の補強が必要な場合、カーカスの
クラウン部外側にブレーカー層が配設される。ブレーカ
ー層のコード角度は、通常、カーカスのコード角度とほ
ぼ同程度か若干低角度である。ベルテッド・バイアス・
タイヤとは、ラジアル・タイヤとバイアス・タイヤの中
間的なタイヤであって、バイアス・タイヤのバイアス・
カーカスとラジアル・タイヤのベルト層とで構成されて
いる。換言すれば、クラウン部におけるコード角度がタ
イヤ赤道線に対しおよそ25度乃至45度のコードより
なるバイアス・カーカスとクラウン部におけるコード角
度がタイヤ赤道線に対しおよそ0度乃至30度のコード
よりなるベルト層とで構成されているタイヤがベルテッ
ド・バイアス・タイヤである。大型ホイール・ローダー
等に使用される建設車両用空気入りタイヤは、岩石や砕
石等が散在する場所で使用され、タイヤの側壁部がカッ
ト損傷(サイド・カット)を受けやすいので、ラジアル
・カーカス対比耐サイド・カット性に優れたバイアス・
カーカスが有利であり、また、負荷能力や作業性の観点
からタイヤ幅が広くタイヤ高さの低い、偏平率の低いタ
イヤが要求されるので、タイヤ外径を強制的に抑えるた
めに、ブレーカー層対比いわゆるタガ効果の大きなベル
ト層を採用することが有利である。そこで、大型ホイー
ル・ローダー等に使用される建設車両用空気入りタイヤ
には、ベルテッド・バイアス・タイヤが採用されること
が多い。
は、ラジアル・カーカスとカーカスのクラウン部外側に
配設されたベルト層とで構成されていて、カーカスのク
ラウン部におけるコード角度はタイヤ赤道線に対し90
度または実質的に90度で、ベルト層のクラウン部にお
けるコード角度はタイヤ赤道線に対しおよそ0度乃至3
0度であって、空気圧によって生じる周方向の張力をベ
ルト層が負担し、経方向の張力をラジアル・カーカスが
負担している。バイアス・タイヤの骨格部は、クラウン
部におけるコード角度がタイヤ赤道線に対しおよそ25
度乃至45度であって、コードが互いに交錯するように
配設された複数プライよりなるバイアス・カーカスで構
成され、空気圧によって生じる周方向および経方向の張
力は、いずれも、基本的にはバイアス・カーカスが負担
している。クラウン部の補強が必要な場合、カーカスの
クラウン部外側にブレーカー層が配設される。ブレーカ
ー層のコード角度は、通常、カーカスのコード角度とほ
ぼ同程度か若干低角度である。ベルテッド・バイアス・
タイヤとは、ラジアル・タイヤとバイアス・タイヤの中
間的なタイヤであって、バイアス・タイヤのバイアス・
カーカスとラジアル・タイヤのベルト層とで構成されて
いる。換言すれば、クラウン部におけるコード角度がタ
イヤ赤道線に対しおよそ25度乃至45度のコードより
なるバイアス・カーカスとクラウン部におけるコード角
度がタイヤ赤道線に対しおよそ0度乃至30度のコード
よりなるベルト層とで構成されているタイヤがベルテッ
ド・バイアス・タイヤである。大型ホイール・ローダー
等に使用される建設車両用空気入りタイヤは、岩石や砕
石等が散在する場所で使用され、タイヤの側壁部がカッ
ト損傷(サイド・カット)を受けやすいので、ラジアル
・カーカス対比耐サイド・カット性に優れたバイアス・
カーカスが有利であり、また、負荷能力や作業性の観点
からタイヤ幅が広くタイヤ高さの低い、偏平率の低いタ
イヤが要求されるので、タイヤ外径を強制的に抑えるた
めに、ブレーカー層対比いわゆるタガ効果の大きなベル
ト層を採用することが有利である。そこで、大型ホイー
ル・ローダー等に使用される建設車両用空気入りタイヤ
には、ベルテッド・バイアス・タイヤが採用されること
が多い。
【0003】従来の建設車両用空気入りベルテッド・バ
イアス・タイヤは、使用リムにリム組みし使用内圧を充
填した状態において、カーカス中間ラインのタイヤ肩部
における曲率半径をRとし、トレッド側縁点Tより前記
カーカス中間ラインに立てた法線TL(ハンプ・ライ
ン)と前記ベルト層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと
前記トレッド側縁点Tとを結ぶ線分STとがなす角度を
θとするとき、(tanθ)/Rが0.001より小さ
いか、あるいは、最広幅ベルト層の端部Sが該法線TL
よりタイヤ幅方向外側に位置していた。またベルト・コ
ードの空間率が30%以下でベルト1層当たりの総強力
は8500kg以上であった。本明細書では、ベルト・
コードの空間率とは、タイヤ赤道面と直角方向のベルト
断面つまり、タイヤ回転軸を含むベルト断面において、
タイヤ赤道面近傍の隣接するコード間の距離をその隣接
するコードの中心間の距離で除した値を100倍したも
のを意味する。また、本明細書では、ベルトの1層当た
りの総強力とは、ベルト層を構成する各ベルトの1層当
たりの強力であって、換言すれば各ベルト層のコード本
数×コード破断時強力を意味する。
イアス・タイヤは、使用リムにリム組みし使用内圧を充
填した状態において、カーカス中間ラインのタイヤ肩部
における曲率半径をRとし、トレッド側縁点Tより前記
カーカス中間ラインに立てた法線TL(ハンプ・ライ
ン)と前記ベルト層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと
前記トレッド側縁点Tとを結ぶ線分STとがなす角度を
θとするとき、(tanθ)/Rが0.001より小さ
いか、あるいは、最広幅ベルト層の端部Sが該法線TL
よりタイヤ幅方向外側に位置していた。またベルト・コ
ードの空間率が30%以下でベルト1層当たりの総強力
は8500kg以上であった。本明細書では、ベルト・
コードの空間率とは、タイヤ赤道面と直角方向のベルト
断面つまり、タイヤ回転軸を含むベルト断面において、
タイヤ赤道面近傍の隣接するコード間の距離をその隣接
するコードの中心間の距離で除した値を100倍したも
のを意味する。また、本明細書では、ベルトの1層当た
りの総強力とは、ベルト層を構成する各ベルトの1層当
たりの強力であって、換言すれば各ベルト層のコード本
数×コード破断時強力を意味する。
【0004】最近の大型ホイール・ローダー等では、シ
ャベルの容量が大きくなり、タイヤへの負荷が著しく増
大しており、これにともなって、タイヤ使用内圧を高く
するなど、タイヤ使用条件が厳しくなっており、従来殆
ど発生しなかったベルト端におけるセパレーションが発
生する恐れが出てきた。このような使用条件の変化に対
応して、特開平5−286303に開示されたようなベ
ルト幅の適正化(0.001<(tanθ)/R<0.
004とし、かつ、該最広幅ベルト層の端部Sが該法線
TLよりタイヤ幅方向内側に位置せしめること)および
ベルト・コード角度の適正化(タイヤ赤道面に対し15
度以上25度未満とすること)によって、上記のベルト
端におけるセパレーションの問題が解消された。
ャベルの容量が大きくなり、タイヤへの負荷が著しく増
大しており、これにともなって、タイヤ使用内圧を高く
するなど、タイヤ使用条件が厳しくなっており、従来殆
ど発生しなかったベルト端におけるセパレーションが発
生する恐れが出てきた。このような使用条件の変化に対
応して、特開平5−286303に開示されたようなベ
ルト幅の適正化(0.001<(tanθ)/R<0.
004とし、かつ、該最広幅ベルト層の端部Sが該法線
TLよりタイヤ幅方向内側に位置せしめること)および
ベルト・コード角度の適正化(タイヤ赤道面に対し15
度以上25度未満とすること)によって、上記のベルト
端におけるセパレーションの問題が解消された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のベルト端におけ
るセパレーションはタイヤ走行初期または中期にかけて
発生していたが、このセパレーションの問題が特開平5
−286303に開示された発明によって解消され、タ
イヤの寿命が延びた結果、タイヤ走行中期以降にクラウ
ン中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレーショ
ンが発生し、このセパレーション故障がベルトの両端方
向に進行する現象が発生した。
るセパレーションはタイヤ走行初期または中期にかけて
発生していたが、このセパレーションの問題が特開平5
−286303に開示された発明によって解消され、タ
イヤの寿命が延びた結果、タイヤ走行中期以降にクラウ
ン中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレーショ
ンが発生し、このセパレーション故障がベルトの両端方
向に進行する現象が発生した。
【0006】本発明の目的は、大型ホイール・ローダー
等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイア
ス・タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカス
との間のセパレーションの発生と進行を防止ないし抑制
することである。
等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイア
ス・タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカス
との間のセパレーションの発生と進行を防止ないし抑制
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による空気入りタイヤは、 (1)ビード部に設けられた相対する2個以上のビード
・コアーと、 (2)クラウン部から両サイド部を経てビード部に延
び、これらのビード・コアーを内側から外側へ巻き上
げ、タイヤ赤道面に対するコードの角度が25度以上4
5度未満の有機繊維コードからなる2層以上のプライか
ら形成されるカーカスと、 (3)このカーカスのタイヤ・クラウン部径方向外側
に、タイヤ赤道面に対するコードの角度が15度以上2
5度未満であってコードが互いに交錯するように配設さ
れた2層以上のベルト層と、 (4)このベルト層のタイヤ径方向外側に配設されたト
レッド部とを有し、 (5)使用リムにリム組みし使用内圧を充填した状態に
おいて、トレッド側縁点Tより前記カーカスの厚さ中間
位置が描くカーカス中間ラインLに立てた法線TLと前
記ベルト層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと前記トレ
ッド側縁点Tとを結ぶ線分STとがなす角度をθとし、
前記カーカスの厚さ中間位置が描くカーカス中間ライン
のタイヤ肩部における曲率半径をRとするとき、0.0
01<(tanθ)/R<0.004、かつ、該最広幅
ベルト層の端部Sが該法線TLよりタイヤ幅方向内側に
位置するタイヤであって、(a)該ベルト・コードの空
間率が35%以上50%未満で、かつ(b)該ベルトの
1層当たりの総強力が4000kg以上7500kg未
満であることを特徴とする建設車両用空気入りベルテッ
ド・バイアス・タイヤである。
に、本発明による空気入りタイヤは、 (1)ビード部に設けられた相対する2個以上のビード
・コアーと、 (2)クラウン部から両サイド部を経てビード部に延
び、これらのビード・コアーを内側から外側へ巻き上
げ、タイヤ赤道面に対するコードの角度が25度以上4
5度未満の有機繊維コードからなる2層以上のプライか
ら形成されるカーカスと、 (3)このカーカスのタイヤ・クラウン部径方向外側
に、タイヤ赤道面に対するコードの角度が15度以上2
5度未満であってコードが互いに交錯するように配設さ
れた2層以上のベルト層と、 (4)このベルト層のタイヤ径方向外側に配設されたト
レッド部とを有し、 (5)使用リムにリム組みし使用内圧を充填した状態に
おいて、トレッド側縁点Tより前記カーカスの厚さ中間
位置が描くカーカス中間ラインLに立てた法線TLと前
記ベルト層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと前記トレ
ッド側縁点Tとを結ぶ線分STとがなす角度をθとし、
前記カーカスの厚さ中間位置が描くカーカス中間ライン
のタイヤ肩部における曲率半径をRとするとき、0.0
01<(tanθ)/R<0.004、かつ、該最広幅
ベルト層の端部Sが該法線TLよりタイヤ幅方向内側に
位置するタイヤであって、(a)該ベルト・コードの空
間率が35%以上50%未満で、かつ(b)該ベルトの
1層当たりの総強力が4000kg以上7500kg未
満であることを特徴とする建設車両用空気入りベルテッ
ド・バイアス・タイヤである。
【0008】なお、トレッドがスクエアー・ショルダー
ではなくラウンド・ショルダーの場合、即ちトレッドの
側縁がR形状の場合には、トレッドの外周部輪郭線の延
長線とトレッドのバットレス部輪郭線の延長線との交点
をトレッド側縁点Tする。
ではなくラウンド・ショルダーの場合、即ちトレッドの
側縁がR形状の場合には、トレッドの外周部輪郭線の延
長線とトレッドのバットレス部輪郭線の延長線との交点
をトレッド側縁点Tする。
【0009】また、前記曲率半径Rは、さらに正確に言
えば、トレッド側縁点Tより前記カーカスの厚さ中間位
置が描くカーカス中間ラインLに立てた法線TLの足部
におけるカーカス中間ラインの曲率半径である。
えば、トレッド側縁点Tより前記カーカスの厚さ中間位
置が描くカーカス中間ラインLに立てた法線TLの足部
におけるカーカス中間ラインの曲率半径である。
【0010】
【作用】本発明では、上述のように、大型ホイール・ロ
ーダー等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・
バイアス・タイヤのベルト・コードの空間率が35%以
上50%未満であるので、走行中期以降においてベルト
のコードが接触することに起因するベルトとカーカスと
の間のセパレーションの発生を防止ないし抑制すること
が可能となる。ベルト・コードの空間率が35%以下に
なると、ベルトのコードが接触し、ベルトとカーカスと
の間のセパレーションが発生しやすくなる。高度のトラ
クション性能を要求される大型ホイール・ローダー等に
使用されるタイヤでは深溝のトレッド・パターンが用い
られるので、タイヤ製造時にクラウン中央部に向かって
ゴム流れが生じ、これにともなってベルトのコードも移
動しクラウン中央部近傍でベルトのコードが接触しやす
くなるので、ベルト・コードの空間率が35%以上とす
ることは上記セパレーションの発生を防止ないし抑制す
ることにたいして効果的である。大型ホイール・ローダ
ー等に使用される建設車両用空気入りタイヤは負荷能力
や作業性の観点からタイヤ幅が広くタイヤ高さの低い、
偏平率の低いタイヤが要求されるが、ベルト・コードの
空間率が50%以上になると、ベルトのタガ効果が弱ま
り、タイヤ形状を所望の偏平形状に保持することが困難
となる。
ーダー等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・
バイアス・タイヤのベルト・コードの空間率が35%以
上50%未満であるので、走行中期以降においてベルト
のコードが接触することに起因するベルトとカーカスと
の間のセパレーションの発生を防止ないし抑制すること
が可能となる。ベルト・コードの空間率が35%以下に
なると、ベルトのコードが接触し、ベルトとカーカスと
の間のセパレーションが発生しやすくなる。高度のトラ
クション性能を要求される大型ホイール・ローダー等に
使用されるタイヤでは深溝のトレッド・パターンが用い
られるので、タイヤ製造時にクラウン中央部に向かって
ゴム流れが生じ、これにともなってベルトのコードも移
動しクラウン中央部近傍でベルトのコードが接触しやす
くなるので、ベルト・コードの空間率が35%以上とす
ることは上記セパレーションの発生を防止ないし抑制す
ることにたいして効果的である。大型ホイール・ローダ
ー等に使用される建設車両用空気入りタイヤは負荷能力
や作業性の観点からタイヤ幅が広くタイヤ高さの低い、
偏平率の低いタイヤが要求されるが、ベルト・コードの
空間率が50%以上になると、ベルトのタガ効果が弱ま
り、タイヤ形状を所望の偏平形状に保持することが困難
となる。
【0011】従来の建設車両用空気入りベルテッド・バ
イアス・タイヤでは、ベルトの1層当たりの総強力が8
500kg以上で、ベルトとカーカスとの間の剛性段差
が著しく大きなタイヤであった。このため、いったんク
ラウン中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレー
ションが発生すると、このセパレーション故障がベルト
の両端方向に進行する現象が発生していた。本発明で
は、上述のようにベルトの1層当たりの総強力が400
0kg以上7500kg未満であるので、ベルトとカー
カスとの間の剛性段差が小さくなり、上記セパレーショ
ンの進行を防止ないし抑制することが可能となった。ベ
ルトの1層当たりの総強力が4000kg以下になる
と、ベルトのタガ効果が弱まり、タイヤ形状を所望の偏
平形状に保持することが困難となる。ベルトの1層当た
りの総強力が7500kg以上になると、ベルトとカー
カスとの間の剛性段差が大きくなり、いったんクラウン
中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレーション
が発生すると、このセパレーション故障がベルトの両端
方向に進行する。
イアス・タイヤでは、ベルトの1層当たりの総強力が8
500kg以上で、ベルトとカーカスとの間の剛性段差
が著しく大きなタイヤであった。このため、いったんク
ラウン中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレー
ションが発生すると、このセパレーション故障がベルト
の両端方向に進行する現象が発生していた。本発明で
は、上述のようにベルトの1層当たりの総強力が400
0kg以上7500kg未満であるので、ベルトとカー
カスとの間の剛性段差が小さくなり、上記セパレーショ
ンの進行を防止ないし抑制することが可能となった。ベ
ルトの1層当たりの総強力が4000kg以下になる
と、ベルトのタガ効果が弱まり、タイヤ形状を所望の偏
平形状に保持することが困難となる。ベルトの1層当た
りの総強力が7500kg以上になると、ベルトとカー
カスとの間の剛性段差が大きくなり、いったんクラウン
中央部近傍でベルトとカーカスとの間でセパレーション
が発生すると、このセパレーション故障がベルトの両端
方向に進行する。
【0012】
【実施例】本発明に従う実施例1について図面を参照し
て説明すると、図1は本発明による空気入りタイヤの左
半分の断面略図であって、タイヤ・サイズは50/65
−51である。図1の空気入りタイヤ10は、ビード部
に設けられた相対する2個のビード・コアー12,14
を有している。カーカス16は、クラウン部におけるタ
イヤ赤道面に対するコードの角度が32度乃至36度の
1260d/2ナイロン・コードからなる42層のカー
カス・プライより構成されている。この42層のカーカ
ス・プライのうち20層のカーカス・プライはビード・
コアー12を内側から外側へ巻き上げ、残りの22層の
カーカス・プライはビード・コアー14を内側から外側
へ巻き上げている。このカーカス16のタイヤ・クラウ
ン部径方向外側にベルト層20とトレッド18が設けら
れている。ベルト層20は、第1ベルト22、第2ベル
ト24、第3ベルト26、第4ベルト28の4層のベル
ト層で構成されている。ベルト層20のタイヤ赤道面に
対するコードの角度は4層とも23度であって、コード
が互いに交錯するようにタイヤ赤道面を挟んで左上が
り、右上がり、左上がり、右上がりの順に配設されてい
る。ベルト層20のコードは4層とも7×7+1のスチ
ール・コードが使用されている。
て説明すると、図1は本発明による空気入りタイヤの左
半分の断面略図であって、タイヤ・サイズは50/65
−51である。図1の空気入りタイヤ10は、ビード部
に設けられた相対する2個のビード・コアー12,14
を有している。カーカス16は、クラウン部におけるタ
イヤ赤道面に対するコードの角度が32度乃至36度の
1260d/2ナイロン・コードからなる42層のカー
カス・プライより構成されている。この42層のカーカ
ス・プライのうち20層のカーカス・プライはビード・
コアー12を内側から外側へ巻き上げ、残りの22層の
カーカス・プライはビード・コアー14を内側から外側
へ巻き上げている。このカーカス16のタイヤ・クラウ
ン部径方向外側にベルト層20とトレッド18が設けら
れている。ベルト層20は、第1ベルト22、第2ベル
ト24、第3ベルト26、第4ベルト28の4層のベル
ト層で構成されている。ベルト層20のタイヤ赤道面に
対するコードの角度は4層とも23度であって、コード
が互いに交錯するようにタイヤ赤道面を挟んで左上が
り、右上がり、左上がり、右上がりの順に配設されてい
る。ベルト層20のコードは4層とも7×7+1のスチ
ール・コードが使用されている。
【0013】JISに定められた正規リム40.00/
4.5×51にリム組みし、同じくJISに定められた
内圧6kg/cm2 を充填した状態において、42層の
カーカス・プライからなるカーカス16の厚さ中間位置
が描くカーカス中間ラインLのタイヤ肩部における曲率
半径をRとし、トレッド側縁点Tより前記カーカス中間
ラインLに立てた法線TLと前記ベルト層20のうちの
最広幅ベルト層22の端部Sと前記トレッド側縁点Tと
を結ぶ線分STとがなす角度をθとするとき、本実施例
ではR=138mmでθ=19度であるから、tanθ
=0.3443で、(tanθ)/R=0.0025で
ある。また、最広幅ベルト層22の端部Sが該法線TL
より約78mmタイヤ幅方向内側に位置している。
4.5×51にリム組みし、同じくJISに定められた
内圧6kg/cm2 を充填した状態において、42層の
カーカス・プライからなるカーカス16の厚さ中間位置
が描くカーカス中間ラインLのタイヤ肩部における曲率
半径をRとし、トレッド側縁点Tより前記カーカス中間
ラインLに立てた法線TLと前記ベルト層20のうちの
最広幅ベルト層22の端部Sと前記トレッド側縁点Tと
を結ぶ線分STとがなす角度をθとするとき、本実施例
ではR=138mmでθ=19度であるから、tanθ
=0.3443で、(tanθ)/R=0.0025で
ある。また、最広幅ベルト層22の端部Sが該法線TL
より約78mmタイヤ幅方向内側に位置している。
【0014】本実施例のタイヤ10のベルト層22、2
4、26、28のタイヤ回転軸を含む断面において、タ
イヤ赤道面近傍の隣接するコード間の距離は3.16m
mでコードの中心間の距離は1.39mmであり、前者
を後者で除した値を100倍したコードの空間率は44
%である。また、本実施例のタイヤ10のベルト層2
2、24、26、28の各ベルトの1層当たりの総強力
は、いずれも、5500kgである。
4、26、28のタイヤ回転軸を含む断面において、タ
イヤ赤道面近傍の隣接するコード間の距離は3.16m
mでコードの中心間の距離は1.39mmであり、前者
を後者で除した値を100倍したコードの空間率は44
%である。また、本実施例のタイヤ10のベルト層2
2、24、26、28の各ベルトの1層当たりの総強力
は、いずれも、5500kgである。
【0015】比較例1のタイヤは、4層のベルトすべて
について、タイヤ赤道面に対するコード角度が24度
で、ベルト・コードの空間率が20%で、ベルトの1層
当たりの総強力が9150kgで、(tanθ)/Rが
0.0022であること以外は上記実施例のタイヤと同
じである。
について、タイヤ赤道面に対するコード角度が24度
で、ベルト・コードの空間率が20%で、ベルトの1層
当たりの総強力が9150kgで、(tanθ)/Rが
0.0022であること以外は上記実施例のタイヤと同
じである。
【0016】比較例2のタイヤは、4層のベルトすべて
について、ベルト・コードの空間率が26%で、ベルト
の1層当たりの総強力が7880kgであること以外
は、上記実施例のタイヤと同じである。
について、ベルト・コードの空間率が26%で、ベルト
の1層当たりの総強力が7880kgであること以外
は、上記実施例のタイヤと同じである。
【0017】上記実施例のタイヤと比較例1のタイヤお
よび比較例2のタイヤについて、それぞれを正規リム4
0.00/4.5×51にリム組し、内圧5.25kg
/cm2 を充填し、速度5km/hで外径5mのドラム
試験機によるステップ・ロード方式の室内耐久試験を行
った。ステップ・ロード方式とは、正規荷重61300
kg(100%負荷)で48時間走行、つぎに120%
負荷で24時間走行、つぎに130%負荷と110%負
荷を30分毎に変えて24時間走行、つぎに140%負
荷と100%負荷を30分毎に変えて24時間走行、つ
ぎに150%負荷と90%負荷を30分毎に変えて24
時間走行、つぎに160%負荷と80%負荷を30分毎
に変えて24時間走行、つぎに170%負荷と70%負
荷を30分毎に変えて24時間走行、つぎに180%負
荷で24時間走行、つぎに190%負荷で24時間走
行、つぎに200%負荷で24時間走行で試験終了とい
う荷重条件である。その試験結果を、比較例2のタイヤ
の走行時間を100として指数表示で表1に示す。数字
が大きいほどよい結果であることを示す。
よび比較例2のタイヤについて、それぞれを正規リム4
0.00/4.5×51にリム組し、内圧5.25kg
/cm2 を充填し、速度5km/hで外径5mのドラム
試験機によるステップ・ロード方式の室内耐久試験を行
った。ステップ・ロード方式とは、正規荷重61300
kg(100%負荷)で48時間走行、つぎに120%
負荷で24時間走行、つぎに130%負荷と110%負
荷を30分毎に変えて24時間走行、つぎに140%負
荷と100%負荷を30分毎に変えて24時間走行、つ
ぎに150%負荷と90%負荷を30分毎に変えて24
時間走行、つぎに160%負荷と80%負荷を30分毎
に変えて24時間走行、つぎに170%負荷と70%負
荷を30分毎に変えて24時間走行、つぎに180%負
荷で24時間走行、つぎに190%負荷で24時間走
行、つぎに200%負荷で24時間走行で試験終了とい
う荷重条件である。その試験結果を、比較例2のタイヤ
の走行時間を100として指数表示で表1に示す。数字
が大きいほどよい結果であることを示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から、実施例のタイヤは比較例
1のタイヤないし比較例2のタイヤに比べ、耐久性に優
れたタイヤであることがわかる。
1のタイヤないし比較例2のタイヤに比べ、耐久性に優
れたタイヤであることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明によって、大型ホイール・ローダ
ー等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイ
アス・タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカ
スとの間のセパレーションの発生と進行を防止ないし抑
制することが可能となった。
ー等に使用される建設車両用空気入りベルテッド・バイ
アス・タイヤの走行中期以降における、ベルトとカーカ
スとの間のセパレーションの発生と進行を防止ないし抑
制することが可能となった。
【図1】本発明による空気入りタイヤの左半分の断面略
図である。
図である。
10 空気入りタイヤ 12 ビード・コアー 14 ビード・コアー 16 カ−カス 18 トレッド 20 ベルト 22 第1ベルト 22 第2ベルト 22 第3ベルト 22 第4ベルト L カ−カス中間ライン S 最広幅ベルト層の端部 T トレッド側縁点 TL 法線 θ 法線TLと線分STとがなす角度
Claims (1)
- 【請求項1】 (1)ビード部に設けられた相対する2
個以上のビード・コアーと、 (2)クラウン部から両サイド部を経てビード部に延
び、これらのビード・コアーを内側から外側へ巻き上
げ、タイヤ赤道面に対するコードの角度が25度以上4
5度未満の有機繊維コードからなる2層以上のプライか
ら形成されるカーカスと、 (3)このカーカスのタイヤ・クラウン部径方向外側
に、タイヤ赤道面に対するコードの角度が15度以上2
5度未満であってコードが互いに交錯するように配設さ
れた2層以上のベルト層と、 (4)このベルト層のタイヤ径方向外側に配設されたト
レッド部とを有し、 (5)使用リムにリム組みし使用内圧を充填した状態に
おいて、トレッド側縁点Tより前記カーカスの厚さ中間
位置が描くカーカス中間ラインLに立てた法線TLと前
記ベルト層のうちの最広幅ベルト層の端部Sと前記トレ
ッド側縁点Tとを結ぶ線分STとがなす角度をθとし、
前記カーカスの厚さ中間位置が描くカーカス中間ライン
のタイヤ肩部における曲率半径をRとするとき、0.0
01<(tanθ)/R<0.004、かつ、該最広幅
ベルト層の端部Sが該法線TLよりタイヤ幅方向内側に
位置するタイヤであって、(a)該ベルト・コードの空
間率が35%以上50%未満で、かつ(b)該ベルトの
1層当たりの総強力が4000kg以上7500kg未
満であることを特徴とする建設車両用空気入りベルテッ
ド・バイアス・タイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6243695A JPH08108708A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6243695A JPH08108708A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08108708A true JPH08108708A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17107618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6243695A Pending JPH08108708A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08108708A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005212742A (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 重荷重用タイヤ |
JP2011207272A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りバイアスタイヤ |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP6243695A patent/JPH08108708A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005212742A (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 重荷重用タイヤ |
JP2011207272A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 重荷重用空気入りバイアスタイヤ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10857841B2 (en) | Pneumatic tire | |
WO2007010672A1 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
US11254167B2 (en) | Pneumatic tyre | |
EP2231423B1 (en) | Heavy load vehicle tire having an improved belt structure | |
JP2011162023A (ja) | 空気入りタイヤ | |
US20100206452A1 (en) | Heavy load vehicle tire | |
JPH07112763B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JPH0725203A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2004268820A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2017222209A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JPH11348509A (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
JP2006103397A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4485194B2 (ja) | 重車両用タイヤ | |
JPH08108708A (ja) | 建設車両用空気入りベルテッド・バイアス・タイヤ | |
JP2001301420A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5217902B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JPH0958212A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4628080B2 (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
JP2978627B2 (ja) | 建設車両用空気入りベルテッドバイアスタイヤ | |
JPH03200403A (ja) | 荒地走行重車両用ラジアルタイヤ | |
JP2718968B2 (ja) | 高内圧重荷重用ラジアルタイヤ | |
JP3995587B2 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
JP3545527B2 (ja) | 大型重荷重用空気入りバイアス・タイヤ | |
JPH1178422A (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
EP1659001A2 (en) | Pneumatic tire |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040406 |