JPH1178422A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りタイヤ

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JPH1178422A
JPH1178422A JP9236956A JP23695697A JPH1178422A JP H1178422 A JPH1178422 A JP H1178422A JP 9236956 A JP9236956 A JP 9236956A JP 23695697 A JP23695697 A JP 23695697A JP H1178422 A JPH1178422 A JP H1178422A
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JP
Japan
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tire
groove
circumferential
tread
belt
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JP9236956A
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Mie Kaneko
美恵 金子
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレッド側方領域内にディフェンスグルーブ
を配設した重荷重用空気入りタイヤにおいて、該領域で
の偏磨耗抑制効果を高めつつ、円周細溝の溝底で発生し
補強ベルトの最外層の端部に進展しがちなテアーを有効
に防止する。 【解決手段】 カーカス3 のクラウン部4 の外周に、交
差ベルト9 を含む補強ベルト10と、トレッド側方領域内
に円周細溝14とを配設したトレッド部とを有し、タイヤ
幅方向断面にて、円周細溝14のトレッド開口幅の中心位
置Oをトレッド端位置Pからタイヤ幅方向に測った距離
aが、トレッド半幅TW/2の10〜15%であり、円周細溝14
の溝深さbは、円周主溝11の溝深さhの70〜100 %であ
り、外側傾斜ベルト層7 の端縁位置Qは、円周細溝14の
溝底位置Rよりもタイヤ幅方向外側にあり、かつ円周細
溝14の溝底位置Rからのタイヤ径方向距離cが7mm 以
上、前記溝底位置Rからのタイヤ幅方向距離dが5mm 以
上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トレッド側方領
域における偏磨耗を抑制するため、該領域内にタイヤ円
周に沿う円周細溝、いわゆるディフェンスグルーブを配
設したトラックやバスなどに使用される重荷重用空気入
りタイヤに関するものであり、特に、この種のタイヤに
おいて円周細溝の溝底で発生し、さらに補強ベルトの最
外層の端縁にまで達するゴム亀裂、いわゆるテアーを有
効に防止する。
【0002】
【従来の技術】トラックやバスなどに使用される重荷重
用空気入りタイヤは、トレッド中央領域に比べてトレッ
ド側方領域に荷重が集中する傾向にあるため、トレッド
側方領域に位置する陸部、特にタイヤ円周に沿って延び
るリブ状陸部で偏磨耗が生じやすい。
【0003】かかる偏磨耗を抑制するための手段として
は、トレッド側方域内にタイヤ円周に沿って配設した円
周細溝を配設することが有用であり、この円周細溝は、
偏磨耗を抑制する効果を十分に発揮するため、通常は、
円周細溝をトレッド端位置に極力近接させて配設する。
【0004】具体的には、トレッド端位置からタイヤ幅
方向に沿って測定した円周細溝のトレッド開口幅の中心
位置までの距離が、トレッド半幅の2〜6%程度になる
位置に円周細溝を配設するのが一般的であり、このよう
なタイヤとしては特開平5-185809号公報に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上掲公
報に開示されたタイヤのように、円周細溝をトレッド端
位置に極力近接させて配設した場合には、円周細溝の溝
底を起点としてゴム亀裂、いわゆるテアーが発生しがち
であり、この発生確率は、円周細溝をトレッド端位置に
近接させて配設するほど高くなることが発明者の調査に
よって判明した。
【0006】この理由は、円周細溝をトレッド端位置に
近接させて配設するほど、トレッド端と円周細溝とで区
分された陸部部分の剛性が小さくなり、そのため、円周
細溝の溝底を中心とする該陸部部分の動きが大きくなる
ことに伴って、円周細溝の溝底に応力が集中するためで
あると考えられる。
【0007】そのため、発明者が、テアーを抑制するた
めの検討を行ったところ、以下の知見を得た。すなわ
ち、円周細溝は、その配設位置及び溝深さを適正に設定
すれば、円周細溝をトレッド端位置に従来のように極力
近接させて配設しなくても十分な偏磨耗抑制効果が得ら
れるとともに、円周細溝の溝底でのテアーの発生を抑制
できることを見出した。
【0008】また、円周細溝の溝底に発生するテアー
は、この溝底位置と、補強ベルトの端縁位置、特に交差
ベルトを構成する傾斜ベルト層のうち、タイヤ径方向外
側に位置する傾斜ベルト層(以下「外側傾斜ベルト層」
という。)の端縁位置とが近接している場合にこれらの
間を結ぶ方向に進展しやすいことが判明し、発明者がさ
らに鋭意検討を進めた結果、このテアーの進展は、円周
細溝の溝底位置を、外側傾斜ベルト層の端縁位置との関
係で適正化を図れば抑制できることがわかった。
【0009】そこで、この発明は、円周細溝の配設位置
及び溝深さの適正化を図るとともに、円周細溝の溝底位
置を、外側傾斜ベルト層の端縁位置との関係で適正化を
図ることにより、トレッド側方領域での偏磨耗を十分に
抑制しつつ、円周細溝の溝底におけるテアーの発生及び
外側傾斜ベルト層の端縁への進展を有効に防止した重荷
重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、一対のビードコア間でトロイド状に延
びるカーカスのクラウン部外周に、2層以上のコードゴ
ム引き層で構成され、これらコードゴム引き層のうちの
少なくとも2層がタイヤ赤道面に対し傾斜したコード配
列になる傾斜ベルト層であって、これら傾斜ベルト層の
うちの隣接する2層の傾斜ベルト層がタイヤ赤道面を挟
んで互いに交差するコード配列になる交差ベルトを形成
してなる補強ベルトと、タイヤ円周に沿って延びる複数
本の円周主溝、並びにトレッド端、及び前記円周主溝の
うち最もトレッド端側に位置する円周主溝の間にタイヤ
円周に沿って延びる円周細溝を配設してなるトレッド部
とを有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅
方向断面にて、円周細溝のトレッド開口幅の中心位置
を、これに近い側のトレッド端位置からタイヤ幅方向に
沿って測定した距離が、トレッド半幅の10〜15%であ
り、円周細溝の溝深さは、円周主溝の溝深さの70〜100
%であり、交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうち、
外側傾斜ベルト層の端縁位置は、円周細溝の溝底位置よ
りもタイヤ幅方向外側にあり、かつ円周細溝の溝底位置
からタイヤ径方向に沿って測定した距離が7mm 以上、前
記溝底位置からタイヤ幅方向に沿って測定した距離が5m
m 以上であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ
である。
【0011】尚、トレッド端位置とは、トレッド端が角
張っていれば位置が明確であるため問題はないが、タイ
ヤによっては図2に示すように曲面部分である場合があ
る。従って、その場合におけるトレッド端位置は、図2
に示すようにトレッド部踏面の輪郭線を延長した線とバ
ットレス部外面の輪郭線を延長した線との交点位置Pを
意味することとする。
【0012】また、ここでいう円周細溝とは、両トレッ
ド端間を3等分したときの真ん中の領域を中央領域、両
側の領域を側方領域とすれば、前記側方領域内に偏磨耗
を抑制するために設けた溝であって、かつ溝幅が0.7 〜
2.5 mmの狭幅の溝をいうこととする。
【0013】さらに、外側傾斜ベルト層の端縁位置を、
円周細溝の溝底位置からタイヤ径方向に沿って測定した
距離cとは、前記端縁位置と前記溝底位置とをそれぞれ
タイヤ幅方向内側に移動させてタイヤ赤道面上に投影し
たときの2点間距離を意味し、また、外側傾斜ベルト層
の端縁位置を、円周細溝の溝底位置からタイヤ幅方向に
沿って測定した距離dとは、前記端縁位置と前記溝底位
置とをそれぞれタイヤ径方向内側に移動させて子午断面
上に投影したときの2点間距離を意味する(図2参
照)。尚、外側傾斜ベルト層は厚みを有するので、ここ
でいうところの外側傾斜ベルト層の端縁位置とは、図2
に示すように外側傾斜ベルト層の外面上の端縁位置Qを
いうこととする。
【0014】また、この発明は、補強ベルトが、最内
層、中間層及び最外層の3層の傾斜ベルト層からなり、
交差ベルトを中間層と最外層とで形成した重荷重用空気
入りタイヤの場合に特に顕著な効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に従う重荷重用
空気入りタイヤの代表的な幅方向半断面を示したもので
あり、図中1は重荷重用空気入りタイヤ、2はビードコ
ア、3はカーカス、4はカーカスのクラウン部、5〜7
は傾斜ベルト層、8はタイヤ赤道面、9は交差ベルト、
10は補強ベルト、11及び12は円周主溝、13はトレッド
端、14は円周細溝、15はトレッド部である。
【0016】この図に示すタイヤ1は、一対のビードコ
ア2間でトロイド状に延びるカーカス3のクラウン部4
の外周に、補強ベルト10とトレッド部15とを有する。補
強ベルト10は、2層以上のコードゴム引き層5、6、7
で構成され、これらコードゴム引き層5、6、7のうち
の少なくとも2層がタイヤ赤道面8に対し傾斜したコー
ド配列になる傾斜ベルト層5、6、7であって、これら
傾斜ベルト層5、6、7のうちの隣接する2層の傾斜ベ
ルト層6、7が、タイヤ赤道面を挟んで互いに交差する
コード配列になる交差ベルト9を形成したものである。
【0017】尚、図1では、コードゴム引き層の全てが
傾斜ベルト層の場合を示したが、かかる構成には限定さ
れない。例えば、タイヤ円周に沿うコード配列になる広
幅又は狭幅の周方向ベルト層をコードゴム引き層として
配設してもよく、コードゴム引き層の種類及び枚数等に
ついては用途に応じて適宜選択することができる。
【0018】トレッド部15は、タイヤ円周に沿って延び
る複数本の円周主溝11、12を配設するとともに、トレッ
ド端13と、前記円周主溝11、12のうち最もトレッド端13
側に位置する円周主溝12との間にタイヤ円周に沿って延
びる円周細溝14を配設したものである。
【0019】そして、この発明の主な特徴は、円周細
溝14の配設位置及び溝深さbの適正化を図ること、及
び、円周細溝14の溝底位置Rを、交差ベルト9を構成
する外側傾斜ベルト層7の端縁位置Qとの関係で適正に
配置することにある。
【0020】具体的には、図1のタイヤの要部を拡大し
たものを図2に示すが、この図に示すように、タイヤ幅
方向断面にて、円周細溝14のトレッド開口幅の中心位置
Oを、これに近い側のトレッド端位置13からタイヤ幅方
向に沿って測定した距離aが、トレッド半幅TW/2の10〜
15%であり、円周細溝14の溝深さbは、円周主溝11の溝
深さhの70〜100 %であり、外側傾斜ベルト層7の端縁
位置Qは、円周細溝14の溝底位置Rよりもタイヤ幅方向
外側にあり、かつ円周細溝14の溝底位置Rからタイヤ径
方向に沿って測定した距離cが7mm 以上、前記溝底位置
Rからタイヤ幅方向に沿って測定した距離dが5mm 以上
になるように設定することにある。
【0021】以下に、この発明が上記構成に限定した理
由を説明する。図3は、タイヤサイズが295/75 R22.5で
あり、トレッド端位置13からの距離aが異なる円周細溝
を配設した種々のタイヤについて、テアーと偏磨耗につ
いて評価した結果を示すものであり、これらを、前記距
離aのトレッド半幅TW/2(114.7mm) に対する割合X
(%) を横軸としてプロットしたものである。尚、上記
タイヤは、いずれも円周主溝の溝深さh(17.9mm) に対
する円周細溝の溝深さb(17.9mm) の割合Yを100 %
(一定)とした。
【0022】図3から、前記距離aのトレッド半幅TW/2
に対する割合Xは、10%未満だとテアーが生じやすくな
り、また、15%を超えると偏磨耗が生じやすくなること
がわかる。従って、この発明では前記割合Xは10〜15%
に限定した。
【0023】図4は、円周主溝の溝深さh(17.9mm) に
対する円周細溝の溝深さbの割合Y(%)が異なる種々
のタイヤについて、テアーと偏磨耗について評価した結
果を示すものであり、上記タイヤはいずれも前記割合X
を12%(一定)とした。
【0024】図4から、円周主溝の溝深さhに対する円
周細溝の溝深さbの割合Yは、70%未満だと偏磨耗を十
分に抑制できなくなり、また、100 %を超えるとテアー
が生じやすくなることがわかる。従って、この発明で
は、前記割合Yは70〜100 %に限定した。
【0025】図5及び図6は、円周主溝の溝底位置を、
外側傾斜ベルト層の端縁位置に対してそれぞれタイヤ径
方向とタイヤ幅方向に変化させたときの、円周細溝の溝
底と外側傾斜ベルト層の端縁との間をつなぐテアー発生
率(%)をプロットしたものである。尚、図5は外側傾
斜ベルト層7の端縁位置Qと、円周細溝の溝底位置Rか
らタイヤ幅方向に沿って測定した距離dを7mm( 一定)
とし、また、図6は外側傾斜ベルト層7の端縁位置Q
と、円周細溝の溝底位置Rからタイヤ径方向に沿って測
定した距離cを10mm( 一定) とした。
【0026】図5から、前記距離cが7mm未満であると
きに、円周細溝の溝底と外側傾斜ベルト層の端縁との間
をつなぐテアーが発生することがわかる。従って、前記
距離cは7mm以上に限定した。
【0027】図6から、前記距離dが−10〜+5mmであ
るときに、円周細溝の溝底と外側傾斜ベルト層の端縁と
の間をつなぐテアーが発生することがわかる。尚、前記
距離dが負の値である場合には、走行成長による偏磨耗
量が著しく多くなることから、この発明では前記距離d
を5mm以上に限定した。
【0028】この発明は、上述した構成に限定すること
によって、トレッド側方領域で生じがちな偏磨耗を有効
に抑制することができ、しかも、トレッド側方領域内に
円周細溝を配設した従来タイヤにおいて円周細溝の溝底
で発生しがちであったテアーが抑制されるとともに、円
周細溝の溝底に発生したテアーがさらに外側傾斜ベルト
層の端縁へ進展するのも有効に抑制することができる。
【0029】尚、この発明は、補強ベルト10が、最内層
5、中間層6及び最外層7の3層の傾斜ベルト層からな
る場合、又は、図1に示すようにこれら層5〜7に加え
て、さらに最外層7上に狭幅の補助層16を設けた4層の
傾斜ベルト層からなる場合であって、交差ベルト9を中
間層6及び最外層7とで形成した重荷重用空気入りタイ
ヤの場合に特に顕著な効果を奏する。その理由は、交差
ベルトを構成する最外層7の周方向の動きが大きいから
である。
【0030】上述したところは、この発明の実施形態の
一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更
を加えることができる。
【0031】
【実施例】次に、この発明に従う重荷重用空気入りタイ
ヤを試作し、性能を評価したので以下に説明する。実施
例及びは、いずれもタイヤサイズが295/75 R22.5で
あり、図1に示すような幅方向断面を有し、補強ベルト
10が、タイヤ赤道面に対する角度がそれぞれR40 °、R7
2 °、L72 °、L72 °(Rは右上がり、Lは左上がりを
意味する。)であるスチールコードのゴム引き層からな
る最内層5、中間層6、最外層7及び補助層16の4層の
傾斜ベルト層で構成され、中間層6及び最外層7とで交
差ベルト9を形成したものである。トレッド部15には、
溝幅4本の円周主溝11,12(トレッド開口幅:13.1mm、
溝深さh:17.9mm) と、各トレッド側方域に各1本の円周
細溝14(トレッド開口幅:2.5 mm、溝深さb:17.9mm) と
を配設した。また、前記距離aのトレッド半幅TW/2(11
4.7mm) に対する割合X(%)、円周細溝の溝深さbの
円周主溝の溝深さhに対する割合Y(%)、前記距離c
(mm)、及び前記距離d(mm) については表1に示す。そ
の他のタイヤ構造については、一般的なバス用タイヤと
ほぼ同様なものを使用した。
【0032】尚、参考のため、従来例と、前記割合X、
前記割合Y、前記距離c及び前記距離d の少なくとも1
つがこの発明の適正範囲外である比較例1〜3について
も実施例と同様に試作し、性能を評価したので表1に併
せて示してある。
【0033】(性能評価)上記各供試タイヤの偏磨耗と
テアーについての評価を行った。偏磨耗については、実
地投入を行い、一般路で2万km走行した後、偏摩耗量
を測定し、偏磨耗指数によって評価した。
【0034】テアーについては、実施投入を行い、一般
路で2万km走行した後、溝底キレツ長さを測定し、こ
れらの測定値によって、円周細溝の溝底でテアーが発生
する段階(テアー初期段階)と、前記溝底で発生したテ
アーがさらに進展して外側傾斜ベルト層の端縁につなが
る段階(テアー末期段階)について評価した。
【0035】表1にこれらの評価結果を示す。尚、表1
中の数値は偏磨耗及びテアーのいずれも従来例を100 と
した指数比で示してあり、これらの数値はいずれも大き
いほど優れている。
【0036】
【表1】 *1:テアー初期段階 *2:テアー末期段階
【0037】表1の評価結果から明らかなように、実施
例及びは、従来例よりも偏磨耗とテアーの両性能と
も優れていた。また、比較例1〜3は、偏磨耗とテアー
のうちのいずれか1方の性能が従来例よりも劣ってい
た。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、トレッド側方領域で
の偏磨耗を抑制するために該領域内に円周細溝を配設し
た従来タイヤに比べて、前記偏磨耗を有効に抑制するこ
とができ、しかも、この従来タイヤにおいて、円周細溝
の溝底に発生しがちであったテアーの発生を有効に抑制
でき、さらに前記溝底にテアーが発生した場合であって
も、このテアーが外側傾斜ベルト層の端縁につながる進
展をも有効に防止することができ、これによって耐久性
に優れた重荷重用空気入りラジアルタイヤの提供が可能
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う重荷重用空気入りタイヤの代表
的な幅方向半断面である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】前記距離aのトレッド半幅TW/2に対する割合X
(%)に対して偏磨耗とテアーの良否をプロットした図
である。
【図4】円周主溝の溝深さhに対する円周細溝の溝深さ
bの割合Y(%)に対して偏磨耗とテアーの良否をプロ
ットした図である。
【図5】前記距離cと、円周細溝の溝底と外側傾斜ベル
ト層の端縁との間をつなぐテアー発生率(%) をプロッ
トした図である。
【図6】前記距離dと、円周細溝の溝底と外側傾斜ベル
ト層の端縁との間をつなぐテアー発生率(%)をプロッ
トした図である。
【符号の説明】
1 重荷重用空気入りタイヤ 2 ビードコア 3 カーカス 4 カーカスのクラウン部 5〜7 傾斜ベルト層 8 タイヤ赤道面 9 交差ベルト 10 補強ベルト 11,12 円周主溝 13 トレッド端 14 円周細溝 15 トレッド部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコア間でトロイド状に延び
    るカーカスのクラウン部外周に、2層以上のコードゴム
    引き層で構成され、これらコードゴム引き層のうちの少
    なくとも2層がタイヤ赤道面に対し傾斜したコード配列
    になる傾斜ベルト層であって、これら傾斜ベルト層のう
    ちの隣接する2層の傾斜ベルト層がタイヤ赤道面を挟ん
    で互いに交差するコード配列になる交差ベルトを形成し
    てなる補強ベルトと、タイヤ円周に沿って延びる複数本
    の円周主溝、並びにトレッド端、及び前記円周主溝のう
    ち最もトレッド端側に位置する円周主溝の間にタイヤ円
    周に沿って延びる円周細溝を配設してなるトレッド部と
    を有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、 タイヤ幅方向断面にて、円周細溝のトレッド開口幅の中
    心位置(O)を、これに近い側のトレッド端位置(P)
    からタイヤ幅方向に沿って測定した距離(a)が、トレ
    ッド半幅(TW/2) の10〜15%であり、 円周細溝の溝深さ(b)は、円周主溝の溝深さ(h)の
    70〜100 %であり、 交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうち、タイヤ径方
    向外側に位置する傾斜ベルト層の端縁位置(Q)は、円
    周細溝の溝底位置(R)よりもタイヤ幅方向外側にあ
    り、かつ円周細溝の溝底位置(R)からタイヤ径方向に
    沿って測定した距離(c)が7mm 以上、前記溝底位置
    (R)からタイヤ幅方向に沿って測定した距離(d)が
    5mm 以上であることを特徴とする重荷重用空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 補強ベルトが、最内層、中間層及び最外
    層の3層の傾斜ベルト層からなり、交差ベルトを中間層
    と最外層とで形成してなる請求項1記載の重荷重用空気
    入りタイヤ。
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