JP2011205394A - 半導体素子の駆動回路、および駆動回路を有する半導体装置 - Google Patents

半導体素子の駆動回路、および駆動回路を有する半導体装置 Download PDF

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久典 長瀬
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Abstract

【課題】本発明は、ゲート−ソース間において所定電圧を超えると急峻な電流が流れるダイオード特性を示す半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、過電圧、過電流、過消費電力を防止する保護機能と、当該半導体素子の損失を低減する機能を有する駆動回路の提供を目的とする。
【解決手段】駆動回路におけるゲート制御手段(2,12,22,32)は、ゲート−ソース間において所定電圧を超えると急峻な電流が流れるダイオード特性を示す半導体素子(1)の動作状態を検出する動作状態検出手段(4,5,6)から入力された半導体素子の動作状態を示す信号に応じて、半導体素子のゲートに供給する電圧または電流を制御するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゲートにp型領域またはショットキー接合を有する電極を用いた電界効果トランジスタ(FET)などの半導体素子に対する、導通状態での過電圧、過電流、過電力に対する保護機能を備えた駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置に関するものである。
近年、パワー半導体素子としてGaN系化合物半導体素子を用いたFETが注目を浴びている。このようなGaN系FETは、従来のSi系半導体素子などに比べて材料特性が優れており、例えばSi系MOSFETに比べて消費電力が数分の一程度まで低減できる可能性を持っている。しかし、ゲートにp型領域を用いたGaN系FETにおいては、ドレイン−ソース間電圧(Vds)の増加に伴い素子損失が増大するという課題が存在している。また、ショットキー接合を有する電極を用いたFETにおいても、ドレイン−ソース間電圧(Vds)の増加に伴い素子に過電流が流れて素子損失が増加するという同様の課題を有している。
上記のようなGaN系FETの技術の一例としては特許文献1などに開示されており、素子損失の増加を検知する技術に関しては特許文献2などに開示されている。また、ショットキー接合を有する電極を用いたFETの一例としては特許文献3に開示されている。以下に特許文献1に開示されたGaN系FET、および特許文献2に開示されたSi系半導体素子に対する過電流抑制回路ついて説明する。
図15はゲートにp型領域を用いたGaN系FETの構造の一例を示す断面図である。図15において、Si単結晶の半絶縁性基板101上には、下から順にGaNバッファ層102、i型GaN層103、n型AlGaN層104、p型GaN層105がエピタキシャル成長などにより形成されている。また、n型AlGaN層104上には、ソース106およびドレイン108の各電極が形成されており、p型GaN層105上には、ゲート107の電極が形成されている。このように形成されたGaN系FETにおいて、ゲート107の下がpn接合構造となっており、ゲート107に電圧を印加するとn型AlGaN層104とi型GaN層103との間のへテロ接合界面に2次元電子ガス層103aが形成されて、電子の高速移動動作およびドレイン−ソース間電流の制御が実現される。
図16は、Si系半導体素子に対する過電流抑制回路を備えた従来の電力用半導体装置の一例を示す回路図である。図16の電力用半導体装置において、駆動電圧Vinが印加される駆動電圧端子INと、出力電圧Voが取り出される出力端子OUTの間には、Si系半導体素子である出力トランジスタ202のエミッタ−コレクタ間が接続されている。また、図16に示す従来の電力用半導体装置には、出力用トランジスタ202の他に、出力用トランジスタ202のベースを駆動制御する駆動回路201と、出力用トランジスタ202の出力電流Iocを検出する検出用抵抗素子217と、出力用トランジスタ202のコレクタ−エミッタ間電圧検出回路240と、コレクタ−エミッタ間電圧検出回路240の検出値に応じて出力電流Iocの過電流制限値を制御する過電流抑制回路230が具備されている。
図17は図16に示した従来の電力用半導体装置における出力用トランジスタ202の安全動作領域を表す特性図である。コレクタ−エミッタ間電圧検出回路240と過電流抑制回路230の連動作用により、出力用トランジスタ202のコレクタ−エミッタ間電圧(Vce)と出力電流Iocは、図17における安全動作領域SOA(Safe Operation Area)の範囲内で動作する。したがって、出力用トランジスタ202のコレクタ−エミッタ間電圧Vceおよび出力電流Iocのぞれぞれは、所定の値以下に制限されて、出力トランジスタ202の過電圧、および過電流が保護されている。なお、安全動作領域SOAにおける傾斜部Sの勾配は、回路定数の設定により決定され、出力用トランジスタ202の消費電力の制限曲線を近似したものとなっている。したがって、図16に示した従来の電力用半導体装置は、過消費電力保護としても動作している。もし、外部負荷などの短絡などにより出力電流Iocが図17の領域SOAから逸脱した場合には、駆動回路201が出力トランジスタ202をオフ状態に制御して、出力トランジスタ202の動作を停止するよう構成されている。
特開平11−261053号 特開2003−78362号 特開2006−135241号
図15において、n型AlGaN層104およびp型GaN層105でpn接合が形成されており、n型AlGaN層104の一端がソース106の電極と接している。通常、ソース106を接地し、ゲート107への印加電圧をドレイン108への印加電圧よりも低い状態で使用するため、ゲート107とソース106間はダイオードが形成された状態になっている。
なお、n型AlGaN層104がアンドープのAlGaN層であっても、2次元電子ガス層103aとp型GaN層105にはダイオードが形成された状態となるため、ゲート107とソース106間はダイオードが形成された状態となる。
図18の(a)は、図15に示したゲートにp型領域を用いたGaN系FETにおけるゲート−ソース間電圧(Vgs)と、ゲート−ソース間電流(Igs)と間の特性曲線の一例を示すグラフである。図18の(a)に示すように、加える電圧と流れる電流の大きさにより等価抵抗が異なる一般的なダイオードの電圧−電流特性と似た特性となっており、ゲート−ソース間電圧(Vgs)がある電圧を超えるとゲート−ソース間電流(Igs)は急激に増大している。但し、ゲート−ソース間電圧(Vgs)とゲート−ソース間電流(Igs)の間はそれぞれ1対1で一意に対応している。
図18の(b)は、半導体素子において、ゲートにp型領域を用いたGaN系FETのドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との間の特性曲線の一例を示すグラフである。
図18の(b)において、ゲート−ソース間電圧(Vgs)が3Vで固定(すなわち、ゲート−ソース間電流(Igs)も一定)である場合、例えば電流値Iaで示す負荷電流がドレイン−ソース間電流(Ids)として流れ、そのときのドレイン−ソース間電圧(Vds)は電圧値Vaで示す出力電圧となる。ここで、外部負荷の変化などにより、ドレイン−ソース間電流(Ids)である負荷電流が電流値Iaから電流値Ibに変化した場合、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は電圧値Vaから電圧値Vbに変化して大幅に増加する。これにより、当該半導体素子の消費電力は、(Va・Ia)から(Vb・Ib)となる。その消費電力の大きさは、図18の(b)において各斜線で示す面積として表され、負荷変動により消費電力が顕著に増加していることが理解できる。
一方、ゲート−ソース間電圧(Vgs)が4Vで固定である場合において、例えば負荷電流としてドレイン−ソース間電流(Ids)が同様に電流値Ibだけ流れていたとき、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は電圧値Vcとなっている。
図18の(b)に示す特性曲線において、ゲート−ソース間電圧(Vgs)が3Vの場合と4Vの場合でその消費電力を比較した場合、(Vb・Ib)>(Vc・Ib)であり、同一のドレイン−ソース間電流(Ids)であれば明らかにゲート−ソース間電圧(Vgs)の大きいほうが、消費電力が小さいことが理解できる。しかし、このGaN系FETにおいては、図18の(a)に示したように、ゲート−ソース間電圧(Vgs)を3Vから4Vに増やした場合、ゲート−ソース間電流(Igs)が急激に増加することが示されている。このようなゲート−ソース間電流(Igs)の急激な増加はゲートに電流を供給する駆動回路に大きな負担となり、半導体素子自体や駆動回路の損失が増加し、高速スイッチング時の立ち上り特性が悪化するといった大きな問題を有していた。
また、特許文献3に開示されたショットキー接合を有する電極を用いたFETにおいても、上記のゲートにp型領域を用いたGaN系FETと同様に、ゲート−ソース間において所定電圧を超えると急峻な電流が流れるダイオード特性を示し、ゲートに電流を供給する駆動回路において大きな負担となり、半導体素子自体や駆動回路の損失が増加し、高速スイッチング時の立ち上り特性が悪化するといった同様の問題を有していた。
図16に示した過電流抑制回路を備えた従来の電力用半導体装置では、前述のように、出力トランジスタの過電圧、過電流、過消費電力を検知して、過電圧、過電流、過消費電力の状態を検知した時には出力トランジスタを直ちに遮断動作(オフ動作)するよう構成されている。したがって、図16に示した従来の電力用半導体装置の構成では、異常状態によっては出力トランジスタの遮断動作後、電圧、電流が直ちにゼロになるため、出力トランジスタの駆動動作が再開されると、再び過電圧、過電流、過消費電力が検知されて、遮断動作が行われるというような、遮断動作と駆動動作が繰り返される可能性があった。
本発明は上記のような従来の装置における事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどの半導体素子に対する駆動回路において、前記半導体素子の消費電力増加を当該半導体素子の入力−出力端子間電圧、出力電流から検知し、あるいは入力−出力端子間電圧と出力電流から消費電力を検知して、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、導通時の過電圧、過電流、過消費電力を防止する保護機能と、当該半導体素子の損失を低減する機能とを有した駆動回路、およびそのような駆動回路を有する半導体装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明に係る第1の観点の半導体素子の駆動回路は、
ゲート−ソース間において所定電圧を超えると急峻な電流が流れるダイオード特性を示す半導体素子の動作状態を検出する動作状態検出手段と、
前記動作状態検出手段から前記半導体素子の動作状態を示す信号が入力され、前記半導体素子の動作状態を示す信号に応じて、前記半導体素子のゲートに供給する電圧または電流を制御するゲート制御手段と、を具備するものである。このように構成された本発明に係る第1の観点の半導体素子の駆動回路は、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図ることができる。
本発明に係る第2の観点の半導体素子の駆動回路においては、前記の第1の観点における前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段で構成され、
前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が切り替え基準電圧設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成しても良い。このように構成された本発明に係る第2の観点の半導体素子の駆動回路は、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧から消費電力の増減を判断し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の導通時の過電圧、過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成することができる。
本発明に係る第3の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第2の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が所定周期毎に入力され、
前記電圧測定値が第1の切り替え基準電圧設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
前記電圧測定値が第2の切り替え基準電圧設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成しても良い。
本発明に係る第4の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第2または第3の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が入力され、
前記電圧測定値が上限基準電圧設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成しても良い。
本発明に係る第5の観点の半導体素子の駆動回路においては、前記の第1の観点における前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段で構成され、
前記半導体素子の出力電流の電流測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記半導体素子の出力電流の電流測定値が切り替え基準電流設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成しても良い。このように構成された本発明に係る第5の観点の半導体素子の駆動回路は、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の出力電流から消費電力の増減を判断し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の導通時の過電流、過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成することができる。
本発明に係る第6の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第5の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電流検出手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値が所定周期毎に入力され、
前記電流測定値が第1の切り替え基準電流設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
前記電流測定値が第2の切り替え基準電流設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成しても良い。
本発明に係る第7の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第5または第6の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電流検知手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値が入力され、
前記電流測定値が上限基準電流設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成しても良い。
本発明に係る第8の観点の半導体素子の駆動回路においては、前記の第1の観点における前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段と、
前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段と、
前記電圧検出手段からの入力−出力間電圧の電圧測定値と、前記電流検出手段からの出力電流の電流測定値とにより、前記半導体素子の消費電力を測定する電力検出手段と、で構成され、
前記半導体素子の消費電力測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記半導体素子の消費電力測定値が切り替え基準電力設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成しても良い。このように構成された本発明に係る第8の観点の半導体素子の駆動回路は、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧と出力電流から消費電力を測定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の導通時過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成することができる。
本発明に係る第9の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第8の観点における前記ゲート制御手段は、
前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が所定周期毎に入力され、
前記消費電力測定値が第1の切り替え基準電力設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
前記消費電力測定値が第2の切り替え基準電力設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成してもよい。
本発明に係る第10の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第8または第9の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が入力され、
前記消費電力測定値が上限基準電力設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成しても良い。
本発明に係る第11の観点の半導体素子の駆動回路においては、前記の第1の観点における前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段と、
前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段と、
前記電圧検出手段からの入力−出力間電圧の電圧測定値と、前記電流検出手段からの出力電流の電流測定値とにより、前記半導体素子の消費電力を測定する電力検出手段と、で構成され、
前記ゲート制御手段は、
前記電圧検出手段による電圧測定値が切り替え基準電圧設定値を少なくとも超えた時、前記電流検出手段による電流測定値が切り替え基準電流設定値を少なくとも超えた時、または前記電力検出手段による消費電力測定値が切り替え基準電力設定値を少なくとも超えた時、のいずれかの時において前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成しても良い。このように構成された本発明に係る第11の観点の半導体素子の駆動回路は、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧、当該半導体素子の出力電流、あるいは当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧と出力電流から消費電力を測定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の導通時の過電圧、過電流、過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成することができる。
本発明に係る第12の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第11の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値、前記電流検出手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値、および前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が入力され、
前記電圧測定値が切り替え基準電圧設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第1の動作、前記電流測定値が切り替え基準電流設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第2の動作、または前記消費電力測定値が第1の切り替え基準電力設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第3のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第3の動作、のいずれかの動作をゲート電流の大きさにより選択して実施するためのセレクタを有し、
前記セレクタの選択動作に関係なく、前記消費電力測定値が第2の切り替え基準電力設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第4のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成しても良い。
本発明に係る第13の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第11または第12の観点における前記ゲート制御手段が、
前記電圧測定値が上限基準電圧設定値以上の時以降、前記電流測定値が上限基準電流設定値以上の時以後、および前記消費電力測定値が上限基準電力設定値以上の時以後においては、前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成しても良い。
本発明に係る第14の観点の半導体素子の駆動回路は、前記の第1乃至第13の観点における前記半導体素子が、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETであっても良い。
本発明に係る第15の観点の半導体装置は、前記の第1乃至第14の観点に記載の半導体素子の駆動回路および前記駆動回路により駆動制御される半導体素子を具備する。このように構成された本発明に係る第15の観点の半導体装置は、半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図ることができるとともに、半導体素子における導通時の過電圧、過電流、過消費電力を防止することができるため、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化が促進された優れた特性を有する装置となる。また、このように構成された本発明に係る半導体装置は、簡単な回路構成で構築することが可能であるため、優れた特性を有する装置を低いコストで製造することができる。
本発明によれば、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧、当該半導体素子の出力電流、あるいは当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧と出力電流から消費電力を測定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の導通時の過電圧、過電流、過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成した駆動回路および半導体装置を提供することができる。
本発明に係る実施の形態1の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図 本発明に係る実施の形態1の駆動回路におけるゲート制御部の回路構成を示すブロック図 本発明に係る実施の形態1における各部の主要信号を示す波形図 本発明に係る実施の形態1において、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図 本発明に係る実施の形態2の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図 本発明に係る実施の形態2におけるゲート制御部の回路構成を示すブロック図 本発明に係る実施の形態2における各部の主要信号を示す波形図 本発明の実施の形態2において、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図 本発明に係る実施の形態3の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3において、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図 本発明に係る実施の形態4の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図 本発明に係る実施の形態4の駆動回路におけるゲート制御部の回路構成を示すブロック図 実施の形態4の駆動回路におけるゲート電流設定部の回路構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4において、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレインソース間電流(Ids)との間の関係を示す特性図 ゲートにp型領域を用いたGaN系FETの構造の一例を示す断面図 過電流抑制回路を備えた従来の電力用半導体装置の一例を示す回路図 図16の電力用半導体装置における出力用トランジスタの安全動作領域を表す特性図 (a)は図15に示したゲートにp型領域を用いたGaN系FETにおけるゲート−ソース間電圧(Vgs)とゲート−ソース間電流(Igs)との間の特性曲線の一例を示すグラフ、(b)はドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との間の特性曲線の一例を示すグラフ
以下、本発明に係る駆動回路およびその駆動回路を用いた半導体装置の好適な実施の形態を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に記載した具体的な構成に限定されるものではなく、実施の形態において説明する技術的思想と同様の技術的思想及び当技術分野における技術常識に基づいて構成されるものを含むものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図である。図1において、実施の形態1の駆動回路により駆動制御される半導体素子であるスイッチング素子1は、ゲートにp型領域を用いたFETである。ここで「ゲートにp型領域を用いたFET」とは、半導体積層構造からなるFETであって、その半導体積層構造に接してp型半導体層があり、そのp型半導体層をゲート電極に用いるFETのことである。また、半導体積層構造において、p型半導体層に接する部分はアンドープとなっているが、n型またはp型となっていても良い。実施の形態1における半導体積層構造は、例えば窒化物半導体である。
実施の形態1の駆動回路のスイッチング素子1において、ドレインは電圧VMを出力する電源(図示省略)に接続されており、ゲートはゲート制御手段であるゲート制御部2に接続されており、ソースは負荷8の一端が接続され、負荷8の他端は接地されている。ゲート制御部2からのゲート駆動信号GSは、スイッチング素子1のゲートに入力される。スイッチング素子1のドレインおよびソースはともに保護手段である保護部3内における電圧検出手段である電圧検出部4に分岐接続されている。
本発明に係る実施の形態1において、駆動回路は、ゲート制御手段であるゲート制御部2、および電圧検出手段である電圧検出部4と、保持手段である保持部7とを有する保護手段である保護部3により構成されている。また、本発明に係る実施の形態1における半導体装置は、上記駆動回路および、当該駆動回路により駆動制御される半導体素子であるスイッチング素子1を含んで構成される。なお、本発明に係る実施の形態1において動作状態検出手段とは、半導体素子1の動作状態を検出する電圧検出部4で構成される。
保護部3における電圧検出部4は、ゲート制御部2において形成され出力する測定指示信号MNがハイ(H)となる区間のみ任意の検出手段によりドレイン−ソース間電圧(Vds)を検出する。電圧検出部4は、検出されたドレイン−ソース間電圧(Vds)に応じた電圧検出信号SVを形成して、その電圧検出信号SVをゲート制御部2に出力する。このように電圧検出信号SVを検出している間にドレイン−ソース間電圧(Vds)が所定の条件を満たした場合(実施の形態1の駆動回路においては、ドレイン−ソース間電圧(Vds)が上限電圧Vxを越えた場合)には、電圧検出部4は電圧制限検知信号SVWをハイ(H)として、その電圧制限検知信号SVWを保持部7に伝達する。保持部7は、フリップフロップなど手段により、電圧制限検知信号SVWが一度でもハイ(H)になった場合には、駆動停止信号SBをハイ(H)として、ゲート制御部2に伝送する。このとき、電圧制限検知信号SVWがハイ(H)からロー(L)に下がったとしても駆動停止信号SBはハイ(H)の状態が保持される。ゲート制御部2には、保持部7からの駆動停止信号SBが入力されるよう構成されているとともに、装置外部からの外部駆動停止信号EXSBが入力されるよう構成されている。したがって、ゲート制御部2は、駆動停止信号SBまたは外部駆動停止信号EXSBのうちの少なくともいずれかの信号がハイ(H)になった時、ゲート駆動信号GSの信号レベルを接地レベルに落としてスイッチング素子1の駆動を停止する。上記の動作において、信号のハイ(H)およびロー(L)は例示であり、信号におけるハイ(H)とロー(L)が逆であっても同様に動作するよう構成することは可能である。
図2は、本発明に係る実施の形態1の駆動回路におけるゲート制御部2の回路構成を示すブロック図である。図2において、電圧検出信号SVはコンパレータ53のプラス端子に入力され、マイナス端子には電圧Vaを出力する基準電圧源51が接続されている。また、電圧検出信号SVはコンパレータ54のマイナス端子に入力され、プラス端子には電圧Vbを出力する基準電圧源52が接続されている。基準電圧源51の出力する電圧Vaは上側切り替え電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)であり、基準電圧源52の出力する電圧Vbは下側切り替え電圧(第2の切り替え基準電圧設定値)である。
コンパレータ53,54の出力信号Ca,Cbは、それぞれがAND素子55,56に入力される。AND素子55,56のそれぞれにおいては、コンパレータ53,54の出力信号Ca,Cbと、単パルス発生器65から出力された信号出力TGがAND演算され、その演算結果が信号CaT,CbTとして単パルス発生器57,58にそれぞれ出力される。単パルス発生器57,58,65のそれぞれは、入力信号がロー(L)からハイ(H)に変化した時に所定幅を持つパルスを一つだけ発生するよう構成されている。
単パルス発生器57,58は、AND素子55,56から信号CaT,CbTが入力されて、信号CKa,CKbをそれぞれアップダウンカウンタ59に出力する。単パルス発生器57から出力された信号CKaは、アップダウンカウンタ59のカウントアップ入力CKUに入力される。また、単パルス発生器58から出力された信号CKbは、アップダウンカウンタ59のカウントダウン入力CKDに入力される。アップダウンカウンタ59は、カウントアップ入力CKU、またはカウントダウン入力CKDにパルスが入力するたびにロジック信号のパラレル出力Qoutの出力値DADn(nは添字)が変化する。たとえばカウントアップ入力CKUにパルス(CKa)が入力するたびにDAD2、DAD3、DAD4、・・・となるように変化し、逆にカウントダウン入力CKDにパルス(CKb)が入力するたびにDAD4、DAD3、DAD2・・・となるように変化する。また、DADn=DADn-1+Anとなるように設定されている。DADnとDADn-1との差Anは実施の形態1ではnによらず一定とするが、nの値により変化させても良い。
このように、アップダウンカウンタ59は、カウントアップ入力CKU、およびカウントダウン入力CKDにパルスが入力される前のパラレル出力Qoutの値にそれぞれの所定値が増加され、もしくは減少されて、新たなパラレル出力Qoutを形成する機能を持つ。アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutは、D/Aコンバータ60に入力され、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutのロジック出力値DADnは所定のアナログ信号DAOに変換されて、D/Aコンバータ60から出力される。D/Aコンバータ60から出力されたアナログ信号DAOは、アナログ信号制御による吐き出し型の可変電流源61に入力される。可変電流源61からの電流信号(Igs)は、スイッチ62を経由してゲート駆動信号GSとしてスイッチング素子1のゲートに出力される。
図2に示すように、ゲート制御部2には駆動信号発生器63が設けられている。駆動信号発生器63はスイッチング素子1の所望の動作パターン、および動作タイミングを反映したドライブ信号DSを生成する。ドライブ信号DSは、入力信号を所定の時間遅延させるディレイ回路64に入力されて、ディレイ回路64において遅延ドライブ信号DDSが生成される。遅延ドライブ信号DDSは単パルス発生器65に入力されて、単パルス信号を含む信号TGが生成される。生成された信号TGは、前述のように、AND素子55,56に入力される。
また、駆動信号発生器63から出力されたドライブ信号DSは、AND素子68に入力され、スイッチ62を駆動する信号GDSが生成される。スイッチ62は、信号GDSがハイ(H)の場合は、可変電流源61の出力がゲート駆動信号GSとしてスイッチング素子1のゲートに入力される。一方、信号GDSがロー(L)の場合には、一端が接地された抵抗69がスイッチング素子1のゲートに電気的に接続される。
また、ゲート制御部2においては、駆動信号発生器63からのドライブ信号DSと、ディレイ回路64からの遅延ドライブ信号DDSがAND素子70に入力されるよう構成されている。AND素子70において生成された測定指示信号MNは、電圧検出部4に入力される(図1参照)。
さらに、ゲート制御部2においては、前述の保持部7からの駆動停信号SB、および外部駆動停止信号EXSBがOR素子66に入力され、そのOR素子66の出力がインバータ(INV)素子67を経由してAND素子68に入力されている。AND素子68においては、駆動信号発生器63からのドライブ信号DSと、INV素子67との論理積を取ってスイッチ62を駆動制御する信号GDSが出力される。
図3は、図1および図2に示した実施の形態1の半導体装置における各部の主要信号を示す波形図である。図3の波形図においては、Vds通常時、Vds低下時、Vds上昇時、Vds限界時の4つの動作状況における各部の主要信号の波形を示している。
図4は、ゲートにp型領域を用いたFETで構成されたスイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図であり、実施の形態1におけるスイッチング素子1の動作点の遷移を説明している。
なお、前述の図18の(a)にて説明したように、このようなスイッチング素子1においてはゲート−ソース電圧(Vgs)とゲート−ソース間電流(Igs)は、1対1で一意に対応する関係にある。また、このようなスイッチング素子1においては、ダイオード特性の順方向特性が変動しやすく、ゲート−ソース間電流(Igs)毎に制御した方が動作はより安定するため、実施の形態1の駆動回路においては、ゲート−ソース間電流(Igs)毎に制御しており、図4ではゲート−ソース間電流(Igs)毎のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示している。
[駆動回路の動作]
以下、実施の形態1の駆動回路の動作を説明する。なお、ゲート制御部2においてアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値DADnに対しゲート駆動信号GSの電流量である可変電流源61の出力電流(Igs)の量In(nは添字)が対応している。なお、動作開始時(初期状態)のアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4であり、それに応じて可変電流源61の出力はIgs=I4であり、図4上では点Sの位置で表されるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の関係を有しているものとする。なお、実施の形態1においては、可変電流源61の最小出力電流および最大出力電流はそれぞれI2およびI5とする。
また、動作開始時(初期状態)においては、電圧検出部4から保持部7へ出力される電圧制限検知信号SVW、および駆動停止信号SBはともにロー(L)であり、すなわち保持部7がクリアされた状態である。図2からも明らかなように、外部駆動停止信号EXSBは駆動停止信号SBと同一極性で動作するため、説明上、動作開始時(初期状態)においては、駆動停止信号SBと同様にEXSB=Lであるものとする。また、実施の形態1においては、測定指示信号MN=Hにてドレイン−ソース間電圧(Vds)と電圧検出信号SVの電圧は説明上等しいものとする。
[Vds通常時の動作]
図3に示す波形図において、まず、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)がVb<Vds<VaであるVds通常時における駆動回路の動作について説明する。
駆動信号発生器63から発生するドライブ信号DSは、駆動停止信号SBおよび外部駆動停止信号EXSBがともにロー(L)であるため、スイッチ62を駆動する信号GDSはドライブ信号DSと同一波形となる。
スイッチ62を駆動する信号GDSがハイ(H)の時、可変電流源61から出力された電流は、変化せず(図3ではIgs=I4および図4ではIgs=I4上の点S)、ゲート駆動信号GSとしてスイッチング素子1のゲートに注入される。この結果、スイッチング素子1のドレイン−ソース間がオン状態となって通電する。一方、信号GDSがロー(L)の時、抵抗69がスイッチング素子1のゲートに接続され、スイッチング素子1のゲートの電位が低下して、スイッチング素子1はオフ状態となる。
ドライブ信号DSはディレイ回路64に入力されて、時間tdだけ遅延された遅延ドライブ信号DDSが生成される。この遅延ドライブ信号DDSとドライブ信号DSとでAND素子70により測定指示信号MNが生成される。測定指示信号MNはドライブ信号DSの立ち上りから時間tdのみ欠除したパルス波形となる。このように測定指示信号MNを形成する目的は、スイッチング素子1のスイッチング時の電圧リンギングなど瞬間過渡的な電圧状態での電圧測定を避け、過渡状態から安定状態に移行した時の確実なドレイン−ソース間電圧(Vds)を測定するためである。
測定指示信号MNがハイ(H)の間、電圧検出部4はドレイン−ソース間電圧(Vds)を測定する。電圧検出部4により電圧検出信号SVとして出力されるのは、図3における「Vds」の波形の太線部である。このときの電圧検出信号SVは、コンパレータ53,54において、下側切り替え基準電圧Vb(第2の切り替え基準電圧設定値)以上であり、上側切り替え基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)Va以下であると判定されて、それぞれの出力信号Ca,Cbはロー(L)のままである。
単パルス発生器65は、遅延ドライブ信号DDSの立ち上りのタイミングで1パルスのみの信号TGを発生する。実施の形態1においては、この信号TGのタイミングでドレイン−ソース間電圧(Vds)の大きさを判定しており、ゲート駆動電流の変更を行っている。上記のVds通常時の動作においては、AND素子55,56より下流の単パルス発生器57,58の出力信号Cka,Ckbもまたロー(L)のままとなり、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4のまま変わらない。
[Vds低下時の動作]
次に、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)がVds≦VbであるVds低下時における駆動回路の動作について説明する。
負荷8が軽くなり、ドレイン−ソース間電流(Ids)が低下してゆくとき、例えば図4において、Igs=I4の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電圧(Vds)が低下してゆく。図4において、Igs=I4の特性曲線における点Sから点Aへ移動する。このときの電圧検出信号SVは、コンパレータ53において上側切り替え基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)Va以下と判定されて、コンパレータ53の出力信号Caはロー(L)となり、且つコンパレータ54において下側切り替え基準電圧(第2の切り替え基準電圧設定値)Vb以下と判定されて、コンパレータ54の出力信号Cbはハイ(H)となる。この結果、単パルス発生器65の信号TGがハイ(H)のタイミングでAND素子56の出力信号CbTもハイ(H)となる。このため、単パルス発生器58は1パルスの信号CKbを発生させて、アップダウンカウンタ59のカウントダウン入力CKDに入力する。この結果、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4からDAD3に減少する。それに応じて可変電流源61の出力電流、すなわちゲート駆動電流IgsはI4からI3に減少する。その結果、ドレイン−ソース間電流(Ids)はほとんど変わらず、電圧検出信号SV、およびドレイン−ソース間電圧(Vds)は電圧Vb以下の領域の値から電圧Vbと電圧Vaの間の領域内の値に変化する。この変化は図3において破線で示す囲いAにおける変化であり、図4において点Aから点Bへ動作点が遷移することを示す。この遷移動作により、ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失(消費電力)は若干増加するものの、ゲート駆動電流(Igs)を低下させることができるため、実施の形態1の駆動回路においては、低負荷時のスイッチング動作の高速化と駆動回路自体の損失低減が図られる。
ドレイン−ソース間電圧(Vds)がさらに低下してゆく場合には、上記の遷移動作のプロセスが繰り返される。例えば、図3において、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は破線で示す囲いCのように変化し、図4において、動作点が点Cから点Dへ遷移して、ゲート駆動電流(Igs)がI3からI2に低下する。このような遷移動作を行うことにより、Vds低下時における低負荷時のスイッチング動作の高速化と駆動回路自体の損失低減が図られる。
[Vds上昇時の動作]
続いて、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)がVa≦Vds<VxであるVds上昇時における駆動回路の動作について説明する。
負荷8が重くなり、ドレインソース間電流(Ids)が上昇してゆくとき、例えば、図3において破線で示す囲いEに示す状態となる。この変化は、図4において、Igs=I2の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電圧(Vds)が上昇して、Igs=I2の特性曲線における点Eから点Fへ遷移する状態である。このとき、電圧検出信号SV(Vds)はコンパレータ53により上側切り替え基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)Va以上と判定され、コンパレータ53は出力信号Caをハイ(H)として出力する。また、電圧検出信号SV(Vds)はコンパレータ54により下側切り替え基準電圧Vb以上と判定され、コンパレータ54は出力信号Cbをロー(L)として出力する。単パルス発生器65の信号TGがハイ(H)のタイミングでAND素子55の出力信号CaTもハイ(H)となる。このため、単パルス発生器57は1パルスの信号CKaを生成して、アップダウンカウンタ59のカウントアップ入力CKUに入力する。この結果、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD2からDAD3に上昇する。それに応じて可変電流源61の出力電流はI2からI3に上昇する。その結果、ドレイン−ソース間電流(Ids)はほとんど変わらず、電圧検出信号SV、およびドレイン−ソース間電圧(Vds)は電圧Va以上の領域の値から電圧Vbと電圧Vaの間の領域内の値に変化する。この変化は図4において点Eから点Fへ動作点が遷移することを示す。このように高負荷時に必要なゲート駆動電流(Igs)を供給する動作において、ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失(消費電力)は大きく低減される。
ドレイン−ソース間電圧(Vds)がさらに上昇してゆく場合には、上記の遷移動作のプロセスが繰り返される。例えば、図3において、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は破線で示す囲いG,Iのように変化し、図4において、動作点が点Gから点Hへ遷移して、ゲート駆動電流(Igs)がI3からI4に上昇し、また動作点が点Iから点Jへ遷移して、ゲート駆動電流(Igs)がI4からI5に上昇する。このような遷移動作を行うことにより、Vds上昇時における高負荷時に必要なゲート駆動電流(Igs)において、スイッチング素子1の損失(消費電力)は低減される。
[Vds限界時の動作]
次に、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)がVx≦VdsであるVds限界時における駆動回路の動作について説明する。
負荷8がさらに重くなり、ドレイン−ソース間電流(Ids)がさらに上昇してゆくと、図3において破線にて示す囲いF内のように変化する。この変化は、図4において、Igs=I5の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電圧(Vds)が上昇して、例えば点Fの上限電圧(上限基準電圧設定値)に移動した状態である。このとき、ゲート駆動電流(Igs)はI5が最大の値となっているため、これ以上のゲート駆動電流(Igs)の増加はない。そのため、ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失(消費電力)は大きく上昇する。電圧検出部4の動作によりスイッチング動作時のドレイン−ソース間電圧(Vds)が上限電圧Vx以上となった場合、直ちに電圧制限検知信号SVWがハイ(H)となる。これにより、保持部7は駆動停止信号SBをハイ(H)で出力を固定する。その結果、図2に示すゲート制御部2において、INV素子67の出力がロー(L)となり、AND素子68の出力である信号GDSが、駆動信号発生器63のドライブ信号DSの波形によらずロー(L)で固定される。このため、スイッチ62は常に抵抗69に接続された状態となり、ゲート駆動信号GSおよびスイッチング素子1のゲート電位は接地電位に移行し、スイッチング動作しない状態となる。
なお、ドレイン−ソース間電圧(Vds)と電圧検出信号SVとの関係は、実施の形態1においては測定指示信号MN=Hにて等しいとしたが、実施の形態1におけるドレイン−ソース間電圧(Vds)と基準電圧Va,Vbなどとの関係が守られていれば、電圧検出信号SVの伝送形式は任意に決めてよい。また、実施の形態1は、本発明を実現する実施例の1つであって、実施の形態1以外の方式により同様の機能・効果をもたらす他の手段・方法を用いても良い。
また、実施の形態1においては、ゲート駆動電流(Igs)の上側の切り替え判定用基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)としてVaを設定し、ドレイン−ソース間電圧(Vds)の上限電圧(上限基準電圧設定値)として電圧Vxを設定している。これは、スイッチング素子1の損失制御を行う範囲と、オン状態のドレイン−ソース間電圧(Vds)の最大値を規定して、安全動作領域内で動作させる範囲とを分けるためであり、実施の形態1の駆動回路においては、ゲート駆動電流(Igs)の切り替えと、ドレイン−ソース間電圧(Vds)の電圧制限検知から駆動停止信号SBの発生までとを別機能としていた。しかし、その範囲が同一であるならば電圧検出部4内のドレイン−ソース間電圧(Vds)の上限電圧Vxの検知機能をなくしてもよい。例えば、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutが最大である場合には、ドレイン−ソース間電圧(Vds)が上側切り替え基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)Vaに達した場合に電圧制限検知信号SVWを出力するなどの方法をとってもかまわない。
また、実施の形態1においては、例では、基準電圧Va,Vbは固定としたが、さらに精密なスイッチング素子1の損失制御を行うために、基準電圧源51,52をD/Aコンバータ60が出力する信号DAOに連動して変化させる可変電圧源としても良い。また、電圧検出部4は、電圧検出信号SVを時間平均の値で出力しても良く、あるいはある一定時間以上電圧制限検知信号SVWがハイ(H)になった時に保持部7が駆動停止信号SBをハイ(H)にするように構成して、ノイズなど許容可能な短時間のドレイン−ソース間電圧(Vds)の増加は事実上無視できるように構成しても良い。
なお、実施の形態1の駆動回路は半導体素子としてゲートにp型領域を用いたFETについて説明したが、ゲートにショットキー電極を用いたFETに適用しても、同様に優れた効果を奏する。これは、ショットキー電極を用いたFETにおいても、ゲートとソースの間でダイオードが形成された状態となり、同様の問題を有しているためである。
実施の形態1の駆動回路では、ドレイン−ソース間電圧(ドレイン−ソース間電流、スイッチング素子の入力−出力端子間の消費電力など)に応じて可変電流源によりゲート電流の制御を行っているが、同様に可変電圧源などを用いてゲート電圧を制御しても同等の効果を得ることができる。
また、実施の形態1の駆動回路は、本発明を実現するための一実施例であって、実施の形態1において説明した以外の手段および方法により、同様の技術的特徴を有して、同様の機能、効果をもたらすものがあれば、その手段および方法は本発明に含まれる。
以上の構成を有する実施の形態1の駆動回路においては、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどのスイッチング素子を駆動する場合において、スイッチング素子の消費電力増加をスイッチング素子の入力−出力端子間電圧から判定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることができる構成を有している。この結果、実施の形態1の駆動回路の構成においては、高負荷時の消費電力低減および低負荷時の駆動回路の損失低減、ならびにスイッチング素子の入力−出力端子間電圧の過剰状態に対する保護が可能となり、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成した駆動回路およびこの駆動回路を用いた半導体装置を、製造コストを大幅に低減して提供することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明に係る実施の形態2の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2においても、駆動回路により駆動制御される半導体素子のスイッチング素子1としてはゲートにp型領域を用いたFETを用いて説明するが、ゲートにショットキー電極を用いたFETや、その他の半導体素子に適用して同様の効果を奏することは言うまでもない。以下の実施の形態2の説明において、前述の実施の形態1の駆動回路および半導体装置における要素と同様の機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
図5において、ゲートにp型領域を用いたFETであるスイッチング素子1のゲートには、ゲート制御手段であるゲート制御部12が接続されている。また、スイッチング素子1のドレインは、電圧VMを出力する電源(図示省略)に接続されており、ソースは電流検出部5を経由して負荷8の一端に接続され、負荷8の他端は接地されている。ゲート制御部12からのゲート駆動信号GSは、スイッチング素子1のゲートに入力される。保護手段である保護部13内における電流検出部5は、ゲート制御部12が形成する測定指示信号MNがハイ(H)となる区間のみ、シャント抵抗による電位差やホール素子によるホール電圧などの任意の手段により、ドレイン−ソース間電流(Ids)を測定する。電流検出部5は、ドレイン−ソース間電流(Ids)の大きさに応じた電流信号である電流検出信号SIを生成して、その電流検出信号SIをゲート制御部12に伝達する。このように電流検出信号SIを検出している間にドレイン−ソース間電流(Ids)が所定の条件を満たした場合(実施の形態2の駆動回路においては、ドレイン−ソース間電流(Ids)が電流Ixを越えた場合)には、電流検出部5は電流制限検知信号SIWをハイ(H)として、その電流制限検知信号SIWを保持部17に伝達する。保持手段である保持部17は、フリップフロップなどの手段により、電流制限検知信号SIWが一度でもハイ(H)になった場合には、駆動停止信号SBをハイ(H)として、ゲート制御部12に伝送される。このとき、電流制限検知信号SIWがハイ(H)からロー(L)に下がったとしても駆動停止信号SBはハイ(H)のまま保持される。ゲート制御部12には保持部17からの駆動停止信号SBが入力されるとともに、装置外部からの外部駆動停止信号EXSBが入力されるよう構成されている。したがって、ゲート制御部12は、駆動停止信号SBまたは外部駆動停止信号EXSBのうちの少なくともいずれかの信号がハイ(H)になった時、ゲート駆動信号GSの信号レベルを接地レベルに落としてスイッチング素子1の駆動を停止する。
上記の動作において、信号のハイ(H)およびロー(L)は例示であり、信号におけるハイ(H)とロー(L)が逆であっても同様に動作するよう構成することは可能である。
なお、本発明に係る実施の形態2において、駆動回路は、ゲート制御手段であるゲート制御部12、および電流検出手段である電流検出部5と、保持手段である保持部17とを有する保護手段である保護部13により構成されている。また、本発明に係る実施の形態2における半導体装置は、上記駆動回路および、当該駆動回路により駆動制御される半導体素子であるスイッチング素子1を含んで構成される。なお、本発明に係る実施の形態2において動作状態検出手段とは、半導体素子1の動作状態を検出する電流検出部5で構成される。
実施の形態2の駆動回路において、前述の実施の形態1の駆動回路と大きく異なるゲート制御部12の構成および動作について、以下説明する。図6は、本発明に係る実施の形態2のゲート制御部12の回路構成を示すブロック図である。図6において、電流検出信号SIは電流比較型コンパレータ73のプラス端子に入力され、マイナス端子には電流Ian(nは添字)を出力する可変電流源71が接続されている。また、電流検出信号SIは電流比較型コンパレータ74のマイナス端子に入力され、プラス端子には電流Ibn(nは添字)を出力する可変電流源72が接続されている。これらの可変電流源71,72はいずれも吐き出し型でD/Aコンバータ60が出力するアナログ信号DAO、すなわちアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutからのロジック出力値DADnに対応した電流Ian,Ibnが出力される。実施の形態2におけるゲート制御部12において、電流比較型コンパレータ73,74、および可変電流源71,72以外の手段などは、実施の形態1におけるゲート制御部2と同じ構成であり、同様の動作を行う。
図7は、図5および図6に示した実施の形態2の半導体装置における各部の主要信号を示す波形図である。図8は、ゲートにp型領域を用いたFETであるスイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図であり、実施の形態2におけるスイッチング素子1の動作点遷移を説明している。ただし、前述の図4と、同様にゲート−ソース間電流(Igs)毎におけるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示している。
[駆動回路の動作]
以下、実施の形態2の駆動回路の動作を説明する。なお、ゲート制御部12においてアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値DADnに対しゲート駆動信号GSの電流量である可変電流源61の出力電流(Igs)の量In(nは添字)とが対応している。なお、動作開始時(初期状態)のアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4であり、それに応じて可変電流源61の出力はIgs=I4であり、図8上では点Sの位置で表されるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の関係を有しているものとする。なお、実施の形態2においては、可変電流源61の最小出力電流および最大出力電流はそれぞれI2およびI5とする。
また、動作開始時(初期状態)においては、電流検出部5から保持部17へ出力される電流制限検知信号SIW、および駆動停止信号SBはともにロー(L)であり、すなわち保持部17はクリアされた状態である。図6からも明らかなように、外部駆動停止信号EXSBは駆動停止信号SBと同一極性で動作するため、説明上、動作開始時(初期状態)においては、駆動停止信号SBと同様にEXSB=Lであるものとする。また、実施の形態2においては、測定指示信号MN=Hにてドレイン−ソース間電流(Ids)と電流検出信号SIの電流は説明上等しいものとする。
[Ids通常時の動作]
図7に示す波形図において、まず、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電流(Ids)がIbn<Ids<IanであるIds通常時における駆動回路の動作について説明する。
測定指示信号MNがハイ(H)の間、電流検出部5はドレイン−ソース間電流(Ids)を測定する。電流検出部5により電流検出信号SIとして出力されるのは、図7における「Ids」の波形の太線部である。このときの電流検出信号SIは、コンパレータ73,74において、Igs=I4のときの下側切り替え基準電流(第2の切り替え基準電流設定値)Ib4以上であり、Igs=I4のときの上側切り替え基準電流(第1の切り替え基準電流設定値)Ia4以下であると判定されて、それぞれの出力信号Ca,Cbはロー(L)のままである。そのため、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4のまま変わらず、ゲート駆動電流(Igs)はIgs=I4のままである。この場合、図8において、基準電流源71,72の基準電流Ia4,Ib4が決まれば、ドレイン−ソース間電圧(Vds)もVa4,Vb4と1対1で一意に決まり、スイッチング素子1の損失(消費電力)は、Vb4・Ib4〜Va4・Ia4で示される範囲内であることを意味する。すなわち、このVb4・Ib4〜Va4・Ia4で示される範囲内の領域ではドレイン−ソース間電圧(Vds)がVbn<Vds<Vanであるといえる。
[Ids低下時の動作]
次に、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電流(Ids)がIds≦IbnであるIds低下時における駆動回路の動作について説明する。前述のように、基準電流源71,72の基準電流Ian,Ibnが決まれば、ドレイン−ソース間電圧(Vds)もVan,Vbnと1対1で一意に決るので、Ids低下時のドレイン−ソース間電圧(Vds)はVbn≦Vdsであるといえる。
負荷8が軽くなると、例えば、図8において、Igs=I4の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電流(Ids)が低下して、Igs=I4の特性曲線における点Sから点Aへ移動する。このときの電流検出信号SIは、コンパレータ73において上側切り替え基準電流(第1の切り替え基準電流設定値)Ia4以下であると判定されて、コンパレータ73の出力信号Caはロー(L)となる。また、このときの電流検出信号SIは、コンパレータ74において下側切り替え基準電流(第2の切り替え基準電流設定値)Ib4以下であると判定されて、コンパレータ74の出力信号Cbはハイ(H)となる。この結果、単パルス発生器65の信号TGがハイ(H)のタイミングでAND素子56の出力信号CbTもハイ(H)となる。このため、単パルス発生器58は1パルスの信号CKbを発生させて、アップダウンカウンタ59のカウントダウン入力CKDに入力する。この結果、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4からDAD3に減少する。それに応じて可変電流源61の出力電流、すなわちゲート駆動電流IgsはI4からI3に減少する。その結果、ドレイン−ソース間電流(Ids)は、図7において破線で示す囲いA内のように変化し、図8において点Aから点Bへ動作点が遷移する。この遷移動作により、ドレイン−ソース間電流(Ids)はほとんど変わらないが、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は増大する。ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失は若干増加するが、ゲート駆動電流(Igs)が低下するため、実施の形態2の駆動回路においては、低負荷時のスイッチング動作の高速化と駆動回路自体の損失低減が図られる。
ドレイン−ソース電流(Ids)がさらに低下してゆく場合には、上記の遷移動作のプロセスが繰り返される。例えば、図7において、ドレイン−ソース間電流(Ids)は破線で示す囲いCのように変化し、図8において、動作点が点Cから点Dへ遷移して、ゲート駆動電流(Igs)がI3からI2に低下する。このような遷移動作を行うことにより、Ids低下時における低負荷時のスイッチング動作の高速化と駆動回路自体の損失低減が図られる。
[Ids上昇時の動作]
続いて、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電流(Ids)がIan≦Ids<Ia5であるIds上昇時における駆動回路の動作について説明する。前述のように、基準電流源71,72の基準電流Ian,Ibnが決まれば、ドレイン−ソース間電圧(Vds)もVan,Vbnと1対1に一意に決るので、Ids上昇時のドレイン−ソース間電圧(Vds)はVan≦Vdsであるといえる。
負荷8が重くなると、例えば、図8において、Igs=I2の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電流(Ids)が上昇して、Igs=I2の特性曲線における点Dから点Eへ移動する。このとき電流検出信号SIはコンパレータ73において上側切り替え基準電流(第1の切り替え基準電流設定値)Ia2以上であると判定され、且つコンパレータ74において下側切り替え基準電流(第2の切り替え基準電流設定値)Ib2以上であると判定されて、コンパレータ73の出力信号Caはハイ(H)となり、コンパレータ74の出力信号Cbはロー(L)となる。単パルス発生器65の信号TGがハイ(H)のタイミングでAND素子55の出力信号CaTもハイ(H)となる。このため、単パルス発生器57は1パルスの信号CKaを発生させて、アップダウンカウンタ59のカウントアップ入力CKUに入力する。この結果、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD2からDAD3に上昇する。それに応じて可変電流源61の出力電流はI2からI3に上昇する。その結果、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は図7において破線で示す囲いE内のように変化し、図8において点Eから点Fへ動作点が遷移する。この遷移動作により、ドレイン−ソース間電流(Ids)はほとんど変わらないが、ドレイン−ソース間電圧(Vds)は大きく低下する。したがって、ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失(消費電力)は大きく低減される。
ドレイン−ソース間電圧(Vds)がさらに上昇してゆく場合には、上記の遷移動作のプロセスが繰り返される。例えば、図7において破線で示す囲いG,I内のように変化し、図8において、動作点が点Gから点Hへ、そして点Iから点Jへ遷移して、ゲート駆動電流(Igs)もI3からI4へ、そしてI4からI5へと上昇する。このような遷移動作を行うことにより、Ids上昇時における高負荷時に必要なゲート駆動電流(Igs)において、スイッチング素子1の損失(消費電力)は低減される。
[Ids限界時の動作]
次に、ドライブ信号DS=Hの区間において、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電流(Ids)がIx<IdsであるIds限界時における駆動回路の動作について説明する。
負荷8がさらに重くなり、ドレイン−ソース間電流(Ids)がさらに上昇してゆくと、図7において破線にて示す囲いF内のように変化する。この変化は、図8において、Igs=I5の特性曲線に沿ってドレイン−ソース間電圧Vdsが上昇して、例えば点Fに移動した状態である。このとき、ゲート駆動電流(Igs)はI5が最大の値となっているため、これ以上のゲート駆動電流(Igs)の増加はない。そのため、ドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレインソース間電流(Ids)の積で表されるスイッチング素子1の損失(消費電力)は大きく上昇する。電流検出部5の動作によりスイッチング動作時のドレイン−ソース間電流(Ids)が上限電流Ix以上となった場合、直ちに電流制限検知信号SIWがハイ(H)となる。これにより、保持部17は駆動停止信号SBをハイ(H)で出力を固定する。その結果、図6に示すゲート制御部12において、INV素子67の出力がロー(L)となり、AND素子68の出力である信号GDSが、駆動信号発生器63のドライブ信号DSの波形によらずロー(L)で固定される。このため、スイッチ62は常に抵抗69に接続された状態となり、ゲート駆動信号GSおよびスイッチング素子1のゲートの電位は接地電位に移行し、スイッチング動作しない状態となる。
なお、図8におけるVanとIanに関して、nがどの値でも消費電力(Van・Ian)が所定の値になるように設定しておくことにより、ゲート駆動電流の大きさによらずスイッチング素子1の損失の最大値が一定とすることができる。また、ドレイン−ソース間電流(Ids)と電流検出信号SIとの関係は実施の形態2においては測定指示信号MN=Hにて等しいとしたが、実施の形態2の駆動回路におけるドレイン−ソース間電流(Ids)と基準電流Ian,Ibnなどとの関係が守られていれば、電流検出信号SIの伝送形式は任意に決めて良い。
また、実施の形態2の駆動回路においては、電流検出手段である電流検出部5の電流検出信号SIを時間平均の値で出力しても良く、あるいはある一定時間以上電流制限検知信号SIWがハイ(H)になった時に保持部17が駆動停止信号SBをハイ(H)にするよう構成して、許容可能な短時間の電流増加は事実上無視できる駆動回路としても良い。
なお、実施の形態2の駆動回路は半導体素子としてゲートにp型領域を用いたFETについて説明したが、ゲートにショットキー電極を用いたFETに適用しても、同様に優れた効果を奏する。これは、ショットキー電極を用いたFETにおいても、ゲートとソースの間でダイオードが形成された状態となり、同様の問題を有しているためである。
実施の形態2の駆動回路では、ドレイン−ソース間電流に応じて可変電流源によりゲート電流の制御を行っているが、同様に可変電圧源などを用いてゲート電圧を制御しても同等の効果を得ることができる。
また、実施の形態2の駆動回路は、本発明を実現するための一実施例であって、実施の形態2において説明以外の手段および方法により、同様の技術的特徴を有して、同様の機能、効果をもたらすものがあれば、その手段および方法は本発明に含まれる。
以上の構成を有する実施の形態2の駆動回路により、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどのスイッチング素子を駆動する場合において、スイッチング素子の消費電力増加をスイッチング素子の入力−出力端子間の電流から判定し、電流の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることができる構成を有している。この結果、実施の形態2の駆動回路の構成においては、高負荷時の消費電力低減および低負荷時のゲート駆動回路の損失低減、ならびにスイッチング素子の過電流印加時の保護が可能となり、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成した駆動回路およびこの駆動回路を用いた半導体装置を、製造コストを大幅に低減して提供することができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明に係る実施の形態3の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3においても、駆動回路により駆動制御される半導体素子のスイッチング素子1としてはゲートにp型領域を用いたFETを用いて説明するが、ゲートにショットキー電極を用いたFETや、その他の半導体素子に適用して同様の効果を奏することは言うまでもない。以下の実施の形態3の説明において、前述の実施の形態1および実施の形態2の駆動回路および半導体装置における要素と同様の機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
実施の形態3の駆動回路においては、実施の形態1の駆動回路における電圧検出部4、および実施の形態2における電流検出部5が設けられており、電圧検出信号SVおよび電流検出信号SIに基づいて電力を算出する電力検出手段である電力検出部6を設けられている。
図9において、保護手段である保護部23内の電力検出部6は、ゲート制御手段であるゲート制御部22が発生する測定指示信号MNがハイ(H)となる区間のみ、電圧検出信号SVおよび電流検出信号SIを取り込み、これら2つの信号(SV,SI)をアナログ乗算回路またはマイクロコンピュータなどの演算手段により演算処理する。この演算処理において、電力検出部6は、スイッチング素子1のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積に応じた電圧信号である電力検出信号SPを生成し、ゲート制御部22に伝達する。このように検出された電力検出信号SPが、所定の値を越えた場合(実施の形態3の駆動回路においては、電力検出信号SPが限界電圧Vyを越えた場合)には、電力制限検知信号SPWをハイ(H)として、その電力制限検知信号SPWを保持手段である保持部27に伝達する。保持部27は、フリップフロップなどの手段により、電力制限検知信号SPWが一度でもハイ(H)になった場合には、駆動停止信号SBをハイ(H)として、ゲート制御部22に伝送される。このとき、電力制限検知信号SPWがハイ(H)からロー(L)に下がったとしても駆動停止信号SBはハイ(H)のまま保持される。ゲート制御部22は、駆動停止信号SBまたは外部駆動停止信号EXSBのうち少なくともいずれかの信号がハイ(H)となった時、ゲート駆動信号GSの信号レベルを接地レベルに落としてスイッチング素子1の駆動を停止する。
上記の動作において、信号のハイ(H)およびロー(L)は例示であり、信号におけるハイ(H)とロー(L)が逆であっても同様に動作するよう構成することは可能である。
なお、実施の形態3において、駆動回路は、ゲート制御手段であるゲート制御部22、および電圧検出手段である電圧検出部4と、電流検出手段である電流検出部5と、電力検出手段である電力検出部6と、保持手段である保持部27とを有する保護手段である保護部23により構成されている。また、本発明に係る実施の形態3における半導体装置は、上記駆動回路および、当該駆動回路により駆動制御される半導体素子であるスイッチング素子1を含んで構成される。なお、本発明に係る実施の形態3において動作状態検出手段とは、半導体素子1の動作状態を検出する、電圧検出部4と電流検出部5と電力検出部6とで構成される。
ゲート制御部22の回路構成は実施の形態1において図2で示したゲート駆動部2の回路構成、および動作と実質的に同じであり、基準電圧源51,52の電圧Va,Vbのみが異なる。
図10は、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示す特性図であり、実施の形態3におけるスイッチング素子1の動作点遷移を説明している。ただし、前述の図4と同様に、ゲート−ソース間電流(Igs)毎におけるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示している。図10において、SP=Va,Vb,Vyの表記のある各曲線はドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積であるスイッチング素子の損失がそれぞれ電圧Va,Vb,Vyで一定となる関係を示した曲線である
[駆動回路の動作]
以下、実施の形態3の駆動回路の動作を、図2、図7、図9及び図10を用いて説明する。前述の実施の形態1の駆動回路と同様に、ゲート制御部22においてアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値DADnに対しゲート駆動信号GSの電流量である可変電流源61の出力電流(Igs)の量In(nは添字)とが対応している。なお、動作開始時(初期状態)において、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4であり、それに応じて可変電流源61の出力はIgs=I4であり、図10上では点Sの位置で表されるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の関係を有しているものとする。実施の形態3の駆動回路においても、可変電流源61の最小出力電流および最大出力電流はそれぞれI2およびI5とする。
また、動作開始時(初期状態)においては、電流検出部5から保持部17へ出力される電力制限検知信号SPW、および駆動停止信号SBはともにロー(L)であり、すなわち保持部27はクリアされた状態である。図2などの記載からも明らかなように、外部駆動停止信号EXSBは駆動停止信号SBと同一極性で動作するため、説明上、動作開始時(初期状態)においては、駆動停止信号SBと同様にEXSB=Lであるものとする。
測定指示信号MNがハイ(H)の間、電圧検出部4はドレイン−ソース間電圧(Vds)を測定し電圧検出信号SVを出力する。同様に、電流検出部5はドレイン−ソース間電流(Ids)を測定し電流検出信号SIを出力する。さらに同じタイミングで電力検出部6は電圧検出信号SV、および電流検出信号SIが入力されて、その積となる電力検出信号SPを出力する。
電力検出信号SPが下側切り替え基準電圧(第2の切り替え基準電圧設定値)Vb以下ならばアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDADnからDADn−1に減少し、ゲート駆動電流(Igs)はInからIn-1に変化する。例えば、図10におけるIgs=I4の特性曲線の点AからIgs=I3の特性曲線の点Bへ動作点が遷移する。電力検出信号SPがさらに低下してゆけば、同様に、図10に示す特性曲線において、例えば動作点が点Cから点Dへ遷移する。
また、電力検出信号SPが上側切り替え基準電圧(第1の切り替え基準電圧設定値)Va以上ならばアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDADnからDADn+1に増加し、ゲート駆動電流はInからIn+1に変化する。例えば、図10におけるIgs=I2の特性曲線の点EからIgs=I3の特性曲線の点Fへ動作点が遷移する。電力検出信号SPがさらに上昇してゆけば、同様に、図10に示す特性曲線において、例えば動作点が点Gから点Hへ遷移し、また動作点が点Iから点Jに遷移する。
さらに、電力検出信号SPが上限電圧Vy以上となった時、電力制限検知信号SPWがハイ(H)となり保持部27は駆動停止信号SBをハイ(H)とし、ゲート駆動信号GSおよびスイッチング素子1のゲートの電位は接地電位に移行し、スイッチング動作しない状態となる。
なお、実施の形態3の駆動回路においては、電力検出信号SPが基準電圧Va,Vb,Vyなどとの関係が守られていれば、電力検出信号SPの伝送形式は任意に決めてよい。
また、実施の形態3の駆動回路において、基準電圧Va,Vbはアップダウンカウンタの値に応じて可変させてもよい。このように構成することにより、スイッチング素子1の損失が一定の範囲内に制御されている特性を、場合によっては、その範囲を絞ったり広げたりすることが可能となり、より現実の条件に即した制御が可能な構成となる。
また、実施の形態3の駆動回路においては、電力検出手段である電力検出部6の電力検出信号SPを時間平均の値で出力しても良く、あるいはある一定時間以上電力制限検知信号SPWがハイ(H)になった時に保持部27が駆動停止信号SBをハイ(H)にするよう構成して、許容可能な短時間の損失増加は事実上無視できる駆動回路としても良い。
なお、実施の形態3の駆動回路は半導体素子としてゲートにp型領域を用いたFETについて説明したが、ゲートにショットキー電極を用いたFETに適用しても、同様に優れた効果を奏する。
実施の形態3の駆動回路では、スイッチング素子の入力−出力端子間の消費電力に応じて可変電流源によりゲート電流の制御を行っているが、同様に可変電圧源などを用いてゲート電圧を制御しても同等の効果を得ることができる。
また、実施の形態3の駆動回路は、本発明を実現するための一実施例であって、実施の形態3において説明以外の手段および方法により、同様の技術的特徴を有して、同様の機能、効果をもたらすものがあれば、その手段および方法は本発明に含まれる。
以上の構成を有する実施の形態3の駆動回路により、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどのスイッチング素子を駆動する場合において、スイッチング素子の消費電力増加をスイッチング素子の入力−出力端子間の消費電力から判定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることができる構成を有している。この結果、実施の形態3の駆動回路の構成においては、スイッチング素子の消費電力を一定範囲に収める制御が可能となり、高負荷時の消費電力低減および低負荷時のゲート駆動回路の損失低減と、スイッチング素子の消費電力に対する保護が可能となり、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成した駆動回路およびこの駆動回路を用いた半導体装置を、製造コストを大幅に低減して提供することができる。
(実施の形態4)
図11は、本発明に係る実施の形態4の駆動回路、およびその駆動回路を有する半導体装置の回路構成を示すブロック図である。なお、実施の形態4においても、駆動回路により駆動制御される半導体素子のスイッチング素子1としてはゲートにp型領域を用いたFETを用いて説明するが、ゲートにショットキー電極を用いたFETや、その他の半導体素子に適用して同様の効果を奏することは言うまでもない。以下の実施の形態4の説明において、前述の実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3の駆動回路および半導体装置における要素と同様の機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
実施の形態4の駆動回路においては、図11に示すように、電圧検出部4からの電圧検出信号SV、電流検出部5からの電流検出信号SI、および電力検出部6からの電力検出信号SPが、ゲート制御手段であるゲート制御部32に入力される構成である。また、実施の形態4の駆動回路において、保護手段である保護部33における保持手段である保持部37には、電圧制限検知信号SVW、電流制限検知信号SIW、電力制限検知信号SPWが入力されるように構成されている。保持部37は、3つの入力(SVW,SIW,SPW)の3入力論理和の結果をフリップフロップなどの記憶手段に保存するなどの方法により、電圧制限検知信号SVW、電流制限検知信号SIW、および電力制限検知信号SPWのいずれかの信号がハイ(H)となった場合、駆動停止信号SBをハイ(H)として、ゲート制御部32に伝送する。そして、保持部37は、電圧制限検知信号SVW、電流制限検知信号SIW、または電力制限検知信号SPWのいずれかの信号が再びロー(L)になっても駆動停止信号SBはハイ(H)のまま保持される。ゲート制御部32は、駆動停止信号SBまたは外部駆動停止信号EXSBのうち少なくともいずれかの信号がハイ(H)になった時、ゲート駆動信号GSの信号レベルを接地レベルに落としてスイッチング素子1の駆動を停止する。
上記の動作において、信号のハイ(H)およびロー(L)は例示であり、信号におけるハイ(H)とロー(L)が逆であっても同様に動作するよう構成することは可能である。
なお、実施の形態4において、駆動回路は、ゲート制御手段であるゲート制御部32、および電圧検出手段である電圧検出部4と、電流検出手段である電流検出部5と、電力検出手段である電力検出部6と、保持手段である保持部37とを有する保護手段である保護部33により構成されている。また、本発明に係る実施の形態4における半導体装置は、上記駆動回路および、当該駆動回路により駆動制御される半導体素子であるスイッチング素子1を含んで構成される。なお、本発明に係る実施の形態4において動作状態検出手段とは、半導体素子1の動作状態を検出する、電圧検出部4と電流検出部5と電力検出部6とで構成される。
図12は、本発明に係る実施の形態4の駆動回路におけるゲート制御部32の回路構成を示すブロック図である。図12に示すゲート制御部32において、ゲート電流設定手段であるゲート電流設定部34以外の構成は、前述の図2に示した実施の形態1の駆動回路におけるゲート制御部2と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
図12に示すように、ゲート電流設定部34には、電圧制限検知信号SVW、電流制限検知信号SIW、および電力制限検知信号SPWが入力され、ロジック信号のパラレル出力Qoutより出力値DADnが出力される。このパラレル出力値DADnはD/Aコンバータ60に入力され、所定のアナログ信号DAOに変換される。変換されたアナログ信号DAOは、アナログ信号制御の可変電流源61に入力され、この可変電流源61から電流駆動時のゲート駆動信号GSが出力される。
図13は、実施の形態4の駆動回路におけるゲート制御部32のゲート電流設定部34の回路構成を示すブロック図である。実施の形態4におけるゲート電流設定部34は、前述の実施の形態1におけるゲート制御部2、実施の形態2におけるゲート制御部12、および実施の形態3におけるゲート制御部22の入力からアップダウンカウンタ59までを統合した構造を有している。実施の形態4におけるゲート電流設定部34は、電流検出信号判定部96、電圧検出信号判定部97、および電力検出信号判定部98を具備するとともに、電流検出信号判定部96、電圧検出信号判定部97、および電力検出信号判定部98からの出力信号のいずれか1つの信号を有効にして、単パルス発生器57に信号を送り込む選択を行うセレクタ99を有している。ゲート電流設定部34において、電流検出信号判定部96、電圧検出信号判定部97、電力検出信号判定部98、およびセレクタ99以外の構成要素である、単パルス発生器57,58およびアップダウンカウンタ59は、前述の実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3における動作と同様の動作を行うものである。
ゲート電流設定部34において、電流検出信号判定部96には電流検出信号SIが入力され、電流検出信号SIは電流比較型コンパレータ73のプラス端子に入力される。電流比較型コンパレータ73のマイナス端子には、基準電流Iaを出力する吐き出し型の基準電流源94が接続されている。電流比較型コンパレータ73は、電流信号である電流検出信号SIが基準電流Iaより大きければ、ハイ(H)を出力し、逆に小さければロー(L)を出力する。電流比較型コンパレータ73の出力ICaは、セレクタ99からの電流検出選択信号SSI、およびゲート制御部32の単パルス発生器65から出力された信号TGとともに、3入力AND素子91に入力される。
また、ゲート電流設定部34において、電圧検出信号判定部97には電圧検出信号SVが入力され、電圧検出信号SVはコンパレータ83のプラス端子に入力される。コンパレータ83のマイナス端子には、基準電圧Vcを出力する基準電圧源81が接続されている。コンパレータ83は、電圧検出信号SVが基準電圧Vcより大きければ、ハイ(H)を出力し、逆に小さければロー(L)を出力する。コンパレータ83の出力VCaは、セレクタ99からの電圧検出選択信号SSV、およびゲート制御部32の単パルス発生器65から出力された信号TGとともに、3入力AND素子92に入力される。
さらに、ゲート電流設定部34において、電力検出信号判定部98には電圧信号である電力検出信号SPが入力され、電力検出信号SPはコンパレータ53のプラス端子に入力される。コンパレータ53のマイナス端子には、基準電圧Vaを出力する基準電圧源51が接続されている。コンパレータ53は、電力検出信号SPが基準電圧Vaより大きければハイ(H)を出力し、逆に小さければロー(L)を出力する。コンパレータ53の出力Caは、セレクタ99からの電力検出選択信号SSP、およびゲート制御部32の単パルス発生器65から出力された信号TGとともに、3入力AND素子93に入力される。
また、電力検出信号SPは、コンパレータ54のマイナス端子に入力される。コンパレータ54のプラス端子には基準電圧Vbを出力する基準電圧源52が接続されている。コンパレータ54は、電力検出信号SPが基準電圧Vbより小さければハイ(H)を出力し、逆に大きければロー(L)を出力する。コンパレータ54の出力Cbはゲート制御部32の単パルス発生器65から出力された信号TGとともに、AND素子54に入力される。
コンパレータ53,53の出力Ca,Cbは、前述の図2に示した実施の形態1におけるゲート制御部2、および実施の形態3におけるゲート制御部22と実質的に同様の動作を行う。
ゲート電流設定部34におけるセレクタ99には、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値DADnが入力されて、その出力値DADnの値によって電流検出選択信号SSI、電力検出選択信号SSV、または電力検出選択信号SSPのいずれか1つの信号のみをハイ(H)出力し、残りの2つの信号をロー(L)出力する機能を有する。また、ゲート電流設定部34における3入力AND素子91,92,93の出力は、3入力OR素子95に入力され、3入力OR素子95からの出力信号CaTは、単パルス発生器57に入力される。
図14は、ゲートにp型領域を用いたFETスイッチング素子のドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレインソース間電流(Ids)との間の関係を示す特性図である。図14においては、実施の形態4におけるスイッチング素子1の動作点の遷移状態を示す説明図である。ただし、前述の図4と同様にゲート−ソース間電流(Igs)毎におけるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)との関係を示している。また、図14において、SP=Va,Vb,Vyの表記のある各曲線はドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の積であるスイッチング素子1の損失がそれぞれ電圧Va,Vb,Vyで一定となる関係を示した曲線である。
[駆動回路の動作]
以下、実施の形態4の駆動回路の動作を、図11から図14を用いて説明する。実施の形態4の駆動回路の動作において、基本的な動作は特に説明しない限り、これまでの実施の形態1〜3において説明してきた動作と同一である。前述の実施の形態1,2と同様に、ゲート制御部32におけるアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値DADnとゲート駆動信号GSの電流量であるところの可変電流源61の出力電流(Igs)の関係は、前述の図7において示したように、DADnとInがそれぞれ対応している。また、動作開始時(初期状態)において、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4であり、それに応じて可変電流源61の出力はIgs=I4であり、図14上では点Sの位置で表されるドレイン−ソース間電圧(Vds)とドレイン−ソース間電流(Ids)の関係を有しているものとする。実施の形態4の駆動回路においても、可変電流源61の最小出力電流および最大出力電流はそれぞれI2およびI5とする。
また、動作開始時(初期状態)においては、電流検出部5から保持部17へ出力される電力制限検知信号SPWはおよび駆動停止信号SBともにロー(L)であり、すなわち保持部37はクリアされた状態である。図12からも明らかなように、外部駆動停止信号EXSBは、駆動停止信号SBと同一極性で動作するため、説明上、動作開始時(初期状態)においては、駆動停止信号SBと同様にEXSB=Lであるものとする。
また、実施の形態4においては、測定指示信号MN=Hにてドレイン−ソース間電流(Ids)と電流検出信号SIの電流値は説明上等しいものとする。
測定指示信号MNがハイ(H)の間、電圧検出部4はドレイン−ソース間電圧(Vds)を測定し電圧検出信号SVを出力する。同様に、電流検出部5はドレイン−ソース間電流(Ids)を測定し電流検出信号SIを出力する。さらに同じタイミングで電力検出部6は電圧検出信号SV、および電流検出信号SIが入力されて、その積となる電力検出信号SPを出力する。
例えば、図14に示す特性曲線において、点CCで示す動作点はアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値がDAD2であり、可変電流源61の出力がIgs=I2となっている。この点CCの動作点が存在する領域では電圧検出部4によりドレイン−ソース間電圧(Vds)が基準電圧Vc以上となっている。このため、セレクタ99はDAD2の入力値において電圧検出選択信号SSVをハイ(H)とし、コンパレータ83からハイ(H)の出力VCaが3入力AND素子92に入力され、3入力OR素子95を介して単パルス発生器57に入力される(図13参照)。
また、例えば、図14に示す特性曲線において、点DDで示す動作点はアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値がDAD3で可変電流源61の出力がIgs=I3となっている。この点DDの動作点が存在する領域では電力検出部6により電力検出信号SPがVa以上となっている。このため、セレクタ99はDAD3の入力値において電力検出選択信号SSPをハイ(H)とし、コンパレータ53からハイ(H)の出力Caが3入力AND素子93に入力され、3入力OR素子95を介して単パルス発生器57に入力される(図13参照)。
また、例えば、図14に示す特性曲線において、点EEで示す動作点はアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値がDAD4で可変電流源61の出力がIgs=I4となっている。この点EEの動作点が存在する領域では電流検出部5により電流検出信号SIがIa以上となっている。このため、セレクタ99はDAD4の入力値において電流検出選択信号SSIをハイ(H)とし、電流比較型コンパレータ73からハイ(H)の出力ICaが3入力AND素子91に入力され、3入力OR素子95を介して単パルス発生器57に入力される(図13参照)。
以上のような動作により、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDADnからDADn+1に増加し、ゲート駆動電流はInからIn+1に変化し、動作点は、例えば図14に示す特性曲線において、点CCが矢印Cの方向に遷移し、点DDが矢印Dの方向に遷移し、または点EEが矢印Eの方向に遷移する。
さらに、例えば、図14に示す特性曲線において、点AAで示す動作点はアップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値がDAD4で可変電流源61の出力がIgs=I4となっている。この点AAの動作点が存在する領域では電力検出部6により電力検出信号SPがVb以下となっている。このため、セレクタ99はDAD4の入力値において電力検出選択信号SSPをハイ(H)とし、コンパレータ54からハイ(H)の出力CbがAND素子56に入力され、AND素子56の出力信号CbTが単パルス発生器58に入力される(図13参照)。
このため、単パルス発生器58は1パルスの信号CKbを発生させて、アップダウンカウンタ59のカウントダウン入力CKDに入力する。この結果、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDAD4からDAD3に減少する。それに応じて可変電流源61の出力電流、すなわちゲート駆動電流IgsはI4からI3に減少する。
以上のような動作により、アップダウンカウンタ59のパラレル出力Qoutの出力値はDADnからDADn-1に減少し、ゲート駆動電流はInからIn-1に変化し、動作点は、例えば図14に示す特性曲線において、点AAが矢印Aの方向に遷移し、点BBが矢印Bの方向に遷移する。
電力検出信号SPが上限電圧Vy以上となった時、電力制限検知信号SPWがハイ(H)となり、保持部37は駆動停止信号SBをハイ(H)にする。同様に、電圧検出信号SVが上限電圧Vx以上となった時、電圧制限検知信号SVWがハイ(H)となり、保持部37は駆動停止信号SBをハイ(H)にする。また、電流検出信号SIが上限電流Ix以上となった時、電流制限検知信号SIWがハイ(H)となり、保持部37は駆動停止信号SBをハイ(H)にする。上記のように、保持部37が駆動停止信号SBをハイ(H)にすることにより、ゲート駆動信号GSおよびスイッチング素子1のゲートの電位は接地電位に移行し、スイッチング動作しない状態となる。
なお、実施の形態4の駆動回路において、基準電圧Va,Vb,Vc,基準電流Iaは、アップダウンカウンタ59の出力値に応じて可変させてもよい。このように構成することにより、スイッチング素子1の損失が一定の範囲内に制御されている特性を、場合によっては、その範囲を絞ったり広げたりすることが可能となり、より現実の条件に即した制御が可能な構成となる。
また、実施の形態4の駆動回路においては、電圧、電流、電力の各検出手段の検出信号(SV,Si,SP)を時間平均の値で出力しても良く、あるいはある一定時間以上において各制限検知信号(SVW,SIW,SPW)がハイ(H)になった時に保持部37が駆動停止信号SBをハイ(H)にするよう構成して、許容可能な短時間の損失増加は事実上無視できる駆動回路としても良い。
実施の形態4の駆動回路は半導体素子としてゲートにp型領域を用いたFETについて説明したが、ゲートにショットキー電極を用いたFETに適用しても、同様に優れた効果を奏する。
実施の形態4の駆動回路では、ドレイン−ソース間電圧、ドレイン−ソース間電流、スイッチング素子の入力−出力端子間の消費電力などに応じて可変電流源によりゲート電流の制御を行っているが、同様に可変電圧源などを用いてゲート電圧を制御しても同等の効果を得ることができる。
また、実施の形態4の駆動回路は、本発明を実現するための一実施例であって、実施の形態4において説明以外の手段および方法により、同様の技術的特徴を有して、同様の機能、効果をもたらすものがあれば、その手段および方法は本発明に含まれる。
以上の構成を有する実施の形態4の駆動回路により、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどのスイッチング素子を駆動する場合において、スイッチング素子の消費電力増加をスイッチング素子の入力−出力端子間の電圧、電流、消費電力、から判定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることができる構成を有している。この結果、実施の形態4の駆動回路の構成においては、スイッチング素子の動作範囲をいわゆる安全動作領域の範囲に収める制御が可能となり、高負荷時の消費電力低減および低負荷時のゲート駆動回路の損失低減と、電圧、電流、消費電力の観点でスイッチング素子の保護が可能となり、従来の構成に比べて製造コストを大幅に低減できる駆動回路およびこの駆動回路を用いた半導体装置を提供することが可能となる。
上記のように各実施の形態1〜4において具体的に説明したように、本発明によれば、ゲートにp型領域またはショットキー電極などを用いた半導体素子を駆動制御する駆動回路、およびこの駆動回路を用いた半導体装置において、半導体素子の動作状態、例えば消費電力状態を当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧、当該半導体素子の出力電流、あるいは当該半導体素子の入力−出力端子間の電圧と出力電流から消費電力を測定し、消費電力の増加・減少に応じてゲート電流を累積的に加減させることにより、当該半導体素子の高負荷時の消費電力低減および駆動回路の低負荷時の損失低減を図るだけでなく、当該半導体素子の過電圧、過電流、過消費電力保護機能と、当該半導体素子の損失低減機能とを統合して、安全性および信頼性が高く、省エネルギー化を達成することができる駆動回路および半導体装置を、簡単な構成で低い製造コストで容易に製造することができる。
また、本発明によれば、半導体素子の入力−出力端子間電圧、出力電流、消費電力によるゲート電流の累積的な加減を測定時のゲート電流の大きさにより使い分けることにより、当該半導体素子の安全動作領域を考慮した保護動作が可能な駆動回路および半導体装置を提供することができる。
本発明に係る駆動回路および半導体装置は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETなどの半導体素子に対する高負荷時の消費電力低減、駆動回路の低負荷時の損失低減および半導体素子を保護する機能を有するため、各種電子電気機器に適用できる汎用性が高い発明である。
1 スイッチング素子
2,12,22,32 ゲート制御部
3,13,23,33 保護部
4 電圧検出部
5 電流検出部
6 電力検出部
7,17,27,37 保持部
8 負荷
34 ゲート電流設定部
51,52 基準電圧源
53,54 コンパレータ
55,56,68,70 AND素子
57,58,65 単パルス発生器
59 アップダウンカウンタ
60 D/Aコンバータ
61 可変電流源
62 スイッチ
63 駆動信号発生器
64 ディレイ回路
66 OR素子
67 インバータ素子(INV素子)
96 電流検出信号判定部
97 電圧検出信号判定部
98 電力検出信号判定部
99 セレクタ

Claims (15)

  1. ゲート−ソース間において所定電圧を超えると急峻な電流が流れるダイオード特性を示す半導体素子の動作状態を検出する動作状態検出手段と、
    前記動作状態検出手段から前記半導体素子の動作状態を示す信号が入力され、前記半導体素子の動作状態を示す信号に応じて、前記半導体素子のゲートに供給する電圧または電流を制御するゲート制御手段と、
    を具備することを特徴とする半導体素子の駆動回路。
  2. 前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
    前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段で構成され、
    前記電圧検出手段から前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記電圧測定値が切り替え基準電圧設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成された請求項1に記載の半導体素子の駆動回路。
  3. 前記ゲート制御手段は、
    前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が所定周期毎に入力され、
    前記電圧測定値が第1の切り替え基準電圧設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
    前記電圧測定値が第2の切り替え基準電圧設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成された請求項2に記載の半導体素子の駆動回路。
  4. 前記ゲート制御手段は、
    前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値が入力され、
    前記電圧測定値が上限基準電圧設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成された請求項2または3に記載の駆動回路。
  5. 前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
    前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段で構成され、
    前記半導体素子の出力電流の電流測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記半導体素子の出力電流の電流測定値が切り替え基準電流設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成された請求項1に記載の半導体素子の駆動回路。
  6. 前記ゲート制御手段は、
    前記電流検出手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値が所定周期毎に入力され、
    前記電流測定値が第1の切り替え基準電流設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
    前記電流測定値が第2の切り替え基準電流設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成された請求項5に記載の半導体素子の駆動回路。
  7. 前記ゲート制御手段は、
    前記電流検知手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値が入力され、
    前記電流測定値が上限基準電流設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成された請求項5または6記載の駆動回路。
  8. 前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
    前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段と、
    前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段からの入力−出力間電圧の電圧測定値と、前記電流検出手段からの出力電流の電流測定値とにより、前記半導体素子の消費電力を測定する電力検出手段と、で構成され、
    前記半導体素子の消費電力測定値が入力された前記ゲート制御手段は、前記半導体素子の消費電力測定値が切り替え基準電力設定値を少なくとも越えた時、前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成された請求項1に記載の半導体素子の駆動回路。
  9. 前記ゲート制御手段は、
    前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が所定周期毎に入力され、
    前記消費電力測定値が第1の切り替え基準電力設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とし、
    前記消費電力測定値が第2の切り替え基準電力設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成された請求項8に記載の半導体素子の駆動回路。
  10. 前記ゲート制御手段は、
    前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が入力され、
    前記消費電力測定値が上限基準電力設定値以上の時以後において前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成された請求項8または9に記載の半導体素子の駆動回路。
  11. 前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を有しており、
    前記動作状態検出手段は、前記半導体素子の入力−出力端子間電圧を測定する電圧検出手段と、
    前記半導体素子の出力電流を測定する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段からの入力−出力間電圧の電圧測定値と、前記電流検出手段からの出力電流の電流測定値とにより、前記半導体素子の消費電力を測定する電力検出手段と、で構成され、
    前記ゲート制御手段は、
    前記電圧検出手段による電圧測定値が切り替え基準電圧設定値を少なくとも超えた時、前記電流検出手段による電流測定値が切り替え基準電流設定値を少なくとも超えた時、または前記電力検出手段による消費電力測定値が切り替え基準電力設定値を少なくとも超えた時、のいずれかの時において前記半導体素子のゲートに供給する電流を制御するよう構成された請求項1に記載の半導体素子の駆動回路。
  12. 前記ゲート制御手段は、
    前記電圧検出手段による前記半導体素子の入力−出力端子間電圧の電圧測定値、前記電流検出手段による前記半導体素子の出力電流の電流測定値、および前記電力検出手段による前記半導体素子の消費電力測定値が入力され、
    前記電圧測定値が切り替え基準電圧設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第1のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第1の動作、前記電流測定値が切り替え基準電流設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第2のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第2の動作、または前記消費電力測定値が第1の切り替え基準電力設定値以上の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第3のゲート電流設定値を上限として、測定前のゲート電流に所定量を増加した電流とする第3の動作、のいずれかの動作をゲート電流の大きさにより選択して実施するためのセレクタを有し、
    前記セレクタの選択動作に関係なく、前記消費電力測定値が第2の切り替え基準電力設定値以下の時、前記半導体素子のゲートに供給するゲート電流を、第4のゲート電流設定値を下限として、測定前のゲート電流に所定量を減少した電流とする、よう構成された請求項11に記載の半導体素子の駆動回路。
  13. 前記ゲート制御手段は、
    前記電圧測定値が上限基準電圧設定値以上の時以降、前記電流測定値が上限基準電流設定値以上の時以後、および前記消費電力測定値が上限基準電力設定値以上の時以後においては、前記半導体素子の駆動を停止する、よう構成された請求項11または12に記載の半導体素子の駆動回路。
  14. 前記半導体素子は、ゲートにp型領域またはショットキー電極を用いたFETである請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体素子の駆動回路。
  15. 請求項1乃至14に記載の半導体素子の駆動回路および前記駆動回路により駆動制御される半導体素子を具備する半導体装置。
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