JP2018129869A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短絡故障を誤検出することなく短時間で検出が可能な機能を備え、且つ小型、低コストの電力変換装置を提供する。【解決手段】ブリッジ回路を構成するパワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率が、所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続しているとき、ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するブリッジ回路短絡判定手段を備えた。【選択図】図7

Description

この発明は、直流を交流に変換し若しくは交流を直流に変換する電力変換装置に関し、特に、電力変換装置を構成するパワー半導体スイッチング素子の短絡故障を検出する機能を備えた電力変換装置に関するものである。
周知のように、電力変換装置は、例えば、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して交流回転電機に供給するいわゆるインバータとして動作し、或いは交流回転電機が発生した交流電力を直流電力に変換して直流電源に供給するいわゆるコンバータとして動作するように構成される。このような電力変換装置は、通常、複数の半導体パワースイッチング素子により構成されたブリッジ回路を備えている。
従来、前述の電力変換装置に於けるパワー半導体スイッチング素子の短絡故障を検出する装置として、パワー半導体スイッチング素子のエミッタ端子の電位を基準としてコレクタ端子の電圧を検出することで、パワー半導体スイッチング素子の短絡故障を検出する短絡保護回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、パワー半導体スイッチング素子の短絡故障を検出する装置として、パワー半導体スイッチング素子のドレイン端子からソース端子へ流れる電流を、コアに設置したホール素子を用いて検出することで、パワー半導体スイッチング素子の短絡故障を検出する異常電流検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3548497号公報 特開平9−274058号公報
特許文献1に開示された従来の装置によれば、短絡保護回路の耐圧は使用する電源電圧に依存するため、電源電圧が高いほど、短絡保護回路に使われる耐圧保護素子(たとえば
、ダイオード)の耐圧を高くする必要があり、コストが高くなると共にサイズも大きくな
る。又、短絡保護回路を搭載する基板の配線に於いても、パワー半導体スイッチング素子のドレイン端子の電圧を得るための信号配線と、パワー半導体スイッチング素子のソース端子の電圧を得るための信号配線との絶縁距離を確保する必要があるので基板のサイズが大きくなる。
又、特許文献1に開示された従来の装置によれば、パワー半導体スイッチング素子のスイッチング動作時である過渡期(以下、スイッチング過渡期、と称する)にサージ電圧が発生するが、過渡期に発生するサージ電圧に基づいて短絡故障が発生したと誤検出することがあるので、その誤検出を回避することを目的として、パワー半導体スイッチング素子の定常時であるオン状態に於いて短絡故障の検出を実施するようにしている。しかしながら、短絡故障の検出までに時間がかかり、その間に、より多くの短絡電流が流れてしまう恐れがある。
一方、特許文献2に開示されたホール素子を用いて短絡故障を検出するようにした従来の装置に於いては、パワー半導体スイッチング素子により構成されるブリッジ回路にホール素子やコアを組み込む場合は、ブリッジ回路のサイズが大きくなると共にコストも高く
なる。又、一般的にホール素子の応答周波数は数十[kHz]までであるため、高速スイッチングを行うパワー半導体スイッチング素子のスイッチング動作時である過渡期に短絡故障を検出できるほどの応答性が得られず、短絡故障の検出に遅れが生じ、その遅れの間に短絡電流が増加してしまうことが懸念される。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたものであり、短絡故障を誤検出することなく短時間で検出が可能な機能を備え、且つ小型、低コストの電力変換装置を提供することを目的としている。
この発明による電力変換装置は、
充放電可能な直流電源と、
複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
を備え、
前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続しているとき、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成されている、
ことを特徴とする。
又、この発明による電力変換装置は、
充放電可能な直流電源と、
複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障を判定するゲート短絡故障判定手段と、
を備え、
前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続している場合に、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成され、
前記ゲート短絡故障判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第2の所定の電圧変化率未満である場合に、前記パワー半導体スイッチング素子にゲート短絡故障が発生していると判定するように構成されている、
ことを特徴とする。
この発明による電力変換装置は、充放電可能な直流電源と、複数のパワー半導体スイッ
チング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段とを備え、前記ブリッジ回路短絡判定手段は、前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続しているとき、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成されているので、短絡故障を誤検出することなく短時間で検出が可能な機能を備え、且つ小型、低コストの電力変換装置を得ることができる。
又、この発明による電力変換装置によれば、充放電可能な直流電源と、複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障を判定するゲート短絡故障判定手段とを備え、前記ブリッジ回路短絡判定手段は、前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続している場合に、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成され、前記ゲート短絡故障判定手段は、前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第2の所定の電圧変化率未満である場合に、前記パワー半導体スイッチング素子にゲート短絡故障が発生していると判定するように構成されているので、短絡故障を誤検出することなく短時間で検出が可能な機能を備え、且つ小型、低コストで、しかも複数の故障を速やかに検出し、短絡電流による他の回路の2次故障を防止することができる電力変換装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、ゲート駆動回路、電圧変化率検出手段、及びブリッジ回路短絡判定手段の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の動作を説明するフローチャートである。 パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於ける、ゲート端子電圧及びゲート端子に充電される電荷量の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の別の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段及び、ブリッジ回路短絡判定手段の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段及び、ブリッジ回路短絡判定手段の動作波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る電力変換装置に於ける、ゲート短絡故障判定の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の一例を示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面とともに詳述する。尚、各図における同一の番号は、同一又は相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。尚、図1に於ける矢印は、信号の流れを表している。以下、図1と図2を用いて、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成要素及び機能について説明する。
図1に於いて、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置1は、ブリッジ回路2と、同一構成の第1のゲート駆動回路31及び第2のゲート駆動回路32と、同一構成の第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42と、同一構成の第1のブリッジ回路短絡判定手段61及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62とを備えている。
ブリッジ回路2は、直列に接続された同一構成の第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72により構成され、ブリッジ回路2の両側の一対の直流端が充放電可能な直流電源8の両端に接続されている。直流電源8としては、例えばリチウムイオンバッテリや、キャパシタなどを用いることができる。第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72としては、例えばNチャネル型のMOSFETを用いることができる。
第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子及びソース端子は、それぞれ第1のゲート駆動回路31及び第1の電圧変化率検出手段41に接続されている。第1のゲート駆動回路31は、制御部(図示していない)からのゲートオン信号又はゲートオフ信号に応じて、第1のパワー半導体スイッチング素子71を駆動する。第1のブリッジ回路短絡判定手段61は、第1の電圧変化率検出手段41の出力信号が接続されている。
第2のパワー半導体スイッチング素子72のゲート端子及びソース端子は、それぞれ第2のゲート駆動回路32及び第2の電圧変化率検出手段42に接続されている。第2のゲート駆動回路32は、制御部(図示していない)からのゲートオン信号又はゲートオフ信号に応じて、第2のパワー半導体スイッチング素子72を駆動する。第2のブリッジ回路短絡判定手段62は、第2の電圧変化率検出手段42の出力信号が接続されている。
図2は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、ゲート駆動回路、電圧変化率検出手段、及びブリッジ回路短絡判定手段の一例を示す回路図であって、図1に於ける第1のゲート駆動回路31、第1の電圧変化率検出手段41、及び第1のブリッジ回路短絡判定手段61の具体回路を示している。尚、図1に於ける第2のゲート駆動回路32、第2の電圧変化率検出手段42、及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62の具体回路は、それぞれ図2に於ける第1のゲート駆動回路31、第1の電圧変化率検出手段41、及び第1のブリッジ回路短絡判定手段61の具体回路と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図2に於いて、第1のゲート駆動回路31は、直列接続された一対の半導体スイッチング素子311、312と、これらの半導体スイッチング素子311、312の直列接続部に一端が接続され、他端が第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子に接続された抵抗313により構成されている。尚、半導体スイッチング素子311、312は、例えばNチャネル型のMOSFETを用いることができる。
第1の電圧変化率検出手段41は、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート
端子に接続されたコンデンサ411と、このコンデンサ411に一端が接続され他端が第1のパワー半導体スイッチング素子71のソース端子に接続された抵抗412とにより構成されている。
第1のブリッジ回路短絡判定手段61は、オペアンプを備えたコンパレータ611により構成されている。コンパレータ611を構成するオペアンプの反転入力端子は、第1の電圧変化率検出手段41に於けるコンデンサ411と抵抗412との直列接続部に接続され、オペアンプの非反転入力端子は、直流電源612を介して第1の電圧変化率検出手段41に於ける抵抗412の他端子に接続されている。第1のブリッジ回路短絡判定手段61の基準電圧源613としては、例えば、シリーズレギュレータ、シャントアンプ、DCDCコンバータなどを用いることができる。
ここで、第1の電圧変化率検出手段41としては、前述のように抵抗412とコンデンサ411による構成の他に、例えばオペアンプにより構成されたハイパスフィルタを用いることができる。又、第1のブリッジ回路短絡判定手段61は、図2に示す構成の他に例えば、NAND回路やラッチ回路のような論理回路を用いてもよい。
図3は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の動作を説明するフローチャートであって、電力変換装置1に於ける第1のブリッジ回路短絡判定手段61の動作を示すフローチャートである。以下、図3に示すフローチャートを用いて、第1のブリッジ回路短絡判定手段61によるブリッジ回路短絡判定動作について具体的に説明する。第2のブリッジ回路短絡判定手段62によるブリッジ回路短絡判定動作は、第1のブリッジ回路短絡判定手段61によるブリッジ回路短絡判定動作と同様であるのでその説明を省略する。
図3に於いて、先ず、ステップS100では、第1の電圧変化率検出手段41は、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲートオン時に、パワー半導体スイッチング素子71のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出し、ステップS101へ進む。
ステップS101では、第1の電圧変化率検出手段41に於いて検出した電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率△Vgs1以上で所定の時間継続しているか否かを、第1のブリッジ回路短絡判定手段61が判定し、検出した電圧変化率が第1の所定の電圧変化率△Vgs1以上で所定の時間継続していると判定した場合(YES)はステップS102へ進む。ステップS102では、第1のブリッジ回路短絡判定手段61は、ブリッジ回路2が短絡故障している旨の論理信号を出力し、処理を終了する。
一方、ステップS101に於いて、検出した電圧変化率が第1の所定の電圧変化率△Vgs1以上で所定の時間継続していないと判定した場合(NO)はステップS103へ進み、ステップS103に於いて、第1のブリッジ回路短絡判定手段61は、ブリッジ回路2が短絡故障していない旨の論理信号を出力し、処理を終了する。
第2のブリッジ回路短絡判定手段62によるブリッジ回路短絡判定動作は、前述の第1の電圧変化率検出手段41の動作と同様であり、第2のパワー半導体スイッチング素子72のゲートオン時に、パワー半導体スイッチング素子72のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出し、ブリッジ回路2が短絡故障の有無を判定し、ブリッジ回路2が短絡故障している旨の論理信号又は故障していない旨の論理信号を出力し、処理を終了する。
図4は、パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於ける、ゲート端子電圧及びゲート端子に充電される電荷量の特性を示す説明図であって、縦軸はゲート電圧、横軸は時間を示す。図4に於いて、実線はブリッジ回路2が短絡故障をしているときのゲート端子電圧波形Aを示し、破線はブリッジ回路2が短絡故障をしていないときのゲート端子電圧波形Bを示している。
前述のステップS101の第1の所定の電圧変化率△Vgs1を設定する方法として、例えば、図4に示すように、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のスイッチング過渡期に於けるゲート端子電圧、及びゲート端子に充電される電荷量の特性を利用する方法を用いることができる。即ち、図4に示すように、スイッチング過渡期のゲート端子電圧は、ブリッジ回路2が短絡故障している場合と、短絡故障していない場合を比較すると、短絡故障していない場合は、ゲート端子電圧波形Bで示すようにミラー電圧のため、電圧変化率が小さくなる期間Taが発生する。
従って、第1の所定の電圧変化率△Vgs1は、ゲート端子に流れる電流をig、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のゲート端子とソース端子間の寄生容量をCgsとしたとき、下記の式(1)により設定することができる。

△Vgs1=ig/Cgs ・・・式(1)
又、第1の電圧変化率検出手段41、及び第2の電圧変化率検出手段42では、例えば図2に示すように、コンデンサと抵抗によるハイパスフィルタで構成される場合の時定数τの設定方法として、前述の方法に基づき、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72の、ゲート端子とソース端子間の電荷量をQgsとして、下記の式(2)により設定することができる。

τ=Qgs/ig ・・・式(2)
図5は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の一例を示す説明図であって、縦軸は出力電圧、横軸は時間を示す。図5に於いて、実線は、図4に於けるゲート端子電圧波形Aに対する第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧波形Cの一例を示し、破線は、図4に於けるゲート端子電圧波形Bに対する第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧波形Dの一例を示す。
図5の出力電圧波形Cに示すように、ブリッジ回路2の短絡故障時には、第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧は、時間の経過と共に上昇を続けるのに対し、ブリッジ回路2に短絡故障がない場合は、出力電圧波形Dに示すように、ミラー電圧の期間Taに於いて第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧が低下する。従って、第1のブリッジ回路短絡判定手段61及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62は、第1の所定の電圧変化率△Vgs1が所定の時間継続しているか否かの判定方法として、図5に示す基準電圧Vthを基準電圧とするコンパレータを設け、第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧が、基準電圧Vth以上となった場合はブリッジ回路2が短絡故障していると判定することができる。
ここで、基準電圧Vthは、ブリッジ回路2に短絡故障が発生していない場合に於ける第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧波形Dが取り得る値より大きく設定される。例えば、基準電圧Vthを設定する方法として、ブリッジ回路2の短絡故障時に於ける第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧Vo(t)が、下記の式(3)により表わせることを用いて設定する
ことができる。

Vo(t)=τ×△Vgs1×{1−exp(−t/τ)}・・・式(3)

但し、expは指数関数を示す。
ここで、時間tは、例えば、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のゲート端子とソース端子間の電荷量Qgs、ゲート端子とドレイン端子間の電荷量Qgd、及びゲート端子に流れる電流igを用いて、下記の式(4)により求めることができる。

t =(Qgs + Qgd)/ig ・・・式(4)
一方、同期整流のように、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のドレイン端子とソース端子間に電圧がほとんどなく、ミラー電圧が見られないようなソフトスイッチング動作(以下、ソフトスイッチング動作、と称する)に於いても、ブリッジ回路2の短絡故障を誤検出しないように設定することが求められる。そこで、前述の基準電圧Vthを設定する別の方法として、以下に述べる方法を用いることができる。
即ち、図6は、この発明の実施の形態1に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の別の一例を示す説明図である。より詳しくは、図6の(a)は、パワー半導体スイッチング素子のソフトスイッチング動作時に於ける、ゲート端子電圧及びゲート端子に充電される電荷量の特性を示す説明図であって、縦軸はゲート電圧、横軸は時間を示し、実線はブリッジ回路2が短絡故障をしているときのゲート端子電圧波形Eを示し、破線はブリッジ回路2が短絡故障をしていないときのゲート端子電圧波形Fを示している。図6の(b)は、パワー半導体スイッチング素子のソフトスイッチング動作時に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の一例を示す説明図であって、縦軸は出力電圧、横軸は時間を示し、実線は、図6の(a)に於けるゲート端子電圧波形Eに対する第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧波形Gの一例を示し、破線は、図6の(a)に於けるゲート端子電圧波形Fに対する第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧波形Hの一例を示す。
例えば、図6の(a)に示すように、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のソフトスイッチング動作時に於けるゲート端子電圧の電圧変化率△Vgs_zvsは、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第
2のパワー半導体スイッチング素子72のゲート端子とドレイン端子間の寄生容量をCgdとして、下記の以下の式(5)で表すことができる。

△Vgs_zvs=ig/(Cgs+Cgd) ・・・式(5)
従って、前述の式(3)の電圧変化率△Vgs1を式(5)に於ける電圧変化率△Vgs_zvsに置き換えると共に、時間[t=∞]に於ける電圧[Vo(∞)]を求める。
そして前述の基準電圧Vthを、下記の式(6)を満たす値に設定することができる。

Vth>Vo(∞)=τ×△Vgs_zvs ・・・式(6)
第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子7
2のソフトスイッチング動作時の電圧変化率△Vgs_zvsは、ブリッジ回路2の短絡
故障時の電圧変化率△Vgs1よりも小さいため、第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42の出力電圧は、図6の(b)に於ける出力電圧波形Hに示される波形となり、第1のブリッジ回路短絡判定手段61及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62の基準電圧Vthを式(6)に基づいて適切に設定することで、ブリッジ回路2の短絡故障の誤検出を回避することができる。
加えて、ゲート端子に流れる電流igが定電流となるように第1のゲート駆動回路31及び第2のゲート駆動回路32を構成すれば、前述の式(1)や、式(5)に示す電圧変化率を一定にすることができるので、ブリッジ回路2の短絡故障を判定する基準電圧Vthを決定し易くなる。又、電圧変化率のばらつき要素が第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72の個体差や温度特性のみに絞ることができるので、より正確にブリッジ回路2の短絡故障を検出することができる。尚、定電流回路の具体的な構成については、種々提案されており、それらの技術が適用できるため、ここでは説明を省略する。
一方、スイッチング過渡期の第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72の損失をより低減する目的で、定電流値を大小2段階に切り替えられる第1のゲート駆動回路31及び第2のゲート駆動回路32を備え、ブリッジ回路2の短絡故障が無いことを判定した後に、ゲート端子に流れる電流を小から大に切り替えるようにしてもよい。
即ち、スイッチング過渡期のゲート端子電圧立ち上がりに於いてブリッジ回路2の短絡故障の検出を実施するので、短絡故障の検出にかかる時間を短くすることができ、定電流切り替えによる大電流を、第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72のゲート端子に流す前にブリッジ回路2の故障有無を判定することができ、無駄な電流を流さなくて済むと同時に、大電流が流れ続けることによる第1のゲート駆動回路31及び第2のゲート駆動回路32の2次故障を防止することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1による電力変換装置によれば、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出して、ブリッジ回路の短絡故障を判定するので、高耐圧部品、及び絶縁距離を不要とすることができ、ブリッジ回路の短絡故障に関わる回路を小型かつ、低コストに構成することができる。
又、スイッチング過渡期のゲート電圧立ち上がりに於いて短絡故障の検出を実施するので、短絡故障の検出にかかる時間を短くすることができ、短絡故障検出の時間遅れに伴う短絡電流の増加を抑えることができる。
加えて、短絡故障検出の時間が短いので、シリコンに比べてスイッチング速度の速い炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料等を用いたワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子によって構成されるブリッジ回路に於いても前述の短絡故障検出方法が適用でき、電力変換装置の低損失及び小型化を図ることができる。
更に、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率をもとにブリッジ回路の故障を検出するので、同期整流のようにパワー半導体スイッチング素子のドレイン端子とソース端子間の電圧が低く、ミラー電圧が見えないソフトスイッチング動作においても、誤検出なく正確にブリッジ回路2の故障を判定することができる。
実施の形態2.
前述の実施の形態1による電力変換装置では、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率が大きく、その継続期間が長いほど、電圧変化率検出手段の出力電圧が大きくなる特性を利用して、ブリッジ回路の短絡故障を判定する基準電圧Vthを設定することで、第1の所定の電圧変化率が所定の時間継続していると判定するようにしていた。これに対して、この発明の実施の形態2による電力変換装置では、ブリッジ回路短絡判定手段に於けるパワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率が所定の時間継続していることを、別の方法を用いて判定するようにしたものである。
図7は、この発明の実施の形態2に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段及び、ブリッジ回路短絡判定手段の一例を示す回路図である。尚、図7では、図1に於けるブリッジ回路2を構成する第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72、第1の電圧変化率検出手段41及び第2の電圧変化率検出手段42、第1のブリッジ回路短絡判定手段61及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62のうち、それぞれ一方のみを図示し、パワー半導体スイッチング素子7、電圧変化率検出手段4、ブリッジ回路短絡判定手段6として表示している。
図7に於いて、電圧変化率検出手段4は、前述の実施の形態1の場合と同様に、パワー半導体スイッチング素子7のゲート端子とソース端子間の電圧を入力とするハイパスフィルタ711を備えると共に、ハイパスフィルタ711の出力が反転入力端子と非反転入力端子にそれぞれ入力されるオペアンプにより構成されたコンパレータ721を備えている。オペアンプで構成されたコンパレータ721は、ハイパスフィルタ711の出力電圧と、前述の第1の所定の電圧変化率をもとに設定される基準電圧Vth7とを比較する構成となっている。又、コンパレータ721の出力はブリッジ回路短絡判定手段6に入力される。
又、電圧変化率検出手段4には、パワー半導体スイッチング素子7のゲート端子とソース端子間の電圧を入力とするバンドパスフィルタ74が備えられている。バンドパスフィルタ74は、第1の所定の電圧変化率である場合のみ信号を通過させる特性を持ち、その出力信号はブリッジ回路短絡判定手段6に入力される。バンドパスフィルタ74は、例えば、図7に示すようにコンデンサやコイルによって構成されている。或いは、オペアンプを用いて構成してもよい。
ブリッジ回路短絡判定手段6は、エッジカウント回路73、インバータ75、タイマ回路76、ラッチ回路77を有している。エッジカウント回路73は、コンパレータ721の出力する矩形波信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出すると共に、エッジ検出回数をカウントし、所定回数カウントした後、論理信号レベル「Lo」を出力するものである。尚、図7に示すエッジカウント回路73の例では、前述のエッジを2回検出した後、論理信号レベル「Lo」を出力するように、フリップフロップやラッチ回路によって構成されている。
インバータ75は、バンドパスフィルタ74の出力電圧を「Hi」又は「Lo」の論理信号レベルに変換するものであり、図7の例では、第1の所定の電圧変化率である場合にのみ論理信号レベル「Lo」を出力し、それ以外は論理信号レベル「Hi」を出力するように構成されている。また、インバータ75の出力は、ラッチ回路77に入力される。
タイマ回路76は、制御部(図示していない)が出力するゲートオン信号をもとに、所定時間を計測するものであり、その出力信号は前述のインバータ75の出力と共にラッチ回路77に入力される。ラッチ回路77では、所定時間経過後にタイマ回路76から出力される信号をもとに、インバータ75が出力する信号の論理レベルをラッチするように構
成されている。尚、図7に示すラッチ回路77の例では、所定時間後の電圧変化率が第1の所定の電圧変化率であれば論理信号レベル「Hi」を出力し、それ以外であれば孫理信号レベル「Lo」を出力するように構成されている。タイマ回路76としては、例えば、発振器やフリップフロップを用いた回路とすることができる。
図7に於いて、ラッチ回路77の出力は、前述のエッジカウント回路73に入力され、ラッチ回路77の出力信号の論理レベルが「Lo」の場合は、エッジカウント回路73のエッジ検出動作を無効とし、エッジカウント回路73は、論理レベルが「Lo」を出力するように構成されている。又、ラッチ回路77の出力信号の論理レベルが「Hi」の場合は、エッジカウント回路73のエッジ検出動作を有効である。
図8は、この発明の実施の形態2に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段及び、ブリッジ回路短絡判定手段の動作波形を示す説明図であって、(a)はパワー半導体スイッチング素子7のゲート電圧、(b)はハイパスフィルタ711の出力電圧、(c)はコンパレータ721の出力電圧、(d)はラッチ回路77の出力信号、(e)はエッジカウント回路73の出力信号を示し、それぞれ横軸は時間を示している。
図8の(a)に於いて、実線はブリッジ回路2が短絡故障している場合のゲート電圧波形Jを示し、破線はブリッジ回路2に短絡故障が無い場合のゲート電圧波形Lを示し、一点鎖線はブリッジ回路2に短絡故障がなく且つパワー半導体スイッチング素子7のソフトスイッチング時のゲート電圧波形Kを示している。図8の(b)に於いて、実線はブリッジ回路2が短絡故障している場合のハイパスフィルタ711の出力電圧波形Mを示し、破線はブリッジ回路2に短絡故障が無い場合のハイパスフィルタ711の出力電圧波形Nを示し、一点鎖線はブリッジ回路2に短絡故障がなく且つパワー半導体スイッチング素子7のソフトスイッチング時のハイパスフィルタ711の出力電圧波形Rを示している。
次に、図8に示す説明図を用いてブリッジ回路2の短絡判定動作について、具体的に説明する。図8に於いて、時刻0からゲート電圧が立ち上がり始め、ブリッジ回路短絡判定手段6は、制御部(図示していない)からのゲートオン信号をもとにタイマ回路76が時間計測を開始する。
次に、図8の時刻t1に於いて、(b)に示す電圧変化率検出手段4のハイパスフィルタ711の出力電圧は、パワー半導体スイッチング素子7がソフトスイッチング動作でない場合は、ブリッジ回路2に短絡故障があっても無くても、出力電圧波形M、Nに示すように基準電圧Vth7以上となるため、(c)に示すコンパレータ721の出力信号は論理信号レベル「Hi」から「Lo」に変化する。
一方、パワー半導体スイッチング素子7のソフトスイッチング動作時では、(b)の出力電圧波形Rに示すように時刻t1から少し遅れて基準電圧Vth7以上となるため、その時点で(c)に示すコンパレータ721の出力信号は論理信号レベル「Hi」から「Lo」に変化する。エッジカウント回路73は、前述の時刻t1又は時刻t1から少し遅れた時点でコンパレータ721の出力信号の立ち下がりエッジを検出してカウントし、カウンタ値が「1」になる。
又、図8の時刻tpkに於いて、ブリッジ回路短絡判定手段6のタイマ回路76が所定時間の計測を完了し、タイマ回路76の出力信号は論理信号レベルが「Lo」から「Hi」に変化する。そして、ラッチ回路77では、タイマ回路76の出力信号の論理レベルの変化をきっかけとして、インバータ75の論理レベルをラッチする。
ここで、ブリッジ回路2に短絡故障が無く、パワー半導体スイッチング素子7がソフト
スイッチング動作している場合は、パワー半導体スイッチング素子7のゲート端子とソース端子間の電圧変化率が第1の所定の電圧変化率未満であるため、インバータ75の出力論理レベルは「Hi」となり、ラッチ回路77の出力論理レベルは、(d)に示すように反転されて「Lo」となり、エッジカウント回路73のエッジカウント動作が無効になるため、(e)に示すようにエッジカウント回路73の出力論理信号レベルが「Lo」となり、ブリッジ回路2の故障は無いと判定される。
更に、図8の時刻t2では、ブリッジ回路2に短絡故障がなく、パワー半導体スイッチング素子7がソフトスイッチング動作をしていない場合に於いて、(b)の出力電圧波形Nに示すように、ハイパスフィルタ711の出力電圧は基準電圧Vth7未満となるため、(c)に示すコンパレータ721の出力信号は、論理信号レベル「Lo」から「Hi」に変化する。
このとき、エッジカウント回路73が、コンパレータ721の出力信号の立ち上がりエッジを検出してカウントし、カウンタ値が「2」になると共に、(e)に示すようにエッジカウント回路73の出力論理信号レベルが「Hi」から「Lo」に変化する。このように、ブリッジ回路2に短絡故障がなく、ソフトスイッチング動作をしていない場合は、エッジカウント回路73の出力論理信号レベルが「Hi」から「Lo」になるので、ブリッジ回路2の故障は無いと判定される。
一方、ブリッジ回路2が短絡故障している場合は、図8の時刻t2に於いてもハイパスフィルタ711の出力電圧は、(b)の出力電圧波形Mに示すように基準電圧Vth7以上であるため、コンパレータ721の出力信号は論理信号レベル「Lo」のままであり、エッジカウント回路73の出力論理信号レベルも(d)に破線で示すように「Hi」のままであり、ブリッジ回路2が短絡故障していると判定される。
図8の基準電圧Vth7を設定する方法としては、例えば、図8に於ける時刻t2と時刻t1との時刻の差、つまり時刻t1と時刻t2との間の時間が、パワー半導体スイッチング素子7の寄生ダイオードの逆回復時間trc以上となるように設定されることを利用することができる。即ち、図8の時刻t1に於ける基準電圧Vth7は、ハイパスフィルタ711の出力電圧特性を用いて、下記の式(7)で表すことができる。

Vth7=τ×△Vgs1×{1−exp(−t1/τ)}・・・式(7)

ここで、t1は、図8に示す時刻「0」から時刻t1までの時間に相当する。
いま、式(7)をt1について解くと、下記の式(8)となる。

t1=−τ×ln(1−Vth7/τ/△Vgs1)・・・式(8)
一方、図8に示す時刻t1に於ける基準電圧Vth7は、ブリッジ回路短絡判定手段6のタイマ回路76が所定時間の計測を完了する時刻tpkに於いて電圧変化率△Vgs1が「0」になるものとして、時刻tpkに於ける電圧値Vpkからのステップ応答として、以下の式9で表すことができる。

Vth7=Vpk−τ×△Vgs1×{1−exp(−t2/τ+tpk/τ)}

ここで、Vpk=τ×△Vgs1×{1−exp(−tpk/τ)},
tpk=Qgs/ig
・・・式(9)
従って、式(9)をt2について解くと、下記の式(10)となる。

t2=−τ×ln(1−(Vpk−Vth7)/τ/△Vgs1)
−Qgs/τ/ig
・・・式(10)
式(8)及び式(10)を[t2−t1≧trc]に代入して、基準電圧Vth7について解くと、下記の式(11)で表すことができる。
Figure 2018129869
又、図8に示す基準電圧Vth7は、電圧変化率△Vgs1が再び上昇に転ずる時刻t3での変曲点の電圧以上でなければならないため、下記の式(12)のように設定することができる。

Vth7≧Vpk−τ×△Vgs1
×{1−exp(−t3/τ+tpk/τ)}
・・・式(12)

ここで、t3=(Qgs+Qgd)/ig
更に、図8の所定の時刻tpkを設定する方法としては、例えば、ゲート端子に流れる電流ig、及びパワー半導体スイッチング素子7のゲート端子とソース端子間の電荷量Qgsを用いて、下記の式(13)により設定することができる。

tpk=Qgs/ig ・・・式(13)
或いは、ブリッジ回路2を構成するパワー半導体スイッチング素子7の相補動作に伴ってゲート駆動回路3が設定するデッドタイムtdを式(13)に加えた下記の式(13)により、所定の時刻tpkを設定するとこができる。

tpk =Qgs/ig+td ・・・式(14)
以上のように、この発明の実施の形態2による電力変換装置によれば、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出して、ブリッジ回路の短絡故障を判定するようにしたので、高耐圧部品、及び絶縁距離を不要とすることができ、ブリッジ回路の短絡故障に関わる回路を小型かつ、低コストに構成することができる。
又、パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期のゲート電圧立ち上がりに於いてブリッジ回路の短絡故障の検出を実施するので、短絡故障検出に要する時間を短くすることができ、短絡故障検出の時間遅れに伴う短絡電流の増加を抑えることができる。
更に、短絡検出時間が短いので、シリコンに比べてスイッチング速度の速い炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料等を用いたワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子によって構成されるブリッジ回路に於いても前述の短絡故障の検出を適用することができ、電力変換装置の低損失および小型化を図ることができる。
又、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率をもとにブリッジ回路の短絡故障を検出するようにしているので、同期整流のようにパワー半導体スイッチング素子のドレイン端子とソース端子間の電圧が低く、ミラー電圧が見えないソフトスイッチング動作に於いても、誤検出することなく正確にブリッジ回路の短絡故障を判定することができる。
加えて、ブリッジ回路2の短絡故障時に於けるハイパスフィルタ711の出力電圧が基準電圧Vth7に一致する時刻t1からパワー半導体スイッチング素子7の寄生ダイオードの逆回復時間trc以上経過する時刻t2に於いて、ブリッジ回路2の短絡故障無し時に於けるハイパスフィルタ711の出力電圧が基準電圧Vth7に一致するように、コンパレータの基準電圧Vth7を設定するようにしているので、スイッチング過渡期において、当該寄生ダイオードの逆回復時間trcに於ける貫通電流でゲート端子電圧が一時的に跳ね上がっても、ブリッジ回路2の短絡故障の誤検出を回避することができる。
実施の形態3.
前述の実施の形態1、及び実施の形態2では、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を利用して、ブリッジ回路の短絡故障を判定する基準電圧Vthを設定することで、第1の所定の電圧変化率が所定の時間継続していると判定する方法について説明した。これに対して、本実施の形態3では、電圧変化率を比較する基準電圧を複数設け、より詳細にブリッジ回路2の故障を検出する方法について説明する。
図9は、この発明の実施の形態3に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。前述の実施の形態1に於ける図1と比較して、新たに第1のゲート短絡故障判定手段631及び第2のゲート短絡故障判定手段632が設けられている点が異なっている。その他の構成については、図1と同じであるので説明は省略する。
図9において、第1のゲート短絡故障判定手段631は、第1の電圧変化率検出手段41の出力信号が接続されている。第2のゲート短絡故障判定手段632は、第2の電圧変化率検出手段42の出力信号が接続されている。第1のゲート短絡故障判定手段631及び第2のゲート短絡故障判定手段632の具体的な構成としては、たとえば、図2に示すように構成された前述のコンパレータにより構成することができる。又、コンパレータの基準電圧源としては、例えば、シリーズレギュレータや、シャントアンプ、DCDCコンバータを用いることができる。
図10は、この発明の実施の形態3に係る電力変換装置に於ける、ゲート短絡故障判定の動作を説明するフローチャートである。以下、図10に示すフローチャートを用いて、第1のゲート短絡故障判定手段631及び第2のゲート短絡故障判定手段632のゲート短絡故障判定動作について、具体的に説明する。
図10に基づく以下の説明は、第1のゲート短絡故障判定手段631と第2のゲート短絡故障判定手段632のうち、第1のゲート短絡故障判定手段631について説明する。
第2のゲート短絡故障判定手段632の動作は、第1のゲート短絡故障判定手段631の動作と同様であるのでその説明を省略する。
図10のステップS300に於いて、第1の電圧変化率検出手段41は、ゲートオン時、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出し、ステップS301へ進む。
ステップS301では、第1の電圧変化率検出手段41により検出した電圧変化率が、第2の所定の電圧変化率△Vgs2以上か否かを第1のゲート短絡故障判定手段631が判定し、検出した電圧変化率が第2の所定の電圧変化率△Vgs2以上である場合(YES)には、ステップS302へ進む。ステップS302に於いて、第1のゲート短絡故障判定手段631は、ブリッジ回路2のパワー半導体スイッチング素子71のゲートが短絡故障していない旨の論理信号を出力し、処理を終了する。
一方、前述の第1の電圧変化率検出手段41が検出した電圧変化率が第2の所定の電圧変化率△Vgs2来満である場合(NO)には、ステップS303へ進み、ステップS303に於いて、第1のゲート短絡故障判定手段631は、ブリッジ回路2の第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲートが短絡故障している旨の論理信号を出力し、処理を終了する。
前述のステップS301での第2の所定の電圧変化率△Vgs2を設定する方法として、例えば、前述の式(5)にて示す電圧変化率△Vgs_zvsを用いることができる。
即ち、第2の所定の電圧変化率△Vgs2は、以下の式(15)により設定することができる。

△Vgs2<△Vgs_zvs ・・・式(15)
そして、第1のゲート短絡故障判定手段631に於ける基準電圧Vth63を設定する方法としては、例えば、前述の式(3)に示したように、ブリッジ回路短絡故障時の第1の電圧変化率検出手段41の出力電圧Vo(t)を利用して、下記の式(16)に基づいて設定することができる。

Vth6=τ×△Vgs2×{1−exp(−t/τ)}・・・式(16)
ここで、式(16)に於ける時間tとしては、例えば、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子とソース端子間の電荷量Qgs、ゲート端子とドレイン端子間の電荷量Qgd、及びゲート端子に流れる電流igを用いて、前述の式(4)により求めることができる。或いは、図11の(b)に示すハイパスフィルタ711の出力電圧のグラフにおける時刻t3の出力電圧Vo(t3)よりも小さな値に設定することができる。
即ち、図11は、この発明の実施の形態3に係る電力変換装置に於ける、電圧変化率検出手段の出力電圧波形の一例を示す説明図であって、(a)は第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート電圧、(b)は第1の電圧変化率検出手段41に於けるハイパスフィルタ711(図7参照)の出力電圧を示し、それぞれ横軸は時間を示している。
図11の(a)に於いて、実線はブリッジ回路2が短絡故障している場合のゲート電圧波形Sを示し、破線はブリッジ回路2に短絡故障が無い場合のゲート電圧波形Uを示し、一点鎖線はブリッジ回路2に短絡故障がなく且つ第1のパワー半導体スイッチング素子7
1のソフトスイッチング時のゲート電圧波形Tを示している。図11の(b)に於いて、実線はブリッジ回路2が短絡故障している場合のハイパスフィルタの出力電圧波形Vを示し、破線はブリッジ回路2に短絡故障が無い場合のハイパスフィルタの出力電圧波形Xを示し、一点鎖線はブリッジ回路2に短絡故障がなく且つ第1のパワー半導体スイッチング素子71のソフトスイッチング時のハイパスフィルタの出力電圧波形W示している。
図11に於いて、ここで、ハイパスフィルタの出力電圧Vo(t3)は、下記の式(17)により算出することができる。

Vo(t3)=Vpk−τ×△Vgs1
×{1−exp(−t3/τ+tpk/τ)} ・・・式17

ここで、t3=(Qgs+Qgd)/ig

但し、Qgsは、ゲート端子とソース端子間の電荷量、Qgdはゲート端子とドレイン端子間の電荷量、及びigは、ゲート端子に流れる電流である。
尚、スイッチング過渡期の第1のパワー半導体スイッチング素子71の損失を、より低減する目的で、定電流値を大小2段階に切り替えられる第1のゲート駆動回路31を備え、ブリッジ回路2の短絡故障、及び第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート短絡故障が無いことを判定した後に、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子に流れる電流を小から大に切り替えるようにしてもよい。この場合、第1のパワー半導体スイッチング素子71のスイッチング過渡期のゲート端子電圧立ち上がりに於いて短絡検出を実施するので、短絡検出に要する時間を短くすることができ、定電流切り替えによる大電流を、第1のパワー半導体スイッチング素子71のゲート端子に流す前にブリッジ回路2の故障の有無を判定することができ、無駄な電流を流さなくて済むと同時に、大電流が流れ続けることによる第1のゲート駆動回路31の2次故障を防止することができる。
尚、第1のブリッジ回路短絡判定手段61及び第2のブリッジ回路短絡判定手段62その他の動作は、前述の実施の形態1及び実施の形態2の場合と同様である。
以上のように、実施の形態3では、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率を検出して、ブリッジ回路の短絡故障を判定するので、高耐圧部品および、絶縁距離を不要とすることができ、ブリッジ回路の短絡故障に関わる回路を小型かつ、低コストに構成することができる。
又、パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期のゲート電圧立ち上がりにおいて短絡検出を実施するので、短絡検出にかかる時間を短くすることができ、短絡検出の時間遅れに伴う短絡電流の増加を抑えることができる。
更に、短絡検出時間が短いので、シリコンに比べてスイッチング速度の速い炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料等を用いたワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子によって構成されるブリッジ回路においても前述の短絡故障検出方法が適用でき、電力変換装置の低損失および小型化を図ることができる。
又、パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の電圧変化率をもとにブリッジ回路の故障を検出するので、同期整流のようにパワー半導体スイッチング素子のドレイン端子とソース端子間の電圧が低く、ミラー電圧が見えないソフトスイッチング動作においても、誤検出なく正確にブリッジ回路の故障を判定することができる。
加えて、ゲート短絡故障判定手段を設け、第2の電圧変化率△Vgs2をもとに、パワー半導体スイッチング素子のゲートの短絡故障を判定するので、複数の故障を速やかに検出し、短絡電流による他の回路の2次故障を防止することができる。この場合、実施の形態1及び実施の形態2の構成に対して、ゲート短絡故障判定手段を追加するだけなので、少ない回路素子で構成することができ、より安価にブリッジ回路2の故障検出機能を実現することができる。
尚、この発明は前述の実施の形態1、2、及び3による電力変換装置に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1、2、及び23構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
1 電力変換装置、2 ブリッジ回路、3 ゲート駆動回路、31 第1のゲート駆動回路、311,312 半導体スイッチング素子、32 第2のゲート駆動回路、4 電圧変化率検出手段、41 第1の電圧変化率検出手段、411 コンデンサ、31、412
抵抗、8、612 直流電源、42 第21の電圧変化率検出手段、6 ブリッジ回路短絡判定手段、61 第1のブリッジ回路短絡判定手段、62 第2のブリッジ回路短絡判定手段、7 パワー半導体スイッチング素子、71 第1のパワー半導体スイッチング素子、72 第2のパワー半導体スイッチング素子、711 ハイパスフィルタ、63 ゲート短絡故障判定手段、73 エッジカウント回路、74 バンドパスフィルタ、75
インバータ、76 タイマ回路、 77 ラッチ回路、611、721 コンパレータ、 631 第1のゲート短絡故障判定手段、632 第2のゲート短絡故障判定手段
この発明による電力変換装置は、
充放電可能な直流電源と、
複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
を備え、
前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続しているとき、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するよう
に構成され、
前記ゲート駆動回路は、前記パワー半導体スイッチング素子を定電流値で駆動すると共に、前記定電流値を第1の定電流値と前記第1の定電流値より大きい第2の定電流値との2段階に切り替えることができる定電流切り替え手段を有し、
前記定電流切り替え手段は、前記ブリッジ回路短絡判定手段により前記ブリッジ回路の短絡故障が無いと判定された場合に、前記定電流値を前記第1の定電流値から前記第2の定電流値に切り替えるように構成されている、
ことを特徴とする。
又、この発明による電力変換装置は、
充放電可能な直流電源と、
複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障を判定するゲート短絡故障判定手段と、
を備え、
前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率以上が所定の時間継続している場合に、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成され、
前記ゲート短絡故障判定手段は、
前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第2の所定の電圧変化率未満である場合に、前記パワー半導体スイッチング素子にゲート短絡故障が発生していると判定するように構成され、
前記ゲート駆動回路は、前記パワー半導体スイッチング素子を定電流値で駆動すると共に、前記定電流値を第1の定電流値と前記第1の定電流値より大きい第2の定電流値との2段階に切り替えることができる定電流切り替え手段を有し、
前記定電流切り替え手段は、前記ブリッジ回路短絡判定手段により前記ブリッジ回路の短絡故障が無く、且つ前記ゲート短絡故障判定手段により前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障が無いと判定された場合に、前記定電流値を前記第1の定電流値から前記第2の定電流値に切り替えるように構成されている、
ことを特徴とする。
一方、スイッチング過渡期の第1のパワー半導体スイッチング素子71及び第2のパワー半導体スイッチング素子72の損失をより低減する目的で、定電流値を、第1の定電流値と第1の定電流値よりも大きい値を有する第2の定電流値との、大小2段階に切り替えられる第1のゲート駆動回路31及び第2のゲート駆動回路32を備え、ブリッジ回路2の短絡故障が無いことを判定した後に、ゲート端子に流れる電流を第2の定電流値よりさい値の第1の定電流値から、第1の定電流値よりきな値の第2の定電流値に切り替えるようにしてもよい。
1 電力変換装置、2 ブリッジ回路、3 ゲート駆動回路、31 第1のゲート駆動回路、311,312 半導体スイッチング素子、32 第2のゲート駆動回路、4 電圧変化率検出手段、41 第1の電圧変化率検出手段、411 コンデンサ、412 抵抗、8、612 直流電源、42 第2の電圧変化率検出手段、6 ブリッジ回路短絡判定手段、61 第1のブリッジ回路短絡判定手段、62 第2のブリッジ回路短絡判定手段、7 パワー半導体スイッチング素子、71 第1のパワー半導体スイッチング素子、72 第2のパワー半導体スイッチング素子、711 ハイパスフィルタ、63 ゲート短絡故障判定手段、73 エッジカウント回路、74 バンドパスフィルタ、75 インバータ、76 タイマ回路、 77 ラッチ回路、611、721 コンパレータ、 631 第1のゲート短絡故障判定手段、632 第2のゲート短絡故障判定手段。





Claims (13)

  1. 充放電可能な直流電源と、
    複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
    前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
    前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
    前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
    を備え、
    前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
    前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、所定の電圧変化率以上で且つ所定の時間継続しているとき、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 充放電可能な直流電源と、
    複数のパワー半導体スイッチング素子により構成され、前記直流電源の正極に接続された正極側端子と前記直流電源の負極に接続された負極側端子とを備えたブリッジ回路と、
    前記パワー半導体スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
    前記パワー半導体スイッチング素子のスイッチング過渡期に於けるゲート端子の電圧変化率を検出する電圧変化率検出手段と、
    前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記ブリッジ回路の短絡故障を判定するブリッジ回路短絡判定手段と、
    前記電圧変化率検出手段の出力信号に基づいて前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障を判定するゲート短絡故障判定手段と、
    を備え、
    前記ブリッジ回路短絡判定手段は、
    前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第1の所定の電圧変化率以上が所定の時間継続している場合に、前記ブリッジ回路に短絡故障が発生していると判定するように構成され、
    前記ゲート短絡故障判定手段は、
    前記電圧変化率検出手段が検出した前記電圧変化率が、第2の所定の電圧変化率未満である場合に、前記パワー半導体スイッチング素子にゲート短絡故障が発生していると判定するように構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記電圧変化率検出手段は、ハイパスフィルタによって構成され、
    前記ブリッジ回路短絡判定手段は、前記ハイパスフィルタの時定数と前記第1の所定の電圧変化率に基づいて前記ブリッジ回路の短絡を判定するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1の所定の電圧変化率は、前記ゲート駆動回路から前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子に流れる電流と、前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の寄生容量に基づいて設定される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1の所定の電圧変化率は、前記パワー半導体スイッチング素子の寄生ダイオードの逆回復時間に基づいて設定される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2の所定の電圧変化率は、前記ゲート駆動回路から前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子に流れる電流と、前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間の寄生容量と、ゲート端子とドレイン端子間の寄生容量と、に基づいて設定される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  7. 前記所定の時間は、前記ゲート駆動回路から前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子に流れる電流と、前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間に充電される電荷量と、ゲート端子とドレイン端子間に充電される電荷量と、に基づいて設定される、
    することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記所定の時間は、前記ゲート駆動回路から前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子に流れる電流と、前記パワー半導体スイッチング素子のゲート端子とソース端子間に充電される電荷量と、に基づいて設定される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  9. 前記所定の時間は、前記ブリッジ回路の相補動作に伴って設けられるデッドタイムに基づいて設定される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  10. 前記ゲート駆動回路は、前記パワー半導体スイッチング素子を定電流で駆動するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  11. 前記ゲート駆動回路は、前記パワー半導体スイッチング素子を定電流で駆動すると共に、定電流値を2段階に切り替えられる定電流切り替え手段を有し、
    前記定電流切り替え手段は、前記ブリッジ回路短絡判定手段により前記ブリッジ回路の短絡故障が無いと判定された場合に、前記定電流値を小さい値から大きな値に切り替えるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  12. 前記ゲート駆動回路は、前記パワー半導体スイッチング素子を定電流で駆動すると共に、定電流値を2段階に切り替えられる定電流切り替え手段を有し、
    前記定電流切り替え手段は、前記ブリッジ回路短絡判定手段により前記ブリッジ回路の短絡故障が無く、且つ前記ゲート短絡故障判定手段により前記パワー半導体スイッチング素子のゲート短絡故障が無いと判定された場合に、前記定電流値を小さい値から大きな値に切り替えるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  13. 前記パワー半導体スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体により構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか一項に記載の電力変換装置。
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