JP2011204593A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高密度充填正極を用いた非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させる。
【解決手段】正極活物質層が形成された正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータの表面積が、1m四方当り1.11m以上であり、下記式1により示される前記正極活物質層の真密度比が0.75以上である、ことを特徴とする非水電解質二次電池。
(式1) 真密度比=電極活物質層の活物質見かけ密度÷活物質の真密度
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、詳しくは非水電解質二次電池に用いるセパレータの改良に関する。
携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量である非水電解質二次電池が広く利用されている。
近年では、電池のさらなる高容量化や高出力化が求められており、正極活物質の充填密度を高めることや、正負電極の対向面積が大きく高出力化が容易な、正負電極をセパレータを介して巻回又は積層してなる電極体を用いることが行われている。
ここで、非水電解質二次電池のセパレータの改良に関しては、例えば特許文献1〜5の技術が提案されている。
特開2008-293786号公報 特開2009-238752号公報 特開平11-60792号公報 特開平11-60791号公報 特開2009-91461号公報
特許文献1は、ポリエチレンとポリプロピレンの合計重量に対して、ポリプロピレンを7重量%〜25重量%含み、かつ、その表面粗さ(Ra)が15nm〜30nmである微多孔膜をセパレータとして用いる技術である。この技術によると、寿命性能の高い電池が得られるとされる。
特許文献2は、セラミック物質及びバインダーの結合により形成される多孔膜と、ポリオレフィン系樹脂膜とを含んで構成されるセパレータにおいて、多孔膜の中心線平均粗さ(Ra)値を0.3〜1.5μmとし、ポリオレフィン系樹脂膜の空隙率を30〜60%とし、ポリオレフィン系樹脂膜の圧縮率を4〜10%とする技術である。この技術によると、電池の信頼性を落とさない範囲で電池の安全性を最大限確保することができるとされる。
特許文献3は、粘度平均分子量30万以上300万未満の高分子量ポリエチレン樹脂で構成され、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上である多孔性フィルムに関する技術である。この技術によると、電池セパレータとして適当な面強度、透気度を保持しつつ、粗面化されたポリエチレン樹脂製多孔性フィルムが実現できるとされる。
特許文献4は、99〜60重量%の粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂と、1〜40重量%の粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂とからなり、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上である多孔性フィルムに関する技術である。この技術によると、電池セパレータとして適当な面強度、透気度を保持しつつ、粗面化されたポリエチレン樹脂製多孔性フィルムが実現できるとされる。
特許文献5は、膜厚が2〜60μm、突刺強度が0.07N/μm〜0.50N/μm、長さ方向(MD)弾性率と幅方向(TD)弾性率の比(MD弾性率/TD弾性率)が3〜20、膜の表面粗さ(Ra)が0.3〜0.6μmであり、温度70℃、圧力2MPaで30秒間の熱プレス条件における膜厚変化が熱プレス前の膜の表面粗度(Ra)よりも0.5μm以上大きいポリオレフィン製微多孔膜に関する技術である。この技術によると、高い機械的強度と高い耐破膜性を有する、電池セパレータに適したポリオレフィン製微多孔膜が実現できるとされる。
本発明者は、高容量化のために高密度充填正極を用いた非水電解質二次電池について鋭意研究を行ったところ、高密度充填正極は空隙が少ないため、十分な量の非水電解質を内部に保持できず、非水電解質不足により正極でのスムースな充放電反応が阻害されてサイクル特性が低下することを知った。
また、リチウムイオンの吸蔵または脱離時に正極活物質は体積膨張するが、体積膨張時には正極内部に保持された非水電解質が正極外部へと移動する。高密度充填正極では、体積膨張時に正極外部へ移動した非水電解質が、体積減少(収縮)時に正極内部に移動しにくいため、非水電解質不足がさらに生じ易くなる。この問題は、正極活物質の体積膨張時に体積膨張する負極活物質を組み合わせる場合(たとえば、充電時にともに体積膨張するリチウムコバルト複合酸化物と黒鉛とを組み合わせる場合)に、より顕著となる。
そして、上記特許文献1〜5にかかるセパレータを用いた電池では、高密度充填正極の非水電解質不足を防止できないため、サイクル特性が低下することを知った。
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、高密度充填正極を用いた非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極活物質層が形成された正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータの表面積が、1m四方当り1.11m以上であり、下記式1により示される前記正極活物質層の真密度比が0.75以上であることを特徴とする。
(式1) 真密度比=電極活物質層の活物質見かけ密度÷活物質の真密度
上記構成では、セパレータの表面積が、1m四方当り1.11m以上と大きいので、セパレータ表面の凹凸が多く、セパレータと正極との間に一定の空間が生じる。正極活物質の体積膨張時には、この空間を経由して非水電解質が正極外部へと円滑に移動でき、正極活物質の体積収縮時には、この空間を経由して非水電解質が正極内部へと円滑に移動できる。よって、真密度比が0.75以上の高密度充填正極を用いる場合においても正極の非水電解質不足がおきにくく、これにより高いサイクル特性を実現できる。
ここで、電極活物質層の活物質見かけ密度とは、活物質の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、更に空隙等を含んだ活物質層の単位体積に含まれる活物質の質量を意味し、下記の式2により表される。また、活物質の真密度とは、活物質の空間を除いた実質密度を意味する。ここで、真密度は、液相置換法(ピクノメーター法)などにより測定することができる。なお、電極芯体(集電体)が発泡金属である場合には、下記式3によって求めることができる。
(式2) 電極活物質層の活物質見かけ密度=活物質層の質量×活物質の質量配合比率÷活物質層体積
(式3) 活物質の真密度=(電極全質量−発泡金属密度×(1−発泡金属の空孔率))×活物質の質量配合比率÷(電極全体積−発泡金属質量÷発泡金属密度)
本発明によると、高密度充填正極を用いた非水電解質二次電池のサイクル特性を向上できる。
図1は、セパレータの1m四方あたりの表面積と、サイクル特性との関係を示すグラフである。 図2は、セパレータの十点平均線粗さと、サイクル特性との関係を示すグラフである。 図3は、セパレータの十点平均面粗さと、サイクル特性との関係を示すグラフである。 図4は、セパレータの表面積測定のイメージ図である。
本発明を実施するための形態を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
〈正極の作製〉
層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi0.33Mn0.33Co0.34)と、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム含有リチウムコバルト複合酸化物(LiCo0.973Mg0.005Al0.02Zr0.002)とを、質量比1:9で混合して、正極活物質となした。この正極活物質と、導電剤としてのケッチェンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、質量比94:3:3で混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して正極活物質スラリーとした。この正極活物質スラリーを、アルミニウム製の正極集電体(厚み15μm)の両面に塗布した。この極板を、100〜150℃で真空処理し、スラリー調製時に必要であったNMPを揮発除去した。この後、厚みが0.13mm、下記式1で示される真密度比が0.75となるように圧延して正極を作製した。
(式1) 真密度比=電極活物質層の活物質見かけ密度÷活物質の真密度
〈負極の作製〉
負極活物質としての黒鉛と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)と、を質量比96:2:2で混合し、さらに水を混合して負極活物質スラリーとした。この後、この負極活物質スラリーを銅箔製の負極集電体(厚み10μm)の両面に塗布した。この極板を、100〜150℃で真空処理し、スラリー調製時に必要であった水を揮発除去した。この後、厚みが0.12mmとなるように圧延して負極を作製した。
〈電極体の作製〉
上記正極及び負極を、線粗さ(Rz)が1.40μm、面粗さ(Rz)が3.10、1m四方あたりの表面積が1.12mであるポリエチレンを主成分とする微多孔膜からなるセパレータを介して巻回することにより、渦巻電極体を作製した。
〔セパレータの表面積、線粗さ、面粗さの測定〕
セパレータの1m四方あたりの表面積、線粗さ(十点平均線粗さ)、面粗さ(十点平均面粗さ)を、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−9710)を用いて測定した。測定後のデータ解析には、付属ソフト(VK Analyzer(バージョン2.0.0.4))を用いた。また、十点平均線粗さ(Rz)、十点平均面粗さ(Rz)は、JIS B0601 : 2001に則って測定した。なお、高さ方向のノイズ低減処理を高さ閾値80で行った後に、表面積、線粗さ、面粗さの各数値を測定した。
上記レーザー顕微鏡のレーザー波長は、408nmの単波長光と、白色光と、を用いた。これらの光はいずれも可視光線であり、理論的にその分解能は100〜200nm程度となる。セパレータの孔(リチウムイオン伝導用の孔)は、平均孔径が50nmであるため、上記表面積、線粗さ、面粗さ測定では、図4に示すように、セパレータの孔の影響はないものと考えられる。
〈非水電解質の調製〉
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比3:7(25℃、1気圧)で混合し、電解質塩としてのLiPFを1.2M(モル/リットル)となるように溶解した。さらに、非水電解質全質量に対して2質量%となるようにビニレンカーボネートを添加して、非水電解質となした。
〈電池の組み立て〉
円筒形外装缶に上記電極体を挿入した後、上記電解液を注液し、外装缶の開口部を封口することにより、直径18mm、高さ65mm、容量2700mAhの実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
線粗さ(Rz)が1.15μm、面粗さ(Rz)が1.72μm、1m四方あたりの表面積が1.13mであるポリエチレンを主成分とする微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
正極活物質層の真密度比を0.76としたこと以外は、上記実施例2と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
正極活物質層の真密度比を0.77としたこと以外は、上記実施例2と同様にして、実施例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
線粗さ(Rz)が1.25μm、面粗さ(Rz)が2.27μm、1m四方あたりの表面積が1.04mであるポリエチレンを主成分とする微多孔膜からなるセパレータを用い、正極活物質層の真密度比を0.74としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
正極活物質層の真密度比を0.74としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
正極活物質層の真密度比を0.75としたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
線粗さ(Rz)が1.05μm、面粗さ(Rz)が2.04μm、1m四方あたりの表面積が1.07mであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
線粗さ(Rz)が2.25μm、面粗さ(Rz)が4.30μm、1m四方あたりの表面積が1.09mであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例6)
正極活物質層の真密度比を0.76としたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
正極活物質層の真密度比を0.77としたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
なお、上記実施例1〜4、比較例1〜7において、セパレータの1m四方あたりの表面積・線粗さ・面粗さは、主成分となるポリエチレンと、リチウムイオン伝導用の空孔を形成するための無機微粉体と、可塑剤と、を混練・加熱溶融してシート状の成型物となすときに、さらにこれら以外の成分(ポリプロピレン等の異種高分子や、アルミナ、チタニア、シリカ等の無機粒子)を添加することによって制御した。これらの成分が存在すると、ポリエチレンの規則性が乱れ、これらの成分の周囲に凹凸が形成されることにより、表面物性が変化すると考えられる。
〔サイクル特性試験〕
上記実施例1〜4、比較例1〜7と同一の条件で、電池をそれぞれ作製した。これらの電池を、定電流0.7It(1890mA)で電圧が4.30Vとなるまで充電し、その後定電圧4.30Vで電流が0.02It(54mA)となるまで充電した。この後、定電流0.5It(1350mA)で電圧が3.0Vとなるまで放電した。この充放電サイクルを300サイクル行い、下記式によりサイクル特性を算出した。この結果を下記表1及び図1〜3に示す。
サイクル特性(%)=300サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量×100
Figure 2011204593
表1及び図1から、真密度比が0.75の実施例1,2、比較例3〜5では、セパレータの1m四方あたりの表面積が大きくなるに伴い、サイクル特性が向上するという相関関係があることがわかる。これに対し、図2、3から、セパレータの線粗さや面粗さと、サイクル特性との間には、相関関係が特にないことがわかる。
このことは、次のように考えられる。セパレータの1m四方あたりの表面積が大きくなると、セパレータ表面の凹凸が多く、セパレータと正極との間に一定の空間が生じるようになる。充放電に伴い正極活物質が体積膨張する時(上記正極活物質では充電時)、この空間を経由して非水電解質が正極外部へと円滑に移動でき、正極活物質が体積収縮する時(上記正極活物質では放電時)には、この空間を経由して非水電解質が正極内部へと円滑に移動できる。よって、正極の非水電解質不足が起きず、サイクル特性が向上する(実施例1,2)。他方、セパレータの1m四方あたりの表面積が小さいと、セパレータ表面の凹凸が少なく、体積膨張時に正極外部へと移動した非水電解質が、体積収縮時に正極内部へと円滑に移動できない。このため、内部に保持できる非水電解質量が少ない高密度充填正極(真密度比0.75)を用いた非水電解質二次電池では、正極の非水電解質不足によりサイクル特性が低下する(比較例3〜5)。また、セパレータの線粗さや面粗さは、セパレータの表面粗さを示す指標ではあるものの、非水電解質の正極内部への移動しやすさに関連する指標とはならないと考えられる。
そして、図1の近似直線(最小二乗法による回帰直線)から、セパレータの1m四方あたりの表面積が1.11m以上であれば、サイクル特性を70%以上と十分に高くできることから、セパレータの1m四方あたりの表面積は1.11m以上とする。
また、表1から、真密度比が0.74であり、セパレータの1m四方あたりの表面積が1.04mである比較例1は、サイクル特性が75%であり、真密度比が0.74であり、セパレータの1m四方あたりの表面積が1.12mである比較例2のサイクル特性77%と大きな差がないことがわかる。
このことは、次のように考えられる。真密度比が0.74である正極は、充填密度が低く、正極内に存在する空隙が多いため、正極活物質の体積収縮時に正極内部へ非水電解質が移動し易い。このため、セパレータの表面に凹凸が少なくても、高いサイクル特性を維持できる。したがって、1m四方あたりの表面積が1.11m以上であるセパレータは、真密度比が0.75以上の正極に組み合わせる場合に顕著な効果が得られる。
また、表1から、真密度比が0.75である実施例2と比較例3、真密度比が0.76である実施例3と比較例6、真密度比が0.77である実施例4と比較例7から、同一の真密度では、1m四方あたりの表面積が1.13mである実施例2〜4のほうが、1m四方あたりの表面積が1.04mである比較例3,6,7よりも、それぞれサイクル特性が高いことがわかる。また、真密度が高まるに伴いサイクル特性がわずかに低下する傾向にあるものの、1m四方あたりの表面積が1.13mであるセパレータを用いた実施例2〜4では、77〜81%という高いサイクル特性が得られることがわかる。
このことは、次のように考えられる。上述したように1m四方あたりの表面積が1.11m以上のセパレータを用いると、正極の非水電解質不足が起きず、サイクル特性が向上する。真密度比が高くなるに伴い正極内に保持できる非水電解質量が減少し、非水電解質不足が起き易くなるが、表面の凹凸が多いセパレータを組み合わせると、サイクル特性の低下を極めて小さくできる。
(追加事項)
なお、セパレータの1m四方あたりの表面積の上限は特に設定しなくてもよいが、作製の容易さ等の観点から、上限を2.00mとすることが好ましい。
また、上記物性を満たすものであれば、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂を主体とするセパレータを用いることができる。
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、これらの化合物に含まれる遷移金属元素の一部を他の金属元素に置換した化合物が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、リン酸鉄リチウムが好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。また、正極に炭酸リチウム等の公知の添加剤を添加してもよい。
負極活物質としては、炭素材料、チタン酸化物、半金属元素、合金等を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素等が好ましい。チタン酸化物としては、LiTi12、TiO等が好ましい。半金属元素としては、ケイ素・スズ等が好ましい。合金としては、Sn−Co合金等が好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
更に、非水電解質の溶媒としては、プロピレンカーボネート・エチレンカーボネート・ブチレンカーボネート・ビニレンカーボネート・フルオロエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート、γ−ブチロラクトン・γ−バレロラクトンに代表されるラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン・1,2−ジメトキシエタン・ジエチレングリコールジメチルエーテル・1,3−ジオキソラン・2−メトキシテトラヒドロフラン・ジエチルエーテルに代表されるエーテル等を単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。また、非水電解質の電解質塩としては、LiPF、LiAsF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等を用いることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、セパレータの物性を改良することにより、高密度充填正極を用いた非水電解質二次電池のサイクル特性を飛躍的に向上できるという優れた効果を奏する。したがって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (1)

  1. 正極活物質層が形成された正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記セパレータの表面積が、1m四方当り1.11m以上であり、
    下記式1により示される前記正極活物質層の真密度比が0.75以上である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
    (式1) 真密度比=電極活物質層の活物質見かけ密度÷活物質の真密度
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