JP5317130B2 - 非水電解質電池用セパレータおよび非水電解質電池 - Google Patents
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Description
P ={1−(m/t)/(Σai・ρi)}×100 (1)
ここで、前記式中、ai:全体の質量を1としたときの成分iの比率、ρi:成分iの密度(g/cm3)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm2)、t:セパレータの厚み(cm)である。
+ |Yv1+Yv2+Yv3+Yv4+Yv5|)/5 (2)
透気度の増加率(%) = 100×(a−b)/a (3)
<セパレータの作製>
水600g中に、耐熱性無機微粒子である多面体形状のベーマイト合成品(アスペクト比1.4、D50=0.63μm)500gと、バインダであるアクリレート共重合体(モノマー成分としてブチルアクリレートを主成分とする市販のアクリレート共重合体)7.5gとを、スリーワンモーターを用いて1時間攪拌して分散させて、均一な耐熱多孔質層(A)形成用組成物を調製した。
正極活物質であるLiNi0.6Mn0.2Co0.2O2:86.2質量%と、導電助剤である黒鉛:9.0質量%およびアセチレンブラック:1.8質量%とを混合し、ここに、正極活物質、導電助剤および結着剤からなる正極合剤中において3質量%となる量のPVDF(結着剤)を含むNMP溶液を加え、よく混練して正極合剤含有スラリーを調製した。正極集電体となる厚みが20μmのアルミニウム箔の両面に、乾燥後の正極合剤層の質量が、正極集電体の片面あたり11.6mg/cm2となる量で前記のスラリーを均一に塗布し、その後80℃で乾燥し、更にロールプレス機で圧縮成形して正極を得た。なお、正極合剤含有スラリーをアルミニウム箔に塗布する際には、アルミニウム箔の一部が露出するようにした。前記正極の正極合剤層の厚みは、集電体(アルミニウム箔)の片面あたり、26μmであった。
負極活物質である天然黒鉛:90質量%と、導電助剤であるアセチレンブラック:4.7質量%とを混合し、ここに、負極活物質、導電助剤および結着剤からなる負極合剤中において5.3質量%となる量のPVDF(結着剤)を含むNMP溶液を加え、よく混練して負極合剤含有スラリーを調製した。負極集電体となる厚みが20μmの圧延銅箔の両面に、乾燥後の負極合剤層の質量が、負極集電体の片面あたり5.0mg/cm2となる量で前記のスラリーを均一に塗布し、その後80℃で乾燥し、更にロールプレス機で圧縮成形して負極を得た。なお、負極合剤含有スラリーを圧延銅箔に塗布する際には、圧延銅箔の一部が露出するようにした。前記負極の負極合剤層の厚みは、集電体(圧延銅箔)の片面あたり、21μmであった。
前記の正極と前記の負極とを、前記のセパレータを、その耐熱多孔質層(B)が正極と対向するように介在させつつ重ね合わせ、渦巻状に巻回して巻回電極体とした。この巻回電極体を、アルミニウムラミネートフィルム外装体に挿入し、非水電解液(エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとを2:4:4の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を1mon/lの濃度で溶解させた溶液)を外装体内に注入した後に、外装体の開口部を熱融着して、長さ65mm、直径18mmの円筒形の巻回電極体を内部に有するラミネート形リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池の定格容量は1150mAhであった。
ベーマイト合成品と架橋PMMA微粒子との比率が、体積比で30:70となるようにした以外は実施例1と同様にして耐熱多孔質層(B)形成用組成物を調製し、この耐熱多孔質層(B)形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータに係る耐熱多孔質層(B)では、ベーマイトの比重を3g/cm3、バインダの比重を1g/cm3、架橋PMMAの比重を1g/cm3として算出した架橋PMMA微粒子の体積比率が、69.1体積%であった。
ベーマイト合成品と架橋PMMA微粒子との比率が、体積比で70:30となるようにした以外は実施例1と同様にして耐熱多孔質層(B)形成用組成物を調製し、この耐熱多孔質層(B)形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータに係る耐熱多孔質層(B)では、ベーマイトの比重を3g/cm3、バインダの比重を1g/cm3、架橋PMMAの比重を1g/cm3として算出した架橋PMMA微粒子の体積比率が、29.1体積%であった。
水600g中に、実施例1で用いたものと同じ架橋PMMA微粒子の水分散体を1000g加え、更に、実施例1で用いたものと同じバインダを43.3g加え、スリーワンモーターを用いて1時間攪拌して分散させ、耐熱多孔質層(B)形成用組成物を調製した。
ベーマイト合成品と架橋PMMA微粒子との比率が、体積比で90:10となるようにした以外は実施例1と同様にして耐熱多孔質層(B)形成用組成物を調製し、この耐熱多孔質層(B)形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータに係る耐熱多孔質層(B)では、ベーマイトの比重を3g/cm3、バインダの比重を1g/cm3、架橋PMMAの比重を1g/cm3として算出した架橋PMMA微粒子の体積比率が、9.6体積%であった。
耐熱多孔質層(B)を形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。そして、このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形リチウムイオン二次電池を作製した。この電池の定格容量は、実施例1の電池と同じである。
セパレータを縦5cm、横10cmの長方形に切り取り、黒インクで縦方向に平行に3cm、横方向に平行に3cmの十字線を描いた。なお、セパレータを長方形に切り取るにあたっては、その縦方向が、セパレータを構成するPP/PE/PP製微多孔膜の機械方向(MD)となるようにし、前記十字線は、その交点が、セパレータ片の中心となるようにした。その後、セパレータ片を、200℃に保った恒温槽内に吊るし、1時間放置した。その後、セパレータ片を取り出して冷却した後、縦方向および横方向に描いた線の長さd(mm)をを計測し、下記式によって、縦方向、横方向のそれぞれについて、熱収縮率(%)を算出した。
熱収縮率 = 100×(30−d)/30
各セパレータ、およびこれらのセパレータに用いたPP/PE/PP製微多孔膜を、それぞれ4cm×4cmの正方形に切り取り、ガーレー試験機(吉田製作所製「ガーレー式デンソメーター Atype」)を用いて、これらのガーレー値を測定した。そして、前記(3)式を用いて、各セパレータにおける透気度の増加率を算出した。
各セパレータの耐熱多孔質層(A)および耐熱多孔質層(B)表面の十点平均高さRzは、株式会社アルバック製の「DekTak 3ST」を用い、測定レンジ800μmとして測定した。
各電池について、定格容量に対して電流値1/2C(mA)で4.2Vまで充電した後、所定電流値で3.0Vまで放電して、各電流値での放電容量を測定した。なお、放電電流値は1/2Cと10Cとした。そして、1/2Cでの放電容量に対する10Cでの放電容量の比を百分率で表して、容量維持率を求めた。この容量維持率が大きいほど、電池の負荷特性が良好であるといえる。
各電池を、1/Cの定電流で2.5Vまで放電させた状態で恒温槽に入れ、電池の抵抗値を測定しながら5℃/分の昇温速度で200℃まで昇温させ、更に200℃で60分電池を保持し、その間の短絡の有無を確認した。
Claims (15)
- 非水電解質電池に用いられるセパレータであって、
樹脂多孔質膜の両面に耐熱多孔質層を有しており、
総厚みが30μm以下であり、かつ前記耐熱多孔質層の厚みが、片面あたり3〜5μmであり、
恒温槽内に吊るし、1時間放置した後に測定される、200℃における熱収縮率が10%未満であることを特徴とする非水電解質電池用セパレータ。 - 樹脂多孔質膜が、融点が80〜180℃のポリオレフィンを含む請求項1に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 樹脂多孔質膜における融点が80〜180℃のポリオレフィンの割合が、50体積%以上である請求項2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 非水電解質電池用セパレータのガーレー値により表される透気度をa(sec)、樹脂多孔質膜のガーレー値により表される透気度をb(sec)としたとき、下記式により求められる透気度の増加率が、30%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
透気度の増加率(%) = 100×(a−b)/a - 耐熱多孔質層の表面における十点平均高さRzが、それぞれ3μm未満である請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 樹脂多孔質膜の表面に、親水性を高める表面改質が施された請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 樹脂多孔質膜の両面に存在する耐熱多孔質層のうち、一方は、耐熱性無機微粒子を主体として含有する耐熱多孔質層(A)であり、
他方は、樹脂微粒子を含有し、かつ構成成分の全体積中における前記樹脂微粒子の割合が20〜90体積%である耐熱多孔質層(B)である請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 耐熱多孔質層(B)の含有する樹脂微粒子は、ガラス転移温度が50〜130℃のアクリル樹脂架橋体で構成されている請求項7に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 耐熱多孔質層(B)の含有する樹脂微粒子の平均粒子径が、0.05〜2μmである請求項7または8に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 耐熱多孔質層(B)が、樹脂微粒子100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下のバインダを含有する請求項7〜9のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 耐熱多孔質層(A)の含有する耐熱性無機微粒子は、耐熱温度が300℃以上である請求項7〜10のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 耐熱多孔質層(A)の含有する耐熱性無機微粒子の平均粒子径が、0.05〜2μmである請求項7〜11のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 耐熱多孔質層(A)が、耐熱性無機微粒子100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下のバインダを含有する請求項7〜12のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 正極、負極、非水電解液および請求項1〜13のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータを有することを特徴とする非水電解質電池。
- アルミニウムラミネートフィルムの外装体を有している請求項14に記載の非水電解質電池。
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