JP2011202991A - 板ガラスの端部検査方法及び端部検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】端部に破損原因となり得る有害な欠陥を有する板ガラスを簡単且つ確実に検出する。
【解決手段】矩形の板ガラス1の端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査方法であって、板ガラス1の検査対象となる辺2の端面が湾曲するように、端面を含む端部に曲げ変形を生じさせることにより、板ガラス1の中から有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別する。
【選択図】図2
【解決手段】矩形の板ガラス1の端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査方法であって、板ガラス1の検査対象となる辺2の端面が湾曲するように、端面を含む端部に曲げ変形を生じさせることにより、板ガラス1の中から有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別する。
【選択図】図2
Description
本発明は、矩形状の板ガラスの端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査するための技術の改良に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板に代表されるように、各種分野に利用される板ガラスは、ダウンドロー法やフロート法などの公知の方法により成形された大型のガラス元板を、所定寸法の矩形をなすように切断されて製作されるのが通例とされている。
切断された状態のままの板ガラスの端面には、傷(クラック)や欠けなどの欠陥が多数存在し、その後の搬送工程や熱処理工程で板ガラスに機械的或いは熱的な応力が作用した際に、これら欠陥を起点として破損が生じ得る。そのため、通常は、板ガラスの端面に対して研磨加工や面取り加工などの仕上げ加工が施されるが、これら加工を施しても端面に形成された微細な傷や欠けを全て取り除くことは極めて困難であり、破損の原因となり得る有害な欠陥が残存し得る。
そこで、例えば、特許文献1〜2に開示されているように、板ガラスの端面に仕上げ加工を施した後に、カメラを用いて板ガラスの端面を含む端部を撮像し、当該端部に破損の原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査するのが通例である。そして、この検査結果に基づいて、製造された板ガラスの中から良品と不良品とが選別され、良品とされた板ガラスに対してのみ熱処理工程などの各種工程を実行し、これらの工程中において板ガラスが破損する事態を抑制するようにしている。
ところで、板ガラスの破損の原因となり得る有害な欠陥は、微細な傷や欠け以外にも、板ガラスの仕上げ加工時の摩擦熱によるヤケなど、その種類も様々である。また、当該有害な欠陥は、その発生箇所も板ガラスの端面に限らず、板ガラスの表裏面の端面近傍部分など、端面を含む端部の広範囲に形成され得る。
しかしながら、特許文献1,2に開示の手法のように、カメラを用いた検査の場合は、カメラの焦点距離の関係から精度よく欠陥を検出できる範囲が限られおり、端部の広範囲に亘って形成され得る欠陥の全てを検出することは極めて困難である。その結果、検査において、板ガラスの破損の原因となり得る有害な欠陥が見逃されるおそれがあり、欠陥の検出精度が低下するという問題がある。
しかも、仮に、全ての欠陥を検出できたとしても、検出される欠陥と、板ガラスの端部に要求される強度との関係が必ずしも明確ではないため、検出された欠陥が板ガラスの破損に繋がる有害な欠陥であるか否かを正確に判断することができない。
すなわち、板ガラスの端部の全ての欠陥が板ガラスの破損原因となる訳ではなく、搬送工程や熱処理工程などで板ガラスに作用する機械的又は熱的な応力に耐えることができない欠陥がある場合にのみ、その欠陥を起点として板ガラスが破損に至る。そのため、検出された欠陥の中から破損原因となる有害な欠陥のみを正確に抽出する必要があるが、当該有害な欠陥を視覚的情報のみから判断することは極めて困難である。換言すれば、検出された欠陥の中から有害な欠陥を抽出するための判断基準に客観性を担保することが困難となる。したがって、判断基準を厳格にしすぎると、実際に破損の原因となり得ない欠陥が存在する板ガラスであっても、検査において不良品として扱われるおそれがあり、板ガラスの歩留まり率を不当に低下させる要因となる。また、これとは逆に、判断基準を緩和しすぎると、実際に破損の原因となり得る有害な欠陥を含んだ板ガラスであっても、検査において良品として扱われ、検査漏れが必然的に生じ得る。
本発明は、端部に破損原因となり得る有害な欠陥を有する板ガラスを確実に検出することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、矩形の板ガラスの端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査方法であって、前記板ガラスの検査対象となる辺の端面が湾曲するように、前記端面を含む端部に曲げ変形を生じさせることにより、前記板ガラスの中から前記有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別することに特徴づけられる。
このような方法によれば、曲げ変形により、板ガラスの端部に実際に曲げ応力が作用する。ここで、製造工程に含まれる搬送工程や熱処理工程において、板ガラスの端部に作用する機械的応力や熱的応力の大きさは、その工程の内容が決まっていれば予め推定することができる。そのため、板ガラスの端部に対して、推定される応力と同等或いはそれ以上に相当する曲げ応力を曲げ変形によって作用させれば、破損の原因となり得る有害な欠陥が端部に存在する場合には、検査段階において、当該欠陥を起点として板ガラスが破損する。したがって、破損原因となり得る有害な欠陥がある場合には、その欠陥の位置や種類に関わらず、その板ガラスを不良品として確実に選別することが可能となる。
また、端部に破損の原因となり得る有害な欠陥がない板ガラスについては、端部の曲げ変形が弾性変形領域で行われるため、端部の曲げ変形を解除した段階で弾性復元力により検査の影響が残ることなく元の平板状の状態へと戻り、良品の板ガラスとして取り扱うことができる。
上記の方法において、前記検査対象となる辺に沿って前記板ガラスを搬送するとともに、その搬送経路の一部に湾曲部を設け、該湾曲部で前記板ガラスの端部に前記曲げ変形を生じさせることが好ましい。
このようにすれば、板ガラスを搬送経路上に搬送させるだけで、その搬送経路上の湾曲部で板ガラスの端部に連続的に曲げ変形が加えられるため、端部に有害な欠陥が含まれるか否かをより容易に検査することができる。
上記の方法において、前記湾曲部を、搬送中の前記板ガラスに押圧ローラを押し当てることで形成してもよい。
このようにすれば、搬送経路上で板ガラスが押圧ローラによって直接押し付けられるので、板ガラスの端部に確実に曲げ変形を加えることができる。更に、板ガラスの端部の曲げ変形の大きさは、押圧ローラの押し付け力を調整すれば、容易に変更することができるので、製造条件の変更などによって、製造工程において板ガラスに作用する機械的・熱的応力が変化した場合であっても、その応力の大きさに応じた検査を容易に行うことができる。
上記の方法において、前記押圧ローラは、前記板ガラスの端部のみに押し当てられることが好ましい。
すなわち、FPD用のガラス基板などの高品位が要求される板ガラスにおいては、板ガラスの表裏面のうち、端部を除く中央部領域は、製品品位を保証する保証面とされることが多い。そのため、板ガラスの中央部領域には、傷や汚れなどの発生を防止すべく、他部材の接触を可及的に抑制することが好ましい。したがって、押圧ローラは、板ガラスの端部のみに押し付け、板ガラスの中央部領域とは非接触状態とすることが好ましい。
上記の方法において、前記曲げ変形は、前記板ガラスの検査対象となる辺のうち、その両端から該辺の全長の12.5%の領域を除外した中央部領域の範囲内に生じさせることが好ましい。
すなわち、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、板ガラスに熱処理を施した場合に、その板ガラスの辺における両端から該辺の全長の12.5%以内の領域であれば、微細な傷や欠け等を起点としてガラス基板を破損に至らしめるような引張応力が存在していないことを知見した。換言すれば、板ガラスの辺における両端から該辺の全長の12.5%の領域を除外した中央部領域(中央部75%未満の領域)であれば、微細な傷や欠け等を起点として板ガラスを破損に至らしめるおそれのある引張応力が存在していることを知見した。したがって、熱処理工程における板ガラスの破損を考慮した場合には、板ガラスの辺の中央部75%の領域の範囲内に存在する欠陥が問題となるため、当該中央部75%の範囲内に曲げ変形を生じさせて、板ガラスに実際に破損が生じるか否かを検査することが好ましいと言える。
上記の方法において、前記板ガラスは、一辺の寸法が500mm以上で、板厚が3mm以下であることが好ましい。
すなわち、板ガラスが、上記数値範囲のように大きく且つ薄いと、可撓性が向上するため、曲げ変形を狭い範囲で生じさせることができる。その結果、曲げ変形によって生じる曲げ応力を、板ガラスの端部の狭い範囲に集中させ易くなり、検査精度を向上させることが可能となる。
上記の方法において、前記板ガラスが、FPD用のガラス基板であることが好ましい。
すなわち、FPD用のガラス基板の場合には、高い清浄性が要求されることから、例えば、加熱処理工程を実行する加熱炉(焼成炉)などでガラス基板に破損が生じて、当該加熱炉の内部がガラス粉で汚染された場合の影響が大きくなる。したがって、破損の原因となり得る有害な欠陥が存在する板ガラスを正確に検出できる本発明に係る端部検査方法の利点が非常に有用となり、製造効率の向上にも繋がり得る。
上記の課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、矩形の板ガラスの端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査装置であって、前記板ガラスの中から前記有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別するために、前記板ガラスの検査対象となる辺の端面が湾曲するように、前記端面を含む端部に曲げ変形を生じさせる変形付与手段を備えていることに特徴づけられる。
上記の構成によれば、既に述べた作用効果を同様に享受することができる。
以上のように本発明によれば、板ガラスの検査対象となる辺の端面が湾曲するように、その端面を含む端部に対して弾性変形領域内で曲げ変形を実際に生じさせることから、板ガラスの端部に破損の原因となり得る有害な欠陥が存在する場合には、板ガラスに破損が生じる。一方、曲げ変形は弾性変形領域内で行われるので、端部に有害な欠陥が存在しない板ガラスは、破損することなく、曲げ変形を解除した段階で元の状態に戻る。したがって、板ガラスの中から端部に有害な欠陥が存在する板ガラスのみが破損により選別されるため、端部に有害な欠陥が存在する板ガラスを確実に検出することが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下では板ガラスが、FPD用のガラス基板である場合を例にとって説明する。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態に係る板ガラスの端部検査装置は、ガラス基板1を搬送する搬送ローラ4と、ガラス基板1の検査対象となる辺の端面が湾曲するように、その端面を含む端部に曲げ変形を生じさせる変形付与手段としての押圧ローラ5とを備えている。
この端部検査装置は、ガラス基板1の製造ラインのうち、ガラス基板1の端面に研磨などの仕上げ加工を施した後であって熱処理(200℃以上の熱処理、以下同様)を施す前の領域に組み込まれており、オンラインでガラス基板1の端部検査を行うようになっている。
なお、ガラス基板1は、対向する2つの長辺2と対向する2つの短辺3とから成る矩形に切断されたものであって、板厚が0.3〜3.0mm、長辺2の寸法が300〜5000mm、短辺3の寸法が200〜3000mmである(長辺2と短辺3の寸法が同一の場合もある)。
搬送ローラ4は、ガラス基板1の搬送方向に間隔を置いて複数配置されており、水平姿勢のガラス基板1を下方から支持した状態で、そのガラス基板1を搬送方向下流側に搬送するように回転している。なお、図示例では、ガラス基板1は、長辺2が搬送方向と平行になるように搬送ローラ4上に配置されている。
押圧ローラ5は、ガラス基板1の搬送経路上の定位置で、図1(a)のガラス基板1の表面から上方に離間した退避位置S1と、図2のガラス基板1の表面に接触した作業位置S2との間で昇降可能とされている。
この押圧ローラ5は、ガラス基板1の搬送方向の上流側と下流側の2箇所に分けて配置されている。上流側と下流側のそれぞれの押圧ローラ5は、図2に示す作業位置S2において、ガラス基板1の幅方向両端部のみを押圧するように、ガラス基板1の幅方向で2つに分割されている。また、各押圧ローラ5は、作業位置S2において、搬送方向に隣接する搬送ローラ4の中間でガラス基板1の表面に接触するとともに、ガラス基板1の搬送に伴って従動回転するようになっている。
次に、以上のように構成された板ガラスの端部検査装置による検査手順を説明する。
まず、図1(a),(b)に示すように、押圧ローラ5を退避位置S1に位置させた状態で、長辺2を搬送方向と平行に配したガラス基板1を搬送ローラ4によって搬送方向下流側へ搬送する。
次に、搬送中のガラス基板1の長辺2の検査対象領域Aの先端が、下流側の押圧ローラ5の直下まで搬送された時点で、図2に示すように、上流側と下流側の押圧ローラ5をそれぞれ作業位置S2まで下降させる。この下降した押圧ローラ5は、搬送ローラ4によって搬送中のガラス基板1の表面に接触するとともに、ガラス基板1の幅方向両端部を下方へと押圧して曲げ変形を生じさせ、直線状に延びるガラス基板1の搬送経路の一部に湾曲部Bを形成する。この際、ガラス基板1の幅方向中央部をその幅方向端部と同様に湾曲させてもよいし、湾曲させることなく平板状に維持させてもよい。
この状態で、ガラス基板1を搬送ローラ4によって搬送し続けると、図2及び図3に示すように、搬送経路の湾曲部Bを通過する過程で、ガラス基板1の幅方向両側に位置する長辺2の端部に、その端部に含まれる端面が湾曲(蛇行)するような曲げ変形が順々に生じる。
詳述すると、このような曲げ変形を生じさせた状態で、図2に示すように、ガラス基板1には、符号P1〜P3で示す位置で曲げ応力が作用する。すなわち、符号P1,P3で示す位置では、押圧ローラ5を押し付けているガラス基板1の表面(上面)側に圧縮応力が作用し、その反対側に位置するガラス基板1の裏面(下面)側に引張応力が作用する。また、符号P2で示す位置では、搬送ローラ4で支持しているガラス基板1の裏面側に圧縮応力が作用し、その反対側に位置するガラス基板1の表面側に引張応力が作用する。
ここで、製造工程においてガラス基板1の端部に作用する機械的応力や熱的応力の大きさは、製造工程に含まれる搬送工程や熱処理工程の内容に基づいて予め推測可能である。そのため、押圧ローラ5でガラス基板1の端部に作用させる曲げ応力は、推定される応力と同程度以上に設定される。具体的には、本実施形態では、ガラス基板1に対して熱処理工程で200℃以上の熱処理が施されるため、この熱処理時に作用する熱応力に対応させて、ガラス基板1の表裏面に60MPaの引張応力が作用するまで押圧ローラ5を下降させ、その位置を押圧ローラ5の作業位置S2に設定している。この際、ガラス基板1に生じる曲げ変形は弾性変形領域内となるようにする。
そして、このように押圧ローラ5を作業位置S2に位置させた状態で、ガラス基板1の長辺2の検査対象領域Aの後端が、上流側の押圧ローラ5の直下に位置するまでガラス基板1を搬送するとともに、図4に示すように、押圧ローラ5を退避位置S1まで上昇させてガラス基板1に対する押圧力を解除する。
これにより、検査対象となるガラス基板1の長辺2における検査対象領域A全体に対して、弾性変形領域内で曲げ変形が順々に生じるため、ガラス基板1の端部に破損の原因となり得る有害な欠陥が存在する場合には、ガラス基板1が破損を来たす。一方、ガラス基板1の曲げ変形は弾性変形領域内で行われるので、上記の有害な欠陥が端部に存在しないガラス基板1は、図4に示すように、押圧ローラ5による押圧力を解除した時点で、弾性復元力により元の平板状の状態へと戻る。したがって、端部に有害な欠陥が存在しない良品のガラス基板1は破損することなく、端部に有害な欠陥が存在する不良品のガラス基板1のみが破損によって確実に選別される。
また、図1〜図4に基づいてガラス基板1の長辺2の端部を検査する場合を説明したが、長辺2の端部の検査が終了する後(又は前)に、同様にして、短辺3の端部の検査を行うようにしてもよい。
ガラス基板1の検査対象領域Aは、検査対象となる長辺2及び/又は短辺3の両端からその辺2,3の全長の12.5%の領域を除外した中央部領域(中央部75%未満の領域)の範囲内に設定される。この理由は次のような熱応力シミュレーションの結果に基づくものである。
図5および図6は、本発明者等が熱応力シミュレーションを、形状の相違する2種のガラス基板1X、1Yについて行った結果を示すものである。なお、この熱応力シミュレーションは、ガラス基板1X、1Yにおける縦方向の一点鎖線で仮想区画される左半分についてのみ行ったものであり、またこの左半分は横方向の一点鎖線により単なる目安として仮想区画されている。
これらの各図に示すように、ガラス基板1X,1Yを焼成炉内でそれぞれ矢印Y方向に進行させた場合に、ガラス基板1X,1Yの進行方向前側の辺2x1,2y1にはそれぞれ符号Cx、Cyで示す領域に引張応力が発生すると共に、ガラス基板1X,1Yの進行方向後側の辺2x2,2y2にはそれぞれ符号Dx,Dyで示す領域に引張応力が発生する。この符号Cx,Cy,Dx,Dyで示す領域は、対応する辺2x1,2y1,2x2,2y2の左端からその全長の12.5%を僅かに超えた位置に存在している。また、ガラス基板1X,1Yの左側の辺3x1,3y1にはそれぞれ符号Ex,Eyで示す領域に引張応力が発生する。この符号Ex、Eyで示す領域は、対応する辺3x1、3y1の後端からその全長の12.5%を僅かに超えた位置に存在している。そして、上記の符号Cx,Cy,Dx,Dy,Ex,Eyで示す領域に微細な傷や欠け或いはクラック等が発生していると、それを起点としてガラス基板1X、1Yが破損することを推認できる。
したがって、上記の熱応力シミュレーションに基づいて、図7に示すように、ガラス基板1の周辺を、2つの長辺2につき当該長辺2の両端からその長辺2の全長の12.5%以内の領域Fと、2つの短辺3につき当該短辺3の両端からその短辺3の全長の12.5%以内の領域Gと、この計8つの領域F,Gを除外した4つの領域H(各辺の中央部75%未満の領域)とに区分することができる。
そして、このガラス基板1に対して熱処理が施される場合、例えば加熱炉(焼成炉)内をガラス基板1が矢印Y方向に搬送される場合には、ガラス基板1の全面域が加熱されるが、その場合に、上記の辺2,3の領域F,Gに微細な傷や欠け等が発生していても、その傷等を起点としてガラス基板1が割れる等の破損が生じることはない。これは、ガラス基板1が加熱炉内で急激に昇温したり或いはその後に降温しても、微細な傷等の発生箇所が上記の辺2,3の領域F,G内にあれば、当該領域F,Gには、上記の熱応力シミュレーションにも示したように、微細な傷等を起点としてガラス基板1を破損に至らしめるような引張応力が発生しないことに由来する。
一方、微細な傷等の発生箇所が上記の辺2,3の領域H内にあれば、当該領域Hには、上記の熱応力シミュレーションにも示したように、微細な傷等を起点としてガラス基板1を破損に至らしめるような引張応力が発生しているので、その傷等を起点としてガラス基板1が割れる等の破損を来たすおそれがある。
よって、ガラス基板1の破損原因となり得る有害な欠陥を効率よく検出するために、検査対象領域Aは、ガラス基板1の辺2,3の領域H、すなわち、中央部75%未満の領域とした。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、ガラス基板1の搬送方向の異なる2箇所に押圧ローラ5を配置した場合を説明したが、搬送方向の1箇所又は3箇所以上に押圧ローラ5を配置してもよい。
また、上記の実施形態では、ガラス基板1の端部に曲げ変形を生じさせる押圧ローラ5を搬送方向に沿って静止させた状態で、その押圧ローラ5に対してガラス基板1を移動させる場合を説明したが、ガラス基板1を静止させた状態で、ガラス基板1の端部に沿って押圧ローラ5を移動させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、押圧ローラ5をガラス基板1の端部に押圧して、その端部の端面が湾曲するような曲げ変形を生じさせて検査する場合を説明したが、押圧ローラ5に代えて、高圧水や高圧エアーをガラス基板1の端部に噴射して、ガラス基板1の端部に同様の変形を生じさせて検査してもよい。
上記の図1〜図4に示した手順で、ガラス基板1の長辺2の端部検査を行った後、そのガラス基板1を90°旋回して、ガラス基板1の短辺3が搬送方向と平行になるように配した状態で再び搬送し、同様の手順で、ガラス基板1の短辺3の端部検査を行った。その結果、破損に至らなかったガラス基板1の端部近傍の表面にラバーヒータを貼付して、温度を段階的に上昇させ、ガラス基板1の端部を熱応力により強制的に破壊した。
そして、その破損オリジンの破断面より破損強度を算出した結果、当該端部検査を経たガラス基板1の破損強度は、平均78MPa(最大108MPa,最小62MPa)となった。
一方、当該端部検査を実行しなかったガラス基板1を、同様の手順で、強制的に破損して破損強度を算出した結果、その破損強度は、平均75MPa(最大108MPa,最小41MPa)となった。
これら2つの結果を対比すれば、本発明に係る端部検査によって、端面強度の低いガラス基板が、確実に除外されていることが確認できる。
1 ガラス基板
2 ガラス基板の長辺
3 ガラス基板の短辺
4 搬送ローラ
5 押圧ローラ
F ガラス基板の長辺の両端から該長辺の全長の12.5%以内の領域
G ガラス基板の短辺の両端から該長辺の全長の12.5%以内の領域
H ガラス基板の各辺の中央部75%未満の領域
2 ガラス基板の長辺
3 ガラス基板の短辺
4 搬送ローラ
5 押圧ローラ
F ガラス基板の長辺の両端から該長辺の全長の12.5%以内の領域
G ガラス基板の短辺の両端から該長辺の全長の12.5%以内の領域
H ガラス基板の各辺の中央部75%未満の領域
Claims (8)
- 矩形の板ガラスの端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査方法であって、
前記板ガラスの検査対象となる辺の端面が湾曲するように、前記端面を含む端部に曲げ変形を生じさせることにより、前記板ガラスの中から前記有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別することを特徴とする板ガラスの端部検査方法。 - 前記検査対象となる辺に沿って前記板ガラスを搬送するとともに、その搬送経路の一部に湾曲部を設け、該湾曲部で前記板ガラスの端部に前記曲げ変形を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 前記湾曲部は、搬送中の前記板ガラスに押圧ローラを押し当てることで形成されることを特徴とする請求項2に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 前記押圧ローラは、前記板ガラスの端部のみに押し当てられることを特徴とする請求項3に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 前記曲げ変形は、前記板ガラスの検査対象となる辺のうち、その両端から該辺の全長の12.5%の領域を除外した中央部領域の範囲内に生じさせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 前記板ガラスが、一辺の寸法が500mm以上で、板厚が3mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 前記板ガラスが、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の板ガラスの端部検査方法。
- 矩形の板ガラスの端部に破損原因となり得る有害な欠陥が存在するか否かを検査する端部検査装置であって、
前記板ガラスの中から前記有害な欠陥を有するもののみを破損させて選別するために、前記板ガラスの検査対象となる辺の端面が湾曲するように、前記端面を含む端部に曲げ変形を生じさせる変形付与手段を備えていることを特徴とする板ガラスの端部検査装置。
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