JP2011200170A - うなぎ骨処理方法およびうなぎ骨 - Google Patents
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Abstract
【課題】うなぎ特有の旨味を損なうことなくうなぎ骨に含まれる様々な有用成分を活かすことができると共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消して、処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨の処理方法及び処理したうなぎ骨を提供する。
【解決手段】うなぎ骨の処理方法において、うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程と、うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程と、うなぎ骨を塩濃度3〜10%の食塩水に数秒間浸漬する浸漬処理工程とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】うなぎ骨の処理方法において、うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程と、うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程と、うなぎ骨を塩濃度3〜10%の食塩水に数秒間浸漬する浸漬処理工程とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、うなぎ特有の旨味を損なうことなくうなぎ骨に含まれる様々な有用成分を活かすことができると共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消し、処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨の処理方法及び処理したうなぎ骨に関する。
日本で消費されるうなぎの大半は蒲焼きとして供され、殆どの場合、その身の部分が主として利用されるが、この骨部分には多くの残存蛋白質、脂肪、カルシウム、ミネラル等が含まれている。このようなうなぎの骨部分は生臭みが強いこと等から利用が制限され、発生するうなぎ骨の大部分が廃棄処分されている。しかしながら、その高い栄養価に鑑みて、うなぎの骨部分の利用方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1(特開平8−131127号公報)では、うなぎ等の魚の骨を加圧下で焼き、これを水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬したのち、水洗、乾燥して骨粉を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2(特開2000−60478号公報)では、魚類の中骨や残骨から調味エキスを製造する方法が提案されている。この方法は、魚類の骨に付随する蛋白質を二種の蛋白加水分解酵素によって分解し、うま味成分への転化と苦みの抑制を行い、処理液より油分を分別除去し、加熱、濾過、濃縮等を経て調味エキスを得るものであり、処理液から分別された骨については高温加熱によって有機物を灰化した上で粉砕してカルシウム純度の高い骨粉にするとしている。
しかしながら、前記従来の方法では、焼いた骨の浸漬に用いた水酸化ナトリウム水溶液が新たな廃棄物となり、蛋白質及び脂肪の分解物を含むアルカリ性廃液の処理を必要とする上、骨に付随している蛋白質及び脂肪を有効利用できず、骨粉の収率も低いという難点があった。
また、調味エキスの製造方法をうなぎ骨の処理に適用した場合、蛋白質の分解による旨味を有する調味エキスは得られても、うなぎが本来持っている特有の旨味を充分に残した調味エキスは得られず、しかも蛋白質の分解のために酵素の使用量を多くする必要があり、処理が高コストについて経済的に見合わず、また処理後の骨から得られる骨粉も単なるカルシウム粉末に近く、元来うなぎ骨に含まれている様々な有用成分を喪失してしまうという問題を有していた。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、うなぎが本来持っている特有の旨味を損なうことなく、うなぎ骨に含まれる様々な有用成分を活かすと共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消して、処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨の処理方法及びその処理方法によって処理されたうなぎ骨を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明のうなぎ骨の処理方法は、以下の特徴を有する。
(1)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程と、
うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程と、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬する浸漬処理工程と
を備えること。
(2)前記(1)記載のうなぎ骨の処理方法において、前記洗浄工程後、さらにうなぎ骨の表面に微細孔を穿設する穿設工程を備えること。
(3)前記(1)又は(2)に記載のうなぎ骨の処理方法において、前記浸漬処理工程後、さらにうなぎ骨を冷凍する冷凍工程を備えること。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のうなぎ骨の処理方法において、前記食塩水に浸漬する時間を3秒〜10秒とすること。
(1)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程と、
うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程と、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬する浸漬処理工程と
を備えること。
(2)前記(1)記載のうなぎ骨の処理方法において、前記洗浄工程後、さらにうなぎ骨の表面に微細孔を穿設する穿設工程を備えること。
(3)前記(1)又は(2)に記載のうなぎ骨の処理方法において、前記浸漬処理工程後、さらにうなぎ骨を冷凍する冷凍工程を備えること。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のうなぎ骨の処理方法において、前記食塩水に浸漬する時間を3秒〜10秒とすること。
本発明のうなぎ骨は、以下の特徴を有する。
(5)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなること。
(6)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨の表面に微細孔を穿設し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなること。
(7)前記(5)又は(6)に記載のうなぎ骨において、さらに、うなぎ骨を冷凍してなること。
(5)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなること。
(6)うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨の表面に微細孔を穿設し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなること。
(7)前記(5)又は(6)に記載のうなぎ骨において、さらに、うなぎ骨を冷凍してなること。
本発明によれば、うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨を水で洗い流し、塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬することで、うなぎ特有の旨味を損なうことなくうなぎ骨に含まれる様々な有用成分を活かすことができると共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消し、処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨の処理方法及び処理したうなぎ骨を提供することができる。
また、本発明によれば、うなぎ骨の表面に微細孔を穿設することで、うなぎ骨内部に食塩水がより浸透し易くなり、効率的に浸漬処理工程を行うことができる。
さらに、本発明によれば、うなぎ骨を冷凍することで、うなぎ骨の新鮮さを長期間保持することが可能となり、また新鮮さを保持したまま輸送し、調理することが可能となる。
以下、発明を実施するための形態により、本発明を説明するが、以下の説明は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また説明される特徴が本発明を限定するものでもない。
本発明において、うなぎとは、ウナギ目に属する魚の総称であり、特に具体的な魚種は限定されない。本発明においては、食用とすることができるものであれば特に限定はなく、例えば、いわゆるニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギ等のウナギ属に含まれるうなぎが挙げられる。さらに、ウナギ目に属するアナゴも、本発明におけるうなぎに含まれる。またうなぎ骨はうなぎの調理残滓の骨部分であり、主として蒲焼きに供されたうなぎの残滓から内臓を取り除いた骨部分全体を有効利用するものである。なお、うなぎ骨は所定寸法に切断されたものであってもよい。
本発明に係るうなぎ骨の処理方法を図面を参照しながら説明する。図1のフロー図に示すように、本発明のうなぎ骨の処理方法は、うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程S1と、うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程S2と、うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に、例えば3秒〜10秒浸漬する浸漬処理工程S4とを備える。これによって、うなぎに含まれる様々な有用成分を活かすことができると共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消して処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨を提供することができる。
本発明に係るうなぎ骨の処理方法は、場合によっては、さらにうなぎ骨の表面に微細孔を穿設する穿設工程S3を備えることもできる。これによって、うなぎ骨内部に食塩水がより浸透し易くなり、効率的に浸漬処理工程S4を行うことができる。
本発明に係るうなぎ骨の処理方法は、場合によっては、うなぎ骨の水切り後、さらにうなぎ骨を冷凍する冷凍工程S5を備えることもできる。これによって、うなぎ骨の新鮮さを長期間保持することが可能となり、また新鮮さを保持したまま輸送し、調理することが可能となるためである。
肉除去工程S1は、うなぎの魚体から取り出されたうなぎ骨をブラシやたわしなどの除去器具でこすって、骨部分に付着しているうなぎの付着肉を削ぎ落として除去する工程であり、うなぎ骨に付着している付着肉を除去することでその後の各工程を効率的に処理することを可能としている。肉除去工程S1においては、うなぎの付着肉を削ぎ落とすことを目的とするため、除去器具によるうなぎ付着肉の除去においてはうなぎ骨の形状を維持可能な程度に負荷を調整することが好ましい。また、肉除去工程S1は機械化することで効率的に行ってもよい。例えば、ベルトコンベアにうなぎ骨を載せ、一定の速度で除去器具によりうなぎの付着肉を削ぎ落とすことが可能である。
肉除去工程S1においては、特にうなぎ骨付近に存在する血身及び髄を除去することが必要である。血身及び髄が残留したうなぎ骨は独特の生臭さを有し、その利用が制限されてしまうためである。血身とは、血管等、血を多く含む暗赤色の部分を指し、うなぎ骨に沿って存在する。また、髄とは血身とうなぎ骨とを結合させる腱の役割を果たすものを指す。肉除去工程S1においては、特にうなぎ骨から解離させ難い血身及び髄を除去するため、例えば除去器具としてデッキブラシを使用する際には、ブラシの繊維が5cm〜10cm程度の長さのものを使用し、ブラシの繊維部分をうなぎ骨にこすり付け、ブラシの繊維部分に血身及び髄を引っ掛けるようにして血身及び髄等を含む付着肉を削ぎ落す。
洗浄工程S2は、前記肉除去工程S1で付着肉を除去されたうなぎ骨を水で洗い流す工程である。うなぎの魚体解体作業の際に飛散した血液等の汚れが表面に付着している場合、これらの表面付着物を水で洗い流すことにより除去する。水で洗い流す具体的方法は特に限定されないが、連続流水式の洗浄を行うことが好ましい。すなわち、例えば上面が開口した適宜な大きさの容器内にうなぎ骨を入れた後、うなぎ骨が通過し得ない程度の目の粗さを有する網を容器の開口部に被せ、この容器内に水を所定流量で注入し、前記開口部から溢れた水を網目を通じて外部へ流出させる、という方法を用いることができる。容器の形状は任意であるが、うなぎ骨に水流が満遍なく当たる形状、例えばすり鉢状等の容器を用いるのが好ましい。この際、肉除去工程S1終了後、直ちにうなぎ骨を洗浄しなければ血液が骨に染み込んで、最終製品に着色を生じる可能性があるため、早急に行う必要がある。なお、簡易的にはうなぎ骨が通過し得ない程度の目の粗さを有するザルにうなぎ骨を入れ、水道水を用いて数分間洗い流すことにより洗浄を行ってもよい。
浸漬処理工程S4は、予め作製した塩濃度3%〜10%の食塩水にうなぎ骨を数秒間浸漬することにより、うなぎ骨に含まれる有効成分を損なわずに、付着した臭気成分であるアンモニア及びトリメチルアミン等を溶出させ、うなぎ骨独特の生臭さを解消するものである。溶媒としては例えば上水道水のように少量の塩素等が溶け込んだ水溶液であっても構わない。ただし、食塩水の温度は低い方が好ましい。例えば、食塩水中に氷を加え0℃程度の冷水を使用しても構わない。この場合、うなぎ骨表面に残留する油分を固化させ、食塩水中に浮遊させ除去できるという効果がある。また、水以外の溶媒として、タンパク質の変性を招かない程度の低濃度アルコール水溶液、清酒等を用いてもよい。
肉除去工程S1終了後、浸漬処理工程S4を開始するまでに要する時間は10秒〜30秒程度であることが好ましい。肉除去工程S1終了後、長時間外気に触れることでうなぎ骨表面に付着している表面付着物が酸化され、その後の浸漬処理工程S4によってもうなぎ骨の生臭さが解消されない場合があるためである。
効率的に浸漬処理工程S4を行うために、場合によっては、穿設工程S3を行うこともできる。穿設工程S3は、うなぎ骨の表面に、例えば多数の針状体を突出させたローラーを圧着させて微細孔を穿設することにより行うことができる。針状体は約1mm程度の長さで、微細孔を穿設することができる相当程度の強度を有していることが好ましい。うなぎ骨の表面に微細孔を穿設する方法はこれに限定されるものではなく、例えばプレス機により多数の針状体をうなぎ骨にプレスすることにより微細孔を穿設する等、うなぎ骨の表面に多数の微細孔を穿設することができる公知の手段を用いても構わない。この工程により、うなぎ骨内部に食塩水がより浸透し易くなり、効率的に浸漬処理工程S4を行うことができる。
さらに、場合によっては、冷凍工程S5を行うこともできる。うなぎ骨の水切り後、冷凍工程S5は、うなぎ骨の冷凍条件については、うなぎ骨が確実に冷凍される条件であれば特に限定はなく、冷凍温度、冷凍速度、冷凍時間等については適宜選択すればよいが、冷凍温度について好ましくは−25℃以下の温度範囲に至るまで冷凍する。冷凍の方法についても特に限定されるものではなく、一般的な冷凍庫での冷凍、高電圧電場アルコール冷凍機、磁場エネルギー冷凍機、液体窒素凍結、ドライアイス凍結等により適宜行えばよい。また、解凍条件については特に限定されるものではなく、前記S1〜S4の工程を経ることにより解凍した際に生臭さがないうなぎ骨を得ることができる。
肉除去工程S1終了後、冷凍工程S5を開始するまでに要する時間は1時間以内であることが好ましい。肉除去工程S1終了後、早急に冷凍工程S5を開始することで、うなぎ骨の酸化を防止し、新鮮さを長期間保持することが可能となり、また新鮮さを保持したまま輸送し、調理することが可能となる。
本発明に係るうなぎ骨の処理方法は上述の通りであるが、洗浄工程S2と浸漬処理工程S4の間に、以下のような前処理工程を経てもよい。すなわち、うなぎ骨の表面をアルコールで処理する工程(アルコール処理工程)を実施するという前処理工程である。このアルコール処理工程では、例えばうなぎ骨をアルコールに数分程度浸漬した後、そのアルコール中でうなぎ骨表面を、ブラシ等の洗浄具を用いてこすり洗う。これにより、少なくともうなぎ骨表面の殺菌ができるとともに、前記洗浄工程S2で取り残されている付着肉やうなぎ骨表面に付着しているタンパク質性の「ぬめり成分」を変性・凝固させて容易に除去することができる。従って、表面に雑菌や異物の付着がないうなぎ骨が得られ、ぬめりが無くなるので高品質を維持することが可能となる。なお、ここで用いるアルコールの種類は、食品衛生上の問題を来たさないものであれば特に限定されないが、入手が容易な点及び安価な点から含水エタノール、清酒等を用いるのが好ましい。
次に、本実施形態に係るうなぎ骨の処理方法を、図2、図3、図4、図5の説明図を用いて、さらに詳細に説明する。
図2の肉除去工程S1では、まずは、うなぎの身を取り外した後のうなぎ骨10を洗浄水などできれいに洗浄した後、うなぎ骨10の表面をたわしなどの除去器具11を用いてこすって、その表面に付着した肉(身)成分を除去する。除去器具11によるうなぎ付着肉の除去においてはうなぎ骨10の形状を維持可能な程度に負荷を調整することが好ましい。また、除去器具11はうなぎ骨10の形状を維持するため、金属たわし等は好ましくなく、樹脂性の繊維から成るたわし等を用いることが好ましい。さらに、肉除去工程S1は機械化することで効率的に行ってもよい。肉除去工程S1においては、図3に示す通り、特にうなぎ骨10付近に存在する血身10a及び髄10bを除去することが必要である。図3に示すように、血身10a及び髄10bはうなぎ骨10の内部やうなぎ骨10に付着して存在するため、特にうなぎ骨10から解離させ難い。肉除去工程S1においては、血身10a及び髄10bを除去するため、例えば除去器具11としてデッキブラシを使用する際には、ブラシの繊維が5cm〜10cm程度の長さのものを使用し、ブラシの繊維部分をうなぎ骨10にこすり付け、ブラシの繊維部分に血身10a及び髄10bを引っ掛けるようにして血身10a及び髄10b等を含む付着肉を削ぎ落す。
図4の洗浄工程S2では、前記肉除去工程S1で付着肉を除去されたうなぎ骨10を水で洗い流す工程である。図4に示す通り、上面が開口した容器12にうなぎ骨10を入れた後、うなぎ骨10が通過し得ない程度の目の粗さを有する網13を容器12の開口部に被せ、この容器12内に蛇口14から水道水15を所定流量で注入し、前記開口部から溢れた水を網13の目を通じて外部へ流出させることで、うなぎ骨10を水で洗い流す。
次いで、浸漬処理工程S4を実施する。10Lの水に300gの食塩を加え、予め作製した塩濃度3%の食塩水にうなぎ骨10を数秒間浸漬することにより行う。うなぎ骨10に含まれる有効成分を損なわずに、付着した臭気成分であるアンモニア及びトリメチルアミン等を溶出させ、うなぎ骨10独特の生臭さを解消するものである。食塩水の塩濃度は3%〜10%、好ましくは3%〜5%とされる。これは、塩濃度が3%を下回ると浸漬処理の効果が極端に低下すること、また塩濃度を10%より高くすることで最終的にうなぎ骨10を製品化した際に塩分含有量が多すぎることを防ぐためである。また、浸漬処理を行う時間は3秒〜10秒、好ましくは3秒〜5秒である。これも、浸漬処理の効果が極端に低下すること、また最終的にうなぎ骨10を製品化した際に塩分含有量が多すぎることを防ぐためである。なお、肉除去工程S1終了後、浸漬処理工程S4を開始するまでに要する時間は10秒〜30秒程度が好ましい。
図5の穿設工程S3は、うなぎ骨10の表面に、例えば多数の針状体を突出させたローラー16を圧着させて微細孔を穿設することにより行うことができる。この工程により、うなぎ骨10内部に食塩水がより浸透し易くなり、効率的に浸漬処理工程S4を行うことができる。
うなぎ骨10の水切り後、さらに、冷凍工程S5において、うなぎ骨10を冷凍庫で−25℃以下の温度範囲に至るまで冷凍する。これにより新鮮さを保持したまま輸送することが可能となる。なお、温度を−20℃より高くすると、保存中に雑菌の繁殖などのおそれが生じるので好ましくない。また、うなぎ骨10の水切り後、乾燥機等に入れ乾燥させることで含水量を極力減らし、冷凍状態のうなぎ骨10の品質を向上させることも可能である。
なお、冷凍工程S5以前の各々の工程S1〜S4は4℃程度の雰囲気を維持する低温室等で行うことが好ましいが常温で行ってもよい。なお、肉除去工程S1終了後、冷凍工程S5を開始するまでに要する時間は1時間以内が好ましい。肉除去工程S1終了後、早急に冷凍工程S5を開始することで、うなぎ骨10の酸化を防止し、新鮮さを長期間保持することが可能となり、また新鮮さを保持したまま輸送し、調理することが可能となる。
以上の説明が、本発明に係る実施の形態であるが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、上記実施の形態に、多種多様な技術的変更または改良を加えることによる実施の形態もまた、本発明の技術的範囲に属することは当業者に明らかである。
本発明は、うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨を水で洗い流し、塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬することで、うなぎ特有の旨味を損なうことなくうなぎ骨に含まれる様々な有用成分を活かすことができると共に、うなぎ骨独特の生臭さを解消して、処理コストが低く経済性に優れたうなぎ骨の処理方法及び処理したうなぎ骨を提供することができるため、産業上の利用可能性が非常に高い。
S1 肉除去工程
S2 洗浄工程
S3 穿設工程
S4 浸漬処理工程
S5 冷凍工程
10 うなぎ骨
10a 血身
10b 髄
11 除去器具
12 容器
13 網
14 蛇口
15 水道水
16 ローラー
S2 洗浄工程
S3 穿設工程
S4 浸漬処理工程
S5 冷凍工程
10 うなぎ骨
10a 血身
10b 髄
11 除去器具
12 容器
13 網
14 蛇口
15 水道水
16 ローラー
Claims (7)
- うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去する肉除去工程と、
うなぎ骨を水で洗い流す洗浄工程と、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬する浸漬処理工程と
を備えることを特徴とする、うなぎ骨の処理方法。 - 前記洗浄工程後、さらにうなぎ骨の表面に微細孔を穿設する穿設工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載のうなぎ骨の処理方法。
- 前記浸漬処理工程後、さらにうなぎ骨を冷凍する冷凍工程を備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のうなぎ骨の処理方法。
- 前記食塩水に浸漬する時間を3秒〜10秒とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のうなぎ骨の処理方法。
- うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなることを特徴とするうなぎ骨。 - うなぎの魚体から分離されたうなぎ骨からその付着肉を除去し、
うなぎ骨を水で洗い流し、
うなぎ骨の表面に微細孔を穿設し、
うなぎ骨を塩濃度3%〜10%の食塩水に数秒間浸漬してなることを特徴とするうなぎ骨。 - さらに、うなぎ骨を冷凍してなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のうなぎ骨。
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---|---|---|---|
JP2010070704A JP2011200170A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | うなぎ骨処理方法およびうなぎ骨 |
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Cited By (1)
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CN109619522A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-04-16 | 福建正味生物科技有限公司 | 一种鳗鱼骨调味料及其制备方法 |
-
2010
- 2010-03-25 JP JP2010070704A patent/JP2011200170A/ja not_active Withdrawn
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