JP2011199188A - チップ抵抗器 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器であって、レーザーによりビアホールを形成する際に、抵抗体や保護膜が損傷するおそれがなく、また、レーザーを照射する際に極端に正確な位置精度が要求されないチップ抵抗器を提供する。
【解決手段】一対の電極部30における一方の下面側の部分である下面側電極部31a他方の下面側の部分である下面側電極部31bとが、略同一の大きさを有するとともに、互いに略同一形状(又は略点対称の形状)を有し、下面側電極部31aの面積である第1面積と、下面側電極部31bの面積である第2面積と、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域の面積である第3面積との合計面積における第1面積と第2面積の合計の割合が75〜90%であり、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔が60μm以上となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップ抵抗器に関するものである。
従来より、部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器が存在する。このようなチップ抵抗器としては、絶縁基板の表面に、一対の上面電極と一対の上面電極間を接続する抵抗体とが設けられ、さらに、抵抗体を被覆する保護膜とが設けられ、側面電極と下面電極が設けられていないものが存在する。
そのようなチップ抵抗器は、部品内蔵形プリント基板にチップ抵抗器を上面電極側を外側として配置し、絶縁性樹脂を充填した後に、該絶縁性樹脂にレーザーで逆円錐台形状のビアホールを形成し、ビアホールの内側に銅メッキからなるビアホール導体を形成することにより、上面電極とビアホール導体とを接続する。
なお、特許文献1には、その実施例1の基板内蔵型チップ形抵抗器においては、基板と、基板の上面全体に設けられた酸化膜と、酸化膜の上面に形成された抵抗膜と、抵抗膜の上面に形成された表電極下層膜及び表電極上層膜と、抵抗膜を被覆する保護膜とを有し、実施例2の基板内蔵型チップ形抵抗器においては、基板と、基板上の両端に形成された表電極下層膜と、表電極下層膜間に形成された抵抗膜と、抵抗膜を被覆する保護膜と、表電極上層膜とを有し、表電極にバイアホール導体(ビアホール導体)を接続する点が記載されている。
また、従来の汎用のチップ抵抗器505は、図13のように構成され、絶縁基板210と、抵抗体220と、一対の電極部230と、カバーコート(一次コート)270と、保護膜(二次コート)280とを有し、一対の電極部230における各電極部230は、上面電極232と、下面電極240と、側面電極250と、メッキ260とを有している。メッキ260は、ニッケルメッキ262と、錫メッキ(又はハンダメッキ)264とから構成されている。ここで、一方の電極部230における下面側の部分が下面側電極部231aとなり、他方の電極部230における下面側の部分が下面側電極部231bとなる。
特開2004−140285号公報
しかし、上記従来の部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器においては、レーザーでビアホールを形成する際に、保護膜や抵抗体をレーザーで損傷させるおそれがある。また、保護膜や抵抗体をレーザーで損傷させないためには上面電極の領域に正確にレーザーを照射する必要がある。上面電極は抵抗体の両側にあるため広く形成できず、極端に正確な位置精度が要求されるが、また、充填する絶縁性樹脂は透明ではないため、上面電極の領域に正確にレーザーを照射することができないという問題があった。
また、仮に、図13に示すような従来の汎用チップ抵抗器を基板内蔵型チップ抵抗器として使用し、下面電極側を外側として部品内蔵型プリント基板に配置して実装する場合には、チップ抵抗器の下面電極の大きさが十分ではなく、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度が要求されるという問題があった。
すなわち、図14に示すように、下面側電極部231aの面積をR1、下面側電極部231bの面積をR2、絶縁基板210における下面側電極部231aと下面側電極部231b間の領域の面積をR3とした場合に、(R1+R2)/(R1+R2+R3)は、30〜50%であることから、下面電極の領域に正確にレーザーを照射することができないという問題があった。
そこで、本発明は、部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器であって、レーザーによりビアホールを形成する際に、抵抗体や保護膜が損傷するおそれがなく、また、レーザーを照射する際に極端に正確な位置精度が要求されないチップ抵抗器を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部である第1電極部と第2電極部とを有するチップ抵抗器であって、該一対の電極部における第1電極部と第2電極部とが、それぞれ、抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、絶縁基板の下面に設けられた下面電極と、上面電極及び下面電極と接続し、絶縁基板の側面に設けられた側面電極と、側面電極の表面に形成されたメッキで、最も外側に厚さが8〜30μmの銅メッキを有するメッキと、を有し、第1電極部における下面側の部分である第1下面側電極部と第2電極部における下面側の部分である第2下面側電極部とが、略同一の大きさを有するとともに、互いに略同一形状又は略点対称の形状を有し、第1下面側電極部の面積である第1面積と、第2下面側電極部の面積である第2面積と、第1下面側電極部と第2下面側電極部間の領域の面積である第3面積との合計面積における第1面積と第2面積の合計の割合が75〜90%であり、第1下面側電極部と第2下面側電極部間の間隔が60μm以上であることを特徴とする。
この第1の構成のチップ抵抗器においては、第1面積と第2面積と第3面積の合計における第1面積と第2面積の合計の割合が75〜90%であるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、第1下面側電極部と第2下面側電極部間の間隔が60μm以上であるので、1つのレーザーを照射した際に第1下面側電極部と第2下面側電極部の両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがなく、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、メッキにおける銅メッキは、8〜30μmの厚みに形成されているので、レーザーが照射されても、銅メッキの内側の部分が損傷することがなく、また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行う際に、酸性の液体がニッケルメッキにまで浸食することがない。
また、チップ抵抗器の抵抗体側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装することにより、抵抗体をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
また、第2には、上記第1の構成において、第1下面側電極部の第2下面側電極部側の辺部である第1辺部と第2下面側電極部の第1下面側電極部側の辺部である第2辺部とが、電極間方向と直角方向に対して傾斜して形成され、第1下面側電極部と第2下面側電極部とが互いに略点対称に形成されていることを特徴とする。
この第2の構成のチップ抵抗器においては、第1辺部と第2辺部とが電極間方向と直角方向に対して傾斜して形成され、第1下面側電極部と第2下面側電極部とが略点対称に形成されているので、第1下面側電極部側に形成されるビアホールの位置と第2下面側電極部側に形成されるビアホールの位置との間の距離が長くなり、その分、一対のビアホール導体の間に回路を実装する場合の実装密度を高くすることが可能となる。また、第1下面側電極部と第2下面側電極部とが点対称であるが線対称には形成されていないので、いわゆるアベック不良を防止して、メッキを良好に行うことが可能となる。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記チップ抵抗器が、多連チップ抵抗器であり、上記一対の電極部が複数設けられていることを特徴とする。
また、第4の構成として、以下の構成としてもよい。すなわち、前記第1から第3までのいずれかの構成において、第1下面側電極部と第2下面側電極部間に絶縁膜が形成されていることを特徴とするものとしてもよい。
本発明に基づくチップ抵抗器によれば、第1面積と第2面積と第3面積の合計における第1面積と第2面積の合計の割合が75〜90%であるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、第1下面側電極部と第2下面側電極部間の間隔が60μm以上であるので、1つのレーザーを照射した際に第1下面側電極部と第2下面側電極部の両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがなく、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、メッキにおける銅メッキは、8〜30μmの厚みに形成にされているので、レーザーが照射されても、銅メッキの内側の部分が損傷することがなく、また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行う際に、酸性の液体がニッケルメッキにまで浸食することがない。
また、チップ抵抗器の抵抗体側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装することにより、抵抗体をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
実施例1におけるチップ抵抗器を示す図であり、(a)は(b)におけるA−A断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は底面図である。 実施例1のチップ抵抗器の作用を説明するための説明図である。 実施例1のチップ抵抗器の使用状態を説明するための説明図である。 実施例1のチップ抵抗器の使用状態を説明するための説明図である。 実施例1の他の例におけるチップ抵抗器を示す図であり、(a)は(b)におけるB−B断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は底面図である。 実施例2におけるチップ抵抗器を示す図であり、(a)は(b)におけるC−C断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は底面図である。 実施例2のチップ抵抗器の作用を説明するための説明図である。 実施例3におけるチップ抵抗器を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)におけるD−D断面図である。 実施例3と実施例4におけるチップ抵抗器の断面図であり、図8のD−D断面を示すとともに、図11のE−E断面を示す図である。 実施例3のチップ抵抗器の作用を説明するための説明図である。 実施例4におけるチップ抵抗器を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)におけるE−E断面図である。 実施例4のチップ抵抗器の作用を説明するための説明図である。 従来のチップ抵抗器を示す図であり、(a)は(b)におけるF−F断面図であり、(b)は底面図である。 従来のチップ抵抗器を説明するための説明図である。
本発明においては、部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器であって、レーザーによりビアホールを形成する際に、抵抗体や保護膜が損傷するおそれがなく、また、レーザーを照射する際に極端に正確な位置精度が要求されないチップ抵抗器を提供するという目的を以下のようにして実現した。なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
本発明に基づくチップ抵抗器5は、部品内蔵型プリント基板に実装するチップ抵抗器であり、図1に示すように構成され、絶縁基板(基板)10と、抵抗体20と、一対の電極部30と、カバーコート(一次コート)70と、保護膜(二次コート)80と、を有している。なお、チップ抵抗器5における平面視の大きさとしては、長辺が1.0mm〜0.6mm、短辺が0.5mm〜0.3mmとなっていて、具体的には、長辺が1.0mmで短辺が0.5mm(1005タイプ)、長辺が0.6mmで短辺が0.3mm(0603タイプ)等が挙げられる。
ここで、絶縁基板10は、含有率96%程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板10は、直方体形状を呈しており、平面視すると、略長方形形状を呈している。この絶縁基板10は、上記チップ抵抗器5の基礎部材、すなわち、基体として用いられている。なお、絶縁基板10の大きさは、チップ抵抗器5の上記大きさに対応した大きさとなっていて、具体的には、1005タイプや0603タイプに対応した大きさとなっている。また、絶縁基板10の厚みは、200μm以下(具体的には、80〜100μm)に形成され、通常のチップ抵抗器よりも薄く形成されている。
また、抵抗体20は、図1に示すように、絶縁基板10の上面に層状に設けられ、長手方向(X1−X2方向)(電極間方向(抵抗体20における一対の上面電極32との接続位置を結ぶ方向、他においても同じ)、通電方向としてもよい))に帯状に形成されていて、平面視において略長方形状に形成されている。この抵抗体20の電極間方向の端部は絶縁基板10の端部まで形成されていて、抵抗体20の電極間方向の長さは、絶縁基板10の電極間方向の長さと同じとなっている。なお、抵抗体20の端部を絶縁基板10の端部にまで形成せず、抵抗体20の電極間方向の端部と絶縁基板10の電極間方向の端部との間には所定の間隔が形成されるようにしてもよい。また、抵抗体20の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは絶縁基板の幅方向の長さよりも短く、抵抗体20の幅方向の端部は絶縁基板10の端部までは形成されておらず、抵抗体20の幅方向の端部と絶縁基板10の幅方向の端部との間には所定の間隔が形成されている。この抵抗体20は、図1に示すように、全体に方形状(具体的には、長方形状)を呈し、酸化ルテニウム系メタルグレーズ厚膜により形成されている。
また、電極部30は、絶縁基板10における電極間方向の端部にそれぞれ設けられ、上面電極32と、補助電極34と、下面電極40と、側面電極50と、メッキ60とを有している。
上面電極32は、抵抗体20の上面の長手方向(X1−X2方向(図1参照))の両端部領域に層状に一対形成されていて、平面視において略方形状を呈している。つまり、一方の上面電極32は、抵抗体20の上面のX1側の端部から所定の長さに形成されているとともに、他方の上面電極32は、抵抗体20の上面のX2側の端部から所定長さに形成されている。また、上面電極32の幅方向の長さは、抵抗体20の幅方向の長さと略同一に形成されている。なお、上面電極32の幅方向の長さを抵抗体20の幅方向の長さよりも大きく、絶縁基板10の幅方向の幅よりも小さく形成して、上面電極32と絶縁基板10の端部には隙間が形成されるようにしてもよく、また、上面電極32を絶縁基板10の幅方向の幅と略同一に形成してもよい。この上面電極32は、具体的には、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、上面電極32は、抵抗体20の端部領域の上面に積層している。つまり、上面電極32の全ての領域が抵抗体20の上面に積層している。なお、抵抗体20が絶縁基板10の電極間方向の端部にまで形成されていない場合には、上面電極32における外側の領域(絶縁基板10の端部(電極間方向の端部)側の領域)は、絶縁基板10の上面に形成される。なお、その場合に、抵抗体を上面電極の上面に積層させてもよい。
また、補助電極34は、上面電極32の上面と絶縁基板10とに積層して形成され、平面視において略方形状を呈している。つまり、一方の補助電極34は、上面電極32及び絶縁基板10の上面のX1側の端部から所定の長さ(上面電極32の電極間方向の長さよりも短い長さ)に形成されているとともに、他方の補助電極34は、上面電極32及び絶縁基板10の上面のX2側の端部から所定長さ(上面電極32の電極間方向の長さよりも短い長さ)に形成されている。また、補助電極34の幅方向の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。この補助電極34は、具体的には、樹脂銀系厚膜(樹脂と銀粉末とを含む樹脂銀系厚膜)により形成されている。この補助電極34は、側面電極50をスパッタ法により形成する際に、一次分割して得た短冊状基板を積み重ねた状態で金属粒子を側方から流入させるが、チップ抵抗器の平面視における上面電極32が形成されていない領域(図1(b)を例にとると、上面電極32のY1側の領域とY2側の領域)から金属粒子が内側に侵入するのを防止し、平面視における側面電極50の端部の直線性を保つために形成されている。
また、下面電極40は、図1に示すように、上記絶縁基板10の下面の長手方向の両端部領域に層状に一対形成されていて、底面視において略方形状を呈している。この一対の下面電極40は対称形状(下面側から見て線対称)かつ点対称に形成されていて、特に、電極間方向の長さは略同一に形成されている。
この下面電極40の長さ(電極間方向の長さ)は、後述するように、一方の電極部30の下面側の部分である下面側電極部31aの面積R1と、他方の電極部30の下面側の部分である下面側電極部31bの面積R2と、絶縁基板10の下面側における下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域の面積R3の合計面積における面積R1と面積R2の合計の割合(つまり、(R1+R2)/(R1+R2+R3))が75〜90%となり、また、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔S1が60μm以上となるような大きさに形成されている。この下面電極40は、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、側面電極50は、補助電極34と、保護膜80の一部と、下面電極40の一部と、絶縁基板10の側面(つまり、X1側の側面と、X2側の側面)を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。この側面電極50は、X1側の端部とX2側の端部にそれぞれ設けられている。この側面電極50は、薄膜(NiCr系薄膜)により形成されている。
また、メッキ60は、側面電極50の外側と下面電極40の露出領域の外側に側面電極50と下面電極40の露出部分とを被覆して形成されている。つまり、メッキ60は、側面電極50の外側と下面電極40の露出領域の外側に側面電極50と下面電極40の露出部分とを被覆して形成されたニッケルメッキ(Niメッキ)62と、ニッケルメッキ62の外側にニッケルメッキ62を被覆して形成された銅メッキ(Cuメッキ)64とから構成されている。つまり、チップ抵抗器5の電極部30の表面にメッキ60が設けられていて、内側層がニッケルメッキ62で、外側層が銅メッキ64となっていて、銅メッキ64が最も外側に設けられて外部に露出している。ニッケルメッキ62と銅メッキ64とは、それぞれ略均一の厚膜に形成されている。ニッケルメッキ62と銅メッキ64は、例えば、電気メッキにより形成される。なお、メッキ60の保護膜80側の端部は、保護膜80に積層している。
ここで、ニッケルメッキ62は、4〜12μmの厚みに形成され、また、銅メッキ64は、8〜30μmの厚みに形成されている。すなわち、銅メッキ64は、レーザー照射前の酸処理やレーザービアを形成する際にレーザーが照射された場合でもレーザーが銅メッキ64の内側のニッケルメッキ62に到達しないように、厚く形成されている。
上記一対の電極部30において、一方の電極部30の下面側の部分(厳密には、絶縁基板10の下面よりも下側の部分)を下面側電極部(第1下面側電極部)31aとし、他方の電極部30の下面側の部分(厳密には、絶縁基板10の下面よりも下側の部分)を下面側電極部(第2下面側電極部)31bとした場合に、下面側から視認した場合に、下面側電極部31aの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR1、下面側電極部31bの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR2、絶縁基板10の下面側における下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域(ハッチングに示された領域)の面積をR3とし(図2参照)、面積R1と面積R2と面積R3の合計面積における面積R1と面積R2の合計の割合(つまり、(R1+R2)/(R1+R2+R3))が75〜90%となり、また、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔S1が60μm以上に形成されている。この下面側電極部31a、31bは、下面電極40と、側面電極50の一部(下端部分)と、メッキ60の一部(下端部分)を含むものである。なお、一対の電極部30において、下面側電極部31aの下面側電極部31b側の辺部(第1辺部)31a−1と下面側電極部31bの下面側電極部31a側の辺部(第2辺部)31b−1とは互いに略平行に形成されている。
また、電極部30の上端(保護膜80側の端部)の高さは、保護膜80の上端の高さ以上の高さとなっていて、電極部30は、保護膜80よりも上方に突出しているか、又は、同じ高さとなっている。
また、カバーコート70は、抵抗体20の上面に層状に形成され、抵抗体20へのトリミング時の熱衝撃を緩和するために形成される。このカバーコート70は、電極間方向には、抵抗体20の長さよりも短く形成され、上面電極32に接しないように形成され、トリミング溝形成位置の領域を被覆するように形成されていて、これにより、抵抗体20は、上面電極32とカバーコート70により被覆される。また、カバーコート70の幅方向の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成する。このカバーコート70は、ガラス系材料により形成され、具体的には、ホウ珪酸鉛ガラス系厚膜により形成される。なお、抵抗体20とカバーコート70には、トリミング溝85が形成されている。
また、保護膜80は、カバーコート70と、抵抗体20の一部(露出部分)と、上面電極32の一部(露出部分)を被覆するように設けられている。この保護膜80の形成位置をさらに詳しく説明すると、幅方向には、絶縁基板10の幅と略同一に形成され、さらに、電極間方向には、絶縁基板10の長さよりも短く形成されていて、上面電極32の内側の領域に積層し、補助電極34の内側の端部に接する程度の長さに形成されていて、平面視において略方形状に形成されている。この保護膜80は、エポキシ樹脂系厚膜により形成されている。以上のように、保護膜80は、主として、抵抗体20を保護するものである。なお、保護膜80の厚み(最大厚み)は、20〜40μmとなっている。
上記構成のチップ抵抗器5の製造方法について説明すると、まず、アルミナ基板(このアルミナ基板は、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを少なくとも有する大判のものであり、平板状のグリーンシート(含有率96%程度のアルミナを含有するグリーンシート)を予め焼成したものである)(基板素体)を用意し、このアルミナ基板の裏面(すなわち、底面)に下面電極を形成する(下面電極形成工程)。つまり、下面電極用のペースト(例えば、銀系メタルグレーズ等の銀系ペースト)を印刷し、乾燥・焼成する。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、この下面電極の形成に際しては、一枚のスクリーンで縦横に複数個印刷する。その後、アルミナ基板の裏側(下面電極形成側)に一次スリットと二次スリットを形成する。この一次スリットと二次スリットは基板分割用のスリットである。
次に、アルミナ基板の表側に一次スリットと二次スリット(この一次スリットと二次スリットは基板分割用のスリットである)を形成し、上記アルミナ基板の上面に抵抗体20を形成する(抵抗体形成工程)。つまり、抵抗体ペースト(例えば、酸化ルテニウム系ペースト(具体的には、酸化ルテニウム系メタルグレーズペースト))を印刷した後に乾燥・焼成して抵抗体20を形成する。
次に、アルミナ基板の上面に上面電極32を形成する(上面電極形成工程)。すなわち、上面電極ペーストをその一部が抵抗体に積層するように印刷し、乾燥・焼成する。この場合の上面電極ペーストは、銀系ペースト(例えば、銀系メタルグレーズペースト)である。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、チップ抵抗器となった場合に隣接するチップ抵抗器の上面電極で互いに隣接し合う上面電極については1つの印刷領域で形成する。
次に、トリミングによる抵抗値調整の前にカバーコート70を形成する。つまり、ホウ珪酸鉛ガラス系のガラスペーストを印刷して焼成し、カバーコート70を形成する。この場合、カバーコート70は、電極間方向とは直角の方向であるカバーコート形成方向に帯状に形成し、該カバーコート形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度にカバーコートを形成して、チップ抵抗器複数個分のカバーコートを帯状に連続して形成してもよい。
次に、抵抗体20にトリミング溝を形成してトリミングを行なうことにより抵抗値を調整する(抵抗体調整工程)。つまり、レーザートリミングにより抵抗体20にトリミング溝を形成する。
次に、保護膜80を形成する(保護膜形成工程)。つまり、カバーコート70の全体と抵抗体20の露出部分と上面電極32の一部(内側の領域)とを覆うように保護膜を形成する。つまり、保護膜用ペースト(エポキシ系の樹脂ペースト)を印刷し、乾燥・硬化させる。この場合、保護膜は、電極間方向とは直角の方向である保護膜形成方向に帯状に形成し、該保護膜形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度に保護膜を形成する。
次に、上面電極32と絶縁基板10の上面に補助電極34を形成する(補助電極形成工程)。すなわち、補助電極ペーストを上面電極と上面電極の両側の絶縁基板に積層するように印刷し、乾燥・焼成する。この場合の補助電極ペーストは、樹脂銀系ペーストである。この銀系ペーストとしては、例えば、硬化温度が約200℃の樹脂銀系ペーストとする。なお、一次スリットに沿って帯状に補助電極ペーストを印刷することにより、チップ抵抗器となった場合に複数個分のチップ抵抗器の補助電極を1つの印刷領域で帯状に連続して形成する。その際、隣接するチップ抵抗器の補助電極についても1つの印刷領域で印刷する。その後は、一次スリットに沿って一次分割して短冊状基板とする(一次分割工程)。
次に、上記短冊状基板に対して、側面電極50を形成する(側面電極形成工程)。つまり、スパッタリングによりNiCr系薄膜を形成することにより側面電極50が形成される。
その後、二次スリットに沿って二次分割する(二次分割工程)。次に、メッキ60を形成する(メッキ工程)。つまり、ニッケルメッキを形成し、その後、厚さが8〜30μmの銅メッキを形成する。以上のようにして、チップ抵抗器5を形成する。
本実施例のチップ抵抗器5の使用状態について説明すると、部品内蔵型プリント基板に実装して使用する。すなわち、図4を使用して部品内蔵型プリント基板への実装の例を説明する。部品内蔵型プリント基板600は、平板状の絶縁基材602と絶縁基材602の一方の面に固定して設けられた枠状の絶縁性樹脂層604とから構成され、この絶縁性樹脂層604によりチップ抵抗器5を収納するための収納空間が区画して設けられている。なお、絶縁性樹脂層604の高さ方向の長さは、チップ抵抗器5の高さ方向の長さよりも長く形成され、チップ抵抗器5を収納空間に配置した場合に、チップ抵抗器5の上端が絶縁性樹脂層604の上端よりも下側となる。また、枠状の絶縁性樹脂層604の外周部分604aは、外周部分604aより内側に形成された内側部分(仕切りを構成する部分)604bよりも高く形成されている。
まず、部品内蔵型プリント基板600の収納空間にチップ抵抗器5を配置する(図4(a))。その際、チップ抵抗器5の上側(つまり、抵抗体20側)を下側としたフェースダウンの状態で配置する。
その後、チップ抵抗器5が配置された部品内蔵型プリント基板600に絶縁性樹脂を流し込み硬化させて、図4(b)のように充填樹脂層606を形成する。その際、枠状の絶縁性樹脂層604の外周部分604aは内側部分604bよりも高く形成されているので、充填樹脂層606の上端を絶縁性樹脂層604の内側部分604bの上端よりも高く形成できる。
その後、充填樹脂層606の上方から下面側電極部31a、31bの領域にレーザーを照射することにより、図4(c)に示すように、逆円錐台状の穴状のビアホール608を形成する。レーザーの照射範囲Lは、図3に示すように、下面側電極部31a、31bの中央になるようにする。
その後、ビアホール608の内側の面及び充填樹脂層606の上面を酸性の液体により酸処理を行い、その後、図4(d)に示すように、ビアホール608の内側と充填樹脂層606の上面にビアホール導体610を銅メッキにより形成する。
上記構成のチップ抵抗器5においては、チップ抵抗器5の抵抗体20側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装できるようになっているので、抵抗体20や保護膜80をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
また、上記のように、下面側電極部31aの面積R1と下面側電極部31bの面積R2と絶縁基板10の下面側における下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域の面積R3の合計面積における面積R1と面積R2の合計の割合(つまり、(R1+R2)/(R1+R2+R3))が75〜90%となっているので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
例えば、0603タイプにおいては、上記割合を75%とした場合には、1つの下面側電極部31a(31b)の電極間方向の長さが225μmとなり、照射されるレーザーの径は約50μmであるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができる。また、上記割合を90%とした場合には、1つの下面側電極部31a(31b)の電極間方向の長さが270μmとなり、照射されるレーザーの径は約50μmであるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができる。
また、1005タイプにおいては、上記割合を75%とした場合には、1つの下面側電極部31a(31b)の電極間方向の長さが375μmとなり、上記割合を90%とした場合には、1つの下面側電極部31a(31b)の電極間方向の長さが450μmとなるので、照射されるレーザーの径は約50μmであるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができる。
また、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔S1が60μm以上に形成されているので、1つのレーザーを照射した際に下面側電極部31aと下面側電極部31bの両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがないので、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
なお、上記割合を90%よりも大きくすると、間隔S1の長さを60μm以上に確保しにくくなるので、上記割合は90%以下とするのが好ましい。
また、メッキ60における銅メッキ64は、8〜30μmの厚みに形成にされているので、レーザーが照射されても、ニッケルメッキ62やその内側の下面電極40や側面電極50が損傷することがない。
また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行うが、メッキ60における銅メッキ64が8〜30μmの厚みに形成にされているので、酸性の液体がニッケルメッキ62にまで浸食することがない。
なお、銅メッキ64の厚みが8μm未満の場合には、レーザー照射によりニッケルメッキ62等が損傷するおそれがあり、酸処理に際してニッケルメッキ62にまで浸食するおそれがあり、一方、銅メッキ64の厚みが30μmを超える場合には、8〜30μmの場合と比べて上記の効果に相違はなく、銅メッキ64を必要以上に厚くしても、メッキ時間の点等でコスト増となってしまう。
なお、図5に示すチップ抵抗器105のように、下面側電極部31aと下面側電極部31bの間に絶縁膜90を設けるようにしてもよい。この絶縁膜90は、樹脂系の絶縁体であり、樹脂系厚膜(例えば、エポキシ樹脂系厚膜)により形成されており、その厚みは、下面側電極部31a、31bの厚みS2よりも薄く形成され、10〜30μmの厚みに形成されている。また、絶縁膜90の長手辺の一方は下面側電極部31aに接していて、絶縁膜90の長手辺の他方は下面側電極部31bに接している。なお、絶縁膜90は、エポキシ樹脂に限らず、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂における少なくともいずれか等の他の樹脂であってもよい。
このように絶縁膜90を形成することにより、下面側電極部31aと下面側電極部31bとが短絡するのを防止することができる。
なお、図5のチップ抵抗器105においては、絶縁膜90を設けた点以外はチップ抵抗器5と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
次に、実施例2のチップ抵抗器について説明する。実施例2のチップ抵抗器205は、図6に示すように、実施例1のチップ抵抗器5と略同様の構成であるが、下面側電極部の形状が略台形形状である点が異なる。
すなわち、図6に示すように、一対の下面電極40における各下面電極40は、略台形形状で互いに点対称かつ非線対称の形状を呈し、これにより、下面側電極部31aと下面側電極部31bも略台形形状を呈し、互いに略点対称かつ非線対称の形状となっている。つまり、下面側電極部31a(第1下面側電極部)の下面側電極部31b側の辺部(第1辺部)31a−1と下面側電極部31b(第2下面側電極部)の下面側電極部31a側の辺部(第2辺部)31b−1とは、電極間方向に対して傾斜するとともに電極間方向と直角方向(Y1−Y2方向)に対して傾斜して形成されている。
なお、この実施例2においても、図7に示すように、下面側電極部31aの領域の面積をR1、下面側電極部31bの領域の面積をR2、絶縁基板10の下面側における下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域の面積をR3とし、面積R1と面積R2と面積R3の合計面積における面積R1と面積R2の合計の割合(つまり、(R1+R2)/(R1+R2+R3))が75〜90%となり、また、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔S1(図6参照)が60μm以上に形成されている。なお、一対の電極部30において、下面側電極部31aの下面側電極部31b側の辺部31a−1と下面側電極部31bの下面側電極部31a側の辺部31b−1とは互いに略平行に形成されている。
実施例2のチップ抵抗器205における下面電極40と下面側電極部31a、31b以外の構成は実施例1のチップ抵抗器と同様であるので、詳しい説明を省略する。
実施例2の構成のチップ抵抗器205によれば、下面側電極部31a、31bが略台形形状を呈し、辺部31a−1と辺部31b−1とが電極間方向と直角方向に対して傾斜して形成され、下面側電極部31aと下面側電極部31bとが点対称に形成されていて、下面側電極部31aと下面側電極部31bとが点対称かつ非線対称に形成されている(つまり、点対称であるが線対称に形成されていない)ので、下面側電極部31a側に形成されるビアホールの位置と下面側電極部31b側に形成されるビアホールの位置との間の距離が、実施例1の場合に比べて長くなり、その分、一対のビアホール導体の間に回路を実装する場合の実装密度を高くすることが可能となる。つまり、レーザーによりビアホールを形成する場合には、下面側電極部31a、31bの中央に向けてレーザーを照射するが、そうすると、2つのビアホールの形成位置を結ぶ直線は、電極間方向に対して傾斜するので、その分2つのビアホール間の距離を長くすることができるのである。
また、実施例2のチップ抵抗器205においては、下面側電極部31aと下面側電極部31bとが点対称かつ非線対称に形成されているので、実施例1の場合に比べてメッキを良好に行うことができる。つまり、実施例1においては、下面電極40が線対称であるとともに点対称に形成されているので、2つのチップ抵抗器が下面電極40形成側が対向した場合には、2つのチップ抵抗器において下面電極40同士の接触面積が大きいのに対して、本実施例のチップ抵抗器においては、一対の下面電極40は、点対称ではあるが線対称の形状ではないので、2つのチップ抵抗器が下面電極40形成側が対向した場合の下面電極40同士の接触面積は、実施例1の場合に比べて小さい。
すると、被メッキ素体(つまり、ニッケルメッキ62を形成する場合には、ニッケルメッキ62が形成されていない状態のチップ抵抗器であり、銅メッキ64を形成する場合には、銅メッキ64が形成されていない状態のチップ抵抗器)をバレルメッキ装置におけるメッキバレル内に導電性媒体(例えば、金属製の小球)や撹拌補助材(例えば、セラミックボール)とともに入れて、メッキ浴(メッキ液としてもよい)を入れたメッキ槽内で回転させ、メッキ槽内に設けられた陽極板と、メッキバレル内に設けられた金属陰極棒間に通電させてメッキを行う際に、2つのチップ抵抗器の下面電極同士が接着してしまう不良(いわゆるアベック不良)のおそれが、本実施例の場合には、実施例1の場合に比べて小さく、これにより、メッキを良好に行うことが可能となる。
なお、本実施例のチップ抵抗器205によれば、実施例1のチップ抵抗器5と同様に、チップ抵抗器205の抵抗体20側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装できるようになっているので、抵抗体20や保護膜80をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
また、下面側電極部31aの領域(ハッチングに示された領域)の面積R1と下面側電極部31bの領域(ハッチングに示された領域)の面積R2と絶縁基板10の下面側における下面側電極部31aと下面側電極部31b間の領域(ハッチングに示された領域)の面積R3の合計面積における面積R1と面積R2の合計の割合(つまり、(R1+R2)/(R1+R2+R3))が75〜90%となっているので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、下面側電極部31aと下面側電極部31b間の間隔S1が60μm以上に形成されているので、1つのレーザーを照射した際に下面側電極部31aと下面側電極部31bの両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがないので、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、メッキ60における銅メッキ64は、8〜30μmの厚みに形成にされているので、レーザーが照射されても、ニッケルメッキ62やその内側の下面電極40や側面電極50が損傷することがない。
また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行うが、メッキ60における銅メッキ64が8〜30μmの厚みに形成にされているので、酸性の液体がニッケルメッキ62にまで浸食することがない。
なお、実施例2のチップ抵抗器205において、図5に示すチップ抵抗器105と同様に、下面側電極部31aと下面側電極部31bの間に絶縁膜を設けるようにしてもよい。この絶縁膜は、樹脂系の絶縁体であり、樹脂系厚膜(例えば、エポキシ樹脂系厚膜)により形成されており、その厚みは、下面側電極部31a、31bの厚みよりも薄く形成され、10〜30μmの厚みに形成される。また、該絶縁膜の長手辺の一方は下面側電極部31aに接していて、絶縁膜の長手辺の他方は下面側電極部31bに接している。なお、該絶縁膜は、エポキシ樹脂に限らず、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂における少なくともいずれか等の他の樹脂であってもよい。このように絶縁膜を形成することにより、下面側電極部31aと下面側電極部31bとが短絡するのを防止することができる。
次に、実施例3のチップ抵抗器について説明する。実施例3のチップ抵抗器305は、実施例1のチップ抵抗器5と略同様の構成であるが、実施例3のチップ抵抗器305が多連チップ抵抗器である点が異なる。
チップ抵抗器305は、図8、図9に示すように構成され、絶縁基板(基板)110と、複数の抵抗体120と、複数対の電極部130と、カバーコート(一次コート)170と、保護膜(二次コート)180と、を有している。なお、チップ抵抗器305における平面視の大きさとしては、長辺が2.0mm〜1.2mm、短辺が1.0mm〜0.6mmとなっていて、具体的には、長辺が1.4mmで短辺が0.6mm(1406タイプ)等が挙げられる。
ここで、絶縁基板110は、含有率96%程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板110は、直方体形状を有している。なお、直方体形状における長手方向の側面に直方体形状の切欠部が設けられた形状を呈し、平面視において、長方形状の長手辺に沿って方形状の凹部を形成した形状を呈した形状としてもよい。
また、抵抗体120は、図9に示すように、絶縁基板110の上面に層状に設けられ、電極間方向(X1−X2方向)(抵抗体120における一対の上面電極132との接続位置を結ぶ方向、(他においても同じ)、通電方向としてもよい)に帯状に形成されていて、平面視において略長方形状に形成されている。この電極間方向は、絶縁基板110においては、短手方向となる。この抵抗体120の電極間方向の端部は絶縁基板110の端部まで形成されていて、抵抗体120の電極間方向の長さは、絶縁基板110の電極間方向の長さと同じとなっている。なお、抵抗体120の端部を絶縁基板110の端部にまで形成せず、抵抗体120の電極間方向の端部と絶縁基板110の電極間方向の端部との間には所定の間隔が形成されるようにしてもよい。また、抵抗体120の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、4つの抵抗体120を絶縁基板110の長手方向に間隔を介して配設可能な長さに形成されている。この抵抗体120は、図8に示すように、全体に方形状(具体的には、長方形状)を呈し、酸化ルテニウム系メタルグレーズ厚膜により形成されている。
また、電極部130は、絶縁基板110における長手辺に沿って一対ずつ設けられ、図8に示す例では、計4対の電極部130が設けられている。つまり、1つの抵抗体120の両側に接続された2つの電極部130が一対の電極部となる。なお、絶縁基板110の長手方向の側面に切欠部を設けた場合には、切欠部が設けられている辺部における切欠部が設けられていない箇所(つまり、凸状部分)に、電極部が一対ずつ設けられる。絶縁基板110の長手辺に設けられた電極部130は、間隔を介して設けられている。
各電極部130は、上面電極132と、下面電極140と、側面電極150と、メッキ160とを有している。
上面電極132は、抵抗体120の上面の短手方向(X1−X2方向(図8、図9参照))の両端部領域に層状に一対形成されていて、平面視において略方形状を呈している。つまり、一方の上面電極132は、抵抗体120の上面のX1側の端部から所定の長さに形成されているとともに、他方の上面電極132は、抵抗体120の上面のX2側の端部から所定長さに形成されている。また、上面電極132の幅方向の長さは、電極部130の幅方向の長さよりも短く形成されている。この上面電極132は、具体的には、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、上面電極132は、抵抗体120の端部領域の上面に積層している。つまり、上面電極132の全ての領域が抵抗体120の上面に積層している。なお、抵抗体120が絶縁基板110の電極間方向の端部にまで形成されていない場合には、上面電極132における外側の領域(絶縁基板110の端部(電極間方向の端部)側の領域)は、絶縁基板110の上面に形成される。なお、その場合に、抵抗体を上面電極の上面に積層させてもよい。なお、実施例1、2と異なり、補助電極は形成されていない。
また、下面電極140は、図9に示すように、上記絶縁基板110の下面の両端部領域に層状に一対形成されていて、一方の下面電極140は、絶縁基板110の下面のX1側の端部から所定の長さに形成され、他方の下面電極140は、絶縁基板110の下面のX2側の端部から所定の長さに形成されている。
この下面電極140の長さ(電極間方向の長さ)は、後述するように、一対の電極部130において、一方の電極部130の下面側の部分である下面側電極部131aの面積と、他方の電極部130の下面側の部分である下面側電極部131bの面積と、絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積の合計面積における下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積の合計の割合が75〜90%となり、また、下面側電極部131aと下面側電極部131b間の間隔S11が60μm以上となるような大きさに形成されている。この下面電極140は、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、側面電極150は、上面電極132の一部と、保護膜180の一部と、下面電極140の一部と、絶縁基板110の側面(つまり、X1側の側面と、X2側の側面)を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。この側面電極150は、X1側の端部とX2側の端部にそれぞれ設けられている。この側面電極150は、実施例1の側面電極50と同様の構成であり、薄膜(NiCr系薄膜)により形成されている。
また、メッキ160は、実施例1のメッキ60と同様の構成であり、側面電極150の外側と下面電極140の露出領域の外側に側面電極150と下面電極140の露出部分とを被覆して形成されている。つまり、メッキ160は、側面電極150の外側と下面電極140の露出領域の外側に側面電極150と下面電極140の露出部分とを被覆して形成されたニッケルメッキ(Niメッキ)162と、ニッケルメッキ162の外側にニッケルメッキ162を被覆して形成された銅メッキ(Cuメッキ)164とから構成されている。つまり、チップ抵抗器305の電極部130の表面にメッキ160が設けられていて、内側層がニッケルメッキ162で、外側層が銅メッキ164となっていて、銅メッキ614が最も外側に設けられて外部に露出している。ニッケルメッキ162と銅メッキ164とは、それぞれ略均一の厚膜に形成されている。ニッケルメッキ162と銅メッキ164は、例えば、電気メッキにより形成される。なお、メッキ160の保護膜180側の端部は、保護膜180に積層している。
ここで、ニッケルメッキ162は、4〜12μmの厚みに形成され、また、銅メッキ164は、8〜30μmの厚みに形成されている。すなわち、銅メッキ164は、レーザー照射前の酸処理やレーザービアを形成する際にレーザーが照射された場合でもレーザーが銅メッキ164の内側のニッケルメッキ162に到達しないように、厚く形成されている。
上記各一対の電極部130において、一方の電極部130の下面側の部分を下面側電極部131aとし、他方の電極部130の下面側の部分を下面側電極部131bとした場合に、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積と絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積との合計面積における下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積合計の割合が、75〜90%であり、下面側電極部131aと下面側電極部131b間の間隔S11が60μm以上となっている。
つまり、図8(b)における最も左側の一対の電極部130を例にとると、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR11、下面側電極部131bの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR12、絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域(ハッチングに示された領域)の面積をR13とし(図10参照)、面積R11と面積R12と面積R13の合計面積における面積R11と面積R12の合計の割合(つまり、(R11+R12)/(R11+R12+R13))が75〜90%となっている。
また、同様に、図8(b)における左側から2番目の一対の電極部130を例にとると、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの領域の面積をR21、下面側電極部131bの領域の面積をR22、絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積をR23とし(図10参照)、面積R21と面積R22と面積R23の合計面積における面積R21と面積R22の合計の割合(つまり、(R21+R22)/(R21+R22+R23))が75〜90%となっている。
なお、一対の電極部130において、下面側電極部131aの下面側電極部131b側の辺部(第1辺部)131a−1と下面側電極部131bの下面側電極部131a側の辺部(第2辺部)131b−1とは互いに略平行に形成されている。
また、電極部130の上端(保護膜180側の端部)の高さは、保護膜180の上端の高さ以上の高さとなっていて、電極部130は、保護膜180よりも上方に突出しているか、又は、同じ高さとなっている。
また、カバーコート170は、抵抗体120の上面に層状に形成され、抵抗体120へのトリミング時の熱衝撃を緩和するために形成される。このカバーコート170の形成位置は、幅方向(Y1−Y2方向)には、絶縁基板110のY1−Y2方向の幅と略同一に形成され、電極間方向には、図9に示すように、抵抗体120の長さよりも短く形成され、上面電極132に接しないように形成され、トリミング溝形成位置の領域を被覆するように形成されていて、これにより、抵抗体120は、上面電極132とカバーコート170により被覆される。つまり、カバーコート170は、Y1−Y2方向に帯状に形成されている。このカバーコート170は、ガラス系材料により形成され、具体的には、ホウ珪酸鉛ガラス系厚膜により形成される。なお、抵抗体120とカバーコート170には、トリミング溝185が形成されている。
また、保護膜180は、カバーコート170と、抵抗体120の一部(露出部分)と、上面電極132の一部(露出部分)とを被覆するように設けられている。この保護膜180の形成位置をさらに詳しく説明すると、幅方向(Y1−Y2方向)には、絶縁基板110のY1−Y2方向の幅と略同一に形成され、さらに、電極間方向には、絶縁基板110の長さよりも短く形成されていて、上面電極132の内側の領域に積層する程度の長さに形成されていて、平面視において略方形状に形成されている。つまり、保護膜180は、Y1−Y2方向に帯状に形成されている。この保護膜180は、エポキシ樹脂系厚膜により形成されている。以上のように、保護膜180は、主として、抵抗体120を保護するものである。なお、保護膜180の厚み(最大厚み)は、20〜40μmとなっている。
上記構成のチップ抵抗器305の製造方法について説明すると、まず、アルミナ基板(このアルミナ基板は、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを少なくとも有する大判のものであり、平板状のグリーンシート(含有率96%程度のアルミナを含有するグリーンシート)を予め焼成したものである)(基板素体)を用意し、このアルミナ基板の裏面(すなわち、底面)に下面電極を形成する(下面電極形成工程)。つまり、下面電極用のペースト(例えば、銀系メタルグレーズ等の銀系ペースト)を印刷し、乾燥・焼成する。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、この下面電極の形成に際しては、一枚のスクリーンで縦横に複数個印刷する。その後、アルミナ基板の裏側(下面電極形成側)に一次スリットと二次スリットを形成する。この一次スリットと二次スリットは基板分割用のスリットである。
次に、アルミナ基板の表側に一次スリットと二次スリット(この一次スリットと二次スリットは基板分割用のスリットである)を形成し、アルミナ基板の上面に抵抗体120を形成する(抵抗体形成工程)。つまり、抵抗体ペースト(例えば、酸化ルテニウム系ペースト(具体的には、酸化ルテニウム系メタルグレーズペースト))を印刷した後に乾燥・焼成して抵抗体120を形成する。なお、一次スリットと二次スリットで囲まれたチップ抵抗器1つ分の領域には、当然複数個(図8の例では、4つ)の抵抗体120を形成する。
次に、アルミナ基板の上面に上面電極132を形成する(上面電極形成工程)。すなわち、上面電極ペーストをその一部が抵抗体に積層するように印刷し、乾燥・焼成する。この場合の上面電極ペーストは、銀系ペースト(例えば、銀系メタルグレーズペースト)である。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、チップ抵抗器となった場合に隣接するチップ抵抗器の上面電極で互いに隣接し合う上面電極については1つの印刷領域で形成する。
次に、上記アルミナ基板の上面及び一対の上面電極132の上面に抵抗体120を形成する(抵抗体形成工程)。つまり、抵抗体ペースト(例えば、酸化ルテニウム系ペースト(具体的には、酸化ルテニウム系メタルグレーズペースト))を印刷した後に乾燥・焼成して抵抗体120を形成する。
次に、トリミングによる抵抗値調整の前にカバーコート170を形成する。つまり、ホウ珪酸鉛ガラス系のガラスペーストを印刷して焼成し、カバーコート170を形成する。この場合、カバーコート170は、電極間方向とは直角の方向であるカバーコート形成方向に帯状に形成し、該カバーコート形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度にカバーコートを形成して、チップ抵抗器複数個分のカバーコートを帯状に連続して形成してもよい。
次に、抵抗体120にトリミング溝を形成してトリミングを行なうことにより抵抗値を調整する(抵抗体調整工程)。つまり、レーザートリミングにより抵抗体120にトリミング溝を形成する。
次に、保護膜180を形成する(保護膜形成工程)。つまり、カバーコート170の全体と抵抗体120の露出部分と上面電極132の一部(内側の領域)とを覆うように保護膜を形成する。つまり、保護膜用ペースト(エポキシ系の樹脂ペースト)を印刷し、乾燥・硬化させる。この場合、保護膜は、電極間方向とは直角の方向である保護膜形成方向に帯状に形成し、該保護膜形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度に保護膜を形成する。その後は、一次スリットに沿って一次分割して短冊状基板とする(一次分割工程)。
次に、上記短冊状基板に対して、側面電極150を形成する(側面電極形成工程)。つまり、スパッタリングによりNiCr系薄膜を形成することにより側面電極150が形成される。
その後、二次スリットに沿って二次分割する(二次分割工程)。次に、メッキ160を形成する(メッキ工程)。つまり、ニッケルメッキを形成し、その後、厚さが8〜30μmの銅メッキを形成する。以上のようにして、チップ抵抗器305を形成する。
本実施例のチップ抵抗器305の使用状態は、1つのチップ抵抗器305について4対のビアホールを形成して、ビアホールの内側と充填樹脂層の上面にビアホール導体を銅メッキにより形成する点以外は、実施例1における使用状態と同様であるので、詳しい説明を省略する。
つまり、図4(c)においては、各チップ抵抗器において4対のビアホールを形成し、図4(d)においては、形成したビアホールと充填樹脂層の上面にビアホール導体を形成するのである。
上記構成のチップ抵抗器305においては、チップ抵抗器305の抵抗体120側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装できるようになっているので、抵抗体120や保護膜180をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
また、上記のように、下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積と絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部31b間の領域の面積の合計面積における下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積の合計の割合が75〜90%となっているので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
例えば、1406タイプにおいては、上記割合を75%とした場合には、1つの下面側電極部131a(131b)の電極間方向の長さが225μmとなり、照射されるレーザーの径は約50μmであるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができる。また、上記割合を90%とした場合には、1つの下面側電極部131a(131b)の電極間方向の長さが270μmとなり、照射されるレーザーの径は約50μmであるので、レーザーの照射領域を十分に確保することができる。
また、下面側電極部131aと下面側電極部131b間の間隔S11が60μm以上に形成されているので、1つのレーザーを照射した際に下面側電極部131aと下面側電極部131bの両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがないので、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、メッキ160における銅メッキ164は、8〜30μmの厚みに形成にされているので、レーザーが照射されても、ニッケルメッキ162やその内側の下面電極140や側面電極150が損傷することがない。
また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行うが、メッキ160における銅メッキ164が8〜30μmの厚みに形成にされているので、酸性の液体がニッケルメッキ162にまで浸食することがない。
また、図5に示すチップ抵抗器105と同じ要領で、一対の電極部130を構成する下面側電極部131aと下面側電極部131bの間に絶縁膜を設けるようにしてもよい。このように絶縁膜を形成することにより、下面側電極部131aと下面側電極部131bとが短絡するのを防止することができる。
次に、実施例4のチップ抵抗器について説明する。実施例4のチップ抵抗器405は、図11に示すように、実施例3のチップ抵抗器305と略同様の構成であるが、下面側電極部の形状が略台形形状である点が異なる。
すなわち、図9、図11に示すように、一対の下面電極140(つまり、抵抗体120を介して電気的に接続された一対の下面電極140)における各下面電極140は、略台形形状で互いに点対称かつ非線対称の形状を呈し、これにより、一対の電極部130における下面側電極部131aと下面側電極部131bも略台形形状を呈し、互いに点対称かつ非線対称の形状となっている。つまり、下面側電極部131a(第1下面側電極部)の下面側電極部131b側の辺部(第1辺部)131a−1と下面側電極部131b(第2下面側電極部)の下面側電極部131a側の辺部(第2辺部)131b−1とは、電極間方向に対して傾斜するとともに電極間方向と直角方向(Y1−Y2方向)に対して傾斜して形成されている。
なお、チップ抵抗器405の断面形状(図11におけるE−E断面)は、図9に示すように構成されている。
なお、この実施例4においても、一方の電極部130の下面側の部分を下面側電極部131aとし、他方の電極部130の下面側の部分を下面側電極部131bとした場合に、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積と絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積との合計面積における下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積合計の割合が、75〜90%であり、下面側電極部131aと下面側電極部131b間の間隔S11が60μm以上となっている。
例えば、図11(b)における最も左側の一対の電極部130を例にとると、図12に示すように、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの領域の面積をR11、下面側電極部131bの領域の面積をR12、絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積をR13とし(図12参照)、面積R11と面積R12と面積R13の合計面積における面積R11と面積R12の合計の割合(つまり、(R11+R12)/(R11+R12+R13))が75〜90%となっている。
また、同様に、図11(b)における左側から2番目の一対の電極部130を例にとると、図12に示すように、下面側から視認した場合に、下面側電極部131aの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR21、下面側電極部131bの領域(ハッチングに示された領域)の面積をR22、絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域(ハッチングに示された領域)の面積をR23とし(図12参照)、面積R21と面積R22と面積R23の合計面積における面積R21と面積R22の合計の割合(つまり、(R21+R22)/(R21+R22+R23))が75〜90%となっている。
なお、一対の電極部130において、下面側電極部131aの下面側電極部131b側の辺部(第1辺部)131a−1と下面側電極部131bの下面側電極部131a側の辺部(第2辺部)131b−1とは互いに略平行に形成されている。
実施例4のチップ抵抗器405における下面電極140と下面側電極部131a、131b以外の構成は実施例3のチップ抵抗器と同様であるので、詳しい説明を省略する。
実施例4の構成のチップ抵抗器405によれば、下面側電極部131a側に形成されるビアホールの位置と下面側電極部131b側に形成されるビアホールの位置との間の距離が、実施例3の場合に比べて長くなるので、その分、一対のビアホール導体の間に回路を実装する場合の実装密度を高くすることが可能となる。つまり、実施例2と同様の理由で、レーザーによりビアホールを形成する場合には、下面側電極部131a、131bの中央に向けてレーザーを照射するが、そうすると、2つのビアホールの形成位置を結ぶ直線は、電極間方向に対して傾斜するので、その分2つのビアホール間の距離を長くすることができるのである。
また、実施例4のチップ抵抗器405においては、下面側電極部131aと下面側電極部131bとが点対称かつ非線対称に形成されているので、実施例3の場合に比べてメッキを良好に行うことができる。つまり、実施例2の場合と同様の理由で、2つのチップ抵抗器が下面電極140形成側が対向した場合の下面電極140同士の接触面積は、実施例3の場合に比べて小さいので、メッキに際して、アベック不良のおそれを実施例3に比べて小さくすることができる。
なお、実施例4のチップ抵抗器405においても、チップ抵抗器405の抵抗体120側を下側にして部品内蔵型プリント基板に実装できるようになっているので、抵抗体120や保護膜180をレーザーにより損傷させてしまうことがない。
また、下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積と絶縁基板110の下面側における下面側電極部131aと下面側電極部131b間の領域の面積の合計面積における下面側電極部131aの面積と下面側電極部131bの面積の合計の割合が75〜90%となっているので、レーザーの照射領域を十分に確保することができ、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、下面側電極部131aと下面側電極部131b間の間隔S11が60μm以上に形成されているので、1つのレーザーを照射した際に下面側電極部131aと下面側電極部131bの両方に跨ってレーザーが照射されるおそれがないので、その意味でも、レーザーの照射に当たって極端に正確な位置精度を要求されない。
また、メッキ160における銅メッキ164は、8〜30μmの厚みに形成にされているので、レーザーが照射されても、ニッケルメッキ162やその内側の下面電極140や側面電極150が損傷することがない。
また、ビアホールに銅メッキを行う前に酸処理を行うが、メッキ160における銅メッキ164が8〜30μmの厚みに形成にされているので、酸性の液体がニッケルメッキ162にまで浸食することがない。
また、図5に示すチップ抵抗器105と同じ要領で、一対の電極部130を構成する下面側電極部131aと下面側電極部131bの間に絶縁膜を設けるようにしてもよい。このように絶縁膜を形成することにより、下面側電極部131aと下面側電極部131bとが短絡するのを防止することができる。
5、105、205、305、405 チップ抵抗器
10、110 絶縁基板
20、120 抵抗体
30、130 電極部
31a、31b、131a、131b 下面側電極部
32、132 上面電極
34 補助電極
40、140 下面電極
50、150 側面電極
60、160 メッキ
62、162 ニッケルメッキ
64、164 銅メッキ
70、170 カバーコート

Claims (3)

  1. 絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部である第1電極部と第2電極部とを有するチップ抵抗器であって、
    該一対の電極部における第1電極部と第2電極部とが、それぞれ、
    抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、
    絶縁基板の下面に設けられた下面電極と、
    上面電極及び下面電極と接続し、絶縁基板の側面に設けられた側面電極と、
    側面電極の表面に形成されたメッキで、最も外側に厚さが8〜30μmの銅メッキを有するメッキと、を有し、
    第1電極部における下面側の部分である第1下面側電極部と第2電極部における下面側の部分である第2下面側電極部とが、略同一の大きさを有するとともに、互いに略同一形状又は略点対称の形状を有し、
    第1下面側電極部の面積である第1面積と、第2下面側電極部の面積である第2面積と、第1下面側電極部と第2下面側電極部間の領域の面積である第3面積との合計面積における第1面積と第2面積の合計の割合が75〜90%であり、
    第1下面側電極部と第2下面側電極部間の間隔が60μm以上であることを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 第1下面側電極部の第2下面側電極部側の辺部である第1辺部と第2下面側電極部の第1下面側電極部側の辺部である第2辺部とが、電極間方向と直角方向に対して傾斜して形成され、第1下面側電極部と第2下面側電極部とが互いに略点対称に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  3. 上記チップ抵抗器が、多連チップ抵抗器であり、上記一対の電極部が複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ抵抗器。
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