本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、説明は、下記の順序で行う。
1.実施形態1(イオン注入でドーピングされた画素分離を形成する場合(裏面照射型+CF))
2.実施形態2(ラテラル成長でドーピングされた画素分離を形成する場合(裏面照射型+CF))
3.実施形態3(組成制御で画素分離(ノンドープ)を形成した場合)
4.実施形態4(表面照射型の場合1)
5.実施形態5(表面照射型の場合2)
6.実施形態6(表面照射型の場合3)
7.実施形態7(その他の裏面照射型の場合)
8.実施形態8(正孔を信号として読み出す場合)
9.実施形態9(オフ基板を用いる場合)
10.その他
<1.実施形態1(イオン注入でドーピングされた画素分離を形成する場合(裏面照射型+CF))>
(A)装置構成
(A−1)カメラの要部構成
図1は、本発明にかかる実施形態1において、カメラ40の構成を示す構成図である。
図1に示すように、カメラ40は、固体撮像装置1と、光学系42と、制御部43と、信号処理回路44とを有する。各部について、順次、説明する。
固体撮像装置1は、光学系42を介して入射する光(被写体像)を撮像面PSから受光して光電変換することによって、信号電荷を生成する。ここでは、固体撮像装置1は、制御部43から出力される制御信号に基づいて駆動する。具体的には、信号電荷を読み出して、ローデータとして出力する。
光学系42は、結像レンズや絞りなどの光学部材を含み、入射する被写体像による光Hを、固体撮像装置1の撮像面PSへ集光するように配置されている。
制御部43は、各種の制御信号を固体撮像装置1と信号処理回路44とに出力し、固体撮像装置1と信号処理回路44とを制御して駆動させる。
信号処理回路44は、固体撮像装置1から出力された電気信号について信号処理を実施することによって、被写体像についてデジタル画像を生成するように構成されている。
(A−2)固体撮像装置の要部構成
固体撮像装置1の全体構成について説明する。
図2は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置1の全体構成を示すブロック図である。
固体撮像装置1は、たとえば、CMOS型イメージセンサとして構成されている。この固体撮像装置1は、図2に示すように、シリコン基板11を含む。シリコン基板11は、たとえば、単結晶シリコン半導体からなる半導体基板であり、図2に示すように、シリコン基板11の面においては、撮像領域PAと、周辺領域SAとが設けられている。
撮像領域PAは、図2に示すように、矩形形状であり、複数の画素Pが水平方向xと垂直方向yとのそれぞれに、配置されている。つまり、画素Pがマトリクス状に並んでいる。そして、この撮像領域PAは、図1に示した撮像面PSに相当する。画素Pの詳細については、後述する。
周辺領域SAは、図2に示すように、撮像領域PAの周囲に位置している。そして、この周辺領域SAにおいては、周辺回路が設けられている。
具体的には、図2に示すように、垂直駆動回路3と、カラム回路4と、水平駆動回路5と、外部出力回路7と、タイミングジェネレータ8と、シャッター駆動回路9とが、周辺回路として設けられている。
垂直駆動回路3は、図2に示すように、周辺領域SAにおいて、撮像領域PAの側部に設けられており、撮像領域PAの画素Pを行単位で選択して駆動するように構成されている。
カラム回路4は、図2に示すように、周辺領域SAにおいて、撮像領域PAの下端部に設けられており、列単位で画素Pから出力される信号について信号処理を実施する。ここでは、カラム回路4は、CDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)回路(図示なし)を含み、固定パターンノイズを除去する信号処理を実施する。
水平駆動回路5は、図2に示すように、カラム回路4に電気的に接続されている。水平駆動回路5は、たとえば、シフトレジスタを含み、カラム回路4にて画素Pの列ごとに保持されている信号を、順次、外部出力回路7へ出力させる。
外部出力回路7は、図2に示すように、カラム回路4に電気的に接続されており、カラム回路4から出力された信号について信号処理を実施後、外部へ出力する。外部出力回路7は、AGC(Automatic Gain Control)回路7aとADC回路7bとを含む。外部出力回路7においては、AGC回路7aが信号にゲインをかけた後に、ADC回路7bがアナログ信号からデジタル信号へ変換して、外部へ出力する。
タイミングジェネレータ8は、図2に示すように、垂直駆動回路3、カラム回路4、水平駆動回路5,外部出力回路7,シャッター駆動回路9のそれぞれに電気的に接続されている。タイミングジェネレータ8は、各種パルス信号を生成し、垂直駆動回路3、カラム回路4、水平駆動回路5,外部出力回路7,シャッター駆動回路9に出力することで、各部について駆動制御を行う。
シャッター駆動回路9は、画素Pを行単位で選択して、画素Pにおける露光時間を調整するように構成されている。
上記の各部は、行単位にて並ぶ複数の画素Pについて同時に駆動させる。具体的には、上述した垂直駆動回路3によって供給される選択信号によって、画素Pが、水平ライン(画素行)単位で垂直方向yに、順次、選択される。そして、タイミングジェネレータ8から出力される各種タイミング信号によって各画素Pが駆動する。これにより、各画素Pから出力された電気信号が、画素列ごとに、カラム回路4に読み出される。そして、カラム回路4にて蓄積された信号が、水平駆動回路5によって選択されて、外部出力回路7へ、順次、出力される。
(A−3)固体撮像装置の詳細構成
本実施形態にかかる固体撮像装置の詳細構成について説明する。
図3,図4は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図3は、画素Pの断面を示している。また、図4は、画素Pの回路構成を示している。
図3に示すように、固体撮像装置1は、シリコン基板11を含み、シリコン基板11の一方の面(上面)には、カルコパイライト光電変換膜13,画素分離部PBが形成されている。
そして、図3に示すように、シリコン基板11の他方の面(下面)には、読み出し用電極15と、ゲートMOS41とが設けられている。また、図3では図示を省略しているが、図4に示す読出し回路51が、さらに設けられている。読出し回路51は、図4に示すように、リセットトランジスタM1と、増幅トランジスタM2と、選択トランジスタM3とを含む。読出し回路51は、ゲートMOS41を介して、カルコパイライト光電変換膜13から信号電荷を読み出し、垂直信号線27へ電気信号として出力するように構成されている。
そして、図示を省略しているが、シリコン基板11の他方の面(下面)には、読み出し用電極15などの各部を覆うように、配線層(図示なし)が設けられている。
そして、配線層(図示なし)が設けられた面(表面)に対して反対に位置する面(裏面)において、入射光Hをカルコパイライト光電変換膜13が受光するように構成されている。つまり、本実施形態の固体撮像装置1は、「裏面照射型CMOSイメージセンサ」である。
各部について順次説明する。
(A−3−1)カルコパイライト光電変換膜13について
固体撮像装置1において、カルコパイライト光電変換膜13は、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。つまり、撮像面(xy面)において、水平方向xと、この水平方向xに対して直交する垂直方向yとのそれぞれに並んで設けられている。
このカルコパイライト光電変換膜13は、入射光(被写体像)を受光し、光電変換することによって信号電荷を生成するように構成されている。
図3に示すように、カルコパイライト光電変換膜13は、たとえば、p型シリコン半導体であるシリコン基板11の一方の面上に設けられている。
ここでは、カルコパイライト光電変換膜13は、図3に示すように、シリコン基板11において、複数の画素Pに対応するように形成されたn型不純物領域12の上面に設けられている。そして、カルコパイライト光電変換膜13は、上面にp+層14pが被覆するように形成されている。そして、カルコパイライト光電変換膜13で生成された信号電荷は、ゲートMOS41を介して、読出し回路51によって読み出される。
そして、図3に示すように、カルコパイライト光電変換膜13は、側面に画素分離部PBが設けられている。
本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13は、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11(Si(100)基板)に格子整合するように結晶が成長されて形成されている。
ここでは、カルコパイライト光電変換膜13は、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11上にて単結晶薄膜としてエピタキシャル成長されて形成されている。
たとえば、CuGa0.52In0.48S2膜が、カルコパイライト光電変換膜13として、シリコン基板11上に積層されて形成されている。カルコパイライト光電変換膜13は、導電型が、たとえば、p型である。カルコパイライト光電変換膜13は、p型の他、i型、n型のいずれであっても良い。
また、上記の化合物半導体以外に、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−亜鉛−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体を用いて、カルコパイライト光電変換膜13を形成しても好適である。
図5は、カルコパイライト構造を示す斜視図である。図5では、カルコパイライト材料の一つであるCuInSe2を、一例として示している。
図5に示すように、CuInSe2は、シリコンと同様に、基本形がダイヤモンド構造である。このため、シリコン原子の一部が銅(Cu),インジウム(In)などの原子に置換することでカルコパイライト構造が構成されるので、シリコン基板11の面上にて、エピタキシャル成長させることによって、カルコパイライト光電変換膜13を形成できる。
たとえば、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)で、カルコパイライト光電変換膜13が形成される。この他に、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition),液相エピタキシー法(LPE:Liquid Phase Epitaxy)などのエピタキシャル成長法で形成可能である。
(A−3−2)画素分離部PBについて
固体撮像装置1において、画素分離部PBは、図2に示した複数の画素Pの間に介在して、画素Pの間を互いに分離するように設けられている。つまり、撮像面(xy面)において複数の画素Pの間に介在するように、水平方向xと垂直方向yとに格子状に延在するように設けられている。
ここでは、画素分離部PBは、図3に示すように、シリコン基板11の一方の面上において、画素Pごとに形成されたカルコパイライト光電変換膜13の側面に設けられている。
本実施形態においては、画素分離部PBは、p型の不純物を含む半導体で形成されている。たとえば、高濃度のp型の不純物を含む銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト系化合物半導体で、画素分離部PBが形成されている。
(A−3−3)読み出し用電極15について
固体撮像装置1において、読み出し用電極15は、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
ここでは、読み出し用電極15は、図3に示すように、シリコン基板11において、カルコパイライト光電変換膜13が設けられた面(裏面)とは反対側の面(表面)の側に設けられている。
(A−3−4)ゲートMOS41について
固体撮像装置1において、ゲートMOS41は、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
ここでは、ゲートMOS41は、シリコン基板11において、カルコパイライト光電変換膜13が設けられた面(裏面)とは反対側の面(表面)の側に設けられている。そして、ゲートMOS41は、たとえば、シリコン基板11に活性化領域(図示なし)が形成されており、各ゲートが導電材料で形成されている。
(A−3−5)読出し回路51について
固体撮像装置1において、読出し回路51は、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
図4に示すように、読出し回路51は、リセットトランジスタM1と、増幅トランジスタM2と、選択トランジスタM3とを含み、カルコパイライト光電変換膜13で生成された信号電荷を、ゲートMOS41を介して読み出すように構成されている。
読出し回路51を構成する各トランジスタM1,M2,M3は、図3では図示していないが、ゲートMOS41と同様に、シリコン基板11において、カルコパイライト光電変換膜13が設けられた面(裏面)とは反対側の面(表面)の側に設けられている。各トランジスタM1,M2,M3は、たとえば、シリコン基板11に活性化領域(図示なし)が形成されており、各ゲートが導電材料で形成されている。
読出し回路51において、リセットトランジスタM1は、増幅トランジスタM2のゲート電位をリセットするように構成されている。
具体的には、リセットトランジスタM1は、図4に示すように、行リセット信号が供給されるリセット線RSTにゲートが接続されている。また、リセットトランジスタM1は、ドレインが電源電位供給線Vddに接続され、ソースがフローティングディフュージョンFDに接続されている。そして、リセットトランジスタM1は、リセット線RSTから入力される行リセット信号に基づいて、フローティングディフュージョンFDを介して、増幅トランジスタM2のゲート電位を、電源電位にリセットする。
読出し回路51において、増幅トランジスタM2は、信号電荷による電気信号を、増幅して出力するように構成されている。
具体的には、増幅トランジスタM2は、図4に示すように、ゲートがフローティングディフュージョンFDに接続されている。また、増幅トランジスタM2は、ドレインが電源電位供給線Vddに接続され、ソースが選択トランジスタM3に接続されている。
読出し回路51において、選択トランジスタM3は、行選択信号が入力された際に、増幅トランジスタM2によって出力された電気信号を、垂直信号線27へ出力するように構成されている。
具体的には、選択トランジスタM3は、図4に示すように、選択信号が供給されるアドレス線SELにゲートが接続されている。選択トランジスタM3は、選択信号が供給された際にはオン状態になり、上記のように増幅トランジスタM2によって増幅された出力信号を、垂直信号線27に出力する。
(A−3−6)その他
この他に、図3に示すように、シリコン基板11の上面(裏面)側においては、カラーフィルタCFやオンチップレンズMLが、画素Pに対応して設けられている。
ここでは、カラーフィルタCFは、図3に示すように、シリコン基板11の上面において、絶縁膜HTを介して設けられている。具体的には、カラーフィルタCFは、たとえば、3原色のフィルタ層(図示なし)を含み、その3原色のフィルタ層が、たとえば、ベイヤー配列で各色のフィルタ層が配置されている。各色のフィルタ層の配列は、ベイヤー配列に限らず、他の配列でも良い。
オンチップレンズMLは、図3に示すように、シリコン基板11の上面において、絶縁膜HTおよびカラーフィルタCFを介して設けられている。オンチップレンズMLは、シリコン基板11の上方へ凸状に突き出るように設けられており、量子効率を向上させるために、上方から入射する光をカルコパイライト光電変換膜13へ集光する。
また、図示を省略しているが、シリコン基板11の下面(表面)においては、上記の読出し回路51等の各部を被覆するように、配線層(図示なし)が設けられている。この配線層においては、各回路素子に電気的に接続された配線(図示なし)が、絶縁層(図示なし)内に形成されている。具体的には、配線層を構成する各配線は、図4にて示した、アドレス線SEL,垂直信号線27,リセット線RSTなどの配線として機能するように積層して形成されている。
図6は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
図6において、(a)は、図3にて一点鎖線で示したZ1−Z2部分のバンド構造を示し、(b)は、X1−X2部分のバンド構造を示している。つまり、(a)は、カルコパイライト光電変換膜13およびシリコン基板11の深さ方向zにおけるバンド構造を示している。そして、(b)は、シリコン基板11の面に沿った方向xにおいて、カルコパイライト光電変換膜13,画素分離部PBが形成された部分のバンド構造を示している。
図6(a)に示すように、深さ方向zにおいては、カルコパイライト光電変換膜13でバンドが傾斜している。このため、蓄積された電子が、シリコン基板11の側へ移動する。
そして、図6(b)に示すように、シリコン基板11の面に沿った方向xにおいては、カルコパイライト光電変換膜13と画素分離部PBとの間に、ポテンシャル障壁が形成されている。このため、蓄積された電子が画素Pの間で移動することが遮られる。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置1を製造する製造方法の要部について説明する。
図7〜図10は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置の製造方法を示す図である。
ここで、図7〜図10は、図3と同様に、断面を示しており、図7〜図10に示す各工程を順次経て、図3等に示した固体撮像装置1について製造をする。
(B−1)カルコパイライト光電変換膜13,p+層14pの形成
まず、図7に示すように、カルコパイライト光電変換膜13,p+層14pについて形成する。
ここでは、カルコパイライト光電変換膜13,p+層14pの形成前に、シリコン基板11の面に、読み出し用電極15、ゲートMOS41、読出し回路51の各部を形成する。そして、シリコン基板11の面(表面)において、読出し回路51等の各部を被覆するように、配線層(図示なし)を設ける。
本実施形態においては、いわゆるSOI基板のシリコン層(シリコン基板11に相当)に、上記の各部を形成後、そのシリコン層を別のガラス基板(図示なし)の面に転写する。これにより、シリコン層であるシリコン基板11の裏面側が現れ、(100)面が露出する。そして、シリコン基板11の内部に、n型不純物領域12を形成する。
この後、図7に示すように、シリコン基板11において、読み出し用電極15、ゲートMOS41などの各部が形成された面とは反対側の面(裏面)に、カルコパイライト光電変換膜13と、p+層14pとを順次成膜する。
カルコパイライト光電変換膜13については、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11に格子整合するように形成する。
たとえば、MBE法,MOCVD法などのエピタキシャル成長法で、上記の化合物半導体をシリコン基板11にエピタキシャル成長させることで、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
シリコン(Si)の格子定数は、5.431Åである。CuAlGaInSSe系混晶は、この格子定数に対応した材料を含み、シリコン基板11に格子整合するように形成可能である。このため、たとえば、CuGa0.52In0.48S2膜を、カルコパイライト光電変換膜13として、シリコン基板11上に形成する。
たとえば、導電型がp型になるように、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。p型の他、i型、n型になるように、カルコパイライト光電変換膜13を形成しても良い。
本実施形態では、たとえば、n型ドーパントである亜鉛(Zn)の濃度が結晶成長と共に低下するように、p型のCuGa0.52In0.48S2膜を成膜して、カルコパイライト光電変換膜13を設ける。これにより、深さ方向zにおいてバンドが傾斜するように、カルコパイライト光電変換膜13を形成することができる。
たとえば、不純物濃度が1014〜1016cm−3になるように、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。また、たとえば、膜厚が500nmになるように、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
カルコパイライト光電変換膜13については、シリコン基板上において画素分離部PBを形成する部分についても被覆するように、上記の化合物半導体をエピタキシャル成長させて形成する。
なお、上記では、n型ドーパントをp型のCuGa0.52In0.48S2膜に含める場合について示したが、これに限定されない。たとえば、III族とI族の各供給量を適宜制御することで、上記と同様に、深さ方向zにおいてバンドが傾斜するように、カルコパイライト光電変換膜13を形成することができる。
p+層14pについても、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で形成する。
具体的には、MOCVD法、MBE法などの方法で、Ga,In,As,Pなどの不純物が多く含まれる条件にて上記の化合物半導体を結晶成長させることで、p+層14pを形成する。ここでは、正孔がp+層14pに入って横方向に流れるように、高い不純物濃度でp+層14pを形成する。
たとえば、不純物濃度が1017〜1019cm−3になるように、p+層14pを形成する。また、たとえば、膜厚が10〜100nmになるように、p+層14pを形成する。
図11は、本発明にかかる実施形態1において使用するMOCVD装置を示す図である。
MOCVD成長方法で、上記のような化合物半導体を結晶成長させる際には、たとえば、図11に示すMOCVD装置を用いる。
基板(シリコン基板)上で上記の結晶を成長させる際には、図11に示すように、基板がサセプター(カーボン製)の上に載せられる。サセプターは、高周波加熱装置(RFコイル)で加熱され、基板の温度が制御される。たとえば、基板は、熱分解が可能となる400℃〜1000℃の温度範囲になるように加熱される。
そして、有機金属原料が水素でバブリングされて飽和蒸気圧状態にされ、各原料分子が反応管まで輸送される。ここでは、マスフローコントローラー(MFC)で各原料に流す水素流量が制御され、原料の単位時間当たりに輸送されるモル量が調整される。そして、基板上で有機金属原料が熱分解されて結晶が成長する。輸送モル量比と結晶の組成比には、相関性がある。このため、結晶の組成比を任意に調整することができる。
原料ガスには、下記のような有機金属が用いられる。
具体的には、銅の有機金属としては、たとえば、アセチルアセトン銅(Cu(C5H7O2)2)を用いる。この他に、シクロペンタンジエニル銅トリエチルリン(h5−(C2H5)Cu:P(C2H5)3)を用いても良い。
ガリウム(Ga)の有機金属としては、たとえば、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)を用いる。この他に、トリエチルガリウム(Ga(C2H5)3)を用いても良い。
アルミニウム(Al)の有機金属としては、たとえば、トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)を用いる。この他に、トリエチルアルミニウム(Al(C2H5)3)を用いても良い。
インジウム(In)の有機金属としては、たとえば、トリメチルインジウム(In(CH3)3)を用いる。この他に、トリエチルインジウム(In(C2H5)3)を用いても良い。
セレン(Se)の有機金属としては、たとえば、ジメチルセレン(Se(CH3)2)を用いる。この他に、ジエチルセレン(Se(C2H5)2)を用いても良い。
イオウ(S)の有機金属としては、たとえば、ジメチルスルフィド(S(CH3)2)を用いる。この他に、ジエチルスルフィド(S(C2H5)2)を用いても良い。
亜鉛(Zn)の有機金属としては、たとえば、ジメチルジンク(Zn(CH3)2)を用いる。この他に、ジエチルジンク(Zn(C2H5)2)を用いても良い。
また、有機金属以外に、たとえば、Se原料として、セレン化水素(H2Se)を用いても良い。その他、S原料として、硫化水素(H2S)を用いても良い。
なお、シクロペンタジエニル銅トリエチルリン(h5−(C2H5)Cu:P(C2H5)3)や、アセチルアセトン銅(Cu(C5H7O2)2)やトリメチルインジウム(In(CH3)3)等の原料は、室温で固相状態である。この場合には、原料を加熱して液相状態にする。また、固相状態でも単に高温にして蒸気圧を高くした状態で使ってもよい。
図12は、本発明にかかる実施形態1において使用するMBE装置を示す図である。
MBE成長方法で、上記のような化合物半導体を結晶成長させる際には、たとえば、図12に示すMBE装置を用いる。
この場合には、銅の単体原料と、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、セレン(Se)およびイオウ(S)の各単体原料を、各クヌーセンセルに入れる。そして、これらの原料を適切な温度に加熱して、各分子線を基板上に照射させることによって、結晶成長を実施する。
このとき、イオウ(S)のように、蒸気圧が特に高い原料の場合には、分子線量の安定性が乏しいことがある。このため、このような場合には、バルブドクラッキングセルを用いて、分子線量を安定化させてもよい。さらに、ガスソースMBEのように、一部の原料をガスソースにしてもよい。たとえば、Se原料として、セレン化水素(H2Se)を使用しても良く、イオウ(S)原料として、硫化水素(H2S)を使用しても良い。
(B−2)レジストパターンPRの形成
つぎに、図8に示すように、レジストパターンPRについて形成する。
ここでは、図8に示すように、p+層14pの面上に、レジストパターンPRを形成する。
本実施形態では、p+層14pの上面のうち、下部に画素分離部PBを形成する部分の面が露出し、この部分以外の部分の面が被覆されるように開口が設けられたレジストパターンPRを形成する。
具体的には、p+層14pの上面に、フォトレジスト膜(図示なし)を塗布で成膜後、リソグラフィで、そのフォトレジスト膜をパターン加工することで、レジストパターンPRを形成する。
(B−3)イオン注入の実施
つぎに、図9に示すように、イオン注入を実施する。
ここでは、図9に示すように、レジストパターンPRをマスクとして用いて、カルコパイライト光電変換膜13に不純物をイオン注入する。これにより、レジストパターンPRの開口から、カルコパイライト光電変換膜13にて画素分離部PBを形成する部分に、不純物がイオン注入される。
本実施形態では、Ga,In,As,Pなどのp型不純物を、カルコパイライト光電変換膜13にて画素分離部PBを形成する部分にイオン注入して、p型不純物を高濃度に含有させる。
たとえば、画素分離部PBを形成する部分におけるp型の不純物濃度が1017〜1019cm−3になるように、イオン注入を実施する。
そして、レジストパターンPRをp+層14pから除去する。
(B−4)画素分離部PBの形成
つぎに、図10に示すように、画素分離部PBを形成する。
ここでは、アニールを実施して活性化させることで、画素分離部PBを形成する。
具体的には、400℃以上の温度条件でアニールを実施して、画素分離部PBを形成する。
このように、シリコン基板101の面上にて画素分離部PBを形成する部分を含むように形成されたカルコパイライト光電変換膜13のうち、その画素分離部PBの形成部分に対して選択的にドーピングすることで、画素分離部PBを形成する。
そして、図3に示したように、シリコン基板11の上面(裏面)側に、カラーフィルタCF、オンチップレンズMLなどの各部を設ける。このようにすることで、裏面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態において、画素領域PAには、画素Pが複数配列されている。そして、これと共に、画素領域PAには、画素分離部PBが複数の画素Pの間に介在するように形成されている(図2参照)。
ここでは、画素Pは、カルコパイライト光電変換膜13を含み、このカルコパイライト光電変換膜13は、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11上にて当該シリコン基板に格子整合するように形成されている(図3参照)。たとえば、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で、カルコパイライト光電変換膜13が形成されている。このように、本実施形態では、光吸収係数の高いカルコパイライト系材料の混晶を、Si(100)基板に格子整合するようにエピタキシャル成長させることで、カルコパイライト光電変換膜13が形成されている。このため、カルコパイライト光電変換膜13の結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13の間においてポテンシャル障壁になるように、ドーピングの濃度制御がされた化合物半導体によって形成されている(図3,図6(b)参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBによって、混色の発生を防止することができる。
画素分離部PBが存在しない従来型であれば、光電変換で生成された電子が、自由に画素間を移動できることになる。あらゆる方向に等価に移動できるとすると、1.5μm画素で30%程度の電子が、隣の画素に入ることになる。この画素分離PBが入ることでそれがほとんど無くなる。
また、本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13において入射光が入射する側の面上に、高濃度不純物拡散層として、p+層14pが形成されている。このため、暗電流の発生が抑えられる。
また、本実施形態では、p+層14pは、複数の画素Pの間において連結されるように形成されている。このため、正孔がカルコパイライト光電変換膜13からp+層14に入って横方向の画素Pの間で流れ、カルコパイライト光電変換膜13で生成された電子は、シリコン基板11の側に流れる(図6(a)参照)。よって、透明電極をカルコパイライト光電変換膜13の上面に設ける必要がなくなる。
なお、上記においては、p+層14を高い不純物濃度になるように形成することで、カルコパイライト光電変換膜13の上部に透明電極膜を形成しない場合について示した。しかし、これに限定されない。カルコパイライト光電変換膜13の上部に、透明電極膜を上部電極として形成してもよい。
(D)変形例1−1
図13は、本発明にかかる実施形態1の変形例1−1において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
図13では、図6(a)と同様に、カルコパイライト光電変換膜13およびシリコン基板11の深さ方向zにおけるバンド構造を示している。図13において、(a)は、図6(a)の場合と異なったバンド構造でカルコパイライト光電変換膜13が形成された場合について示しており、(b)は、その場合に好適な変形例1−1について示している。
格子整合したカルコパイライト材料は、必ずしもバンド構造が常に一定にならないことがある。つまり、図13(a)に示すように、カルコパイライト光電変換膜13は、図6(a)と比較して判るように、異なったバンド構造で形成される場合がある。
たとえば、下記の参考文献に記述されているように、成長条件によっては、CuAu型の規則相を作ることがあるために、これによって、バンド構造が変化して、電子親和力(伝導帯の底から真空準位までのエネルギー差)が変化することがある。
[参考文献]D.S.Su and W.Neumann,Appl.Phys.Lett.73,785,(1998).
このため、前述した図6(a)のような、(シリコン基板11の電子親和力)>(カルコパイライト光電変換膜13の電子親和力)の関係にならない場合がある。
図13(a)に示すように、(シリコン基板11の電子親和力)<(カルコパイライト光電変換膜13の電子親和力)になった場合は、シリコン基板11とカルコパイライト光電変換膜13との間にポテンシャル障壁が存在することになる。このため、カルコパイライト光電変換膜13で蓄積された電子が、シリコン基板11の側に移動することが困難になる場合がある。
このような不具合の発生を防止するために、図13(b)に示すように、シリコン基板11とカルコパイライト光電変換膜13との間に、中間層ITを介在させても良い。中間層ITは、シリコン基板11とカルコパイライト光電変換膜13との間のポテンシャル障壁を低くするために、電子親和力がシリコン基板11の電子親和力とカルコパイライト光電変換膜13の電子親和力の間になるように形成されている。つまり、中間層ITは、電子親和力が下記の関係になるように形成されている。
(シリコン基板11の電子親和力)<(中間層ITの電子親和力)<(カルコパイライト光電変換膜13の電子親和力)
中間層ITは、シリコン基板11の電子親和力と、カルコパイライト光電変換膜13の電子親和力とのちょうど半分の電子親和力になるように形成されることが、最も好適である。
たとえば、中間層ITについては、下記の材料、膜厚などの条件で形成することが好適である。
・材料(組成):CuGa0.64In0.36S2
・膜厚:5nm
なお、中間層ITは、臨界膜厚以内であれば、必ずしもシリコン基板11と格子整合させる必要はない。
たとえば、この中間層IT(CuGa0.64In0.36S2)の場合、Si基板との格子不整はΔa/a=5.12×10−3となる。このとき、膜厚5nmであれば、「MatthewsとBlakesleeの式」(参考文献1)または「People と Beanの式」(参考文献2)で規定される臨界膜厚より小さくなる。
<2.実施形態2(ラテラル成長でドーピングされた画素分離を形成する場合(裏面照射型+CF))>
(A)装置構成など
図14は、本発明にかかる実施形態2において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図14は、図3と同様に、画素Pの断面を示している。
図14に示すように、本実施形態においては、絶縁膜80が設けられている。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する部分については、記載を省略する。
絶縁膜80は、図14に示すように、シリコン基板11の一方の面上に設けられている。
ここでは、シリコン基板11において、読み出し用電極15が設けられた面(表面)とは反対側の面(裏面)の側で画素分離部PBが形成される部分に、絶縁膜80が設けられている。たとえば、シリコン酸化膜が、この絶縁膜80として設けられている。この他に、シリコン窒化膜などを、この絶縁膜80として設けてもよい。
詳細については後述するが、絶縁膜80は、シリコン基板11の面(裏面)においてカルコパイライト光電変換膜13を選択的に結晶成長させるために、カルコパイライト光電変換膜13の形成部分以外の部分の面上に設けられている。
そして、シリコン基板11においては、絶縁膜80を介して、画素分離部PBが設けられている。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
図15〜図17は、本発明にかかる実施形態2において、固体撮像装置の製造方法を示す図である。
ここで、図15〜図17は、図14と同様に、断面を示しており、図15〜図17に示す各工程を順次経て、図14に示した固体撮像装置について製造をする。
(B−1)絶縁膜80の形成
まず、図15に示すように、絶縁膜80を形成する。
ここでは、絶縁膜80の形成前に、実施形態1の場合と同様にして、シリコン基板11の面に、読み出し用電極15、ゲートMOS41、読出し回路51の各部を形成する。そして、シリコン基板11の面(表面)において、読出し回路51等の各部を被覆するように、配線層(図示なし)を設ける。
この後、図15に示すように、シリコン基板11において、読み出し用電極15等の各部が設けられた面(表面)とは反対側の面(裏面)の側で画素分離部PBが形成される部分に、絶縁膜80を設ける。つまり、複数の画素Pの間を区画するように、絶縁膜80を形成する。
具体的には、シリコン基板11の裏面(上面)を被覆するように、たとえば、シリコン酸化膜(図示なし)を成膜する。その後、そのシリコン酸化膜をフォトリソグラフィ技術でパターン加工することによって、絶縁膜80を形成する。
たとえば、膜厚が50〜100nmになるように、この絶縁膜80を形成する。
(B−2)カルコパイライト光電変換膜13の形成
つぎに、図16に示すように、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
ここでは、図16に示すように、シリコン基板11において、読み出し用電極15などの各部が形成された面とは反対側の面(裏面)に、カルコパイライト光電変換膜13を成膜する。
たとえば、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11に格子整合するように、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
たとえば、実施形態1の場合と同様にして、MOCVD法、MBE法などの方法で、上記の化合物半導体をシリコン基板11にエピタキシャル成長させることで、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
本実施形態では、実施形態1の場合と異なり、シリコン基板11の上面において、光電変換膜を形成する部分を選択的に被覆するように、上記の化合物半導体を、エピタキシャル成長させることによって、カルコパイライト光電変換膜13を形成する。
図15に示したように、シリコン基板11には複数の画素Pの間を区画するように絶縁膜80が形成されている。このため、シリコン基板11の面において、絶縁膜80の形成部分以外の露出部分に、カルコパイライト光電変換膜13が選択的に結晶成長する。ここでは、絶縁膜80の膜厚よりも厚い膜厚になるようにカルコパイライト光電変換膜13を形成し、各画素Pに対応するように形成されたカルコパイライト光電変換膜13の間には、トレンチTRが設けられる。
(B−3)画素分離部PB,p+層14pの形成
つぎに、図17に示すように、画素分離部PB,p+層14pを形成する。
ここでは、図17に示すように、シリコン基板11において、読み出し用電極15などの各部が形成された面とは反対側の面(裏面)に、画素分離部PB,p+層14pを形成する。つまり、シリコン基板11の裏面において、画素分離部PBが絶縁膜80を被覆すると共に、p+層14pがカルコパイライト光電変換膜13を被覆するように、画素分離部PB,p+層14pを形成する。
たとえば、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で、画素分離部PB,p+層14pのそれぞれを形成する。
具体的には、Ga,In,As,Pなどのp型の不純物が多く含まれる条件で、上記の化合物半導体をラテラル成長させる。これにより、カルコパイライト光電変換膜13の間のトレンチTRに上記の化合物半導体が埋め込まれて、画素分離部PBが形成されると共に、カルコパイライト光電変換膜13の上面に、p+層14pが形成される。
たとえば、不純物濃度が1017〜1019cm−3になるように、画素分離部PB,p+層14pを形成する。
このように、シリコン基板11上において、画素分離部PBを形成する部分を被覆するように、化合物半導体を結晶成長させることによって、画素分離部PBを形成する。そして、これと共に、カルコパイライト光電変換膜13の上面を被覆するように、化合物半導体を結晶成長させることによって、p+層14pを形成する。
そして、図14に示したように、シリコン基板11の上面(裏面)側に、カラーフィルタCF、オンチップレンズMLなどの各部を設ける。このようにすることで、裏面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、カルコパイライト光電変換膜13は、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11上にて当該シリコン基板に格子整合するように形成されている。このため、カルコパイライト光電変換膜13の結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13の間においてポテンシャル障壁になるように、ドーピングの濃度制御がされた化合物半導体によって形成されている(図14参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBによって、混色の発生を防止することができる。
実施形態2の場合、実施形態1に比べてイオン注入やアニールなどプロセス工程数が減ることで、製造コスト的に好適な効果がある。また、イオン注入やアニールを必要としないので、それらのプロセスによるダメージがない(たとえば、イオン注入時のダメージや、アニール時の配線層への悪影響など)。
<3.実施形態3(組成制御で画素分離(ノンドープ)を形成した場合)>
(A)装置構成など
図18は、本発明にかかる実施形態3において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図18は、図14と同様に、画素Pの断面を示している。
図18に示すように、本実施形態においては、画素分離部PBcが実施形態2と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態2と同様である。このため、重複する部分については、記載を省略する。
画素分離部PBcは、図18に示すように、画素Pに対応するように形成された複数のカルコパイライト光電変換膜13の間において、絶縁膜80を被覆するように、設けられている。
本実施形態では、画素分離部PBcは、実施形態2と異なり、p型の不純物を含まない半導体で形成されている。たとえば、バンドギャップが広い、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト系化合物半導体で、画素分離部PBcが形成されている。たとえば、バンドギャップ差が、kT=27meV以上になるように、画素分離部PBcが形成されている。このようにすることで、画素Pに対応するように形成された複数のカルコパイライト光電変換膜13の間に、ポテンシャル障壁が形成されるので、画素Pの間が画素分離部PBcで分離される。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
図19〜図20は、本発明にかかる実施形態3において、固体撮像装置の製造方法を示す図である。
ここで、図19〜図20は、図18と同様に、断面を示しており、図19〜図20に示す各工程を順次経て、図18に示した固体撮像装置について製造をする。
(B−1)画素分離部PBcの形成
まず、図19に示すように、画素分離部PBcを形成する。
ここでは、画素分離部PBcの形成に先立って、実施形態2の場合と同様にして、絶縁膜80,カルコパイライト光電変換膜13を形成する(図15,図16参照)。
この後、図19に示すように、画素Pに対応するように形成された複数のカルコパイライト光電変換膜13の間において、絶縁膜80を被覆するように、画素分離部PBcを形成する。
本工程では、たとえば、バンドギャップの広い銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト系化合物半導体で、画素分離部PBcを形成する。
具体的には、実施形態2と異なり、p型の不純物を含まない条件で、上記の化合物半導体をラテラル成長させる。これにより、カルコパイライト光電変換膜13の間のトレンチTRに上記の化合物半導体が埋め込まれて、画素分離部PBcが形成される。
たとえば、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレンの組成比が、
1.0:0.36:0.64:0:1.28:0.72、あるいは、1.0:0.24:0.23:0.53:2.0:0になるように、画素分離部PBcを形成する。
つまり、CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72、あるいは、CuAl0.24Ga0.23In0.53S2になるように、画素分離部PBcを形成する。
(B−2)p+層14pの形成
つぎに、図20に示すように、p+層14pを形成する。
ここでは、図20に示すように、シリコン基板11の裏面(上面)側において、カルコパイライト光電変換膜13と、画素分離部PBcとの上面を被覆するように、p+層14pを設ける。
たとえば、実施形態2と同様にして、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で、p+層14pを形成する。
具体的には、Ga,In,As,Pなどの不純物が多く含まれる条件で、上記の化合物半導体を結晶成長させて、p+層14pを形成する。
そして、図18に示したように、シリコン基板11の上面(裏面)側に、カラーフィルタCF、オンチップレンズMLなどの各部を設ける。このようにすることで、裏面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、カルコパイライト光電変換膜13は、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11上にて当該シリコン基板に格子整合するように形成されている。このため、カルコパイライト光電変換膜13の結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBcは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13の間においてポテンシャル障壁になるように、組成が制御された化合物半導体によって形成されている(図18参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBcによって、混色の発生を防止することができる。
さらに、バンドギャップ制御によるポテンシャル障壁の場合、必ずしも障壁層にドーピングする必要がなく、実施形態1,2に比べて、結晶性が良くなる好適な効果がある。さらに、実施形態1に比べてイオン注入やアニールなどプロセス工程数が減ることで、製造コスト的に好適な効果がある。
<4.実施形態4(表面照射型の場合1)>
(A)装置構成など
図21は、本発明にかかる実施形態4において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図21は、図3と同様に、画素Pの断面を示している。
図21に示すように、本実施形態においては、画素Pの構成が実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
図21に示すように、固体撮像装置は、シリコン基板11を含み、シリコン基板11の一方の面(上面)には、カルコパイライト光電変換膜13d,画素分離部PBdが形成されている。
そして、図示を省略しているが、このシリコン基板11の一方の面(上面)には、実施形態1と異なり、読み出し用電極(図示なし)と、ゲートMOS(図示なし)と、読出し回路(図示なし)が設けられている。これらの各部は、たとえば、このシリコン基板11の一方の面にて、画素Pの間に設けられており、配線層(図示なし)で被覆されている。
そして、シリコン基板11にてカルコパイライト光電変換膜13d等の各部が設けられた面(表面)において、入射光Hをカルコパイライト光電変換膜13dが受光するように構成されている。具体的には、シリコン基板11の上面(表面)側においては、オンチップレンズ(図示なし)が、画素Pに対応して設けられており、オンチップレンズで集光された入射光をカルコパイライト光電変換膜13dが受光するように構成されている。つまり、本実施形態の固体撮像装置は、「表面照射型CMOSイメージセンサ」である。ただし、本実施形態では、カラーフィルタを設けていない。
各部について順次説明する。
(A−1)カルコパイライト光電変換膜13dについて
固体撮像装置において、カルコパイライト光電変換膜13dは、図21に示すように、複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
カルコパイライト光電変換膜13dは、図21に示すように、たとえば、p型シリコン半導体であるシリコン基板11の一方の面上に設けられている。ここでは、カルコパイライト光電変換膜13dは、シリコン基板11において、複数の画素Pに対応するように形成されたn型不純物領域12dの上面に設けられている。
そして、図21に示すように、カルコパイライト光電変換膜13dは、上面に、透明電極14が被覆するように形成されている。透明電極14は、たとえば、インジウムスズオキサイド(ITO)、酸化亜鉛、インジウム亜鉛オキサイド等の透明な導電材料で形成されている。透明電極14は、グランドに接地され、正孔蓄積によるチャージを防ぐように構成されている。
そして、図21に示すように、カルコパイライト光電変換膜13dは、側面に画素分離部PBdが設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態1と同様に、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11(Si(100)基板)に格子整合するように形成されている。ここでは、カルコパイライト光電変換膜13dは、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体であって、p型シリコン半導体であるシリコン基板11に格子整合するように形成されている。
本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態1と異なり、入射光を、深さ方向zで、赤色,緑色,青色の各色の光に分光して光電変換するように構成されている。ここでは、図21に示すように、カルコパイライト光電変換膜13dは、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとを含み、それぞれが、シリコン基板11の表面上で、順次、積層されている。カルコパイライト光電変換膜13dにおいては、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gとが、i型であり、第3光電変換膜23Bが、p型である。つまり、全体でp−i−n構造となるように構成されている。
カルコパイライト光電変換膜13dのうち、第1光電変換膜21Rは、図21に示すように、シリコン基板11の表面に直接的に設けられている。この第1光電変換膜21Rは、上方から入射する入射光のうち、赤色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。つまり、第1光電変換膜21Rは、透明電極14,第3光電変換膜23B,第2光電変換膜22Gなどの各部を透過した光のうち、赤色の波長帯の光を高感度に受光して光電変換し電荷を生成するように設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13dのうち、第2光電変換膜22Gは、図21に示すように、シリコン基板11の表面に、第1光電変換膜21Rを介在して設けられている。この第2光電変換膜22Gは、上方から入射する入射光のうち、緑色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。つまり、第2光電変換膜22Gは、透明電極14,第3光電変換膜23Bなどの各部を透過した光のうち、緑色の波長帯の光を高感度に受光して光電変換し電荷を生成するように設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13dのうち、第3光電変換膜23Bは、図21に示すように、シリコン基板11の表面に、第1光電変換膜21Rおよび第2光電変換膜22Gを介在して設けられている。この第3光電変換膜23Bは、上方から入射する入射光のうち、青色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。つまり、第3光電変換膜23Bは、透明電極14などの各部を透過した光のうち、青色の波長帯の光を高感度に受光して光電変換し電荷を生成するように設けられている。
図22は、カルコパイライト系材料について、バンドギャップと、格子定数との関係を示した図である。
図22において一点鎖線で示すように、シリコン(Si)の格子定数aである5.431Åの条件で、カルコパイライト系材料の組成を調整することで、バンドギャップを任意に設定することができる。このため、赤色光,緑色光,青色光のそれぞれを、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれが、選択的に光電変換するように、組成が調整されて、それぞれが形成されている。
具体的には、第1光電変換膜21Rは、バンドギャップが2.00eV±0.1eV(波長590nm〜650nm)の範囲になるように形成される。このため、図22に示すように、第1光電変換膜21Rは、CuAl≡GayInzS2の組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0≦x≦0.12
0.38≦y≦0.52
0.48≦z≦0.50
x+y+z=1
また、第2光電変換膜22Gは、バンドギャップが2.20eV±0.15eV(波長530nm〜605nm)の範囲になるように形成される。このため、図22に示すように、第2光電変換膜22Gは、CuAlxGayInzS2の組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0.06≦x≦0.41
0.01≦y≦0.45
0.49≦z≦0.58
x+y+z=1
また、第3光電変換膜23Bは、バンドギャップが2.51eV±0.2eV(波長460nm〜535nm)の範囲になるように形成される。このため、図22に示すように、第3光電変換膜23Bは、CuAlxGaySuSevの組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0.31≦x≦0.52
0.48≦y≦0.69
1.33≦u≦1.38
0.62≦v≦0.67
x+y+u+v=3(もしくは、x+y=1、および、u+v=2)
たとえば、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、下記の組成になるように形成されている。
・第1光電変換膜21R:CuGa0.52In0.48S2膜(バンドギャップ:2.00eV)
・第2光電変換膜22G:CuAl0.24Ga0.23In0.53S2膜(バンドギャップ:2.20eV)
・第3光電変換膜23B:CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72膜(バンドギャップ:2.51eV)
なお、上記では、図22に示すようにベガード則(線形)の場合を示しているが、ボーイングが存在してベガード則から外れる場合には、望みのバンドギャップになるように、上記の組成を変更して、各光電変換膜21R,22G,23Bを形成しても良い。
図21では図示を省略しているが、上記のカルコパイライト光電変換膜13dにおいては、各界面部分にてキャリアを閉じ込めるために、スパイク状のエネルギー障壁が設けられている。カルコパイライト光電変換膜13dのバンド構造の詳細については、後述する。
(A−2)画素分離部PBdについて
固体撮像装置において、画素分離部PBdは、実施形態1と同様に、複数の画素Pの間に介在して、画素Pの間を互いに分離するように設けられている。
ここでは、画素分離部PBdは、図21に示すように、シリコン基板11の一方の面上において、画素Pごとに形成されたカルコパイライト光電変換膜13dの側面に設けられている。
本実施形態においては、画素分離部PBdは、p型の不純物を含む半導体で形成されている。たとえば、高濃度のp型の不純物を含む銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト系化合物半導体で、画素分離部PBが形成されている。
(A−3)その他
上記の固体撮像装置において、各信号の読出しの際には、たとえば、アバランシェ増倍の低電圧駆動を同時に行う。
図23〜図26は、本発明にかかる実施形態4において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
図23〜図26においては、図21にて一点鎖線で示したZ1d−Z2d部分のバンド構造を示している。つまり、カルコパイライト光電変換膜13dおよびシリコン基板11の深さ方向zにおけるバンド構造を示している。
これらの図のうち、図23は、信号読出し等の動作を実施する前の状態を示している。つまり、ゼロバイアスの状態を示している。
これに対して、図24〜図26は、信号読出し等の動作を実施するときの状態を示している。つまり、所定の逆バイアスVR,VG,VBをカルコパイライト光電変換膜13dに印加した場合を示している。ここでは、図24は、第1光電変換膜21Rから得られる赤色信号(R信号)を読み出す場合を示している。図25は、第2光電変換膜22Gから得られる緑色信号(G信号)を読み出す場合を示している。図26は、第3光電変換膜23Bから得られる青色信号(B信号)を読み出す場合を示している。
深さ方向zにおいては、カルコパイライト光電変換膜13dが、全体で、p−i−n構造となっており、図23に示すように、内部電界によって、バンドが傾斜している。このため、この傾斜によって、光の入射で生成された電子−正孔対が、電子と正孔とに空間的に分離される。
さらに、カルコパイライト光電変換膜13dは、図23に示すように、n型不純物領域12dと、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとの各界面に、スパイク状のエネルギー障壁が形成されている。ここでは、それぞれの界面付近のワイドギャップ側において、スパイク状の障壁が、下記の式を満たすように形成されている。つまり、スパイク状のエネルギー障壁が、室温の熱エネルギーより十分に高くなるように形成されている。
下記式では、BRは、n型不純物領域12dと第1光電変換膜21Rとの界面における障壁のエネルギーである。BGは、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gとの界面における障壁のエネルギーである。BBは、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとの界面における障壁のエネルギーである。また、kは、ボルツマン定数であり、kTは、室温の熱エネルギーに対応した値である。
BB≧BG≧BR>kT(=26meV)
このように、固体撮像装置のバンド構造が構成されることで、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとのそれぞれにおいて、光電子が閉じ込められるので、各色に応じた信号電荷の蓄積が可能になっている(光電子蓄積)。
上記のように、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとのそれぞれにおいて、信号電荷が蓄積された際には、順次、各膜から信号電荷が信号として読み出される。
まず、図24に示すように、第1光電変換膜21Rから信号電荷をR信号として読み出す。
ここでは、図24に示すように、逆バイアスVRを印加することで、R信号を読み出す。G信号やB信号については、スパイク状の障壁によって、閉じ込められているので、読み出されない。
この信号の読み出しの際は、一旦、n型不純物領域12dで電荷が蓄積された状態で、ゲートMOS(図示なし),読み出し回路(図示なし)によって、信号が読み出される。
図24に示すように、n型不純物領域12dと、第1光電変換膜21R(i−CuGa0.52In0.48S2膜)との間には、伝導帯のエネルギー段差が設けられている。このため、低い電圧印加でも、衝突により格子に大きい運動エネルギーを与えることで、イオン化による新たな電子−正孔対が生成され、アバランシェ増倍が生じる。
つぎに、図25に示すように、第2光電変換膜22Gから信号電荷をG信号として読み出す。
ここでは、図25に示すように、逆バイアスVGを印加することで、G信号を読み出す。この場合には、第1光電変換膜21Rから信号電荷をR信号として読み出す場合の逆バイアス電圧よりも高い逆バイアスVGを印加する。
この場合においても、図25に示すように、第1光電変換膜21Rから信号電荷をR信号として読み出す場合と同様に、アバランシェ増倍が同様に生じて、G信号が読み出される。
つぎに、図26に示すように、第3光電変換膜23Bから信号電荷がB信号として読み出される。
ここでは、図26に示すように、逆バイアスVBを印加することで、B信号を読み出す。この場合には、第1光電変換膜21Rから信号電荷をR信号として読み出す場合、および、第2光電変換膜22Gから信号電荷をG信号として読み出す場合の逆バイアス電圧よりも高い逆バイアスVGを印加する。
この場合においても、図26に示すように、アバランシェ増倍が同様に生じて、B信号が読み出される。
上記のようにして、逆バイアス電圧VR、VG、VBを、順次、印加することで、R信号,G信号,B信号のそれぞれを読み出すことができる(ただし、VB>VG>VR)。
なお、上記では、信号の読み出しに、ゲートMOSを使った読み出し方法を述べたが、これに限定されない。ゲートMOSを形成せずに、直接、n型不純物領域12dに読み出し用電極を形成して、信号の読み出しを実施するように構成しても良い。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
まず、図21に示したように、シリコン基板11として、(100)シリコン基板を準備後、そのシリコン基板11に、n型不純物領域12dを形成する。この他に、読出し電極,読出し回路などをシリコン基板11に形成する。
つぎに、図21に示したように、シリコン基板11上に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを順次設ける。
ここでは、たとえば、MBE法で、i−CuGa0.52In0.48S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第1光電変換膜21Rを形成する。
この場合においては、第1光電変換膜21Rとシリコン基板11との界面に、下記のエネルギーBRの障壁が入るように、第1光電変換膜21Rの形成を実施する。
BR>kT=26meV
たとえば、最初に、i−CuAl0.06Ga0.45In0.49S2の組成で結晶成長を開始する。その後、AlとInの組成を徐々に小さくすると同時に、Gaの組成を徐々に増加させて、i−CuGa0.52In0.48S2の組成になるように、結晶成長を実施する。
たとえば、上記の障壁の厚みが、100nmであって、第1光電変換膜21Rのトータルの厚みが、たとえば、0.8μmになるように、第1光電変換膜21Rを形成する。なお、上記においては、BR=50meV以下であり、室温の熱エネルギーよりも十分に高い。
そして、第1光電変換膜21Rの上面に、第2光電変換膜22Gを形成する。
たとえば、MBE法で、i−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第2光電変換膜22Gを形成する。
この場合においては、第1光電変換膜21Rとの界面に、下記のエネルギーBGの障壁が入るように、第2光電変換膜22Gの形成を実施する。
BG>BR>kT=26meV
たとえば、最初に、i−CuAl0.33Ga0.11In0.56S2の組成で結晶成長を開始する。その後、AlとInの組成を徐々に減少させると同時に、Gaの組成を徐々に増加させて、i−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2の組成になるように、結晶成長を実施する。
たとえば、上記の障壁の厚みが、100nmであって、第2光電変換膜22Gのトータルの厚みが、たとえば、0.7μmになるように、第2光電変換膜22Gを形成する。なお、上記においては、BG=84meV以下であり、室温の熱エネルギーより十分に高い
そして、第2光電変換膜22Gの上面に、第3光電変換膜23Bを形成する。
たとえば、MBE法で、p−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第3光電変換膜23Bを形成する。
この場合においては、第2光電変換膜22Gとの界面に、下記のエネルギーBBの障壁が入るように、第3光電変換膜23Bの形成を実施する。
BB>BG>BR>kT=26meV
たとえば、最初に、p−CuAl0.42Ga0.58S1.36Se0.64の組成で結晶成長を開始させる。そして、その後、AlとSの組成を徐々に減少させると同時に、Gaの組成を徐々に増加させて、p−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72の組成になるように、結晶成長を実施する。
たとえば、上記の障壁の厚みが、100nmであって、第3光電変換膜23Bのトータルの厚みが、たとえば、0.3μmになるように、第3光電変換膜23Bを形成する。なお、上記においては、BB=100meV以下であり、室温の熱エネルギーより十分に高い。
なお、上記においては、上記の結晶成長の実施前に、シリコン基板11の表面にシリコン酸化膜(図示せず)を成膜する。そして、その後、シリコン基板11の表面にて、カルコパイライト光電変換膜13の形成する部分が露出するように、そのシリコン酸化膜(図示せず)をパターン加工する。
この後、上記のように、カルコパイライト光電変換膜13の形成する部分に、選択的に、上記の化合物半導体を結晶成長させて、第1光電変換膜21Rなどを順次形成する。
つぎに、画素分離部PBdを形成する。
ここでは、実施形態2の場合と同様にして、画素分離部PBdを形成する。
たとえば、カルコパイライト光電変換膜13dの間を区画するようにシリコン酸化膜(図示なし)が形成された状態の下、p型の不純物が多く含まれる条件で、化合物半導体をラテラル成長させる。これにより、カルコパイライト光電変換膜13dの間に、化合物半導体が埋め込まれて、画素分離部PBfが形成される。
つぎに、透明電極14をカルコパイライト光電変換膜13dの上面に設ける。
ここでは、カルコパイライト光電変換膜13d上に、たとえば、インジウムスズオキサイド(ITO)などの透明な導電材料を、スパッタ蒸着法で成膜してITO膜(図示なし)を形成する。その後、そのITO膜をパターン加工することで、透明電極14を設ける。
そして、適宜、シリコン基板11の上面(表面)側に、オンチップレンズなどの各部を設ける。このようにすることで、表面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、カルコパイライト光電変換膜13dは、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11上にて当該シリコン基板11に格子整合するように形成されている。このため、本実施形態は、カルコパイライト光電変換膜13dの結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBdは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13dの間においてポテンシャル障壁になるようにドーピングされた化合物半導体によって形成されている(図21参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBdによって、混色の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13dは、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを含む。第1光電変換膜21Rは、シリコン基板11の上に設けられており、上方から入射した光のうち、赤色成分の光について選択的に光電変換するように形成されている。第2光電変換膜22Gは、第1光電変換膜21Rを介在してシリコン基板11の上に設けられており、上方から入射した光のうち、緑色成分の光について選択的に光電変換するように形成されている。第3光電変換膜23Bは、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22Gを介在してシリコン基板11の上に設けられており、上方から入射した光のうち、青色成分の光について選択的に光電変換するように形成されている(図21参照)。そして、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gとの界面部分、および、第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bとの界面部分は、バンド構造が当該界面部分以外の部分よりもワイドギャップになるように形成されている(図23参照)。そして、第1光電変換膜21Rに逆バイアス電圧VRを印加することによって、当該第1光電変換膜21Rから信号電荷を赤色信号として読み出す。また、第2光電変換膜22Gに逆バイアス電圧VGを印加することによって、当該第2光電変換膜22Gから信号電荷を緑色信号として読み出す。また、第3光電変換膜23Bに逆バイアス電圧VBを印加することによって、当該第3光電変換膜23Bから信号電荷を青色信号として読み出す。この場合には、VR、VG、VBの順で、VB>VG>VRの関係になるように、各逆バイアス電圧を各部に順次印加する。このため、本実施形態では、深さ方向zにおいて、赤・緑・青の3原色の各光の信号を得ることができる。この場合には、アバランシェ増倍の低電圧化が可能となる。また、このような読み出し方法によって、受光の面積を大きくすることが可能になるので、高感度化が可能であって、製造プロセスの簡便化により低コスト化を実現することができる。
図27は、本発明にかかる実施形態4において、カルコパイライト光電変換膜13dを構成する各組成について、バンドギャップから予測される吸収係数αの波長依存性を示す図である。
図27に示すように、カルコパイライト光電変換膜13dを構成する各組成は、バンドギャップより低いエネルギー側の光子エネルギーで、吸収係数αが急峻に小さくなっている。
図28,図29は、本発明にかかる実施形態4において、固体撮像装置の分光感度特性を示す図である。
図28では、下記のように、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを形成した場合を示している。
・第1光電変換膜21R:CuGa0.52In0.48S2膜(厚さ0.8μm)
・第2光電変換膜22G:CuAl0.24Ga0.23In0.53S2膜(厚さ0.7μm)
・第3光電変換膜23B:CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72膜(厚さ0.3μm)
これに対して、図29では、下記のように、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを変えて形成した場合を示している。
・第1光電変換膜21R:Si膜(厚さ2.6μm)
・第2光電変換膜22G:Si膜(厚さ1.7μm)
・第3光電変換膜23B:Si膜(厚さ0.6μm)
図28と図29とを比較して判るように、本実施形態のようにカルコパイライト系化合物半導体で各光電変換膜21R,22G,23Bを形成した方が、上記のようにシリコンで形成する場合よりも、各色の分離が良好であって、混色の発生を抑制可能である。
このように、本実施形態では、カラーフィルタを用いなくても、色分離が良好である。また、入射光がカラーフィルタでカットされないので、光の利用効率が高く、感度を向上させることができる。
また、さらに、1つの画素Pの深さ方向で、RGBの3色の信号が得られるので、デモザイク処理が不要となり、偽色の発生が原理的になく、高解像度化を容易に実現することができる。また、ローパスフィルターの設置が、不要となり、低コスト化を実現することができる。
なお、本実施形態では、実施形態1と同様に、上記の化合物半導体層に不純物をイオン注入することで、画素分離部PBdを形成する場合について示したが、これに限定されない。
実施形態2の場合と同様に、カルコパイライト光電変換膜13dをシリコン基板11の面の一部に選択的に結晶成長した後に、画素分離部PBdを、複数のカルコパイライト光電変換膜13dの間の溝を埋めるようにラテラル成長で形成してもよい。
また、実施形態3の場合と同様に、バンドギャップの広い化合物半導体を用いて、画素の間にポテンシャル障壁を形成することで、画素分離部PBdを形成しても良い。
(D)変形例
(D−1)変形例4−1
上記では、カルコパイライト光電変換膜13dを、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で形成する場合について説明したが、これに限定されない。
CuGaInZnSSe系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体で形成する場合においても、シリコン基板に格子整合するように、カルコパイライト光電変換膜を形成することができる。
図30は、CuGaInZnSSe系の混晶からなるカルコパイライト系材料について、バンドギャップと、格子定数との関係を示した図である。
図30にて一点鎖線で示すように、シリコン(Si)の格子定数aである5.431Åの条件で、カルコパイライト系材料の組成を調整することで、バンドギャップを任意に設定することができる。このため、CuGaInZnSSe系の混晶の場合においても、赤色光,緑色光,青色光のそれぞれを、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれが、選択的に光電変換するように形成できる。
具体的には、第1光電変換膜21Rは、バンドギャップが2.00eV±0.1eV(波長590nm〜650nm)の範囲になるように形成される。このため、図30に示すように、第1光電変換膜21Rは、CuGayInzSuSevの組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0.52≦y≦0.76
0.24≦z≦0.48
1.70≦u≦2.00
0≦v≦0.30
y+z+u+v=3、または、y+z=1およびu+v=2
また、第2光電変換膜22Gは、バンドギャップが2.20eV±0.15eV(波長530nm〜605nm)の範囲になるように形成される。このため、図30に示すように、第2光電変換膜22Gは、CuGayInzZnwSuSevの組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0.64≦y≦0.88
0≦z≦0.36
0≦w≦0.12
0.15≦u≦1.44
0.56≦v≦1.85
y+z+w+u+v=3、または、y+z+w=1およびu+v=2
また、第3光電変換膜23Bは、バンドギャップが2.51eV±0.2eV(波長460nm〜535nm))の範囲になるように形成される。このため、図30に示すように、第3光電変換膜23Bは、CuGayZnwSuSevの組成において、下記の数式を満たすように形成されている。
0.74≦y≦0.91
0.09≦w≦0.26
1.42≦u≦1.49
0.51≦v≦0.58
y+w+u+v=3
たとえば、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、下記の組成になるように形成されている。
・第1光電変換膜21R:CuGa0.52In0.48S2膜
・第2光電変換膜22G:CuGaIn1.39Se0.6膜
・第3光電変換膜23B:CuGa0.74Zn0.26S1.49Se0.51膜
なお、上述のCuAlGaInSSe系の組成に、新たに、これらの組成のものに一部置き換えてもよいし、全部置き換えても良い。
(D−2)変形例4−2(超格子の適用)
カルコパイライト光電変換膜13dの形成においては、上述の結晶成長に関して、固溶体の成長が困難な場合がある。このため、超格子による擬似的な混晶を成長させることで、カルコパイライト光電変換膜13dを形成しても良い。
たとえば、赤色光を分光する第1光電変換膜21Rの場合には、全体の組成が、i−CuGa0.52In0.48S2の組成比になるように、i−CuInS2膜と、i−CuGaS2膜とを交互に積層させる。ここでは、i−CuInS2膜とi−CuGaS2膜とのそれぞれが臨界膜厚hc以内の薄膜になるように、i−CuInS2膜とi−CuGaS2膜とのそれぞれについて、成膜を実施する。なお、臨界膜厚は、「MatthewsとBlakesleeの式」(参考文献1)または「PeopleとBeanの式」(参考文献2)で規定される。
上記においては、たとえば、X線回折法を用いて、i−CuInS2層とi−CuGaS2層とを交互に積層させて、シリコン(100)基板に、格子整合させる成長条件を予め求めてから、トータルの組成が望みの組成になるように積層させる。
超格子の各層について臨界膜厚hcを超えて成膜した場合には、ミスフィット転位の欠陥が生じて結晶性が損なわれるが、本変形例では、臨界膜厚hc以内にしているので、このような不具合の発生を防止できる。
(D−3)変形例4−3
上記では、深さ方向zに分光する構造と、アバランシェ増倍を同時に起こす構造について説明したが、深さ方向zに分光せずに、アバランシェ増倍を起こすように構成しても良い。
図31,図32は、本発明にかかる実施形態4の変形例において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
ここで、図31は、図23と同様に、信号読出し等の動作を実施する前の状態を示している。つまり、ゼロバイアスの状態を示している。
これに対して、図32は、図24等と同様に、信号読出しの動作を実施するときの状態を示している。つまり、所定の逆バイアスを印加した場合を示している。
図31,図32に示すように、バンドギャップを連続的に、または、段階的に変化させることで、大きな段差が得られる。
この場合、前述の図23〜図26に示した場合と比べて、伝導帯のエネルギー段差がさらに大きくなるので、低い駆動電圧で、より大きなアバランシェ増倍が可能となる。
なお、この場合には、表面側に、カラーフィルタを設けて、色分離を行ってもよい。
<5.実施形態5(表面照射型の場合2)>
(A)装置構成など
図33は、本発明にかかる実施形態5において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図33は、図21と同様に、画素Pの断面を示している。図33では、図21と異なり、1つの画素Pの要部について示している。
図33に示すように、本実施形態においては、画素Pの構成が実施形態4と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
図33に示すように、固体撮像装置は、シリコン基板11を含み、シリコン基板11の一方の面(上面)には、カルコパイライト光電変換膜13eが形成されている。
そして、このシリコン基板11の一方の面(上面)には、図33に示すように、ゲートMOS41が設けられている。また、図示を省略しているが、このシリコン基板11の一方の面(上面)には、実施形態4と同様に、画素分離部(図示なし),読み出し用電極(図示なし),読出し回路(図示なし)などの各部が設けられている。
つまり、本実施形態の固体撮像装置は、「表面照射型CMOSイメージセンサ」である。
各部について順次説明する。
(A−1)カルコパイライト光電変換膜13eについて
固体撮像装置において、カルコパイライト光電変換膜13eは、図33に示すように、複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
カルコパイライト光電変換膜13eは、図33に示すように、たとえば、p型シリコン半導体であるシリコン基板11の一方の面上に設けられている。ここでは、カルコパイライト光電変換膜13eは、シリコン基板11において、複数の画素Pに対応するように形成されたn型不純物領域12dの上面に設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13eは、実施形態4と同様に、カルコパイライト構造の化合物半導体であって、シリコン基板11(Si(100)基板)に格子整合するように形成されている。ここでは、カルコパイライト光電変換膜13eは、銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト構造の化合物半導体であって、p型シリコン半導体であるシリコン基板11に格子整合するように形成されている。
カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態4と同様に、入射光を、深さ方向zで、赤色,緑色,青色の各色の光に分光して光電変換するように構成されている。ここでは、図33に示すように、カルコパイライト光電変換膜13eは、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとを含み、それぞれが、シリコン基板11の表面上で、順次、積層されている。
カルコパイライト光電変換膜13eのうち、第1光電変換膜21Reは、図33に示すように、シリコン基板11の表面に直接的に設けられている。この第1光電変換膜21Reは、上方から入射する入射光のうち、赤色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。本実施形態では、第1光電変換膜21Reは、実施形態4の場合と同様な組成になるように設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13eのうち、第2光電変換膜22Geは、図33に示すように、シリコン基板11の表面に、第1光電変換膜21Reを介在して設けられている。この第2光電変換膜22Geは、上方から入射する入射光のうち、緑色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。本実施形態では、第2光電変換膜22Geは、実施形態4の場合と同様な組成になるように設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13eのうち、第3光電変換膜23Beは、図33に示すように、シリコン基板11の表面に、第1光電変換膜21Reおよび第2光電変換膜22Geを介在して設けられている。この第3光電変換膜23Beは、上方から入射する入射光のうち、青色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。本実施形態では、第3光電変換膜23Beは、実施形態4の場合と同様な組成になるように設けられている。
しかし、本実施形態では、実施形態4と異なり、第1から第3の光電変換膜21Re,22Ge,23Beは、図33に示すように、シリコン基板11の面方向(ここでは、y方向)にて、p層13ep,i層13ei,n層13enが並ぶように構成されている。ここでは、中心部分にi層13eiが設けられており、そのi層13eiをp層13epとn層13enとが、シリコン基板11の面方向で挟むように設けられている。つまり、カルコパイライト光電変換膜13dは、全体でp−i−n構造となるように構成されている。
そして、図33に示すように、カルコパイライト光電変換膜13eのうち、第2光電変換膜22Geおよび第3光電変換膜23Beの上面には、p型電極14peと、n型電極14neとが設けられている。
p型電極14peは、図33に示すように、第2光電変換膜22Geと第3光電変換膜23Beとのそれぞれのp層13ep上に設けられている。そして、n型電極14neは、第2光電変換膜22Geと第3光電変換膜23Beとのそれぞれのn層13en上に設けられている。
(A−2)その他
図示を省略しているが、固体撮像装置において、画素分離部(図示なし)は、実施形態4と同様に、複数の画素Pの間に介在して、画素Pの間を互いに分離するように設けられている。
ここでは、画素分離部(図示なし)は、実施形態4の場合と同様に、シリコン基板11の一方の面上において、画素Pごとに形成されたカルコパイライト光電変換膜13eの側面に設けられている。
本実施形態では、画素分離部(図示なし)は、読み出し用電極(図示なし),ゲートMOS(図示なし),読出し回路(図示なし)が設けられた部分以外の部分において、ポテンシャル障壁を形成するように、画素Pの間に設けられている。
画素分離部(図示なし)は、たとえば、上記の実施形態1と同様に、不純物がイオン注入された化合物半導体によって形成されている。その他、バンドギャップが広い組成の化合物半導体で、画素分離部(図示なし)を形成しても良い。また、読み出し用電極(図示なし),ゲートMOS(図示なし),読出し回路(図示なし)が設けられた部分においては、空間が介在するように構成されている。
図34は、本発明にかかる実施形態5において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
カルコパイライト光電変換膜13eは、図34に示すように、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとの各界面部分に、エネルギー障壁が形成されている。ここでは、それぞれの界面付近のワイドギャップ側において、各障壁が、下記の式を満たすように形成されている。つまり、各障壁のエネルギーBが、室温の熱エネルギーより十分に高くなるように形成されている。
B>kT(=26meV)
このように、固体撮像装置のバンド構造が構成されることで、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとのそれぞれにおいて、光電子が閉じ込められるので、各色に応じた信号電荷の蓄積が可能になっている。
そして、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとのそれぞれにおいて、信号電荷が蓄積された後には、順次、各膜に電圧を印加することで、各膜から信号電荷が信号として読み出される。
たとえば、赤色光による信号については、第1光電変換膜21からn型不純物領域12dへ電子が移動した後に、ゲートMOS41などを用いて、読み出される。
また、図示を省略しているが、緑色光による信号,青色光による信号については、p型電極14peをグランドにつなげ、n型電極14neからの読み出される電子をSi基板11にある蓄積層に一旦蓄積してからゲートMOSなどを用いて読み出される。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
まず、図33に示したように、シリコン基板11として、(100)シリコン基板を準備後、そのシリコン基板11に、n型不純物領域12dを形成する。この他に、読出し電極,読出し回路などをシリコン基板11に形成する。
つぎに、図33に示したように、シリコン基板11上に、第1光電変換膜21Re,第2光電変換膜22Ge,第3光電変換膜23Beを順次設ける。
ここでは、たとえば、MBE法で、i−CuGa0.52In0.48S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第1光電変換膜21Reを形成する。たとえば、厚みが、たとえば、0.8μmになるように、第1光電変換膜21Reを形成する。
そして、第1光電変換膜21Reの上面に、第2光電変換膜22Geを形成する。
たとえば、MBE法で、i−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第2光電変換膜22Geを形成する。
この場合においては、第1光電変換膜21Reとの界面に、上述したエネルギーBの障壁が入るように、第2光電変換膜22Geの形成を実施する。
たとえば、最初に、i−CuAl0.33Ga0.11In0.56S2の組成で結晶成長を開始する。その後、AlとInの組成を徐々に減少させると同時に、Gaの組成を徐々に増加させて、i−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2の組成になるように、結晶成長を実施する。
たとえば、上記の障壁の厚みが、50nmであって、第2光電変換膜22Geのトータルの厚みが、たとえば、0.7μmになるように、第2光電変換膜22Geを形成する。
そして、第2光電変換膜22Geの上面に、第3光電変換膜23Beを形成する。
たとえば、MBE法で、i−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第3光電変換膜23Beを形成する。
この場合においては、第2光電変換膜22Geとの界面に、上記のエネルギーBの障壁が入るように、第3光電変換膜23Beの形成を実施する。
たとえば、最初に、i−CuAl0.42Ga0.58S1.36Se0.64の組成で結晶成長を開始する。その後、AlとSの組成を徐々に減少させると同時に、Gaの組成を徐々に増加させて、i−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72の組成になるように、結晶成長を実施する。
たとえば、上記の障壁の厚みが、50nmであって、第3光電変換膜23Beのトータルの厚みが、たとえば、0.3μmになるように、第3光電変換膜23Beを形成する。
つぎに、図33に示したように、p層13epと、n層13enとを形成する。
ここでは、第1光電変換膜21Re,第2光電変換膜22Ge,第3光電変換膜23Beとにおいて、p層13epを形成する部分に、選択的に、p型不純物をイオン注入して、p層13epを形成する。たとえば、p型ドーパントとして、ガリウム(Ga)をイオン注入して、p層13epを形成する。
また、第1光電変換膜21Re,第2光電変換膜22Ge,第3光電変換膜23Beとにおいて、n層13enを形成する部分に、選択的に、n型不純物をイオン注入して、n層13enを形成する。たとえば、n型ドーパントとして、亜鉛(Zn)をイオン注入して、n層13enを形成する。
そして、イオン注入後にアニールを実施することで、ドーパントを活性化し、p−i−n構造のカルコパイライト光電変換膜13eが形成される。
その後、上記の実施形態4と同様にして、画素分離部などの各部を設けることで、表面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態では、画素Pの構成が実施形態4と異なるが、実施形態4と同様に、カルコパイライト光電変換膜13eは、シリコン基板11上にてシリコン基板11に格子整合するように形成されている。このため、本実施形態は、カルコパイライト光電変換膜13eの結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
また、本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13eは、実施形態4の場合と同様に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを含み、シリコン基板11上に、順次、積層されている。このため、本実施形態では、深さ方向zにおいて、赤・緑・青の3原色の各光の信号を得ることができる。
しかし、本実施形態では、実施形態4と異なり、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bは、シリコン基板11の面(xy面)の方向において、p層13ep,i層13ei、n層13enが並ぶように設けられている。
このため、実施形態4の場合と比べて、ほぼ同時に信号が読み出すことができるので動被写体の撮像に優れる。また、蓄積層を別に設けることができるので、飽和感度特性に優れる。
なお、カルコパイライト光電変換膜13dについては、全体でp−i−n構造となるように構成する場合について示したが、これに限定されない。pn構造となるように構成する場合においても、同様な作用効果を奏することができる。
また、上記では、p型電極14peを設ける場合について示したが、これに限定されない。p層層13epのp濃度が高い場合には、正孔が自然に基板側に流れていく。つまり各界面でのポテンシャル障壁が実効的に小さくなり、各p層の界面を乗り越えて基板側に到達可能となる。このようなの場合には、p型電極14peは、不要である。
(D)変形例5−1
図35は、本発明にかかる実施形態5の変形例5−1において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図35は、図33と同様に、画素Pの断面を示している。
図35に示すように、本変形例は、画素Pの構成が上記の実施形態5と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態5と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
図35に示すように、固体撮像装置は、シリコン基板11の面において、カルコパイライト光電変換膜13eが設けられた部分の側部に、n型不純物領域12dが設けられている。つまり、カルコパイライト光電変換膜13eは、シリコン基板11の面にて、n型不純物領域12dが形成されていない部分の面上に設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13eは、上記の実施形態5の場合と同様に、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとを含み、それぞれが、シリコン基板11の表面上で、順次、積層されている。
しかし、本変形例では、上記の実施形態の場合と異なり、第1光電変換膜21Reの上面には、第2光電変換膜22Geおよび第3光電変換膜23Beと同様に、p型電極14peと、n型電極14neとが設けられている。
p型電極14peは、図35に示すように、第2光電変換膜22Ge,第3光電変換膜23Beと同様に、第1光電変換膜21Reのp層13ep上に設けられている。そして、n型電極14neは、第2光電変換膜22Ge,第3光電変換膜23Beと同様に、第1光電変換膜21Reのn層13en上に設けられている。
そして、図35に示すように、n型不純物領域12dの上面には、配線18が形成されており、その配線18は、第1光電変換膜21Reのp層13ep上に設けられたp型電極14pに電気的に接続されている。
図36は、本発明にかかる実施形態5の変形例において、固体撮像装置のバンド構造を示す図である。
カルコパイライト光電変換膜13eは、図36に示すように、シリコン基板11と第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとの各界面部分に、エネルギー障壁が形成されている。ここでは、それぞれの界面付近のワイドギャップ側において、各障壁のエネルギーBが、室温の熱エネルギーより十分に高くなるように形成されている。
このため、本変形例においても、第1光電変換膜21Reと、第2光電変換膜22Geと、第3光電変換膜23Beとのそれぞれにおいて、光電子が閉じ込められるので、各色に応じた信号電荷の蓄積が可能になっている。
そして、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとのそれぞれにおいて、信号電荷が蓄積された後には、各膜に電圧を印加することで、各膜から信号電荷が信号として読み出される。
図示を省略しているが、p型電極14peをグランド側につなげ、またn型電極14neからの読み出される電子をシリコン基板11側にある蓄積層に一旦蓄積してからゲートMOSなどを用いることで、各信号を読み出す。
なお、上記の他に、第1光電変換膜21Reの上に、n型電極14neが設けられているので、その第1光電変換膜21中で蓄積された電子を、n型電極14neから、直接、読み出すように構成しても良い。
また、赤色(R)信号、緑色(G)信号、青色(B)信号のすべてを、一旦、シリコン基板11中に、別々に蓄積して、それをゲートMOS41で読み出すように構成しても良い。
ここではp型電極14peは、正孔を取り出すものであるが、直接、グラウンドに接続することで、チャージアップを避けることができる。また、p型濃度を高くすることで、シリコン基板11側に正孔を逃がすことも可能となる。この場合、p型電極14peは必ずしも必要ない。
上記の場合、赤色(R)信号の読み出しを除いて、エネルギー段差がないために、必ずしも低電圧駆動でアバランシェ増倍が起こるとは限らない。しかし、信号の読み出しを上述のように順次でなく、各色の信号を同時に読み出すことができる利点がある。
<6.実施形態6(表面照射型の場合3)>
(A)装置構成など
図37は、本発明にかかる実施形態6において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図37は、図21と同様に、画素Pの断面を示している。
図37に示すように、本実施形態においては、画素Pの構成が実施形態4と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
図37に示すように、固体撮像装置は、シリコン基板11を含み、シリコン基板11の一方の面(上面)には、カルコパイライト光電変換膜13f,画素分離部PBfが形成されている。
そして、図示を省略しているが、このシリコン基板11の一方の面(上面)には、実施形態4と同様に、読み出し用電極(図示なし)と、ゲートMOS(図示なし)と、読出し回路(図示なし)が設けられている。これらの各部は、たとえば、このシリコン基板11の一方の面にて、画素Pの間に設けられており、配線層(図示なし)で被覆されている。
そして、シリコン基板11にてカルコパイライト光電変換膜13f等の各部が設けられた面(表面)において、入射光Hをカルコパイライト光電変換膜13fが受光するように構成されている。つまり、本実施形態の固体撮像装置は、「表面照射型CMOSイメージセンサ」である。
各部について順次説明する。
(A−1)カルコパイライト光電変換膜13fについて
固体撮像装置において、カルコパイライト光電変換膜13fは、図37に示すように、たとえば、p型シリコン半導体であるシリコン基板11の一方の面上に設けられている。
本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13fは、実施形態4と異なり、入射光を、深さ方向zで、赤色,緑色,青色の各色の光に分光して光電変換するように構成されていない。
ここでは、図37に示すように、カルコパイライト光電変換膜13fは、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとを含み、それぞれが、シリコン基板11の面(xy面)にて並ぶように、設けられている。
第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bとのそれぞれは、p型であり、シリコン基板11において、複数の画素Pに対応するように形成されたn型不純物領域12dの上面に設けられている。つまり、pn構造となるように構成されている。
第1光電変換膜21Rは、上方から入射する入射光のうち、赤色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。また、第2光電変換膜22Gは、上方から入射する入射光のうち、緑色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。また、第3光電変換膜23Bは、上方から入射する入射光のうち、青色光を選択的に分光して光電変換するように構成されている。
たとえば、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、実施形態4と同様に、シリコン基板11(Si(100)基板)に格子整合されたCuAlGaInSSe系混晶で構成されている。具体的には、下記の組成になるように形成されている。
・第1光電変換膜21R:CuGa0.52In0.48S2膜
・第2光電変換膜22G:CuAl0.24Ga0.23In0.53S2膜
・第3光電変換膜23B:CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72膜
また、下記の厚みになるように、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれが形成されている。
・第1光電変換膜21R:0.8μm
・第2光電変換膜22G:0.7μm
・第3光電変換膜23B:0.7μm
そして、図37に示すように、カルコパイライト光電変換膜13fを構成する第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれの上面を被覆するように、透明電極14が形成されている。
第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、たとえば、ベイヤー配列に対応するように画素Pごとに配置されている。なお、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、ベイヤー配列に限らず、種々の色配列に対応するように配置されていてもよい。
(A−2)画素分離部PBfについて
固体撮像装置において、画素分離部PBfは、実施形態4と同様に、複数の画素Pの間に介在して、画素Pの間を互いに分離するように設けられている。
そして、図37に示すように、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれの側面には、画素分離部PBfが設けられている。
ここでは、画素分離部PBfは、図37に示すように、シリコン基板11の一方の面上において、画素Pごとに形成された第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれの側面に設けられている。
本実施形態においては、画素分離部PBfは、実施形態4と同様に、p型の不純物を含む半導体で形成されている。たとえば、高濃度のp型の不純物を含む銅−アルミニウム−ガリウム−インジウム−イオウ−セレン系の混晶からなるカルコパイライト系化合物半導体で、画素分離部PBfが形成されている。
(A−3)その他
上記の固体撮像装置においては、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれに、逆バイアス電圧を印加しなくとも、光電子がシリコン基板11(シリコン)側へ、エネルギー差で自然に移動する。このため、その光電子を、ゲートMOS(図示なし)などの素子を用いて、信号として読み出す。たとえば、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれから、信号を同時に読み出す。
図38は、本発明にかかる実施形態6において、固体撮像装置の分光感度特性を示す図である。図38では、「R」が赤色光の場合、「G」が緑色光の場合、「B」が青色光の場合の分光感度特性を示している。
図38に示すように、短波長側がカットされない。このため、たとえば、デモザイク処理後に、下記式のような色演算処理を行う。
R=r−g、G=g−b、B=b
なお、上記において、rは、第1光電変換膜21Rで得られたRAWデータの値であり、gは、第2光電変換膜22Gで得られたRAWデータの値であり、bは、第3光電変換膜23Bで得られたローデータ(RAW Data)の値である。そして、R,G,Bは、色演算処理後の、赤色信号,緑色信号,青色信号の値を示している。
(B)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
まず、図37に示したように、シリコン基板11として、(100)シリコン基板を準備後、そのシリコン基板11に、n型不純物領域12dを形成する。この他に、読出し電極,読出し回路などをシリコン基板11に形成する。
つぎに、図37に示したように、シリコン基板11上に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを順次設ける。
ここでは、まず、シリコン基板11の表面に酸化シリコン膜(図示せず)を成膜後、シリコン基板11の表面にて、第1光電変換膜21Rの形成する部分が露出するように酸化シリコン膜(図示せず)をパターン加工する。そして、たとえば、MBE法で、p−CuGa0.52In0.48S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第1光電変換膜21Rを形成する。そして、酸化シリコン膜(図示せず)を除去する。
そして、シリコン基板11の表面に酸化シリコン膜(図示せず)を成膜後、シリコン基板11の表面にて、第2光電変換膜22Gの形成する部分が露出するように酸化シリコン膜(図示せず)をパターン加工する。そして、たとえば、MBE法で、p−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第2光電変換膜22Gを形成する。そして、酸化シリコン膜(図示せず)を除去する。
そして、シリコン基板11の表面に酸化シリコン膜(図示せず)を成膜後、シリコン基板11の表面にて、第3光電変換膜23Bの形成する部分が露出するように酸化シリコン膜(図示せず)をパターン加工する。そして、たとえば、MBE法で、p−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72混晶の結晶成長をシリコン基板11上で行うことで、第2光電変換膜22Gを形成する。そして、酸化シリコン膜(図示せず)を除去する。
なお、上記においては、Cu/13族元素比を1以下にすることで、各膜をp型導電性にすることが可能であるので、この比を、たとえば、0.98〜0.99として、上記の結晶成長を実施する。
また、ここでは、上述したように、超格子による擬似的な混晶を成長させることで、各膜を形成しても良い。
つぎに、画素分離部PBfを形成する。
ここでは、実施形態2の場合と同様にして、画素分離部PBfを形成する。
たとえば、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bの間を区画するようにシリコン酸化膜が形成された状態の下、p型の不純物が多く含まれる条件で化合物半導体をラテラル成長させる。これにより、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bの間に、化合物半導体が埋め込まれて、画素分離部PBfが形成される。
つぎに、カルコパイライト光電変換膜13fを構成する第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bの上面に、透明電極14を設ける。
ここでは、たとえば、インジウムスズオキサイド(ITO)などの透明な導電材料を、スパッタ蒸着法で成膜してITO膜(図示なし)を形成する。その後、そのITO膜をパターン加工することで、透明電極14を設ける。
そして、適宜、シリコン基板11の上面(表面)側に、オンチップレンズなどの各部を設ける。このようにすることで、表面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(C)まとめ
以上のように、本実施形態では、画素Pの構成が実施形態4と異なるが、実施形態4と同様に、カルコパイライト光電変換膜13fは、シリコン基板11上にてシリコン基板11に格子整合するように形成されている。このため、本実施形態は、カルコパイライト光電変換膜13fの結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBfは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13fの間においてポテンシャル障壁になるようにドーピングされた化合物半導体によって形成されている(図37参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBfによって、混色の発生を防止することができる。
<7.実施形態7(その他の裏面照射型の場合)>
(A)装置構成など
図39は、本発明にかかる実施形態7において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図39は、図21と同様に、画素Pの断面を示している。
図39に示すように、本実施形態においては、シリコン基板11において、読み出し用電極15、ゲートMOS41が設けられている面が、上記の実施形態4と異なる。また、図示を省略しているが、シリコン基板11において、読出し回路51が設けられている面が、上記の実施形態4と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
図39に示すように、本実施形態では、読み出し用電極15およびゲートMOS41は、シリコン基板11において、カルコパイライト光電変換膜13dが設けられた面とは、反対側の面に設けられている。読出し回路51も、読み出し用電極15およびゲートMOS41と同様に、シリコン基板11において、カルコパイライト光電変換膜13dが設けられた面とは、反対側の面に設けられている。
そして、シリコン基板11の内部においては、n型不純物領域12dが、シリコン基板11の裏面から表面の近傍までの間に設けられている。
つまり、読み出し用電極15、ゲートMOS41、読出し回路51は、実施形態4と異なり、シリコン基板11の表面の側に設けられており、固体撮像装置は、「裏面照射型」として構成されている。
(B)まとめ
以上のように、本実施形態は、実施形態4と異なり、「裏面照射型」であるが、実施形態4と同様に、カルコパイライト光電変換膜13dは、シリコン基板11上にてシリコン基板11に格子整合するように形成されている。このため、本実施形態は、カルコパイライト光電変換膜13dの結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBdは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13dの間においてポテンシャル障壁になるようにドーピングされた化合物半導体によって形成されている(図39参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBdによって、混色の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態4と同様に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを含み、シリコン基板11上に、順次、積層されている。このため、本実施形態では、実施形態4の場合と同様に、3原色の光について深さ方向で分光可能であって、光電子蓄積と、3段階電圧印加による信号読み出しと、アバランシェ増倍の低電圧化が同時に可能となる。また、読み出し用電極15等が設けられている面とは反対側であって、光の開口が広い裏面から入射する入射光を受光して光電変換を実施するので、感度を向上させることができる。
また、本実施形態は、「裏面照射型」であるので、配線層(図示なし)を介在せずに、入射光がカルコパイライト光電変換膜13dへ入射する。このため、更に高感度化を実現することができる。
(C)変形例
(C−1)変形例7−1
図40は、本発明にかかる実施形態7の変形例7−1において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図40は、図39と同様に、画素Pの断面を示している。
図40に示すように、本変形例では、カルコパイライト光電変換膜13gの構成が、上記の実施形態7と異なる。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
カルコパイライト光電変換膜13gは、図40に示すように、シリコン基板11側より、n−CuAlS1.2Se0.8もしくはi−CuAlS1.2Se0.8からp−CuGa0.52In0.48S2に組成が変化したものを用いて形成されている。
このカルコパイライト光電変換膜13gは、たとえば、MBE法で、トータルの厚さが2μm程度になるように形成される。
具体的には、最初に、n−CuAlS1.2Se0.8またはi−CuAlS1.2Se0.8の結晶を成長させる。その後、AlとSeの組成を徐々に減少させると共に、GaとInの組成を徐々に増加させて、p−CuGa0.52In0.48S2の組成にする。
この結晶成長の際には、途中でn型またはi型からp型に変化させる。n型導電性にするためには、12族元素をドーピングする。例えば、結晶成長の際、亜鉛(Zn)を微量に添加する。一方で、i型にする場合は、何もドーピングしない。さらに、p型導電性にするためには、Cu/13族元素比を1以下にする。例えば、この比を0.98〜0.99として結晶成長する。
また、この結晶成長の実施前には、シリコン基板11の面において、カルコパイライト光電変換膜13gを形成する部分以外の部分をシリコン酸化膜(図示なし)で被覆する。そして、シリコン基板11の面において、シリコン酸化膜(図示なし)で被覆されていない面に、選択的に、化合物半導体を結晶成長させて、上記のカルコパイライト光電変換膜13gを形成する。
この変形例においては、たとえば、ベイヤー配列のカラーフィルタを画素Pごとに設けることで、色分離する。
本変形例では、カルコパイライト光電変換膜13gは、図22を参照して判るように、シリコン基板11に格子整合すると共に、バンドギャップを最大限に変化できる範囲で組成が変化するように形成されている。このため、逆バイアスを印加するときに、小さい駆動電圧で大きなエネルギー段差が得られるために、アバランシェ増倍が大きく起こり、高い感度が得られる。
(C−2)変形例7−2
図41は、本発明にかかる実施形態7の変形例7−2において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここで、図41は、図39と同様に、画素Pの断面を示している。
図41に示すように、本変形例では、カルコパイライト光電変換膜13gbの構成が、上記の実施形態7と異なる。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
固体撮像装置は、図41に示すように、「裏面照射型」として構成されている。
固体撮像装置において、カルコパイライト光電変換膜13gbは、図41に示すように、上記の実施形態7と異なり、入射光を、深さ方向zで、赤色,緑色,青色の各色の光に分光して光電変換するように構成されていない。
ここでは、図41に示すように、カルコパイライト光電変換膜13gbは、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとを含み、それぞれが、シリコン基板11の面(xy面)にて並ぶように、設けられている。
本変形例では、「裏面照射型」として構成されるように、読み出し用電極15やゲートMOS41等が、シリコン基板11の表面側に形成される点などを除いて、実施形態6と同様である。
つまり、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bとのそれぞれは、実施形態6の場合と同様に、形成されている。
具体的には、図41に示すように、下記の組成になるように形成されている。
・第1光電変換膜21R:CuGa0.52In0.48S2膜
・第2光電変換膜22G:CuAl0.24Ga0.23In0.53S2膜
・第3光電変換膜23B:CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72膜
そして、実施形態6の場合と同様に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれの側面には、画素分離部PBfが設けられている。
この場合には、読み出し用電極15等が設けられている面とは反対側であって、光の開口が広い裏面から入射する入射光を受光して光電変換を実施するので、感度を向上させることができる。
<8.実施形態8(正孔を信号として読み出す場合)>
(A)装置構成など
図42は、本発明にかかる実施形態8において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図42は、図21(実施形態4)と同様に、画素Pの断面を示している。
本実施形態においては、「電子」を信号として読み出す実施形態4の場合と異なり、「正孔」を信号として読み出すように構成されている。本実施形態では、下記の点を除き、実施形態4と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
本実施形態では、図42に示すように、シリコン基板11hの導電型が実施形態4の場合と異なり、n型である。
このシリコン基板11hにおいては、n型不純物領域に代わって、p型不純物領域12hが設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態4と同様に、シリコン基板11hに格子整合されたCuAlGaInSSe系混晶で形成されている。
そして、カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態4と同様に、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとを含み、それぞれが、シリコン基板11hの表面上で、順次、積層されている。
このカルコパイライト光電変換膜13dにおいて、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gとのそれぞれは、i型である。しかし、第3光電変換膜23Bは、実施形態4のようにp型ではなく、i型である。つまり、カルコパイライト光電変換膜13dを構成する第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bのすべてが、不純物がドーピングされていない。なお、ここでは、i型としたが、ライトドープのp型になるように、カルコパイライト光電変換膜13dを形成しても良い。
また、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、各界面付近のワイドギャップ側において、スパイク状のエネルギー障壁が、下記の式を満たすように価電子帯側に形成されている。
BB≧BG≧BR>kT(=26meV)
このようなバンド構造にすることで、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとのそれぞれにおいて、正孔が閉じ込めることができる。
また、画素分離部PBhは、実施形態4の場合と異なり、導電型がn型であって、そのn型不純物の濃度が、高濃度になるように形成されている。
また、カルコパイライト光電変換膜13dと、透明電極14との間に、実施形態4と異なり、中間層16が設けられている。中間層16は、たとえば、硫化カドミウム(CdS)層であり、電子が透明電極14の側へ移動するためのポテンシャル障壁を下げて、駆動電圧を下げるために設けられている。また、透明電極14は、たとえば、酸化亜鉛等のn型の透明電極材料で形成されている。
本実施形態において信号を読み出す際には、読み出しの印加電圧の正負の関係が、電子読み出し構造の場合に対して逆転させる。つまり、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bのそれぞれに、VR、VG、VBの順で、負の電圧を印加する(ただし、VB<VG<VR≦−kT)。これにより、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bのそれぞれから、赤色(R)信号と緑色(G)信号と青色(B)信号のそれぞれを、順次、読み出すことができる。
(B)まとめ
本実施形態では、実施形態4と異なり、「正孔」を信号として読み出すように構成されているが、実施形態4と同様に、カルコパイライト光電変換膜13dは、シリコン基板11上にて当該シリコン基板11に格子整合するように形成されている。このため、本実施形態は、カルコパイライト光電変換膜13dの結晶性が良好となり、暗電流の発生を抑制可能であって、白点による画質の劣化を防止できる。また、高感度化を実現することができるので、暗い撮像環境(例えば、夜間)であっても、高画質な撮影が可能になる。
そして、本実施形態では、画素分離部PBhは、複数の画素Pに対応して形成されたカルコパイライト光電変換膜13dの間においてポテンシャル障壁になるようにドーピングされた化合物半導体によって形成されている(図42参照)。このため、本実施形態では、画素分離部PBhによって、混色の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態4と同様に、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bを含み、シリコン基板11上に、順次、積層されている。このため、本実施形態では、実施形態4の場合と同様に、3原色の光について深さ方向で分光可能であって、光電子蓄積と、3段階電圧印加による信号読み出しと、アバランシェ増倍の低電圧化が同時に可能となる。また、読み出し用電極15等が設けられている面とは反対側であって、光の開口が広い裏面から入射する入射光を受光して光電変換を実施するので、感度を向上させることができる。
(C)変形例
上記の実施形態においては、実施形態4と同様な構成において、「正孔」を信号として読み出す場合の一例を示した。実施形態4の他に、他の実施形態と同様な構成においても、「電子」を信号として読み出すように構成してもよい。下記に、その一例を順次示す。
(C−1)変形例8−1
図43は、本発明にかかる実施形態8の変形例8−1において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図43は、図33(実施形態5)と同様に、画素Pの断面を示している。
本実施形態においては、図43に示すように、実施形態5と同様な構成において、「正孔」を信号として読み出す場合について示す。本実施形態では、下記の点を除き、実施形態5と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
本実施形態では、図43に示すように、シリコン基板11hの導電型が実施形態5の場合と異なり、n型である。
このシリコン基板11hにおいては、n型不純物領域に代わって、p型不純物領域12hが設けられている。
このように構成することで、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bのそれぞれから、赤色(R)信号と緑色(G)信号と青色(B)信号のそれぞれとして、正孔を読み出すことができる。
(C−2)変形例8−2
図44は、本発明にかかる実施形態8の変形例8−2において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図44は、図37(実施形態6)と同様に、画素Pの断面を示している。
本実施形態においては、図44に示すように、実施形態6と同様な構成において、「正孔」を信号として読み出す場合について示す。本実施形態では、下記の点を除き、実施形態6と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
本実施形態では、図44に示すように、シリコン基板11hの導電型が実施形態6の場合と異なり、n型である。
このシリコン基板11hにおいては、n型不純物領域に代わって、p型不純物領域12hが設けられている。
このように構成することで、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bのそれぞれから、赤色(R)信号と緑色(G)信号と青色(B)信号のそれぞれとして、正孔を読み出すことができる。
(C−3)変形例8−3
図45は、本発明にかかる実施形態8の変形例8−3において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図45は、図39(実施形態7)と同様に、画素Pの断面を示している。
本実施形態においては、図45に示すように、実施形態7と同様な構成において、「正孔」を信号として読み出す場合について示す。本実施形態では、下記の点を除き、実施形態7と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
本実施形態では、図45に示すように、シリコン基板11hの導電型が実施形態7の場合と異なり、n型である。
このシリコン基板11hにおいては、n型不純物領域に代わって、p型不純物領域12hが設けられている。
カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態7と同様に、シリコン基板11hに格子整合されたCuAlGaInSSe系混晶で形成されている。
そして、カルコパイライト光電変換膜13dは、実施形態7と同様に、第1光電変換膜21Rと、第2光電変換膜22Gと、第3光電変換膜23Bとを含み、それぞれが、シリコン基板11hの表面上で、順次、積層されている。
そして、第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、たとえば、下記のような組成および厚みになるように形成されている。
・第1光電変換膜21R:p−CuGa0.52In0.48S2膜,0.8μm厚
・第2光電変換膜22G:i−CuAl0.24Ga0.23In0.53S2膜,0.7μm厚
・第3光電変換膜23B:n−CuAl0.36Ga0.64S1.28Se0.72膜,0.7μm厚
第1光電変換膜21R,第2光電変換膜22G,第3光電変換膜23Bのそれぞれは、各界面付近のワイドギャップ側において、スパイク状のエネルギー障壁が、実施形態8と同様に形成されている。
また、画素分離部PBhは、実施形態7の場合と異なり、導電型がn型であって、そのn型不純物の濃度が、高濃度になるように形成されている。
また、カルコパイライト光電変換膜13dと、透明電極14との間に、実施形態8と異なり、中間層16が設けられている。中間層16は、上記の実施形態8と同様に、たとえば、硫化カドミウム(CdS)層であり、電子が透明電極14の側へ移動するためのポテンシャル障壁を下げて、駆動電圧を下げるために設けられている。また、透明電極14は、たとえば、酸化亜鉛等のn型の透明電極材料で形成されている。
このように構成することで、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bのそれぞれから、赤色(R)信号と緑色(G)信号と青色(B)信号のそれぞれとして、正孔を読み出すことができる。
(C−4)変形例8−4
図46は、本発明にかかる実施形態8の変形例8−4において、固体撮像装置の要部を示す図である。
ここでは、図46は、図40(実施形態7の変形例7−1)と同様に、画素Pの断面を示している。
本実施形態においては、図46に示すように、実施形態7の変形例7−1と同様な構成において、「正孔」を信号として読み出す場合について示す。本実施形態では、下記の点を除き、実施形態7の変形例7−1と同様である。このため、重複する部分については、適宜、記載を省略する。
本実施形態では、図46に示すように、シリコン基板11hの導電型が、実施形態7の変形例7−1の場合と異なり、n型である。このシリコン基板11hにおいては、n型不純物領域に代わって、p型不純物領域12hが設けられている。
カルコパイライト光電変換部13hは、シリコン基板11h側から上方へ向かって、p−CuAlS1.2Se0.8またはi−CuAlS1.2Se0.8の組成がn−CuGa0.52In0.48S2の組成へ徐々に変化するように設けられている。
画素分離部PBhは、実施形態7の変形例7−1の場合と異なり、導電型がn型であって、そのn型不純物の濃度が、高濃度になるように形成されている。
また、カルコパイライト光電変換膜13dと、透明電極14との間には、実施形態7の変形例7−1と異なり、中間層16が設けられている。中間層16は、上記の実施形態8と同様に、たとえば、硫化カドミウム(CdS)層であり、電子が透明電極14の側へ移動するためのポテンシャル障壁を下げて、駆動電圧を下げるために設けられている。また、透明電極14は、たとえば、酸化亜鉛等のn型の透明電極材料で形成されている。
このように構成することで、第1光電変換膜21Rと第2光電変換膜22Gと第3光電変換膜23Bのそれぞれから、赤色(R)信号と緑色(G)信号と青色(B)信号のそれぞれとして、正孔を読み出すことができる。
<9.実施形態9(オフ基板を用いる場合)>
(A)構成など
上記の実施形態では、主面が(100)面であるシリコン基板を用いており、その主面に上記の化合物半導体をエピタキシャル成長させて、カルコパイライト光電変換膜を形成する場合について示している。つまり、{100}基板を用いる場合について説明している。しかし、これに限定されない。
イオン性がない無極性なシリコン基板の上に、イオン性元素を材料として上記の化合物半導体をエピタキシャル成長させた場合には、アンチフェーズドメインと呼ばれる欠陥が発生する場合がある。つまり、局所的にカチオンとアニオンが逆フェーズになって成長し、アンチフェーズドメインが生ずる。
このため、シリコン基板として、オフ基板を用いてもよい。オフ基板上にエピタキシャル成長をさせることによって、アンチフェーズドメインの発生を抑制可能である(たとえば、下記の参考文献を参照)。
[参考文献]
川辺光央,高杉英利,上田登志雄,横山 新,板東義雄:GaAs on Si の初期成長過程;応用物理学会結晶工学分科会第4回結晶工学シンポジウムテキスト(1987.7.17) pp.1−8.
図47,図48,図49は、本発明にかかる実施形態9において、オフ基板であるシリコン基板11k上に、カルコパイライト光電変換膜13kを形成した際の原子配列を示す図である。図47,図48,図49のそれぞれは、結晶を<0 −1 1>方向に見た断面を示している。
図47,図48,図49では、たとえば、I族原子は、銅(Cu)原子であり、III族原子は、ガリウム(Ga)原子、または、インジウム(In)原子であり、VI族原子は、硫黄(S)原子、セレン(Se)原子などである。図47,図48,図49において、白色の四角形のマークで表示している「I族またはIII族原子列」は、紙面に垂直な方向にて、I族原子とIII族原子が交互に並んでいることを示している。また、図49において、黒色の四角形のマークで表示している「I族またはIII族原子の逆位相の配列」は、「I族またはIII族原子列」に対して、I族原子とIII族原子とが逆に配置されていることを示している。具体的には、図5に示すように、<0 −1 1>方向では、I族原子(たとえば、Cu)とIII族原子(たとえば、In)がVI族原子を介して交互に配列されているが、この位置関係が、逆になっている。
これらの図のうち、図47は、シリコン基板11k上において、VI族原子から成長が開始した場合を示している。また、図48は、I族またはIII族原子から成長が開始した場合を示している。図47,図48は、I族またはIII族のカチオン(プラスイオン性原子)と、VI族のアニオン(マイナスイオン性原子)の間のアンチフェーズドメインが、消滅する場合を示している。これに対して、図49は、I族とIII族の原子間のアンチフェーズドメインが、消滅する場合を示している。
図47,図48,図49に示すように、本実施形態では、たとえば、主表面が(100)面から<011>方向に所定の傾斜角度(オフ角)θ1で傾斜したオフ基板を、シリコン基板11kとして用いる。つまり、{100}基板を<011>方向にオフしたオフ基板を、シリコン基板11kとして用いる。たとえば、傾斜角度(オフ角)θ1=約6°のオフ基板を用いる。
オフ基板であるシリコン基板11k上には、I族またはIII族のカチオン(プラスイオン性原子)と、VI族のアニオン(マイナスイオン性原子)が規則的に配列されて、カルコパイライト光電変換膜13kが形成される。
この場合においては、領域B(一点鎖線で区画する領域)のように、カチオンとアニオンとが局所的に逆位相になって成長し、アンチフェーズドメインが生じる場合がある。
しかしながら、図47,図48,図49に示すように、オフ基板の主表面に結晶成長させているので、アンチフェーズドメインが生じた領域Bが三角形状で閉じる。
図50は、本発明にかかる実施形態9において、シリコン基板11k上に、カルコパイライト光電変換膜13kを形成した際に、アンチフェーズドメインが生じた領域Bを拡大して示す斜視図である。
図50に示すように、領域Bでは、断面が三角形状のアンチフェーズドメインは、奥行き方向(<0 −1 1>方向)において連続的に延在するように形成されている。つまり、三角柱を横に倒した形状になるようにアンチフェーズドメインが形成される。
そして、図47,図48,図49に示すように、領域Bの上方では、アンチフェーズドメインが生じない領域Aのみとなるように、エピタキシャル成長が進行する。
このため、本実施形態では、アンチフェーズドメインの発生を抑制可能である。
図47,図48,図49では、傾斜角度θ1=約6°の場合を示したが、これに限定されない。傾斜が少しでもあることで、上述のような三角形に閉じることによる作用と効果が生ずる。傾斜角度θ1が大きくなるほど、領域Bは小さくなるが、傾斜角度θ1が2°以上にすることが好適である。このようにすることで、領域Bは、図47,図48で3倍程度の大きさで収まるので、十分な効果が得られることになる。
たとえば、図47〜48では、領域Bの三角形の高さが約5nmとなる。現在、光電変換膜として必要な厚みは、吸収係数〜105cm−1から約120nm以上である(このとき70%以上の光を吸収)。傾斜角度θ1=2°の場合、この領域Bの三角形の高さは15nm程度で収まる。この場合、アンチフェーズドメインの欠陥のない領域が、最低でも表面から100nm以上存在するために、暗電流低減の効果が十分となる。
さらに上限値としては、階段状の基板構造が維持できるまでの角度となる。具体的にはθ1=90°までとなる。
(B)まとめ
以上のように、本実施形態においては、他の実施形態と異なり、オフ基板であるシリコン基板11kに、上記の化合物半導体をエピタキシャル成長させることで、カルコパイライト光電変換膜13kを形成している。このため、上記したように、アンチフェーズドメインの発生を抑制可能である。
(C)変形例
上記では、主表面が(100)面から<011>方向に対して所定の傾斜角度(オフ角)θ1でオフされたオフ基板を、シリコン基板11kとして用いる場合について示した。しかし、これに限定されない。
図51は、本発明にかかる実施形態9の変形例において、シリコン基板11k上に、カルコパイライト光電変換膜13kを形成した際に、アンチフェーズドメインが生じた領域Bを示す斜視図である。
図51に示すように、<011>方向に所定の傾斜角度(オフ角)θ1で傾斜すると共に、<0 −1 1>方向に所定の傾斜角度(オフ角)θ2で傾斜したオフ基板を用いることが好適である。つまり、{100}基板を、更に、<0−11>方向にオフしたオフ基板を、シリコン基板11kとして用いることが好適である。
この場合には、図51に示すように、領域Bのアンチフェーズドメインの体積を減らすことができる。
具体的には、図51に示すように、<011>方向と<0 −1 1>方向との両方向に傾斜させると、三角形状に閉じる作用が、その垂直な2つの方向から同時に起こる。このため、領域Bは、形状が三角錐になるので、体積が減少することになる。
このとき、両者の傾斜角度θ1,θ2が、2°以上であって、同じ角度である場合には、その方位が合成されて、<001>方向に傾斜することになり、その合成された傾斜角度θ3が、3°以上になる。このため、上記のように2つの方向において傾斜させた場合、領域Bのアンチフェーズドメインの体積は、1つの方向のみの傾斜の場合と比べて、1/3になり、最も好適である。
ただし、必ずしも正確に<001>方向に傾斜させる必要性はなく、傾斜Si基板の製造面を考慮すると、傾斜方向のバラツキを含めて、たとえば、(100)面を<001>±5°方向において、3°以上のオフ角度になるように傾斜させることが、好適である。
つまり、{100}基板を[001]±5°方向に、3°以上のオフ角度でオフしたオフ基板を、シリコン基板として用いることが好適である。
両者の傾斜角度θ1,θ2が同じ場合の他に、傾斜角度θ1,θ2が異なる場合でも、上記同様な作用・効果を奏することができる。傾斜角度θ1,θ2が異なる場合には、オフ基板の主表面は、<011>方向の傾斜角度θ1と、<0 −1 1>方向の傾斜角度θ2との比k(下記式参照)によって規定される<0 ((1−k)/2) 1>方向に傾斜する。このため、この傾斜角度が、2°以上であれば、上記と同様に好適である。
k =Tan(θ2)/Tan(θ1)
<10.その他>
本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
上記の実施形態においては、カメラに本発明を適用する場合について説明したが、これに限定されない。スキャナーやコピー機などのように、固体撮像装置を備える他の電子機器に、本発明を適用しても良い。
また、上記の実施形態では、固体撮像装置がCMOSイメージセンサである場合について説明したが、これに限定されない。必要ならば、CMOSイメージセンサの他に、CCD型イメージセンサの場合に、本発明を適用しても良い。
上記の実施形態では、1つの光電変換部に対して、読出し回路を1つずつ設ける場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、複数の光電変換部に対して、読出し回路を1つずつ設ける場合に適用しても良い。
また、上記の実施形態では、第1導電型(たとえば、p型)のシリコン基板に、第2導電型(たとえば、n型)の不純物領域を形成する場合について例示したが(図3などを参照)、これに限定されない。第2導電型(たとえば、n型)のシリコン基板に、第1導電型(たとえば、p型)のウェルを形成し、そのウェルに第2導電型(たとえば、n型)の不純物領域12を形成するように構成しても良い。
その他、上記の各実施形態について、適宜、組み合わせても良い。
なお、上記の実施形態において、固体撮像装置1は、本発明の固体撮像装置に相当する。また、上記の実施形態において、シリコン基板11,11h,11kは、本発明のシリコン基板に相当する。また、上記の実施形態において、カルコパイライト光電変換膜13,13d,13e,13f,13g,13gb,13kは、本発明の光電変換膜に相当する。また、上記の実施形態において、n層13enは、本発明のn型不純物領域に相当する。また、上記の実施形態において、p層13epは、本発明のp型不純物領域に相当する。また、上記の実施形態において、p+層14pは、本発明の高濃度不純物拡散層に相当する。また、上記の実施形態において、第1光電変換膜21R,21Reは、本発明の第1光電変換膜に相当する。また、上記の実施形態において、第2光電変換膜22G,22Geは、本発明の第2光電変換膜に相当する。また、上記の実施形態において、第3光電変換膜23B,23Beは、本発明の第3光電変換膜に相当する。また、上記の実施形態において、カメラ40は、本発明の電子機器に相当する。また、上記の実施形態において、シリコン基板101は、本発明のシリコン基板に相当する。また、上記の実施形態において、画素Pは、本発明の画素に相当する。また、上記の実施形態において、画素領域PAは、本発明の画素領域に相当する。また、上記の実施形態において、画素分離部PB,PBc,PBd,PBf,PBhは、本発明の画素分離部に相当する。