JP2011196357A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼休止制御の実施に用いる燃焼休止に関する記憶手段における情報量を少なくする。
【解決手段】エンジン10は多気筒エンジンとして構成されており、エンジン10を制御するECU30は、少なくとも一部の気筒の燃焼を休止する燃焼休止制御を実施する。また、ECU30は、燃焼休止制御を実施する場合における燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報を一次元に配列した燃焼休止情報を記憶している。そして、燃焼休止制御を実施するための条件の成否の判定結果に基づき、燃焼休止制御を実施する旨判定された場合に、その記憶してある燃焼休止情報に基づいて燃焼休止制御を実施する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン10は多気筒エンジンとして構成されており、エンジン10を制御するECU30は、少なくとも一部の気筒の燃焼を休止する燃焼休止制御を実施する。また、ECU30は、燃焼休止制御を実施する場合における燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報を一次元に配列した燃焼休止情報を記憶している。そして、燃焼休止制御を実施するための条件の成否の判定結果に基づき、燃焼休止制御を実施する旨判定された場合に、その記憶してある燃焼休止情報に基づいて燃焼休止制御を実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジン制御装置に関するものである。
従来、例えば二輪車用の多気筒エンジンにおいて、予め定めた失火パターンに基づいて点火の間引きを行うことにより、エンジンの駆動力を低減させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、失火率が異なる複数の失火パターンをメモリ等の記憶手段に記憶しておき、都度の車速に応じて、その複数の失火パターンの中からいずれかを選択して点火間引きを行うことが開示されている。上記複数の失火パターンについて、具体的には、連続する所定回数(例えば8回)の点火タイミングのうち、いずれのタイミングで失火させるかの情報が、燃焼回及び気筒番号に対応付けて、テーブルとして予め記憶してある。
しかしながら、特許文献1の失火テーブルは、失火を行うタイミングが燃焼回と気筒番号とによって定められた二次元の情報になっており、記憶手段に記憶させる情報量が多くなることが考えられる。特に、失火パターンを選択する際に用いるパラメータが多いと、これに伴い記憶手段に記憶させる情報量が増加し、例えば記憶手段において記憶可能な情報量に制限がある場合に十分な情報量を記憶させておくことができず、その結果、きめ細やかな制御を実施できないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃焼休止制御の実施に用いる燃焼休止に関する記憶手段における情報量を少なくすることができるエンジン制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、多気筒エンジンにおいて少なくとも一部の気筒の燃焼を休止する燃焼休止制御を実施するエンジン制御装置に関するものである。そして、請求項1に記載の発明は、前記燃焼休止制御を実施する場合における燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報を一次元に配列した燃焼休止情報を記憶する休止情報記憶手段と、前記燃焼休止制御を実施するための条件の成否を判定する実施判定手段と、前記判定手段により前記燃焼休止制御を実施する旨判定された場合に、前記休止情報記憶手段により記憶される燃焼休止情報に基づいて前記燃焼休止制御を実施する休止制御手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、上記構成では、燃焼休止制御を実施する場合の燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報が、一次元に配列した燃焼休止情報として記憶手段に記憶されている。そのため、燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報をエンジンの気筒番号に関係なく記憶手段に記憶できる。したがって、燃焼休止に関する記憶手段における情報量をできるだけ少なくすることができる。
また、燃焼休止情報は気筒番号に対応付けた情報でないため、燃焼休止制御の実施時において気筒番号との整合が不要であり、どのタイミングで燃焼休止制御の実施条件が成立したとしても、直ぐさま燃焼休止情報を用いた燃焼休止制御を実施することができる。加えて、気筒番号との整合が不要であることから、燃焼休止制御を実施する際に最初に制御対象となる気筒をばらつかせることができ、ひいては、燃焼休止制御において燃焼を実施する気筒と燃焼を休止させる気筒とが偏るのを抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、前記休止情報記憶手段には、前記燃焼休止情報として、前記エンジンの燃焼を休止させる休止気筒の比率である休止率に応じて、前記エンジンの燃焼回ごとに燃焼気筒とするか又は燃焼休止気筒とするかを定めた休止率テーブルが複数記憶されており、前記休止制御手段が、前記複数の休止率テーブルからいずれかを選択し、該選択した休止率テーブルに基づいて前記燃焼休止制御を実施する。本構成によれば、燃焼休止情報が一次元に配列された情報であり、1つの休止率テーブルあたりの記憶手段における情報量が少なくて済むため、休止率が異なる複数のテーブルをできるだけ多く記憶しておくことができる。これにより、エンジンや車両の運転状態に応じた最適な休止率で燃焼休止制御を実施することができる。
請求項3に記載の発明では、前記休止情報記憶手段には、前記休止率テーブルとして、前記休止率の変更を実施する際において目標休止率に移行されるまでの中間休止率が定められた中間休止率テーブルが記憶されており、前記休止率の変更を実施するための条件の成否を判定する変更判定手段を備え、前記休止制御手段が、前記変更判定手段により前記休止率を変更する旨判定された場合に前記中間休止率テーブルを選択し、該選択した中間休止率テーブルに基づいて前記燃焼休止制御を実施する。
休止率を変更する場合、今現在の休止率を目標休止率に一気に変更すると、休止気筒の数の変化が大きくなり、その結果、エンジン運転状態が急変して車両のショック発生等といった不都合を招くおそれがある。その点、上記構成では、目標休止率に移行させるまでの間に中間休止率が定められているため、目標休止率までの移行を滑らかに行うことができる。また、中間休止率に関する情報が一次元で配列されることにより、1つの燃焼休止パターンあたりの記憶手段における情報量をできるだけ少なくすることができる。
ここで、「休止率の変更を実施する」とは、燃焼休止制御の実施を開始する場合や、その実施を終了する場合、あるいは燃焼休止制御の実施中において休止率を変更する場合を含む。
休止率テーブルとして具体的には、請求項4に記載の発明に記載のように、前記目標休止率が各々相違する複数の中間休止率テーブルを含んでいてもよいし、請求項5に記載の発明のように、前記中間休止率における前記休止率の変化態様が各々相違する複数の中間休止率テーブルを含んでいてもよい。これらの構成によれば、中間休止率テーブルとして、目標休止率や、目標休止率に移行されるまでの間の休止率変化の緩急(休止率変化の傾き)が異なる複数のテーブルが記憶されているため、休止率を変更する際に、エンジンや車両の運転状態に応じた目標休止率に移行させることができる。具体的には、例えば、車両の出力抑制を図る緊急性が高いほど、休止率が大きいか、又は休止率変化の傾きが大きい中間休止率テーブルを選択する。
請求項6に記載の発明では、前記中間休止率テーブルにおいて、前記目標休止率に移行するまでの中間休止率が、連続する燃焼の所定の燃焼回数を単位区間としてその単位区間ごとに休止気筒数を変更することで定められている。この構成によれば、単位区間における燃焼回数を相違させることで、休止率を変更する際の休止率変化の粗密を任意に設定可能となる。例えば、所定の燃焼回数を大きくすれば、目標休止率に移行されるまでの間の休止率変化を緩やかにする(休止率変化の傾きを小さくする)ことができる。また、単位区間の繰り返し数を相違させることで、目標休止率に移行されるまでの速さ(移行率)を任意に設定可能となる。例えば、単位区間の繰り返し数を多くすれば、目標休止率までゆっくりと移行させることができる。
請求項7に記載の発明では、前記休止率テーブルには、中間休止率テーブルの他に、前記休止率が一定である目標休止率テーブルが含まれており、前記中間休止率テーブルは、前記単位区間の繰り返し数がn(nは2以上の整数)であり、前記目標休止率テーブルは、前記単位区間の繰り返し数が1であるものとする。休止率を変更する過程において用いる中間休止率テーブルについては、単位区間の繰り返し数をnとすることにより、目標休止率に移行させるまでの休止率(中間休止率)を比較的容易に設定することができる。また、休止率一定の目標休止率テーブルについては、単位区間の繰り返し数を1とすることにより、記憶手段における情報量を最小限にしつつ、必要な情報を記憶しておくことができる。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、二輪車用の多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。
図1において、エンジン10には、吸気管11(吸気通路)の最上流部にエアクリーナ12が設けられている。エアクリーナ12の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。スロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ15が設けられるとともに、その下流側において、各気筒の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁16が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ17及び排気バルブ18が設けられている。吸気バルブ17の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室19内に導入され、排気バルブ18の開動作により燃焼後の排ガスが排気管21(排気通路)に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ22が取り付けられている。なお、本実施形態では4気筒エンジンを想定しており、4つの点火プラグ22を備えている。点火プラグ22には、点火コイル等よりなる点火装置23を通じて、所望とする点火タイミングにおいて各気筒毎に高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ22の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室19内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
また、エンジン10のシリンダブロックには、エンジン内を循環する冷却水の温度を検出する冷却水温センサ24や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ25が取り付けられている。その他、本システムには、車両の前輪(従動輪)の回転速度を検出する前輪速センサ26、後輪(駆動輪)の回転速度を検出する後輪速センサ27等の各種センサや、車速上限を設けるか否かを運転者が設定するためのスピードリミットスイッチ28等の各種スイッチが設けられている。
ECU30は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)31を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。具体的には、ECU30のマイコン31は、前述した各種センサ等から随時入力される各種の検出信号等に基づいて、燃料噴射量や点火時期等を演算し、その演算結果に基づいて燃料噴射弁16や点火装置23、スロットルアクチュエータ13等の駆動を制御する。
本システムでは、エンジン10の複数の気筒のうち全部又は一部の気筒における燃焼を休止させる燃焼休止機能を備えており、エンジン出力を低減させる必要が生じた場合にその燃焼休止制御が行われる。例えば、車輪のトラクション制御において、燃焼休止制御によりエンジン出力が低減される。トラクション制御について、マイコン31は、前輪速センサ26や後輪速センサ27等から随時入力される検出信号等に基づいて車輪の空転を検出し、車両の空転が検出された場合、その空転状態を解消すべく、エンジン出力を低減させるようエンジン10の全部又は一部の気筒の燃焼を休止する。
燃焼休止制御について詳しくは、燃焼回ごとの燃焼及び燃焼休止のパターンが予め規定してあり、これを燃焼休止情報としてECU30のROM等といった不揮発性メモリに記憶してある。マイコン31は、燃焼休止制御を実施するための条件が成立した場合、不揮発性メモリに記憶されている燃焼休止情報を読み出し、その読み出した燃焼休止情報に基づいて燃焼休止制御を実施する。
図2は、燃焼休止情報を示す図である。図2のうち、(a)は不揮発性メモリに記憶される燃焼休止情報を示し、(b)はその燃焼休止情報に基づき燃焼休止制御を実施した場合の実際の燃焼/燃焼休止の態様である。
図2(a)に示すように、燃焼休止情報は、燃焼休止制御を実施する場合における燃焼回i(i=1〜N)ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報である燃焼休止データF(i)が一次元に配列されたテーブル(休止率テーブル)となっている。すなわち、この休止率テーブルでは、燃焼回iごとに、燃焼を実施する燃焼気筒とするか、又は燃焼を休止させる休止気筒とするかが定められている。なお、図2では、燃焼休止データF(i)について、燃焼気筒を「0」とし、休止気筒を「1」としている。また、休止率テーブルでは、燃焼気筒と失火気筒とが均等に割り振られており、これにより、連続する燃焼回においてできるだけ続けて燃焼休止されないようになっている。
燃焼休止制御では、燃焼回iごとに、それぞれの燃焼回iに対応する燃焼休止データF(i)を休止率テーブルから読み出し、その読み出したデータF(i)に基づき、今回の燃焼回iにおける制御対象の気筒を燃焼気筒とするか又は休止気筒とするかを決定する。特に、本実施形態では、燃焼休止制御の実施条件が成立した場合、その成立後最初に制御の対象となる気筒に対し、i=1の燃焼休止データF(1)に基づく燃焼休止制御を実施する。具体的には、例えば、燃焼休止制御の実施条件の成立後、最初の制御対象の気筒が第1気筒(♯1)であれば、図2(b)に示すように、第1気筒について、燃焼休止データF(1)に基づき、燃焼気筒とするか又は休止気筒とするかを決定する。すなわち、図2であれば、i=1の燃焼休止データF(1)は「1」であるから、第1気筒を休止気筒とする。なお、図2(b)では、燃焼気筒を白丸印で示し、休止気筒を黒丸印で示してある。
さらに、燃焼休止制御について本実施形態では、エンジン10の少なくとも一部の気筒の燃焼を休止する際、その休止率を可変とする可変休止機能を有している。詳しくは、本実施形態では、休止率(間引き率)が異なる複数の燃焼休止パターンが設定してあり、各パターンに対応する複数の休止率テーブルがROM等に記憶されている。燃焼休止制御を実施する場合、マイコン31は、エンジン10の運転状態や車両の運転状態に基づいて、具体的にはエンジン出力低減を図る緊急性に応じて、ROM等に記憶される複数の燃焼休止パターンからいずれかを選択し、その選択した燃焼休止パターンに対応する燃焼休止情報(休止率テーブル)に従って燃焼又は燃焼休止を行っている。
図3及び図4は、本実施形態における燃焼休止パターンの具体的態様の一例を示す図である。この図3及び図4では、燃焼休止情報に基づき燃焼休止制御を実施した場合の実際の燃焼/燃焼休止の態様を示してあり、燃焼休止情報としては、燃焼休止データF(i)が燃焼回iごとに一次元に配列された休止率テーブルとして記憶されている。なお、図中の♯1〜♯4はそれぞれ気筒番号(第1気筒〜第4気筒)を示す。また、図3及び図4では、点火順序を♯1→♯2→♯4→♯3として説明している。
燃焼休止パターンとして本実施形態では、休止率に応じて、図3及び図4に示す(1)〜(5)の5つのパターンが設定されている。また、燃焼休止パターン(1)〜(5)のそれぞれは、更に、燃焼回iの変化に伴い休止率が変化する過渡パターン(図中の(a)及び(c))と、休止率が一定の定常パターン(図中の(b))とを有している。過渡パターンとしては更に、休止率が定常パターンでの休止率に向かって増大側に変化する上昇パターン(図中の(a))と、休止率がゼロに向かって減少側に変化する下降パターン(図中の(c))とがある。なお、過渡パターンの休止率テーブルが中間休止率テーブルに相当し、定常パターンの休止率テーブルが目標休止率テーブルに相当する。
本実施形態の休止率テーブルは、連続する燃焼の所定の燃焼回数mを単位区間UNとして構成されており、その単位区間UNにおける休止気筒数によって休止率が定められている。詳しくは、休止率テーブルのうち定常パターンでは、1つの単位区間UNによって構成されており、m個のデータを有している。そして、燃焼回数mに対する失火気筒の数によって休止率が固定になっている。一方、過渡パターンでは、n個の単位区間UNの繰り返しによって構成されており、mとnとを乗算した数(m×n)個のデータを有している。そして、過渡パターンでは、燃焼回数mに対する失火気筒の数が単位区間UNごとに変化しており、具体的には、単位区間UNが1番目からN番目になるにつれて、各単位区間UNにおける失火気筒の数が徐々に大きくなるか又は小さくなっており、これにより、休止率が次第に増大されるか又は減少されている。
例えば、燃焼休止パターン(1)(図3(1))は、4つの燃焼回によって単位区間UNが構成されており、更に、定常パターン(図中の(b))については、1つの単位区間UN(データ総数4)によって構成され、過渡パターン(図中の(a),(c))については、3つの単位区間UN(データ総数12)によって構成されている。また、休止率について、定常パターンでは、単位区間UNにおける4つの燃焼回の全てを休止気筒とするようにしており、この場合、休止率は1になる。一方、過渡パターンでは、単位区間UNが1番目から3番目になるにつれて、各単位区間UNにおける休止気筒の数が、上昇パターンでは2→3→4と徐々に増加され、下降パターンでは4→3→2と徐々に減少されている。これにより、上昇パターンでは、定常パターンでの休止率(休止率1)に向かって休止率が徐々に大きくなっており、下降パターンでは全気筒運転時の休止率(休止率ゼロ)に向かって休止率が徐々に小さくなっている。
なお、過渡パターンの各単位区間UNにおいて定められた休止率(所定燃焼回数mに対する休止気筒の数の割合)がそれぞれ中間休止率に相当し、上昇パターンについては定常パターンでの休止率、下降パターンについては全気筒運転時の休止率が目標休止率に相当する。
本実施形態では、単位区間UNにおける燃焼回数mが、燃焼休止パターン1〜5のそれぞれで異なる値に設定されており、具体的には、パターン(1)〜(3)がm=4、パターン(4)がm=7、パターン(5)がm=11となっている。そして、燃焼回数mに対する休止気筒の数の相違によって、燃焼休止パターンごとの休止率が異なるものとなっている。例えば、燃焼回数mが同じ燃焼休止パターン(1)〜(3)についてそれぞれの定常パターンを比較すると、図3の(b)に示すように、各パターンにおける休止気筒数は、パターン(1)では4、パターン(2)では3、パターン(3)では2になっている。よって、休止率は、パターン(1)が最も大きく、続いてパターン(2)、(3)の順で大きくなっている。
また、図4の(b)に示すように、パターン(4)では、m=7の燃焼回数に対して休止気筒数が3、パターン(5)では、m=11の燃焼回数に対して休止気筒数5になっており、パターン(4)及び(5)では休止率がほぼ同じであって、かつパターン(1)〜(5)のうち休止率が最も小さくなっている。
さらに、休止率テーブルでは、単位区間UNの繰り返し数nが、燃焼休止パターン(1)〜(5)で異なる値に設定されており、具体的には、パターン(1)〜(4)がn=3、パターン(5)がn=5となっている。ここで、休止率が同じパターン(4),(5)について、燃焼回数m及び繰り返し数nを比較すると、いずれもパターン(5)の方が大きくなっている。具体的には、パターン(4)の過渡パターンでは、単位区間UNが1番目からn番目(ここではn=3)になるにつれて、燃焼回数m=7に対する休止気筒の数が1→2→3と大きくなるか又は3→2→1と小さくなっている。これに対し、パターン(5)の過渡パターンでは、単位区間UNが1番目からn番目(ここではn=5)になるにつれて、燃焼回数m=11に対する休止気筒の数が1→2→3→4→5と大きくなるか又は5→4→3→2→1と小さくなっている。つまり、パターン(4)とパターン(5)とでは、同じ目標休止率に移行されるまでの休止率の変化態様が異なっており、パターン(5)の方が目標休止率までゆっくりと移行されるようになっている。
燃焼休止制御の実施条件が成立した場合、マイコン31は、まず上昇パターンの休止率テーブルのいずれかを選択し、その選択した休止率テーブルの燃焼回数1〜N(N=m×n)までのデータに基づく燃焼/燃焼休止を1回実施する。上昇パターンの休止率テーブルの終了後、続いて同じ燃焼休止パターンにおける定常パターンを選択し、燃焼休止制御の実施条件が不成立になるまで、定常パターンの休止率データの燃焼回数1〜N(N=m)を繰り返し実施する。そして、燃焼休止制御の実施条件の不成立に伴い一部の気筒の燃焼休止を終了させる場合には、定常パターンの実施を中止し、今度は下降パターンの燃焼回数1〜N(N=m×n)までのデータに基づく燃焼/燃焼休止を1回実施した後、通常の点火制御に移行する。
次に、本実施形態の燃焼休止制御について、図5〜図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、図5を用いて燃焼休止制御の全体を説明する。この処理は、ECU30のマイコン31により所定周期毎に(例えば180°CA毎に)実施される。
図5において、まずステップS101では、クランク角センサ25により検出されるエンジン回転速度及びスロットル開度センサにより検出されるスロットル開度を読み込む。続くステップS102では、スピードリミットスイッチ28がオン/オフのいずれであるかを読み込むとともに、前輪速センサ26により検出される前輪速度Vf及び後輪速センサ27により検出される後輪速度Vbを読み込む。その後、ステップS103へ進み、図5に示す燃焼休止パターンの選択処理(休止パターン選択処理)のサブルーチンに移行する。
以下、休止パターン選択処理について図6〜図8を用いて詳細に説明する。なお、図6は休止パターン選択処理の処理手順を示すフローチャートであり、図7はパターン内選択処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、図8は下降パターン選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図6において、ステップS201〜S208は、燃焼休止を実行するか否かを判定するための処理である。本実施形態では、エンジン出力低下を図る際の緊急性に応じて、具体的には、エンジン回転速度、車輪スリップ、車速及びスピードリミットスイッチ28の操作状態に応じて燃焼休止制御を実施するための条件が定めてある。より具体的には、エンジン回転速度については、
(a1)エンジン回転速度NEがNE1よりも大きいこと
(a2)エンジン回転速度NEがNE1〜NE2の範囲内(NE1>NE2)にあること
の2つの条件を含んでおり、車輪スリップについては、
(b1)後輪速度Vbから前輪速度Vfを差し引いた値がΔV1よりも大きいこと(後輪のスリップを検出したこと)
(b2)後輪速度Vbから前輪速度Vfを差し引いた値がΔV1〜ΔV2の範囲内(ΔV1>ΔV2)であること
の2つの条件を含んでおり、車速については、
(c1)前輪速度VfがVf1よりも大きいか、又は後輪速度VbがVb1よりも大きいこと
(c2)前輪速度VfがVf1〜Vf2の範囲内(Vf1>Vf2)であるか、又は後輪速度VbがVb1〜Vb2の範囲内(Vb1>Vb2)であること
の2つの条件を含んでいる。さらに、スピードリミットスイッチ28の操作状態について、
(d1)スピードリミットスイッチ28がオン状態であり、かつ前輪速度VfがVf3よりも大きいか又は後輪速度VbがVb3よりも大きいこと
(d2)スピードリミットスイッチ28がオン状態であり、かつ前輪速度VfがVf3〜Vf4の範囲内(Vf3>Vf4)であるか、又は後輪速度VbがVb3〜Vb4の範囲内(Vb3>Vb4)であること
の2つの条件を含んでいる。そして、上記条件の少なくともいずれかが成立した場合に、エンジン出力低下を図る際の緊急性に応じて、上記の燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれかを選択し、その選択した燃焼休止パターンによりエンジン10の出力低下を図ることとしている。
(a1)エンジン回転速度NEがNE1よりも大きいこと
(a2)エンジン回転速度NEがNE1〜NE2の範囲内(NE1>NE2)にあること
の2つの条件を含んでおり、車輪スリップについては、
(b1)後輪速度Vbから前輪速度Vfを差し引いた値がΔV1よりも大きいこと(後輪のスリップを検出したこと)
(b2)後輪速度Vbから前輪速度Vfを差し引いた値がΔV1〜ΔV2の範囲内(ΔV1>ΔV2)であること
の2つの条件を含んでおり、車速については、
(c1)前輪速度VfがVf1よりも大きいか、又は後輪速度VbがVb1よりも大きいこと
(c2)前輪速度VfがVf1〜Vf2の範囲内(Vf1>Vf2)であるか、又は後輪速度VbがVb1〜Vb2の範囲内(Vb1>Vb2)であること
の2つの条件を含んでいる。さらに、スピードリミットスイッチ28の操作状態について、
(d1)スピードリミットスイッチ28がオン状態であり、かつ前輪速度VfがVf3よりも大きいか又は後輪速度VbがVb3よりも大きいこと
(d2)スピードリミットスイッチ28がオン状態であり、かつ前輪速度VfがVf3〜Vf4の範囲内(Vf3>Vf4)であるか、又は後輪速度VbがVb3〜Vb4の範囲内(Vb3>Vb4)であること
の2つの条件を含んでいる。そして、上記条件の少なくともいずれかが成立した場合に、エンジン出力低下を図る際の緊急性に応じて、上記の燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれかを選択し、その選択した燃焼休止パターンによりエンジン10の出力低下を図ることとしている。
すなわち、図6において、まずステップS201〜S204では、上記の(a1),(b1),(c1),(d1)の各条件が成立しているか否かを判定し、それら条件のいずれかが成立している場合には、ステップS209へ進み、燃焼休止パターン(1)(図3(1)参照)を選択する。(a1),(b1),(c1),(d1)の各条件の成立時はエンジン出力低下を図る緊急性が高いことから、燃焼休止パターン(1)〜(5)のうち、休止率が最も大きいパターン(1)を選択する。
ステップS205では、上記(a2)の条件が成立しているか否かを判定し、肯定判定される場合にはステップS210へ進み、燃焼休止パターンとしてパターン(2)を選択する。上記(a2)の条件は、車両の緊急性が比較的高いものの、(a1),(b1),(c1),(d1)の各条件に比べて車両の緊急性は低く、よって2番目に休止率が大きいパターン(2)を選択することとしている。
ステップS206では、上記(b2)の条件が成立しているか否かを判定し、肯定判定される場合にはステップS211へ進み、燃焼休止パターン(2)の次に休止率が高いパターン(3)を選択する。また、ステップS207では条件(c2)が成立しているか否かを判定し、ステップS208では条件(d2)が成立しているか否かを判定する。そして、ステップS207で肯定判定される場合にはステップS212へ進み燃焼休止パターン(4)を選択し、ステップS208で肯定判定される場合にはステップS213へ進み燃焼休止パターン(5)を選択する。条件(c2)と条件(d2)とを比較した場合、条件(c2)の方が車両の緊急性が高いと考えられる。したがって、条件(c2)の成立時には、休止率がほぼ同じパターン(4),(5)のうち、目標休止率への移行がより速やかなパターン(4)を選択し、条件(d2)の成立時には、目標休止率への移行が緩やかなパターン(5)を選択することとしている。
燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれかを選択した場合、ステップS214へ進み、図7に示すパターン内選択処理を実行する。このパターン内選択処理は、各燃焼休止パターンにおいて、定常パターンを選択するか又は過渡パターンを選択するかを決定する処理である。
すなわち、図7において、まずステップS301では、燃焼休止制御の実施条件(上記(a1)〜(d2)の各条件)の成立タイミングか否かを判定する。同実施条件の成立タイミングの場合には、ステップS302へ進み、失火パターン選択処理において選択した燃焼休止パターンの中の上昇パターンを選択する。一方、燃焼休止制御の実施条件の成立タイミングでない場合には、ステップS303において、燃焼休止制御の開始後、上昇パターンの休止用テーブルの実施が完了したか否か、具体的には、その休止用テーブルの燃焼回m×n番目のデータに基づく燃焼休止制御を実施したか否かを判定する。そして、上昇パターンの実施完了前であれば、ステップS302において、休止パターン選択処理で選択した燃焼休止パターンにおける上昇パターンを選択し、上昇パターンの実施完了後であればステップS304において、休止パターン選択処理で選択した燃焼休止パターンの中の定常パターンを選択する。なお、ステップS301で肯定判定された後ステップS302へ進んだとき、及びステップS304で上昇パターンから定常パターンに切り替えたときには、燃焼回iに1をセットする。
一方、図6において、ステップS201〜S208のいずれにおいても否定判定された場合にはステップS215へ進み、図8の下降パターン選択処理を実施する。この下降パターン選択処理では、まず、ステップS401において、燃焼休止制御の実施中であるか否かを判定し、燃焼休止制御の実施中でなければそのまま本処理を終了する。この場合、燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれも選択しない。一方、燃焼休止制御の実施中であれば、ステップS402へ進み、下降パターンに基づく燃焼休止制御の実施が完了したか否かを判定し、下降パターンに基づく燃焼休止制御の実施の完了前であればステップS403へ進み、現在選択されている燃焼休止パターンの中の下降パターンを選択する。このステップS403では、燃焼休止制御の実施条件が成立→不成立になったタイミングの場合には、燃焼回iに1をセットする。一方、下降パターンに基づく燃焼休止制御の実施完了後であれば、ステップS404へ進み、燃焼休止制御を終了させる。この場合、燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれも選択しない。
図5の説明に戻り、ステップS104では、図6の休止パターン選択処理において燃焼休止パターン(1)〜(5)のいずれかを選択したか否かを判定する。パターン(1)〜(5)のいずれも選択しなかった場合、つまり図8のステップS401で否定判定された場合か、又はステップS404の処理後の場合には、ステップS105へ進み、図示しない別ルーチンにより通常点火制御を実施し、本処理を終了する。一方、パターン(1)〜(5)のいずれかを選択した場合には、ステップS106以降の処理を実施する。
本実施形態では、燃焼休止制御において、休止気筒とする気筒に対して点火を行わないことにより、該気筒の燃焼を休止させることとしている。すなわち、ステップS106では、♯1気筒における点火/失火判定タイミングであるか否かを判定する。♯1気筒の点火/失火判定タイミングの場合には、ステップS107へ進み、今現在の燃焼回iに対応する燃焼休止データF(i)を読み出し、その読み出した燃焼休止データF(i)が1か0かを判定する。そして、燃焼休止データF(i)が0の場合には、ステップS108へ進み、♯1気筒の点火プラグ22に対して電圧印加を行い、これにより♯1気筒について火花点火を実施する。一方、燃焼休止データF(i)が1の場合には、ステップS109へ進み、♯1気筒の点火プラグ22に対して電圧印加を行わず、♯1気筒の点火を休止する。その後、ステップS110では、燃焼回iを1だけインクリメントする。そして本処理を終了する。
一方、♯1気筒の点火/失火判定タイミングでない場合には、ステップS111において♯2気筒における点火/失火判定タイミングであるか否かを判定する。このとき、♯2気筒の点火/失火判定タイミングの場合には、ステップS112において、今現在の燃焼回iに対応する燃焼休止データF(i)を読み出し、その読み出した燃焼休止データF(i)が1か0かを判定する。そして、燃焼休止データF(i)が0の場合には、ステップS113において♯2気筒の火花点火を実施し、燃焼休止データF(i)が1の場合には、ステップS114において♯2気筒の火花点火を休止する。
また、♯3気筒及び♯4気筒についても上記と同様の処理を行う。すなわち、♯2気筒の点火/失火タイミングでない場合には、ステップS115において♯3気筒における点火/失火判定タイミングであるか否かを判定する。このとき、♯3気筒の点火/失火判定タイミングの場合には、ステップS116において、今現在の燃焼回iに対応する燃焼休止データF(i)を読み出し、その読み出した燃焼休止データF(i)が1か0かを判定する。そして、燃焼休止データF(i)が0の場合には、ステップS117において♯3気筒の火花点火を実施し、燃焼休止データF(i)が1の場合には、ステップS118において♯3気筒の火花点火を休止する。一方、♯3気筒の点火/失火タイミングでない場合には、ステップS119において♯4気筒における点火/失火判定タイミングであるか否かを判定する。このとき、♯4気筒の点火/失火判定タイミングの場合には、ステップS120において、今現在の燃焼回iに対応する燃焼休止データF(i)を読み出し、その読み出した燃焼休止データF(i)が1か0かを判定する。そして、燃焼休止データF(i)が0の場合には、ステップS121において♯4気筒の火花点火を実施し、燃焼休止データF(i)が1の場合には、ステップS122において♯4気筒の火花点火を休止する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
燃焼休止制御を実施する場合の燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報を、一次元に配列した燃焼休止情報としてROM等の記憶手段に記憶する構成としたため、燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報をエンジン10の気筒番号に関係なく記憶手段に記憶しておくことができる。したがって、燃焼休止に関する記憶手段における情報量をできるだけ少なくすることができる。
また、燃焼休止情報は気筒番号に対応付けた情報でないため、燃焼休止制御の実施時において気筒番号との整合が不要であり、どのタイミングで燃焼休止制御の実施条件が成立したとしても、直ぐさま燃焼休止情報を用いた燃焼休止制御を実施することができる。
気筒番号との整合が不要であることから、燃焼休止制御を実施する際に最初に制御対象となる気筒をばらつかせることができ、ひいては、燃焼休止制御において燃焼を実施する気筒と燃焼を休止させる気筒とが偏るのを抑制することができる。
燃焼休止情報を一次元に配列された情報とすることで、1つの休止率テーブルあたりの記憶手段における情報量が少なくて済む。したがって、休止率が異なる複数のテーブルをできるだけ多く記憶しておくことができ、ひいては、エンジンや車両の運転状態に応じた最適な休止率で燃焼休止制御を実施することができる。
休止率を目標休止率に移行させる場合、中間休止率テーブルを用いる構成としたため、目標休止率までの移行を滑らかに行うことができる。また、中間休止率テーブルでは、中間休止率に関する情報が一次元で配列されているため、1つの燃焼休止パターンあたりの記憶手段における情報量をできるだけ少なくすることができ好適である。
中間休止率テーブルとして、目標休止率や、目標休止率に移行されるまでの間の休止率変化の緩急(休止率変化の傾き)が異なる複数のテーブルが記憶されているため、休止率を変更する際に、エンジン10や車両の運転状態に応じた目標休止率に移行させることができる。
中間休止率テーブルが、連続する燃焼の所定の燃焼回数mを単位区間UNとして構成されるとともに、その単位区間UNの繰り返しによって構成されているため、単位区間UNごとの休止気筒数を相違させることにより、中間休止率の変化を比較的容易に作り出すことができる。すなわち、単位区間UNにおける燃焼回数mを相違させることで、休止率を変更する際の休止率変化の粗密を任意に設定することができる。また、単位区間UNの繰り返し数nを相違させることで、目標休止率に移行されるまでの速さ(移行率)を任意に設定することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・目標休止率に移行するまでの休止率の変化態様を上昇パターンと下降パターンとで変更する。具体的には、単位区間UNの繰り返し数nを上昇パターンと下降パターンとで相違させることで、目標休止率までの休止率の変化の度合い(変化速度)を異なるものとする。あるいは、単位区間UNの繰り返し数nを上昇パターンと下降パターンとで同じにして、休止気筒の数の増減の態様を両者で相違させることで、目標休止率までの休止率の変化速度を異なるものとする。このとき、例えば、上昇パターンよりも下降パターンにおいて、目標休止率まで速やかに移行させるとよい。こうすることにより、燃焼休止制御から通常の全気筒燃焼制御への移行を速やかに実施することができる。
・燃焼休止パターンのうち、同じ休止率のパターン(4)とパターン(5)とで、単位区間UNにおける燃焼回m及び繰り返し数nを相違させたが、燃焼回mか繰り返し数nかのいずれかのみを相違させてもよい。このとき、燃焼回mを大きくするか、又は繰り返し数nを多くすることにより、目標休止率に移行されるまでの間の休止率変化を緩やかにする(休止率変化の傾きを小さくする)ことができる。
・燃焼休止制御を実施するための条件(上記の(a1)〜(d2))が燃焼休止制御の実施途中で変化し、これにより燃焼休止パターンを変える場合、現在選択している燃焼休止パターンの休止率を考慮して変更後のパターンに切り替える。こうすることにより、燃焼休止パターンの切り替え前後において休止率の変更を滑らかに実施することができる。このとき、異なる燃焼休止パターンへの切り替え用の休止率テーブルを記憶しておいてもよい。
・単位区間UNにおける燃焼回mをエンジン10の気筒数の倍数以外の数にする。こうすることにより、休止気筒となる気筒が偏るのを抑制することができ、その結果、シリンダ温度の低下に起因する燃焼のばらつきを抑制することができる。
・上記の燃焼休止パターン(1)〜(5)は一例であり、5つ未満又は5つよりも多くの燃焼休止パターンを記憶していてもよい。また、各パターンにおける休止率や休止率の変化態様は上記に限定せず、車両やエンジン10に応じて自在に設定可能である。
・燃焼休止制御において、休止気筒とする気筒に対して点火を行わないことにより燃焼休止させる構成としたが、休止気筒とする気筒に対して燃焼噴射を行わないことにより燃焼休止させる構成としてもよい。
10…エンジン、22…点火プラグ、23…点火装置、25…クランク角センサ、26…前輪速センサ、27…後輪速センサ、28…スピードリミットスイッチ、30…ECU、31…マイコン。
Claims (7)
- 多気筒エンジンにおいて少なくとも一部の気筒の燃焼を休止する燃焼休止制御を実施するエンジン制御装置であって、
前記燃焼休止制御を実施する場合における燃焼回ごとの燃焼又は燃焼休止に関する情報を一次元に配列した燃焼休止情報を記憶する休止情報記憶手段と、
前記燃焼休止制御を実施するための条件の成否を判定する実施判定手段と、
前記判定手段により前記燃焼休止制御を実施する旨判定された場合に、前記休止情報記憶手段により記憶される燃焼休止情報に基づいて前記燃焼休止制御を実施する休止制御手段と、
を備えることを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記休止情報記憶手段には、前記燃焼休止情報として、前記エンジンの燃焼を休止させる休止気筒の比率である休止率に応じて、前記エンジンの燃焼回ごとに燃焼気筒とするか又は燃焼休止気筒とするかを定めた休止率テーブルが複数記憶されており、
前記休止制御手段は、前記複数の休止率テーブルからいずれかを選択し、該選択した休止率テーブルに基づいて前記燃焼休止制御を実施する請求項1に記載のエンジン制御装置。 - 前記休止情報記憶手段には、前記休止率テーブルとして、前記休止率の変更を実施する際において目標休止率に移行されるまでの中間休止率が定められた中間休止率テーブルが記憶されており、
前記休止率の変更を実施するための条件の成否を判定する変更判定手段を備え、
前記休止制御手段は、前記変更判定手段により前記休止率を変更する旨判定された場合に前記中間休止率テーブルを選択し、該選択した中間休止率テーブルに基づいて前記燃焼休止制御を実施する請求項2に記載のエンジン制御装置。 - 前記休止率テーブルは、前記目標休止率が各々相違する複数の中間休止率テーブルを含む請求項3に記載のエンジン制御装置。
- 前記休止率テーブルは、前記中間休止率における前記休止率の変化態様が各々相違する複数の中間休止率テーブルを含む請求項3又は4に記載のエンジン制御装置。
- 前記中間休止率テーブルにおいて、前記目標休止率に移行するまでの中間休止率が、連続する燃焼の所定の燃焼回数を単位区間としてその単位区間ごとに休止気筒数を変更することで定められている請求項3乃至5のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
- 前記休止率テーブルは、前記休止率が一定である目標休止率テーブルを含み、
前記中間休止率テーブルは、前記単位区間の繰り返し数がn(nは2以上の整数)であり、前記目標休止率テーブルは、前記単位区間の繰り返し数が1である請求項6に記載のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2010067306A JP2011196357A (ja) | 2010-03-24 | 2010-03-24 | エンジン制御装置 |
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JP7435674B2 (ja) | 2016-12-16 | 2024-02-21 | トヨタ自動車株式会社 | 燃焼気筒比率の可変制御装置 |
-
2010
- 2010-03-24 JP JP2010067306A patent/JP2011196357A/ja active Pending
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