JP4514602B2 - 内燃機関の燃料カット制御方法 - Google Patents

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本発明は、車両の降坂走行などにおいて内燃機関にかかる負荷が軽くなった場合の燃料の供給を停止する燃料カットを、内燃機関の燃焼状態に応じて変更し得るようにする燃料カット制御方法に関するものである。
従来、乗用車などの車両に搭載される内燃機関すなわちエンジンにおいては、燃費の向上を図るとともに排気ガスの質の低下を防止するために、エンジンの運転状態に基づいて燃料の供給を停止する燃料カットを行うものが例えば特許文献1において知られている。この特許文献1のものでは、燃料カットを実行する基準となる燃料カットラインをエンジン回転数とエンジンの負荷パラメータに基づいて設定して、エンジンの燃料供給を制御している。
特開平06−213038号公報
ところで、車両が坂道を下る場合においては、エンジンが車輪を駆動せずに車輪がエンジンを回転させるエンジンの負荷がない状態(ノーロード状態)になることがある。このような運転状態では、エンジンの負荷は軽くなるが触媒が損傷しない程度の温度まで燃料の供給を継続して、ドライバビリティ低下を防止する場合がある。この場合、上述のように、負荷パラメータに基づいて燃料カットラインを設定しているものでは、触媒の過熱防止のための燃料供給のために燃料カットラインの設定が負荷の低い側に設定されて、燃料供給の行われる運転領域を広くしている。この結果、燃費が低下するとともに、燃料カットラインの設定如何によっては失火により触媒の過熱を招きかねないものである。
すなわち、燃料カットラインを実験値に基づいてエンジンの負荷のない運転状態よりも負荷パラメータ(例えば吸気圧)が下となる運転状態に設定しておき、燃料の供給を停止するまでに燃焼が不安定になったり失火したりすると、触媒の温度が上昇する傾向になり、あるいは失火によりアフターバーンが生じたりして排気ガスの有害成分が増加したりすることになる場合がある。
このように、燃料カットラインを実験値に基づいて設定すると、上述の燃焼が不安定になる(失火限界)あるいは失火すると言った運転状態がエンジン自体のばらつきや経年変化により異なるために、様々な不具合を生じるものとなる。例えば、経年変化により失火限界が変化して、失火限界が燃料カットラインより早く生じる場合には、本来はドライバビリティ低下を防止するべく燃料の供給が継続されている状態で失火状態となるので、未燃焼ガスが排出されて触媒が過熱状態になることがある。あるいはこのような失火状態を回避するために、燃料カットラインを高めすなわち大きな負荷に対して燃料カットラインを設定しておくと、エンジンの運転状態が上述のノーロード状態となるまでに燃料の供給が停止されるので、そのことによるトルク変動が大きくなり、ドライバビリティが低下するものとなる。
本発明は、以上のような不具合を解消するためになされたものである。
すなわち、本発明の内燃機関の燃料カット制御方法は、排気系に触媒を備えてなる内燃機関の少なくとも負荷に基づいて無負荷運転時の燃料カット条件を設定するものにおいて、内燃機関の燃焼室内に発生するイオン電流の発生期間を検出し、検出したイオン電流の発生期間に基づいて内燃機関の燃焼状態を検出し、吸気管圧力が燃料カット条件より所定圧だけ高く設定するゼロトルク条件以下で、かつ内燃機関の運転状態が設定された燃料カット条件を満たす場合に検出した燃焼状態が失火または失火限界でない場合には燃料カット条件をより負荷の小さい側に変更して燃料噴射を実行し、前記ゼロトルク条件以下で、かつ前記燃料カット条件を満たさない無負荷運転中に検出した燃焼状態が失火または失火限界である場合には燃料カット条件をより負荷の大きい側に変更して燃料カットを実行することを特徴とする。
このような構成によれば、燃焼室内に発生するイオン電流は、燃焼状態を的確に反映しており、燃焼状態が変化することによりその発生期間が変化する。したがって、イオン電流の発生期間を検出することにより内燃機関の燃焼状態を検出し、燃料の供給を停止する燃料カットのための燃料カット条件が成立している場合に、検出した内燃機関の燃焼状態から失火または失火限界がないことを判定すると、より負荷の小さい側に燃料カット条件を変更するので、燃料カットを適正なタイミングでなすことが可能になる。また、失火状態となる前に燃料カットを行うことによって、未燃焼ガスにより触媒が過熱される状態を回避することが可能になる。
燃料カットを実行するまでに失火が生じる場合に触媒の過熱を防止するためには、燃料カット条件に満たない無負荷運転中にイオン電流の発生期間により失火または失火限界を判定した場合には、燃料カットを実施するものが好適である。このような構成によれば、一つの燃焼行程において、失火または失火限界となる燃焼状態となっても、それらを判定した場合に燃料カットを実施するので、未燃焼ガス排出を防止することができ、よって触媒の過熱を防止することができる。
本発明は、以上に説明したように、イオン電流の発生期間を検出することにより検出する内燃機関の燃焼状態から失火または失火限界でないことを判定することができ、燃料の供給を停止する燃料カットのための燃料カット条件が成立している場合に失火または失火限界でない場合、検出した内燃機関の燃焼状態から燃料カット条件をより負荷の小さい側に変更するので、この後の燃料カットを適正なタイミングで行うことできる。このため、失火状態となる前に燃料カットを行うことによって、未燃焼ガスにより触媒が過熱される状態を回避することができる。また、燃料カット条件をより負荷の小さい側に変更することにより、トルクの変動を小さくすることができるので、ドライバビリティの低下を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に概略的に示したエンジン100は自動車用のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダルに応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、その下流側にはサージタンク3が設けられている。サージタンク3に連通する一方の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5が設けてあり、この燃料噴射弁5を、電子制御装置6により後述する基本噴射量に基づいて開成制御するようにしている。そして、燃焼室10の天井部分に対応する位置には、スパークプラグ18が取り付けてある。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定するためのO2センサ21が、図示しないマフラに至るまでの管路に配設された触媒22の上流の位置に取り付けられている。
電子制御装置6は、中央演算処理装置7と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インターフェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシステムを主体に構成されており、その入力インターフェース9には、サージタンク3内の圧力を検出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号a、エンジン100の回転状態を検出するためのカムポジションセンサ14から出力される気筒判別信号G1とクランク角度基準位置信号G2とエンジン回転数信号b、車速を検出するための車速センサ15から出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16からのLL信号d、エンジンの冷却水温を検出するための水温センサ17からの水温信号e、上記したO2センサ21からの電流信号hなどが入力される。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴射弁5に対して燃料噴射信号fが、またスパークプラグ18に対してイグニッションパルスgが出力されるようになっている。
またスパークプラグ18には、イオン電流を測定するためのバイアス用電源24及びイオン電流測定用回路25が接続されている。このバイアス用電源24を含むイオン電流測定用回路25それ自体は、当該分野で知られている種々のものが使用できる。バイアス用電源24は、点火後イオン電流を燃焼室10内に流すべく電圧をスパークプラグ18に印加する。また、イオン電流測定用回路25は、電気的に電子制御装置6の入力インターフェース9に接続され、電圧の印加により発生したイオン電流をアナログ的に計測し、発生したイオン電流に対応するアナログ信号を電子制御装置6に入力する。
電子制御装置6には、吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号aとカムポジションセンサ14から出力される回転数信号bとをおもな情報とし、エンジン状態に応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間を補正して有効噴射時間を求め、その有効噴射時間に基づいて燃料噴射弁開成時間すなわちインジェクタ最終通電時間を決定し、その決定された通電時間により燃料噴射弁5を制御して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から吸気系1に噴射させるためのプログラムが内蔵してある。
また、このようにエンジン100の運転を制御する一方、エンジン100の少なくとも負荷に基づいて無負荷運転時の燃料カット条件を設定するものにおいて、エンジン100の燃焼室10内に発生するイオン電流の発生期間を検出し、検出したイオン電流の発生に基づいてのエンジン100燃焼状態を検出し、吸気管圧力が燃料カット条件より所定圧だけ高く設定するゼロトルク条件以下で、かつエンジン100の運転状態が設定された燃料カット条件を満たす場合に検出した燃焼状態が失火または失火限界でない場合には燃料カット条件をより負荷の小さい側に変更して燃料噴射を実行し、前記ゼロトルク条件以下で、かつ前記燃料カット条件を満たさない無負荷運転中に検出した燃焼状態が失火または失火限界である場合には燃料カット条件をより負荷の大きい側に変更して燃料カットを実行するプログラムが電子制御装置6に内蔵してある。
このイオン電流による燃料カット制御プログラムの概要は、図2に示すようなものである。この燃料カット制御プログラムの説明に先立って、イオン電流の発生期間P(以下、イオン発生期間Pと称する)について、図3を交えて説明する。
イオン電流は、混合気の燃焼状態に応じて、その大きさ(電流値)と発生している期間が異なってくるもので、その電流波形は燃焼状態を反映するものである。この実施形態においては、点火開始から、クランク角度で360°経過するまでをイオン電流検出期間として設定しておき、点火開始からイオン電流が最終的に消滅するまでの期間をイオン発生期間Pとしてクランク角度に換算して計測するものである。イオン電流の電流波形を大別すると、図3に示すようになる。
まず、図3の(a)に示すものは、燃焼状態が良好な場合に検出されるイオン電流波形である。このイオン電流波形は、点火直後に急峻な変化を呈した後、膨張行程における上死点TDC付近、言い換えれば燃焼圧が最大となるピストンの位置において最大となり、その後はピストンの降下とともに減少するものである。この例の場合、イオン電流波形から把握することができるイオン発生期間Pは、イオン電流が消滅する第一クランク角T1までとなる。なお、このような良好な燃焼状態において、排気行程が始まるつまりピストンが下死BDC点近傍にある状態で、一旦消滅したイオン電流が排気行程において排気ガスの流速が変化することで再度発生することがある(図3の(a)に点線で示す)。このような場合においては、再度発生したイオン電流の発生している期間を、図3の(a)に示すイオン発生期間Pに加算したものをイオン発生期間Pとするものである。
上述のような燃焼状態が良好な場合に対して、燃焼状態が不安定になる、つまり燃焼状態が失火する限界(失火限界)に近づくと、イオン電流波形は、図3の(b)に示すように、電流値が最大となるピーク波形を示さずにほぼ同程度の電流値を、長期にわたってつまりイオン電流検出期間にほぼ一致する期間、示したままの形状となる。この例の場合、イオン電流波形から把握することができるイオン発生期間Pは、イオン電流が消滅する第二クランク角T2までとなる。あるいは図3の(c)に示すように、ピーク波形が良好な燃焼状態のイオン電流波形のように高くならずに、極端に小さなままでしかも短時間(点火開始から第3クランク角T3まで)において消滅するイオン電流波形を呈する場合は、完全には失火していないが失火とみなせる燃焼状態である。この例の場合、イオン電流波形から把握することができるイオン電流の発生期間Pは、イオン電流が消滅する第三クランク角T3までとなる。
なお、図3においては、良好な燃焼状態の場合と良好ではなく不安定もしくは低下した燃焼状態の場合との典型的なイオン電流波形を示したが、例えば、燃焼状態が低下している場合、イオン電流値が良好な燃焼状態の場合に比較して小さい状態で、イオン電流が発生と消滅とを繰り返して、連続したイオン電流波形ではなく断続したイオン電流波形を呈することがある。このような場合、イオン発生期間Pは、イオン電流が発生している期間を合計したものとする。
イオン電流の検出(測定)は、各気筒において点火毎に実行する。点火の後、スパークプラグ18にバイアス用電源24からバイアス電圧が印加され、これによってスパークプラグ18を介して燃焼室10内に発生するイオン電流をイオン電流測定用回路25により検出(測定)するものである。イオン電流測定用回路25は、イオン電流の電流値に対応するイオン電流信号を電子制御装置6に出力する。そして、電子制御装置6は、入力されたイオン電流信号から、イオン発生期間Pを測定する。
具体的には、例えば点火から360°CA(クランク角度)で設定されるイオン電流検出期間内において、イオン電流の検出を行う。イオン電流検出期間においては、上述のように、イオン電流信号からイオン発生期間Pを測定する。この場合に、イオン電流が断続して発生する場合には、断続して発生したそれぞれの期間を測定し、それらの期間を合計してその時のイオン発生期間Pとするものである。また、イオン電流検出期間を過ぎて発生している場合は、イオン電流検出期間をイオン発生期間Pとするものである。
イオン電流の検出方法の一例として、次に説明するものが挙げられる。点火プラグ18を介してイオン電流測定用回路25から出力されるイオン電流と、イオン電流を検出し得るように設定する基準レベルとを比較し、その基準レベル以上となる電流値のイオン電流が発生している角度を、イオン電流検出期間内において計測して、イオン電流を検出するものである。この場合、イオン電流が基準レベル以上となった時点からカムポジションセンサ14から出力されるクランク角度基準位置信号G2を計数し、イオン電流が基準レベル未満となった時点でクランク角度基準位置信号G2の計数を停止し、イオン発生期間Pを計測するものである。計測したイオン電流の発生期間Pは、一時的に記憶装置8に保存される。なお、基準レベルは、燃焼状態が低下している場合に、排気行程において発生している電流値の小さいイオン電流をも検出し得るような小さい値に設定してある。
以上のようにしてイオン発生期間Pを測定するものにあって、燃料カット制御は、以下に説明する手順により実行する。
まず、ステップS1において、エンジン100の運転状態が、負荷に基づく軽燃料カット条件LFCに所定の条件を付加した負荷判定条件を満たすか否かを判定する。この判定は、エンジン100に負荷がかかっていないノーロード状態の運転状態であるか否かを判定するものであって、図4に示すように、吸気管圧力PMとエンジン回転数NEとで設定される軽燃料カット条件LFCよりエンジン回転数NEのほぼ全域において吸気管圧力PMをほぼ所定圧αだけ高くしたノーロードあるいはゼロトルク条件LZTを演算し、検出した吸気管圧力PMつまり負荷がこのゼロトルク条件LZT以下の場合に負荷判定条件を満たすと判定するものである。軽燃料カット条件LFCは、エンジン回転数NEに基づいて設定される減速時の燃料カット条件とは異なり、エンジン100の負荷が軽くなったつまりエンジン100が走行中に車輪の回転により駆動されるような運転状態となった場合に、燃料の供給を停止してもトルク変動などが生じないように、吸気管圧力PMとエンジン回転数NEとにより設定されるものである。
この負荷判定条件を満たさない場合、つまりエンジン100の駆動力が車輪に伝達されている運転状態にあっては、ステップS2において、燃料カットを行わずに燃料噴射を実行するものである。これに対して、ステップS1において、負荷判定条件を満たすと判定した、つまり車両が坂道を減速しながら下る走行状態、言い換えればエンジン100が車輪の回転により駆動されている走行状態となる場合には、ステップS3において、負荷に基づく軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PM以下であるか否かを判定する。すなわち、エンジン100の運転状態を示す吸気管圧力PMがこの時点のエンジン回転数NEに等しい、軽燃料カット条件LFCにおけるエンジン回転数NEに対応する吸気管圧力PM以下であるか否かを判定して、エンジン100の運転状態が軽燃料カット条件LFCを満たしているか否かを判定するものである。
ステップS3において、軽燃料カット条件LFCを満たしていると判定した場合は、ステップS4において、イオン発生期間Pの変動が大きいか否かを判定する。通常、イオン発生期間Pは、×印で図5に示すように、同一エンジン回転数NEにおいて吸気管圧力PMが変化するつまり負荷が変化することにより、変動を生じることがある。このような変動は、エンジン100の運転状態を負荷つまり吸気管圧力PMで考えた場合に、吸気管圧力PMがゼロトルク条件LZTの近傍にある場合に大きくなるものである。そして、この判定において、イオン発生期間Pの変動が大きいと判定した場合は、失火あるいは失火限界に至る可能性が大であるので、ステップS5において、燃料カットを実施し、失火の発生を防止するものである。なお、イオン発生期間Pの変動は、複数のイオン発生期間Pを統計処理して得られる変動率や、移動平均と今回測定したイオン発生期間Pとの差分の大きさなどに基づいて判定するものである。
一方、ステップS4において、イオン発生期間Pの変動が小さいと判定した場合は、ステップS6においてイオン発生期間Pが下限設定値を下回るか否かを判定する。すなわち、このステップS6における判定は、失火とみなせる燃焼状態を判定するための下限設定値を設定しておき、測定したイオン発生期間Pが極端に短いが変動の判定には影響を与えなかった場合に、失火が生じる前に燃料カットを実施するためのものである。同様に、ステップS7においてイオン発生期間Pが上限設定値を上回るか否かを判定する。すなわち、このステップS7における判定は、失火限界を判定するための上限設定値を設定しておき、測定したイオン発生期間Pが極端に長いが変動の判定には影響を与えなかった場合に、失火限界となる前に燃料カットを実施するためのものである。
ステップS6及びステップS7において、判定条件を満たしていないと判定した場合、つまりエンジン100の運転状態が安定していると判定した場合にはステップS8において、軽燃料カット条件LFCにおけるこの時点の吸気管圧力PMの設定値を所定値だけ小さくして、吸気管圧力PMの設定値として更新して設定する(電子制御装置6の記憶装置7に保存する)。このようにして軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PMの設定値を学習した後、ステップS2において燃料噴射を実行する。
次に、ステップS3においてエンジン100が軽燃料カット条件LFCを満たしている運転状態であると判定した場合、つまりゼロトルク条件LZTにおける吸気管圧力PMの設定値以下の吸気管圧力PMでエンジン100が運転されている場合で、かつ軽燃料カット条件LFCを満たしていない場合は、ステップS9において、ステップS4と同様にイオン発生期間Pの変動が大きいか否かを判定する。そして、このような無負荷の運転状態において軽燃料カット条件LFCを満たしていない場合、言い換えれば軽燃料カット条件LFCを満たしていない無負荷運転状態ではステップS10において、軽燃料カット条件LFCにおけるこの時点の吸気管圧力PMの設定値を上記所定値とは異なる所定値だけ大きくして、吸気管圧力PMの設定値として更新して設定する(電子制御装置6の記憶装置7に保存する)。このようにして軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PMの設定値を学習した後、ステップS5において燃料カットを実行して、燃焼状態の低下により触媒が過熱されるのを防止する。
また、ステップS9においてイオン発生期間Pの変動が大きくないと判定した場合には、ステップS11において、ステップS6と同様にイオン発生期間Pが下限設定値を下回っているか否かを判定する。判定の結果、イオン発生期間Pが下限設定値を下回っている場合には、ステップS10及びステップS5を実行する。これとは逆に、イオン発生期間Pが下限設定値以上であると判定した場合には、ステップS12においてイオン発生期間Pが上限設定値を上回っているか否かを判定し、上回っていると判定した場合はステップS10及びステップS5を実行する。一方、ステップS12において、イオン発生期間Pが上限設定値以下であると判定した場合は、ステップS13において燃料噴射を実行する。なお、ステップS9、ステップS11及びステップS12における判定基準となるそれぞれの値は、ステップS4、ステップS6及びステップS7における判定基準となるそれぞれの値と同じであってよい。
このような構成において、車両がエンジン100の駆動力により走行している負荷運転状態の場合で、エンジン100の運転状態がゼロトルク条件LZTで規定される運転領域(図4における第一領域Z1)に当てはまる場合は、制御は、ステップS1及びステップS2を実行して、燃料カットは実施しない。
車両が例えば降坂走行をしており、エンジン100が車輪の回転により回転しているエンジン100に負荷がかかっていない無負荷運転状態で、エンジン100の運転状態がゼロトルク条件LZTと軽燃料カット条件LFCとで規定される運転領域(図4における第二領域Z2)に当てはまる場合は、制御は、ステップS1、ステップS3を実行し、イオン発生期間Pの状態つまり燃焼状態に基づいて燃焼状態が低下している場合には軽燃料カット条件LFCの学習を実行するとともに燃料カットを実施する。すなわち、燃焼状態が低下して測定したイオン発生期間Pの変動が大きい(ステップS9において「Yes」の判定)場合は、時間の経過とともに燃焼が不安定になってきているつまり失火もしくは失火限界の運転状態に近づいていると判定して、ステップS10において軽燃料カット条件LFCの学習を実行するとともに燃料カットを実施する。
これに対して、イオン発生期間Pの変動は小さいが、今回測定されたイオン発生期間Pそれ自体が下限設定値を下回るか(ステップS11において「Yes」の判定)、あるいはイオン発生期間Pが上限設定値を上回る(ステップS12において「Yes」の判定)燃焼状態である場合は、変動が大きい場合と同じく失火もしくは失火限界の運転状態に近づいていると判定して、ステップS10において軽燃料カット条件LFCの学習を実行するとともに燃料カットを実施する。
したがって、エンジン100が無負荷運転状態で軽燃料カット条件LFCを満たさない場合に、イオン発生期間Pに基づいて判定した燃焼状態に応じて失火となる前または失火限界となる前に燃料カットを実施するので、単発的な失火や失火限界に至りそうな運転状態で燃料カットが実施でき、未燃焼ガスの排出により触媒22が過熱することを防止することができる。しかも、軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PMの設定値を高くして学習して燃料カットを実施するので、次回からの燃料カットのタイミングを適正なものにすることができる。
次に、エンジン100が無負荷運転状態で、しかも軽燃料カット条件LFCを満たす運転状態(図4における第三領域Z3)となった場合(ステップS3において「Yes」の判定)、イオン発生期間Pの変動が大きくなく(ステップS4において「No」の判定)、イオン発生期間Pが下限設定値以上であり(ステップS5において「No」の判定)、かつイオン発生期間Pが上限設定値以下である(ステップS6において「No」の判定)燃焼状態であるならば、燃料カットを実行する運転状態ではあるが燃焼状態が良好であると判定して、燃料カットは実施せずに燃料噴射を実行する(ステップS2)ものである。またこの場合、このような運転状態において燃焼状態が低下しないことから、軽燃料カット条件LFCを引き下げて学習するものである。
したがって、失火または失火限界となる前にイオン発生期間Pによりそのような燃焼状態を検出することができ、軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PMの設定値を低くして学習して燃料カットを実施するので、未燃焼ガスが触媒22に達することを防止しでき、触媒22が過熱することやドライバビリティが低下を確実に防止することができる。しかも、軽燃料カット条件LFCにおける吸気管圧力PMの設定値は、運転状態と燃焼状態とに基づいて低く補正して学習(保存)するので、同様の運転状態及び燃焼状態となった場合に、燃料カットのタイミングを適正なものにすることができる。
なお、上記実施形態においては、イオン電流が不連続に発生する場合には、消滅している期間を除いてイオン電流が発生しているそれぞれのイオン発生期間Pの合計値をイオン発生期間Pとするものを説明したが、点火開始からイオン電流検出期間が終了するまでに発生した最後のイオン電流が消滅した時点までのクランク角度換算値をイオン発生期間Pとするものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の実施形態におけるエンジン及び電子制御装置の概略構成を示す概略構成説明図。 同実施形態の制御手順を示すフローチャート。 同実施形態のイオン電流の電流波形を示すグラフ。 同実施形態の燃料カット条件とゼロトルク条件との関係を示すグラフ。 同実施形態のイオン発生期間Pの変動を示すグラフ。
符号の説明
6…電子制御装置
7…中央演算処理装置
8…記憶装置
9…入力インターフェース
11…出力インターフェース
10…燃焼室
20…排気系
22…触媒
P…イオン電流の発生期間
LFC…燃料カット条件

Claims (1)

  1. 排気系に触媒を備えてなる内燃機関の少なくとも負荷に基づいて無負荷運転時の燃料カット条件を設定するものにおいて、
    内燃機関の燃焼室内に発生するイオン電流の発生期間を検出し、
    検出したイオン電流の発生期間に基づいて内燃機関の燃焼状態を検出し、
    吸気管圧力が燃料カット条件より所定圧だけ高く設定するゼロトルク条件以下で、かつ内燃機関の運転状態が設定された燃料カット条件を満たす場合に検出した燃焼状態が失火または失火限界でない場合には燃料カット条件をより負荷の小さい側に変更して燃料噴射を実行し、
    前記ゼロトルク条件以下で、かつ前記燃料カット条件を満たさない無負荷運転中に検出した燃焼状態が失火または失火限界である場合には燃料カット条件をより負荷の大きい側に変更して燃料カットを実行する内燃機関の燃料カット制御方法。
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