JPH08254140A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JPH08254140A
JPH08254140A JP5777595A JP5777595A JPH08254140A JP H08254140 A JPH08254140 A JP H08254140A JP 5777595 A JP5777595 A JP 5777595A JP 5777595 A JP5777595 A JP 5777595A JP H08254140 A JPH08254140 A JP H08254140A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
fuel cut
delay time
fuel
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Application number
JP5777595A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Tanei
克敏 種井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車載用内燃機関の燃料噴射量を制御
する燃料噴射量制御装置に関し、触媒の過熱防止と、減
速ショックの抑制とを両立しつつ、燃料カットを実行す
ることを目的とする。 【構成】 燃料カット条件が成立した後、スロットルバ
ルブをバイパスする通路の導通を制御するISCVの開
度を徐々に減少せしめ、その開度がアイドル回転数の維
持に必要な開度にまで減少した時点で燃料カットを開始
する。機関回転数NEが3000rpm 以上、かつ、吸入
空気量のなまし値QASMが30リットル/sec以上の場合は
(ステップ102、104)、既に触媒が保証温度近傍
に昇温していると判断し、ISCV開度の初期値INI
TBに小さい値を、その減少幅DDPDECに大きな値
を設定する(ステップ106,108)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射量
制御装置に係り、特に、車載用内燃機関の燃料噴射量を
制御する装置として好適な、内燃機関の燃料噴射量制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車載用内燃機関においては、
所定条件下で燃料の供給を停止する、いわゆる燃料カッ
トが広く行われている。この燃料カットは、例えば、高
回転運転中にスロットルバルブが全閉にされたような場
合に、機関回転数がアイドル回転数近傍に低下するまで
の間実行される。この場合、内燃機関に対して何ら出力
が要求されない状況下で、無駄に燃料が噴射されること
がなく、優れた燃費特性を実現することができる。
【0003】ところで、内燃機関において燃料カットが
実行されると、燃料カットの開始前後で出力トルクに段
階的な変化が生ずる。このため、例えば、内燃機関にお
いて高負荷・高回転運転が実行されていた状態から、急
激にスロットルバルブが閉じられたような場合に、その
直後から燃料カットが実行されるとすれば、燃料カット
に伴う出力変動が顕著に車両に伝達され、車両の乗り心
地を損なう事態が生ずる。
【0004】これに対して、特公昭60−2504号公
報は、車両において燃料カット条件が成立した場合に、
その後、所定の遅延時間の経過を待って燃料カットの実
行を開始する燃料噴射装置を開示している。この場合、
内燃機関が高負荷・高回転状態である状況からスロット
ルバルブが全閉とされても、その後、遅延時間が経過す
るまでは燃料カットが開始されず、燃料カットが実際に
開始されるのは、内燃機関の出力トルクが適当に減衰し
た後となる。このため、燃料カットの開始前後における
出力変動が抑制され、車両において良好な乗り心地が維
持される。
【0005】このように、上記公報記載の燃料噴射量制
御装置の如く、燃料カット条件の成立後、所定の遅延時
間が経過した時点で燃料カットを開始することとすれ
ば、何ら車両の乗り心地を損なうことなく、無駄な燃料
噴射を無くして良好な燃費特性を確保することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車載用内燃
機関は、その排気通路中に、排気ガスを浄化するため触
媒を備えている。ここで、触媒には、正常な状態を維持
し得る保証温度が設定されているため、車載用内燃機関
においては、触媒がその保証温度を越えて過熱状態とな
らないように、排気ガス温度を制御することが必要であ
る。
【0007】これに対して、上記従来の燃料噴射量制御
装置において、燃料カット条件が成立した後、燃料カッ
トが開始されるまでの間、すなわち、燃料カット条件が
成立した後、所定の遅延時間が経過するまでの間は、燃
焼室内における燃焼が不安定となり、未燃成分を多量に
含む排気ガスが排気通路中に排出され易い状態となる。
そして、上記の如く、未燃成分を多量に含む排気ガスが
排気通路中に排出されると、触媒における燃料の燃焼
(いわゆる後燃え)が生ずる。
【0008】このため、上記従来の燃料噴射量制御装置
を搭載する内燃機関においては、触媒が保証温度近傍に
まで昇温している状況下で燃料カット条件が成立する
と、その後、所定の遅延時間が経過するまでの間に、触
媒が過熱状態となるおそれが生ずる。この意味で、上記
従来の燃料噴射量制御装置は、触媒の保護を図るという
点では必ずしも適切なものではなかった。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、燃料カット条件が成立した後、燃料カットを開
始するまでの間に確保すべき遅延時間を、触媒の温度を
考慮したうえで設定することにより、上記の課題を解決
し得る内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、燃料カッ
ト条件の成立後、所定の遅延時間の経過時に燃料カット
を開始する内燃機関の燃料噴射量制御装置において、内
燃機関の排気通路中に配設される触媒の温度を推定する
触媒温度推定手段と、該触媒が高温であるほど前記遅延
時間を短く設定する遅延時間設定手段と、を備える内燃
機関の燃料噴射量制御装置により達成される。
【0011】
【作用】本発明において、燃料カットは、燃料カット条
件が成立した後、前記遅延時間設定手段によって設定さ
れた遅延時間の経過後に開始される。この際、前記遅延
時間設定手段は、触媒温度推定手段の推定結果に基づい
て、触媒温度が高いほど遅延時間を短時間に設定する。
【0012】この場合、触媒が比較的低温であり、燃料
の後燃えが生じても触媒が過熱状態とならない場合は、
十分な遅延時間の後に燃料カットが開始され、車両にお
いて良好な乗り心地が確保される。また、触媒が比較的
高温であり、燃料の後燃えが生ずると触媒が過熱状態に
陥るおそれがある場合は、短い遅延時間の後に燃料カッ
トが開始され、乗り心地の確保と触媒の過熱防止との両
立が図られる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である燃料噴射量
制御装置を備えた内燃機関10の全体構成図を示す。同
図に示す如く、内燃機関10の吸気ポートには、吸気枝
管12を介してサージタンク14が連通している。ま
た、サージタンク14の上流側には、図示されないエア
フィルタに通じる吸気管16が連通している。
【0014】サージタンク14には、その内圧PMを検
出する吸気圧センサ18が配設されている。また、吸気
管16の内部には、アクセルペダルと連動して吸入空気
量を制御するスロットルバルブ20が組み込まれてい
る。ここで、サージタンク14内の圧力PMは、スロッ
トルバルブ20の開度が小さく、吸気管16内を流通す
る空気量が少量であるほど低圧となり、また、スロット
ルバルブ20の開度が大きく、吸気管16内を流通する
空気量が多量であるほど大気圧に近づく。従って、吸気
圧センサ18の出力値である圧力PMは、吸気管16の
内部を流通する空気量の代用特性値として把握すること
ができる。
【0015】吸気管16の、スロットルバルブ20の近
傍には、スロットルバルブ20の開度TAを検出するス
ロットルセンサ22が配設されている。また、吸気管1
6には、スロットルバルブ20をバイパスして、スロッ
トルバルブ20の上流とサージタンク14とを連通する
バイパス通路24が併設されている。そして、バイパス
通路24には、バイパス通路24の導通状態を制御する
アイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)26
が配設されている。
【0016】従って、スロットルバルブ20が全閉の場
合、すなわち内燃機関10がアイドル状態である場合
は、ISCV26の開度に応じた量の空気が内燃機関1
0に供給されることになる。尚、ISCV26は、供給
される駆動信号のデューティ比に応じた開度を実現する
バルブである。従って、バイパス通路24の有効開口面
積は、ISCV26へ供給する駆動信号のデューティ比
を制御することで、容易に制御することができる。
【0017】吸気枝管12には、内燃機関10に対して
所定量の燃料を噴射するインジェクタ28が配設されて
いる。インジェクタ28は、駆動信号が供給されている
間だけ開弁する電磁弁であり、内燃機関10の運転中
は、図示しない燃料ポンプより常に所定圧力の燃料の供
給を受けている。従って、インジェクタ28からは、駆
動信号の供給時間TAUに応じた燃料が噴射される。
尚、以下の記載においては、便宜上、駆動信号の供給時
間TAUを、インジェクタ28における燃料噴射量と同
義に扱う。
【0018】また、内燃機関10の排気ポートには、排
気枝管30を介してマニホールドコンバータ(以下、マ
ニバータと称す)32が連通している。マニバータ32
は、排気ガス中の未燃成分または酸化物を、酸化または
還元することにより排気ガスを浄化する触媒であり、排
気枝管30の直下に配設されている。このため、マニバ
ータ32は、排気ガスにより加熱され易い状態にある。
【0019】ところで、上述した吸気圧センサ18、ス
ロットルセンサ22、ISCV26、インジェクタ28
は、本実施例の要部である電子制御ユニット(以下、E
CUと称す)34に接続されている。ECU34には、
また、内燃機関10の機関回転数NEを検出するNEセ
ンサ36が接続されている。
【0020】ECU34は、内燃機関10の運転状態に
応じて燃料噴射量TAUを制御し、また、ISCV26
の開度を制御する装置であるが、本実施例の燃料噴射量
制御装置は、特に、ECU34が、後述するルーチンに
従って燃料カットの処理を行う点に特徴を有している。
【0021】以下、図2乃至図5を参照して、本実施例
の燃料噴射量制御装置の特徴的動作について説明する。
図2は、内燃機関10において燃料カットが開始される
前後のISCV開度(同図(A))、及び燃料カットの
実行状態(同図(B))を表すタイムチャートを示す。
同図において時刻t0 は、スロットルバルブ20が急激
に全閉とされた時刻であり、また、時刻t1 は、その変
化を受けて燃料カットが開始された時刻である。
【0022】すなわち、本実施例においては、図2
(A)中時刻t0 以前に示す如く、スロットルバルブ2
0が全閉とされる前は、ISCV26に、所望のアイド
ル回転数を確保するために必要な開度(以下、アイドル
開度と称す)と、後述するダッシュポット機能を実現す
るために必要な開度(以下、ダッシュポット開度と称
す)との和に相当する開度が与えられている。そして、
スロットルバルブ20が全閉とされた後、ダッシュポッ
ト開度分を徐々に減少させて、やがてISCV開度をア
イドル開度に一致させることとしている。
【0023】この場合、内燃機関10が高負荷・高回転
運転を行っている状況下で、スロットルバルブ20が急
閉されると、その後、吸入空気量は、急減することなく
徐々にアイドル回転数を確保するために必要な流量にま
で減少せられる。このため、内燃機関10においては、
スロットルバルブ20が急閉された際に大きな減速ショ
ックが生ずることがなく、車両において良好な乗り心地
を維持することができる。尚、本実施例においては、上
記の如く減速時に吸入空気量を徐々に減少させる機能を
ダッシュポット機能と称する。
【0024】また、本実施例においては、後述する他の
条件が満たされていることを前提として、ISCV開度
がアイドル開度に到達した時点(図2(B)中時刻
1 )で、燃料カット(F/C)の実行を開始すること
としている。スロットルバルブ20が全閉となるのは、
内燃機関10に対して出力が要求されていない場合であ
り、かかる状況下では燃料を供給する必要がないからで
ある。
【0025】この際、図2中に時刻t0 〜t1 で示す期
間、すなわち、ISCV開度中のダッシュポット開度の
減少期間は、内燃機関10における減速ショックを和ら
げるため、その際に吸気管16内を流通する空気量に応
じたTAUを設定し、インジェクタ28により燃料を供
給することとしている。従って、内燃機関10において
は、ISCV26のダッシュポット開度が、初期値から
“0”となるのに要する時間が、スロットルバルブ20
が全閉とされてから燃料カットが開始されるまでの遅延
時間として与えられることになる。
【0026】この場合において、スロットルバルブ20
が全閉とされた後、燃料カットが開始されるまでの間、
すなわち、遅延時間が経過するまでの間は、吸入空気量
の急変を伴う過渡的な期間であり、燃料の燃焼が不安定
となる。このため、かかる期間中は、内燃機関10にお
いて失火を生じ易く、燃料の未燃成分を多量に含む排気
ガスがマニバータ32に供給されてマニバータ32にお
ける燃料の後燃えが生じ易くなる。ここで、かかる燃料
の後燃えが、マニバータ32、すなわち排気通路中の触
媒を過熱状態とする原因となることは前記した通りであ
る。
【0027】これに対して、本実施例は、マニバータ3
2の温度を推定し、その推定温度に基づいてダッシュポ
ット開度の初期値および減衰速度を設定し、スロットル
バルブ20が全閉とされた際に既にマニバータ32が高
温である場合は燃料カットが開始されるまでの遅延時間
を短く、一方、スロットルバルブ20が全閉とされた際
にマニバータ32が高温でない場合は遅延時間を長く設
定することとした点に特徴を有している。
【0028】図3は、上記の機能を実現すべくECU3
4が実行するダッシュポット条件設定ルーチンの一例の
フローチャートである。尚、本ルーチンは、内燃機関1
0が180°CA 回転する毎に起動されるルーチンで
ある。図3に示す如く、本ルーチンが起動されると、先
ずステップ100において、初期値セット条件が成立し
ているか否かの判別を行う。本実施例においては、内燃
機関10が適当な負荷を伴って運転されている場合、す
なわち、機関回転数NEが所定値NE0 以上、かつ、吸
気圧PMが所定圧PM0 以上である場合に、上記初期値
セット条件が成立すると判別される。
【0029】上記ステップ100において、初期値セッ
ト条件が成立していると判別された場合は、以後、マニ
バータ32の温度に応じた条件設定を行うべく、ステッ
プ102へ進む。一方、初期値セット条件が不成立であ
ると判別された場合は、以後、何ら処理を行うことなく
今回のルーチンを終了する。
【0030】ステップ102、及び104は、マニバー
タ32の温度を推定するためのステップであり、それぞ
れ機関回転数NEが3000 rpm以上であるか、又は吸
入空気量のなまし値QASMが30リットル/sec以上である
かの判別を行う。すなわち、マニバータ32の温度は、
排気ガスの温度によって変動し、内燃機関10において
NE≧3000 rpm、及びQASM≧30リットル/secが共
に成立する程度の高負荷・高回転運転が行われている場
合は、マニバータ32が保証温度近くまで昇温されてい
ると推認することができる。一方、NE≧3000 rp
m、QASM≧30リットル/secの双方、又は何れかが不成
立である場合は、排気ガスがさほど高温でないと推定で
き、マニバータ32が保証温度近くにまでは昇温してい
ないと推認することができる。
【0031】このようにしてマニバータ32の昇温状態
を推定したら、その推定結果に応じてダッシュポット条
件の設定を行う。すなわち、上記ステップ102、10
4の条件が共に成立する場合は、マニバータ32が高温
であると判断してステップ106へ進み、ダッシュポッ
ト開度の初期値INITBに5%、ダッシュポット開度
の減少幅DDPDECに0.781%をそれぞれ代入し
て今回のルーチンを終了する。
【0032】また、上記ステップ102、104の何れ
の条件が不成立である場合は、マニバータ32がさほど
高温でないと判断してスッテップ108へ進み、ダッシ
ュポット開度の初期値INITBに16%、ダッシュポ
ット開度の減少幅DDPDECに0.488%をそれぞ
れ代入して今回のルーチンを終了する。
【0033】尚、上記ステップ102,104で用いた
NE≧3000 rpm、QASM≧30リットル/secの条件
は、予め実験的に定めた内燃機関10の運転状態とマニ
バータ32の温度との関係に基づいて設定した条件であ
る。このようにして設定されたダッシュポット条件は、
ECU34が図4に示すダッシュポット減衰ルーチンを
実行することにより、本実施例の燃料噴射量制御装置の
機能として反映される。尚、図4に示すダッシュポット
減衰ルーチンは、例えば32msec毎に起動される定時割
り込みルーチンである。
【0034】図4に示す如く、本ルーチンが起動する
と、先ずステップ200においてDDP減衰条件が成立
しているかが判別される。このDDP減衰条件は、IS
CV26に付与したダッシュポット開度(図2(A)参
照)の減衰を開始すべき場合に成立する条件であり、本
実施例においては、スロットルバルブ20が全閉とされ
ることにより、厳密には、スロットルバルブ20が全閉
とされ、かつ、その後100msec程度の時間が経過する
ことにより成立する。ここで、DDP条件としてスロッ
トルバルブ20の全閉後、100msec程度の時間の経過
を条件としているのは、制御上のハンチングを防止する
ためである。
【0035】上記ステップ200において、DDP減衰
条件が不成立であると判別された場合は、ステップ20
2へ進み、ダッシュポット開度DDPに、上記図3に示
すルーチンで設定した初期値INITBを代入して今回
の処理を終了する。従って、本実施例においては、DD
P減衰条件が不成立である場合、マニバータ32が高温
であると推定される場合はダッシュポット開度DDPが
5%に、また、マニバータ32が高温ではないと推定さ
れる場合はダッシュポット開度DDPが16%に、それ
ぞれ設定されることになる。
【0036】一方、上記ステップ200においてDDP
減衰条件が成立すると判別された場合は、ステップ20
4へ進み、DDPに、初期値INITBから減少幅DD
PDECを減じた値を代入する処理を行う。従って、ダ
ッシュポット開度DDPは、DDP減衰条件が成立して
いる限り、本ルーチンが実行される毎にDDPDECづ
つ減少することになる。
【0037】上記の処理を終えたら、次にステップ20
6において、DDP≧0が成立するか否かを判別する。
その結果、DDP≧0が成立すれば、上記ステップ20
4で設定したDDPを変更することなく今回のルーチン
を終了し、一方、DDP≧0が不成立であれば、ステッ
プ208へ進み、DDPに“0”を代入して今回のルー
チンを終了する。
【0038】このため、ISCV26のダッシュポット
開度DDPは、マニバータ32が高温であると推定され
る場合は、DDP減衰条件が成立した後、5%を初期値
として、DDPが0となるまで32msec毎に0.293
%づつ減少し、また、マニバータ32が高温ではないと
推定される場合は、DDP減衰条件が成立した後、16
%を初期値として、DDPが0となるまで32msec毎に
0.098%づつ減少することになる。
【0039】ところで、内燃機関10においては、ダッ
シュポット開度DDPが“0”となった後に燃料カット
が開始されることは前記した通りであるが、燃料カット
の実行開始は、ECU34が図5に示す燃料カット実行
判定ルーチンを実行することで判定する。尚、図5に示
すルーチンは、数msec毎に起動されるメインルーチンで
ある。
【0040】図5に示すルーチンが起動すると、先ずス
テップ300において、スロットルバルブ20が全閉と
なった後、所定のディレイ時間が経過しているかが判別
される。このディレイ時間は、瞬間的にスロットルバル
ブ20が全閉とされた際に燃料カットが実行されるのを
防止するために設定された時間であり、例えば機関回転
数が高い場合には300msec、機関回転数が低い場合に
は500msec程度に設定される。
【0041】上記判別の結果、未だ所定のディレイが経
過していないと判別された場合は、以後ステップ302
へ進み、燃料噴射の処理を行って今回のルーチンを終了
する。一方、ステップ300において上記条件が成立す
ると判別された場合は、次にステップ304へ進み、機
関回転数NEが所定回転数NE1 以上であるかを判別す
る。そして、NE≧NE1 が不成立である場合は、上記
302の処理を実行して今回のルーチンを終了する。N
E≧NE1 が不成立となる領域では、燃料カットを行う
ことにより内燃機関10が停止する可能性があるからで
ある。
【0042】これに対して、NE≧NE1 が成立する場
合は、ステップ306へ進み、DDPが既に“0”とな
っているかを判別する。その結果、未だDDP=0が不
成立である場合はステップ302の処理を行い、一方、
DDP=0が成立する場合は、以後ステップ308にお
いて燃料カットの処理を実行して今回のルーチンを終了
する。
【0043】この場合、内燃機関10においては、実質
的には、スロットルバルブ20が全閉となった後、DD
Pが初期値INITBから“0”まで減少するのを待っ
て燃料カットが開始されることになる。この際、DDP
が初期値INITBから“0”まで減少するのに要する
時間、すなわち、スロットルバルブ20が全閉とされて
から燃料カットが開始されるまでの遅延時間は、上記図
3に示すルーチンにおいて設定したダッシュポット条件
の相違に起因して、マニバータ32が高温である場合は
短く、また、マニバータ32が高温でない場合は長くな
る。
【0044】つまり、内燃機関10においては、スロッ
トルバルブ20の全閉時にマニバータ32が高温であれ
ば、短い遅延時間の後に燃料カットが開始される。従っ
て、かかる状況下でのマニバータ32の過熱を確実に防
止することができる。また、スロットルバルブ20の全
閉時にマニバータ32が高温でなければ、燃料カットの
開始までに長い遅延時間が確保される。このため、かか
る状況下では、良好に減速ショックの緩和を図ることが
できる。
【0045】ところで、本実施例においては、上記図3
に示す如く、NE≧3000rpm 、かつ、QASM≧3
0リットル/secが成立する場合に短い遅延時間を実現するダ
ッシュポット条件を選択することとしているが、ダッシ
ュポット条件を設定するための基準は、上記の条件に限
定するものではなく、例えば、“スロットル開度TAの
閉弁速度が所定値を越えていること”すなわち、“急減
速時であること”等を加重してもよい。この場合、短い
遅延時間の設定がより厳密に行われることになり、より
広い領域で減速ショックの緩和性に優れた特性を実現す
ることができる。
【0046】また、上記図3中ステップ102、104
は、マニバータ32の温度状態を推定するための処理で
ある。従って、他にマニバータ32の温度状態を表す特
性値が存在する場合等においては、その特性値に基づい
てダッシュポット条件の設定を行うことも可能である。
すなわち、内燃機関10においては、マニバータ32の
過熱を防止すべく、所定の高負荷・高回転運転中に燃料
の増量を図るOTP増量補正が行われている。この場
合、そのOTP増量値の平均値FOTPSMは、精度良
くマニバータ32の温度状況を表している。このため、
内燃機関10においては、そのFOTPSMに基づいて
ダッシュポット条件の設定を行うこととしても良い。
尚、ダッシュポット条件は、上述した2つの条件(図3
中ステップ106、108の条件)に限るものではな
く、マニバータ32の温度状態に応じてより子細に設定
することも可能である。
【0047】更に、本実施例においては、上記図4中ス
テップ200において、スロットルバルブ20の全閉
後、100msec程度の時間が経過した時点でDDP減衰
条件が成立したものと判別しているが、その100msec
程度の時間は、固定値に限定するものではなく、INI
TB,DDPDEC等と共に、マニバータ32の温度状
態に合わせて変更しても良い。
【0048】また、本実施例においては、燃料カットが
開始されるまでの遅延時間を、ダッシュポット開度DD
Pの初期値INITB、及び減少幅DDPDECによっ
て変更しているが、これらは常に一組として変更を要す
るものではなく、何れか一方のみを変更することで、遅
延時間を変更することも可能である。
【0049】ところで、上記図3乃至図5に示すルーチ
ンは、内燃機関10において、スロットルバルブ20が
全閉とされた際に実行される減速燃料カットを対象とし
て、マニバータ32の過熱防止と減速ショックの抑制と
を図るべく、ECU34が実行する処理の内容を表した
ものである。
【0050】これに対して、内燃機関10においては、
上述した減速燃料カットの他、スロットルバルブ20が
全閉状態に至らなくても、燃料噴射量TAUが一定期
間、所定値以下となっさ際に燃料噴射を停止する、TA
UMIN燃料カットが実行されている。ここで、燃料カ
ットを実行すべき条件が成立した後、燃料カットを開始
するまでに適当な遅延時間が設定される点、及び遅延時
間内においてマニバータ32が過熱状態となるのを防止
する必要がある点については、減速燃料カットの場合
も、TAUMIN燃料カットの場合も同様である。この
ため、ECU34は、TAUMIN燃料カットの実行時
にも、マニバータ32の温度状態に応じた遅延時間の設
定を行うこととしている。
【0051】以下、図6及び図7を参照して、TAUM
IN燃料カットを対象として、マニバータ32の過熱防
止と、減速ショックの抑制とを両立すべく、ECU34
が実行する処理の内容について説明する。図6は、EC
U34が、TAUMIN燃料カットの実行判定を行うべ
く実行するルーチンの一例のフローチャートを示す。同
図に示す如く、本ルーチンが起動すると、先ずステップ
400において、現在の燃料噴射量TAUが所定値tT
AUMINFC以下であるかを判別する。ここで、tT
AUMINFCは、内燃機関10において燃焼が不安定
となるまでスロットルバルブ20が閉じられた際に、燃
料噴射量TAUとして演算される値である。
【0052】ここで、TAU≦tTAUMINFCが不
成立であれば、内燃機関10において燃料カットを行う
必要がないと判断し、以後ステップ402へ進み、TA
UMIN燃料カットに関する遅延時間タイマに後述する
初期値をセットする。そして、ステップ404で燃料噴
射を実行するための処理を行って今回のルーチンを終了
する。
【0053】一方、上記ステップ400においてTAU
≦tTAUMINFCが成立すると判別された場合は、
ステップ406へ進み、上記ステップ402においてセ
ットした遅延時間タイマをカウントダウンする処理を行
う。そして、続くステップ408で、遅延時間タイマが
“0”となっているかを判別し、未だ遅延時間タイマ=
0が不成立である場合は上記ステップ404へ進み、一
方、既に遅延時間タイマ=0が成立する場合は、ステッ
プ410において燃料カットを実行して今回のルーチン
を終了する。
【0054】従って、内燃機関10においては、スロッ
トルバルブ20が、TAU≦tTAUMINFCが成立
する程度に閉じられた状態が、遅延時間タイマにセット
される初期値を越えて継続した場合に、TAUMIN燃
料カットの実行が開始されることになる。
【0055】この場合において、tTAUMINFCの
値、及び遅延時間タイマの初期値は、図7に示すTAU
MIN燃料カット条件設定ルーチンにおいて設定され
る。尚、同図において、上記図3中に示すステップと同
一のステップには、同一の符号を付してその説明を簡略
又は省略する。
【0056】すなわち、図7に示すルーチンにおいて
は、ステップ102、及び104の条件が成立する場
合、マニバータ32が高温であると判断してステップ5
00へ進む。そして、ステップ500において、tTA
UMINFCに2000μsec 、遅延時間タイマに1se
c をセットして今回のルーチンを終了する。一方、ステ
ップ102の条件、及びステップ104の条件の何れか
が不成立である場合は、ステップ502へ進み、tTA
UMINFCに1200μsec を、遅延時間タイマに1
0sec をセットして今回のルーチンを終了する。
【0057】この結果、マニバータ32が高温である場
合は、TAU≦tTAUMINFCが成立し易く、か
つ、TAU≦tTAUMINFCの成立後比較的短時間
で燃料カットが開始される状態が形成される。また、マ
ニバータ32が高温でない場合は、TAU≦tTAUM
INFCが成立し難く、かつ、TAU≦tTAUMIN
FCの成立後燃料カットが開始されるまでに比較的長い
時間が確保される状態となる。このため、内燃機関10
においては、TAUMIN燃料カットが実行される場合
においても、マニバータ32の過熱防止と、減速ショッ
クの抑制とが、共に適切に実現される。
【0058】尚、本実施例においては、上記図4中ステ
ップ200に示すDDP減衰条件、及び上記図6中ステ
ップ400に示すTAU≦tTAUMINFCの条件
が、前記した燃料カット条件に相当する。また、マニバ
ータ32が前記した触媒に、排気枝管30及びマニバー
タ32が前記した排気通路にそれぞれ相当している。
【0059】更に、本実施例においては、ECU34
が、上記ステップ102及び104の処理を実行するこ
とにより前記した触媒温度推定手段が、上記ステップ1
06及び108、または上記ステップ500及び502
を実行することにより前記した遅延時間設定手段が、そ
れぞれ実現される。
【0060】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、燃料カッ
ト条件が成立してから燃料カットを開始するまでに確保
すべき遅延時間が、触媒が高温であるほど短く設定され
る。このため、燃料カット条件の成立時に触媒がすでに
高温である場合には、触媒において燃料が後燃えする可
能性のある期間が短縮され、また、触媒が比較的低温で
ある場合には、出力トルクの変動幅を抑制するための期
間が十分に確保される。従って、本発明に係る内燃機関
の燃料噴射量制御装置によれば、燃料カットの実行に伴
う乗り心地の悪化、及び触媒の過熱を、共に確実に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の燃料噴射量
制御装置の全体構成図である。
【図2】本実施例の燃料噴射量制御装置の動作を説明す
るためのタイムチャートである。
【図3】本実施例において実行されるダッシュポット条
件設定ルーチンの一例のフローチャートである。
【図4】本実施例において実行されるダッシュポット減
衰ルーチンの一例のフローチャートである。
【図5】本実施例において実行される燃料カット実行判
定ルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本実施例において実行されるTAUMIN燃料
カット実行判定ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図7】本実施例において実行されるTAUMIN燃料
カット条件設定ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 内燃機関 12 吸気枝管 16 吸気管 22 スロットルセンサ 24 バイパス通路 26 アイドル・スピード・コントロール・バルブ(I
SCV) 30 排気枝管 32 マニバータ 34 電子制御ユニット 36 NEセンサ INITB ダッシュポット開度初期値 DDPDEC ダッシュポット開度減少幅 DDP ダッシュポット開度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料カット条件の成立後、所定の遅延時
    間の経過時に燃料カットを開始する内燃機関の燃料噴射
    量制御装置において、 内燃機関の排気通路中に配設される触媒の温度を推定す
    る触媒温度推定手段と、 該触媒が高温であるほど前記遅延時間を短く設定する遅
    延時間設定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
JP5777595A 1995-03-16 1995-03-16 内燃機関の燃料噴射量制御装置 Pending JPH08254140A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183536A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の燃料カット制御方法
CN103343717A (zh) * 2013-07-22 2013-10-09 力帆实业(集团)股份有限公司 一种电喷摩托车怠速控制方法

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