JP2005016343A - 圧縮着火式内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮着火燃焼モード中における失火やエンジンストールを確実に回避しながら、圧縮着火燃焼を最大限に実行できる圧縮着火式内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関2の失火度合を表す失火度合パラメータを気筒2aごとに検出する失火度合パラメータ検出手段13,3と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、検出された失火度合パラメータが所定の第1しきい値よりも大きいときに、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードへ切り換える燃焼モード切換手段3と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、失火度合パラメータが、第1しきい値よりも小さく且つ所定の第2しきい値よりも大きな所定の範囲内にあるときに、気筒2aの燃焼室2dへ付加的に燃料を噴射する付加燃料噴射を実行する付加燃料噴射手段3と、を備えている。
【選択図】 図6
【解決手段】内燃機関2の失火度合を表す失火度合パラメータを気筒2aごとに検出する失火度合パラメータ検出手段13,3と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、検出された失火度合パラメータが所定の第1しきい値よりも大きいときに、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードへ切り換える燃焼モード切換手段3と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、失火度合パラメータが、第1しきい値よりも小さく且つ所定の第2しきい値よりも大きな所定の範囲内にあるときに、気筒2aの燃焼室2dへ付加的に燃料を噴射する付加燃料噴射を実行する付加燃料噴射手段3と、を備えている。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に供給された混合気を圧縮着火により燃焼させる圧縮着火燃焼モードと、火花点火により燃焼させる火花点火燃焼モードに、燃焼モードを気筒ごとに切り換え可能に構成された圧縮着火式内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火式内燃機関では一般に、圧縮着火による燃焼を火花点火による燃焼の場合よりも高い圧縮比、かつ大きな空燃比で行うことにより、良好な燃費および排気特性が得られる。このような圧縮着火式内燃機関の従来の制御装置として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関は、燃焼モードを火花点火燃焼モードと圧縮着火燃焼モードに切り換え可能に構成されており、低負荷運転時や始動時に火花点火燃焼モードによる燃焼が実行される一方、それ以外の運転状態のときに圧縮着火燃焼モードによる燃焼が実行される。
【0003】
この制御装置では、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切換条件が成立したときに、火花点火による燃焼を直ちに中止するのではなく、点火時期を徐々に遅角側へ補正しながら火花点火による燃焼を継続した後、圧縮着火燃焼モードへ移行する。これは、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切り換えを直ちに行うと、着火タイミングに大きなずれを生じるおそれがあるため、点火時期を徐々に遅角側へ補正し、圧縮着火による燃焼が火花点火による燃焼よりも先行して発生することによって、圧縮着火燃焼モードに円滑に移行させるようにするためである。また、この場合、点火時期を徐々に遅角させるのに伴い、出力されるトルクが徐々に低下するので、このときのトルク変動幅を小さくするようにしている。具体的には、このトルク変動幅が所定値よりも小さいときには、上述したように、点火時期を徐々に遅角側へ補正しながら火花点火による燃焼を継続した後、火花点火を中止する。一方、このトルク変動幅が所定値よりも大きいときには、圧縮着火だけでなく、火花点火も継続して実行することによって、着火を確実に行わせ、それにより、燃焼の安定性を確保するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−220458号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の圧縮着火式内燃機関の制御装置では、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切り換えの際に、燃焼の安定性を確保するためにトルク変動幅が大きいときに、火花点火による燃焼を継続して実行するにすぎない。このため、この制御装置では、例えば圧縮着火燃焼モード中に燃焼室内の作動ガスの温度が低くなるなどのために、燃焼状態が不安定になったとしても、それに応じた制御が行われないことで、圧縮着火による燃焼がさらに不安定になり、その結果、失火やエンジンストールに至ってしまう。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、圧縮着火燃焼モード中における失火やエンジンストールを確実に回避しながら、圧縮着火燃焼を最大限に実行できる圧縮着火式内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の気筒2aを有し、気筒2aの燃焼室2dに供給された混合気を圧縮着火により燃焼させる圧縮着火燃焼モードと、火花点火により燃焼させる火花点火燃焼モードに、燃焼モードを気筒2aごとに切り換え可能に構成された圧縮着火式内燃機関2の制御装置1であって、内燃機関2の失火度合を表す失火度合パラメータを気筒2aごとに検出する失火度合パラメータ検出手段(実施形態における(以下、本項において同じ)クランク角センサ13、ECU3、図2(b)のステップ11)と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、検出された失火度合パラメータ(回転変動量ΔM)が所定の第1しきい値MSLMT1よりも大きいときに、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードへ切り換える燃焼モード切換手段(ECU3、図6のステップ43,54)と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、失火度合パラメータが、第1しきい値MSLMT1よりも小さく且つ所定の第2しきい値MSLMT2よりも大きな所定の範囲内にあるときに、気筒2aの燃焼室2dへ付加的に燃料を噴射する付加燃料噴射を実行する付加燃料噴射手段(ECU3、図6のステップ51,52)と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、内燃機関の気筒ごとに、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードと火花点火燃焼モードに切り換えられる。また、圧縮着火燃焼モード中に、失火度合を表す失火度合パラメータを気筒ごとに検出し、検出された失火度合パラメータが第1しきい値よりも大きいとき、すなわち失火度合が大きいときには、その気筒の燃焼モードが圧縮着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ切り換えられる。内燃機関が失火状態にあるときには、トルクの変動が大きくなることによって、失火が進行しやすい。したがって、内燃機関の失火度合が大きいときに、その気筒の燃焼モードを火花燃焼モードへ切り換えることにより、火花点火により燃焼を安定させることによって、気筒ごとに失火がそれ以上進行するのを防止でき、それにより、エンジンストールを確実に回避することができる。
【0009】
また、圧縮着火燃焼モード中に、検出された失火度合パラメータが、第1しきい値よりも小さく且つ第2しきい値よりも大きな所定の範囲内にあるとき、すなわち失火が発生していて、かつその失火度合が小さいときには、その気筒の燃焼室に対して、付加燃料噴射を実行する。この付加燃料噴射により、燃焼室内の燃焼ガスの温度を高め、その熱によって次のサイクルの作動ガスを暖め、その温度を上昇させることができる。それにより、圧縮着火による燃焼が安定し、トルクの変動が抑制されることによって、失火の進行を抑制しながら、圧縮着火燃焼を続行することができる。また、そのような付加燃料噴射を、気筒ごとにきめ細かく制御するので、圧縮着火燃焼を気筒ごとに可能な限り実行することができ、その結果、圧縮着火燃焼による燃費や排気特性の向上などの利点を可能な限り得ることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、内燃機関2の負荷(要求トルクPMECMD)を検出する負荷検出手段(クランク角センサ13、アクセル開度センサ14、ECU3、図6のステップ41)と、内燃機関2の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ13、ECU3)と、検出された負荷および回転数に応じて、第1および第2しきい値を設定するしきい値設定手段(ECU3、図6のステップ48,49)と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0011】
内燃機関の回転の安定状態は、内燃機関の負荷および回転数に依存し、これらが低いほど、内燃機関の回転は不安定になりやすく、失火が発生しやすい。したがって、失火度合を判定するための第1および第2しきい値を、検出された内燃機関の負荷および回転数に応じ、例えばこれらの値が低いほど、より大きな値に設定することによって、火花点火燃焼モードへの燃焼モードの切り換え、および付加燃料噴射を、実際の失火度合に応じた最適なタイミングで実行することができる。それにより、圧縮着火燃焼を最大限に実行することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、付加燃料噴射の噴射量(付加燃料噴射量Post_q)を、検出された失火度合パラメータが大きいほど、より大きな値に決定する付加燃料噴射量決定手段(ECU3、図6のステップ52)をさらに備えていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、付加燃料噴射の噴射量を、失火度合が大きいほど、すなわち内燃機関の回転が不安定であるほど、より多くなるように設定することによって、付加燃料噴射による燃焼ガスおよび作動ガスの昇温効果を高めることができる。それにより、圧縮着火による燃焼の安定化を適切に図ることができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、内燃機関2の負荷(要求トルクPMECMD)を検出する負荷検出手段(クランク角センサ13、アクセル開度センサ14、ECU3、図6のステップ41)と、内燃機関2の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ13、ECU3)と、をさらに備え、燃焼モード切換手段は、検出された内燃機関2の負荷および回転数が所定の圧縮着火運転領域(HCCI領域)内にあるときに、燃焼モードを圧縮着火燃焼モードに設定し、圧縮着火運転領域は、負荷および回転数がいずれも低い第2圧縮着火運転領域(HCCI2領域)を含み、燃焼モード切換手段は、失火度合パラメータが第1しきい値MSLMT1よりも大きいことにより、燃焼モードを火花点火燃焼モードに切り換えた場合には、検出された負荷および回転数が第2圧縮着火運転領域にある限り、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードに維持することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、検出された内燃機関の負荷および回転数が所定の圧縮着火運転領域内にあるときに、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードに設定される。また、この圧縮着火運転領域には、負荷および回転数がいずれも低い第2圧縮着火運転領域が含まれており、この第2圧縮着火運転領域は、圧縮着火が可能ではあるものの圧縮着火燃焼が不安定になりやすい領域として設定されている。したがって、失火度合パラメータが第1しきい値よりも大きく、失火度合が大きいことにより、燃焼モードを火花点火燃焼モードに一旦、切り換えた場合には、検出された負荷および回転数が圧縮着火燃焼が不安定になりやすい第2圧縮着火運転領域に留まっている限り、その気筒の燃焼モードを火花点火燃焼モードに維持することによって、その気筒の燃焼の安定化を図り、それにより、内燃機関全体としての燃焼安定性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態による制御装置1を適用した圧縮着火式内燃機関を示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)2は、図示しない車両に搭載された、例えば4気筒4サイクルのガソリンエンジンである。
【0017】
同図に示すように、エンジン2は、気筒(1つのみ図示)2aごとにピストン2bとシリンダヘッド2cを備え、ピストン2bとシリンダヘッド2cの間には燃焼室2dが形成されている。ピストン2bの上面の中央部には、凹部2eが形成されている。シリンダヘッド2cには、吸気管4および排気管5がそれぞれ接続されるとともに、燃焼室2dに臨むように燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)6および点火プラグ7が取り付けられている。
【0018】
インジェクタ6は、燃料ポンプ(図示せず)から供給された燃料を直接、燃焼室2d内に噴射する直噴タイプのものであり、その燃料噴射の時間TOUT(燃料噴射量)およびタイミングは、後述するECU3からの駆動信号によって制御される。
【0019】
点火プラグ7には、ECU3からの駆動信号により点火時期IGLOGに応じたタイミングで高電圧が加えられ、次に遮断されることによって放電し、それにより、各気筒2a内で混合気の点火が行われる。また、このエンジン2では、燃焼室2d内に供給された混合気を、点火プラグ7の火花により点火する火花点火燃焼(以下「SI燃焼」という)と、圧縮着火により着火する圧縮着火燃焼(以下「CI燃焼」という)が行われ、その切り換えはECU3によって制御される。
【0020】
吸気弁8および排気弁9は、それぞれ電磁式動弁機構10,10によって駆動される。各電磁式動弁機構10は、2つの電磁石(図示せず)を備えており、ECU3からの駆動信号により、これらの電磁石の励磁・非励磁のタイミングを制御することによって、吸気弁8および排気弁9が開閉駆動されるとともに、これらの開閉タイミングが自在に制御される。
【0021】
エンジン2のクランクシャフト(図示せず)の周囲には、気筒判別センサ11、TDCセンサ12およびクランク角センサ13が取り付けられている。気筒判別センサ11は、特定の気筒2aの所定のクランク角度位置で、気筒判別信号CYL(以下「CYL信号」という)を発生する。TDCセンサ12は、各気筒の吸気行程開始時の上死点位置付近のタイミングで、TDC信号を発生する。4気筒タイプの本例では、TDC信号は、クランク角180°ごとに1パルスが出力される。また、クランク角センサ13(失火度合パラメータ検出手段、負荷検出手段、回転数検出手段)は、TDC信号よりも短い所定のクランク角度の周期(例えば30°ごと)で、クランク角信号CRK(以下「CRK信号」という)を発生する。
【0022】
ECU3は、これらのCYL信号、TDC信号およびCRK信号に基づき、気筒2aごとのクランク角度位置を判別するとともに、CRK信号に基づき、エンジン2の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
【0023】
ECU3には、アクセル開度センサ14(負荷検出手段)から、エンジン2を搭載した車両のアクセルペダル(ともに図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が出力される。
【0024】
ECU3は、本実施形態において、失火度合パラメータ検出手段、燃焼モード切換手段、付加燃料噴射手段、負荷検出手段、回転数検出手段、しきい値設定手段および付加燃料噴射量決定手段を構成するものであり、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。上記の各種センサ11〜14の検出信号は、I/Oインターフェースを介して後述するCPUに入力される。
【0025】
CPUは、各種センサ11〜14で検出された検出信号に基づき、ROMに記憶されたプログラムなどに従って、エンジン2の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、エンジン2の燃焼モードを、SI燃焼モードまたはCI燃焼モードのいずれにするかを後述するように決定する。また、エンジン2の失火度合を判定するとともに、その判定結果に応じて、燃焼モードの切り換えや付加燃料噴射の制御などを実行する。図11に示すように、この付加燃料噴射は、排気行程から圧縮行程にかけて燃料を噴射するメイン噴射に加え、圧縮着火による燃焼を安定して行うべく、燃焼ガスの温度を高めるために、膨張行程において付加的に燃料を噴射するものである。
【0026】
図2は、ECU3で実行される気筒失火制御処理のメインフローである。同図(a)の処理は、CRK信号の発生ごとにこれに同期して実行されるものであり、ステップ1(「S1」と図示。以下同様)において、CRK信号の発生時間間隔CRMeの平均値(以下「第1平均値」という)TAVEを算出する。また、同図(b)の処理は、TDC信号の発生ごとにこれに同期して実行されるものであり、第1平均値TAVEの平均値(以下「第2平均値」という)Mの変化量(以下「回転変動量」という)ΔMを算出する(ステップ11)とともに、算出した回転変動量ΔMに基づき、エンジン2の気筒2aごとに失火の発生の有無、および失火した気筒を判定する(ステップ12)。
【0027】
図3は、図2(a)のプログラムで実行される第1平均値TAVEの算出サブルーチンを示している。ステップ21では、CRK信号の発生時間間隔CRMe(n)を計測する。このCRMe(n)は、CRK信号の前回と今回との間の発生時間間隔を表す今回値であり、図4に示すように、i回前に計測されたCRMe値は、CRMe(n−i)と表すものとする。次いで、次式(1)により、発生時間間隔の今回の計測値CRMe(n)から11回前の計測値CRMe(n−11)までの12個のCRMeの値の平均値として、第1平均値TAVE(n)を算出する(ステップ22)。
【0028】
【数1】
前述したように、本実施形態では、クランクシャフトが30°回転するごとにCRK信号が発生するので、式(1)によって算出される第1平均値TAVE(n)は、クランクシャフトの1回転に対応する平均値である。このような平均化処理を行うことによって、クランクシャフトの1回転周期におけるエンジン回転の1次振動成分、すなわちクランク角センサ13の機械的誤差(製造誤差や取付誤差)に起因するノイズ成分が除去される。
【0029】
図5は、図2(b)のステップ11で実行される第2平均値Mの回転変動量ΔMの算出サブルーチンを示している。ステップ31では、次式(2)により、第1平均値TAVEの今回の算出値TAVE(n)から5回前の算出値TAVE(n−5)までの6個のTAVE値の平均値と、第2平均値M(n)を算出する。
【0030】
【数2】
前述したように、本実施形態では、エンジン2が4気筒4サイクルエンジンであり、クランクシャフトが180°するごとに、いずれかの気筒で着火が行われる。したがって、式(2)によって算出される第2平均値M(n)は、第1平均値TAVE(n)の着火周期ごとの平均値である。このような平均化処理を行うことによって、燃焼に起因するエンジン回転のトルク変動分として現れる2次振動成分、すなわちクランクシャフトの半回転周期における振動成分が除去される。
【0031】
次いで、ステップ32では、第2平均値M(n)の回転変動量ΔMを、次式(3)によって算出する。
ΔM(n)=M(n)−M(n−1) ・・・・・(3)
なお、エンジン2の失火が発生した場合には、第2平均値M(n)は増加傾向を示すので、これに応じて回転変動量ΔM(n)も増加する。
【0032】
図6は、図2(b)のステップ12で実行される気筒失火制御のサブルーチンを示している。まず、ステップ41において、エンジン2の要求トルクPMECMDを、エンジン回転数NEなどを用いて次式(4)によって算出する。
PMECMD=CONST・PSE/NE ・・・・・(4)
ここで、CONSTは定数であり、PSEはエンジン2の要求出力である。この要求出力PSEは、PSEテーブル(図示せず)に基づき、アクセル開度APおよびエンジン回転数NEに応じて設定される。このPSEテーブルは、0%〜100%の範囲内の所定のアクセル開度APごとに設定された複数のテーブルで構成されており、アクセル開度APがこれらの中間値を示す場合には、要求出力PSEは補間演算によって求められる。また、これらのテーブルでは、要求出力PSEは、エンジン回転数NEが大きいほど、およびアクセル開度APが大きいほど、大きな値に設定されている。
【0033】
次に、ステップ42において、エンジン2が、CI燃焼を実行すべき運転領域(以下「HCCI領域」という)にあるか否かを判別する。この判別は、図7に示す燃焼領域マップに基づき、前記ステップ41で算出した要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEに応じて行われる。この燃焼領域マップでは、HCCI領域は、CI燃焼を実行すべき運転領域として設定されており、要求トルクPMECMDが低〜中負荷域にあり、かつエンジン回転数NEが低〜中回転域にある運転領域に相当する。
【0034】
また、HCCI領域は境界線L1を境に2つに区分されており、要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEがいずれも低く、CI燃焼が不安定になりやすい運転領域が、HCCI2領域として設定され、それ以外の運転領域がHCCI1領域として設定されている。
【0035】
図6に戻り、前記ステップ42の判別結果がNOで、エンジン2がHCCI領域にないときには、すべての気筒2aの燃焼モードをSI燃焼モードに決定し、すべての気筒2aをSI燃焼モードで運転する(以下「全気筒SI運転」という)ようにする(ステップ43)とともに、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2nを「0」にセットし(ステップ44)、本処理を終了する。このHCCI2領域失火フラグF_HCCI2nは、後述するように、エンジン2の運転領域がHCCI2領域にあり、かつ後述するn気筒が完全に失火していると判定されたときに「1」に、それ以外のときに「0」に、気筒2aごとにそれぞれセットされるものである。
【0036】
一方、前記ステップ42の判別結果がYESで、エンジン2がHCCI領域にあるときには、ステップ45に進み、後述するダウンカウント式のタイマの値TmHCCIが0であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、このタイマ値TmHCCI=0でないときには、前記ステップ43以降に進み、本処理を終了する。
【0037】
前記ステップ45の判別結果がYESで、タイマ値TmHCCI=0のときには、CYL信号などに基づき、今回、失火を判定する気筒2aが何番気筒であるかを判別する(ステップ46)。以下、今回判別された気筒2aを「n気筒」という。
【0038】
次いで、ステップ47では、前記ステップ46で判別したn気筒に関するHCCI2領域失火フラグF_HCCI2nが、「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、F_HCCI2n=0のとき、すなわちn気筒の前回の失火判定時において、エンジン2の運転領域がHCCI2領域にないか、またはn気筒が完全に失火していなかったときには、前記式(4)で算出した回転変動量ΔMが、ヒステリシス付きの所定の第1しきい値MSLMT1よりも大きいか否かを判別する(ステップ48)。この第1しきい値MSLMT1は、図8に示す第1しきい値用のマップを検索することによって求められる。
【0039】
このマップでは、第1しきい値MSLMT1は、要求トルクPMECMDが小さいほど、およびエンジン回転数NEが低いほど、より大きな値になるように設定されている。これは、これらの値が低いほど、エンジン2の回転が不安定になりやすく、失火が発生しやすいためである。
【0040】
図6に戻り、前記ステップ48の判別結果がNOで、ΔM≦MSLMT1のときには、n気筒が完全には失火していないとして、ステップ49に進む。このステップ49では、回転変動量ΔMが、ヒステリシス付きの所定の第2しきい値MSLMT2よりも大きいか否かを判別する。この第2しきい値MSLMT2は、図9に示す第2しきい値用のマップを検索することによって求められる。このマップでは、第2しきい値MSLMT2は、第1しきい値MSLMT1よりも小さな値に設定されており、また、第1しきい値用のマップの場合と同じ理由から、要求トルクPMECMDが小さいほど、およびエンジン回転数NEが低いほど、より大きな値になるように設定されている。
【0041】
図6に戻り、前記ステップ49の判別結果がNOで、ΔM≦MSLMT2のときには、n気筒に失火が発生していないとして、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定し、n気筒をCI燃焼モードで運転するようにする(ステップ50)とともに、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0042】
一方、前記ステップ49の判別結果がYESで、MSLMT2<ΔM≦MSLMT1のときには、n気筒に失火が発生しているものの、その失火度合が比較的小さいとして、前記ステップ50と同様、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定する(ステップ51)。また、CI燃焼を安定化させるために、付加燃料噴射を実行するものとし、付加燃料噴射量Post_qを決定した(ステップ52)後、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0043】
この付加燃料噴射量Post_qは、図10に示す燃料噴射量テーブルを検索することによって決定される。この燃料噴射量テーブルでは、付加燃料噴射量Post_qは、回転変動量ΔMが大きいほど、より大きな値に設定されている。これは、回転変動量ΔMが大きく、エンジン2の回転が不安定であるほど、付加燃料噴射量Post_qを多くすることによって、付加燃料噴射による燃焼ガスおよび作動ガスの昇温効果を高め、CI燃焼の安定化をより図るためである。
【0044】
図6に戻り、前記ステップ48の判別結果がYESで、ΔM>MSLMT1のときには、n気筒が完全に失火しているとして、ステップ53に進む。
【0045】
このステップ53では、今回判定されたn気筒を含め、現在までに完全失火していると判定された気筒数(以下「完全失火気筒数」という)MISCYLが、所定気筒数CYLJUD(例えば2)に達したか否かを判別する。この完全失火気筒数MISCYLは、例えば全気筒分の完全失火履歴を格納するためのリングバッファなどを用いて記憶されている。
【0046】
この判別結果がNOで、完全失火気筒数MISCYL<所定気筒数CYLJUDのときには、n気筒のみの燃焼モードをSI燃焼モードへ切り換える(ステップ54)とともに、要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって、点火時期IGLOGおよび燃料噴射時間TOUTをそれぞれ求める(ステップ55)。これらのマップでは、点火時期IGLOGおよび燃料噴射時間TOUTは、これらの値に基づいてSI燃焼を実行したときに得られるトルクが、他の気筒においてCI燃焼を実行したときに得られるトルクと同じになるように設定されている。これにより、n気筒と他の気筒との間で、出力トルク差が発生するのを防止することができる。次いで、ステップ56において、エンジン2がHCCI2領域にあるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0047】
一方、前記ステップ56の判別結果がYESで、エンジン2がHCCI2領域にあるときには、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2nを「1」にセットし(ステップ57)、本処理を終了する。以下、エンジン2がHCCI2領域にあり、かつ気筒2aが完全に失火している状態を、「HCCI2領域完全失火状態」という。
【0048】
一方、前記ステップ47の判別結果がYESで、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2n=1のときには、エンジン2がHCCI2領域にあるか否かを判別する(ステップ58)。この判別結果がYESで、エンジン2がHCCI2領域にあるとき、すなわち前回のn気筒の失火判定時において、HCCI2領域完全失火状態にあると判定され、かつ今回の失火判定時にもエンジン2がHCCI2領域に留まっているときには、n気筒の燃焼安定性を確保するために、前記ステップ53以降に進み、n気筒についてSI燃焼を継続して実行する。一方、ステップ58の判別結果がNOで、今回、エンジン2がHCCI2領域から離脱したときには、前記ステップ48以降に進み、失火判定を改めて行う。
【0049】
前記ステップ53の判別結果がYESで、完全失火気筒数MISCYLが、所定気筒数CYLJUDに達したときには、タイマ値TmHCCIを所定時間THCCI(例えば300sec)にセットする(ステップ59)とともに、前記ステップ43以降に進み、全気筒SI運転を実行するようにし、本処理を終了する。このタイマTmHCCIは、完全失火による全気筒SI運転への移行後に、エンジン2の燃焼状態が安定するまでの時間を計時するものである。すなわち、上記ステップ59が実行されたときには、前記ステップ45の判別結果がNOとなることで、前記ステップ43に進む。これにより、完全失火によって全気筒SI運転に移行したときには、その後、所定時間THCCIが経過するまでは、エンジン2がHCCI領域にあったとしても、全気筒SI運転が継続して強制的に実行される。
【0050】
図11は、燃焼モードがCI燃焼モードのときの吸気弁8および排気弁9の開閉、ならびにメイン噴射および付加燃料噴射のタイミングを示している。同図に示すように、CI燃焼モードにおいては、排気行程の終わりから吸気行程の開始時付近までの間に、1回目のメイン噴射を実行する。また、吸気行程の終わりから圧縮行程の始めまでの間に、2回目のメイン噴射を実行する。さらに、図6の前記ステップ52により付加燃料噴射を実行する場合には、付加燃料噴射を膨張行程において実行する。このときの付加燃料噴射量Post_qは、前述したように回転変動量ΔMに応じて設定される。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、エンジン2の失火度合を気筒2aごとに表すパラメータとして、回転変動量ΔMを用い、その値が第1しきい値MSLMT1よりも大きいとき(ΔM>MSLMT1)には、n気筒が完全に失火しているとして、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードからSI燃焼モードへ切り換える。これにより、完全失火と判定されたn気筒での燃焼を、火花点火により安定させることによって、気筒2aごとに失火がそれ以上進行するのを防止でき、それにより、エンジンストールを確実に回避することができる。また、完全失火気筒数MISCYLが所定気筒数CYLJUDに達したときには、エンジン2全体としてCI燃焼が不安定状態にあるとして、全気筒SI運転を実行するので、エンジンストールを確実に回避することができる。
【0052】
また、回転変動量ΔMが、第1しきい値MSLMT1よりも小さく且つ第2しきい値MSLMT2よりも大きいとき(MSLMT2<ΔM≦MSLMT1)には、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定するとともに、付加燃料噴射を実行することによって、CI燃焼を安定化させ、トルクの変動を抑制することにより、失火の進行を抑制しながら、CI燃焼を続行することができる。また、そのような付加燃料噴射を、気筒2aごとにきめ細かく制御するので、CI燃焼を気筒2aごとに可能な限り実行することができ、その結果、CI燃焼による燃費や排気特性の向上などの利点を、可能な限り得ることができる。
【0053】
さらに、第1および第2しきい値MSLMT1、MSLMT2を、エンジン2の要求トルクPMECMD、およびエンジン回転数NEに応じ、それらの値が小さいほど、より大きな値に設定するので、完全失火を原因とする気筒2aごとのSI燃焼モードへの切り換え、および付加燃料噴射を、実際の失火度合に応じた最適なタイミングで実行でき、したがって、CI燃焼を最大限に実行することができる。
【0054】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、説明した実施形態では、失火度合を表すパラメータとして、回転変動量ΔMを用いているが、これに代えて他の適当なパラメータ、例えば筒内圧センサで検出された気筒ごとの筒内圧を採用してもよい。また、本実施形態では、付加燃料噴射を、膨張行程時に実行しているが、圧縮行程時に実行してもよい。また、実施形態のエンジン2は、燃料を燃焼室2d内に直接、噴射する直噴タイプのものであるが、本発明を、吸気管4に燃料を噴射するポート噴射タイプの内燃機関に適用してもよい。また、本発明は、車両に搭載した圧縮着火式内燃機関に限らず、クランクシャフトを鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンなどを含む、様々な産業用の圧縮着火式内燃機関に適用することが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の圧縮着火式内燃機関の制御装置は、圧縮着火燃焼モード中における失火やエンジンストールを確実に回避しながら、圧縮着火燃焼を最大限に実行できるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による制御装置を適用した圧縮着火式内燃機関の構成を示す図である。
【図2】気筒失火制御処理のメインフローを示すフローチャートである。
【図3】第1平均値TAVEの算出サブルーチンのフローチャートである。
【図4】CRK信号の発生時間間隔CRMeとクランク角度位置との関係を説明するための図である。
【図5】第2平均値Mの回転変動量ΔMの算出サブルーチンのフローチャートである。
【図6】気筒失火制御処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】図6の処理で用いられる燃焼領域マップの一例を示す図である。
【図8】図6の処理で用いられる第1しきい値用のマップの一例である。
【図9】図6の処理で用いられる第2しきい値用のマップの一例である。
【図10】図6の処理で用いられる付加燃料噴射の燃料噴射量テーブルの一例である。
【図11】CI燃焼モードのときの吸気弁および排気弁の開閉、ならびにメイン噴射および付加燃料噴射のタイミングの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御装置
2 エンジン
2a 気筒
2d 燃焼室
3 ECU(失火度合パラメータ検出手段、燃焼モード切換手段、付加燃料噴射手段、負荷検出手段、回転数検出手段、第1および第2しきい値設定手段および付加燃料噴射量決定手段)
13 クランク角センサ
14 アクセル開度センサ
ΔM 回転変動量(失火度合パラメータ)
MSLMT1 第1しきい値
MSLMT2 第2しきい値
PMECMD 要求トルク(負荷)
NE エンジン回転数(回転数)
Post_q 付加燃料噴射量
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に供給された混合気を圧縮着火により燃焼させる圧縮着火燃焼モードと、火花点火により燃焼させる火花点火燃焼モードに、燃焼モードを気筒ごとに切り換え可能に構成された圧縮着火式内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火式内燃機関では一般に、圧縮着火による燃焼を火花点火による燃焼の場合よりも高い圧縮比、かつ大きな空燃比で行うことにより、良好な燃費および排気特性が得られる。このような圧縮着火式内燃機関の従来の制御装置として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関は、燃焼モードを火花点火燃焼モードと圧縮着火燃焼モードに切り換え可能に構成されており、低負荷運転時や始動時に火花点火燃焼モードによる燃焼が実行される一方、それ以外の運転状態のときに圧縮着火燃焼モードによる燃焼が実行される。
【0003】
この制御装置では、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切換条件が成立したときに、火花点火による燃焼を直ちに中止するのではなく、点火時期を徐々に遅角側へ補正しながら火花点火による燃焼を継続した後、圧縮着火燃焼モードへ移行する。これは、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切り換えを直ちに行うと、着火タイミングに大きなずれを生じるおそれがあるため、点火時期を徐々に遅角側へ補正し、圧縮着火による燃焼が火花点火による燃焼よりも先行して発生することによって、圧縮着火燃焼モードに円滑に移行させるようにするためである。また、この場合、点火時期を徐々に遅角させるのに伴い、出力されるトルクが徐々に低下するので、このときのトルク変動幅を小さくするようにしている。具体的には、このトルク変動幅が所定値よりも小さいときには、上述したように、点火時期を徐々に遅角側へ補正しながら火花点火による燃焼を継続した後、火花点火を中止する。一方、このトルク変動幅が所定値よりも大きいときには、圧縮着火だけでなく、火花点火も継続して実行することによって、着火を確実に行わせ、それにより、燃焼の安定性を確保するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−220458号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の圧縮着火式内燃機関の制御装置では、火花点火燃焼モードから圧縮着火燃焼モードへの切り換えの際に、燃焼の安定性を確保するためにトルク変動幅が大きいときに、火花点火による燃焼を継続して実行するにすぎない。このため、この制御装置では、例えば圧縮着火燃焼モード中に燃焼室内の作動ガスの温度が低くなるなどのために、燃焼状態が不安定になったとしても、それに応じた制御が行われないことで、圧縮着火による燃焼がさらに不安定になり、その結果、失火やエンジンストールに至ってしまう。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、圧縮着火燃焼モード中における失火やエンジンストールを確実に回避しながら、圧縮着火燃焼を最大限に実行できる圧縮着火式内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の気筒2aを有し、気筒2aの燃焼室2dに供給された混合気を圧縮着火により燃焼させる圧縮着火燃焼モードと、火花点火により燃焼させる火花点火燃焼モードに、燃焼モードを気筒2aごとに切り換え可能に構成された圧縮着火式内燃機関2の制御装置1であって、内燃機関2の失火度合を表す失火度合パラメータを気筒2aごとに検出する失火度合パラメータ検出手段(実施形態における(以下、本項において同じ)クランク角センサ13、ECU3、図2(b)のステップ11)と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、検出された失火度合パラメータ(回転変動量ΔM)が所定の第1しきい値MSLMT1よりも大きいときに、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードへ切り換える燃焼モード切換手段(ECU3、図6のステップ43,54)と、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードの場合において、失火度合パラメータが、第1しきい値MSLMT1よりも小さく且つ所定の第2しきい値MSLMT2よりも大きな所定の範囲内にあるときに、気筒2aの燃焼室2dへ付加的に燃料を噴射する付加燃料噴射を実行する付加燃料噴射手段(ECU3、図6のステップ51,52)と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、内燃機関の気筒ごとに、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードと火花点火燃焼モードに切り換えられる。また、圧縮着火燃焼モード中に、失火度合を表す失火度合パラメータを気筒ごとに検出し、検出された失火度合パラメータが第1しきい値よりも大きいとき、すなわち失火度合が大きいときには、その気筒の燃焼モードが圧縮着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ切り換えられる。内燃機関が失火状態にあるときには、トルクの変動が大きくなることによって、失火が進行しやすい。したがって、内燃機関の失火度合が大きいときに、その気筒の燃焼モードを火花燃焼モードへ切り換えることにより、火花点火により燃焼を安定させることによって、気筒ごとに失火がそれ以上進行するのを防止でき、それにより、エンジンストールを確実に回避することができる。
【0009】
また、圧縮着火燃焼モード中に、検出された失火度合パラメータが、第1しきい値よりも小さく且つ第2しきい値よりも大きな所定の範囲内にあるとき、すなわち失火が発生していて、かつその失火度合が小さいときには、その気筒の燃焼室に対して、付加燃料噴射を実行する。この付加燃料噴射により、燃焼室内の燃焼ガスの温度を高め、その熱によって次のサイクルの作動ガスを暖め、その温度を上昇させることができる。それにより、圧縮着火による燃焼が安定し、トルクの変動が抑制されることによって、失火の進行を抑制しながら、圧縮着火燃焼を続行することができる。また、そのような付加燃料噴射を、気筒ごとにきめ細かく制御するので、圧縮着火燃焼を気筒ごとに可能な限り実行することができ、その結果、圧縮着火燃焼による燃費や排気特性の向上などの利点を可能な限り得ることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、内燃機関2の負荷(要求トルクPMECMD)を検出する負荷検出手段(クランク角センサ13、アクセル開度センサ14、ECU3、図6のステップ41)と、内燃機関2の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ13、ECU3)と、検出された負荷および回転数に応じて、第1および第2しきい値を設定するしきい値設定手段(ECU3、図6のステップ48,49)と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0011】
内燃機関の回転の安定状態は、内燃機関の負荷および回転数に依存し、これらが低いほど、内燃機関の回転は不安定になりやすく、失火が発生しやすい。したがって、失火度合を判定するための第1および第2しきい値を、検出された内燃機関の負荷および回転数に応じ、例えばこれらの値が低いほど、より大きな値に設定することによって、火花点火燃焼モードへの燃焼モードの切り換え、および付加燃料噴射を、実際の失火度合に応じた最適なタイミングで実行することができる。それにより、圧縮着火燃焼を最大限に実行することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、付加燃料噴射の噴射量(付加燃料噴射量Post_q)を、検出された失火度合パラメータが大きいほど、より大きな値に決定する付加燃料噴射量決定手段(ECU3、図6のステップ52)をさらに備えていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、付加燃料噴射の噴射量を、失火度合が大きいほど、すなわち内燃機関の回転が不安定であるほど、より多くなるように設定することによって、付加燃料噴射による燃焼ガスおよび作動ガスの昇温効果を高めることができる。それにより、圧縮着火による燃焼の安定化を適切に図ることができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関2の制御装置1において、内燃機関2の負荷(要求トルクPMECMD)を検出する負荷検出手段(クランク角センサ13、アクセル開度センサ14、ECU3、図6のステップ41)と、内燃機関2の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ13、ECU3)と、をさらに備え、燃焼モード切換手段は、検出された内燃機関2の負荷および回転数が所定の圧縮着火運転領域(HCCI領域)内にあるときに、燃焼モードを圧縮着火燃焼モードに設定し、圧縮着火運転領域は、負荷および回転数がいずれも低い第2圧縮着火運転領域(HCCI2領域)を含み、燃焼モード切換手段は、失火度合パラメータが第1しきい値MSLMT1よりも大きいことにより、燃焼モードを火花点火燃焼モードに切り換えた場合には、検出された負荷および回転数が第2圧縮着火運転領域にある限り、気筒2aの燃焼モードを火花点火燃焼モードに維持することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、検出された内燃機関の負荷および回転数が所定の圧縮着火運転領域内にあるときに、燃焼モードが圧縮着火燃焼モードに設定される。また、この圧縮着火運転領域には、負荷および回転数がいずれも低い第2圧縮着火運転領域が含まれており、この第2圧縮着火運転領域は、圧縮着火が可能ではあるものの圧縮着火燃焼が不安定になりやすい領域として設定されている。したがって、失火度合パラメータが第1しきい値よりも大きく、失火度合が大きいことにより、燃焼モードを火花点火燃焼モードに一旦、切り換えた場合には、検出された負荷および回転数が圧縮着火燃焼が不安定になりやすい第2圧縮着火運転領域に留まっている限り、その気筒の燃焼モードを火花点火燃焼モードに維持することによって、その気筒の燃焼の安定化を図り、それにより、内燃機関全体としての燃焼安定性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態による制御装置1を適用した圧縮着火式内燃機関を示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)2は、図示しない車両に搭載された、例えば4気筒4サイクルのガソリンエンジンである。
【0017】
同図に示すように、エンジン2は、気筒(1つのみ図示)2aごとにピストン2bとシリンダヘッド2cを備え、ピストン2bとシリンダヘッド2cの間には燃焼室2dが形成されている。ピストン2bの上面の中央部には、凹部2eが形成されている。シリンダヘッド2cには、吸気管4および排気管5がそれぞれ接続されるとともに、燃焼室2dに臨むように燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)6および点火プラグ7が取り付けられている。
【0018】
インジェクタ6は、燃料ポンプ(図示せず)から供給された燃料を直接、燃焼室2d内に噴射する直噴タイプのものであり、その燃料噴射の時間TOUT(燃料噴射量)およびタイミングは、後述するECU3からの駆動信号によって制御される。
【0019】
点火プラグ7には、ECU3からの駆動信号により点火時期IGLOGに応じたタイミングで高電圧が加えられ、次に遮断されることによって放電し、それにより、各気筒2a内で混合気の点火が行われる。また、このエンジン2では、燃焼室2d内に供給された混合気を、点火プラグ7の火花により点火する火花点火燃焼(以下「SI燃焼」という)と、圧縮着火により着火する圧縮着火燃焼(以下「CI燃焼」という)が行われ、その切り換えはECU3によって制御される。
【0020】
吸気弁8および排気弁9は、それぞれ電磁式動弁機構10,10によって駆動される。各電磁式動弁機構10は、2つの電磁石(図示せず)を備えており、ECU3からの駆動信号により、これらの電磁石の励磁・非励磁のタイミングを制御することによって、吸気弁8および排気弁9が開閉駆動されるとともに、これらの開閉タイミングが自在に制御される。
【0021】
エンジン2のクランクシャフト(図示せず)の周囲には、気筒判別センサ11、TDCセンサ12およびクランク角センサ13が取り付けられている。気筒判別センサ11は、特定の気筒2aの所定のクランク角度位置で、気筒判別信号CYL(以下「CYL信号」という)を発生する。TDCセンサ12は、各気筒の吸気行程開始時の上死点位置付近のタイミングで、TDC信号を発生する。4気筒タイプの本例では、TDC信号は、クランク角180°ごとに1パルスが出力される。また、クランク角センサ13(失火度合パラメータ検出手段、負荷検出手段、回転数検出手段)は、TDC信号よりも短い所定のクランク角度の周期(例えば30°ごと)で、クランク角信号CRK(以下「CRK信号」という)を発生する。
【0022】
ECU3は、これらのCYL信号、TDC信号およびCRK信号に基づき、気筒2aごとのクランク角度位置を判別するとともに、CRK信号に基づき、エンジン2の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
【0023】
ECU3には、アクセル開度センサ14(負荷検出手段)から、エンジン2を搭載した車両のアクセルペダル(ともに図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が出力される。
【0024】
ECU3は、本実施形態において、失火度合パラメータ検出手段、燃焼モード切換手段、付加燃料噴射手段、負荷検出手段、回転数検出手段、しきい値設定手段および付加燃料噴射量決定手段を構成するものであり、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。上記の各種センサ11〜14の検出信号は、I/Oインターフェースを介して後述するCPUに入力される。
【0025】
CPUは、各種センサ11〜14で検出された検出信号に基づき、ROMに記憶されたプログラムなどに従って、エンジン2の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、エンジン2の燃焼モードを、SI燃焼モードまたはCI燃焼モードのいずれにするかを後述するように決定する。また、エンジン2の失火度合を判定するとともに、その判定結果に応じて、燃焼モードの切り換えや付加燃料噴射の制御などを実行する。図11に示すように、この付加燃料噴射は、排気行程から圧縮行程にかけて燃料を噴射するメイン噴射に加え、圧縮着火による燃焼を安定して行うべく、燃焼ガスの温度を高めるために、膨張行程において付加的に燃料を噴射するものである。
【0026】
図2は、ECU3で実行される気筒失火制御処理のメインフローである。同図(a)の処理は、CRK信号の発生ごとにこれに同期して実行されるものであり、ステップ1(「S1」と図示。以下同様)において、CRK信号の発生時間間隔CRMeの平均値(以下「第1平均値」という)TAVEを算出する。また、同図(b)の処理は、TDC信号の発生ごとにこれに同期して実行されるものであり、第1平均値TAVEの平均値(以下「第2平均値」という)Mの変化量(以下「回転変動量」という)ΔMを算出する(ステップ11)とともに、算出した回転変動量ΔMに基づき、エンジン2の気筒2aごとに失火の発生の有無、および失火した気筒を判定する(ステップ12)。
【0027】
図3は、図2(a)のプログラムで実行される第1平均値TAVEの算出サブルーチンを示している。ステップ21では、CRK信号の発生時間間隔CRMe(n)を計測する。このCRMe(n)は、CRK信号の前回と今回との間の発生時間間隔を表す今回値であり、図4に示すように、i回前に計測されたCRMe値は、CRMe(n−i)と表すものとする。次いで、次式(1)により、発生時間間隔の今回の計測値CRMe(n)から11回前の計測値CRMe(n−11)までの12個のCRMeの値の平均値として、第1平均値TAVE(n)を算出する(ステップ22)。
【0028】
【数1】
前述したように、本実施形態では、クランクシャフトが30°回転するごとにCRK信号が発生するので、式(1)によって算出される第1平均値TAVE(n)は、クランクシャフトの1回転に対応する平均値である。このような平均化処理を行うことによって、クランクシャフトの1回転周期におけるエンジン回転の1次振動成分、すなわちクランク角センサ13の機械的誤差(製造誤差や取付誤差)に起因するノイズ成分が除去される。
【0029】
図5は、図2(b)のステップ11で実行される第2平均値Mの回転変動量ΔMの算出サブルーチンを示している。ステップ31では、次式(2)により、第1平均値TAVEの今回の算出値TAVE(n)から5回前の算出値TAVE(n−5)までの6個のTAVE値の平均値と、第2平均値M(n)を算出する。
【0030】
【数2】
前述したように、本実施形態では、エンジン2が4気筒4サイクルエンジンであり、クランクシャフトが180°するごとに、いずれかの気筒で着火が行われる。したがって、式(2)によって算出される第2平均値M(n)は、第1平均値TAVE(n)の着火周期ごとの平均値である。このような平均化処理を行うことによって、燃焼に起因するエンジン回転のトルク変動分として現れる2次振動成分、すなわちクランクシャフトの半回転周期における振動成分が除去される。
【0031】
次いで、ステップ32では、第2平均値M(n)の回転変動量ΔMを、次式(3)によって算出する。
ΔM(n)=M(n)−M(n−1) ・・・・・(3)
なお、エンジン2の失火が発生した場合には、第2平均値M(n)は増加傾向を示すので、これに応じて回転変動量ΔM(n)も増加する。
【0032】
図6は、図2(b)のステップ12で実行される気筒失火制御のサブルーチンを示している。まず、ステップ41において、エンジン2の要求トルクPMECMDを、エンジン回転数NEなどを用いて次式(4)によって算出する。
PMECMD=CONST・PSE/NE ・・・・・(4)
ここで、CONSTは定数であり、PSEはエンジン2の要求出力である。この要求出力PSEは、PSEテーブル(図示せず)に基づき、アクセル開度APおよびエンジン回転数NEに応じて設定される。このPSEテーブルは、0%〜100%の範囲内の所定のアクセル開度APごとに設定された複数のテーブルで構成されており、アクセル開度APがこれらの中間値を示す場合には、要求出力PSEは補間演算によって求められる。また、これらのテーブルでは、要求出力PSEは、エンジン回転数NEが大きいほど、およびアクセル開度APが大きいほど、大きな値に設定されている。
【0033】
次に、ステップ42において、エンジン2が、CI燃焼を実行すべき運転領域(以下「HCCI領域」という)にあるか否かを判別する。この判別は、図7に示す燃焼領域マップに基づき、前記ステップ41で算出した要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEに応じて行われる。この燃焼領域マップでは、HCCI領域は、CI燃焼を実行すべき運転領域として設定されており、要求トルクPMECMDが低〜中負荷域にあり、かつエンジン回転数NEが低〜中回転域にある運転領域に相当する。
【0034】
また、HCCI領域は境界線L1を境に2つに区分されており、要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEがいずれも低く、CI燃焼が不安定になりやすい運転領域が、HCCI2領域として設定され、それ以外の運転領域がHCCI1領域として設定されている。
【0035】
図6に戻り、前記ステップ42の判別結果がNOで、エンジン2がHCCI領域にないときには、すべての気筒2aの燃焼モードをSI燃焼モードに決定し、すべての気筒2aをSI燃焼モードで運転する(以下「全気筒SI運転」という)ようにする(ステップ43)とともに、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2nを「0」にセットし(ステップ44)、本処理を終了する。このHCCI2領域失火フラグF_HCCI2nは、後述するように、エンジン2の運転領域がHCCI2領域にあり、かつ後述するn気筒が完全に失火していると判定されたときに「1」に、それ以外のときに「0」に、気筒2aごとにそれぞれセットされるものである。
【0036】
一方、前記ステップ42の判別結果がYESで、エンジン2がHCCI領域にあるときには、ステップ45に進み、後述するダウンカウント式のタイマの値TmHCCIが0であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、このタイマ値TmHCCI=0でないときには、前記ステップ43以降に進み、本処理を終了する。
【0037】
前記ステップ45の判別結果がYESで、タイマ値TmHCCI=0のときには、CYL信号などに基づき、今回、失火を判定する気筒2aが何番気筒であるかを判別する(ステップ46)。以下、今回判別された気筒2aを「n気筒」という。
【0038】
次いで、ステップ47では、前記ステップ46で判別したn気筒に関するHCCI2領域失火フラグF_HCCI2nが、「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、F_HCCI2n=0のとき、すなわちn気筒の前回の失火判定時において、エンジン2の運転領域がHCCI2領域にないか、またはn気筒が完全に失火していなかったときには、前記式(4)で算出した回転変動量ΔMが、ヒステリシス付きの所定の第1しきい値MSLMT1よりも大きいか否かを判別する(ステップ48)。この第1しきい値MSLMT1は、図8に示す第1しきい値用のマップを検索することによって求められる。
【0039】
このマップでは、第1しきい値MSLMT1は、要求トルクPMECMDが小さいほど、およびエンジン回転数NEが低いほど、より大きな値になるように設定されている。これは、これらの値が低いほど、エンジン2の回転が不安定になりやすく、失火が発生しやすいためである。
【0040】
図6に戻り、前記ステップ48の判別結果がNOで、ΔM≦MSLMT1のときには、n気筒が完全には失火していないとして、ステップ49に進む。このステップ49では、回転変動量ΔMが、ヒステリシス付きの所定の第2しきい値MSLMT2よりも大きいか否かを判別する。この第2しきい値MSLMT2は、図9に示す第2しきい値用のマップを検索することによって求められる。このマップでは、第2しきい値MSLMT2は、第1しきい値MSLMT1よりも小さな値に設定されており、また、第1しきい値用のマップの場合と同じ理由から、要求トルクPMECMDが小さいほど、およびエンジン回転数NEが低いほど、より大きな値になるように設定されている。
【0041】
図6に戻り、前記ステップ49の判別結果がNOで、ΔM≦MSLMT2のときには、n気筒に失火が発生していないとして、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定し、n気筒をCI燃焼モードで運転するようにする(ステップ50)とともに、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0042】
一方、前記ステップ49の判別結果がYESで、MSLMT2<ΔM≦MSLMT1のときには、n気筒に失火が発生しているものの、その失火度合が比較的小さいとして、前記ステップ50と同様、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定する(ステップ51)。また、CI燃焼を安定化させるために、付加燃料噴射を実行するものとし、付加燃料噴射量Post_qを決定した(ステップ52)後、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0043】
この付加燃料噴射量Post_qは、図10に示す燃料噴射量テーブルを検索することによって決定される。この燃料噴射量テーブルでは、付加燃料噴射量Post_qは、回転変動量ΔMが大きいほど、より大きな値に設定されている。これは、回転変動量ΔMが大きく、エンジン2の回転が不安定であるほど、付加燃料噴射量Post_qを多くすることによって、付加燃料噴射による燃焼ガスおよび作動ガスの昇温効果を高め、CI燃焼の安定化をより図るためである。
【0044】
図6に戻り、前記ステップ48の判別結果がYESで、ΔM>MSLMT1のときには、n気筒が完全に失火しているとして、ステップ53に進む。
【0045】
このステップ53では、今回判定されたn気筒を含め、現在までに完全失火していると判定された気筒数(以下「完全失火気筒数」という)MISCYLが、所定気筒数CYLJUD(例えば2)に達したか否かを判別する。この完全失火気筒数MISCYLは、例えば全気筒分の完全失火履歴を格納するためのリングバッファなどを用いて記憶されている。
【0046】
この判別結果がNOで、完全失火気筒数MISCYL<所定気筒数CYLJUDのときには、n気筒のみの燃焼モードをSI燃焼モードへ切り換える(ステップ54)とともに、要求トルクPMECMDおよびエンジン回転数NEに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって、点火時期IGLOGおよび燃料噴射時間TOUTをそれぞれ求める(ステップ55)。これらのマップでは、点火時期IGLOGおよび燃料噴射時間TOUTは、これらの値に基づいてSI燃焼を実行したときに得られるトルクが、他の気筒においてCI燃焼を実行したときに得られるトルクと同じになるように設定されている。これにより、n気筒と他の気筒との間で、出力トルク差が発生するのを防止することができる。次いで、ステップ56において、エンジン2がHCCI2領域にあるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、前記ステップ44に進み、本処理を終了する。
【0047】
一方、前記ステップ56の判別結果がYESで、エンジン2がHCCI2領域にあるときには、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2nを「1」にセットし(ステップ57)、本処理を終了する。以下、エンジン2がHCCI2領域にあり、かつ気筒2aが完全に失火している状態を、「HCCI2領域完全失火状態」という。
【0048】
一方、前記ステップ47の判別結果がYESで、HCCI2領域失火フラグF_HCCI2n=1のときには、エンジン2がHCCI2領域にあるか否かを判別する(ステップ58)。この判別結果がYESで、エンジン2がHCCI2領域にあるとき、すなわち前回のn気筒の失火判定時において、HCCI2領域完全失火状態にあると判定され、かつ今回の失火判定時にもエンジン2がHCCI2領域に留まっているときには、n気筒の燃焼安定性を確保するために、前記ステップ53以降に進み、n気筒についてSI燃焼を継続して実行する。一方、ステップ58の判別結果がNOで、今回、エンジン2がHCCI2領域から離脱したときには、前記ステップ48以降に進み、失火判定を改めて行う。
【0049】
前記ステップ53の判別結果がYESで、完全失火気筒数MISCYLが、所定気筒数CYLJUDに達したときには、タイマ値TmHCCIを所定時間THCCI(例えば300sec)にセットする(ステップ59)とともに、前記ステップ43以降に進み、全気筒SI運転を実行するようにし、本処理を終了する。このタイマTmHCCIは、完全失火による全気筒SI運転への移行後に、エンジン2の燃焼状態が安定するまでの時間を計時するものである。すなわち、上記ステップ59が実行されたときには、前記ステップ45の判別結果がNOとなることで、前記ステップ43に進む。これにより、完全失火によって全気筒SI運転に移行したときには、その後、所定時間THCCIが経過するまでは、エンジン2がHCCI領域にあったとしても、全気筒SI運転が継続して強制的に実行される。
【0050】
図11は、燃焼モードがCI燃焼モードのときの吸気弁8および排気弁9の開閉、ならびにメイン噴射および付加燃料噴射のタイミングを示している。同図に示すように、CI燃焼モードにおいては、排気行程の終わりから吸気行程の開始時付近までの間に、1回目のメイン噴射を実行する。また、吸気行程の終わりから圧縮行程の始めまでの間に、2回目のメイン噴射を実行する。さらに、図6の前記ステップ52により付加燃料噴射を実行する場合には、付加燃料噴射を膨張行程において実行する。このときの付加燃料噴射量Post_qは、前述したように回転変動量ΔMに応じて設定される。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、エンジン2の失火度合を気筒2aごとに表すパラメータとして、回転変動量ΔMを用い、その値が第1しきい値MSLMT1よりも大きいとき(ΔM>MSLMT1)には、n気筒が完全に失火しているとして、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードからSI燃焼モードへ切り換える。これにより、完全失火と判定されたn気筒での燃焼を、火花点火により安定させることによって、気筒2aごとに失火がそれ以上進行するのを防止でき、それにより、エンジンストールを確実に回避することができる。また、完全失火気筒数MISCYLが所定気筒数CYLJUDに達したときには、エンジン2全体としてCI燃焼が不安定状態にあるとして、全気筒SI運転を実行するので、エンジンストールを確実に回避することができる。
【0052】
また、回転変動量ΔMが、第1しきい値MSLMT1よりも小さく且つ第2しきい値MSLMT2よりも大きいとき(MSLMT2<ΔM≦MSLMT1)には、n気筒の燃焼モードをCI燃焼モードに決定するとともに、付加燃料噴射を実行することによって、CI燃焼を安定化させ、トルクの変動を抑制することにより、失火の進行を抑制しながら、CI燃焼を続行することができる。また、そのような付加燃料噴射を、気筒2aごとにきめ細かく制御するので、CI燃焼を気筒2aごとに可能な限り実行することができ、その結果、CI燃焼による燃費や排気特性の向上などの利点を、可能な限り得ることができる。
【0053】
さらに、第1および第2しきい値MSLMT1、MSLMT2を、エンジン2の要求トルクPMECMD、およびエンジン回転数NEに応じ、それらの値が小さいほど、より大きな値に設定するので、完全失火を原因とする気筒2aごとのSI燃焼モードへの切り換え、および付加燃料噴射を、実際の失火度合に応じた最適なタイミングで実行でき、したがって、CI燃焼を最大限に実行することができる。
【0054】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、説明した実施形態では、失火度合を表すパラメータとして、回転変動量ΔMを用いているが、これに代えて他の適当なパラメータ、例えば筒内圧センサで検出された気筒ごとの筒内圧を採用してもよい。また、本実施形態では、付加燃料噴射を、膨張行程時に実行しているが、圧縮行程時に実行してもよい。また、実施形態のエンジン2は、燃料を燃焼室2d内に直接、噴射する直噴タイプのものであるが、本発明を、吸気管4に燃料を噴射するポート噴射タイプの内燃機関に適用してもよい。また、本発明は、車両に搭載した圧縮着火式内燃機関に限らず、クランクシャフトを鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンなどを含む、様々な産業用の圧縮着火式内燃機関に適用することが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の圧縮着火式内燃機関の制御装置は、圧縮着火燃焼モード中における失火やエンジンストールを確実に回避しながら、圧縮着火燃焼を最大限に実行できるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による制御装置を適用した圧縮着火式内燃機関の構成を示す図である。
【図2】気筒失火制御処理のメインフローを示すフローチャートである。
【図3】第1平均値TAVEの算出サブルーチンのフローチャートである。
【図4】CRK信号の発生時間間隔CRMeとクランク角度位置との関係を説明するための図である。
【図5】第2平均値Mの回転変動量ΔMの算出サブルーチンのフローチャートである。
【図6】気筒失火制御処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】図6の処理で用いられる燃焼領域マップの一例を示す図である。
【図8】図6の処理で用いられる第1しきい値用のマップの一例である。
【図9】図6の処理で用いられる第2しきい値用のマップの一例である。
【図10】図6の処理で用いられる付加燃料噴射の燃料噴射量テーブルの一例である。
【図11】CI燃焼モードのときの吸気弁および排気弁の開閉、ならびにメイン噴射および付加燃料噴射のタイミングの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御装置
2 エンジン
2a 気筒
2d 燃焼室
3 ECU(失火度合パラメータ検出手段、燃焼モード切換手段、付加燃料噴射手段、負荷検出手段、回転数検出手段、第1および第2しきい値設定手段および付加燃料噴射量決定手段)
13 クランク角センサ
14 アクセル開度センサ
ΔM 回転変動量(失火度合パラメータ)
MSLMT1 第1しきい値
MSLMT2 第2しきい値
PMECMD 要求トルク(負荷)
NE エンジン回転数(回転数)
Post_q 付加燃料噴射量
Claims (4)
- 複数の気筒を有し、当該気筒の燃焼室に供給された混合気を圧縮着火により燃焼させる圧縮着火燃焼モードと、火花点火により燃焼させる火花点火燃焼モードに、燃焼モードを前記気筒ごとに切り換え可能に構成された圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の失火度合を表す失火度合パラメータを前記気筒ごとに検出する失火度合パラメータ検出手段と、
前記燃焼モードが前記圧縮着火燃焼モードの場合において、前記検出された失火度合パラメータが所定の第1しきい値よりも大きいときに、当該気筒の前記燃焼モードを前記火花点火燃焼モードへ切り換える燃焼モード切換手段と、
前記燃焼モードが前記圧縮着火燃焼モードの場合において、前記失火度合パラメータが、前記第1しきい値よりも小さく且つ所定の第2しきい値よりも大きな所定の範囲内にあるときに、当該気筒の前記燃焼室へ付加的に燃料を噴射する付加燃料噴射を実行する付加燃料噴射手段と、
を備えていることを特徴とする圧縮着火式内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記検出された負荷および回転数に応じて、前記第1および第2しきい値を設定するしきい値設定手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置。 - 前記付加燃料噴射の噴射量を、前記検出された失火度合パラメータが大きいほど、より大きな値に決定する付加燃料噴射量決定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、をさらに備え、
前記燃焼モード切換手段は、前記検出された内燃機関の負荷および回転数が所定の圧縮着火運転領域内にあるときに、前記燃焼モードを前記圧縮着火燃焼モードに設定し、
前記圧縮着火運転領域は、前記負荷および回転数がいずれも低い第2圧縮着火運転領域を含み、
前記燃焼モード切換手段は、前記失火度合パラメータが前記第1しきい値よりも大きいことにより、前記燃焼モードを前記火花点火燃焼モードに切り換えた場合には、前記検出された負荷および回転数が前記第2圧縮着火運転領域にある限り、当該気筒の燃焼モードを前記火花点火燃焼モードに維持することを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003179524A JP2005016343A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 圧縮着火式内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003179524A JP2005016343A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 圧縮着火式内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
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ID=34180826
Family Applications (1)
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JP2003179524A Withdrawn JP2005016343A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 圧縮着火式内燃機関の制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179524A patent/JP2005016343A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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