JP2021175889A - エンジン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浄化装置の暖機の際に点火時期の遅角量をより良好な状態に保持する。【解決手段】浄化装置を暖機する際、膨張行程で前記点火プラグにより点火すると共にこの膨張行程における点火に同期して筒内噴射弁から燃料を噴射する膨張行程噴射暖機を選択して実行するときには、予め定めたベース点火時期を点火時期として膨張行程噴射暖機を実行する際に,エンジンの回転数が所定回転数より大きいときには点火時期を遅角させると共にエンジンの回転数が所定回転数より小さいときには点火時期を進角させる補正値をベース点火時期に加味して点火時期を計算し、点火時期がベース点火時期より所定遅角量以上遅角しているときにはエンジンの吸入空気量を低減する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、燃焼室の内部に燃料を噴射する筒内噴射弁と燃焼室の頂部付近に設置された点火プラグとを有するエンジンを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置では、圧縮行程において筒内噴射弁から燃料噴射を行ない、点火プラグ近傍に成層混合気を形成して成層燃焼を行う燃焼モード運転中にノッキング発生が検出されると、点火時期を遅角する。また、点火時期に応じた燃料噴射時期の遅角量が、基準量より小さい場合には、遅角量に応じて遅角した噴射時期において圧縮行程における燃料噴射を実行する。
特開2018−131948号公報
上述のエンジン装置では、一般的に、排気を浄化する触媒を有する浄化装置を暖機するときには点火時期を遅角し、より多くの熱を浄化装置側に供給することが行なわれ、点火時期として膨張行程が選択される場合もある。この場合、点火をより確実にするために点火に同期して燃料噴射を行なうことも考えられている。このような膨張行程における点火は、浄化装置に多くの熱を供給して迅速に浄化装置を暖機することができるため、できるだけ点火時期を遅角するのが好ましいが、エンジンの出力トルクが小さくなるためエンジンの回転数が不安定になりやすい。このため、点火時期の遅角量を良好な状態に保つのが困難となる。
本発明のエンジン装置は、浄化装置の暖機の際に点火時期の遅角量をより良好な状態に保持することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
燃焼室に燃料を噴霧する筒内噴射弁と前記筒内噴射弁から噴霧される燃料に点火可能な点火プラグとを有するエンジンと、
前記エンジンの排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置と、
前記筒内噴射弁による燃料噴射と前記点火プラグによる点火とを制御する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記浄化装置を暖機する際、膨張行程で前記点火プラグにより点火すると共にこの膨張行程における点火に同期して前記筒内噴射弁から燃料を噴射する膨張行程噴射暖機を選択して実行するときには、
(A)予め定めたベース点火時期を点火時期として前記膨張行程噴射暖機を実行する際に,前記エンジンの回転数が所定回転数より大きいときには点火時期を遅角させると共に前記エンジンの回転数が前記所定回転数より小さいときには点火時期を進角させる補正値を前記ベース点火時期に加味して点火時期を計算し、
(B)点火時期が前記ベース点火時期より所定遅角量以上遅角しているときには前記エンジンの吸入空気量を低減する、
ことを特徴とする。
この本発明のエンジン装置では、エンジンの排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置を暖機する際、膨張行程で点火プラグにより点火すると共にこの膨張行程における点火に同期して筒内噴射弁から燃料を噴射する膨張行程噴射暖機を選択して実行するときには、予め定めたベース点火時期を点火時期として膨張行程噴射暖機を実行する際に、エンジンの回転数が所定回転数より大きいときには点火時期を遅角させると共にエンジンの回転数が所定回転数より小さいときには点火時期を進角させる補正値をベース点火時期に加味して点火時期を計算する。これにより、浄化装置を膨張行程噴射暖機により暖機する際に、エンジンの回転数を安定させながら点火時期を遅角した状態を保持することができる。また、点火時期がベース点火時期より所定遅角量以上遅角しているときにはエンジンの吸入空気量を低減する。これより、点火時期がベース点火時期より所定遅角量以上遅角するのを抑止することができる。この場合、点火時期がベース点火時期より所定遅角量までの範囲は不感帯として機能するから、エンジンの回転数による点火時期の補正と点火時期の遅角によるエンジンの吸入空気量の低減とによるハンチングを抑止することができる。これらの結果、浄化装置の暖機の際に点火時期の遅角量をより良好な状態に保持することができる。
本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 急速暖機として膨張行程噴射暖機が行なわれたときのエンジン12の回転数Neと点火時期Tfの時間変化の一例を示す説明図である。 ECU70により実行される膨張行程噴射暖機フィードバック制御の一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。実施例のエンジン装置10は、図示するように、エンジン12と、エンジン12を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)70とを備える。なお、このエンジン装置10は、エンジン12からの動力だけを用いて走行する自動車や、エンジン12に加えてモータを備えるハイブリッド自動車、エンジン12からの動力を用いて作動する建設設備などに搭載される。実施例では、エンジン装置10が自動車に搭載されている場合を想定して説明する。
エンジン12は、ガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気・圧縮・膨張・排気の4行程によって動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁26と、点火プラグ30とを有する。筒内噴射弁26は燃焼室29の頂部の略中央に配置されており、燃料をスプレー状に噴射する。点火プラグ30は、筒内噴射弁26からスプレー状に噴霧される燃料に点火できるように筒内噴射弁26の近傍に配置されている。エンジン12は、エアクリーナ22によって清浄された空気を吸気管25を介して燃焼室29に吸入し、吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁26から1回又は複数回に亘って燃料を噴射し、点火プラグ30による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト16の回転運動に変換する。
エンジン12の燃焼室29から排気管33に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)34aを有する浄化装置34を介して外気に排出される。
ECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートを備える。ECU70には、エンジン12を制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU70に入力される信号としては、例えば、クランクシャフト16の回転位置を検出するクランクポジションセンサ40からのクランク角θcrや、エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ42からの冷却水温Tw、吸気バルブ28を開閉するインテークカムシャフトの回転位置および排気バルブ31を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカム角θci,θcoを挙げることができる。また、吸気管25に設けられたスロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ46からのスロットル開度THや、吸気管25に取り付けられたエアフローメータ48からの吸入空気量Qa、吸気管25に取り付けられた温度センサ49からの吸気温Ta、吸気管25内の圧力を検出する吸気圧センサ58からの吸気圧Pinも挙げることができる。更に、浄化装置34の浄化触媒34aの温度を検出する温度センサ34bからの触媒温度Tcや、排気管33に取り付けられた空燃比センサ35aからの空燃比AF、排気管33に取り付けられた酸素センサ35bからの酸素信号O2、シリンダブロックに取り付けられてノッキングの発生に伴って生じる振動を検出するノックセンサ59からのノック信号Ksも挙げることができる。
ECU70からは、エンジン12を制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。ECU70から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ24のポジションを調節するスロットルモータ36への駆動制御信号や、筒内噴射弁26への駆動制御信号、点火プラグ30への駆動制御信号を挙げることもできる。
ECU70は、クランクポジションセンサ40からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト16の回転数、即ち、エンジン12の回転数Neを演算している。また、ECU70は、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて、エンジン12の負荷としての体積効率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLも演算している。
こうして構成されるエンジン装置10では、ECU70は、エンジン12が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいて運転されるようにエンジン12の吸入空気量制御や、燃料噴射制御、点火制御を行なう。吸入空気量制御では、ECU70は、エンジン12の目標トルクTe*に基づいて目標空気量Qa*を設定し、吸入空気量Qaが目標空気量Qa*となるように目標スロットル開度TH*を設定し、スロットルバルブ24のスロットル開度THが目標スロットル開度TH*となるようにスロットルモータ36を制御する。燃料噴射制御では、ECU70は、エンジン12の回転数Neと体積効率KLとに基づいて空燃比AFが目標空燃比AF*(例えば理論空燃比)となるように筒内噴射弁26の目標燃料噴射量Qfd*を設定し、筒内噴射弁26から目標燃料噴射量Qfd*の燃料が1回又は複数回に亘って噴射されるように筒内噴射弁26を制御する。点火制御では、ECU70は、エンジン12の回転数Neと負荷率KLとに基づいて目標点火時期Tf*を設定し、目標点火時期Tf*で点火が行なわれるようにイグニッションコイル38を制御する。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置10の動作、特に、浄化装置34の浄化触媒(三元触媒)34aを急速暖機する際の動作について説明する。浄化装置34の急速暖機は、触媒温度Tcが活性化する温度未満の所定温度以下の条件やアクセルオフの条件が成立しているときに行なわれる。急速暖機は、エンジン12の始動時の水温Twが第1所定温度(例えば35度や45度など)未満のときには、吸気行程で1回〜3回の燃料噴射を行ない、より迅速に触媒暖機を行なってエミッションをよくするために最終の燃料噴射を膨張行程で行なうと共に膨張行程における燃料噴射と同期して点火する膨張行程噴射暖機により行なわれる。一方、エンジン12の始動時の水温が第1所定温度以上のときには、エミッションを良好に保つために最終の燃料噴射を圧縮行程で行なうと共に膨張行程で点火する圧縮行程噴射暖機により行なわれる。膨張行程噴射暖機では、できる限り点火時期Tfを遅角するように制御される。点火時期Tfを遅角すると、燃焼効率が低下するため、吸入空気量を増やすことによりエンジン12の回転数Neを維持する。この結果として、燃焼ガス量が増えるため、エミッション成分の絶対量も増えるが、触媒暖機は促進される。圧縮行程噴射暖機では、エミッションを良好に保持しながら触媒暖機を行なうため、点火時期Tfの遅角量は膨張行程噴射暖機のときに比して小さくなる。実施例では、膨張行程噴射暖機が選択されるか圧縮行程噴射暖機が選択されるかにより、点火時期Tfのベース値としてのベース点火時期Tfbaseと、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Neset(例えば1300rpmや1500rpmなど)に保つために点火時期Tfの遅角量を補正するフィードバックの補正値Tkの遅角側ガード値Tfgrdとを変更する。このため、膨張行程噴射暖機のときのベース点火時期Tfb1および遅角側ガード値Tfg1と圧縮行程噴射暖機のときのベース点火時期Tfb2および遅角側ガード値Tfg2とを予め定めてマップとして記憶し、膨張行程噴射暖機が選択されたときにはマップからベース点火時期Tfb1および遅角側ガード値Tfg1をベース点火時期Tfbaseおよび遅角側ガード値Tfgrdに設定して用い、圧縮行程噴射暖機が選択されたときにはマップからベース点火時期Tfb2および遅角側ガード値Tfg2をベース点火時期Tfbaseおよび遅角側ガード値Tfgrdに設定して用いる。なお、膨張行程噴射暖機のときのベース点火時期Tfb1としてはATDC20(After TDC(Top Dead Center:上死点)20度)やATDC18などを用いることができ、遅角側ガード値Tfg1としては3度や5度などを用いることができる。また、圧縮行程噴射暖機のときのベース点火時期Tfb2としては膨張行程噴射暖機のときのベース点火時期Tfb1より進角側だあり、例えばATDC10やATDC15などを用いることができ、遅角側ガード値Tfg2としては3度や5度などを用いることができる。
また、急速暖機は、シフトポジションがニュートラルポジション(Nポジション)のときとドライブポジション(Dポジション)ときに実行される。実施例では、シフトポジションにより上述の第1所定温度を切り替える。即ち、シフトポジションにより膨張行程噴射暖機を選択するか圧縮行程噴射暖機を選択するかを判定するエンジン12の始動時の水温Twが第1所定温度を切り替えるのである。例えば、Nポジションのときには第1所定温度として45度を用い、Dポジションのときには第1所定温度として35度を用いるものとし、Nポジションのときの方がDポジションのときに比して膨張行程噴射暖機が選択しやすいようにしてもよい。
急速暖機が標高の高い高地で行なわれるときには、空気密度が小さくなることからエンジン12の出力トルクが低下するため、膨張行程噴射暖機と圧縮行程噴射暖機のいずれの場合にもベース点火時期Tfbaseを進角側に補正する。
図2は、急速暖機として膨張行程噴射暖機が行なわれたときのエンジン12の回転数Neと点火時期Tfの時間変化の一例を示す説明図である。図2の点火時期Tfでは下方側を遅角側として上方側を進角側として示した。急速暖機の実行条件が成立した時間T1に至ると、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetに上昇させると共に点火時期Tfをゆっくり遅角させる処理を開始する。エンジン12の回転数Neが暖機用回転数Nesetに至った時間T2では、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetで保持しながら点火時期Tfを比較的迅速に遅角させる処理を開始する。そして、点火時期Tfがベース点火時期Tfbaseまで遅角した時間T3からは、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetで保持しながら点火時期Tfの遅角量をより良好な状態に保持するための張行程噴射暖機フィードバック制御を実施する。この制御については後述する。時間T4に暖機終了移行条件が成立すると、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetで保持しながら点火時期Tfを比較的迅速に進角させる処理を開始する。暖機終了移行条件としては、触媒温度Tcが活性化する温度以上である条件やエンジン12の冷却水温Twが第2所定温度(例えば70度など)以上である条件、積算吸入空気量が所定量以上である条件、アクセルオンとされた条件などのうちのいずれか一つあるいは複数を用いることができる。そして、点火時期Tfが終了判定点火時期Tfendに至った時間T5では、膨張行程噴射を終了し、点火時期Tfを除変させて急速暖機の終了後に設定される目標点火時期Tf*とする。このとき、エンジン12の回転数Neは急速暖機の終了後に設定される目標回転数Ne*となるように調整される。図2では、浄化装置34の暖機が完了したことにより終了する場合を想定し、エンジン12の回転数Neをアイドル回転数となるようにした。なお、終了判定点火時期Tfendとしては、圧縮上死点(TDC)やそれより若干遅角した値を用いることができる。点火時期Tfが目標点火時期Tf*に至った時間T6では、急速暖機を完全に終了し、エンジン12からアクセル開度に応じたトルクを出力する通常の点火時期Tfとなる。
次に、膨張行程噴射暖機フィードバック制御について説明する。図2は、ECU70により実行される膨張行程噴射暖機フィードバック制御の一例を示すフローチャートである。膨張行程噴射暖機フィードバック制御は、暖機終了移行条件が成立するまで、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfの調整と点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量に基づくエンジン12の吸入空気量の調整とを行なうフィードバック制御である。膨張行程噴射暖機フィードバック制御の繰り返し頻度は、点火時期Tfの計算を繰り返す頻度であり、例えば、4気筒エンジンの場合にはクランク角180度毎の頻度となり、6気筒エンジンの場合にはクランク角120度毎の頻度となる。
膨張行程噴射暖機フィードバック制御が実行されると、ECU70は、先ず、エンジン12の回転数Neを入力し(ステップS100)、エンジン12の回転数Neと暖機用回転数Nesetとの差分(Ne−Neset)に対して比例項と積分項とによるフィードバックにおける点火時期補正値Tkを計算する(ステップS110)。そして、ベース点火時期Tfbaseに点火時期補正値Tkを加えて点火時期Tfを計算する(ステップS120)。これにより、エンジン12の回転数を暖機用回転数Nsetに保持しながら点火時期Tfを遅角することができる。
次に、点火時期Tfのフィードバックにおける点火時期補正値Tkに対して積分項によるフィードバックにおける吸入空気量補正値Qkを計算する(ステップS130)。吸入空気量補正値Qkを比例項を用いずに積分項によって計算するのは点火時期Tfのフィードバック制御と吸入空気量Qaのフィードバック制御とを共存させることによるハンチングを抑制するためである。続いて、点火時期補正値Tkが閾値Tfref以上であるか否かを判定する(ステップS140)。閾値Tfrefは、ベース点火時期Tfbaseからの不感帯を設定するものであり、例えば、3度や4度などを用いることができる。点火時期補正値Tkが閾値Tfref以上であると判定したときには、吸入空気量Qaを吸入空気量補正値Qkだけ低減する(ステップS150)。吸入空気量Qaの低減は、具体的には、吸入空気量Qaが吸入空気量補正値Qkだけ低減すると見込まれるだけスロットルバルブ24を閉じることにより行なわれる。これにより、エンジン12の回転数Neが降下するから、次回この膨張行程噴射暖機フィードバック制御が実行されたときにエンジン12の回転数Neによる点火時期Tfのフィードバックの点火時期補正値Tkが小さく計算されるようになる。こうして吸入空気量Qaを吸入空気量補正値Qkだけ低減したり、ステップS150で点火時期補正値Tkが閾値Tfref未満であると判定したときには、暖機終了移行条件が成立しているか否かを判定し(ステップS160)、暖機終了移行条件が成立していないと判定したときには、膨張行程噴射暖機フィードバック制御における繰り返し処理の最初のステップS100のエンジン12の回転数Neを読み込む処理に戻る。一方、ステップS160で暖機終了移行条件が成立していると判定したときには、膨張行程噴射暖機フィードバック制御を終了する。
膨張行程噴射暖機フィードバック制御を実行している最中は、時間の経過に伴ってエンジン12の温度が上昇するため、フリクショントルクが小さくなりエンジン12の回転数Neが上昇して暖機用回転数Nesetを上回るようになる。このとき、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfのフィードバック制御により点火時期Tfが遅角され、エンジン12の回転数Neは暖機用回転数Nesetに戻される。点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量である点火時期補正値Tkが閾値Tfref以上になると、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御により吸入空気量Qaが吸入空気量補正値Qkだけ低減される。これにより、エンジン12の回転数Neが暖機用回転数Nesetから降下し、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfのフィードバック制御により点火時期Tfが進角され、エンジン12の回転数Neが暖機用回転数Nesetに戻される。このようにして、エンジン12の回転数Neは暖機用回転数Nesetに保持され、点火時期Tfはベース点火時期Tfbaseから閾値Tfrefまでの遅角の範囲内で良好に保持される。点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御において、不感帯を設けると共に吸入空気量補正値Qkを積分項だけによって計算することにより、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfのフィードバック制御と点火時期Tfの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御とが共存することによって生じ得るハンチングを抑制する。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、膨張行程噴射暖機中は、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfのフィードバック制御と、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御とを共存させた膨張行程噴射暖機フィードバック制御を実行する。これにより、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetで保持しながら、点火時期Tfの遅角量を良好に保持することができる。また、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御において、不感帯を設けると共に吸入空気量補正値Qkを積分項だけによって計算することにより、エンジン12の回転数Neに基づく点火時期Tfのフィードバック制御と点火時期Tfの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御とが共存することによって生じ得るハンチングを抑制することができる。これらの結果、エンジン12の回転数Neを暖機用回転数Nesetで保持しながら、点火時期Tfをベース点火時期Tfbaseから閾値Tfrefまでの遅角量の範囲内で良好に保持することができる。
実施例のエンジン装置10では、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御として点火時期補正値Tkが閾値Tfref以上のときに吸入空気量Qaを吸入空気量補正値Qkだけ低減するものとした。しかし、点火時期補正値Tkが負の値(進角側)としてのその絶対値が閾値Tfref以上(負の値としては閾値Tfref以下)のときに吸入空気量Qaを吸入空気量補正値Qkだけ増加するものとしてもよい。即ち、点火時期Tfがベース点火時期Tfbaseを中心にプラスマイナス閾値Tfref以上のときには吸入空気量Qaを増減するように制御してもよい。
実施例のエンジン装置10では、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御として点火時期補正値Tkが不感帯として機能する閾値Tfref以上のときに吸入空気量Qaを吸入空気量補正値Qkだけ低減するものとした。しかし、こうした不感帯を用いないものとしても構わない。
実施例のエンジン装置10では、点火時期Tfのベース点火時期Tfbaseからの遅角量(点火時期補正値Tk)に基づく吸入空気量Qaのフィードバック制御において、吸入空気量補正値Qkを積分項だけによって計算するものとした。しかし、吸入空気量補正値Qkを比例項と積分項とによって計算するものとしてもよい。
実施例のエンジン装置10は、例えば後段に自動変速機を備える自動車に搭載されるものとしたり、走行用の動力を出力するモータと共にハイブリッド自動車に搭載されるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、浄化装置34が「浄化装置」に相当し、ECU70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、12 エンジン、16 クランクシャフト、22 エアクリーナ、24 スロットルバルブ、25 吸気管、26 筒内噴射弁、34b 温度センサ、28 吸気バルブ、29 燃焼室、30 点火プラグ、31 排気バルブ、32 ピストン、33 排気管、34 浄化装置、34a 浄化触媒、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36 スロットルモータ、40 クランクポジションセンサ、42 水温センサ、44 カムポジションセンサ、46 スロットルバルブポジションセンサ、48 エアフローメータ、49 温度センサ、58 吸気圧センサ、59 ノックセンサ、70 電子制御ユニット。

Claims (1)

  1. 燃焼室に燃料を噴霧する筒内噴射弁と前記筒内噴射弁から噴霧される燃料に点火可能な点火プラグとを有するエンジンと、
    前記エンジンの排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置と、
    前記筒内噴射弁による燃料噴射と前記点火プラグによる点火とを制御する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記浄化装置を暖機する際、膨張行程で前記点火プラグにより点火すると共にこの膨張行程における点火に同期して前記筒内噴射弁から燃料を噴射する膨張行程噴射暖機を選択して実行するときには、
    (A)予め定めたベース点火時期を点火時期として前記膨張行程噴射暖機を実行する際に,前記エンジンの回転数が所定回転数より大きいときには点火時期を遅角させると共に前記エンジンの回転数が前記所定回転数より小さいときには点火時期を進角させる補正値を前記ベース点火時期に加味して点火時期を計算し、
    (B)点火時期が前記ベース点火時期より所定遅角量以上遅角しているときには前記エンジンの吸入空気量を低減する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
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