JP2003097332A - 内燃機関の排気浄化装置および浄化法 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置および浄化法

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N0x吸蔵触媒から効果的にSOxを放出す
ると共に、排気ガスの悪化や三元触媒の異常温度上昇が
防止できる排気浄化装置および方法を得る。 【解決手段】 内燃機関1の燃焼室5に燃料を噴射する
燃料噴射手段7と、燃焼室内5の燃料を点火する点火手
段8と、内燃機関1の排気通路9に設けられたNOx吸
蔵触媒13と、燃料噴射手段7による燃料噴射量と噴射
時期、および、点火手段8による点火時期を制御する制
御手段16とを備え、制御手段16が、NOx吸蔵触媒
13に吸着するSOxの吸着量を推定し、SOxの吸着
量が所定値を越えたと判定したとき、内燃機関1の燃焼
行程または排気行程において燃料を所定の期間追加噴射
してNOx吸蔵触媒13を所定の温度まで昇温させ、追
加噴射の完了後、所定の期間点火時期を遅角させてNO
x吸蔵触媒13の温度を維持するようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、N0x吸蔵触媒
を硫黄酸化物被毒から再生する機能を備えた内燃機関の
排気浄化装置並びに浄化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】理論空燃比より希薄な混合気を燃焼させ
るリーンバーンの内燃機関においては排出されるNOx
を浄化するために、N0x吸蔵触媒を用いた排気ガスの
浄化装置が使用されている。この浄化装置は、内燃機関
のリーン運転時に排出されるN0xを吸着させ、所定の
周期毎に空燃比をリッチに切替えて排気ガス中の酸素濃
度を低下させることにより、N0x吸蔵触媒に吸蔵され
たN0xを放出して還元処理を行い、排気ガスを浄化す
るものである。
【0003】内燃機関の排気ガス中には硫黄酸化物(以
下SOxと称す)が含まれており、このSOxがN0x
と共にN0x吸蔵触媒に吸着される。N0x吸蔵触媒に
吸着されたSOxは空燃比をリッチに切替えても放出さ
れないため、運転時間と共に吸着量が増加してN0x吸
蔵触媒によるN0xの吸蔵機能を低下させる。これを防
止するためにはN0x吸蔵触媒を高温化してSOxを放
出することが必要であり、燃料の噴射を吸気行程や圧縮
行程以外に燃焼行程や排気行程にて追加噴射したり、あ
るいは、点火時期を遅らせることにより排気ガス温度を
上昇させ、N0x吸蔵触媒からSOxを放出させてい
た。
【0004】このような技術を開示したのが例えば特開
平8−100638号公報であり、また、特開平11−
107813号公報である。前者に開示された技術は、
気筒内に直接噴射した燃料を点火して燃焼させる筒内噴
射型内燃機関において、第一回目の燃料噴射を圧縮行程
にて行い、燃焼行程の初期から中期にかけて第二回目の
追加噴射を行い、この追加噴射による燃料を第一回目の
噴射による燃料の火炎伝播により着火させることによ
り、点火装置を重複動作させることなく排気ガスの温度
を上昇させ、排気ガスの温度により触媒を活性化するよ
うにしたものであり、内燃機関の運転条件に応じて第二
回目の追加噴射か、あるいは、点火時期の遅角かのいず
れかを選択して実施すると共に、第二回目の追加噴射を
選択したときには必要に応じて第三回目の追加噴射を行
うようにしたものである。
【0005】また、後者に開示された技術は、燃焼制御
手段が吸気行程と燃焼行程との二回に分けて燃料を噴射
するモードを備えており、N0x吸蔵触媒からSOxを
放出させるとき、内燃機関の運転条件に応じて二回に分
けた燃料噴射と、点火時期の遅角制御とのいずれかを選
択的に実施することにより、排気ガスの温度を上昇さ
せ、この排気ガスの温度によりN0x吸蔵触媒の温度を
SOxの放出に必要な温度まで高めるようにしたもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、燃焼行程
において燃料の追加噴射を行うことによりN0x吸蔵触
媒の温度を昇温させるとき、特に、特開平8−1006
38号公報に開示されているような圧縮行程にて主噴射
して燃焼行程にて追加噴射する場合においては、スモー
クが発生する問題があることから圧縮行程での噴射量に
制約があり、燃焼行程での噴射量を多くせざるを得ず、
未燃焼状態の燃料が排出されやすい。このために、排気
経路のN0x吸蔵触媒の上流側に三元触媒が配置されて
いる場合には、三元触媒と未燃焼燃料との反応により三
元触媒の温度が異常上昇し、耐熱温度限界を超えて破損
する恐れがある。
【0007】また、特開平11−107813号公報に
開示されているように、吸気行程と燃焼行程との二回に
分けて燃料を噴射する場合においてはスモークが発生す
ることがないので、燃焼行程での噴射量を少なくして未
燃焼燃料による三元触媒の温度の異常上昇を抑制するこ
とができるが、N0x吸蔵触媒の昇温のためには吸気行
程噴射による空燃比を可能な限りリーン側に設定する必
要があり、燃焼が不安定となって内燃機関の回転変動が
大きくなると共に、空燃比の僅かな変化によって昇温効
果や燃焼状態が大きく変化するという問題があった。
【0008】燃焼行程における燃料の追加噴射は点火時
期の遅角制御に較べてN0x吸蔵触媒の昇温効果が大で
あり、排気ガス温度の低い低回転時や低負荷時の昇温に
用いられるが、追加噴射のタイミングと噴射量とを最適
値に制御しないと排気ガスの悪化や三元触媒の異常温度
上昇などの現象が現れる。また、SOxが放出されるま
での期間は、N0x吸蔵触媒の温度をSOxの放出に必
要な温度(通常、600℃以上)に維持しなければなら
ず、追加噴射によりこの温度を維持する場合には追加噴
射をSOxの放出完了まで継続する必要があり、追加噴
射の実施期間が長くなってしまう。実車走行状態におい
ては、たとえ一定速度での走行中であってもこのように
追加噴射の実施期間が長くなる場合、排気ガスが悪化し
たり、三元触媒の温度が異常上昇することが避けられな
いものであった。
【0009】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、追加噴射によるN0x吸蔵触媒の
大きな昇温効果を得ながら排気ガスの悪化や三元触媒の
異常温度上昇、さらには燃焼状態の悪化を防止すること
が可能な内燃機関の排気浄化装置並びにその方法を得る
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる内燃機
関の排気浄化装置は、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射す
る燃料噴射手段と、燃焼室内の燃料を点火する点火手段
と、内燃機関の排気通路に設けられたNOx吸蔵触媒
と、燃料噴射手段の燃料噴射量と燃料噴射時期、およ
び、点火手段の点火時期を制御する制御手段とを備え、
制御手段が、NOx吸蔵触媒に吸着したSOxの吸着量
を推定し、SOxの吸着量が所定値を越えたと判定した
とき、内燃機関の燃焼行程または排気行程において燃料
を所定の期間追加噴射してNOx吸蔵触媒を所定の温度
まで昇温させると共に、追加噴射完了後の所定の期間、
点火時期を遅角させてNOx吸蔵触媒の温度を維持する
ようにしたものである。
【0011】また、追加噴射を行う所定の期間が、内燃
機関の運転状態に対応して決定されるようにしたもので
ある。さらに、追加噴射を行う所定の期間が、追加噴射
される燃料の一回当たりの噴射量から算出されるように
したものである。さらにまた、追加噴射を行う所定の期
間が、NOx吸蔵触媒を所定の温度まで昇温させるのに
必要な熱量と、追加噴射される燃料の発熱量とから算出
されるようにしたものである。また、追加噴射を行う所
定の期間が、内燃機関の運転状態に対応して補正される
ようにしたものである。
【0012】さらに、追加噴射を行う所定の期間が、内
燃機関の排気ガス温度に応じて補正されるようにしたも
のである。さらにまた、追加噴射がNOx吸蔵触媒の昇
温時と、昇温後の温度維持時とに分割して行われ、昇温
時の追加噴射によりNOx吸蔵触媒の温度が目標値に達
した後は、点火時期の遅角と追加噴射とを交互に、それ
ぞれの所定期間毎に繰り返すことにより、NOx吸蔵触
媒の温度を維持するようにしたものである。また、点火
時期遅角を行う所定の期間が、内燃機関の運転状態に対
応して決定されるようにしたものである。
【0013】さらに、点火時期遅角を行う所定の期間
が、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応
して決定されるようにしたものである。さらにまた、点
火時期の遅角が、NOx吸蔵触媒の温度が所定値に低下
するまでの期間実施され、NOx吸蔵触媒の温度が所定
値に低下したときにはNOx吸蔵触媒の温度を維持する
ための追加噴射に移行するようにしたものである。ま
た、点火時期の遅角実施期間を決定するNOx吸蔵触媒
温度の所定値が、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの
吸着量に対応して決定されるようにしたものである。
【0014】さらに、追加噴射によりNOx吸蔵触媒を
所定の温度まで昇温させるときの所定の温度が、NOx
吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応して決定さ
れるようにしたものである。さらにまた、NOx吸蔵触
媒の温度を維持するための点火時期遅角、または、温度
を維持するための点火時期遅角および追加噴射の実施期
間が、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対
応して決定されるようにしたものである。
【0015】また、この発明に係わる内燃機関の排気浄
化法は、内燃機関の燃焼室に燃料噴射手段を設けて燃料
を噴射し、点火手段によりこれを点火すると共に、排気
ガスの通路にNOx吸蔵触媒を設けてNOxの吸蔵と還
元を行う内燃機関において、NOx吸蔵触媒に吸着する
SOxの吸着量が所定値を越えたと推定されたとき、内
燃機関の燃焼行程または排気行程において燃料を追加噴
射してNOx吸蔵触媒を所定の温度まで昇温させると共
に、NOx吸蔵触媒の昇温後は追加噴射を完了して点火
手段による点火時期の遅角に移行し、NOx吸蔵触媒の
温度を維持することによりNOx吸蔵触媒からSOxを
放出させるようにしたものである。
【0016】さらに、追加噴射の実施期間を、NOx吸
蔵触媒温度を所定値まで昇温させるのに必要な熱量と、
追加噴射される燃料の発熱量とから算出するようにした
ものである。さらにまた、追加噴射をNOx吸蔵触媒の
昇温時と温度維持時とに分割して行い、昇温時における
追加噴射を完了した後は、温度を維持するための点火時
期の遅角と追加噴射とを交互に行ってNOx吸蔵触媒の
温度を維持するようにしたものである。
【0017】また、温度を維持するための点火時期の遅
角が、NOx吸蔵触媒温度が所定値に低下するまで継続
され、NOx吸蔵触媒温度が所定値に低下したときには
追加噴射により再び昇温するようにしたものである。さ
らに、追加噴射によりNOx吸蔵触媒を所定の温度まで
昇温させるときの追加噴射の実施期間、または/およ
び、温度を維持するための点火時期遅角の実施期間を、
NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応して
決定するようにしたものである。さらにまた、追加噴射
によりNOx吸蔵触媒を所定の温度まで昇温させるとき
の追加噴射の実施期間、または/および、温度を維持す
るための点火時期遅角と追加噴射との実施期間を、NO
x吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応して決定
するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1による内燃機関の排気浄化装置の構成図
であり、多気筒内燃機関の一気筒分を抜き出して構成を
説明するものである。また、図2は、制御手段16の動
作を説明するフローチャート、図3は、追加噴射の実施
期間を説明する特性説明図である。
【0019】図1において、内燃機関1の吸気通路2に
はエアフローセンサ3と、スロットルバルブ4とが設け
られ、吸入空気量がスロットルバルブ4により制御され
て燃焼室5に導入されると共に、この吸入空気量はエア
フローセンサ3により計測され、スロットルバルブ4の
開度はスロットル開度センサ6により計測される。ま
た、燃焼室5には燃料噴射手段としてのインジェクタ7
と、点火手段としての点火プラグ8とが設けられ、吸入
空気にインジェクタ7から燃料が噴射されて混合気が形
成され、この混合気が所定の点火時期において点火プラ
グ8により点火されるように構成されている。
【0020】内燃機関1の排気通路9には上流側から混
合気の空燃比を計測する空燃比センサ10と、炭化水素
などを酸化して排気ガスを浄化する三元触媒11と、排
気ガスの温度を計測する排気温センサ12と、N0xを
吸着して所定のタイミングで還元処理するN0x吸蔵触
媒13とが設けられている。また、内燃機関1のクラン
ク軸14の回転角と回転速度とはクランク角センサ15
により計測され、エアフローセンサ3とスロットル開度
センサ6と空燃比センサ10と排気温センサ12とクラ
ンク角センサ15との各出力信号は内燃機関1を制御す
る制御手段16に入力され、制御手段16は各センサか
らの入力信号に基づき内燃機関1を制御する。
【0021】制御手段16の本発明に関与する制御とし
ては、各信号入力に基づくインジェクタ(燃料噴射手
段)7による燃料の噴射量と噴射時期の制御、および、
点火プラグ(点火手段)8による点火時期の制御などで
あり、そのために制御手段16には演算手段や記憶手段
などが内蔵されている。燃焼室5内にて混合気が燃焼し
たとき、上記のように、特にリーンバーンの状態ではN
0xが発生する。このNOxを吸蔵し、還元するのがN
0x吸蔵触媒13であるが、燃焼により同時にSOxが
発生してN0x吸蔵触媒13に吸着し、NOxの吸蔵機
能を低下させる。制御手段16はこのSOxを放出させ
るために内燃機関の燃焼行程または排気行程において燃
料を追加噴射してN0x吸蔵触媒13を昇温させると共
に、この温度を維持するために点火時期の遅角制御など
を行うものである。
【0022】上記のように排気通路9には上流側に三元
触媒11が、また、下流側にN0x吸蔵触媒13が配置
されており、N0x吸蔵触媒13を昇温させるために燃
料を追加噴射した場合、燃料と三元触媒11との反応で
三元触媒11と排気ガスとが加熱され、この熱が下流側
のN0x吸蔵触媒13に伝達されてN0x吸蔵触媒13
が昇温する。三元触媒11とN0x吸蔵触媒13との温
度差は内燃機関1の運転状態により異なるが、運転状態
別の両者の温度差を予め求めておき、N0x吸蔵触媒1
3のSOx放出可能温度を目標温度Tlntとし、N0
x吸蔵触媒13をこの温度にするための三元触媒11の
目標温度をTtwcとしたとき、三元触媒11の温度を
制御してTtwcとすればN0x吸蔵触媒13が昇温し
てSOxが放出されることになる。以下にその動作につ
いて説明する。
【0023】制御手段16による制御動作の内、SOx
の放出に関する動作を示したのが図2のフローチャート
であり、このフローチャートの処理は内燃機関1の各気
筒に対する燃料噴射の設定周期、例えば、所定のクラン
ク角毎に繰り返し実施されるものである。図2におい
て、ルーチンが開始されると、まず、ステップ201に
おいては制御手段16が各センサからの信号を読み取
り、内燃機関1の運転状態を検出する。ここではクラン
ク角センサ15の出力からの回転速度と、エアフローセ
ンサ3などの出力から負荷の量を検出すると共に、空燃
比センサ10の出力から内燃機関1の排出ガス温度を推
測し、これらのパラメータと排気温センサ12の出力と
から三元触媒11の温度とN0x吸蔵触媒13の温度と
を推測するものである。
【0024】次に、ステップ202においてSOx吸着
量の推定を行う。このSOx吸着量の推定は、例えば、
内燃機関のリーンバーン運転中における燃料噴射パルス
の積算値、すなわち、燃料噴射量を積算することにより
行われる。続いてステップ203に進み、ここでは上記
の運転状態の検出とSOx吸着量の推定とからN0x吸
蔵触媒13の昇温許可判定が行われる。この昇温許可判
定は、運転状態からN0x吸蔵触媒13が昇温可能な領
域にあるか、運転状態が定常状態にあるか、SOxの吸
着量が所定値を越えているか、などを判定条件として行
われるものである。
【0025】ステップ203にて昇温許可判定がなされ
るとステップ204において追加噴射モードフラグが確
立されているかどうかを判定し、確立されていなければ
ステップ205に進んで点火時期の遅角モードフラグが
確立されているかどうかを判定する。ステップ204と
205とが共に確立されていなければこのルーチンから
SOxの放出が開始されることになるので、ステップ2
06に進んで追加噴射モードフラグを確立し、続いてス
テップ207にて追加噴射の実施期間α、つまり、追加
噴射のサイクル数を決定する。
【0026】この追加噴射の実施期間αは、N0x吸蔵
触媒13の温度が上記したSOxの放出可能温度Tln
tになるまでの期間、言いかえれば三元触媒11が目標
温度Ttwcになるまでの期間、追加噴射が実施される
よう実施期間αが決定されるものである。この決定は、
制御手段16に図3に示すような特性のマップを格納し
ておき、運転条件に応じてαの値を検索して決定する。
図3のマップは、内燃機関1の回転速度と負荷とをパラ
メータとしてそれぞれの値に応じた追加噴射の実施期間
αを実験的に求めたもので、このマップは運転状態によ
り各触媒の温度や両触媒間の温度差が異なるため、運転
モード(ストイキ、リーン状態など)別に複数のマップ
が準備される。制御手段16は制御開始直前の運転状態
によりマップを選択し、選択されたマップに対して内燃
機関1の回転速度と負荷とをパラメータとして追加噴射
の実施期間αを検索して実行する。なお、図3に示すよ
うに、低回転速度・低負荷であるほどαの値は大きくな
る。
【0027】ステップ207にて追加噴射の実施期間α
が決定されるとステップ208に進んで追加噴射のカウ
ンタに追加噴射の実施期間αを設定し、ステップ209
にて追加噴射を実行する。この追加噴射は内燃機関1の
燃焼行程、または、排気行程にて行われるが、追加噴射
の量(燃料の量)は運転状態別に排気ガスや燃焼の悪化
が起きないよう、予めマップが制御手段16に格納され
ており、追加噴射実施時の内燃機関1の回転速度と負荷
とをパラメータとして検索される。
【0028】追加噴射実施後はステップ210に進み、
ステップ208で設定した追加噴射カウンタをデクリメ
ントする。そしてステップ211に進み、追加噴射カウ
ンタがゼロになったかどうかを判定してゼロでなければ
追加噴射が実施中であるとして今回のルーチンを終了
し、ルーチンを繰り返す。追加噴射カウンタがゼロにな
っておれば追加噴射が完了したと判定してステップ21
2に進み、追加噴射モードフラグをOFF状態としてス
テップ213に進む。ステップ213では点火時期の遅
角モードフラグをONに設定してスタートに戻る。
【0029】以上のルーチンにおいて、追加噴射が実施
中である場合にはステップ204では追加噴射モードフ
ラグがONになっているのでステップ204からステッ
プ209に飛び、ステップ209からステップ213の
各ステップが実行されることになる。また、ステップ2
05にて点火時期の遅角モードフラグがONになってい
る場合、ステップ214に進み、N0x吸蔵触媒13の
温度が維持される点火時期の遅角量や燃料噴射量を設定
して今回のルーチンを終了しスタートに戻る。点火時期
の遅角量や燃料噴射量などの制御定数は、運転状態別に
排気ガスや燃焼の悪化が起きないよう、予めマップが制
御手段16に格納されており、遅角制御実施時の内燃機
関1の回転速度と負荷とをパラメータとして検索され
る。
【0030】また、このルーチンの実施中にN0x吸蔵
触媒13に吸着されたSOxが放出されて所定値以下と
なったとき、および、追加噴射の実施中に運転状態が変
化して過渡挙動になったときなどにおいては、ステップ
203における判定が昇温不許可に変化する。ここで不
許可の判定がなされるとステップ203からステップ2
15に進むことになり、ステップ215にて追加噴射モ
ードフラグと点火時期の遅角モードフラグとが共にOF
Fとされ、ステップ216にて追加噴射カウンタが初期
化され、さらに、ステップ217にて現在の運転状態に
適合した燃料噴射モードに切り換えられる。
【0031】以上に説明したように、この発明の実施の
形態1による内燃機関の排気浄化装置においては、燃料
の追加噴射によりN0x吸蔵触媒13の昇温制御が行わ
れ、この昇温制御が燃料の追加噴射のみにより行われる
のでなく、SOxの放出可能な温度に昇温するまでの間
について燃料の追加噴射がなされ、昇温された後は点火
時期を遅角することによりSOx放出可能温度を維持す
るようにしたので、燃料の追加噴射期間を短縮すること
ができ、燃料の追加噴射に伴う排気ガスの悪化や燃焼状
態の悪化を抑制すると共に、三元触媒11の過昇温を防
止することができるものである。
【0032】実施の形態2.図4と図5とは、この発明
の実施の形態2による内燃機関の排気浄化装置に使用す
る追加噴射の実施期間を補正する補正係数の説明図であ
り、実施の形態2による内燃機関の排気浄化装置は、実
施の形態1にて説明した内燃機関の排気浄化装置に対
し、図2のステップ207における追加噴射の実施期間
αの決定方法を変えるようにしたものである。すなわ
ち、追加噴射する燃料の発熱量からN0x吸蔵触媒13
を目標温度Tlntにまで昇温させるのに必要な追加噴
射の実施期間αを演算し決定するようにしたものであ
る。
【0033】追加噴射する燃料の一サイクルストローク
(以下、単にストロークと称し、strにて表す)当た
りの発熱量Qinj(cal/str)は、 Qinj=((Gair/Af)−Gfuel)×Hgas ・・・・・・・(1) として算出される。ここに、Gairは吸入空気量(g
/str)、Gfuelは燃料噴射量(g/str)、
Hgasは燃料の低位発熱量(cal/g)、Afは主
噴射と追加噴射とのトータルの空燃比、である。
【0034】N0x吸蔵触媒13の温度を目標温度Tl
ntまで昇温させることは、実施の形態1にて述べたよ
うに三元触媒11を目標温度Ttwcまで昇温させるこ
とであり、このときに必要な熱量を一ストローク当たり
の、すなわち、追加噴射一回当たりの発熱量Qinjに
て除算すれば必要な追加噴射の実施サイクルが算出でき
る。しかし、追加噴射による発生熱量が三元触媒11に
伝達される熱伝達率は運転状態により変わり、排気の流
速が速くなるほど熱伝達効率が低下するため、これを補
正する必要がある。図4はこの補正のための熱伝達補正
係数Khtを内燃機関1の回転速度と負荷とをパラメー
タとして表したもので、この熱伝達補正係数Khtがマ
ップとして制御手段16に格納されるようにする。
【0035】また、三元触媒11やN0x吸蔵触媒13
の温度は追加噴射による燃料の発熱量にのみ依存するも
のでなく、内燃機関1の排気ガスと各触媒との間の熱伝
達率によっても変わり、これを補正する排気温度補正係
数Ketが必要となる。図5はこの排気温度補正係数K
etを示したもので、排気温度と三元触媒11の温度と
の差に対して決定され、制御手段16に格納される。
【0036】このような各補正係数を勘案の上、追加噴
射の実施サイクル数Cyinjは次の式(2)により算
出できる。なお、実施サイクル数Cyinjの単位はス
トローク(str)である。 Cyinj=(Ttwc−Tr)×Gcal×Ccal/Qinj×Ket×Kht ・・・・・(2) ここに、Ttwcは三元触媒の目標温度(℃) Trは三元触媒の温度(℃) Gcalは三元触媒の重量(g) Ccalは三元触媒の比熱(cal/g・℃) Ketは排気温度補正係数 Khtは熱伝達補正係数 である。
【0037】このように、この実施の形態による内燃機
関の排気浄化装置においては、N0x吸蔵触媒13の温
度を目標温度Tlntまで昇温させるために追加噴射す
る噴射期間を、追加噴射される燃料の供給量、すなわ
ち、発熱量により演算するようにしたので、より精度良
く追加噴射の実施期間を決定することができ、容易に排
気ガスの悪化や燃焼状態の悪化を抑制することができる
と共に、三元触媒11などの過昇温を防止することがで
きるものである。
【0038】実施の形態3.図6は、この発明の実施の
形態3による内燃機関の排気浄化装置の動作を説明する
フローチャートであり、この実施の形態による内燃機関
の排気浄化装置は、追加噴射によりN0x吸蔵触媒13
を所定の温度まで昇温した後、温度維持のために点火時
期の遅角と追加噴射とを交互に行うようにしたもので、
温度維持のための追加噴射の実施期間と点火時期遅角の
実施期間とをマップとして制御手段16に格納してお
き、内燃機関1の運転状態に応じてマップを検索し、追
加噴射と点火遅角との各実施期間を決定してこれらを交
互に行うものである。なお、装置の構成は図1の構成図
と同様である。
【0039】この発明の実施の形態3における動作は図
6のフローチャートの通りであり、このフローチャート
の処理は内燃機関1の各気筒に対する燃料噴射の設定周
期、例えば、所定のクランク角毎に繰り返し実施される
ものである。図において、ルーチンが開始されると、ま
ず、ステップ601にて制御手段16が各センサからの
信号を読み取り、内燃機関1の運転状態を検出する。こ
の運転状態の検出は、実施の形態1の場合と同様に、内
燃機関1の回転速度と、エアフローセンサ3などの出力
から負荷の量を検出すると共に、空燃比センサ10の出
力から内燃機関1の排出ガス温度を推測し、これらのパ
ラメータと排気温センサ12の出力から三元触媒11の
温度とN0x吸蔵触媒13の温度とを推測するものであ
る。
【0040】続いてステップ602では実施の形態1と
同様にNOx吸蔵触媒13に吸着したSOx吸着量の推
定を行い、ステップ603では運転状態の検出とSOx
吸着量の推定とからN0x吸蔵触媒13の昇温許可判定
が行われる。この判定は上記の実施の形態1の場合と同
様である。ステップ603にて許可判定がなされるとス
テップ604において昇温モードフラグが確立されてい
るかどうかを判定し、確立されていなければステップ6
05に進んで昇温維持モードフラグが確立されているか
どうかを判定する。
【0041】ここで、昇温モードとは、追加噴射により
N0x吸蔵触媒13の温度を目標温度であるTlntま
で昇温させるために、N0x吸蔵触媒13の上流に配置
されている三元触媒11を目標温度Ttwcまで昇温さ
せるものであり、昇温維持モードとは、追加噴射と点火
時期遅角とを交互に繰り返して行い、昇温モードにより
昇温されたN0x吸蔵触媒13の温度をSOx放出可能
温度に維持するものである。両者のフラグが確立されて
おらず、OFF状態にあるときにはこのルーチンから昇
温モードを開始すると判断するもので、ステップ606
にて昇温モードフラグをONにし、ステップ607にて
追加噴射実施期間α、すなわち、追加噴射のサイクル数
を決定する。
【0042】この追加噴射のサイクル数の決定は実施の
形態1の場合と同様であり、N0x吸蔵触媒13の温度
を目標温度のTlntまで昇温させるのに必要な、言い
かえれば、上流に配置されている三元触媒11を目標温
度のTtwcまで昇温させるのに必要な、運転状態別の
追加噴射実施期間を予め実験的に求めてマップに格納し
ておき、内燃機関の回転速度と負荷とをパラメータとし
て検索して求めるものである。
【0043】ステップ607にて追加噴射の実施期間α
が決定されるとステップ608に進んで追加噴射のカウ
ンタに追加噴射の実施期間αを設定し、ステップ609
にて追加噴射を実行する。この追加噴射は実施の形態1
と同様に内燃機関1の燃焼行程、または、排気行程にて
行われるが、追加噴射の量(燃料の量)は運転状態別に
排気ガスや燃焼の悪化が起きないよう、予め噴射量のマ
ップが制御手段16に格納されており、追加噴射実施時
の内燃機関1の回転速度と負荷とをパラメータとして検
索される。そして、ステップ610に進み、ステップ6
08で設定した追加噴射カウンタをデクリメントする。
【0044】続いてステップ611に進み、追加噴射カ
ウンタがゼロになったかどうかを判定してゼロでなけれ
ば追加噴射が実施中であるとして今回のルーチンを終了
し、スタートに戻る。追加噴射カウンタがゼロになって
おれば昇温モードにおける追加噴射が完了したと判定し
てステップ612に進み、昇温モードフラグをOFF状
態とし、昇温維持モードを開始するためにステップ61
3にて昇温維持モードフラグをONにする。昇温維持モ
ードでは、まず、点火時期を遅角して温度を維持するた
めにステップ614にて点火時期遅角モードフラグをO
Nに設定し、ステップ615にて点火時期遅角の実施期
間θを決定する。
【0045】点火時期遅角の実施期間θの決定は、点火
時期の遅角によりN0x吸蔵触媒13の温度をSOx放
出可能な温度の下限値まで維持できる期間を予め実験的
に求めてマップとして制御手段16に格納しておき、点
火時期遅角の実施時に内燃機関の回転速度と負荷とをパ
ラメータとして検索して求めるものである。このときの
点火時期の遅角量や燃料噴射量などの制御定数は、運転
状態別に昇温効果が高く、挙動が悪化しないような値を
選択してマップに格納される。そして、ステップ615
にて点火時期遅角の実施期間θが決定されるとステップ
616に進み、点火時期遅角のカウンタに実施期間θ設
定してスタートに戻る。
【0046】ステップ605において昇温維持モードフ
ラグが確立されており、ON状態であればステップ61
7に進み、追加噴射モードフラグが確立されているかど
うかを確認する。この確認は昇温維持モードにおいて追
加噴射モードと点火時期遅角モードとの判別を行うもの
であり、追加噴射モードフラグが確立されておればステ
ップ625に、確立されていなければ点火時期遅角モー
ドであると判定してステップ618に進む。ステップ6
18では点火時期の遅角量や燃料の噴射量を上記のマッ
プ検索により設定して点火時期遅角を実施し、ステップ
619に進んで点火時期遅角のカウンタをデクリメント
する。
【0047】続いてステップ620に進み、ここでは点
火時期遅角のカウンタがゼロであるかどうか、すなわ
ち、点火時期遅角の実施期間が残っているかどうかを判
定し、実施期間が残っておればスタートに戻ってルーチ
ンを繰り返し、カウンタがゼロで実施期間が終了したと
判定するとステップ621にて点火時期遅角モードフラ
グをOFFにする。続いてステップ622にて触媒温度
を昇温するために追加噴射モードフラグをONしてステ
ップ623に進み、昇温維持モード時における追加噴射
の実施期間γを決定し、ステップ624にて追加噴射の
カウンタにこのγの値を設定する。
【0048】この昇温維持モード時における追加噴射実
施期間γの決定は上記した昇温モード時の追加噴射実施
期間αの決定と同様であるが、運転状態別の追加噴射実
施期間を予め実験的に求めて昇温モード時における追加
噴射実施期間マップとは別のマップに格納しておき、内
燃機関1の回転速度と負荷とをパラメータとして検索し
て設定するものである。そしてステップ624にてγの
値が設定されれば今回のルーチンを終了し、このカウン
タの値がゼロになるまでは次回のルーチンではステップ
617からステップ625に進むことになる。
【0049】ステップ617にて追加噴射モードフラグ
がONになっておれば上記のようにステップ625に進
むが、ステップ625では昇温維持モード時における追
加噴射の噴射量を設定して追加噴射を実施し、ステップ
626に進んで追加噴射のカウンタ(ステップ624に
て設定された)をデクリメントする。ステップ627で
は昇温維持モードにおける追加噴射の実施期間が終了し
たかどうかを判定し、カウンタがゼロになっていなけれ
ば実施期間が終了していないのでスタートに戻ってルー
チンを繰り返し、カウンタがゼロになって実施期間が終
了しておればステップ628に進んで追加噴射モードの
フラグをOFFにする。
【0050】ステップ628にて追加噴射モードのフラ
グをOFFにした後、さらに、ステップ629に進んで
点火時期遅角モードフラグをONに設定し、ステップ6
30において点火時期遅角のカウンタに実施期間θを設
定してスタートに戻る。このように、ステップ603に
て昇温許可判定がなされている間においては点火時期遅
角の実施期間θと追加噴射の実施期間γとが交互に繰り
返されることになる。そして、この処理の実施中にN0
x吸蔵触媒13に吸着されたSOxが放出されて所定値
以下となったとき、および、運転状態が変化して過渡挙
動になったときには、ステップ603における判定が昇
温不許可に変化し、ステップ631にて追加噴射モード
と点火時期遅角モードの各フラグがOFFにされ、ステ
ップ632にて各カウンタが初期化されてステップ63
3に進み、運転状態に応じた燃焼モードに戻されて処理
を完了する。
【0051】以上のようにこの実施の形態による内燃機
関の排気浄化装置においては、昇温許可判定がなされ、
昇温モードが確立すると追加噴射が実施され、追加噴射
でN0x吸蔵触媒13の温度が所定値まで昇温すると昇
温維持のための点火時期の遅角と、昇温維持のための追
加噴射とが交互に繰り返されることとなり、点火時期の
遅角のみでは昇温維持ができないような運転状態におい
てもNOx吸蔵触媒13の温度をSOx放出可能な温度
に維持することができ、また、最初の昇温のための追加
噴射期間を短縮して排気ガスの悪化や三元触媒11の過
昇温をより効果的に防止することが可能になるものであ
る。
【0052】実施の形態4.図7は、この発明の実施の
形態4による内燃機関の排気浄化装置の動作を説明する
フローチャートであり、実施の形態3にて説明した図6
と同一動作部分には同一ステップ番号が付与されてい
る。この実施の形態による内燃機関の排気浄化装置は、
実施の形態3による内燃機関の排気浄化装置に対し、昇
温モード時と昇温維持モード時とにおける追加噴射実施
期間の設定法と、昇温維持モード時における点火時期遅
角実施期間の設定方法とを変更したものである。
【0053】図7のフローチャートにおいて、ステップ
601からステップ606までは上記の実施の形態3と
同一処理である。すなわち、ステップ601は各センサ
からの信号により内燃機関1の運転状態を検出するもの
であり、ステップ602はNOx吸蔵触媒13に吸着し
たSOx吸着量の推定を行うものであり、ステップ60
3は運転状態の検出とSOx吸着量の推定とからN0x
吸蔵触媒13の昇温許可判定を行うものである。また、
ステップ604では昇温モードフラグが確立されている
かどうかを判定し、確立されていなければステップ60
5に進んで昇温維持モードフラグが確立されているかど
うかを判定し、いずれもが確立されていなければステッ
プ606にて昇温モードフラグを確立するものであり、
詳細は実施の形態3と同一である。
【0054】昇温モードフラグが確立されるとステップ
607aにて追加噴射の実施期間αを決定するが、この
実施の形態における実施期間αの決定は、実施の形態3
の場合の予め実験的に求めたマップの検索とは異なり、
実施の形態2にて説明したように、N0x吸蔵触媒13
の温度を目標温度Tlntまで昇温するために必要な噴
射期間αを、追加噴射される燃料の発熱量により演算す
る。すなわち、上記した(2)式により噴射期間αを設
定するものである。ステップ607aにて追加噴射の実
施期間αが設定されると、ステップ608からステップ
614までは実施の形態3の場合と同様の処理が行わ
れ、その詳細は実施の形態3にて説明した通りである。
【0055】この実施の形態では後述するように、昇温
維持モードにおける点火時期遅角の実施期間の設定法が
実施の形態3の場合とは異なるため、ステップ614に
て昇温維持時の点火時期遅角モードフラグをONに設定
すると点火時期遅角の実施期間を設定することなく今回
のルーチンを終了してスタートに戻る。ステップ605
において昇温維持モードが確立されている場合、実施の
形態3の場合と同様にステップ617に進み、ここで追
加噴射モードが確立されていなければステップ618に
進んで点火時期の遅角量や燃料の噴射量を設定して点火
時期遅角を実施するが、続いてステップ701に進み、
ここでは点火時期の遅角を継続するかどうかを判定す
る。
【0056】ステップ701での判定は、制御手段16
がN0x吸蔵触媒13の温度に対する点火時期遅角制御
の許可温度を記憶しており、N0x吸蔵触媒13の温度
と許可温度とを比較することにより行われる。すなわ
ち、N0x吸蔵触媒13の温度が許可温度より大きけれ
ばステップ701にてルーチンを終了してスタートに戻
り、点火時期の遅角による昇温維持モードを継続する。
N0x吸蔵触媒13の温度が許可温度より低下すればス
テップ621に進んで点火時期遅角モードフラグをOF
Fにし、ステップ622にて追加噴射モードフラグをO
Nにする。ここではN0x吸蔵触媒13の温度から点火
時期遅角モードでは温度の維持ができないと判断して追
加噴射モードに切り換えるものである。
【0057】ステップ622にて追加噴射モードフラグ
がONになるとステップ623aにて昇温モード時の追
加噴射実施期間γを決定するが、ここでの決定法は上記
のステップ607aと同様に、噴射期間γを追加噴射さ
れる燃料の発熱量から演算する。そして、ステップ62
4にて追加噴射のカウンタにこのγの値を設定してスタ
ートに戻り、次回のルーチンでは追加噴射モードフラグ
がONになっているため、ステップ617からステップ
625に進んで実施の形態3の場合と同様に追加噴射を
実施する。ただし、実施の形態3と比較して、昇温維持
モードでは上記のように点火時期遅角実施期間がN0x
吸蔵触媒13の温度により判定されるため、点火時期遅
角のカウンタ設定(図3のステップ630)は行われ
ず、また、このカウンタのデクリメント処理(図3のス
テップ619)も行われない。
【0058】以上のようにこの実施の形態による内燃機
関の排気浄化装置においては、追加噴射の噴射期間を、
追加噴射される燃料の発熱量により演算するので、実施
の形態2の場合と同様に、より精度良く追加噴射の実施
期間を決定することができ、排気ガスの悪化や燃焼状態
の悪化を抑制すると共に、三元触媒11の過昇温を防止
でき、昇温維持モードにおいて点火時期遅角から追加噴
射への切替をN0x吸蔵触媒13の温度を指標にフィー
ドバック的に行うので、N0x吸蔵触媒13の温度制御
精度が向上し、処理が簡略化できると共に、内燃機関に
バラツキがあってもこれを吸収して確実なSOxの放出
が可能になるものである。
【0059】実施の形態5.実施の形態5による内燃機
関の排気浄化装置は、実施の形態1および2の内燃機関
の排気浄化装置に対してN0x吸蔵触媒13が吸着する
SOxの吸着量推定値に応じてN0x吸蔵触媒13の温
度制御値を変えるようにしたものである。実施の形態1
にて説明した図2のフローチャートにおいて、ステップ
202にてSOxの吸着量を推定するとき、その吸着量
に応じたN0x吸蔵触媒13の目標温度温度を設定す
る。この目標温度はSOx吸着量の推定値が大であるほ
ど高い値に設定される。
【0060】また、図2のステップ207においては、
追加噴射実施期間αがSOx吸着量に応じて設定された
目標温度に対して決定される。すなわち、SOx吸着量
が多いほどαの値が大きく決定され、N0x吸蔵触媒1
3の加熱時間が延長される。このときの追加噴射実施期
間αの決定は、制御手段16に実施の形態1にて説明し
た追加噴射実施期間のマップが目標温度毎に格納されて
おり、このマップを切り換えることによりなされる。
【0061】このように追加噴射実施期間αを決定する
ことにより、N0x吸蔵触媒13に吸着したSOxの量
が多いときでも放出速度を速くして短時間での放出が可
能になるものである。なお、実施の形態2の場合につい
ては上記の(2)式にて示した三元触媒の目標温度Tt
wcの値をSOx吸着量に対応して変更することによ
り、同様の効果を得ることができるものである。
【0062】実施の形態6.図8は、この発明の実施の
形態6による内燃機関の排気浄化装置の動作を説明する
特性図であり、この実施の形態による内燃機関の排気浄
化装置は、実施の形態3および4の内燃機関の排気浄化
装置に対して実施の形態5の場合と同様に、SOxの吸
着量推定値に応じてN0x吸蔵触媒13の温度制御値を
変えるようにしたものである。
【0063】実施の形態3および4にて説明した図6と
図7のフローチャートにおいて、ステップ602にてS
Oxの吸着量を推定するとき、実施の形態5の場合と同
様にその吸着量に応じたN0x吸蔵触媒13の目標温度
温度を設定する。また、図6のフローチャートにおいて
はステップ615にて昇温維持時の点火時期遅角の実施
期間θを決定するとき、SOxの吸着量推定値に応じた
複数のマップを準備しておき、SOxの吸着量推定値に
応じてマップを選択して使用する。また図7のフローチ
ャートにおいてはステップ701において制御手段16
がN0x吸蔵触媒13の温度に対する点火時期遅角制御
の許可温度を複数記憶しており、この許可温度をSOx
吸着量推定値に応じて選択して使用する。
【0064】図8はこのような温度制御を表すものであ
り、SOx吸着量推定値が少ない場合にはステップ60
7における追加噴射実施期間αの設定をN0x吸蔵触媒
13の温度がt1になる時間を選択し、温度がt1に達
すると点火時期遅角による昇温維持モードに移行する。
そして、N0x吸蔵触媒13の温度がt2まで低下する
と昇温維持モードによる追加噴射に移行し、追加噴射を
N0x吸蔵触媒13の温度がt1になるまで継続するよ
うにステップ623におけるγの設定と、ステップ61
5におけるθの設定およびステップ701における許可
温度の設定を行う。
【0065】また、SOx吸着量推定値が大きい場合に
は、ステップ607における追加噴射実施期間αの設定
をN0x吸蔵触媒13の温度がt1より高いt3になる
時間を選択し、つまり時間を長くし、温度がt3に達す
ると点火時期遅角による昇温維持モードに移行する。N
0x吸蔵触媒13の温度がt2より高いt4まで低下す
ると昇温維持モードによる追加噴射に移行し、追加噴射
をN0x吸蔵触媒13の温度がt3になるまで継続す
る。このようにステップ623におけるγの設定と、ス
テップ615におけるθの設定およびステップ701に
おける許可温度の設定を行うものである。
【0066】以上のように、昇温時における目標温度と
昇温維持時の下限温度とを制御することにより、実施の
形態5の場合と同じく、N0x吸蔵触媒13に吸着した
SOxの量が多いときでも放出速度を速くして短時間で
の放出が可能になるものであり、排気ガスの悪化や触媒
の過昇温、燃焼の悪化などを抑制することが可能になる
ものである。
【0067】実施の形態7.実施の形態7による内燃機
関の排気浄化装置は、以上に説明した各実施の形態の内
燃機関の排気浄化装置において、N0x吸蔵触媒13が
吸着するSOxの吸着量推定値に応じてN0x吸蔵触媒
13の温度維持時間を変えるようにしたものである。実
施の形態1をよび2については、実施の形態5の場合と
同様に追加噴射の実施期間αを設定し、SOxの吸着量
推定値が大きいほど目標温度を高くすることにより温度
維持時間の延長を図ると共に、ステップ203による不
許可判定までの時間を長くする。実施の形態3および4
の場合については、ステップ603にて判定する昇温維
持モードの時間をSOxの吸着量推定値に対応して制御
するもので、このように制御することにより触媒の温度
を過昇温にすることなく効果的にSOxを放出すること
が可能になるものである。
【0068】なお、以上に説明した各実施の形態におい
ては三元触媒11の温度やN0x吸蔵触媒13の温度な
どを空燃比センサ10の出力や排気温センサ12の値か
ら推測するように説明したが、当然のことながら各触媒
に温度センサを設けることも可能であり、内燃機関の回
転速度や負荷の量など運転状態をパラメータとして推測
することもできるものである。
【0069】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明による
内燃機関の排気浄化装置において、請求項1に記載の発
明によれば、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴
射手段と、この燃料を点火する点火手段と、排気通路に
設けられたNOx吸蔵触媒と、燃料噴射量と噴射時期、
および、点火時期を制御する制御手段とを備え、制御手
段がNOx吸蔵触媒に吸着したSOxの吸着量を推定
し、SOxの吸着量が所定値を越えたと判定したとき、
内燃機関の燃焼行程または排気行程において燃料を所定
の期間追加噴射してNOx吸蔵触媒を所定の温度まで昇
温させると共に、追加噴射の完了後、所定の期間点火時
期を遅角させてNOx吸蔵触媒の温度を維持するように
したので、燃料の追加噴射時間を短縮しながらNOx吸
蔵触媒の充分な昇温と温度維持とが可能になり、燃料の
追加噴射に伴う排気ガスの悪化や燃焼状態の悪化を抑制
し、三元触媒の過昇温を防止するなど、優れた効果を得
ることができるものである。
【0070】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1の発明において、追加噴射を行う所定の期間を、
内燃機関の運転状態に対応して決定するようにしたの
で、運転状態の差によるNOx吸蔵触媒の昇温に過不足
がなくなり、確実にSOxを放出しながら排気ガスや燃
焼状態の悪化を抑制し、三元触媒の過昇温を防止するこ
とができるものである。さらに、請求項3に記載の発明
によれば、追加噴射を行う所定の期間が、追加噴射され
る燃料の一回当たりの噴射量から算出されるようにした
ので、NOx吸蔵触媒の温度を精度良く制御することが
でき、精度の向上分、排気ガスや燃焼状態の悪化を抑制
することができるものである。
【0071】さらにまた、請求項4に記載の発明によれ
ば、追加噴射を行う所定の期間を、NOx吸蔵触媒を所
定の温度まで昇温させるのに必要な熱量と、追加噴射さ
れる燃料の発熱量とから算出するようにしたので、NO
x吸蔵触媒の温度をより精度良く制御することができ、
排気ガスや燃焼状態の悪化を抑制しながら確実にSOx
を放出することができるものである。また、請求項5に
記載の発明によれば、請求項3および4の発明におい
て、追加噴射を行う所定の期間を、内燃機関の運転状態
に対応して補正するようにしたので、NOx吸蔵触媒の
温度をさらにより精度良く制御することができ、排気ガ
スや燃焼状態の悪化を抑制することができるものであ
る。
【0072】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
請求項3および4の発明において、追加噴射を行う所定
の期間を、内燃機関の排気ガス温度に応じて補正するよ
うにしたので、NOx吸蔵触媒の温度をさらに精度良く
制御することができ、排気ガスや燃焼状態の悪化を抑制
し、三元触媒の過昇温が防止できるものである。
【0073】さらにまた、請求項7に記載の発明によれ
ば、追加噴射をNOx吸蔵触媒の昇温時と、昇温後の温
度維持時とに分割して行い、昇温時の追加噴射によりN
Ox吸蔵触媒を昇温し、温度が目標値まで昇温した後
に、点火時期の遅角と追加噴射とを交互に繰り返すこと
により、NOx吸蔵触媒の温度を維持するようにしたの
で、点火時期の遅角のみでは昇温維持ができないような
運転状態においてもNOx吸蔵触媒の温度をSOx放出
可能な温度に維持することができ、追加噴射の継続時間
は短縮されるので排気ガスや燃焼状態の悪化を抑制でき
るものである。
【0074】また、請求項8に記載の発明によれば、請
求項7の発明において、点火時期の遅角を行う所定の期
間を、内燃機関の運転状態に対応して決定するようにし
たので、運転状態によりNOx吸蔵触媒の温度低下の時
定数が変動しても的確に追加噴射に移行でき、SOxの
放出不完全や三元触媒の過昇温を防止することができる
ものである。さらに、請求項9に記載の発明によれば、
請求項7と8の発明において、点火時期遅角を行う所定
の期間を、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量
に対応して決定するようにしたので、三元触媒の温度を
過昇温にすることなく、効果的にSOxを放出すること
が可能になるものである。
【0075】さらにまた、請求項10に記載の発明によ
れば、請求項7の発明において、点火時期の遅角をNO
x吸蔵触媒の温度が所定値に低下するまでの期間実施
し、NOx吸蔵触媒の温度が所定値に低下したときには
NOx吸蔵触媒の温度を維持するための追加噴射に移行
するようにしたので、NOx吸蔵触媒の維持温度精度が
向上し、SOxの放出が短時間化されると共に、内燃機
関のバラツキを吸収した制御ができ、温度維持のための
追加噴射を必要時のみとして排気ガスや燃焼状態の悪化
を抑制することができるものである。
【0076】また、請求項11に記載の発明によれば、
請求項10の発明において、点火時期の遅角実施期間を
決定するNOx吸蔵触媒温度の所定値を、NOx吸蔵触
媒に吸着されたSOxの吸着量に対応して決定するよう
にしたので、SOxの吸着量に対応してNOx吸蔵触媒
の温度を制御でき、SOxの吸着量が多いときでも短時
間にSOxの放出が可能になるものである。さらに、請
求項12に記載の発明によれば、追加噴射によりNOx
吸蔵触媒を所定の温度まで昇温させるときの所定の温度
が、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応
して決定されるようにしたので、SOxの吸着量に応じ
てNOx吸蔵触媒の温度が制御され、SOxの吸着量が
多いときでも短時間にそその放出が可能になるものであ
る。
【0077】さらにまた、請求項13に記載の発明によ
れば、NOx吸蔵触媒の温度を維持するための点火時期
遅角、または、温度を維持するための点火時期遅角およ
び追加噴射の実施期間が、NOx吸蔵触媒に吸着された
SOxの吸着量に対応して決定されるようにしたので、
SOxの吸着量が多いときでも三元触媒を過昇温させる
ことなく確実にSOxを放出することができるものであ
る。
【0078】また、この発明による内燃機関の排気浄化
法において、請求項14に記載の発明によれば、内燃機
関の燃焼室に燃料噴射手段を設けて燃料を噴射し、点火
手段によりこれを点火すると共に、排気ガスの通路にN
Ox吸蔵触媒を設けてNOxの吸蔵と還元を行う内燃機
関において、NOx吸蔵触媒に吸着するSOxの吸着量
が所定値を越えたと推定されたとき、内燃機関の燃焼行
程または排気行程において燃料を追加噴射してNOx吸
蔵触媒を所定の温度まで昇温させると共に、NOx吸蔵
触媒の昇温後は追加噴射を完了して点火手段による点火
時期の遅角に移行し、NOx吸蔵触媒の温度を維持する
ことによりNOx吸蔵触媒からSOxを放出させるよう
にしたので、燃料の追加噴射時間を短縮しながらNOx
吸蔵触媒の昇温と温度維持とが可能になり、燃料の追加
噴射に伴う排気ガスの悪化や燃焼状態の悪化を抑制し、
三元触媒の過昇温を防止することができるものである。
【0079】さらに、請求項15に記載の排気浄化法に
よれば、追加噴射の実施期間を、NOx吸蔵触媒温度を
所定値まで昇温させるのに必要な熱量と、追加噴射され
る燃料の発熱量とから算出するようにしたので、NOx
吸蔵触媒の温度を精度良く制御でき、排気ガスや燃焼状
態の悪化を抑制しながら確実にSOxを放出することが
できるものである。
【0080】さらにまた、請求項16に記載の排気浄化
法によれば、追加噴射をNOx吸蔵触媒の昇温時と温度
維持時とに分割して行い、昇温時における追加噴射を完
了した後は、温度を維持するための点火時期の遅角と追
加噴射とを交互に行ってNOx吸蔵触媒の温度を維持す
るようにしたので、内燃機関の運転状態に関わらず、N
Ox吸蔵触媒の温度をSOx放出可能な温度に維持する
ことができ、追加噴射の継続時間を短縮して排気ガスや
燃焼状態の悪化を抑制できるものである。
【0081】また、請求項17に記載の排気浄化法によ
れば、温度を維持するための点火時期の遅角を、NOx
吸蔵触媒温度が所定値に低下するまで継続し、この温度
が所定値に低下したときには追加噴射により再び昇温す
るようにしたので、NOx吸蔵触媒の維持温度精度が向
上し、SOxの放出が短時間化されると共に、内燃機関
のバラツキを吸収した制御ができるものである。
【0082】さらに、請求項18に記載の排気浄化法に
よれば、追加噴射によりNOx吸蔵触媒を所定の温度ま
で昇温させるときの追加噴射の実施期間、または/およ
び、温度を維持するときの点火時期遅角の実施期間を、
NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応して
決定するようにしたので、SOxの吸着量に対応してN
Ox吸蔵触媒の温度を制御でき、SOxの吸着量が多い
ときでも短時間にSOxの放出が可能になり、また、三
元触媒やNOx吸蔵触媒の温度を抑制しながらSOxの
放出が可能になるものである。
【0083】さらに、請求項19に記載の排気浄化法に
よれば、追加噴射によりNOx吸蔵触媒を所定の温度ま
で昇温させるときの追加噴射の実施期間、または/およ
び、温度を維持するときの点火時期遅角と追加噴射との
実施期間を、NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着
量に対応して決定するようにしたので、請求項18と同
様に、SOxの吸着量に対応してNOx吸蔵触媒の温度
を制御でき、SOxの吸着量が多いときでも短時間にS
Oxの放出が可能になり、また、三元触媒やNOx吸蔵
触媒の温度を抑制しながらSOxの放出が可能になるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による内燃機関の排
気浄化装置の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による内燃機関の排
気浄化装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による内燃機関の排
気浄化装置の動作特性の説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による内燃機関の排
気浄化装置の補正係数の説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による内燃機関の排
気浄化装置の補正係数の説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による内燃機関の排
気浄化装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4による内燃機関の排
気浄化装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態6による内燃機関の排
気浄化装置の動作を説明する特性図である。
【符号の説明】
1 内燃機関、2 吸気通路、3 エアフローセンサ、
4 スロットルバルブ、5 燃焼室、6 スロットル開
度センサ、7 インジェクタ(燃料噴射手段)、8 点
火プラグ(点火手段)、9 排気通路、10 空燃比セ
ンサ、11 三元触媒、12 排気温センサ、13 N
Ox吸蔵触媒、14 クランク軸、15 クランク角セ
ンサ、16 制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/08 F01N 3/28 301A 3/20 301E 3/28 301 3/36 B F02D 41/02 330A 3/36 41/04 305A F02D 41/02 330 41/34 H 41/04 305 45/00 314R 41/34 B01D 53/36 101A 45/00 314 101B K (72)発明者 片柴 秀昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA04 BA09 BA13 BA15 BA17 BA24 DA10 EB12 EC02 FA07 FA10 FA13 FA17 FA27 FA35 FA38 3G091 AA02 AA12 AA17 AA24 AB03 AB06 BA04 BA11 BA14 BA22 BA32 BA33 CA18 CB05 DC01 EA01 EA05 EA07 EA17 EA34 FB01 FB10 FC01 GA06 HA10 HA36 3G301 HA01 HA04 HA15 JA15 JA21 JA25 LB04 LC01 MA01 MA12 MA26 ND04 ND12 NE01 NE13 PA01Z PA11Z PD01Z PD11A PE01Z PE03Z 4D048 AA06 BC01 BD01 CC53 DA01 DA02 DA13 DA20 EA04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する燃料
    噴射手段、前記燃焼室内の燃料を点火する点火手段、前
    記内燃機関の排気通路に設けられたNOx吸蔵触媒、前
    記燃料噴射手段の燃料噴射量と燃料噴射時期、および、
    前記点火手段の点火時期を制御する制御手段を備え、前
    記制御手段が、前記NOx吸蔵触媒に吸着したSOxの
    吸着量を推定し、SOxの吸着量が所定値を越えたと判
    定したとき、前記内燃機関の燃焼行程または排気行程に
    おいて燃料を所定の期間追加噴射して前記NOx吸蔵触
    媒を所定の温度まで昇温させると共に、前記追加噴射完
    了後の所定の期間、前記点火時期を遅角させて前記NO
    x吸蔵触媒の温度を維持するように構成したことを特徴
    とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記追加噴射を行う所定の期間が、前記
    内燃機関の運転状態に対応して決定されることを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記追加噴射を行う所定の期間が、追加
    噴射される燃料の一回当たりの噴射量から算出されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 前記追加噴射を行う所定の期間が、前記
    NOx吸蔵触媒を所定の温度まで昇温させるのに必要な
    熱量と、追加噴射される燃料の発熱量とから算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化
    装置。
  5. 【請求項5】 前記追加噴射を行う所定の期間が、前記
    内燃機関の運転状態に対応して補正されることを特徴と
    する請求項3または請求項4に記載の内燃機関の排気浄
    化装置。
  6. 【請求項6】 前記追加噴射を行う所定の期間が、前記
    内燃機関の排気ガス温度に応じて補正されることを特徴
    とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記追加噴射が前記NOx吸蔵触媒の昇
    温時と、昇温後の温度維持時とに分割して行われ、昇温
    時の前記追加噴射により前記NOx吸蔵触媒の温度が目
    標値に達した後は、前記点火時期の遅角と前記追加噴射
    とを交互に、それぞれの所定期間毎に繰り返すことによ
    り前記NOx吸蔵触媒の温度を維持するように構成した
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に
    記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記点火時期遅角を行う所定の期間が、
    前記内燃機関の運転状態に対応して決定されることを特
    徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記点火時期遅角を行う所定の期間が、
    前記NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応
    して決定されることを特徴とする請求項7または請求項
    8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 前記点火時期の遅角が、前記NOx吸
    蔵触媒の温度が所定値に低下するまでの期間実施され、
    前記NOx吸蔵触媒の温度が所定値に低下したときには
    前記NOx吸蔵触媒の温度を維持するための追加噴射に
    移行することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  11. 【請求項11】 前記NOx吸蔵触媒温度の所定値が、
    前記NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に応じ
    て決定されることを特徴とする請求項10に記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  12. 【請求項12】 前記追加噴射により前記NOx吸蔵触
    媒を所定の温度まで昇温させるときの前記所定の温度
    が、前記NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に
    対応して決定されることを特徴とする請求項1〜請求項
    11のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  13. 【請求項13】 前記NOx吸蔵触媒の温度を維持する
    ための点火時期遅角の実施期間、または、温度を維持す
    るための点火時期の遅角および追加噴射の実施期間が、
    前記NOx吸蔵触媒に吸着されたSOxの吸着量に対応
    して決定されることを特徴とする請求項1〜請求項12
    のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  14. 【請求項14】 内燃機関の燃焼室に燃料噴射手段を設
    けて燃料を噴射し、点火手段によりこれを点火すると共
    に、排気ガスの通路にNOx吸蔵触媒を設けてNOxの
    吸蔵と還元とを行う内燃機関において、前記NOx吸蔵
    触媒に吸着するSOxの吸着量が所定値を越えたと推定
    されたとき、前記内燃機関の燃焼行程または排気行程に
    おいて燃料を追加噴射して前記NOx吸蔵触媒を所定の
    温度まで昇温させると共に、前記NOx吸蔵触媒の昇温
    後は前記追加噴射を完了して前記点火手段による点火時
    期の遅角に移行し、前記NOx吸蔵触媒の温度を維持す
    ることにより前記NOx吸蔵触媒からSOxを放出させ
    ることを特徴とする内燃機関の排気浄化法。
  15. 【請求項15】 前記追加噴射の実施期間を、前記NO
    x吸蔵触媒温度を所定値まで昇温させるのに必要な熱量
    と、前記追加噴射される燃料の発熱量とから算出するこ
    とを特徴とする請求項14に記載の内燃機関の排気浄化
    法。
  16. 【請求項16】 前記追加噴射を前記NOx吸蔵触媒の
    昇温時と温度維持時とに分割して行い、昇温時における
    前記追加噴射を完了した後は、温度を維持するための前
    記点火時期の遅角と前記追加噴射とを交互に行って前記
    NOx吸蔵触媒の温度を維持することを特徴とする請求
    項14または請求項15に記載の内燃機関の排気浄化
    法。
  17. 【請求項17】 温度を維持するための前記点火時期の
    遅角が、前記NOx吸蔵触媒温度が所定値に低下するま
    で継続され、前記NOx吸蔵触媒温度が前記所定値に低
    下したときには前記追加噴射により再び昇温することを
    特徴とする請求項16に記載の内燃機関の排気浄化法。
  18. 【請求項18】 前記追加噴射により前記NOx吸蔵触
    媒を所定の温度まで昇温させるときの追加噴射の実施期
    間、または/および、温度を維持するための点火時期遅
    角の実施期間を、前記NOx吸蔵触媒に吸着されたSO
    xの吸着量に対応して決定することを特徴とする請求項
    14または請求項15に記載の内燃機関の排気浄化法。
  19. 【請求項19】 前記追加噴射により前記NOx吸蔵触
    媒を所定の温度まで昇温させるときの追加噴射の実施期
    間、または/および、温度を維持するための点火時期遅
    角と追加噴射との実施期間を、前記NOx吸蔵触媒に吸
    着されたSOxの吸着量に対応して決定することを特徴
    とする請求項16または請求項17に記載の内燃機関の
    排気浄化法。
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