JP2011195902A - アルミニウム材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不純物レベルをより一層抑制したアルミニウム材およびその製造(精製)方法を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素(C)含有量が原子比で10ppm以下、酸素(O)含有量が原子比で1ppm以下、窒素(N)含有量が原子比で20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が原子比で0.3ppm以下であることを特徴とするアルミニウム材である。
【選択図】図1
【解決手段】炭素(C)含有量が原子比で10ppm以下、酸素(O)含有量が原子比で1ppm以下、窒素(N)含有量が原子比で20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が原子比で0.3ppm以下であることを特徴とするアルミニウム材である。
【選択図】図1
Description
本発明はアルミニウム材、とりわけ不純物量の少ないアルミニウム材およびその製造方法に関する。
高純度のアルミニウムは、MBE等による半導体の気相成長をはじめ多くの分野で用いられている。このような高純度のアルミニウムとして、例えば偏析法や三層電解法により作製した高純度アルミウム材が知られている。これら高純度アルミニウム材は、通常99.99%〜99.999%程度の純度であることが知られている。
また、例えば特許文献1に不純物の分析結果が示されるような、99.9999%の純度レベルを有する超高純度アルミニウム材も知られている。
しかし、下記に示すように、これら従来の高純度および超高純度アルミニウム材の不純物レベルでは十分でない場合があり、より一層不純物を低減したアルミニウム材への要望が高まっている。
また、例えば特許文献1に不純物の分析結果が示されるような、99.9999%の純度レベルを有する超高純度アルミニウム材も知られている。
しかし、下記に示すように、これら従来の高純度および超高純度アルミニウム材の不純物レベルでは十分でない場合があり、より一層不純物を低減したアルミニウム材への要望が高まっている。
高密度光記録用途、高演色の照明やディスプレイ、殺菌、各種医療分野など、幅広い分野での応用が考えられている深紫外線(波長:200〜360nm)を発する発光ダイオードや半導体レーザーは、従来ガスレーザーなど大型装置の光源しか無かったが、AlN、AlGaN系半導体を用いることで、小型、高効率、長寿命な発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)が作製可能となっている。
しかし、比較的高い貫通転位密度を有するにもかかわらず高い量子効率が得られるInGaN等のInを含む窒化物半導体と異なり、Inを含まないAlN、AlGaN系半導体では、発光に寄与しない再結合中心が少ない高品質な結晶成長が必要となる。
そして、AlN、AlGaN結晶を例えばMBE法において作製した場合、原料のアルミニウム中に存在する不純物元素を取り込みやすく、取り込まれた不純物は結晶欠陥の原因になると考えられている。
例えば、非特許文献1には、酸素、炭素、水素などの非金属元素が取り込まれやすい元素の例として記されている。
非特許文献2には、酸素、炭素などの非金属元素および珪素などの不純物が取り込まれやすい元素として記されている。
非特許文献3には、炭素、水素などの不純物混入や、成膜品質の悪化について記されている。
例えば、非特許文献1には、酸素、炭素、水素などの非金属元素が取り込まれやすい元素の例として記されている。
非特許文献2には、酸素、炭素などの非金属元素および珪素などの不純物が取り込まれやすい元素として記されている。
非特許文献3には、炭素、水素などの不純物混入や、成膜品質の悪化について記されている。
また、これ以外にも例えばLSI等の集積回路の配線材の用途で従来の高純度アルミニウム材に含まれる非金属不純物による異常放電等の問題があった。
酸素、炭素、窒素などの非金属元素は、例えば特許文献1に記載されている従来の高純度アルミニウム精製法である偏析法や三層電解では、例えば炭素(C):20ppm程度、窒素(N):30ppm程度、水素(H):2ppm程度であり、これらの値より低い一定レベル以下に除去することは困難であった。
そこで、より不純物レベルを抑制したアルミニウム材が要望されていた。
そこで、より不純物レベルを抑制したアルミニウム材が要望されていた。
R.T.Bondokov et.al.,Journal of Crystal Growth 310(2008)4020.
秩父重英、上殿明良、日本結晶成長学会誌vol.36(2009)166.
Sunwoon Kim et.al.,Journal of Crystal Growth 245(2002)247−253.
本願はこのような要望に応えて、不純物レベルをより一層抑制したアルミニウム材およびその製造(精製)方法を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、炭素(C)含有量が原子比で10ppm以下、酸素(O)含有量が原子比で1ppm以下、窒素(N)含有量が原子比で20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が原子比で0.3ppm以下であることを特徴とするアルミニウム材である。
本発明の態様2は、炭素(C)含有量が原子比で5ppm以下であることを特徴とする態様1に記載のアルミニウム材である。
本発明の態様3は、リン(P)含有量が原子比で0.01ppm以下、硫黄(S)含有量が原子比で0.01ppm以下であることを特徴とする態様1または2に記載のアルミニウム材である。
本発明の態様4は、リチウム(Li)とベリリウム(Be)とホウ素(B)とナトリウム(Na)とマグネシウム(Mg)と珪素(Si)とカリウム(K)とカルシウム(Ca)とチタン(Ti)とバナジウム(V)とクロム(Cr)とマンガン(Mn)と鉄(Fe)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)と銅(Cu)と亜鉛(Zn)とガリウム(Ga)とゲルマニウム(Ge)とヒ素(As)とセレン(Se)とジルコニウム(Zr)とモリブデン(Mo)と銀(Ag)とカドミウム(Cd)とインジウム(In)とスズ(Sn)とアンチモン(Sb)とバリウム(Ba)とランタン(La)とセリウム(Ce)と白金(Pt)と水銀(Hg)と鉛(Pb)とビスマス(Bi)の合計含有量が原子比で0.4ppm以下であることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載のアルミニウム材である。
本発明の態様5は、態様1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材の半導体成膜プロセスでの使用である。
本発明の態様6は、態様1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材の半導体バルク単結晶成長プロセスでの使用である。
本発明の態様7は、真空中でアルミニウムを溶融して不純物を除去する真空精製工程を含むアルミニウム材の製造方法であって、前記真空精製工程において、前記アルミニウムの溶融時の真空度が2×10−5Pa以下であり、前記溶融したアルミニウムがルツボと接触しないことを特徴とするアルミニウム材の製造方法である。
本発明の態様8は、前記アルミニウムの溶融時の真空度が1×10−6Pa〜1×10−5Paであることを特徴とする態様7に記載の製造方法である。
本発明の態様9は、前記アルミニウムを溶融し精製する時間が5分以上300分以下であることを特徴とする態様7または8に記載の製造方法である。
本発明の態様10は、前記真空精製工程で溶融させるアルミニウムの表面層を予め除去することを特徴とする態様7〜9のいずれかに記載の製造方法である。
本発明の態様11は、前記ルツボが銅製の水冷ルツボであり、前記アルミニウムは高周波誘導加熱により溶融されることを特徴とする態様7〜10のいずれかに記載の製造方法である。
本発明の態様12は、前記真空精製工程において、前記アルミニウムの溶融の前に真空度を1×10−7Pa以下にすることを特徴とする態様7〜11のいずれかに記載の製造方法である。
本願発明により、例えば炭素含有量が10ppm以下、酸素含有量が1ppm以下、窒素含有量が20ppm以下と不純物レベルが極めて低い高純度アルミニウム材およびその製造方法を提供することができる。
本願発明の不純物を抑制したアルミニウム材は、炭素(C)含有量が10ppm以下、(好ましくは5ppm以下)、酸素(O)含有量が1ppm以下、窒素(N)含有量が20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が0.3ppm以下であるアルミニウム材である。
好ましくは炭素(C)含有量が1〜5ppm、酸素(O)含有量が0.2〜1.0ppm、窒素(N)含有量が3〜20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が0.08〜0.3ppmであるアルミニウム材である。
より好ましくは炭素(C)含有量が1〜3ppm、酸素(O)含有量が0.2〜0.4ppm、窒素(N)含有量が3〜6ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が0.08〜0.2ppmであるアルミニウム材である。
これらの含有量の単位は、原子比で示したppmである(以下、本明細書において同じ)。
好ましくは炭素(C)含有量が1〜5ppm、酸素(O)含有量が0.2〜1.0ppm、窒素(N)含有量が3〜20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が0.08〜0.3ppmであるアルミニウム材である。
より好ましくは炭素(C)含有量が1〜3ppm、酸素(O)含有量が0.2〜0.4ppm、窒素(N)含有量が3〜6ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が0.08〜0.2ppmであるアルミニウム材である。
これらの含有量の単位は、原子比で示したppmである(以下、本明細書において同じ)。
本願発明に係るアルミニウム材は、好ましくは、リン(P)含有量が0.01ppm以下、硫黄(S)含有量が0.01ppm以下である。より好ましくはリン(P)含有量が0.001ppm以下、硫黄(S)含有量が0.001ppm以下である。
本願発明に係るアルミニウム材は、アルミニウム以外の金属元素35元素の含有量の合計が0.4ppm以下であることが好ましい。より好ましくは0.15〜0.30ppmである。
このアルミニウム以外の金属35元素は、Li、Be、B、Na、Mg、Si、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、Ce、Pt、Hg、Pb、Biであり、以下これら35元素を総称し単に「金属35元素」という場合がある。
このアルミニウム以外の金属35元素は、Li、Be、B、Na、Mg、Si、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、Ce、Pt、Hg、Pb、Biであり、以下これら35元素を総称し単に「金属35元素」という場合がある。
金属35元素の含有量が多いアルミニウム材を用いてAlN等の半導体を作製した場合、得られた半導体は、結晶欠陥が生じやすいという問題がある。
また、金属35元素の含有量が多いアルミニウム材を用いて超電導応用製品の熱伝達材を作製した場合、不純物元素が比抵抗要因となり特性が悪化するという問題がある。
これらのために、金属35元素の含有量は上述の範囲にあることが好ましい。
また、金属35元素の含有量が多いアルミニウム材を用いて超電導応用製品の熱伝達材を作製した場合、不純物元素が比抵抗要因となり特性が悪化するという問題がある。
これらのために、金属35元素の含有量は上述の範囲にあることが好ましい。
本願発明者は、アルミニウム中の不純物を除去する真空精製(真空精錬)時に、溶融したアルミニウムにルツボから不純物が侵入するのを防止するために高周波加熱(高周波誘導加熱)等によりアルミニウムを浮遊させてルツボと非接触の状態で溶融し、かつ溶融したアルミニウムからの不純物元素の除去を確実に行うために溶融を圧力2×10−5Pa以下、より好ましくは1×10−6Pa〜1×10−5Paの真空中で行うことで上述の本願発明に係るアルミニウム材を得ることができることを見出した。
さらに、真空精製を行う前に、以下のいずれか又は両方の工程を実施することが好ましいことを見出した。
(i)真空精製を行うアルミニウム原料の表面層を予め溶解除去する工程。
(ii)真空精製時にアルミニウムを溶融する前に真空容器内を1×10−7Pa以下の真空に排気する工程。
(i)真空精製を行うアルミニウム原料の表面層を予め溶解除去する工程。
(ii)真空精製時にアルミニウムを溶融する前に真空容器内を1×10−7Pa以下の真空に排気する工程。
以下に本願に係るアルミニウム材の製造方法の詳細を示す。
アルミニウム原料:
詳細を後述する真空精製時に溶融するアルミニウム原料として、純度5N(99.999%、原子比)から6N(99.9999%、原子比)のアルミニウムを使用するのが好ましい。
アルミニウム材の純度を予め高めておくことにより、真空精製をより効率的に行えるからである。
詳細を後述する真空精製時に溶融するアルミニウム原料として、純度5N(99.999%、原子比)から6N(99.9999%、原子比)のアルミニウムを使用するのが好ましい。
アルミニウム材の純度を予め高めておくことにより、真空精製をより効率的に行えるからである。
このような純度5Nから6Nのアルミニウムは、比較的純度の低い市販のアルミニウム(例えば純度99.9%のJIS−H2102の特1種程度のグレード)を精製(精錬)することによって得ることができる。
精製方法としては、特に制限されないが、好ましくは、三層電解法による精製と、一方向凝固法による精製との両方が用いられる。
三層電解法による精製と一方向凝固法による精製の実施順序は特に制限されないが、通常は、三層電解法で精製し、その後、一方向凝固法で精製される。また、三層電解法による精製と一方向凝固法による精製は、例えば、交互に繰り返し行ってもよく、またいずれか一方もしくは両方を各々繰り返し行ってもよい。
精製方法としては、特に制限されないが、好ましくは、三層電解法による精製と、一方向凝固法による精製との両方が用いられる。
三層電解法による精製と一方向凝固法による精製の実施順序は特に制限されないが、通常は、三層電解法で精製し、その後、一方向凝固法で精製される。また、三層電解法による精製と一方向凝固法による精製は、例えば、交互に繰り返し行ってもよく、またいずれか一方もしくは両方を各々繰り返し行ってもよい。
なお、三層電解法による精製および一方向凝固法による精製の具体的な手法や条件などは、当該技術分野で通常行われている方法や条件等を適宜採用すればよい。
得られたアルミニウム原料は、後述の前処理、真空溶解に適した形状に加工することができる。アルミニウム原料の形状はペレット、棒、板、ブロック状などである。
得られたアルミニウム原料は、後述の前処理、真空溶解に適した形状に加工することができる。アルミニウム原料の形状はペレット、棒、板、ブロック状などである。
前処理:
アルミニウム原料は、真空精製に供せられる前に、好ましくは前処理が行なわれる。大気雰囲気中で表面に生じた酸化膜等およびアルミニウム原料を加工する際にその表面に付着した不純物元素を予め除去することで真空精製をより効率的に行えるからである。
アルミニウム原料は、真空精製に供せられる前に、好ましくは前処理が行なわれる。大気雰囲気中で表面に生じた酸化膜等およびアルミニウム原料を加工する際にその表面に付着した不純物元素を予め除去することで真空精製をより効率的に行えるからである。
前処理の方法は特に限定されるものでなく、アルミニウム原料の表面層を除去するために当該技術分野で用いられている各種の処理を用いることができる。
前処理として、例えば酸処理、電解研磨などが挙げられる。
前処理として、例えば酸処理、電解研磨などが挙げられる。
好適な酸処理の例として、以下の条件でアルミニウム原料を酸に浸漬してよい。
酸の種類および濃度: 純水で希釈した約20%塩酸水溶液
温度: 20℃〜40℃
時間: 1〜5時間
酸の種類および濃度: 純水で希釈した約20%塩酸水溶液
温度: 20℃〜40℃
時間: 1〜5時間
好適な電解研磨の例として以下の条件を挙げることができる。
電解研磨液: 過塩素酸およびエタノール1:6混合液
温度: 19〜23℃
電圧: 25V(定電圧電解)
時間: 1〜10分
電解研磨液: 過塩素酸およびエタノール1:6混合液
温度: 19〜23℃
電圧: 25V(定電圧電解)
時間: 1〜10分
真空精製:
本願発明において、真空精製(真空精錬)は、溶融したアルミニウムを浮遊させてルツボと接触させない浮遊溶解を行う。ルツボからの不純物の侵入を確実に防止できるからである。
このような真空精製は例えば特許第4157934号公報記載の装置などを使って行うことができる。
アルミニウム原料を、真空溶解精製装置チャンバに配置されたルツボに入れ、チャンバ内を密閉して排気装置により減圧した後、アルミニウム原料をルツボ中で加熱し、浮遊溶解させることにより行われる。
本願発明において、真空精製(真空精錬)は、溶融したアルミニウムを浮遊させてルツボと接触させない浮遊溶解を行う。ルツボからの不純物の侵入を確実に防止できるからである。
このような真空精製は例えば特許第4157934号公報記載の装置などを使って行うことができる。
アルミニウム原料を、真空溶解精製装置チャンバに配置されたルツボに入れ、チャンバ内を密閉して排気装置により減圧した後、アルミニウム原料をルツボ中で加熱し、浮遊溶解させることにより行われる。
ルツボは例えば銅製の水冷ルツボを用いるのが好ましい。
アルミニウム原料を溶解する加熱源として高周波電源を用いた場合、ルツボはアルミニウム原料を加熱し、溶融したアルミニウム原料を浮遊させる高周波コイルとして機能することが好ましく、このためには銅製のルツボが好適だからである。また、アルミニウム原料を加熱している間に亘り、コイルとしての特性を保持するために冷却できる構造とすることが好ましいからである。
アルミニウム原料を溶解する加熱源として高周波電源を用いた場合、ルツボはアルミニウム原料を加熱し、溶融したアルミニウム原料を浮遊させる高周波コイルとして機能することが好ましく、このためには銅製のルツボが好適だからである。また、アルミニウム原料を加熱している間に亘り、コイルとしての特性を保持するために冷却できる構造とすることが好ましいからである。
アルミニウム原料の加熱(溶融)は高周波誘導加熱(高周波誘導加熱)により行うのが好ましい。適正な条件を選択することで溶融したアルミニウムを浮遊させてルツボと非接触な状態で溶融アルミニウムを保持できるからである。
これ以外にも、例えば宇宙空間等の無重力状態を利用して浮遊溶解を行ってもよい。
これ以外にも、例えば宇宙空間等の無重力状態を利用して浮遊溶解を行ってもよい。
アルミニウムの溶融部がルツボ(例えば銅製水冷ルツボ)と接触しないように溶融アルミニウムの形状を制御する。そのための条件は、装置に依存するが、高周波電流により発生する磁界で溶融アルミニウムがルツボ壁から浮遊するように周波数、高周波出力、ルツボ形状、溶融するアルミニウム原料の質量の選択が重要である。
具体的には、高周波電流により目的とする溶融状態のアルミニウム原料(または精製されたアルミニウム材)が十分に浮遊できる磁界が得られるようにルツボの形状を設計する。
ルツボの形状の設計については例えば、特許第4157934号公報に開示されている。
このように適切な形状のルツボを用いて真空精製を行う。
溶融しようとするアルミニウム原料の質量および用いる高周波の周波数等の条件に応じてアルミニウムの溶融挙動が変化する。そこで、CCDカメラ等でアルミニウムの溶融状態を観察しながら高周波出力を調整することで溶融挙動を適正にすることができる。
ルツボの形状の設計については例えば、特許第4157934号公報に開示されている。
このように適切な形状のルツボを用いて真空精製を行う。
溶融しようとするアルミニウム原料の質量および用いる高周波の周波数等の条件に応じてアルミニウムの溶融挙動が変化する。そこで、CCDカメラ等でアルミニウムの溶融状態を観察しながら高周波出力を調整することで溶融挙動を適正にすることができる。
アルミニウムの溶融は高真空下で実施する。
具体的には溶融中のチャンバ圧力(溶融時の真空雰囲気)は2×10−5Pa以下、好ましくは1×10−6Pa〜1×10−5Paとする。チャンバ圧力が高いと、溶融したアルミニウム原料から非金属元素成分と金属元素成分とを十分に除去することができず、不純物を所定量以下に制御したアルミニウム材が得られない。一方、非金属元素成分と金属元素成分とを除去するにはチャンバ圧力が低いほど好ましいが、低過ぎると設備が過剰となり、経済性が悪い。また、チャンバ圧力が低過ぎるとその真空度に達するのに長時間を要し生産性が低下する。
具体的には溶融中のチャンバ圧力(溶融時の真空雰囲気)は2×10−5Pa以下、好ましくは1×10−6Pa〜1×10−5Paとする。チャンバ圧力が高いと、溶融したアルミニウム原料から非金属元素成分と金属元素成分とを十分に除去することができず、不純物を所定量以下に制御したアルミニウム材が得られない。一方、非金属元素成分と金属元素成分とを除去するにはチャンバ圧力が低いほど好ましいが、低過ぎると設備が過剰となり、経済性が悪い。また、チャンバ圧力が低過ぎるとその真空度に達するのに長時間を要し生産性が低下する。
特に、C、O、Nの含有量を低減するためにはアルミニウム溶融時のチャンバ圧力を2×10−5Pa以下にする必要がある。
溶融時に上述の真空度を確実に達成するためには、溶融開始直前のチャンバ圧力を好ましくは1×10−7Pa以下、より好ましくは1×10−8Pa以上5×10−8Pa以下とする。
溶融開始直前に十分に真空度を高くしておくことで溶融したアルミニウムから非金属元素成分と金属元素成分(放出成分)が放出され真空度が下がっても十分に上述の溶融時の真空雰囲気を達成することが可能になるからである。
溶融開始直前に十分に真空度を高くしておくことで溶融したアルミニウムから非金属元素成分と金属元素成分(放出成分)が放出され真空度が下がっても十分に上述の溶融時の真空雰囲気を達成することが可能になるからである。
このような溶融時および溶融直前の高真空を得るために、油回転ポンプ、メカニカルブースターポンプ、油拡散ポンプ、および液体窒素トラップを組み合わせた排気装置を使用するのが好ましい。
また、これ以外にもターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ゲッター付ポンプ、ソープションポンプの1つ以上を例えば油回転ポンプ等の他の真空装置と組み合わせて用いてもよい。
また、これ以外にもターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ゲッター付ポンプ、ソープションポンプの1つ以上を例えば油回転ポンプ等の他の真空装置と組み合わせて用いてもよい。
なお、本願のように高い真空度を達成するためには、上記のように複数の排気装置を組み合わせることが必要である。また、真空精製装置に用いる部材も例えば高真空用のチャンバ等、脱ガスやリークの少ない部材を用いることが好ましい。
従来、アルミニウムの溶解を10−2Pa程度の真空下で行い、またアルミニウムのスクラップの真空精製を10−2〜10Pa程度の真空下(例えば特開2001−294949号公報)で行うことが一般的であり、本願のような2×10−5Pa以下という超高真空が用いられることは殆どなかった。
アルミニウム溶融部の温度(溶融温度)は660℃以上900℃以下が好ましい。温度が660℃より低いとアルミニウムが凝固し、精製効果が低い場合があり、温度が900℃より高いと、ルツボや高周波コイル周辺部材の温度が上昇し、アルミ蒸気や発生ガスにより十分な精製ができない場合があるからである。
加熱を開始してから溶融温度に達するまでの昇温速度は、精製装置に依存するが、20分以上かけて昇温することが望ましい。昇温が速い方が生産性はよいが、昇温速度が速過ぎると放出成分により真空度が急激に悪化して真空排気装置のトラブルを生じたり、あるいは溶解領域が急激に拡大して精製領域の制御が困難になる場合があるからである。
鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の3元素はアルミニウム原料中の主要不純物であり、その含有量が多い。このため、これら元素の含有量を真空精製により減少させるのに必要な時間の間、アルミニウムを溶融しておく必要がある。
このアルミウムの溶融している時間(溶解時間)は、好ましくは5分から300分、より好ましくは10〜120分である。溶融している時間が短かいと、鉄、珪素および銅を十分に精製することができない場合があり、溶融している時間が長すぎると、これら元素の低減効果は飽和し、またルツボや高周波コイル周辺部材の温度上昇によりガスが発生し汚染する可能性もあるからである。
なお、ここでいう溶融している時間とはアルミニウム原料の少なくとも一部が溶融した状態を、高周波出力を調整して保持する時間である。
このアルミウムの溶融している時間(溶解時間)は、好ましくは5分から300分、より好ましくは10〜120分である。溶融している時間が短かいと、鉄、珪素および銅を十分に精製することができない場合があり、溶融している時間が長すぎると、これら元素の低減効果は飽和し、またルツボや高周波コイル周辺部材の温度上昇によりガスが発生し汚染する可能性もあるからである。
なお、ここでいう溶融している時間とはアルミニウム原料の少なくとも一部が溶融した状態を、高周波出力を調整して保持する時間である。
このような真空精製により得たアルミニウム材は、例えば切り出し加工や圧延加工により所定の形状を得てもよく、また所定形状の鋳型に鋳造することで所定の形状を得てもよい。
そして、得られたアルミニウム材は、MBEによる半導体結晶成長用原料(成膜原料)として使用することができ、例えば高品質なAlN、AlGaNエピタキシャル層を形成(成膜)することができる。
成膜法はMBEに限定されず、アルミニウムを含有する半導体材料の成膜方法であれば、例えば、HVPE法(ハイドライド気相成長法)のような他の成膜方法でも利用可能であり、これにより不純物の少ない高品質な成膜が可能である。
成膜法はMBEに限定されず、アルミニウムを含有する半導体材料の成膜方法であれば、例えば、HVPE法(ハイドライド気相成長法)のような他の成膜方法でも利用可能であり、これにより不純物の少ない高品質な成膜が可能である。
また、AlNおよびAlGaN等の半導体層の成膜に限定されず、AlNおよびAlGaN等のような、アルミニウムを含有する半導体のバルク単結晶の製造方法においても利用可能である。
このような半導体のバルク単結晶の製造方法の具体例として、フラックス法、昇華再結晶法、HVPE法が挙げられ、これらを含む半導体のバルク単結晶の製造方法において、本願発明のアルミニウム材を用いることでアルミニウムを含有する半導体のバルク単結晶を得ることができる。
このような半導体のバルク単結晶の製造方法の具体例として、フラックス法、昇華再結晶法、HVPE法が挙げられ、これらを含む半導体のバルク単結晶の製造方法において、本願発明のアルミニウム材を用いることでアルミニウムを含有する半導体のバルク単結晶を得ることができる。
さらに、このような不純物の少ない高純度のアルミニウムは、低温での電気抵抗が少ないことから、例えば低抵抗が必要な超電導安定化材のような用途に使用することが可能である。また、超電導応用機器のような低温での熱伝達材にも使用できる。
実施例1
純度99.93%(原子比、以下同じ)のアルミニウムを三層電解法により精製して純度が99.999%以上の5Nアルミニウムを得た。この5Nアルミニウニムの成分分析結果は、Si=2.4ppm、Cu=0.47ppm、Fe=0.30ppm、Mg=0.54ppm、これら以外の他の31元素(Li、Be、B、Na、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、Ce、Pt、Hg、Pb、Bi。以下、単に「31元素」という場合がある。)が0.33ppmでありこれら不純物35元素の合計が4.0ppmであった。
純度99.93%(原子比、以下同じ)のアルミニウムを三層電解法により精製して純度が99.999%以上の5Nアルミニウムを得た。この5Nアルミニウニムの成分分析結果は、Si=2.4ppm、Cu=0.47ppm、Fe=0.30ppm、Mg=0.54ppm、これら以外の他の31元素(Li、Be、B、Na、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、Ce、Pt、Hg、Pb、Bi。以下、単に「31元素」という場合がある。)が0.33ppmでありこれら不純物35元素の合計が4.0ppmであった。
この5Nアルミニウムを原料として、一方向凝固により精製して、純度99.9999%の6Nアルミニウムを得た。
より詳細には、黒鉛製ルツボ(内寸法:幅65mm×長さ400mm×高さ35mm)の中に1.8kgの5Nアルミニウムを原料として配置し、これを、炉体移動式管状炉の炉心管(石英製、内径100mm×長さ1000mm)の内部に収容し、1×10−2Paの減圧雰囲気にて炉体を700℃に温度制御して、5Nアルミニウムを溶解させた。その後、炉体を30mm/時間の速度で炉心管から引き抜くことにより一方の端部(凝固開始端)から他方の端部に向けて一方向に凝固させた。そして、長さ方向において凝固開始端より50mmの位置から凝固開始端より250mmの位置までを切出し、幅65mm×長さ200mm×厚さ26mmの塊状の6Nアルミニウムを得た。
より詳細には、黒鉛製ルツボ(内寸法:幅65mm×長さ400mm×高さ35mm)の中に1.8kgの5Nアルミニウムを原料として配置し、これを、炉体移動式管状炉の炉心管(石英製、内径100mm×長さ1000mm)の内部に収容し、1×10−2Paの減圧雰囲気にて炉体を700℃に温度制御して、5Nアルミニウムを溶解させた。その後、炉体を30mm/時間の速度で炉心管から引き抜くことにより一方の端部(凝固開始端)から他方の端部に向けて一方向に凝固させた。そして、長さ方向において凝固開始端より50mmの位置から凝固開始端より250mmの位置までを切出し、幅65mm×長さ200mm×厚さ26mmの塊状の6Nアルミニウムを得た。
この6Nアルミニウムの主要不純物元素含有量は、Si=0.33ppm、Fe=0.043ppm、Cu=0.059ppm、Mg=0.11ppm、31元素=0.11ppm、これら35元素合計で0.65ppmであった。
上記で得られた6Nアルミニウム塊から、12mm×12mm×100mmの角柱あるいは類似形状に切削加工で切出し、純水で希釈した20%塩酸水溶液で3時間酸洗浄し、精製原料(真空精製用のアルミニウム原料)とした。
上記の精製原料(アルミニウム原料)14本、合計重量約500gを、真空チャンバ(容量φ750×h700)の中央に配置した銅製水冷るつぼ(内寸:約φ65×h120)に配置した。チャンバ内を密閉し、チャンバ内を排気した。高真空を得るために、油回転ポンプ、メカニカルブースターポンプ、油拡散ポンプ、および液体窒素トラップを組み合わせた排気装置を使用して、チャンバ圧力4×10−8Paまで排気した。
その後、高周波加熱コイルにより精製原料を加熱する。高周波出力を徐々に上げて精製原料が溶融し始めると、チャンバ内圧力が上昇し、ガス放出が認められた。さらに精製原料を加熱し溶融させ、溶融状態が安定してから更に30分の真空精製(真空溶解精製)を行った。チャンバ覗き窓およびチャンバ内を観察できるCCDカメラにより、精製アルミニウム材(アルミニウム原料)が発生磁場により水冷ルツボから離れて、溶融域上部が盛り上がっている状態が確認され、アルミニウムの溶融域は水冷ルツボから浮遊した状態(非接触の状態)で精製(精錬)がなされた。真空溶融精製中のチャンバ圧力は3〜6×10−6であり、溶融初期に6×10−6Paまで上昇したのち、時間とともに徐々に低下した。溶融アルミニウムの温度を放射温度計にて測定した結果、660℃〜800℃であった。精製後、高周波出力を一定速度で落とし、精製アルミニウムを凝固させ、さらに一定速度で高周波出力を落として、冷却し、精製アルミニウム材を得た。
精製アルミニウム材は上部7割〜8割が安定溶融域として真空溶解精製されていたので、試料上部に対して、図1に示す安定溶融域内の合計4点において組成分析を行った。
組成分析はグロー放電質量分析法(サーモエレクトロン社製VG9000を使用)により行った。
これらの結果を表1に示す。
表1の「VM1−」の後の数字が図1の組成分析を行った点に対応する。
組成分析はグロー放電質量分析法(サーモエレクトロン社製VG9000を使用)により行った。
これらの結果を表1に示す。
表1の「VM1−」の後の数字が図1の組成分析を行った点に対応する。
真空精製により得たアルミニウム材はC含有量が2.1〜3.8ppm、O含有量が0.30〜0.34ppm、N含有量が6.4〜16ppm、Fe、Si及びCuの合計含有量が0.09〜0.20ppmであった。
また、P含有量が0.001ppm未満、S含有量が0.001ppm未満であった。
また、金属35元素の合計含有量が0.19〜0.28ppmであった。なお、測定結果が検出限界以下(0.001ppm未満)であった元素の不純物量については、0.001として35元素合計含有量を計算した。
また、P含有量が0.001ppm未満、S含有量が0.001ppm未満であった。
また、金属35元素の合計含有量が0.19〜0.28ppmであった。なお、測定結果が検出限界以下(0.001ppm未満)であった元素の不純物量については、0.001として35元素合計含有量を計算した。
実施例2
実施例1と同様にして、アルミニウム溶融中の真空度0.8〜1.0×10−5Paにて真空溶融精製を行った。他の条件は実施例1と同様である。得られたアルミニウム材の3つの部分、すなわち中央部、上部(中央部から20mm上の位置)および下部(中央部より20mm下の位置)の3ヶ所から分析試料を切出し、成分分析を行った結果を表1に示す。表1の「VM2−1」が上部、「VM2−2」が中部、「VM2−3」に下部に対応する。
実施例1と同様にして、アルミニウム溶融中の真空度0.8〜1.0×10−5Paにて真空溶融精製を行った。他の条件は実施例1と同様である。得られたアルミニウム材の3つの部分、すなわち中央部、上部(中央部から20mm上の位置)および下部(中央部より20mm下の位置)の3ヶ所から分析試料を切出し、成分分析を行った結果を表1に示す。表1の「VM2−1」が上部、「VM2−2」が中部、「VM2−3」に下部に対応する。
アルミニウム材はC含有量が4.5〜7.4ppm、O含有量が0.84〜0.96ppm、N含有量が4.0〜5.8ppm、FeとSiとCuの合計含有量が0.10〜0.16ppmであった。C含有量は、分析試料3点のうち、2点で5ppm以下、1点で10ppm以下となった。
また、P含有量が0.001ppm未満、S含有量が0.001ppm未満であった。
金属35元素の合計含有量は0.22〜0.26ppmであった。
また、P含有量が0.001ppm未満、S含有量が0.001ppm未満であった。
金属35元素の合計含有量は0.22〜0.26ppmであった。
比較例1
実施例1で示したアルミニウム原料を得るために三層電解法により精製した5Nアルミニウム、および5Nアルミニウムをさらに一方向凝固して作製した6Nアルミニウムについて、組成分析を行った結果を表1に示す。
表1の「5N−1」が5Nアルミニウム、「6N−1」が6Nアルミニウムの成分分析結果である。
実施例1で示したアルミニウム原料を得るために三層電解法により精製した5Nアルミニウム、および5Nアルミニウムをさらに一方向凝固して作製した6Nアルミニウムについて、組成分析を行った結果を表1に示す。
表1の「5N−1」が5Nアルミニウム、「6N−1」が6Nアルミニウムの成分分析結果である。
これら5Nおよび6Nアルミニウム原料は、C含有量が6.1〜22ppm、O含有量が0.6〜1.9ppm以上、N含有量が8.9〜31ppm、FeとSiとCuの合計含有量が0.43〜3.2ppmであった。また、P含有量、S含有量とも0.005ppm以上であった。
金属35元素の合計含有量が0.65〜4.0ppmであった。
金属35元素の合計含有量が0.65〜4.0ppmであった。
比較例2
アルミニウムが溶融中の真空度2〜3×10−5Paにて真空精製を行った。他の条件は実施例1と同様である。得られたアルミニウム材から図1と同様に上下方向4ヶ所から分析試料を切出し、分析した結果を表1に示す。表1の「VM3−」の後の数字が、得られたアルミニウム材の上から図1の組成分析を行った点に対応する。
アルミニウムが溶融中の真空度2〜3×10−5Paにて真空精製を行った。他の条件は実施例1と同様である。得られたアルミニウム材から図1と同様に上下方向4ヶ所から分析試料を切出し、分析した結果を表1に示す。表1の「VM3−」の後の数字が、得られたアルミニウム材の上から図1の組成分析を行った点に対応する。
得られた本比較例のアルミニウム材はC含有量が3.1〜13ppm、O含有量が0.71〜1.9ppm、N含有量が6.7〜21ppm、FeとSiとCuの合計含有量が0.26〜0.44ppmであった。また、P含有量が0.001ppm未満、S含有量が0.002ppm以下であった。
金属35元素の合計含有量が0.39〜0.53ppmであった。
このように、P、Sは良好に精製されたものの、他の元素は場所によって精製効果にばらつきがあり、精製効果は実施例に比較すると劣る結果となった。
金属35元素の合計含有量が0.39〜0.53ppmであった。
このように、P、Sは良好に精製されたものの、他の元素は場所によって精製効果にばらつきがあり、精製効果は実施例に比較すると劣る結果となった。
本発明によれば、例えば高品質な結晶成長を行うMBE等の成膜方法に用いる等の各種用途に使用可能なアルミニウム材およびその精製方法が提供される。
1、2、3、4 成分分析用サンプル採取位置
Claims (12)
- 炭素(C)含有量が原子比で10ppm以下、酸素(O)含有量が原子比で1ppm以下、窒素(N)含有量が原子比で20ppm以下であり、鉄(Fe)と珪素(Si)と銅(Cu)の合計含有量が原子比で0.3ppm以下であることを特徴とするアルミニウム材。
- 炭素(C)含有量が原子比で5ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材。
- リン(P)含有量が原子比で0.01ppm以下、硫黄(S)含有量が原子比で0.01ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム材。
- リチウム(Li)とベリリウム(Be)とホウ素(B)とナトリウム(Na)とマグネシウム(Mg)と珪素(Si)とカリウム(K)とカルシウム(Ca)とチタン(Ti)とバナジウム(V)とクロム(Cr)とマンガン(Mn)と鉄(Fe)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)と銅(Cu)と亜鉛(Zn)とガリウム(Ga)とゲルマニウム(Ge)とヒ素(As)とセレン(Se)とジルコニウム(Zr)とモリブデン(Mo)と銀(Ag)とカドミウム(Cd)とインジウム(In)とスズ(Sn)とアンチモン(Sb)とバリウム(Ba)とランタン(La)とセリウム(Ce)と白金(Pt)と水銀(Hg)と鉛(Pb)とビスマス(Bi)の合計含有量が原子比で0.4ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム材の半導体成膜プロセスでの使用。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム材の半導体バルク単結晶成長プロセスでの使用。
- 真空中でアルミニウムを溶融して不純物を除去する真空精製工程を含むアルミニウム材の製造方法であって、
前記真空精製工程において、前記アルミニウムの溶融時の真空度が2×10−5Pa以下であり、前記溶融したアルミニウムがルツボと接触しないことを特徴とするアルミニウム材の製造方法。 - 前記アルミニウムの溶融時の真空度が1×10−6Pa〜1×10−5Paであることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
- 前記アルミニウムを溶融し精製する時間が5分以上300分以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の製造方法。
- 前記真空精製工程で溶融させるアルミニウムの表面層を予め除去することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ルツボが銅製の水冷ルツボであり、前記アルミニウムは高周波誘導加熱により溶融されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記真空精製工程において、前記アルミニウムの溶融の前に真空度を1×10−7Pa以下にすることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
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Cited By (5)
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JP5223038B1 (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-26 | シャープ株式会社 | シリコン、結晶シリコン材料及びシリコン太陽電池の製造方法 |
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JP2017150076A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | 延世大学校 産学協力団Industry−Academic Cooperation Foundation,Yonsei University | 調節されたアルミニウム合金及びその製造方法 |
CN108118214A (zh) * | 2017-12-22 | 2018-06-05 | 赛克思液压科技股份有限公司 | 一种阀体加工夹具 |
CN110857453A (zh) * | 2018-08-24 | 2020-03-03 | 苏州苏丰机械科技有限公司 | 真空定向提纯炉及利用该炉定向凝固提纯高纯铝的方法 |
-
2010
- 2010-03-19 JP JP2010064538A patent/JP2011195902A/ja active Pending
Non-Patent Citations (1)
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JPN6013024927; 大園洋仁 他3名: '真空溶解したアルミニウムの結晶組織' 日本金属学会誌 第65巻、第3号, 2001, 143〜146, 日本金属学会 * |
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