JP2011194819A - インクジェット噴射装置及びそのギャップ調整方法 - Google Patents

インクジェット噴射装置及びそのギャップ調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラインヘッドと記録媒体とのギャップ調整の精度を向上させ、自動的にギャップを調整する。
【解決手段】ラインヘッド16Kが固定された固定手段から被噴射媒体までの距離を取得するとともに、ラインヘッドの高さ情報である固定手段からラインヘッドのノズル面までの距離を取得し、これらの距離からラインヘッドのノズル面と被噴射媒体とのギャップ距離を計算し、算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離G1との差分に基づいて昇降手段を昇降させるようにしたので、ラインヘッドの製造誤差があっても、自動的に適切な距離にギャップを調整することができる。
【選択図】図14

Description

本発明はインクジェット噴射装置及びそのギャップ調整方法に係り、特に、複数のヘッドモジュールから構成されるラインヘッドのノズル面と被噴射媒体とのギャップを高精度に調整する技術に関する。
インクを吐出する色毎の記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるとともに、各色記録ヘッドからインクを吐出させることにより記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
この種のインクジェット記録装置では、記録媒体と記録ヘッドとの距離がインク色毎によって異なると、インクを吐出してから記録媒体に着弾するまでの時間がインク色によって異なってしまい、記録媒体における着弾位置がずれてしまうこととなる。これにより、色ずれなどの画像品質に影響を与えてしまう。
したがって、画像を高精度に記録するためには、記録媒体と記録ヘッドとを高精度に位置決めする必要がある。特に記録媒体の記録面から記録ヘッドのノズル面までの距離を高精度に制御する必要がある。
このような課題に対し、特許文献1には、記録媒体の搬送方向と直交する走査方向に複数の記録ヘッドが搭載されたキャリッジを前記走査方向に移動させ、当該キャリッジの移動中に記録ヘッドのノズルからインクを吐出することにより画像を形成するシリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、キャリッジにおける走査方向の両端と両端以外の少なくとも1箇所に、記録ヘッドと記録媒体との距離(ギャップ)を調整可能なギャップ調整機構を備えた技術が開示されている。
この技術によれば、キャリッジにおける走査方向の両端でそれぞれ独立してギャップ調整を行うことができると共に、両端以外の箇所でも独立してギャップ調整を行うことがで
きるため、全ての記録ヘッドと記録媒体とのギャップが等しくなるように調整することができる。その結果、各記録ヘッドから吐出されたインクを記録媒体における正確な着弾位置に着弾させることができ、色ずれなどのない高画質の画像を形成することができる。
特開2005−212147号公報
記録ヘッドが複数備えられている場合には、それぞれの記録ヘッドが製造誤差を有していることにより、全ての記録ヘッドにおいて記録媒体の記録面との距離が同じになるとは限らない。また、記録ヘッドが複数の吐出ノズル部材から構成される場合には、各吐出ノズル部材の製造誤差や取り付け誤差によってそれぞれのノズル部材がノズル面に凹凸を形成し、記録媒体の記録面との距離がノズル部材毎に異なってしまうことが考えられる。また、記録媒体の厚さが変化した場合も、同様に画像品質に影響を与えてしまう。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、キャリッジには各プロセスカラーの記録ヘッドが搭載されているため、記録ヘッドごとにギャップを調整することができないという問題点があった。また、記録媒体の厚さに応じてギャップを調整することもできないという欠点があった
このように従来の技術では、記録媒体の記録面と複数の記録ヘッドとをそれぞれ高精度に位置決めすることができなかった。また、記録媒体の厚さが変化した場合にも対応できなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ラインヘッドと記録媒体とのギャップ調整の精度を向上させ、自動的にギャップ調整が可能なインクジェット噴射装置及びそのギャップ調整方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載のインクジェット噴射装置は、ラインヘッドの複数のノズルから被噴射媒体に対して液体を噴射するインクジェット噴射装置において、前記ラインヘッドを固定する固定手段であって、該ラインヘッドのノズル面を前記被噴射媒体に向けて固定する固定手段と、前記固定手段を昇降することにより前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を調整可能な昇降手段と、前記昇降手段の高さ情報であって、前記固定手段から前記被噴射媒体までの距離を取得する昇降位置取得手段と、前記固定手段に固定されたラインヘッドの高さ情報であって、前記固定手段から前記ラインヘッドのノズル面までの距離を取得するヘッド情報取得手段と、前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報とから、前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出するギャップ距離算出手段と、前記算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離との差分を算出する昇降距離算出手段と、前記算出された差分に基づいて前記昇降手段を制御する昇降制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ラインヘッドが固定された固定手段から被噴射媒体までの距離を取得するとともに、ラインヘッドの高さ情報である固定手段からラインヘッドのノズル面までの距離を取得し、これらの距離からラインヘッドのノズル面と被噴射媒体とのギャップ距離を算出し、算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離との差分に基づいて昇降手段を昇降させるようにしたので、ラインヘッドの製造誤差があっても、自動的に適切な距離にギャップを調整することができる。また、ラインヘッド毎に基準となる高さ情報を有しているため、ギャップ調整値の信頼性を向上させることができる。
請求項2に示すように請求項1に記載のインクジェット噴射装置は、前記昇降手段の高さ情報を記憶する昇降位置記憶手段を備え、前記昇降位置取得手段は、前記昇降位置記憶手段から昇降手段の高さ情報を取得することを特徴とする。
これにより、適切に昇降手段の高さ情報を取得することができる。
請求項3に示すように請求項2に記載のインクジェット噴射装置において、前記昇降制御手段は、前記昇降手段を昇降させた距離に基づいて前記昇降位置記憶手段に記憶された昇降手段の高さ情報を更新することを特徴とする。
これにより、常に昇降手段の高さ情報を記憶しておくことができる。
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット噴射装置において、前記ラインヘッドは、該ラインヘッドの高さ情報を記憶するヘッド情報記憶手段を備え、前記ヘッド情報取得手段は、前記ヘッド情報記憶手段から該ラインヘッドの高さ情報を取得することを特徴とする。
これにより、適切にラインヘッドの高さ情報を取得することができる。
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット噴射装置において、前記ラインヘッドは、それぞれノズルを有する複数のヘッドモジュールから構成され、前記ラインヘッドの高さ情報は、前記複数のヘッドモジュールの高さ情報に基づいて生成されることを特徴とする。
これにより、複数のヘッドモジュールの高さにばらつきがあっても、適切なラインヘッドの高さ情報を生成することができる。
請求項6に示すように請求項5に記載のインクジェット噴射装置において、前記ラインヘッドの高さ情報は、前記固定手段から前記複数のヘッドモジュールのノズル面までのそれぞれの距離から算出された平均値と標準偏差との和であることを特徴とする。
これにより、ノズル面と被噴射媒体との接触を回避することができる。
請求項7に示すように請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット噴射装置において、前記昇降手段は、前記固定手段に接続された従動カムと、前記従動カムに当接された偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動するモータとを備えたことを特徴とする。
これにより、固定手段に固定されたラインヘッドを適切に昇降させることができる。
請求項8に示すように請求項7に記載のインクジェット噴射装置において、前記昇降制御手段は、前記モータの回転量と前記昇降手段の昇降量との関係を示すテーブルを備え、前記算出された差分と前記テーブルとから前記モータの回転量を算出し、前記算出した回転量に基づいて前記モータを回転させることを特徴とする。
これにより、偏芯カムを用いた場合であっても適切に昇降させることができる。
請求項9に示すように請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット噴射装置において、前記被噴射媒体の厚さを取得する媒体情報取得手段を備え、前記ギャップ距離算出手段は、前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報と前記被噴射媒体の厚さ情報とから、前記ラインヘッドと前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出することを特徴とする。
これにより、被噴射媒体の厚さに応じて、適切なギャップ距離に設定することができる。
請求項10に示すように請求項9に記載のインクジェット噴射装置において、前記媒体情報取得手段は、被噴射媒体の種別と厚さとの関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、被噴射媒体の種別をユーザに選択させる手段とを備えたことを特徴とする。
これにより、被噴射媒体の種別を選択するだけで、適切なギャップ距離に設定することができる。
前記目的を達成するために請求項11に記載のインクジェット噴射装置のギャップ調整方法は、ラインヘッドの複数のノズルから被噴射媒体に対して液体を噴射するインクジェット噴射装置であって、前記ラインヘッドを固定する固定手段を昇降することにより前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を調整可能な昇降手段を備えたインクジェット噴射装置のギャップ調整方法において、前記昇降手段の高さ情報であって、前記固定手段から前記被噴射媒体までの距離を取得する工程と、前記固定手段に固定されたラインヘッドの高さ情報であって、前記固定手段から前記ラインヘッドのノズル面までの距離を取得する工程と、前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報とから、前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出する工程と、前記算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離との差分を算出する工程と、前記算出された差分に基づいて前記昇降手段を制御する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ラインヘッドの製造誤差があっても、自動的に適切な距離にギャップを調整することができる。また、ラインヘッド毎に基準となる高さ情報を有しているため、ギャップ調整値の信頼性を向上させることができる。
インクジェット記録装置の描画部の概略構成図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図 ラインヘッドの取付部の構造を示す正面図 図4の5−5矢視図 図4の6−6矢視図 図4の7−7矢視図 図4の8−8矢視図 ラインヘッドの昇降制御系を示す要部ブロック図 偏芯カムの回転角とラインヘッドの昇降量の関係を示す図 ラインヘッドの取付け時のギャップの自動調整を示すフローチャート 各ヘッドモジュールの高さばらつきを説明するための図 記録ヘッド治具を用いた台座の初期位置設定を説明するための模式図 ラインヘッド搭載時のギャップの自動調整を説明するための図 ラインヘッドの交換時の自動ギャップ調整を示すフローチャート ラインヘッド交換時のギャップの自動調整を説明するための図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔描画部の構成〕
図1は、本発明が適用されたインクジェット記録装置の描画部の概略構成図である。
同図に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置は、描画部10において、用紙(記録媒体)12を描画ドラム14で回転搬送する。そして、この描画ドラム14によって回転搬送される用紙12に対して、描画ドラム14の外周面に対向して配置された4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16KでC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(クロ)のインク滴を打滴して、用紙12の記録面にカラー画像を描画する。
用紙12を搬送する描画ドラム14は、円筒状に形成されており、その回転軸18は、装置本体フレームに設置された図示しない軸受に回転自在に支持されている。回転軸18には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。描画ドラム14は、このモータに駆動されて回転する。
描画ドラム14の外周面には、用紙12の先端部を把持するためのグリッパ20が、外周面上の2カ所に設置されている。各グリッパ20は、それぞれ図示しない開閉駆動手段に駆動されて開閉される。用紙12は、このグリッパ20に先端部を把持されて、描画ドラム14の外周面上に保持される。
また、描画ドラム14の周面には、図示しない吸着穴が所定の配列パターンで多数形成されている。各吸着穴は、描画ドラム14の内部に貫通して形成されている。描画ドラム14は、図示しないバキュームポンプによって内部のエアが吸引されている。このため、各吸着穴からは、内部に向けてエアが吸引されている。描画ドラム14の外周面に巻き掛けられた用紙12は、この吸着穴からエアが吸引されることにより、描画ドラム14の外周面に吸着保持される。
なお、本例において、用紙12は、描画ドラム14に並列して配置された搬送ドラム22によって描画ドラム14に受け渡され、描画後の用紙12は、同じく描画ドラム14に並列して配置された搬送ドラム24に受け渡される。グリッパ20は、タイミングを合わせて、前段の搬送ドラム22から用紙12を受け取り、タイミングを合わせて、後段の搬送ドラム24に描画後の用紙12を受け渡す。
4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、描画ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kからは、描画ドラム14の外周面に向けて垂直にインク滴が吐出され、この描画ドラム14の外周面に向けて吐出されたインク滴が、描画ドラム14によって回転搬送される用紙12に打滴されて、用紙12にカラー画像が描画される。
〔ヘッドの構造〕
次に、ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの構造について説明する。なお、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの構造は共通しているので、以下では、これらを代表してK色のラインヘッド16Kについて説明する。
図2(a)は、ラインヘッド16Kを構成するヘッドモジュール16K’の構造例を示す平面透視図であり、図2(b)は、その一部の拡大図である。また、図2(c)は、ラインヘッド16Kの構造例を示す平面透視図である。図3は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図2(a)、(b)中、IV−IV線に沿う断面図)である。
記録紙面上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ラインヘッド16Kにおけるノズルピッチを高密度化する必要がある。ヘッドモジュール16K’は、図2(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
図2(c)に示すように、本実施例のラインヘッド16Kは、上記のヘッドモジュール(ヘッドチップ)16K’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで、用紙12の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成している。なお、図示は省略するが、短尺のヘッドモジュールを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル151とインク流入口154が設けられている。各圧力室152はインク流入口154を介して共通流路155と連通されている。
圧力室152の天面を構成し共通電極と兼用される振動板156には個別電極157を備えた圧電素子158が接合されており、個別電極157に駆動電圧を印加することによって圧電素子158が変形して圧力室152内のインクが加圧され、当該圧力室152に連通するノズル151からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路155からインク流入口154を通って新しいインクが圧力室152に供給される。
本例では、ラインヘッド16Kに設けられたノズル151から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子158を適用したが、圧力室152内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット153を図2(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔ラインヘッドの取付部の構成〕
図1に示すように、描画ドラム14によってその周面に吸着保持されて回転搬送される用紙12は、描画ドラム14の外周面に対向して配置された4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16KからC、M、Y、Kの各色のインクを打滴されて、記録面にカラー画像が描画される。このカラー画像を高精度に描画するためには、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kが、描画ドラム14に対して正確に位置決めされて設置される必要がある。具体的には、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面が、描画ドラム14の外周面に対して平行、かつ、一定距離の位置に配置される必要がある。このため、本実施の形態のインクジェット記録装置では、次のようにして、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kが取り付けられている。なお、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの取付部の構造は共通しているので、以下では、これらを代表してK色のラインヘッド16Kの取付部について説明する。
図4は、ラインヘッド16Kの取付部の構造を示す正面図である。また、図5〜8は、それぞれ図4の5−5矢視図、6−6矢視図、7−7矢視図、8−8矢視図である。
図4に示すように、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、その幅方向の両端部に支持部28L、28Rを有しており、この支持部28L、28Rをヘッド支持フレーム31に設けられた左右一対の台座30L、30Rに固定することにより、所定位置に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム31は、左右一対の側板32L、32Rと、その左右一対の側板32L、32Rを連結する連結板34とで構成されている。左右一対の側板32L、32Rは、描画ドラム14を挟んで左右対称に配置されており、それぞれ描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に配置されている。連結板34は、この左右一対の側板32L、32Rを前後で連結して一体化する。このヘッド支持フレーム31は、装置本体フレームに取り付けられた図示しないガイドレールにスライド移動自在に支持されており、描画ドラム14の回転軸18と平行にスライド移動して、所定の退避位置に退避可能に設けられている。
各台座30L、30Rは、それぞれスライド支持機構36L、36Rを介して、左右の側板32L、32Rの内側に取り付けられている。
スライド支持機構36L、36Rは、ガイドレール38L、38Rと、そのガイドレール38L、38R上をスライドする1組のスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbと、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに取り付けられた取付板42L、42Rとで構成されている。
各ガイドレール38L、38Rは、それぞれ側板32L、32Rの内側に取り付けられており、それぞれ描画ドラム14の中心を通る直線に沿って配設されている(描画ドラム14の法線に沿って配設されている)。
スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、このガイドレール38L、38Rの上をスライド移動自在に設けられている。したがって、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライドする。なお、このスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、図示しないボルトによってガイドレール38L、38Rに固定できるようにされている。
取付板42L、42Rは、矩形の板状に形成されており、図示しないボルトによってスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに固定されている。スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに取り付けられた取付板42L、42Rは、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に配設される。そして、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbによって、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライドする。台座30L、30Rは、この取付板42L、42Rに図示しないボルトで固定される。
台座30L、30Rは、図4に示すように、矩形状のプレートの先端(下端)を直角に折り曲げてL字状に形成されており、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直な垂直部30La、30Raと、描画ドラム14の回転軸18に対して平行な水平部30Lb、30Rbとで構成されている。この台座30L、30Rは、垂直部30La、30Raをスライド支持機構36R、36Lの取付板42L、42Rに図示しないボルトで固定することにより、スライド支持機構36R、36Lに取り付けられる。
スライド支持機構36R、36Lに取り付けられた台座30L、30Rは、図4に示すように、その垂直部30La、30Raが、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に取り付けられるとともに、水平部30Lb、30Rbが、描画ドラム14の回転軸18と平行に取り付けられる。そして、スライド支持機構36R、36Lに取り付けられた台座30L、30Rは、スライド支持機構36L、36Rによって、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライド自在に支持され、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降可能に支持される。
このように描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降可能に支持された台座30L、30Rは、昇降駆動機構44によって、昇降駆動される。
昇降駆動機構44は、主として、パルスモータ46と、そのパルスモータ46によって回転駆動される回転駆動軸48と、回転駆動軸48に取り付けられた左右一対の偏心カム50L、50Rと、各取付板42L、42Rに取り付けられるとともに、各偏心カム50L、50Rに当接された左右一対の従動カム52L、52Rとで構成されている。
パルスモータ46は、一方の側板32Lの外側面にブラケット54を介して取り付けられており、その出力軸46aは、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に設けられている。
回転駆動軸48は、左右の側板32L、32Rを跨いで設置されており、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設されている。この回転駆動軸48は、左右の側板32L、32Rに設けられた軸受56L、56Rに回転自在に支持されている。
パルスモータ46の回転は、ウォームギア58を介して回転駆動軸48に伝達され、パルスモータ46の出力軸46aには、このウォームギア58を構成するウォーム58aが取り付けられている。一方、回転駆動軸48には、このウォーム58aに噛み合うウォームホイール58bが取り付けられており、これにより、パルスモータ46の回転が回転駆動軸48に伝達される。
左右一対の偏心カム50L、50Rは、円盤状に形成されており、その回転中心が偏心されて、回転駆動軸48に取り付けられている。この偏心カム50L、50Rは、それぞれ側板32L、32Rの外側に配置されており、描画ドラム14の回転軸18に対して、垂直に配置されている。
従動カム52L、52Rは、円盤状に形成されており、その周面が偏心カム50L、50Rの周面に当接されて、偏心カム50L、50Rの上に載置されている。この従動カム52L、52Rは、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設された支軸52La、52Raに回転自在に支持されている。支軸52La、52Raは、側板32L、32Rに形成された長穴59L、59Rを通して、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設されており、その基端部が、取付板42L、42Rに一体成形された軸支持部42La、42Lbに固定されている。長穴59L、59Rは、ガイドレール38L、38Rと平行に形成されており、これにより、従動カム52L、52Rが、ガイドレール38L、38Rと平行に移動できるようにされている。
以上のように構成された昇降駆動機構44によれば、パルスモータ46を駆動して、回転駆動軸48を回転させると、左右一対の偏心カム50L、50Rが回転し、これにより、従動カム52L、52Rが、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動する。そして、この従動カム52L、52Rが描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動することにより、この従動カム52L、52Rに連結された取付板42L、42Rが描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動し、この結果、台座30L、30Rが、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降する。
なお、台座30L、30Rは、図示しないボルトによってスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbをガイドレール38L、38Rに固定することにより、側板32L、32Rに固定される。各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、台座30L、30Rを側板32L、32Rに固定した状態で取り付けられる。
ラインヘッドの取付部は、以上のように構成される。
なお、ラインヘッドを昇降させる機構は本実施形態に限定されるものではなく、例えばボールネジを用いた昇降機構を用いてもよい。
〔昇降制御部の説明〕
次に、ラインヘッドの昇降制御系の構成について説明する。本実施形態の描画部10は、上記のラインヘッドの昇降機構を制御して、ラインヘッド毎のギャップ調整を行う。
図9は、ラインヘッドの昇降制御系を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置の描画部10は、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kにそれぞれ備えられたパルスモータ46の回転を制御する昇降制御部81、各ラインヘッドの昇降量(現在位置)を記憶可能な昇降量メモリ82を備えている。
また、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、それぞれ各ラインヘッドが吐出すべき画像データを一次的に記憶するためのメモリ80C、80M、80Y、80Kを備えている。後述するように、本実施の形態では、これらのメモリを各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの固有の高さ情報を示すデータを記憶するメモリとして流用しており、昇降制御部81は、各メモリ80C、80M、80Y、80Kから読み出した高さ情報に基づいて各ラインヘッド16のパルスモータ46を駆動する。
昇降駆動機構44は、偏芯カム50の回転量(回転角度)をスライダ40の直線移動量に変換するものであるが、偏芯カム50の回転角度とラインヘッドの昇降量とがリニアな関係とはならない。図10は、偏芯カム50の回転角とラインヘッド16の昇降量の関係を示すグラフである。同図に示すように、偏芯カム50の回転角が0度のときにラインヘッド16が最も上部に位置しており、偏芯カム50が回転するにしたがって、回転角度と偏芯量に応じてラインヘッド16が降下する。
したがって、昇降制御部81は、パルスモータ46への出力パルス数と偏芯カム50の変位量から、図10に示す関係に基づいて各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの昇降量(昇降距離)を算出可能な関係テーブルを備えている。
〔ラインヘッドの取付〕
次に、上記の取付部へのラインヘッドの取付時におけるギャップ調整について説明する。図11は、ラインヘッドの取付け時のギャップの自動調整を示すフローチャート。
ラインヘッドを取付部へ取り付けるには、予めそのラインヘッドの基準ノズル面距離T1を算出しておく必要がある(ステップS1)。
図12は、ラインヘッド16Kを正面(図4と同方向)から見た模式図である。ここでは、ラインヘッド16Kは、7つのヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7を備えているものとする。
まず、ラインヘッドの支持部28L、28Rの下端から、各ヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7のノズル面までの距離データを取得しておく。各ヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7は、製造誤差や取付誤差により、支持部28L、28Rの下端からノズル面までの距離がそれぞれ異なっている。図12に示す例では、この距離は、ヘッドモジュール16K’-1がX1、ヘッドモジュール16K’-2がX2、・・・、ヘッドモジュール16K’-7がX7であるとする。
これらの距離データから、ラインヘッド16K固有の高さ情報である基準ノズル面距離T1を算出する。ここでは、基準ノズル面距離T1は、下記(式1)に示すように各距離X1、X2、・・・、X7の平均値Xaと標準偏差Sxの和とする。
T1=Xa+Sx … (式1)
このように算出された基準ノズル面距離T1を、ラインヘッド16Kのメモリ80K(図9参照)に記憶させておく。
各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、それぞれ台座30L、30Rに取り付けられる。したがって、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kを取り付けるための台座30L、30Rを、予め所定の位置(高さ)に設定しておく必要がある(ステップS2)。この作業は、記録ヘッド治具16Dを用いて行われる。
図13は、記録ヘッド治具16Dを用いた台座30L、30Rの初期位置設定を説明するための模式図であり、図4と同方向から見た図である。同図に示すように、記録ヘッド治具16Dは、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kと同様に、その幅方向の両端部に支持部28L、28Rを有している。また、記録ヘッド治具16Dは、支持部28L、28Rの下端から、描画ドラム14に対向する下面までの距離が、ノズル面設計距離T0となるように構成されている。
記録ヘッド治具16Dは、この支持部28L、28Rをヘッド支持フレーム31に設けられた左右一対の台座30L、30Rに固定することにより、描画部10の所定位置に取り付けられる。
ユーザは、記録ヘッド治具16Dを撮り付け後、記録ヘッド治具16Dの下面と描画ドラム14との距離が規定ギャップG1となるように、図示しないユーザインターフェースにより昇降制御部81を制御し、台座30L、30Rに取付けられた記録ヘッド治具16Dを昇降させる。
規定ギャップG1は、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル151がインクを吐出するのに最も適した距離が設定されている。なお、図10に示すように、偏芯カム50の回転角が150度付近において規定ギャップG1が設定されるように、昇降駆動機構44の各構成部材が位置決めされている。
記録ヘッド治具16Dの下面と描画ドラム14との距離を規定ギャップG1に設定終了後、ユーザは、図示しないユーザインターフェースにより、規定ギャップG1の設定が終了したことを入力する。この入力により、昇降制御部81は、昇降量メモリ82に現在の昇降駆動機構44の位置(昇降量)を記憶する。ここでは、支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT0+G1である旨を記憶しておくが、取り付けられているラインヘッドの高さ情報(ここでは記録ヘッド治具16Dのノズル面設計距離T0)だけを記憶してもよいし、偏芯カム50の現在の回転角度を記憶してもよい。
次に、ユーザは、記録ヘッド治具16Dを支持部28L、28Rから取り外し、今度は図14(a)に示すように、実際に取付けるラインヘッド16Kを支持部28L、28Rに固定する(ステップS3)。
このラインヘッド16Kは、基準ノズル面距離がT1であるから、記録ヘッド治具16Dからラインヘッド16Kに交換した時点の、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離、即ち現在のギャップ距離は、(T0+G1)−T1となっている。昇降制御部81は、この現在のギャップ距離が規定ギャップG1となるように昇降駆動機構44を制御する。
すなわち、昇降制御部81は、まず取付けられたラインヘッド16Kのメモリ80Kから、基準ノズル面距離T1を読み出す。次に、昇降量メモリ82から昇降駆動機構44の
現在位置T0+G1を読み出す(ステップS4)。これらのデータから、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離と規定ギャップG1との差分(T0−T1)を算出する(ステップS5)。
さらに、昇降制御部81は、この差分(T0−T1)と関係テーブルとから、パルスモータ46の出力パルス数を算出し、算出したパルス数でパルスモータ46を制御する(ステップS6)。これにより、ラインヘッド16Kを距離の差分(T0−T1)だけ昇降させ、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14の表面との距離を、規定ギャップG1にすることができる(図14(b))。
なお、ギャップの調整後、昇降制御部81は、昇降量メモリ82に、現在の支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT1+G1である旨を記憶しておく(ステップS7)。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置は、既知のノズル面設計距離(T0)を有する記録ヘッド治具16Dを用いて昇降駆動機構44の初期位置を設定し、その後予め基準ノズル面距離(T1)が算出されたラインヘッドを取付けるようにしたので、記録ヘッド(ラインヘッド16K)の製造誤差や、吐出ノズル部材(ヘッドモジュール16K’)の製造誤差や取付誤差が生じても、容易なギャップ調整が可能となる。
また、基準ノズル面距離(T1)を持つことでギャップ調整値の信頼性が向上するとともに、基準ノズル面距離を各吐出ノズル部材(ヘッドモジュール16K’)の平均値と標準偏差の和としたので、ノズル面と記録媒体との接触を回避することができる。
また、ギャップを調整する特別な調整機構を必要としないため、省スペース化が可能となっている。
なお、本実施形態においては、ラインヘッド側を昇降させることでギャップ調整を行っているが、記録媒体側を昇降させてギャップ調整を行ってもよい。
〔ラインヘッドの交換方法〕
本発明に係るインクジェット記録装置は、ラインヘッドを交換した場合であっても、容易なギャップ調整が可能となる。図15は、ラインヘッドの交換時の自動ギャップ調整を示すフローチャートである。
図14(b)で示した、基準ノズル面距離T1のラインヘッド16Kが規定ギャップG1となるように取付けられている状態(支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT1+G1である状態)から、図16に示す基準ノズル面距離T2のラインヘッド16Kに交換する場合について説明する。
ユーザは、ラインヘッド16Kを支持部28L、28Rから取り外し、新たに取付けるラインヘッド16Kを支持部28L、28Rに固定する(ステップS11)。
昇降制御部81は、ラインヘッドの交換を検知すると、ラインヘッド16Kのメモリ80Kから、ラインヘッド16Kの基準ノズル面距離T2を読み出す。また、昇降量メモリ82から、現在位置T1+G1を読み出す(ステップS12)。これらのデータから、現在のラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離(T1+G1)−T2を算出し、さらに、この距離と規定ギャップG1との差分(T1−T2)を算出する(ステップS13)。
昇降制御部81は、この差分(T1−T2)と関係テーブルとから、パルスモータ46の出力パルス数を算出し、算出したパルス数でパルスモータ46を制御する。これにより、ラインヘッド16Kを距離の差分(T1−T2)だけ昇降させ、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14の表面との距離を、規定ギャップG1にすることができる(ステップS14)。
なお、これまでと同様に、ギャップ調整後は、昇降量メモリ82に昇降駆動機構44の現在位置を記憶しておく(ステップS15)。
このように、ラインヘッドを交換した場合であっても、搭載前後の基準ノズル面距離から自動的に必要な昇降量を算出し、算出した昇降量に基づいてパルスモータが制御されるので、容易に規定ギャップに調整することができる。
なお、ユーザが図示しないユーザインターフェースにより規定ギャップG1を変更することも可能である。規定ギャップがG2に変更された場合には、昇降制御部81は、新旧規定ギャップの差分(G1−G2)に基づいて、パルスモータ46を制御することにより、ラインヘッドと描画ドラムの距離を新規定ギャップG2に調整することができる。
また、ラインヘッドのノズル面と記録媒体とのギャップは、用紙12の厚さによって変化することから、図示しないユーザインターフェースによってユーザに用紙厚さを入力させることで自動的に規定ギャップに調整するようにしてもよい。この場合は、規定ギャップをG1、入力された用紙12の厚さをPとすると、昇降制御部81は、ラインヘッドの基準ノズル面と描画ドラム14との距離を(G1+P)となるようにラインヘッドの昇降を制御すればよい。
また、用紙厚さを入力させるのではなく、記録媒体銘柄を選択させるように構成してもよい。この場合は、記録媒体銘柄と厚さの関係を示すテーブルをメモリに記憶しておき、選択された記録媒体銘柄の厚さをテーブルから読み出すことにより、記録媒体の厚さを取得することができる。
なお、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、用紙12の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを用紙12の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると用紙12を幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の用紙12の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して用紙12の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
さらに、本実施形態では、記録媒体が回転するドラムの外周面に巻き付けられて回転搬送されているが、記録媒体が平面的に搬送される平面搬送においても適用可能である。
〔他の装置への応用例〕
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルタ製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得るインクジェットシステムにも広く適用できる。
10…描画部、12…用紙、14…描画ドラム、16C、16M、16Y、16K…ラインヘッド、16D…記録ヘッド治具、16’…ヘッドモジュール、18…回転軸、20…グリッパ、28L、28R…支持部、30L、30R…台座、30La、30Ra…垂直部、30Lb、30Lb…水平部、31…ヘッド支持フレーム、32L、32R…側板、34…連結板、36L、36R…スライド支持機構、38L、38R…ガイドレール、40La、40Lb、40Ra、40Rb…スライダ、42L、42R…取付板、44…昇降駆動機構、46…パルスモータ、48…回転駆動軸、50L、50R…偏心カム、52L、52R…従動カム、52La、52Ra…支軸、54…ブラケット、58…ウォームギア、58a…ウォーム、58b…ウォームホイール、59R、59L…長穴

Claims (11)

  1. ラインヘッドの複数のノズルから被噴射媒体に対して液体を噴射するインクジェット噴射装置において、
    前記ラインヘッドを固定する固定手段であって、該ラインヘッドのノズル面を前記被噴射媒体に向けて固定する固定手段と、
    前記固定手段を昇降することにより前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を調整可能な昇降手段と、
    前記昇降手段の高さ情報であって、前記固定手段から前記被噴射媒体までの距離を取得する昇降位置取得手段と、
    前記固定手段に固定されたラインヘッドの高さ情報であって、前記固定手段から前記ラインヘッドのノズル面までの距離を取得するヘッド情報取得手段と、
    前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報とから、前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出するギャップ距離算出手段と、
    前記算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離との差分を算出する昇降距離算出手段と、
    前記算出された差分に基づいて前記昇降手段を制御する昇降制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット噴射装置。
  2. 前記昇降手段の高さ情報を記憶する昇降位置記憶手段を備え、
    前記昇降位置取得手段は、前記昇降位置記憶手段から昇降手段の高さ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット噴射装置。
  3. 前記昇降制御手段は、前記昇降手段を昇降させた距離に基づいて前記昇降位置記憶手段に記憶された昇降手段の高さ情報を更新することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット噴射装置。
  4. 前記ラインヘッドは、該ラインヘッドの高さ情報を記憶するヘッド情報記憶手段を備え、
    前記ヘッド情報取得手段は、前記ヘッド情報記憶手段から該ラインヘッドの高さ情報を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット噴射装置。
  5. 前記ラインヘッドは、それぞれノズルを有する複数のヘッドモジュールから構成され、
    前記ラインヘッドの高さ情報は、前記複数のヘッドモジュールの高さ情報に基づいて生成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット噴射装置。
  6. 前記ラインヘッドの高さ情報は、前記固定手段から前記複数のヘッドモジュールのノズル面までのそれぞれの距離から算出された平均値と標準偏差との和であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット噴射装置。
  7. 前記昇降手段は、
    前記固定手段に接続された従動カムと、
    前記従動カムに当接された偏心カムと、
    前記偏心カムを回転駆動するモータと、
    を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット噴射装置。
  8. 前記昇降制御手段は、前記モータの回転量と前記昇降手段の昇降量との関係を示すテーブルを備え、
    前記算出された差分と前記テーブルとから前記モータの回転量を算出し、前記算出した回転量に基づいて前記モータを回転させることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット噴射装置。
  9. 前記被噴射媒体の厚さを取得する媒体情報取得手段を備え、
    前記ギャップ距離算出手段は、前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報と前記被噴射媒体の厚さ情報とから、前記ラインヘッドと前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット噴射装置。
  10. 前記媒体情報取得手段は、
    被噴射媒体の種別と厚さとの関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、
    被噴射媒体の種別をユーザに選択させる手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のインクジェット噴射装置。
  11. ラインヘッドの複数のノズルから被噴射媒体に対して液体を噴射するインクジェット噴射装置であって、前記ラインヘッドを固定する固定手段を昇降することにより前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を調整可能な昇降手段を備えたインクジェット噴射装置のギャップ調整方法において、
    前記昇降手段の高さ情報であって、前記固定手段から前記被噴射媒体までの距離を取得する工程と、
    前記固定手段に固定されたラインヘッドの高さ情報であって、前記固定手段から前記ラインヘッドのノズル面までの距離を取得する工程と、
    前記昇降手段の高さ情報と前記ラインヘッドの高さ情報とから、前記ラインヘッドのノズル面と前記被噴射媒体とのギャップ距離を算出する工程と、
    前記算出したギャップ距離と予め定められた基準ギャップ距離との差分を算出する工程と、
    前記算出された差分に基づいて前記昇降手段を制御する工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット噴射装置のギャップ調整方法。
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