JP2011193127A - 画像処理装置,画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原稿がブック原稿であるか否かを判定し(S11〜13,S111),ブック原稿であると判定された場合は,画像データを二分割し,その分割後の画像データ各々に対して個別に裏写りを防止するための濃度変換処理を実行し(S112),ブック原稿でないと判定された場合は,画像データ全体に対して裏写りを防止するための濃度変換処理を実行する(S14)。
【選択図】図7
Description
これに対し,例えば特許文献1では,濃度及び頻度の関係を二次元で示す濃度ヒストグラムを算出して,その頻度が最も高いものを下地色の濃度と認識し,その下地色の濃度付近の濃度を下地色と同レベルに一律に変換することにより,裏写りを防止することが提案されている。
ここに,図9は,濃度ヒストグラムの一例を示すものである。図9に示すように,濃度ヒストグラムは,画像データに含まれている所定範囲ごとの濃度の頻度を算出し,その濃度及び頻度の関係を示したものである。図9に示す例では,濃度が0〜15の範囲の頻度が最も高いことがわかる。
具体的に,原稿が左右2ページの見開きで構成されるブック原稿である場合は,そのページごとに下地色が異なることがあるが,いずれか一方の下地色に応じて裏写りを防止するための濃度変換を行うことになるため,他方のページでは裏写りを防止することができず,或いは色味が大きく変化するという問題が生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,原稿がブック原稿である場合でもそのページ各々について,画像の色再現性を損ねることなく裏写りを防止することのできる画像処理装置及び画像形成装置を提供することにある。
また,本発明は,前記画像処理装置と,前記データ変換手段による変換後の前記色成分データ各々に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えてなる画像形成装置として捉えてもよい。
本発明によれば,原稿がブック原稿である場合には,そのページ毎に分割された画像データ各々について個別に前記データ変換処理が実行されるため,両方のページについて画像の色再現性を損ねることなく裏写りを防止することができる。
ここで,前記画像読取手段は,前記原稿の画像を複数の色成分データを含むカラー画像データとして読み取るものである。また,前記高頻度特定手段は,前記複数の色成分データで表現される複数の色のうち前記原稿の画像に含まれている頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度色を特定するものである。さらに,前記濃度変換情報生成手段は,前記高頻度特定手段により特定された高頻度色ごとに対応して,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に略均一化させるべく前記色成分データ各々を変換するために用いられる個別濃度変換情報を生成するものである。そして,前記データ変換手段は,前記高頻度色の近傍の色を表現する前記カラー画像データについて,前記色成分データ各々を,該高頻度色に対応して前記個別濃度変換情報生成手段で生成された前記個別濃度変換情報に基づいて変換するものである。これにより,一又は複数の前記高頻度色の近傍の色を表現するカラー画像データについて,その高頻度色に対応して生成された前記個別濃度変換テーブルに基づいて前記色成分データ各々が変換されることになるため,前記原稿の画像に含まれる頻度が高い色が複数存在する場合,即ち読み取られた原稿の画像のうち裏写りが生じていると考えられる箇所が複数存在する場合でも,その複数の色各々の箇所における裏写りを防止することができる。また,前記高頻度色の近傍の色を表現する前記カラー画像データのみについて前記個別濃度変換テーブルに基づく前記色成分データ各々の変換が行われ,他の色を表現する前記カラー画像データについては,前記個別濃度変換テーブルに基づく前記色成分データ各々の変換が行われないため,画像全体の色再現性も損なわれない。
これにより,全ての色についてヒストグラムを算出する場合に比べて処理負担を著しく軽減することができる。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る複合機Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,前記複合機Xは,本発明に係る画像処理装置及び画像形成装置の一例であって,制御部1,操作表示部2,画像読取部3(画像読取手段),画像処理部4,画像形成部5などを備えて概略構成されている。なお,画像読取機能を有する複写機,スキャナ装置,ファクシミリ装置なども本発明に係る画像処理装置又は画像形成装置に該当する。
前記画像読取部3は,原稿台(不図示)に載置された原稿或いは自動原稿送り装置(ADF,不図示)により搬送された原稿の画像を読み取るCCD等を有している。ここに,前記画像読取部3は,前記原稿の画像をR(赤),G(緑),B(青)の3色の色成分データ(以下,R色成分データ,G色成分データ,B色成分データという)を含むカラー画像データとして読み取るものである。特に,前記画像読取部3は,原稿がモノクロ,カラーのいずれである場合でも,その画像をR,G,B色成分データを含むカラー画像データとして読み取るものである。
前記画像処理部4は,前記画像読取部3によって読み取られたカラー画像データに対して,後述の濃度変換処理(図6及び図7のフローチャート参照)や,周知のガンマ補正処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理を施す。例えば,前記CMYK変換処理は前記RGB色成分データをCMYK色成分データからなるカラー画像データに変換する処理である。
そして,前記複合機Xにおいて複写処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後のカラー画像データを前記画像形成部5に入力する。また,前記複合機Xにおいてスキャン処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後のカラー画像データを内部の記憶手段に記憶し,或いはLAN等のネットワークを介して所定の情報処理装置などに送信する。
前記画像形成部5は,CMYKの各色に対応する感光体ドラムや現像装置などの周知の電子写真方式の画像形成部の構成要素を備えており,給紙カセットから供給された用紙に対し,前記画像処理部4から入力される前記画像処理後のカラー画像データに基づいてモノクロ画像又はカラー画像を形成する。
このように構成された前記複合機Xは,前記画像処理部4で実行される後述の濃度変換処理(図6及び図7のフローチャート参照)に特徴を有しており,以下,この点について詳説する。
図2に示すように,前記画像処理部4は,濃度変換部41,変換ポイント算出部42,濃度変換テーブル生成部43などを備えている。また,前記画像処理部4は,前記濃度変換部41による変換後のカラー画像データに対してガンマ補正処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理を施す画像処理部を有しているが,それらについては従来と異なるところがないため,ここでは説明を省略する。
前記濃度変換部41,前記変換ポイント算出部42,前記濃度変換テーブル生成部43などは,以下で説明する各機能を有する電子回路であっても,或いはMPU等の演算処理部で処理が実行されることにより具現される各処理機能であってもよい。
但し,前記濃度変換部41は,後述するように前記変換ポイント算出部42によって特定された高頻度色の近傍の色を表現するカラー画像データについて,前記R,G,B色成分データ各々の変換を行い,前記高頻度色を除く他の色を表現するカラー画像データについては,前記R,G,B色成分データの変換を行わない。
前記変換ポイント算出部42は,前記R,G,B色成分データで表現される複数の色のうち原稿の画像に含まれている頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度色(高頻度値)を特定するものである。ここに,前記変換ポイント算出部42が高頻度特定手段に相当する。
そして,前記変換ポイント算出部42は,特定した高頻度色を表現するR,G,B色成分データの濃度値であるPr,Pg,Pb(以下,「変換ポイントPr,Pg,Pb」と称する)を,前記濃度変換部41及び前記濃度変換テーブル生成部43に入力する。
まず,前記変換ポイント算出部42は,R,G,B色成分データで表現される複数の色を予め定められた所定範囲の色ごとの色群に分類したときに,原稿の画像におけるその色群ごとの画素の頻度(数)を示す第一の色ヒストグラム(三次元ヒストグラム)を算出する。ここに,係る処理を実行するときの前記変換ポイント算出部42が第一の色ヒストグラム算出手段に相当する。
ここに,図3は,前記第一の色ヒストグラムの一例を示している。
図3に示すように,前記第一の色ヒストグラムは,カラー画像データを構成するR,G,B色成分データ各々の濃度値を三次元に配置したとき,その三次元の濃度値(R,G,B)で示される所定範囲の色を含む色群ごとの頻度を算出したものである。具体的に,図3に示す例は,R,G,B色成分データ各々の値の組み合わせによって表現される256×256×256の16,777,216色を,16×16×16の4096個の色群に分類し,原稿の画像に含まれるその色群ごとの画素の頻度を算出したものである。この場合,前記色群各々に含まれる所定範囲の色は,(R,G,B)=(0〜15,0〜15,0〜15),(16〜31,0〜15,0〜15),(32〜47,0〜15,0〜15),…(239〜255,239〜255,239〜255)となる。
このように,前記変換ポイント算出部42は,最も頻度の高い色群のみを特定するものではなく,前記所定頻度以上である高頻度色群を抽出するものであるため,該高頻度色群が複数抽出される場合もある。
例えば,図3に示したように,前記第一の色ヒストグラムが,R,G,B色成分データ各々の値により表現される256×256×256の16,777,216色を16×16×16の4096個の色群に分類し,その色群ごとの頻度を算出したものである場合,前記第二の色ヒストグラムは,その色群に含まれた16×16×16の4096の色ごとの頻度を算出したものとなる。
そして,前記変換ポイント算出部42は,前記第二の色ヒストグラムに基づいて,前記高頻度色群ごとにおいて最も頻度の高い色を前記高頻度条件を満たす高頻度色として特定する。このとき,前述したように前記高頻度色群が複数抽出される場合には,ここでも複数の高頻度色が特定されることになる。
このように,前記変換ポイント算出部42では,まず粗レベルの前記第一の色ヒストグラムが算出された後,その中で所定頻度以上である一又は複数の色群が抽出され,その一又は複数の色群についてのみ,より詳細な前記第二の色ヒストグラムが算出される。そのため,初めから全ての色(上記例では16,777,216色)の頻度を示すヒストグラムを算出する場合に比べて処理負担は著しく軽減される。
ここで,前記濃度変換テーブル生成部43は,前記変換ポイント算出部42によって特定された高頻度色が複数である場合には,前記RGB色成分データごとに対応する複数の個別濃度変換テーブルを生成する。以下,前記R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルを個別濃度変換テーブルTr,Tg,Tbと称する。
図4は,一つ目の高頻度色が,R,G,B各々の色成分の値が変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される色である場合に,該高頻度色に対応して生成される個別濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1を示している。
また,図5は,二つ目の高頻度色が,R,G,B各々の色成分の値が変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される色である場合に,該高頻度色に対応して生成される個別濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2を示している。
同じく,図4(b),(c)に示すように,前記個別濃度変換テーブルTg1,Tb1は,前記一つ目の高頻度色に含まれるG色成分の値である変換ポイントPg1,B色成分の値である変換ポイントPb1を中心とする所定範囲の濃度をその変換ポイントPg1,Pb1に略均一化させるように変換する際に用いられるものである。また,図5に示す前記個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2についても同様に生成されたものである。
なお,前記個別濃度変換テーブルは,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に近似させて略均一化させることにより裏写りを防止し得るものであれば,図4,図5に示す形態に限らない。
当該濃度変換処理は,前記画像読取部3によって原稿からカラー画像データが読み取られ,該カラー画像データを構成するR,G,B色成分データが前記画像処理部4に入力されることにより,該画像処理部4によって開始される。ここに,係る濃度変換処理を実行するときの前記画像処理部4が画像データ変換手段に相当する。
なお,例えば前記制御部1や前記画像処理部4が,前記操作表示部2に対するユーザ操作などに従って,当該濃度変換処理の実行の有無を切り換えること,即ち裏写りを除去するか否かを選択可能な構成であることも考えられる。また,前記変換ポイント算出部42による判断指標として用いられる前記所定頻度についても,前記制御部1や前記画像処理部4が,前記操作表示部2に対するユーザ操作に応じて変更可能であることが望ましい。
まず,ステップS10において,前記画像処理部4は,前記画像読取部3によって読み取られた原稿がブック原稿であるか否かを判断し,ブック原稿であるか否かに応じて後述のステップS1以後の処理内容を切り換えるブック原稿判定処理(図7参照)を実行する。ここに,前記原稿がブック原稿であるか否かを判断するときの前記画像処理部4がブック原稿判定手段に相当する。なお,当該ブック原稿判定処理は,前記制御部1によって実行されるものであってもよい。
ここで,図7を参照しつつ,前記ブック原稿判定処理について説明する。
前記画像処理部4は,前記画像読取部3によって読み取られたカラー画像データに対応する原稿がブック原稿であるか否かを自動的に判定するブック原稿自動判定モードで画像読取処理が実行されているか否かを判断する。なお,前記ブック原稿とは,例えば左右又は上下の2ページに亘る見開き原稿をいう。
ここで,前記ブック原稿自動判定モードの実行の有無は,画像読取処理の開始時や初期設定時などに,前記操作表示部2(所定の操作手段)に対するユーザ操作に応じて前記制御部1によって切り換えられる。ここに,係る切換処理を実行するときの前記制御部1が判定手法切換手段に相当する。
そして,前記ブック原稿自動判定モードが実行されていないと判断されると(S11のNo側),処理はステップS111に移行し,前記ブック原稿自動判定モードが選択されていると判断されると(S11のYes側),処理はステップS12に移行する。
前記ブック原稿自動判定モードが実行されていない場合,続くステップS111では,前記画像処理部4は,画像読取処理の開始時などに前記操作表示部2に対するユーザ操作によってブック原稿であることが選択されていたか否かを判断する。ここで,ブック原稿であることが選択されていると(S111のYes側),処理はステップS112に移行し,ブック原稿であることが選択されていなければ(S111のNo側),処理は後述のステップS14に移行する。ここに,前記操作表示部2(所定の操作手段)に対する操作入力に応じて前記原稿がブック原稿であるか否かを判定するときの前記画像処理部4が手動判定手段に相当する。
ステップS112では,前記画像処理部4は,前記画像読取部3により読み取られた前記カラー画像データをそのブック原稿におけるページ毎の画像データに二分割し,後述のステップS1〜S9において,その分割後の分割画像データ各々に対して個別にデータ変換処理を実行することを選択する。ここに,係る画像データの分割処理を実行するときの前記画像処理部4が画像データ分割手段に相当する。例えば,前記カラー画像データの分割は,前記カラー画像データの長手方向の中心を境界線として行われる。
一方,前記ブック原稿自動判定モードが実行されている場合,続くステップS12において,前記画像処理部4は,前記画像読取部3によって前記原稿から読み取られたカラー画像データに基づいて,該原稿がブック原稿であるか否かを自動的に判定する。ここに,係る判定処理を実行するときの前記画像処理部4が自動判定手段に相当する。
ここで,図8を用いて,当該判定手法の一例について説明する。なお,図8は,ブック原稿からカラー画像データを読み取った結果の一例を示している。
図8に示すように,左右ページに亘るブック原稿では,その長手方向の中央部近傍に位置するページの境目と前記画像読取部3の原稿台との間に隙間が生じるため,該画像読取部3において原稿に照射される光が正常に反射せず,該ブック原稿から読み取られたカラー画像データにおける長手方向の中央部が黒い画像となる。そこで,その中央部の黒い部分の存在を検出することによりブック原稿であると判定することができる。
そして,前記閾値Kが設定されると,前記判定対処領域R内に,前記閾値Kを超える画素数が予め設定された上限値以上存在するか否かを判断することにより,前記カラー画像データにページの境目(所定幅の黒い画像)が存在するか否か,即ちブック原稿であるか否かを判定する。なお,前記ブック原稿が上下方向の2ページに亘る場合も同様である。もちろん,前記原稿がブック原稿であるか否かの判定手法はこれに限らず,例えば前記判定対象領域R内で長手方向の左右から中央部に向かって徐々に濃度が低下していることや,前記カラー画像データの長手方向の中央部近傍に短手方向の略全体に亘る黒画像が存在することなどを検出することによりブック原稿であると判定してもよい。また,前記原稿台に載置された原稿を押さえる原稿押さえ板の角度などにより原稿の厚みを検出し,その厚みが所定以上である場合にブック原稿であると判断してもよい。
そして,ステップS13では,前記ステップS12においてブック原稿であると判定されたか否かを判断する。ここで,ブック原稿であると判定された場合には(S13のYes側),処理は前記S112に移行し,ブック原稿でないと判定されている場合には(S13のNo側),処理はステップS14に移行する。
ステップS14では,前記画像処理部4は,前記画像読取部3により読み取られた前記カラー画像データを分割することなく,後述のステップS1〜S9において,そのカラー画像データ全体を一つとしてデータ変換処理を実行することを選択する。
このように,前記複合機Xでは,前記ステップS10において,前記原稿がブック原稿であるか否かに応じて後述のデータ変換処理(S1〜S9)の内容が切り換えられる。具体的には,前記ステップS13又はS111で前記原稿がブック原稿であると判定された場合は,前記ステップS112において分割された前記ページ毎の画像データについてデータ変換処理(S1〜S9)を個別に実行し,前記原稿がブック原稿でないと判定された場合は,前記カラー画像データ全体についてデータ変換処理(S1〜S9)を実行する。
以下,図6に戻り,前記カラー画像データ又は前記分割画像データ各々に対して行われるデータ変換処理について説明する。
まず,ステップS1〜S4では,前記画像処理部4の変換ポイント算出部42によって,前述したように原稿の画像における前記高頻度色を特定するための処理が実行される。具体的に,前記変換ポイント算出部42は,前述したように,前記第一の色ヒストグラム(図3参照)を算出し(S1),その第一の色ヒストグラムに基づいて,予め設定された所定頻度以上の色群を抽出する(S2)。そして,前記変換ポイント算出部42は,抽出された色群ごとに前記第二の色ヒストグラムを算出し(S3),その色群ごとにおいて最も頻度の高い高頻度色を特定する(S4)。
このとき,前記ブック原稿判定処理によってブック原稿であると判断されていた場合には,前記分割画像データ各々について個別に前記高頻度色の特定が行われ,ブック原稿でないと判断された場合には,前記カラー画像データ全体を対象として前記高頻度色の特定が行われる。即ち,ブック原稿である場合,前記変換ポイント算出部42によって,二つの前記分割画像データごとに前記第一の色ヒストグラム(図3参照)が算出され(S1),その第一の色ヒストグラムに基づいて予め設定された所定頻度以上の色群が抽出される(S2)。そして,前記変換ポイント算出部42により,抽出された色群ごとに前記第二の色ヒストグラムが算出され(S3),その色群ごとにおいて最も頻度の高い高頻度色が特定される(S4)。
次に,ステップS5では,前記画像処理部4の濃度変換テーブル生成部43が,前記変換ポイント算出部42によって特定された高頻度色ごとに対応して,前記個別濃度変換テーブル(図4,図5参照)を生成し,その個別濃度変換テーブルを前記濃度変換部41に入力する。
そして,ステップS6では,前記画像処理部4の濃度変換部41が,前記個別濃度変換テーブルと,前記変換ポイント算出部42から入力された高頻度色を表現するR,G,B色成分データの変換ポイントPr,Pg,Pbとに基づいて,読み取られた原稿の画像の一画素ごとのカラー画像データの濃度変換を開始する。
具体的に,まずステップS7において,前記濃度変換部41は,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するカラー画像データであるか否かを判断する。
このとき,前記原稿がブック原稿である場合には,前記分割画像データごとに,その分割画像データのページに対応する前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するカラー画像データであるか否かが判断される。そのため,例えば左ページに対応する分割画像データについて,右ページにおける前記高頻度色の近傍の色であるか否かは判断されない。
ここで,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものであると判断された場合(S7のYes側),処理はステップS8に移行し,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものでない場合には(S7のNo側),処理はステップS9に移行する。例えば,図4,図5に示して説明したように,変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される高頻度色と,変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される高頻度色とのいずれかの近傍の色のカラー画像データが入力された場合(S7のYes側),処理がステップS8に移行する。
従って,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものでないカラー画像データについては,後述のステップS8における前記個別濃度変換テーブルに基づくR,G,B色成分データの変換が行われない。もちろん,予め初期値として設定された所定の変換テーブルなどに基づいて濃度変換を行っても構わない。
一方,ステップS8では,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に略均一化させるべく,そのカラー画像データについて,前記R,G,B色成分データ各々を,該高頻度色に対応して前記ステップS5で前記濃度変換テーブル生成部42によって生成された前記個別濃度変換テーブルに基づいて変換する。
例えば,図4に示した変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される高頻度色の近傍の色のカラー画像データが入力された場合には,その高頻度色に対応して前記ステップS5で生成された前記個別濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。同じく,図5に示した変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される高頻度色の近傍の色のカラー画像データが入力された場合には,その高頻度色に対応して前記ステップS5で生成された前記個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。
その後,前記濃度変換部41は,前記画像読取部3で読み取られた一枚の原稿の全てのカラー画像データについて前記ステップS7〜S8の処理が実行されたか否かを判断する(S9)。ここで,全て終了するまでの間は(S9のNo側),処理は前記ステップS7に戻され,全て終了すると(S9のYes側),当該濃度変換処理は終了して前記画像処理部4は次のカラー画像データを待ち受けることとなる。
なお,前記画像処理部4では,前記濃度変換処理で変換された後のカラー画像データに対して,ガンマ補正処理やシェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理が施され,その画像処理後のカラー画像データが前記画像形成部5に入力される。また,このとき前記カラー画像データが前記分割画像データ各々に分割されている場合には,前記画像処理部4は,その分割画像データを一つのカラー画像データとして合成する。
ここでは,前記ステップS1〜S5において,前記カラー画像データの色ヒストグラム(図3参照)を利用する場合を例に挙げて説明したが,従来同様に濃度ヒストグラム(図9)を利用することも他の実施例として考えられる。
また,前記高頻度色の近傍の色を表現する前記カラー画像データのみについて前記個別濃度変換テーブルに基づく前記色成分データ各々の変換が行われ,他の色を表現する前記カラー画像データについては,前記個別濃度変換テーブルに基づく前記色成分データ各々の変換が行われないため,画像全体の色再現性も損なわれない。
しかも,前記画像読取部3で読み取られる原稿がブック原稿である場合には,読み取られた画像データが前記ブック原稿に含まれた2ページの画像データに分割され,その分割後の分割画像データ各々について個別に前記変換ポイントが算出されて前記個別濃度変換テーブルが作成され,画像データの変換処理が行われる。そのため,ブック原稿のページ毎に地色が異なる場合などであっても,各々のページについて色再現性を低下させることなく,適切に裏写りを防止することができる。
この場合には,前記濃度変換テーブル生成部42が,前記高頻度色ごとに対応して,前記R,G,B色成分データごとに対応する個別ガンマテーブル(個別濃度変換情報の一例)を生成し,その個別ガンマテーブルを前記濃度変換部41に入力する。このとき生成される前記個別ガンマテーブルは,前記個別濃度変換テーブル(図4,図5参照)と同様に,前記高頻度色の付近の色を該高頻度色に略均一化させることができる入出力特性を実現するものである。また,前記原稿がブック原稿である場合には,そのブック原稿に含まれたページ毎に前記個別ガンマテーブルが個別に作成される。
そして,前記濃度変換部41は,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するカラー画像データについては,そのカラー画像データに含まれた前記R,G,B色成分データ各々に対して,前記濃度変換テーブル42で生成された前記個別ガンマテーブルに基づいてガンマ補正処理を施し,その他の色を表現するカラー画像データについては,そのカラー画像データに含まれた前記R,G,B色成分データ各々に対して,例えば予め初期値として設定された初期ガンマテーブルに基づいてガンマ補正処理を施す。また,前記原稿がブック原稿である場合には前記分割画像データ各々について,その分割画像データのページに対応する前記個別ガンマテーブルによって個別にガンマ補正処理が実行される。
これにより,前記画像処理部4では,前記ガンマ補正処理において,前記高頻度色の近傍の色を表現するカラー画像データについて,前記個別濃度変換テーブルに基づく濃度変換を行うことによって,裏写りを防止することができる。
2:操作表示部
3:画像読取部
4:画像処理部
5:画像形成部
41:濃度変換部
42:変換ポイント算出部
43:濃度変換テーブル生成部
S1,S2,…:処理手順(ステップ)番号
S10,S11,…:処理手順(ステップ)番号
Tr1,Tr2,Tg1,Tg2,Tb1,Tb2:濃度変換テーブル
Pr1,Pr2,Pg1,Pg2,Pb1,Pb2:変換ポイント
X:複合機
Claims (7)
- 原稿から画像データを読み取る画像読取手段と,前記画像読取手段により読み取られた画像データに含まれた頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度値を特定し,前記高頻度値の近傍の値を該高頻度値に略均一化させるべく前記画像データを変換するデータ変換処理を実行するデータ変換手段とを備えてなる画像処理装置であって,
前記原稿がブック原稿であるか否かを判定するブック原稿判定手段と,前記ブック原稿判定手段により前記原稿がブック原稿であると判定された場合に,前記原稿読取手段により読み取られた前記画像データを前記ブック原稿におけるページ毎の画像データに分割する画像データ分割手段とを備えてなり,
前記データ変換手段が,前記ブック原稿判定手段により前記原稿がブック原稿であると判定された場合は,前記画像データ分割手段により分割された前記ページ毎の画像データについて前記データ変換処理を個別に実行し,前記原稿がブック原稿でないと判定された場合は,前記原稿読取手段により読み取られた前記画像データ全体について前記データ変換処理を実行するものであることを特徴とする画像処理装置。 - 前記データ変換手段が,前記画像データに含まれた頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度値を特定する高頻度特定手段と,前記高頻度特定手段により特定された高頻度値の近傍の値を該高頻度値に略均一化させるべく前記画像データを変換するために用いられる濃度変換情報を生成する濃度変換情報生成手段とを含んでなり,前記高頻度値の近傍の値を表現する前記画像データを前記濃度変換情報生成手段で生成された前記濃度変換情報に基づいて変換するものである請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記画像読取手段が,前記原稿の画像を複数の色成分データを含むカラー画像データとして読み取るものであり,
前記高頻度特定手段が,前記複数の色成分データで表現される複数の色のうち前記原稿の画像に含まれている頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度色を特定するものであり,
前記濃度変換情報生成手段が,前記高頻度特定手段により特定された高頻度色ごとに対応して,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に略均一化させるべく前記色成分データ各々を変換するために用いられる個別濃度変換情報を生成するものであり,
前記データ変換手段が,前記高頻度色の近傍の色を表現する前記カラー画像データについて,前記色成分データ各々を,該高頻度色に対応して前記個別濃度変換情報生成手段で生成された前記個別濃度変換情報に基づいて変換するものである請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記高頻度特定手段が,
前記複数の色成分データで表現される複数の色を予め定められた所定範囲の色ごとの色群に分類したときに前記原稿の画像に含まれている前記色群ごとの頻度を示す第一の色ヒストグラムを算出する第一の色ヒストグラム算出手段と,前記第一の色ヒストグラム算出手段によって算出された前記第一の色ヒストグラムに基づいて,予め設定された所定頻度以上である高頻度色群を抽出する高頻度色群抽出手段と,前記高頻度色群抽出手段によって抽出された高頻度色群ごとに,該高頻度色群に含まれた色ごとの頻度を示す第二の色ヒストグラムを算出する第二の色ヒストグラム算出手段とを備えてなり,
前記第二の色ヒストグラム算出手段によって算出された前記第二の色ヒストグラムに基づいて,前記高頻度色群ごとにおいて最も頻度の高い色を前記高頻度条件を満たす高頻度色として特定するものである請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記ブック原稿判定手段が,所定の操作手段に対する操作入力に応じて前記原稿がブック原稿であるか否かを判定する手動判定手段と,前記原稿から読み取られた画像データに基づいて自動的に前記原稿がブック原稿であるか否かを判定する自動判定手段と,前記手動判定手段及び前記自動判定手段のいずれにより前記原稿がブック原稿であるか否かを判定するかを切り換える判定手法切換手段とを含んでなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記判定手法切換手段が,所定の操作手段に対する操作入力に応じて前記手動判定手段及び前記自動判定手段のいずれにより前記原稿がブック原稿であるか否かを判定するかを切り換えるものである請求項5に記載の画像処理装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置と,前記データ変換手段による変換後の前記色成分データ各々に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えてなる画像形成装置。
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