JP5216799B2 - 画像処理装置,画像形成装置 - Google Patents
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Description
これに対し,例えば特許文献1では,濃度及び頻度の関係を二次元で示す濃度ヒストグラムを算出して,その頻度が最も高いものを下地色の濃度と認識し,その下地色の濃度付近の濃度を下地色と同レベルに一律に変換することにより,裏写りを防止することが提案されている。
ここに,図7は,濃度ヒストグラムの一例を示すものである。図7に示すように,濃度ヒストグラムは,画像データに含まれている所定範囲ごとの濃度の頻度を算出し,その濃度及び頻度の関係を示したものである。図7に示す例では,濃度が0〜15の範囲の頻度が最も高いことがわかる。
また,原稿の画像をカラーで読み取る場合には,複数の色成分データごとに濃度ヒストグラムを算出し,その濃度ヒストグラムごとにおいて最も頻度の高い濃度をその下地色における濃度として特定し,裏写りを防止するように色成分データの変換を行うことが考えられる。しかし,この場合には,画像データ全体において色成分データ各々が変換されることになるため,画像データ全体の色再現性が低下することが問題となる。例えば,R,G,Bの色成分データを含むカラー画像データについて,R色成分の濃度のうち下地色のR色成分の濃度付近の濃度をその下地色の濃度に合わせるように変換すると,裏写り部分ではなく原稿表面に形成された本来の画像に含まれるR色成分の濃度についても下地色に合わせて変換が行われる。そのため,原稿の本来の画像におけるR色成分が強調され或いは抑制されることとなって画像全体の色合いが変化することとなる。
そこで,複数の色成分データで表現される複数の色のうち原稿の画像に含まれている頻度が予め設定された高頻度条件を満たす高頻度色を特定して,その高頻度色ごとに対応して前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に略均一化させるべく前記色成分データ各々を変換するために用いられる個別濃度変換テーブルを生成し,前記高頻度色の近傍の色を表現する前記カラー画像データについて,前記色成分データ各々を該高頻度色に対応する個別濃度変換テーブルに基づいて変換することが考えられる。これにより,原稿の画像に前記高頻度色が複数存在する場合でも,その複数箇所における裏写りを防止することができる。また,前記高頻度色を除く色を表現するカラー画像データについては色成分データ各々の変換が行われないため,画像全体の色再現性も損なわれない。
但し,読み取り対象の原稿に網点が存在する場合には,該原稿から読み取られたカラー画像データにおいて,網点部分と網点が存在しない下地部分とが異なる色分布に分かれることになる。そのため,網点部分の色が前記高頻度色として特定されず,その網点部分に発生する裏写りを除去することができないおそれがある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,網点部分についても適切に裏写りを防止することのできる画像処理装置及び画像形成装置を提供することにある。
また,本発明は,前記画像処理装置と,前記色成分データ変換手段による変換後の前記色成分データ各々に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えてなる画像形成装置として捉えてもよい。
本発明によれば,前記原稿に網点成分が含まれている場合でも,該網点成分を除去した後の前記第一の網点除去後色成分データ各々に基づいて前記高頻度色の特定が行われ,該網点成分に対応するカラー画像データについて前記個別濃度変換情報に基づく変換処理が行われるため,その網点上における裏写りを除去することができる。
ここに,前記第一の網点成分除去手段は,例えば前記色成分データ各々を所定単位ごとに平均化しつつ前記色成分データ各々の解像度を予め設定された低解像度に変換することにより該色成分データ各々を平滑化して網点成分を除去するものである。また,前記第二の網点成分除去手段は,例えば前記色成分データ各々を予め設定された平滑フィルタで平滑化して網点成分を除去するものである。
また,前記個別濃度変換情報は,前記色成分データにガンマ補正を施すために用いられるガンマテーブルであることも考えられる。なお,前記複数の色成分データは,例えばR(赤),G(緑),B(青)各々の画像データ,又はC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)各々の画像データである。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る複合機Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,前記複合機Xは,本発明に係る画像処理装置及び画像形成装置の一例であって,制御部1,操作表示部2,画像読取部3(画像読取手段に相当),画像処理部4,画像形成部5(画像形成手段に相当)などを備えて概略構成されている。なお,複写機,スキャナ装置,ファクシミリ装置なども本発明に係る画像処理装置又は画像形成装置に該当する。
前記画像読取部3は,原稿台(不図示)に載置された原稿或いは自動原稿送り装置(ADF,不図示)により搬送された原稿の画像を読み取るCCD等を有している。ここに,前記画像読取部3は,前記原稿の画像をR(赤),G(緑),B(青)の3色の色成分データ(以下,R色成分データ,G色成分データ,B色成分データという)を含むカラー画像データとして読み取るものである。特に,前記画像読取部3は,原稿がモノクロ,カラーのいずれである場合でも,その画像をR,G,B色成分データを含むカラー画像データとして読み取る。
前記画像処理部4は,前記画像読取部3によって読み取られたカラー画像データに対して,後述の濃度変換処理(図6のフローチャート参照)や,周知のガンマ補正処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理を施す。例えば,前記CMYK変換処理は前記RGB色成分データをCMYK色成分データからなるカラー画像データに変換する処理である。
そして,前記複合機Xにおいて複写処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後のカラー画像データを前記画像形成部5に入力する。また,前記複合機Xにおいてスキャン処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後のカラー画像データを内部の記憶手段に記憶し,或いはLAN等のネットワークを介して所定の情報処理装置などに送信する。
前記画像形成部5は,CMYKの各色に対応する感光体ドラムや現像装置などの周知の電子写真方式の画像形成部の構成要素を備えており,給紙カセットから供給された用紙に対し,前記画像処理部4から入力される前記画像処理後のカラー画像データ(色成分データ各々)に基づいてモノクロ画像又はカラー画像を形成する。
前記複合機Xは,前記画像処理部4で実行される後述の濃度変換処理(図6のフローチャート参照)に特徴を有しており,以下,この点について詳説する。
図2に示すように,前記画像処理部4は,濃度変換部41,変換ポイント算出部42,濃度変換テーブル生成部43,平滑化処理部44,解像度変換部45などを備えている。また,前記画像処理部4は,前記濃度変換部41による変換後のカラー画像データに対してガンマ補正処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理を施す画像処理部を有しているが,それらについては従来と異なるところがないため,ここでは説明を省略する。
前記濃度変換部41,前記変換ポイント算出部42,前記濃度変換テーブル生成部43,前記平滑化処理部44,前記解像度変換部45各々は,以下で説明する各機能を有する電子回路であっても,或いはMPU等の演算処理部で処理が実行されることにより具現される各処理機能であってもよい。
例えば,前記解像度変換部45は,解像度600dpiのR,G,B色成分データを,8×8の64ドット(所定単位の一例)ごとに平均化しつつ解像度75dpi程度の低解像度のR,G,B色成分データに変換する。これにより,前記R,G,B色成分データ各々が平滑化されるため,前記解像度変換部45から出力されるR,G,B色成分データ各々における網点成分は除去されることになる。
なお,一般的な雑誌に採用される150や175などの線数に対応するためには,前記平滑フィルタとして3×3や5×5のメディアンフィルタなど,安価に構成し得るものを用いればよいが,もちろん前記平滑フィルタとしてサイズの大きいものを用いれば,新聞のように更に小さい線数(65など)にも対応することが可能である。
ところで,前記平滑化処理部44及び前記解像度変換部45は,前記R,G,B色成分データ各々から網点成分を除去することができるものであれば,ここで説明するものに限らず,例えば両者が低解像度に変換するものであること或いは平滑フィルタを用いるものであることも考えられる。また,前記平滑化処理部44及び前記解像度変換部45に代えて,前記R,G,B色成分データ各々を平滑化して網点成分を除去し,該網点成分除去後の網点除去後色成分データを前記濃度変換部41,前記変換ポイント算出部42各々に入力する一つの網点成分除去手段を設けることも他の実施例として考えられる。但し,カラー画像データ全体に亘って満遍なく処理を行う第一の網点成分除去手段と,カラー画像データの特定箇所の処理を行う第二の網点成分除去手段とを分けて設けることにより,処理時間を短縮することが可能となる。
本実施の形態では,前記解像度変換部45から出力されたR,G,B色成分データに基づいて後述の変換ポイント算出部42による処理が実行されることに鑑みて処理速度を優先し,該解像度変換部45として低解像度への変換処理を採用している。
そして,前記変換ポイント算出部42は,特定した高頻度色を表現するR,G,B色成分データの濃度値であるPr,Pg,Pb(以下,「変換ポイントPr,Pg,Pb」と称する)を,前記濃度変換部41及び前記濃度変換テーブル生成部43に入力する。
まず,前記変換ポイント算出部42は,R,G,B色成分データで表現される複数の色を予め定められた所定範囲の色ごとの色群に分類したときに,前記解像度変換部45から入力されたR,G,B色成分データ各々で表現される全カラー画像データに含まれる前記色群ごとの画素の頻度(数)を示す第一の色ヒストグラム(三次元ヒストグラム)を算出する。ここに,係る処理を実行するときの前記変換ポイント算出部42が第一の色ヒストグラム算出手段に相当する。
ここに,図3は,前記第一の色ヒストグラムの一例を示している。
図3に示すように,前記第一の色ヒストグラムは,カラー画像データを構成するR,G,B色成分データ各々の濃度値を三次元に配置したとき,その三次元の濃度値(R,G,B)で示される所定範囲の色を含む色群ごとの頻度を算出したものである。具体的に,図3に示す例は,R,G,B色成分データ各々の値の組み合わせによって表現される256×256×256の16,777,216色を,16×16×16の4096個の色群に分類し,原稿の画像に含まれるその色群ごとの画素の頻度を算出したものである。この場合,前記色群各々に含まれる所定範囲の色は,(R,G,B)=(0〜15,0〜15,0〜15),(16〜31,0〜15,0〜15),(32〜47,0〜15,0〜15),…(239〜255,239〜255,239〜255)となる。
このように,前記変換ポイント算出部42は,最も頻度の高い色群のみを特定するものではなく,前記所定頻度以上である高頻度色群を抽出するものであるため,該高頻度色群が複数抽出される場合もある。
例えば,図3に示したように,前記第一の色ヒストグラムが,R,G,B色成分データ各々の値により表現される256×256×256の16,777,216色を16×16×16の4096個の色群に分類し,その色群ごとの頻度を算出したものである場合,前記第二の色ヒストグラムは,その色群に含まれた16×16×16の4096の色ごとの頻度を算出したものとなる。
そして,前記変換ポイント算出部42は,前記第二の色ヒストグラムに基づいて,前記高頻度色群ごとにおいて最も頻度の高い色を前記高頻度条件を満たす高頻度色として特定する。このとき,前述したように前記高頻度色群が複数抽出される場合には,ここでも複数の高頻度色が特定されることになる。
このように,前記変換ポイント算出部42では,まず粗レベルの前記第一の色ヒストグラムが算出された後,その中で所定頻度以上である一又は複数の色群が抽出され,その一又は複数の色群についてのみより詳細な前記第二の色ヒストグラムが算出される。そのため,初めから全ての色(上記例では16,777,216色)の頻度を示すヒストグラムを算出する場合に比べて処理負担は著しく軽減される。
ここで,前記濃度変換テーブル生成部43は,前記変換ポイント算出部42によって特定された高頻度色が複数である場合には,前記RGB色成分データごとに対応する複数の個別濃度変換テーブルを生成する。以下,前記R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルを個別濃度変換テーブルTr,Tg,Tbと称する。
図4は,一つ目の高頻度色が,R,G,B各々の色成分の値である変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される色である場合に,該高頻度色に対応して生成される個別濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1を示している。
また,図5は,二つ目の高頻度色が,R,G,B各々の色成分の値である変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される色である場合に,該高頻度色に対応して生成される個別濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2を示している。
同じく,図4(b),(c)に示すように,前記個別濃度変換テーブルTg1,Tb1は,前記一つ目の高頻度色に含まれるG色成分の値である変換ポイントPg1,B色成分の値である変換ポイントPb1を中心とする所定範囲の濃度をその変換ポイントPg1,Pb1に略均一化させるように変換する際に用いられるものである。また,図5に示す前記個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2についても同様に生成されたものである。
なお,前記濃度変換テーブルは,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に近似させて略均一化させることにより裏写りを防止し得るものであれば,図4,図5に示す形態に限らない。
当該濃度変換処理は,前記画像読取部3によって原稿からカラー画像データが読み取られ,該カラー画像データを構成するR,G,B色成分データが前記画像処理部4に入力されることにより,該画像処理部4によって開始される。
なお,例えば前記制御部1や前記画像処理部4が,前記操作表示部2に対するユーザ操作などに従って,当該濃度変換処理の実行の有無を切り換えること,即ち裏写りを除去するか否かを選択可能な構成であることも考えられる。また,前記変換ポイント算出部42による判断指標として用いられる前記所定頻度についても,前記制御部1や前記画像処理部4が,前記操作表示部2に対するユーザ操作に応じて変更可能であることが望ましい。
まず,前記画像処理部4では,前記解像度変換部45が,前記画像読取部3により原稿から読み取られたカラー画像データのR,G,B色成分データ各々の解像度を,前記解像度変換部45によって低解像度に変換して網点成分を除去し,該変換後のR,G,B色成分データを前記変換ポイント算出部42に入力する。例えば,前記画像読取部3により読み取られたときの解像度が600dpiである場合に75dpiの低解像度に変換される。なお,もちろん変換後の低解像度は75dpiに限らず,前記R,G,B色成分データ各々における網点成分を除去してその影響を無視できる程度であれば,例えば100dpiなどであってもよい。
そして,ステップS2〜S5では,前記画像処理部4の変換ポイント算出部42によって,前記解像度変換部45から入力されたR,G,B色成分データに基づいて前記高頻度色を特定するための処理が実行される。
具体的に,前記変換ポイント算出部42は,前述したように,前記第一の色ヒストグラム(図3参照)を算出し(S2),その第一の色ヒストグラムに基づいて,予め設定された所定頻度以上の色群を抽出する(S3)。そして,前記変換ポイント算出部42は,抽出された色群ごとに前記第二の色ヒストグラムを算出し(S4),その色群ごとにおいて最も頻度の高い高頻度色を特定する(S5)。
このとき,仮に原稿が網点成分を含むものであっても,前記画像処理部4では,その網点成分が前記ステップS1において除去されているため,網点成分のない原稿と同様に前記高頻度色の特定が適切に行われる。
次に,ステップS6では,前記画像処理部4の濃度変換テーブル生成部43が,前記変換ポイント算出部42によって特定された高頻度色ごとに対応して,前記個別濃度変換テーブル(図4,図5参照)を生成し,その個別濃度変換テーブルを前記濃度変換部41に入力する。
そして,ステップS7では,前記画像処理部4の濃度変換部41が,前記個別濃度変換テーブルと,前記変換ポイント算出部42から入力された高頻度色を表現するR,G,B色成分データの変換ポイントPr,Pg,Pbとに基づいて,前記画像読取部3で読み取られた原稿画像の一画素ごとのカラー画像データの濃度変換を開始する。
ステップS8では,前記平滑化処理部44が,前記R,G,B色成分データ各々に対して平滑化処理を施して網点成分を除去し,その網点成分除去後のR,G,B色成分データ各々を前記濃度変換部41に入力する。
なお,前記ステップS8において,前記平滑化処理部44は,全てのカラー画像データに含まれたR,G,B色成分データ各々を平滑化するものであってもよいが,例えば全カラー画像データのうち網点成分に対応する画素のカラー画像データのみを抽出し,該カラー画像データに含まれたR,G,B色成分データのみを平滑化することも考えられる。これにより,網点部分を除く領域については平滑化が行われず,後述のステップS10において不要に濃度変換が行われることを防止することができ,色再現性の低下を防止することができる。
次に,ステップS9において,前記濃度変換部41は,前記画像読取部3から入力されたカラー画像データが,該カラー画像データに含まれたR,G,B色成分データ各々を前記平滑化処理部44により平滑化した後のR,G,B色成分データ各々が前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものであるか否かを判断する。これにより,前記原稿が網点成分を含むものである場合に,その網点の箇所についても前記高頻度色の近傍の色を表現するものであると判断することが可能となる。
そして,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものであると判断された場合(S9のYes側),処理はステップS10に移行し,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するものでない場合には(S9のNo側),処理はステップS11に移行する。例えば,図4,図5に示して説明したように,変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される高頻度色と,変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される高頻度色とのいずれかの近傍の色のカラー画像データが前記平滑化処理部44から入力された場合(S9のYes側),処理はステップS10に移行する。
従って,前記平滑化処理部44から入力されたR,G,B色成分データ各々により,前記高頻度色のいずれかの近傍の色が表現されないカラー画像データについては,後述のステップS10における前記個別濃度変換テーブルに基づくR,G,B色成分データの変換が行われない。もちろん,予め初期値として設定された所定の変換テーブルなどに基づいて濃度変換を行っても構わない。
一方,ステップS10では,前記画像読取部3により読み取られたカラー画像データのうち前記平滑化処理部44による平滑化後のR,G,B色成分データ各々で表現される色が前記高頻度色の近傍の色である前記カラー画像データについて,前記R,G,B色成分データ各々を該高頻度色に対応して生成された前記個別濃度変換テーブルに基づいて変換する。
例えば,前記平滑化処理部44によって平滑化された後のR,G,B色成分データで表現される色が,図4に示した変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される高頻度色の近傍の色であるカラー画像データが入力された場合には,その高頻度色に対応して前記ステップS6で生成された前記個別濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。同じく,図5に示した変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される高頻度色の近傍の色のカラー画像データが入力された場合には,その高頻度色に対応して前記ステップS6で生成された前記個別濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。
その後,前記濃度変換部41は,前記画像読取部3で読み取られた一枚の原稿の全てのカラー画像データについて前記ステップS8〜S10の処理が実行されたか否かを判断する。ここで,全て終了するまでの間は(S11のNo側),処理は前記ステップS7に戻され,全て終了すると(S11のYes側),当該濃度変換処理は終了して前記画像処理部4は次のカラー画像データを待ち受けることとなる。
なお,前記画像処理部4では,前述したように,前記濃度変換処理で変換された後のカラー画像データに対して,ガンマ補正処理やシェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの各種画像処理が施される。
この場合には,前記濃度変換テーブル生成部43が,前記高頻度色ごとに対応して,前記R,G,B色成分データごとに対応する個別ガンマテーブル(個別濃度変換情報の一例)を生成し,その個別ガンマテーブルを前記濃度変換部41に入力する。このとき生成される前記個別ガンマテーブルは,前記個別濃度変換テーブル(図4,図5参照)と同様に,前記高頻度色の付近の色を該高頻度色に略均一化させることができる入出力特性を実現するものである。
そして,前記濃度変換部41は,前記高頻度色のいずれかの近傍の色を表現するカラー画像データについては,そのカラー画像データに含まれた前記R,G,B色成分データ各々に対して,前記濃度変換テーブル生成部43で生成された前記個別ガンマテーブルに基づいてガンマ補正処理を施し,その他の色を表現するカラー画像データについては,そのカラー画像データに含まれた前記R,G,B色成分データ各々に対して,例えば予め初期値として設定された初期ガンマテーブルに基づいてガンマ補正処理を施す。
これにより,前記画像処理部4では,前記ガンマ補正処理において,前記高頻度色の近傍の色を表現するカラー画像データについて,前記個別濃度変換テーブルに基づく濃度変換を行うことによって,裏写りを防止することができる。
2:操作表示部
3:画像読取部
4:画像処理部
5:画像形成部
41:濃度変換部
42:変換ポイント算出部
43:濃度変換テーブル生成部
44:平滑化処理部
45:解像度変換部
S1,S2,…:処理手順(ステップ)番号
Tr1,Tr2,Tg1,Tg2,Tb1,Tb2:濃度変換テーブル
Pr1,Pr2,Pg1,Pg2,Pb1,Pb2:変換ポイント
X:複合機(画像処理装置,画像形成装置の一例)
Claims (7)
- 原稿の画像を複数の色成分データを含むカラー画像データとして読み取る画像読取手段と,
前記画像読取手段により読み取られたカラー画像データ全体における色成分データ各々を平滑化して網点成分を除去する第一の網点成分除去手段と,
前記画像読取手段により読み取られたカラー画像データのうち網点成分を含むカラー画像データの色成分データのみを平滑化して網点成分を除去する第二の網点成分除去手段と,
前記第一の網点成分除去手段による平滑化後の第一の網点除去後色成分データ各々で表現される複数の色のうち予め設定された高頻度条件を満たす高頻度色を特定する高頻度色特定手段と,
前記高頻度色特定手段によって特定された高頻度色ごとに対応して,前記高頻度色の近傍の色を該高頻度色に略均一化させるべく前記色成分データ各々を変換するために用いられる個別濃度変換情報を生成する個別濃度変換情報生成手段と,
前記画像読取手段により読み取られたカラー画像データのうち前記第二の網点成分除去手段による平滑化後の第二の網点除去後色成分データ各々で表現される色が前記高頻度色の近傍の色である前記カラー画像データのみについて,前記色成分データ各々を該高頻度色に対応して前記個別濃度変換情報生成手段で生成された前記個別濃度変換情報に基づいて変換する色成分データ変換手段と,
を備えてなることを特徴とする画像処理装置。 - 前記第一の網点成分除去手段が,前記色成分データ各々を所定単位ごとに平均化しつつ前記色成分データ各々の解像度を予め設定された低解像度に変換することにより該色成分データ各々を平滑化して網点成分を除去するものである請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第二の網点成分除去手段が,前記色成分データ各々を予め設定された平滑フィルタで平滑化して網点成分を除去するものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記高頻度色特定手段が,
前記複数の色成分データで表現される複数の色を予め定められた所定範囲の色ごとの色群に分類したときに前記第一の網点成分除去手段による平滑化後の第一の網点除去後色成分データ各々で表現される全カラー画像データに含まれる前記色群ごとの頻度を示す第一の色ヒストグラムを算出する第一の色ヒストグラム算出手段と,前記第一の色ヒストグラム算出手段によって算出された前記第一の色ヒストグラムに基づいて,予め設定された所定頻度以上である高頻度色群を抽出する高頻度色群抽出手段と,前記高頻度色群抽出手段によって抽出された高頻度色群ごとに,該高頻度色群に含まれた色ごとの頻度を示す第二の色ヒストグラムを算出する第二の色ヒストグラム算出手段とを備えてなり,
前記第二の色ヒストグラム算出手段によって算出された前記第二の色ヒストグラムに基づいて,前記高頻度色群ごとにおいて最も頻度の高い色を前記高頻度条件を満たす高頻度色として特定するものである請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記個別濃度変換情報が,前記色成分データにガンマ補正を施すために用いられるガンマテーブルである請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記複数の色成分データが,R(赤),G(緑),B(青)各々の画像データ,又はC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)各々の画像データである請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置と,前記色成分データ変換手段による変換後の前記色成分データ各々に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えてなる画像形成装置。
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