JP5478428B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
また,例えば特許文献1では,濃度及び頻度の関係を二次元で示す濃度ヒストグラムを算出して,その頻度が高いものを下地色の濃度と認識し,その下地色の濃度付近の濃度を下地色と同レベルに一律に変換することにより,裏写りを除去することが提案されている。これにより,全体の濃度変化を防止しつつ裏写りを除去することができる。
しかしながら,この場合には,前記裏写り除去処理と前記通常の画像処理とにおいて共通の画像処理回路を直列的に利用するため,前記裏写り除去処理から前記通常の画像処理が行われるまでの間,該裏写り除去後の1ページ分の画像データをメモリに記憶させておく必要が生じる。例えば,1ページの原稿から画像データを読み取るためには,少なくともメモリ内に2ページ分のページメモリを確保する必要がある。このとき,メモリ容量の大きなメモリを用意する場合にはコスト高になり,メモリ容量を大きくしなければ画像処理装置における他の処理の効率が低下するという問題が生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,小規模なハードウェアで裏写り除去処理を実行する構成において,その裏写り除去処理を実現するために必要なメモリ容量を抑制することのできる画像処理装置を提供することにある。
本発明に係る画像処理装置では,下地色の近傍の色の伸張画像データを該下地色に略均一化させることにより裏写りが除去されるため,その裏写りの除去がなされた後の画像データの圧縮率は裏写り除去前の画像データの圧縮率よりも高くなる。従って,本発明のように,前記裏写り除去手段及び前記画像処理手段によって共通の構成要素を用いる小規模なハードウェア構成においても,前記所定の記憶メモリにおける伸張前データ記憶領域のみを用いて前記裏写り除去前後の圧縮画像データを記憶させることができ,該所定の記憶メモリの使用領域を抑制することができる。従って,本発明に係る画像処理装置の構成を簡素化することができ,或いは該画像処理装置における他の処理の効率の低下を防止することができる。
ところで,本発明に係る画像処理装置では,裏写り除去後の画像データの圧縮率が裏写り除去前の画像データの圧縮率よりも高くなり,そのデータ量に差が生じるため,前記伸張前データ記憶領域には前記記憶制御手段により上書きされない記憶領域(空き領域)が存在する。そこで,前記伸張前データ記憶領域のうち前記記憶制御手段により上書きされなかった記憶領域を開放することが望ましい。これにより,その開放された記憶領域を当該画像処理装置における他の処理(次ページの原稿読み取りやファクシミリ受信処理など)の作業領域として利用することができる。
特に,前記裏写り除去手段が,前記画像データを平滑化し,該平滑化後の画像データのうち所定の高頻度条件を満たす下地色の近傍の色の画像データを該下地色に略均一化させることにより裏写りを除去するものであれば,前記裏写り除去後の画像データにおいてエッジ部が減少するため,該画像データを圧縮する際の圧縮率がより高くなり,本願発明により好適である。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る複合機Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,前記複合機Xは,制御部1,操作表示部2,画像読取部3,画像処理部4,DRAM5(所定の記憶メモリの一例),画像形成部6などを備えて概略構成されている。なお,複写機,スキャナ装置,ファクシミリ装置なども本発明に係る画像処理装置に該当する。
前記制御部1は,CPU及びROM,RAM等の周辺装置を有しており,前記CPUで前記ROMに格納された所定の制御プログラムに従った処理を実行することにより,当該複合機Xを統括的に制御するメイン制御部である。なお,前記制御部1は,前記DRAM5の作業領域の割り当て制御(メモリハンドリング)や前記DRAM5のデータの入出力処理なども実行する。例えば,前記制御部1は,不図示のDMAコントローラに制御指示を与えることによって,前記DRAM5にデータを記憶させ,或いは該DRAM5からデータを読み出す。
前記操作表示部2は,当該複合機Xにおける各種の情報の表示や,ユーザによる入力操作を行うための液晶ディスプレイ,タッチパネル,各種操作キーなどを有している。
前記画像読取部3は,原稿から読み取った画像データを前記DRAM5に一時記憶する。前記DRAM5は,前記画像処理部4による各種の画像処理過程における作業領域として用いられる半導体メモリである。このとき,前記画像読取部3は,原稿から読み取られた画像データをJPEG方式などによる非可逆圧縮処理により圧縮し,該圧縮処理後の画像データを前記DRAM5に記憶させる。なお,前記圧縮処理後の画像データが記憶される前記DRAM5上の記憶領域は,前記制御部1によって画像読取処理の開始時などに該DRAM5上に確保される。なお,画像データの圧縮方式は非可逆圧縮に限らず可逆圧縮であってもよい。
また,前記画像読取部3は,原稿から読み取られた画像データに基づいて,該原稿がカラー原稿であるか無彩色原稿(グレースケール原稿やモノクロ原稿など)であるかを判定するACS(Auto Color Selection)判定機能を有している。なお,前記ACS判定機能については従来周知であるため,詳細な説明は省略するが,例えば画像データに含まれたカラー画素の数を計数し,カラー画素が所定数(所定割合)以上に達した場合に,原稿がカラー原稿であると判定することが考えられる。
ここに,前記画像処理部4は,前記各種の画像処理機能を具現するために構成された一つの集積回路(ASIC)である。このように,前記複合機Xでは,一つの前記画像処理部4を用いて各種の画像処理が実行されるため構成が簡素化されており,低コストが実現される。但し,前記画像処理部4で同時に実行可能な処理は制限されるため,一連の画像読取処理において前記画像処理部4を直列的に用いる回数が多いほど,該画像読取処理に要する時間が長くなる。
なお,前記複合機Xにおいてスキャン処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後の画像データをハードディスク等の記憶手段に記憶し,或いはLAN等のネットワークを介して所定の情報処理装置などに送信する。
また,前記複合機Xにおいて複写処理が実行される場合,前記画像処理部4は,前記画像処理後の画像データを前記画像形成部6に入力する。前記画像形成部6は,CMYKの各色に対応する感光体ドラムや現像装置などの周知の電子写真方式の画像形成部の構成要素を備えており,給紙カセットから供給された用紙に対し,前記画像処理部4による画像処理後の画像データ(色成分データ各々)に基づいてカラー画像や無彩色画像(モノクロ画像,グレースケール画像など)を形成する。
以下,図2のフローチャートに従って,前記複合機Xで実行される画像読取処理の手順の一例について説明する。なお,図中のS1,S2,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。ここに,当該画像読処理は,前記操作表示部2に対するユーザ操作などによって画像読取開始の要求がなされた後,1ページの原稿から画像データが読み取られる毎に実行される。
まず,ステップS1において,前記制御部1は,予め前記操作表示部2のユーザ操作などによって,無彩色原稿として画像を読み取る無彩色モードに設定されているか否かを判断する。
ここで,前記無彩色モードに設定されていると判断された場合(S1のYes側),処理はステップS9に移行する。そして,前記ステップS9において,前記制御部1は,裏写りを除去するために予め設定された裏写り除去用のガンマ補正情報(ガンマテーブルやガンマ曲線など)を用いる旨の制御指示を前記画像処理部4に与える。
これにより,前記画像処理部4では,前記制御部1からの制御指示に応じて前記裏写り除去用のガンマ補正情報が選択される。ここに,前記裏写り除去用のガンマ補正情報は,例えば原稿の画像全体の濃度を下げることにより裏写りを除去するように,或いは原稿における所定の濃度レベルの部分のみについて該濃度レベルを下げることにより裏写りを除去するように予め設定されたものである。
具体的には,前記画像処理部4の内部メモリに通常時に用いるガンマ補正情報と前記裏写り除去用のガンマ補正情報とが予め記憶されており,該画像処理部4が前記制御部1からの制御指示に応じていずれか一方のガンマ補正情報を選択する構成が考えられる。もちろん,前記制御部1から前記画像処理部4に対していずれか一方のガンマ補正情報を入力してもよい。
そして,続くステップS10では,前記制御部1が前記画像処理部4を制御することにより,該画像処理部4によってガンマ補正処理,スケーリング処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理などの所定の画像処理(以下,「通常の画像処理」という)を実行させる。ここに,前記通常の画像処理を実行するときの前記画像処理部4が画像処理手段に相当する。このとき,前記ガンマ補正処理では,前記ステップS9で選択された前記裏写り除去用のガンマ補正情報が用いられるため,前記画像読取部3で読み取られた無彩色原稿の画像データにおける裏写りが除去される。
図6に示すように,無彩色原稿である場合には,前記画像読取部3で読み取られた1ページ分の画像データが前記DRAM5に記憶された後,該画像データは,前記画像処理部4に入力されて通常の画像処理(S10)が施され,前記画像形成部6に出力される。
従って,前記複合機Xでは,読み取り原稿が無彩色原稿である場合,前記画像処理部4により前記通常の画像処理のみを実行しているため,無彩色原稿についてもカラー原稿である場合と同様に後述の縮小処理(S4)や濃度変換処理(S5〜S8),通常の画像処理(S10)を前記画像処理部4で直列的に実行する場合に比べて画像データの読み取りに要する時間が短縮される。しかも,前述したように原稿が無彩色原稿である場合には,ガンマ補正処理を利用した裏写り除去処理により適度に裏写り除去効果を得ることができる。
このように,前記複合機Xでは,無彩色原稿である場合にはカラー原稿と同様の裏写り除去処理を実行してもその効果が低いことに鑑みて,無彩色原稿である場合には,適度に効果が得られる裏写り除去処理を採用することで処理時間短縮を優先させている。
一方,前記無彩色モードに設定されておらず,カラー原稿として画像を読み取るカラーモードや,原稿がカラー原稿であるか無彩色原稿であるかを自動的に判定するACS判定モードなどに設定されている場合(S1のNo側),処理はステップS2に移行し,前記制御部1は前記画像読取部3にACS判定処理を実行させる。
このように,前記複合機Xでは,前記ACS判定モードに設定されている場合だけでなく,前記カラーモードに設定されている場合にも前記画像読取部3によるACS判定処理が実行される。もちろん,前記ACS判定モードに設定されている場合にのみ,前記画像読取部3によるACS判定処理が実行されることも他の実施例として考えられる。
そして,ステップS3において,前記制御部1は,前記画像読取部3によるACS判定結果がカラー原稿であるか否かを判断する。ここで,ACS判定結果がカラー原稿であると判断された場合(S3のYes側),処理はステップS4に移行し,カラー原稿でないと判断された場合(S3のNo側),処理は前記ステップS9に移行する。即ち,例えばユーザが意図的にカラーモードを選択している場合であっても,前記ACS判定処理によって無彩色原稿であると判定された場合には,前記ステップS9に移行して前記ガンマ補正処理による原稿の裏写り除去が行われることとなる。
他方,前記画像読取部3によるACS判定結果がカラー原稿である場合(S3のYes側),前記制御部1は,続くステップS4〜S8を順に実行することにより,前記画像読取部3で読み取られた画像データにおける原稿の裏写りを除去する。なお,この場合にも前記画像処理部4は,前記DRAM5から読み出した圧縮処理後の画像データに対して伸張処理を実行する。以下,ステップS4〜S8の処理について詳説する。
まず,ステップS4において,前記制御部1は,前記画像処理部4により前記画像読取部3で読み取られた画像データのR,G,B色成分データ各々の解像度を予め設定された低解像度に変換させて画像データを縮小する縮小処理を実行させる。これにより,前記画像データが縮小されるため,例えば前記制御部1によって実行される後述の下地色特定処理(S5)の処理負担を軽減することができる。
例えば,前記画像処理部4は,解像度600dpiのR,G,B色成分データを,8×8の64ドット(所定単位の一例)ごとに平均化しつつ解像度75dpi程度の低解像度のR,G,B色成分データに変換する。そして,このように低解像度に変換された後の画像データは前記DRAM5に一時記憶される。なお,当該ステップS4を省略することも他の実施例として考えられる。
そして,ステップS5において,前記制御部1は,前記ステップS4による変換後のR,G,B色成分データに基づいて所定の高頻度条件を満たす下地色を特定する下地色特定処理を実行する。
具体的に,前記制御部1は,まずR,G,B色成分データで表現される複数の色を予め定められた所定範囲の色ごとの色群に分類したときに,該R,G,B色成分データ各々で表現される全画像データに含まれる前記色群ごとの画素の頻度(数)を示す第一の色ヒストグラム(三次元ヒストグラム)を算出する。
ここに,図3は,前記第一の色ヒストグラムの一例を示している。図3に示すように,前記第一の色ヒストグラムは,画像データを構成するR,G,B色成分データ各々の濃度値を三次元に配置したとき,その三次元の濃度値(R,G,B)で示される所定範囲の色を含む色群ごとの頻度を算出したものである。具体的に,図3に示す例は,R,G,B色成分データ各々の値の組み合わせによって表現される256×256×256の16,777,216色を,16×16×16の4096個の色群に分類し,原稿の画像に含まれるその色群ごとの画素の頻度を算出したものである。この場合,前記色群各々に含まれる所定範囲の色は,(R,G,B)=(0〜15,0〜15,0〜15),(16〜31,0〜15,0〜15),(32〜47,0〜15,0〜15),…(239〜255,239〜255,239〜255)となる。
次に,前記制御部1は,前記第一の色ヒストグラムに基づいて,予め設定された所定頻度以上である下地色群を抽出する。前記所定頻度は,例えばその色が原稿の画像において裏写りが顕著となる程の面積を占めていることを判断するために予め設定されたものである。このように,前記制御部1は,最も頻度の高い色群のみを特定するものではなく,前記所定頻度以上である下地色群を抽出するものであるため,該下地色群が複数抽出される場合もある。
そして,前記制御部1は,前記下地色群ごとに,該下地色群に含まれた色ごとの頻度を示す第二の色ヒストグラムを算出する。例えば,図3に示したように,前記第一の色ヒストグラムが,R,G,B色成分データ各々の値により表現される256×256×256の16,777,216色を16×16×16の4096個の色群に分類し,その色群ごとの頻度を算出したものである場合,前記第二の色ヒストグラムは,その色群に含まれた16×16×16の4096の色ごとの頻度を個別に算出したものとなる。
その後,前記変換ポイント算出部42は,前記第二の色ヒストグラムに基づいて,前記下地色群ごとにおいて最も頻度の高い色を前記高頻度条件を満たす下地色として特定する。このとき,前述したように前記下地色群が複数抽出される場合には,ここでも複数の下地色が特定されることになる。即ち,本実施の形態における前記所定の高頻度条件を満たす下地色とは,前記所定頻度以上の色群に属し,且つその色群の中で最も頻度が高い色である。
このように,前記制御部1は,まず粗レベルの前記第一の色ヒストグラムを算出した後,その中で所定頻度以上である一又は複数の色群を抽出し,その一又は複数の色群についてのみ,より詳細な前記第二の色ヒストグラムを算出する。そのため,初めから全ての色(上記例では16,777,216色)の頻度を示すヒストグラムを算出する場合に比べて処理負担は著しく軽減される。
次に,ステップS6において,前記制御部1は,前記ステップS5で特定された下地色ごとに対応して,前記下地色の近傍の色を該下地色に略均一化させるべく前記R,G,B色成分データ各々を変換するために用いられる濃度変換テーブル(濃度変換情報の一例)を生成する。なお,前記制御部1は,前記ステップS5で特定された下地色が複数である場合には,前記RGB色成分データごとに対応する複数の濃度変換テーブルを生成する。ここに,図4,5は,前記ステップS5で特定された下地色が2つである場合に前記制御部1で生成される濃度変換テーブルの一例を示す図である。
図4は,一つ目の下地色が,R,G,B各々の色成分データが変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される色である場合に,該下地色に対応して生成される濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1を示している。また,図5は,二つ目の下地色が,R,G,B各々の色成分データが変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される色である場合に,該下地色に対応して生成される濃度変換テーブルの一例を示すものであって,(a),(b),(c)は,R,G,B色成分データ各々に対応する濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2を示している。
具体的に,図4(a)に示すように,前記濃度変換テーブルTr1は,前記変換ポイントPr1を中心とする所定範囲の濃度をその変換ポイントPr1に略均一化させるように変換する際に用いられるものである。同じく,図4(b),(c)に示すように,前記濃度変換テーブルTg1,Tb1は,前記変換ポイントPg1,Pb1を中心とする所定範囲の濃度をその変換ポイントPg1,Pb1に略均一化させるように変換する際に用いられるものである。なお,図5に示す前記濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2も同様である。もちろん,前記濃度変換テーブルは,前記下地色の近傍の色を該下地色に近似させて略均一化させることにより裏写りを除去し得るものであれば,図4,図5に示す形態に限らない。
その後,ステップS7〜S8において,前記制御部1は,前記画像読取部3で読み取られた画像データを前記DRAM5から1バンド毎に前記画像処理部4に入力し,前記下地色の近傍の色を表現する画像データの色成分データ各々を前記濃度変換テーブルに基づいて変換することにより裏写りを除去する濃度変換処理を前記画像処理部4に実行させる。
ここに,図7は,前記ステップS7における濃度変換処理で実行される処理の具体例を示すものである。
図7に示すように,前記ステップS7において,前記画像処理部4は,前記画像読取部3で読み取られて前記DRAM5に記憶された圧縮処理後の画像データに対して非可逆伸張処理を施して,該画像データを伸張する。
次に,前記画像処理部4は,その伸張後の画像データのR,G,B色成分データ各々に対して平滑化処理を施して網点成分を除去する。これにより,前記原稿が網点成分を含むものである場合に,その網点上に存在する裏写り部分についても前記下地色の近傍の色を表現するものであると判断し,その裏写りを除去することが可能となる。なお,前記R,G,B色成分データ各々の平滑化には,例えば周知のメディアンフィルタや平均化フィルタ等を用いればよい。
そして,前記画像処理部4は,前記画像読取部3で読み取られて平滑化処理が施された後の画像データのうちR,G,B色成分データ各々で表現される色が前記下地色の近傍の色である前記画像データについて,前記R,G,B色成分データ各々を該下地色に対応して生成された前記濃度変換テーブルに基づいて変換する濃度変換処理を実行することにより,該下地色近傍の色を下地色に均一化して裏写りを除去する。ここに,係る処理を実行するときの前記画像処理部4が裏写り除去手段に相当する。即ち,前記下地色の近傍の色を除く他の色の画像データについては濃度変換が行われない。
例えば,前記R,G,B色成分データで表現される色が,図4に示した変換ポイントPr1,Pg1,Pb1で表現される下地色の近傍の色である画素の画像データが入力された場合には,その下地色に対応して前記ステップS6で生成された前記濃度変換テーブルTr1,Tg1,Tb1に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。同じく,図5に示した変換ポイントPr2,Pg2,Pb2で表現される下地色の近傍の色である画素の画像データが入力された場合には,その下地色に対応して前記ステップS6で生成された前記濃度変換テーブルTr2,Tg2,Tb2に基づいて,前記R,G,B色成分データが変換される。
その後,前記画像処理部4は,前記濃度変換後の画像データをJPEGなどの非可逆圧縮処理により圧縮する。このとき,前記濃度変換処理後の画像データは,前記平滑化処理や前記濃度変換処理により均されてエッジ部などが減少しているため,圧縮される際の圧縮率が高くなる。従って,前記画像処理部4による圧縮処理後の画像データ量は小さくなる。
このとき,前記制御部1は,前記画像処理部4により濃度変換がなされて圧縮処理が施された後の画像データを,その濃度変換前の画像データが記憶されていた記憶領域(伸張前データ記憶領域)と同一の記憶領域に順に上書きして記憶させる。これにより,前記DRAM5内に,前記元の画像データと前記濃度変換後の画像データとの両方を記憶させるための記憶領域を確保する必要が無いため,該画像読取処理で使用する前記DRAM5の記憶領域を省減することができる。従って,前記複合機Xの構成を簡素化することができ,或いは該複合機Xにおける他の処理の効率の低下を防止することができる。
特に,前記DRAM5の前記伸張前データ記憶領域には,前記元の画像データと前記濃度変換後の画像データとのデータ量の差に相当する空き領域ができるため,前記制御部1は,その空き領域を随時開放させることが望ましい。ここに,係る処理を実行するときの前記制御部1が記憶領域開放手段に相当する。これにより,前記空き領域を当該複合機Xにおける他の処理の作業領域として用いることができ,該複合機Xにおける処理効率を向上させることができる。例えば,前記制御部1は,前記空き領域を次ページの画像読取処理やFAX受信処理などに利用する。
そして,1ページ分の画像データについての濃度変換が終了すると(S8のYes側),処理は前記ステップS10に移行し,前記画像処理部4による通常の画像処理(ガンマ補正処理やスケーリング処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理など)が実行される。
このときは,前記ガンマ補正処理において,前記ステップS9で選択される前記裏写り除去用のガンマ補正情報ではなく通常のガンマ補正情報を用いたガンマ補正が実行される。
図8に示すように,カラー原稿である場合には,前記画像読取部3で読み取られた画像データが前記DRAM5に記憶された後,該画像データは,前記画像処理部4に入力されて縮小され(S4),再度前記DRAM5に記憶される。なお,縮小後の画像データは,前記画像読取部3で読み取られた元の画像データの記憶領域とは別の記憶領域に記憶される。そして,前記制御部1では,前記DRAM5に記憶された縮小後の画像データに基づいて前記濃度変換テーブルが生成される(S5〜S6)。
次に,前記画像読取部3で読み取られて前記DRAM5に記憶されていた元の画像データが前記画像処理部4に入力され,前記制御部1で生成された前記濃度変換テーブルに基づいて濃度変換された後(S7〜S8),再度前記DRAM5に記憶される。このとき,前述したように,前記画像処理部4は,前記DRAM5に記憶されていた画像データに対して画像伸張処理を施して前記濃度変換処理を施した後,該画像データに対して画像圧縮処理を施し,前記元の画像データが記憶されていた記憶領域に上書き保存する。
その後,前記DRAM5に記憶された濃度変換後の画像データは,1バンド毎に前記画像処理部4に入力されて該画像処理部4において通常の画像処理(ガンマ補正処理,スケーリング処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理など)が施された後,前記画像形成部6に順に出力される
このように,前記複合機Xでは,カラー原稿である場合は高い裏写り除去効果を得ることができる裏写り除去処理を採用することで画像品質を優先させている。
なお,本実施の形態では,R,G,B色成分データに対して裏写り除去処理を施す場合を例に挙げて説明するが,例えばRGBデータをCMYデータに変換した後,そのC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)各々の画像データに対して裏写り除去処理を施してもよい。
一方,前記制御部1が,無彩色原稿である場合にも,前記ステップS9において,前記制御部1が,前記ステップS4や前記ステップS5と同様の処理を実行して無彩色原稿における下地色を特定し,その下地色近傍の色がその下地色に均一化されるようにガンマ補正情報を設定することが他の実施例として考えられる。
これにより,無彩色原稿の場合の裏写り除去効果を高めて出力画像の品質を向上させることができる。もちろん,この場合でも前記ステップS6〜S8における濃度変換テーブル生成処理や濃度変換処理は省略されるため,カラー原稿に比べれば,画像データの読み取りに要する時間を短縮することができる。
2:操作表示部
3:画像読取部
4:画像処理部
5:DRAM
6:画像形成部
S1,S2,…:処理手順(ステップ)番号
Tr1,Tr2,Tg1,Tg2,Tb1,Tb2:濃度変換テーブル
Pr1,Pr2,Pg1,Pg2,Pb1,Pb2:変換ポイント
X:複合機(画像処理装置の一例)
Claims (4)
- 所定の記憶メモリに記憶された圧縮処理後の圧縮画像データに伸張処理を施す画像伸張手段と,前記画像伸張手段により伸張された後の伸張画像データのうち所定の高頻度条件を満たす下地色の近傍の色の伸張画像データを該下地色に略均一化させることにより裏写りを除去する裏写り除去手段と,前記裏写り除去手段により裏写りが除去された後の伸張画像データに前記圧縮処理を施す画像圧縮手段と,前記画像圧縮手段により圧縮された後の前記圧縮画像データを前記所定の記憶メモリにおいて前記画像伸張手段により伸張される前の前記圧縮画像データが記憶されていた伸張前データ記憶領域に上書きして記憶させる記憶制御手段と,前記伸張前データ記憶領域のうち前記記憶制御手段により上書きされなかった記憶領域を開放する記憶領域開放手段と,前記記憶制御手段により前記所定の記憶メモリに記憶された前記圧縮画像データに前記裏写り除去手段と共通の構成要素を用いて所定の画像処理を施す画像処理手段と,を備える画像処理装置。
- 前記圧縮処理が非可逆圧縮処理であって,前記伸張処理が非可逆伸張処理である請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記裏写り除去手段が,前記画像データを平滑化し,該平滑化後の画像データのうち所定の高頻度条件を満たす下地色の近傍の色の画像データを該下地色に略均一化させることにより裏写りを除去するものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記所定の画像処理が,ガンマ補正処理,スケーリング処理,シェーディング補正処理,平滑・強調処理,CMYK変換処理のいずれか一又は複数を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
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