JP2011192769A - 半導体デバイス製造方法、及び製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体デバイス製造方法に係り、例えばCD−SEMとスキャトロメトリを併用し、処理工程等をより適切に制御できる技術を提供する。
【解決手段】本半導体装置製造方法では、半導体デバイスの製造の処理工程に関する寸法等をCD−SEM(第1の計測手段)とスキャトロメトリ(第2の計測手段)との両方で計測する(S202,S203等)。ウェハ内の複数の計測点に関し、第1及び第2の計測手段の計測値を用いて、誤計測を検出・補正する(S210等)。この際、例えば、ロット内の各ウェハの第2の計測手段の計測値の平均値を用いて処理する。また第1及び第2の計測手段のロットの各ウェハの計測値の平均値を用いて処理する。補正した計測値に基づき、制御対象の工程(S207)の処理条件の制御パラメータを計算(S213)し、変更する。
【選択図】図2
【解決手段】本半導体装置製造方法では、半導体デバイスの製造の処理工程に関する寸法等をCD−SEM(第1の計測手段)とスキャトロメトリ(第2の計測手段)との両方で計測する(S202,S203等)。ウェハ内の複数の計測点に関し、第1及び第2の計測手段の計測値を用いて、誤計測を検出・補正する(S210等)。この際、例えば、ロット内の各ウェハの第2の計測手段の計測値の平均値を用いて処理する。また第1及び第2の計測手段のロットの各ウェハの計測値の平均値を用いて処理する。補正した計測値に基づき、制御対象の工程(S207)の処理条件の制御パラメータを計算(S213)し、変更する。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体デバイスの製造技術に関し、特に、製造途中の表面形状を計測してその計測値に基づいて製造工程を制御する計測技術及び制御技術を含む製造方法及び製造システム等に関する。
半導体デバイスの製造技術に関し、素子寸法の比例縮小により半導体デバイスの集積度と性能が向上するため、年々、素子寸法の微細化が進んでいる。このような微細加工プロセス技術の進展において、半導体デバイスの電気特性安定化のため、基板ウェハに形成される回路パターンの寸法バラツキ低減がますます重要となっている。
ここで、基板ウェハに形成される回路パターンの寸法バラツキ低減に関する製造技術として、例えば、特表2005−510083号公報(特許文献1),特開2005−17145号公報(特許文献2)に記載される技術などが提案されている。
特許文献1では、製造工程の処理条件をより適切に設定する方法として、半導体ウェハに第1の工程を実行し、この工程に関連した計測値を取得し、この計測値から、少なくとも1つの誤差を特定し、この誤差を補償するべく、第2の工程に対して調整を実行する方法が開示されている。
ここで、計測を行う際には、走査型電子顕微鏡を用いたCD−SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)、または、分光エリプソメーターを用いたスキャトロメトリ、の利用を例示している。
特許文献2では、計測を効率化するために、計測時に、計測スループットが高いスキャトロメトリと、実パターンが計測可能なCD−SEMとの両方で計測を行い、スキャトロメトリの計測値とCD−SEMの計測値とから作成した回帰式に基づいて、スキャトロメトリの計測値をCD−SEMによる計測値として見なせるように補正する方法が開示されている。
ところで、前記のような半導体デバイスの製造技術に関し、半導体デバイス上の形状を計測する技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、半導体デバイスの微細化に伴い、基板ウェハ上に形成される回路パターンの寸法バラツキの要求精度は小さく(高く)なっている。そのため、プロセスに関連した計測値を従来以上により多くの計測点からより正確に取得し、その計測値に基づいて、製造工程の処理条件をより適切に設定する方法が必要となっている。
前記特許文献1では、CD−SEMまたはスキャトロメトリにより計測値を取得している。しかし、CD−SEMには計測スループットが遅いという短所、スキャトロメトリには計測誤差がCD−SEMよりも大きいという短所があり、どちらか一方を用いるだけでは、多くの計測点からの計測値の取得と、正確な計測値の取得という2つの目的を達成する事はできない。
前記特許文献2では、CD−SEMとスキャトロメトリを併用しているが、スキャトロメトリの計測値をCD−SEMによる計測値として見なせるように補正するのみであり、スキャトロメトリの計測誤差を補正する事はできない。よって、スキャトロメトリに誤計測が有った場合には、正確に計測値を取得する事ができない。
CD−SEM(第1の計測手段)には、高い計測精度といった長所があり、スキャトロメトリ(第2の計測手段)には、高い計測スループットといった長所がある。
上記を鑑み、本発明の主な目的は、半導体デバイスの製造方法等に係わり、例えばCD−SEM(第1の計測手段)とスキャトロメトリ(第2の計測手段)を併用しつつ、CD−SEMによる高い計測精度、及びスキャトロメトリによる高いスループットといったそれぞれの特長を両立した計測方法等によって、製造工程の処理条件をより適切に設定することができる技術(基板ウェハに形成される回路パターンの寸法バラツキ低減などを実現できる技術)を提供する事である。
上記目的を達成するために、本発明の代表的な実施の形態は、半導体装置(半導体デバイス)の製造方法及び製造システム等であって、半導体デバイス(ウェハ等)の製造(ないし加工等)のための複数の工程(処理工程等)、その製造(処理工程)の結果(寸法等)の計測、及び製造の制御等の処理を行う方法等であって、以下に示す構成を有する。
本形態では、半導体デバイスの製造における処理等の単位である、サイト、ウェハ、ロット等に着目し、これらの単位に応じた方法で、第1の計測手段(CD−SEM等)及び第2の計測手段(スキャトロメトリ等)による計測値を組み合わせる事により、第2の計測手段の計測誤差を補正し、第1の計測手段による高い計測精度、及び第2の計測手段による高い計測スループットといったそれぞれの特長を組み合わせて両立した方法等によって、制御対象の工程の処理条件ないし制御パラメータ等をより適切に設定(制御)する。
本形態は、例えば、半導体デバイスを製造(ないし加工)するための複数の処理工程と、その処理工程の結果を計測するための1つ以上の計測工程と、を含み、コンピュータの情報処理を用いて半導体デバイスの製造を制御する、半導体デバイス製造方法であって、半導体デバイスのロット、当該ロットを構成する複数のウェハ、及び当該ウェハに含まれる複数のサイトのうち少なくとも1つを計測対象とし、複数の処理工程のうち少なくとも1つを制御対象とし、第1の計測手段(計測装置等)として、走査電子顕微鏡(CD−SEM)等を用い、第2の計測手段(計測装置等)として、スキャトロメトリ等を用い、第1の計測手段による計測点と第2の計測手段による計測点とで同じ計測点を有する。
本製造方法では、計測工程での第1の計測手段による第1の計測値と、計測工程での第2の計測手段による第2の計測値とを収集する第1の処理ステップと、計測対象のロットまたはウェハまたはサイトの単位における、複数の計測点に関して、第1の計測手段による第1の計測値と、第2の計測手段による第2の計測値と、を用いて、誤計測を検出する第2の処理ステップと、上記検出した誤計測に相当する計測値を、第1及び第2の計測値を用いて、補正する第3の処理ステップと、上記補正した計測値に基づき、制御対象の処理工程の処理条件に関する設定値ないし制御パラメータ等を計算し、当該計算した値に基づき、当該処理工程の処理条件を変更する、第4の処理ステップと、を有する。
また、前記第2の処理ステップでは、ロット内のウェハ内の複数の計測点に関して、第1の計測値と第2の計測値とを用いて、計測点単位またはサイト単位での誤計測を検出する処理ステップと、ロット内の各ウェハの第2の計測値の平均値(KW)を用いて、ウェハ単位での誤計測を検出する処理ステップと、ロットにおける第2の計測値の平均値(KL)とロットにおける第1の計測値の平均値(KL)とを用いて、ロット単位での誤計測を検出する処理ステップと、を有し、第3の処理ステップは、上記検出した各単位ごとに、第1及び第2の計測値を用いて、補正する処理を行う。
また、本形態の製造システムは、例えば、半導体デバイスの所定の回路パターンをウェハ上に形成する工程において、ウェハ上に形成した形状を、第1の計測手段と第2の計測手段とを用いてそれぞれ計測し、ロット内のウェハ内の複数の計測点に関して、第1の計測手段による第1の計測値と第2の計測手段による第2の計測値とを用いて誤計測を検出、及び補正する。ロット内の各ウェハの第2の計測値の平均値を用いて誤計測を検出及び補正し、ロットの第2の計測値の平均値とロットの第1の計測値の平均値とを用いて誤計測を検出及び補正し、上記補正した計測値に基づき制御対象の工程の処理条件の設定値等を計算し、上記計算した設定値に基づき制御対象の工程の処理を実行する。
本製造システムは、例えば、製造装置(処理工程を実行する装置)の処理条件の設定値や制御パラメータ等を登録する第1の記憶手段と、第1の計測値と第2の計測値とを収納する第2の記憶手段と、半導体デバイスの製造の各工程(処理工程)における製造仕様や目標値等を収納する第3の記憶手段と、各計測値及び前記製造仕様等をもとに前記制御パラメータ等を算出するための制御モデル(予測式等)を登録する第4の記憶手段と、第2の計測値について誤計測の検出を判定するために用いる基準や閾値等を収納する第5の記憶手段と、第1と第2の計測値及び前記閾値等をもとに、第2の計測値について誤計測を検出して補正し、補正後の第2の計測値と前記制御モデル等を用いて前記制御パラメータ等を計算し前記工程に反映する工程制御処理を行う制御処理部などを有する。
本発明の代表的な実施の形態によれば主に以下の効果を有する。半導体デバイスの製造方法等に係わり、CD−SEM(第1の計測手段)とスキャトロメトリ(第2の計測手段)を併用しつつ、CD−SEMによる高い計測精度、及びスキャトロメトリによる高いスループットといったそれぞれの特長を組み合わせて両立した方法等によって、製造工程の処理条件をより適切に設定することができる。これにより例えば基板ウェハに形成される回路パターンの寸法バラツキ低減などを実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態(半導体デバイス製造方法及び製造システム)に関して、まず、概要として、図1〜図8等に基づき、一般的な半導体デバイス製造技術(図2等)に適用する構成を説明し、次に、図9以降に基づき、より詳しくエッチング工程等(図9等)に適用する構成を説明する。
<概要>
本実施の形態の概要や特徴について説明する。本実施の形態では、ウェハ寸法等を計測する手段について、第1の計測手段としてCD−SEM(走査型電子顕微鏡などの技術)、第2の計測手段としてスキャトロメトリ(分光エリプソメーター等の技術)を適用する。
本実施の形態の概要や特徴について説明する。本実施の形態では、ウェハ寸法等を計測する手段について、第1の計測手段としてCD−SEM(走査型電子顕微鏡などの技術)、第2の計測手段としてスキャトロメトリ(分光エリプソメーター等の技術)を適用する。
図19(a)の表に示すように、両者における性能や特徴などの相対的な関係として、計測精度の観点については、スキャトロメトリよりもCD−SEMの方が精度が高く(誤計測や誤差が少なく)優れており、計測スループットの観点については、CD−SEMよりもスキャトロメトリの方が高速(短時間)で優れている。本発明(実施の形態)は、これら両者の特長を組み合わせる構成である。なお、計測スループットが高速であればより多数の計測点が計測可能であると言えるため、計測スループットの観点は、計測点数(対象設定)の観点と関連して捉えることができる。計測点数(対象設定)の観点としては、CD−SEMの方は、計測精度の優先から、計測点(対象)を少数(一部計測/抜き取り計測)に設定し、スキャトロメトリの方は、計測スループットの優先から、計測点(対象)を多数(例えば全数計測)に設定する構成である。また、補正の仕方としては、計測精度の優れるCD−SEMの方の計測値(K1)を用いて、スキャトロメトリの方の計測値(K2)を補正する。補正は、例えば簡単かつ高速には、値の代入(置き換え)による方法とする(他の計算処理によるものとしてもよい)。
また図19(b)の表に示すように、各単位(サイト(s)、ウェハ(W)、ロット(L))での処理を行う。誤計測の検出・補正の際に利用する特徴等として、サイト単位の処理では、「ロット内におけるウェハ面内傾向の類似性」等を利用する。ウェハ単位の処理では、「ロット間におけるロット内傾向の類似性」等(ウェハ着工順の影響等)を利用する。ロット単位の処理では、「CD−SEMとスキャトロメトリにおける計測値の相関関係」等を利用する。また、それらの特徴等の利用や判定等の方法として、サイト単位の処理では、各計測手段の面内傾向の差分を用いる。ウェハ単位の処理では、ウェハ内平均値(KW)を用いつつ、スキャトロメトリにおけるロット間(Li,Li−1)の面内傾向の差分を用いる。ロット単位の処理では、ロット内平均値(KL)を用いつつ、CD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測モデル等による予測値と実測値との差分(=残差)を用いる。それぞれ判定用の閾値などを設定可能とする。また、制御や処理の例として、サイト、ウェハ、ロットの順で各単位の処理を行う。ウェハ単位の処理は、サイト単位の処理の結果を利用(包含)し、ロット単位の処理は、ウェハ単位の処理の結果を利用(包含)する、といった階層関係となる。
[作業フロー]
図1は、本発明の一実施の形態の半導体デバイス製造方法における作業フローを示す(S101等は処理ステップや工程などを表す)。
図1は、本発明の一実施の形態の半導体デバイス製造方法における作業フローを示す(S101等は処理ステップや工程などを表す)。
(S101) 本作業フローにおいて、まず、半導体製造において、製造装置の制御パラメータを最適化するために必要となる、製造工程間でウェハ上の加工寸法を計測する際の計測レシピを設定する。即ち、CD−SEMおよびスキャトロメトリで計測を行う際に、ロット内の複数ウェハを全数計測するのか、もしくは一部ウェハを抜き取り計測(一部計測)するのか(ロット内計測対象)、及び、ウェハ上のどの位置(サイト、座標等)を計測するのか(ウェハ内計測対象)、等を設定する。
ここで、設定例としては、CD−SEMについては計測スループットがスキャトロメトリに対して劣るため、製造工程のボトルネックとならないように、上記一部計測(計測対象ウェハ数を少なくする)とし、スキャトロメトリについては計測スループットが高いため、バラツキをより細かい粒度で調べることができるように、上記全数計測(計測対象ウェハ数を多くする)とする。また、CD−SEMについては、計測精度が高いため、誤計測(誤差)が発生した場合の補正の基準(元)として用いるようにし、スキャトロメトリについては、計測精度がCD−SEMに対して劣るため、誤計測(誤差)が発生した場合の補正の対象とする。
また、計測位置(計測対象)については、CD−SEMの計測値とスキャトロメトリの計測値とを併用して誤計測の検出・補正等を可能にするために、両者で同じ箇所の計測点等を含む計測位置(計測対象)となるように設定する。即ち、CD−SEMの計測対象の集合がスキャトロメトリの計測対象の集合に包含されるように設定する。
図20中に、上記計測対象の設定例についても示している。図20において、上側は、CD−SEMの計測等の対象の例(一部計測)として、あるロットLi内の複数(n)のウェハW1〜Wnのうちの一部のウェハ、例えば最初のW1を対象とする場合である。下側は、スキャトロメトリの計測等の対象の例(全数計測)として、あるロットLi内の複数(n)の全ウェハW1〜Wnを対象とする場合である。ウェハW内の複数のサイト(例えば図3のようなs1〜s9)を有する。サイトについては、CD−SEMとスキャトロメトリの両者で同じ箇所、例えばs1〜s9のうちの全部または一部を、「計測点」(サイト計測点)として含むように設定する。
(S102) 次に、実験計画法(DOE:Design of Experiment)により、計測対象となる加工寸法がばらつくように、処理工程の処理条件を恣意的に変更(設定)する。これに従い、ウェハ製造に関するDOEでの実験を実施する。
(S103) 次に、CD−SEMとスキャトロメトリとでそれぞれの計測値(CD−SEM計測値(K1)、スキャトロメトリ計測値(K2))を収集する。
(S104) その後、それらの計測値(K1,K2)を用いて、CD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測式(K1からK2を予測する予測式、予測モデル等)を作成する。この予測式は、後の製造工程(S106)の際にスキャトロメトリにおける誤計測の検出および補正に用いる。
(S105) 次に、誤計測を検出する際に用いる、残差や差分の閾値(例えば上下限値)を設定する。
上記S105までの準備を完了した後に、製造工程(S106)を開始する。
[製造工程(制御例)の処理フロー]
図2は、一実施の形態における、半導体デバイスの製造工程(制御例)の処理フローを示す(S201等は工程等を示す)。製造装置(加工装置)での製造工程(加工工程)として、図示する処理工程#1(S201),#2(S204),#3(S207)を含んでいるとする。そして本例では、制御(処理条件等の制御)の対象とする工程を、処理工程(#3)S207とする。
図2は、一実施の形態における、半導体デバイスの製造工程(制御例)の処理フローを示す(S201等は工程等を示す)。製造装置(加工装置)での製造工程(加工工程)として、図示する処理工程#1(S201),#2(S204),#3(S207)を含んでいるとする。そして本例では、制御(処理条件等の制御)の対象とする工程を、処理工程(#3)S207とする。
まず、処理工程(#1)S201により、ウェハ(ロット内の複数ウェハ)が順次処理される。処理工程(#1)S201の次には、スキャトロメトリ(第2の計測手段)による寸法計測S202、及びCD−SEM(第1の計測手段)による寸法計測S203により、それぞれ対象の加工寸法などの計測を行う。これらにより各計測値(K1,K2)201を得る。なお2種類の計測は並列実行でも順次実行でも可能である。
続けて上記S201〜S203と同様に、処理工程(#2)S204、スキャトロメトリによる寸法計測S205、及びCD−SEMによる寸法計測S206により、制御対象の工程(S207)における制御パラメータの計算に必要な寸法値(計測値)を収集する。これらにより各計測値(K1,K2)202を得る。なお、制御対象の工程(S207)の前に行う処理工程(#2)(S204)、スキャトロメトリによる寸法計測(S205)、及びCD−SEMによる寸法計測(S206)については、制御パラメータの計算に必要な回数だけ複数行ってもよい。
次に、制御対象となる処理工程(#3)S207を実施する。その際に、フィードフォワード計算S212、フィードバック計算S214、及び制御パラメータ計算S213を行う事により、処理工程(#3)S207に関する最適な制御パラメータを計算し、そのパラメータを用いて当該処理を行う。
まず、フィードフォワード計算S212を行う際には、正確な寸法を取得するため、誤計測検出・補正S210を行う。S210では、寸法計測S202,S203で取得したスキャトロメトリ計測値(K2)及びCD−SEM計測値(K1)を用いて、スキャトロメトリ計測値(K2)に誤計測が存在しないかどうか判定する。そして、誤計測が存在する場合は、当該スキャトロメトリとCD−SEMの計測値(K1,K2)を用いて、当該誤計測を補正する(例えば代入:K1→K2)。S211においても、S210と同様に誤計測検出・補正を行う。
そして、上記補正された計測値(203,204)を用いて、フィードフォワード計算S212を行う。ここでは、回帰分析等の統計的手法によって得られた予測モデルにより、制御対象の処理工程(#3)S207における仕上がり寸法を予測する。その仕上がり寸法を、FF(フィードフォワード)変動量205とする。
また、過去の制御対象工程(S207)の加工後の寸法の履歴から、現時点の寸法の変動量を計算するフィードバック計算S214を行う。ここで、計算される変動量を、FB(フィードバック)変動量206と呼ぶ。
そして、上記結果(205,206)を用いて、制御パラメータ計算S213により、制御対象工程(S207)の制御パラメータを計算する。ここでは、FF変動量205、FB変動量206、及び目標値207と、制御パラメータと仕上がり寸法の関係である寸法制御モデルと、を用いて、目標値207に加工されるような制御パラメータを計算する。これを設定値208とする。
そして、S207により加工された後、前記S202,S203と同様に、スキャトロメトリによる寸法計測S208、及びCD−SEMによる寸法計測S209を行う。これにより加工後の寸法を計測する。これらにより各計測値(K1,K2)209を得る。これらの計測(S208,S209)は、未来に着工するロット(ウェハ)においてフィードバック計算S214を行うためになされる。尚、S208,S209の後には、S210と同様に、誤計測検出・補正S215を行い、正確な寸法を求めておく。この計測値210がFB計算S214に使用される。
なお図2の例では、S202,S203で取得する寸法(201)と、S205,S206で取得する寸法(202)とを用いたFF計算S212、及び、S208,S209で取得する寸法(209)を用いたFB計算S214、の両方の組み合わせによる制御の例を示している。これに限らず、それらの一方のみによる制御や、他の組み合わせによる制御なども可能である。
[単位]
図3に、半導体デバイスの製造において、ウェハを処理工程や寸法計測にかける際の制御単位(ロット、ウェハ、サイト)について模式的に示す。本実施の形態では、ウェハ301を装置(製造装置等)間で搬送する際に、複数のウェハ301をまとめて1つの単位とする。この単位をロット302と呼ぶ。そして、ウェハ301上では、どの場所においても同じ寸法になるとは限らない。即ち、ウェハ301面上で寸法のバラツキが発生している場合がある。このバラツキを面内バラツキと呼ぶ。面内バラツキの状況を把握するために、寸法計測を行う際には、同一ウェハ301上で複数の異なる位置を計測する。この計測する位置の単位をサイト303と呼ぶ。なおサイト303は各ウェハ301間で共通の絶対的な位置を規定するものとする。またサイト(s)と計測点は概念的に異なる。本例では所定の9つのサイト(s1〜s9)を示しているが適宜規定可能である。上記ロット302、ウェハ301、及びサイト303の3種類の単位(L,W,sで表す)を、本実施の形態での処理に関する主な単位とする。
図3に、半導体デバイスの製造において、ウェハを処理工程や寸法計測にかける際の制御単位(ロット、ウェハ、サイト)について模式的に示す。本実施の形態では、ウェハ301を装置(製造装置等)間で搬送する際に、複数のウェハ301をまとめて1つの単位とする。この単位をロット302と呼ぶ。そして、ウェハ301上では、どの場所においても同じ寸法になるとは限らない。即ち、ウェハ301面上で寸法のバラツキが発生している場合がある。このバラツキを面内バラツキと呼ぶ。面内バラツキの状況を把握するために、寸法計測を行う際には、同一ウェハ301上で複数の異なる位置を計測する。この計測する位置の単位をサイト303と呼ぶ。なおサイト303は各ウェハ301間で共通の絶対的な位置を規定するものとする。またサイト(s)と計測点は概念的に異なる。本例では所定の9つのサイト(s1〜s9)を示しているが適宜規定可能である。上記ロット302、ウェハ301、及びサイト303の3種類の単位(L,W,sで表す)を、本実施の形態での処理に関する主な単位とする。
[スキャトロメトリの計測原理]
次に、図4を用いて、スキャトロメトリの計測原理について説明する。図4は、スキャトロメトリを用いたパターン形状の計測方法を示し、光学式形状計測装置の1つであるスキャトロメトリの計測原理を示している。基板ウェハ上の繰り返しパターン領域に白色光を入射させ、その正反射光の分光強度分布(スペクトル波形)を検出する。そして、波動光学シミュレーションにより所定のパターン断面形状におけるスペクトル波形と実測のスペクトル波形とのマッチングを行い、パターン断面を推定する。ここで、波動光学シミュレーションを行う際には、予め設定した形状および寸法範囲でシミュレーションを実施する。この時、当該形状および寸法が、この範囲から外れた場合、大きな計測誤差が発生する事がある。
次に、図4を用いて、スキャトロメトリの計測原理について説明する。図4は、スキャトロメトリを用いたパターン形状の計測方法を示し、光学式形状計測装置の1つであるスキャトロメトリの計測原理を示している。基板ウェハ上の繰り返しパターン領域に白色光を入射させ、その正反射光の分光強度分布(スペクトル波形)を検出する。そして、波動光学シミュレーションにより所定のパターン断面形状におけるスペクトル波形と実測のスペクトル波形とのマッチングを行い、パターン断面を推定する。ここで、波動光学シミュレーションを行う際には、予め設定した形状および寸法範囲でシミュレーションを実施する。この時、当該形状および寸法が、この範囲から外れた場合、大きな計測誤差が発生する事がある。
[誤計測発生の特徴]
本実施の形態では、スキャトロメトリにおける計測誤差(誤計測)の発生の仕方・特徴について、主に以下の3通りを考えた。
本実施の形態では、スキャトロメトリにおける計測誤差(誤計測)の発生の仕方・特徴について、主に以下の3通りを考えた。
(1)サイト単位: ウェハ内において、ほとんどのサイトは正しく計測できているが、一部のサイトにおいて、形状および寸法が設定(範囲)から外れ、そのサイト(サイト計測値)において誤計測が発生する。
(2)ウェハ単位: ロット内において、ほとんどのウェハは正しく計測できているが、一部のウェハにおいて、全体的に形状および寸法が設定(範囲)から外れており、そのウェハ(ウェハ計測値)において誤計測が全体的に発生し、そのウェハで平均を取った計測値(ウェハ内の全サイトの平均値:「ウェハ内平均値」(KW)とする)において大きな計測誤差が発生している。
(3)ロット単位: ロット内において全体的に形状および寸法が設定(範囲)から外れており、そのロット(ロット計測値)において誤計測が全体的に発生し、そのロット内の計測値の平均値(ロット内の全ウェハの平均値:「ロット内平均値」(KL)とする)に大きな計測誤差が発生している。
本実施の形態では、上記3種類の誤計測発生の特徴を用いて、誤計測を検出及び補正する。
[誤計測検出・補正処理]
図5に、誤計測検出・補正(例えば前述のS210等)の処理フローを示す。
図5に、誤計測検出・補正(例えば前述のS210等)の処理フローを示す。
(S501) まず、計測結果(計測値)を収集する。誤計測を検出するためには、当該ロットのスキャトロメトリの計測値(K2)、及びCD−SEMの計測値(K1)の両方を用いるため、寸法計測(例えば前述のS202,S203等)において取得したそれぞれの計測値(K1,K2)を両方とも取得する。
(S502) 次に、サイト(s)単位での誤計測検出・補正を行う。ここでは、スキャトロメトリ及びCD−SEMそれぞれの計測値(K1,K2)を、ウェハ単位及びロット単位では平均化する事無く、そのまま用いて誤計測検出、及び補正を行う。例えば、あるサイト(サイトを計測点とする)のスキャトロメトリ計測値(K2)で誤計測が検出され、その値(K2)が同サイトのCD−SEM計測値(K1)によって補正される。
(S503) 次に、ウェハ(W)単位での誤計測検出・補正を行う。この際、上記S502でサイト単位での補正が行われていた場合は、その補正済みの値を用いる。例えば、あるウェハのスキャトロメトリ計測値(K2)(ウェハ内平均値(KW))で誤計測が検出され、その値(K2)が同ウェハのCD−SEM計測値(K1)によって補正される。
(S504) そして次に、ロット(L)単位での誤計測検出・補正を行う。この際、上記S503でウェハ単位での補正が行われていた場合は、その補正済みの値を用いる。例えば、あるロットのスキャトロメトリ計測値(K2)(ロット内平均値(KL))で誤計測が検出され、その値(K2)が同ウェハのCD−SEM計測値(K1)によって補正される。
上記処理フローは、サイト単位の処理(S502)、ウェハ単位の処理(S503)、ロット単位の処理(S504)の順番で処理を行う形態である。これは、細かい粒度の単位から順に補正をすることで、平均化により小さくなる誤差を見逃さずに補正をする、という考え方に基づいている。サイト単位の処理結果を前提(包含)としてその上位のウェハ単位の処理があり、そのウェハ単位の処理を前提(包含)としてその上位のロット単位の処理があるというように、階層的な関係となっている。
なお基本的には上記各単位(s,W,L)の処理の順番を変更した形態も可能である。また、上記各単位の処理の一部のみ行う形態も可能である。また、各単位で検出処理のみ先に行い、その後、それらを総合して補正処理を行う形態なども可能である。
[サイト単位の誤計測検出・補正処理]
次に、図6〜図8を用いて、上記の各単位別の誤計測検出・補正(S502,S503,S504)の処理の詳細例について述べる。
次に、図6〜図8を用いて、上記の各単位別の誤計測検出・補正(S502,S503,S504)の処理の詳細例について述べる。
まず、図6を用いてサイト(s)単位での処理(S502)について説明する。また図20は、理解のための補足として、サイト単位の処理例を示す。
本実施の形態におけるこのサイト単位での処理においては、「ロット内におけるウェハ面内傾向の類似性」といった特徴を利用する。ここでいう面内傾向(ないし面内分布)とは、ウェハ面内における計測点の位置(サイト等)とその計測点における計測値の大きさとの関係を指す。この面内傾向の例として、ウェハの外周部分が太い寸法になることや内周部分が細い寸法になること(ウェハ面の半径方向で加工後の寸法が異なる傾向)、等がある。
加工装置の多くでは、加工後の寸法について、同一ロット内の複数ウェハでは、面内傾向が近くなる性質がある。そこで、この面内傾向(その数値)を、スキャトロメトリ計測値(K2)とCD−SEM計測値(K1)とで比較し、大きく異なるサイト(傾向から外れるサイト計測値)を、誤計測として検出し、対応するCD−SEM計測値(K1)の方を正常値(みなし値)として用い、スキャトロメトリ計測値(K2)を補正する。
図20で、各ウェハ面内傾向(A1,A2)の比較(差分値の閾値判定)により、例えばW2のs1で誤計測を検出した場合、該当のCD−SEM計測値(K1)についてウェハ面内傾向を計算した値(A1)を用いて、スキャトロメトリ計測値(K2)を補正する。なおCD−SEMは一部計測であるため、補正元として計測対象のウェハ(例えばW1)の計測値が用いられる。
図6に基づいて、サイト単位での誤計測検出・補正の処理フローについて説明する。
(S601) まず、CD−SEM計測値(K1)から、全サイト(例:s1〜s9)について、所定の基準となるサイト(例えばサイト番号“1”のサイトs1)との差分をとる事により、面内傾向を数値化(指標化)する。このK1に係わる数値をA1とする。
(S602) 次に、スキャトロメトリについても上記と同様に面内傾向を数値化する。このK2に係わる数値をA2とする。
(S603) そして、S601,S602で求めたスキャトロメトリ及びCD−SEMの各面内傾向の数値(A1,A2)について、差分を計算する。尚ここでは、各サイト(s1〜s9)について、CD−SEMとスキャトロメトリとで絶対座標的に同一位置に対応している事を前提としている。
(S604) そして、上記S603で算出された差分値が、事前に前記S105で設定した閾値を超えているか、をチェックする(言い換えれば面内傾向の比較)。ここで、閾値を超えている場合(S604−Y)は、スキャトロメトリ(計測精度が劣る側)に誤計測が生じていると判定し、S605に進む。また、上記閾値を超えていない場合(S604−N)は、スキャトロメトリに誤計測が生じていないと判定し、S605は実行しない。
(S605) S605では、CD−SEM(計測精度が優れる側)の面内傾向の数値(A1)を、スキャトロメトリの面内傾向の値(A2)に代入する事によって、補正する。即ち、CD−SEM計測値(K1)を用いてスキャトロメトリ計測値(K2)(サイト計測値)を補正する。
上記S602〜S604の誤計測検出処理及びS605の誤計測補正処理を、対象となる全ウェハ(ウェハ枚数)及び全サイト(サイト数)の分について繰り返す。
[ウェハ単位の誤計測検出・補正処理]
次に、ウェハ(W)単位での誤計測検出・補正(S503)の処理について述べる。図21は、理解のための補足として、ウェハ単位の処理例を示す。
次に、ウェハ(W)単位での誤計測検出・補正(S503)の処理について述べる。図21は、理解のための補足として、ウェハ単位の処理例を示す。
本実施の形態では、このウェハ単位での処理においては、特徴等として「ロット内傾向」(隣接ロット間でのロット内傾向の類似性、ロット内のウェハ着工順の影響など)を利用する。ここでいうロット内傾向とは、ロット内(複数ウェハ)において、ウェハを着工(処理)する順番と、そのウェハにおける寸法の平均値の大きさとの関係を指す。ロット内傾向の例としては、着工順が後になるほど寸法が太くなること(ロット内のウェハ着工順の影響)、等がある。
製造工程では、加工装置においてロット単位でウェハを加工する。この時、加工装置によっては、下記のような理由(例1,例2)から、ロット内の全てのウェハがほぼ同じ寸法になる(処理結果が一様になる)とは限らない。
(例1) ロット内の複数ウェハを一括で着工する加工装置の場合(バッチ方式と呼ばれる)、加工装置内のウェハの位置関係などにより、処理の温度、ガス/溶液の濃度といった処理条件が一様にならず、処理結果にムラが生じる。
(例2) ロット内のウェハを一枚ずつ処理する加工装置の場合、処理する順番によって、処理の温度、ガス/溶液の濃度といった処理条件が一様にならず、処理結果にムラが生じる。
上記のムラにより、上記のロット内傾向が発生する。そして、加工装置の多くでは、ムラのパターンがその時々の加工装置の状態により決まるため、加工後の寸法については、着工順が隣接したロット(例えば現在ロットとその直前ロット)のロット内傾向が近い値となる性質がある。
そこで本実施の形態では上記に基づき、ウェハ単位の誤計測検出・補正を行いたい対象のロットと、その直前(隣接する過去)のロットとについて、ロット内傾向(その数値)を比較し、大きく異なるウェハ(傾向から外れるウェハ計測値)を、誤計測として検出し、上記直前のロットのロット内傾向(その数値)を正常値として用い、誤計測の方の計測値を補正する。
図21で、ロット間でのロット内傾向(B1,B2)の比較に基づき、例えばLiのW2で誤計測を検出した場合、直前ロットLi−1内の各ウェハのスキャトロメトリ計測値(K2)の平均値(KW)についてロット内傾向を計算した値(B2)を用いて、スキャトロメトリ計測値(K2)を補正する。
図7に基づいて、ウェハ単位での誤計測検出・補正の処理フローについて説明する。
(S701) まず、このウェハ単位での誤計測検出・補正を行うために必要な、前述のウェハ内平均値(KW)を計算する。ここでは、対象のウェハ上の全てのサイトの計測値を平均化する事で、当該ウェハ内平均値(KW)を求める。
(S702) 次に、スキャトロメトリ計測値(K2)について、ロット内傾向(その数値)を計算する。このK2に係る数値をB2とする。これ(B2)は、当該ロット(例えばロットLiとする)の全ウェハ(例えばW1〜Wn)について、所定の基準となるウェハ、例えば着工順が最初のウェハ(W1)の計測値との差分を取る事で数値化(指標化)する。
(S703) 同様に、当該ロット(Li)の直前ロット(Li−1とする)のスキャトロメトリ計測値(K2)についても、ロット内傾向(B2)を計算する。
(S704) そして上記S702,S703で求めた当該ロットLi及び直前ロットLi−1のロット内傾向(B2)について、差分を計算する。即ち、同一の着工順(番号)のウェハ同士について差分を求める。この時、当該ロットLiと直前ロットLi−1でウェハ数が異なることにより差分を求めることができないウェハが存在する場合は、例えばそのウェハについては当該処理を行わず、即ち誤計測検出・補正の対象外とする。
(S705) 次に、誤計測検出処理を行う。即ち、上記S704で求めた各ウェハの差分(B2の差分)について、事前に前記S105で設定した閾値を超えているかをチェックする。ここで閾値を超えている場合(S705−Y)は、そのウェハについて誤計測が生じていると判定し、S706に進む。上記超えていない場合(S705−N)は、誤計測が生じていないと判定し、S706は実行しない。
(S706) そして、S706では、誤計測補正処理を行う。即ち、直前ロットLi−1のロット内傾向(B2)を当該ロットLiのロット内傾向(B2)に代入する事によって、補正する。
上記S705,S706の処理を、ロット内のウェハ枚数分の全ウェハについて、同様に繰り返す。
[ロット単位の誤計測検出・補正処理]
次に、図8を用いてロット(L)単位での誤計測検出・補正(S504)の処理について述べる。また図22は、理解のための補足として、ロット単位の処理例を示す。
次に、図8を用いてロット(L)単位での誤計測検出・補正(S504)の処理について述べる。また図22は、理解のための補足として、ロット単位の処理例を示す。
本実施の形態では、このロット単位での処理においては、「スキャトロメトリとCD−SEMとにおける計測値の相関関係」を利用する。スキャトロメトリとCD−SEMとで同じロットを計測した場合、両者の計測原理が異なることや、計測誤差が存在すること等から、両者の計測値(K1,K2)は必ずしも同じ値とはならない。しかし、同じロット内のウェハを計測しているため、例えば、いずれか一方の計測値が大きければ、対応するもう一方の計測値も大きくなる、といった相関関係が存在する。
そこで、本実施の形態では、CD−SEM計測値(K1)からスキャトロメトリ計測値(K2)を予測する予測式(予測モデル等)を求め、この予測式による予測値と、スキャトロメトリの実際の計測値(実測値)との差分である残差を求め、この残差が大きい時は、スキャトロメトリでの誤計測と判定する。そして、そのように誤計測と判定した場合は、CD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値を用いて、補正を行う。
図22で、予測モデルの残差に基づき、例えばLiで誤計測を検出した場合、該当のロットLiのCD−SEM計測値(K1)をスキャトロメトリ計測値(K2)に代入することで補正する。
図8に基づいて、ロット単位での誤計測検出・補正の処理フローについて説明する。
(S801) まず、このロット単位での誤計測検出・補正を行うために必要な、前述のロット内平均値(KL)を計算する。ここでは、ロット内の全ウェハの計測値(例えばウェハ内平均値(KW))を平均化する事により、当該ロット内平均値(KL)を求める。
(S802) 次に、スキャトロメトリ計測値(K2)に関する予測式について、残差を計算する。これは、前記S104で作成した予測式を用いて、CD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値と、スキャトロメトリの実測値との差分を取る事によって求める。
(S803) 次に、上記S802で求めた残差について、事前に前記S105で設定した閾値を超えているかをチェックする。ここで、閾値を超えている場合(S803―Y)は、そのロットについて誤計測が生じていると判定し、S804に進む。上記超えていない場合(S803−N)は、誤計測が生じていないと判定し、S804は実行しない。
(S804) そして、CD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値を、ロット内平均値(KL)(実測値)に代入する事によって、補正する。即ち、CD−SEM計測値(K1)を用いてスキャトロメトリ計測値(K2)(ロット計測値)を補正する。また、この際にCD−SEMの計測対象(本例では最初のウェハ(W1))についてはCD−SEM計測値(K1)からのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値を求める事ができるが、その他のウェハについては求める事ができない。そこで、その他のウェハについては、CD−SEMの計測対象のウェハについてのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値に加え、直前ロットLi−1のロット内傾向を用いる事でスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値を求める。すなわち、直前ロットLi−1のロット内傾向についての各ウェハとCD−SEMの計測対象のウェハの差分を、CD−SEMの計測対象のウェハについてのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値に加算する事で、全てのウェハのスキャトロメトリ計測値(K2)の予測値を求める。
<詳細>
以下、図9〜図16等を用いて、上述した実施の形態の更に詳しい内容として、本半導体デバイス製造方法等をエッチング工程(その制御)に適用した場合について説明する。
以下、図9〜図16等を用いて、上述した実施の形態の更に詳しい内容として、本半導体デバイス製造方法等をエッチング工程(その制御)に適用した場合について説明する。
[半導体デバイス製造方法]
図9は、半導体デバイスの製造におけるパターン転写方法を示し、基板ウェハ上の被エッチング膜に回路パターンを形成する方法を示している。
図9は、半導体デバイスの製造におけるパターン転写方法を示し、基板ウェハ上の被エッチング膜に回路パターンを形成する方法を示している。
まず、ホトリソグラフィ工程(S901〜S903)において、ウェハ上の感光性樹脂であるホトレジスト膜(レジスト膜)91に回路パターン92を転写する。この際、まず、レジスト塗布処理(S901)として、レジスト膜91をウェハ(下地膜93、被エッチング膜94)上に塗布する。aはホトレジスト寸法を示す。次に、露光処理(S902)として、露光装置を用いて回路パターン92の光学像をレジスト膜91に転写する。その後、現像処理(S903)で、レジストパターン(回路パターン92)を形成する。
エッチング工程(エッチング処理(S906)、レジスト除去処理(S907))では、上記のホトリソグラフィ工程で形成したレジストパターン(回路パターン92)をマスクとして、ウェハ上の被エッチング膜94に回路パターンを形成する。また、被エッチング膜が多層の場合、当該エッチング処理を複数に分けて行うこともある。その際、レジストパターンだけでなく、事前にエッチングされた被エッチング膜を次回のエッチング時のマスクとすることもある。bは、完成寸法を示す。
同図9に示すように、転写パターンの寸法バラツキの原因は、大きく、ホトリソグラフィ工程とエッチング工程とに分離される。それぞれのホトリソグラフィ工程とエッチング工程において、転写パターンの寸法管理が行われている。
本実施の形態では、エッチング工程における寸法管理を実現するために、本発明を適用した例を説明する。
[エッチング工程の制御]
図10は、本半導体デバイス製造方法を図9のエッチング工程(その制御)に適用した場合の製造工程(制御例)の処理フローを示す。製造工程(加工工程)として、ホトリソグラフィ工程及びエッチング工程を含んでいる。制御対象工程が、エッチング工程(エッチング処理S906)である。
図10は、本半導体デバイス製造方法を図9のエッチング工程(その制御)に適用した場合の製造工程(制御例)の処理フローを示す。製造工程(加工工程)として、ホトリソグラフィ工程及びエッチング工程を含んでいる。制御対象工程が、エッチング工程(エッチング処理S906)である。
(S1001,S1002) ホトリソグラフィ工程の現像工程(S903)の後、ホトレジスト寸法を、スキャトロメトリとCD−SEMのそれぞれで計測する。これにより各計測値(K1,K2)1001を得る。
(S1003) そして、スキャトロメトリで計測したホトレジスト寸法に誤計測が無いかどうか検出し、検出された場合は補正する。この処理済みの値を計測値1004とする。
(S1004) そして、フィードフォワード計算S1004として、上記補正されたホトレジスト寸法(計測値1004)から、標準の制御パラメータでエッチングを行った際の完成寸法を予測する。この予測は、事前に作成したホトレジスト寸法からの完成寸法の予測モデルに基づいて行う。この予測モデルは、回帰分析等の統計的手法により行う。本例では、下記のモデル(式)により行う。即ち、[完成寸法(予測)]=[a0]+[a1]×[ホトレジスト寸法]。ここで、a0,a1は、予め定めた係数である。
そして、ここで計算された予測完成寸法([完成寸法(予測)])は、FF変動量1005として、制御パラメータ計算S1005の入力となる。また、目標量1007も入力される。
次の制御パラメータ計算S1005においても、制御パラメータの変動と、エッチング後の完成寸法を制御モデルにより関係付ける。本例では、エッチングにおいて、エッチング処理を行う時間であるエッチング時間を長くすれば、完成寸法は細くなるという関係がある事から、エッチング時間の変動量と完成寸法の変動量とに次の関係が成り立つとする。即ち、[Δ完成寸法]=[b1]×[Δエッチング時間]。ここで、Δ完成寸法は、完成寸法の変動量、Δエッチング時間は、エッチング時間の変動、b1は、予め定めた正の係数である。
ここから、制御パラメータであるエッチング時間は、次の式により求められる。即ち、[エッチング時間]=[標準エッチング時間]+([完成寸法の目標値]−[完成寸法(予測)])/[b1]。ここで算出したエッチング時間は、設定値1008として、エッチング工程(エッチング処理S906)に送られ、そのエッチング時間の長さだけエッチング処理が行われる。この制御されたエッチング時間によって処理する事で、完成寸法をより目標値1007に近い寸法に処理する事が可能となる。
ここで、上記のエッチング時間の式を変形すると、次の式になる。即ち、[エッチング時間]=[標準エッチング時間]+([完成寸法の目標値]−([a0]+[a1]×[ホトレジスト寸法]))/[b1]。よって、より適切なエッチング時間を求めるためには、より正確なホトレジスト寸法を誤計測検出・補正S1003により求める必要がある。
誤計測検出・補正S1003は、前記図5〜図8に示すフローに基づき、各単位別に行われる。
[サイト単位の処理]
図11は、図6のフローに従い、あるロットのあるウェハについて、サイト単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
図11は、図6のフローに従い、あるロットのあるウェハについて、サイト単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
まず、S601に従い、検出・補正の対象のロットに関し、ホトレジスト寸法のCD−SEM計測値(K1)について面内傾向(A1)を計算する。次に、S602に従い、検出・補正の対象のウェハについて、ホトレジスト寸法のスキャトロメトリ計測値(K2)について面内傾向(A2)を計算する。そして、S603に従い、CD−SEMとスキャトロメトリについて面内傾向(A1,A2)の差分を計算する。
図11(a)に、上記S603の処理に関する模式構成(数値例)を示す。図11(a)は、横軸にサイト番号(例:サイトs1〜s9)を示し、縦軸にホトレジスト寸法の面内傾向(A1,A2)の値をプロットしている。なお本例では、サイトs1を面内傾向の基準(0)とし、そのs1の基準値に対する各サイト(s2〜s9)の差分値(オフセット)を、面内傾向(A1,A2)の値としている。ここで、1101の点(四角)と線で示すスキャトロメトリ計測値(K2)(その面内傾向:A2)のデータ系列と、1102の点(三角)と線で示すCD−SEM計測値(K1)(その面内傾向:A1)のデータ系列との差分を確認すると、例えばサイト番号2,3,9のサイト(s2,s3,s9)において大きい事がわかる。a,b,cはそれらの差分を示す。これは、CD−SEM計測値(K1)とスキャトロメトリ計測値(K2)が大きく異なっている事を示している。
そこで、S604に従い、前記S105で設定した閾値と、面内傾向の絶対値とを比較する。その結果、サイトs2,s3,s9は例えば閾値を超えている。その事から、サイトs2,s3,s9におけるスキャトロメトリ計測値(K2)を、誤計測として判定する。そして、S605に従い、上記誤計測と判定したサイトについて、スキャトロメトリ計測値(K2)による面内傾向(A2)へ、CD−SEM計測値(K1)による面内傾向(A1)を代入する事により、当該値を補正する。
図11(b)には、上記補正が完了した結果を示す。即ち、1103は、補正されたスキャトロメトリ計測値(K2’)(その面内傾向:A2’)を示す。
図12に、本補正の効果について示す。図12(a)は、補正前のスキャトロメトリ計測値(K2)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。横軸にサイト(s1〜s9)、縦軸に完成寸法の面内傾向を示している。1201で示す、サイトs2,s3,s9のプロットにおいて、面内傾向の絶対値が他のサイトの値と比べて大きく異なっており、面内バラツキが大きくなっていることが分かる。
図12(b)は、補正後のスキャトロメトリ計測値(K2’)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。1202で示す、面内傾向が補正されたサイトs2,s3,s9のプロットにおいて、面内傾向の絶対値が、図12(a)と比較して0(望ましい値)に近付いており、面内バラツキが抑制された事が分かる。
これは、補正前は、サイトs2,s3,s9において、スキャトロメトリで誤計測した値によって制御していたために、完成寸法が0から大きくバラツキがあったのに対し、補正後は、スキャトロメトリの誤計測が補正により改善された値によって制御しているため、バラツキが低減された事による。
[ウェハ単位の処理]
図13は、図7のフローに従い、あるロットについて、ウェハ単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
図13は、図7のフローに従い、あるロットについて、ウェハ単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
まず、S701に従い、誤計測検出・補正の対象のロットについて、ウェハ内平均値(KW)を計算する。次に、S702,S703に従い、当該ロット及び直前ロットの各ロット内傾向(B2)を計算する。そして、S704に従い、当該ロットと直前ロットとのロット内傾向(B2)の差分を計算する。
図13(a)に、S704の処理の模式構成(数値例)を示す。図13(a)は、横軸にウェハの着工順番(ないしウェハ番号(例えばウェハW1〜W12))を示し、縦軸にホトレジスト寸法のロット内傾向(B2)をプロットしている。
ここで、1301で示す当該ロット(Li)のデータ系列の値と、1302で示す直前ロット(Li−1)のデータ系列の値との差分を確認すると、着工順番が“3”,“12”の箇所(W3,W12)において大きい事がわかる。a,bはそれらの差分を示す。
そこで、S705に従い、前記S105で設定した閾値と、ロット内傾向(B2)の絶対値とを比較する。その結果、上記a,bの箇所では閾値を超えている事から、当該箇所における計測値(K2)を、誤計測として判定する。そして、S706に従い、誤計測と判定したウェハについて直前ロット(Li−1)のロット内傾向(B2)を、当該ロット(Li)のロット内傾向(B2)に代入する事によって、補正する。
図13(b)には、上記補正が完了した結果を示す。即ち、1303は、当該ロット(Li)に関する補正されたロット内傾向(B2’)を示す。
図14に、本補正の効果について示す。図14(a)は、補正前のスキャトロメトリ計測値(K2)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。横軸に着工順番(ウェハ)、縦軸に完成寸法のロット内傾向(B2)を示している。1401で示す、着工順番3,12の箇所(ウェハW3,W12)のプロットにおいて、ロット内傾向(B2)の絶対値が、他のウェハと比べて大きく異なっており、ロット内バラツキが大きくなっていることが分かる。
図14(b)は、補正後のスキャトロメトリ計測値(K2’)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。1402で示す、ロット内傾向が補正された箇所(W3,W12)のプロットにおいて、ロット内傾向(B2)の絶対値が、図14(a)と比較して0(望ましい値)に近付いており、面内バラツキが抑制された事が分かる。
これは、補正前は、上記箇所(W3,W12)において、スキャトロメトリで誤計測した値によって制御していたために、完成寸法が0から大きくバラツキがあったのに対し、補正後は、スキャトロメトリの誤計測が改善された値によって制御しているため、バラツキが低減された事による。
[ロット単位の処理]
図15は、図8のフローに従い、あるロットについて、ロット単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
図15は、図8のフローに従い、あるロットについて、ロット単位の誤計測検出・補正を行った例を示している。
まず、S801に従い、誤計測検出・補正の対象のロットについて、ホトレジスト寸法のロット内平均値(KL)を計算する。次に、S802に従い、スキャトロメトリの計測値(実測値)と予測値について、残差を計算する。
図15に、S802の処理の模式構成(数値例)を示す。図15(a)は、横軸にCD−SEM計測値(K1)、縦軸にスキャトロメトリ計測値(K2)をプロットしている。ここで、グラフ上の1501で示す直線は、スキャトロメトリ計測値(K2)の予測式を表している。そして、1502は、(補正前の)誤計測検出・補正の対象のロット(その計測値)のプロットを示す。1502以外のプロットは、1501を導くのに用いた計測値であり、参考としてプロットしてある。
ここで、当該ロットの計測値(1502)と、予測式(1501)との残差(aで示す)を求めると、他のプロットよりも大きい事が分かる。そこで、S803に従い、前記S105で設定した閾値と、残差の絶対値とを比較する。その結果、当該ロットは、閾値を超えている事から、当該ロットを誤計測として判定する。そして、S804に従い、誤計測と判定したロットについて、CD−SEM計測値(K1)と予測式(1501)から求められる予測値を、正常値として、当該ロットのスキャトロメトリのロット内平均値(KL)に代入する事によって、補正する。
図15(b)に、上記補正が完了した結果(1503のプロット(群))を示す。
図16に、本補正の効果を示す。図16(a)は、補正前のスキャトロメトリ計測値(K2)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。横軸は、各ロットの着工順番(ないしロット番号等)、縦軸は、完成寸法の目標値との差分を示している。ここで、1601は、誤計測検出・補正の対象のロット(その値)のプロットであり、補正前の計測値で制御を行ったプロットであり、他のロットについては、参考値としてプロットしている。1601のロットは、完成寸法が他のロットと比べて目標値から大きく外れており、即ちバラツキがある事が分かる。
図16(b)は、補正後のスキャトロメトリ計測値(K2’)によりエッチング時間の制御を行った結果を示している。1602で示す、補正後の計測値で制御を行ったロットのプロットにおいて、完成寸法が、図16(a)と比較して目標値に近付いており、即ちバラツキが抑制された事が分かる。
[半導体デバイス製造システム]
次に、図17は、本発明の一実施の形態の製造システム(半導体デバイスの製造システム)の全体のブロック構成を示す。本製造システムは、前述した実施の形態の方法(図2、図10等)に従って、半導体デバイス(ロット等)の製造(エッチング工程等)を制御する。
次に、図17は、本発明の一実施の形態の製造システム(半導体デバイスの製造システム)の全体のブロック構成を示す。本製造システムは、前述した実施の形態の方法(図2、図10等)に従って、半導体デバイス(ロット等)の製造(エッチング工程等)を制御する。
本製造システムは、工程制御処理部1、計測装置(群)4、加工装置(群)5、搬送ライン6、端末17等を有する構成である。工程制御処理部1は、本特徴的な制御部であり、データ演算処理部3、及びデータベース(DB)部2等から成る。計測装置(群)4は、膜厚計測装置、スキャトロメトリ、及びCD−SEMなどの各種1台以上の複数の計測装置から成る。加工装置(群)5は、露光装置、及びエッチング装置などの各種1台以上の複数の加工装置(製造装置)から成る。計測装置(群)4の各装置、及び加工装置(群)5の各装置は、搬送ライン6と接続されている。ウェハ(複数ロット及び各ロットを構成する複数ウェハ)は、この搬送ライン6上を例えば送制御に従って搬送(移動)される事によって所定の順序で所定の装置に対して着工・回収等がされ、当該装置(5,4)で所定の処理(加工や計測等)が行われる。例えばロット内の複数ウェハは所定の順序に従って連続的に処理される。また、製造装置5での加工処理の実施に応じて、所定の寸法等の計測処理が計測装置4で実施される。
DB部2は、制御パラメータ実績DB7、計測値DB8、製造仕様DB9、制御モデルDB10、及び誤計測検出・補正DB11を含む構成である。
制御パラメータ実績DB7は、半導体デバイスの種類(製品)、工程、装置(製造装置)などの情報と、ロット・ウエハ・サイト等の各単位の番号等の情報と、それら各単位に対応した制御パラメータ値の情報と、を含むデータが収納される。
計測値DB8は、製品、工程、製造装置などの情報と、ロット・ウエハ・サイト等の情報と、各単位に対応した計測値(CD−SEM計測値(K1)、スキャトロメトリ計測値(K2)、膜厚など)の情報と、を含むデータが蓄積される。
製造仕様DB9は、製品、工程などの情報と、これらに対応した半導体デバイスの規格(スキャトロメトリで計測した場合の寸法の目標値など)などの情報と、を含むデータが登録されている。
制御モデルDB10は、製品、工程等の情報と、これらに対応した、フィードフォワード処理(例えば前記S212)に用いる寸法予測式などの情報と、フィードバック処理(例えば前記S214)に用いる経時変動推定式などの情報と、制御パラメータ計算(例えば前記S213)に用いる寸法制御式などの情報と、を含むデータが登録されている。
誤計測検出・補正DB11は、製品、工程などの情報と、これらに対応した、スキャトロメトリ計測値予測式などの情報と、差分・残差について誤計測と判定するための閾値などの情報と、過去に計算した過去ロットのロット内傾向などの情報と、を含むデータが登録されている。
データ演算処理部3は、入出力処理部12、フィードフォワード(FF)処理部13、フィードバック(FB)処理部14、制御パラメータ計算部15、及び誤計測検出・補正部16、等を有する構成である。これらの構成要素(13〜16)は、入出力処理部12を通じて、DB部2、計測装置(群)4、及び加工装置(群)5等と、データのやりとり等が可能である。また、入出力処理部12には端末17が接続されている。端末17から、ユーザにより、例えば、誤計測検出・補正DB11の差分・残差閾値情報を設定する事ができる。
誤計測検出・補正部16は、入出力処理部12を介して、計測値(K1,K2を含む)が収集された際、誤計測検出・補正DB11からスキャトロメトリ計測値の予測式、差分・残差閾値、及び過去ロットのロット内傾向、等の情報を呼び出し、誤計測の検出の処理を行う。そして誤計測が検出された場合は、補正の処理を行い、その補正後の計測値などの情報を、計測値DB8に登録する。
上記登録がされたら、FF処理部13が、制御モデルDB10から、寸法予測式などの情報を呼び出し、計測値DB8から、上記登録された計測値などの情報を読み込み、FF変動量を計算する(前記S212等)。
次に、FB処理部14が、制御モデルDB10から、経時変動推定式などの情報を呼び出し、計測値DB8から、過去のスキャトロメトリ計測値などの情報を読み込み、FB変動量を計算する(前記S214等)。
そして、制御パラメータ計算部15が、上記のFF変動量、FB変動量、及び、製造仕様DB9から呼び出した寸法目標値などの情報に基づいて、制御パラメータを計算し、その値を制御パラメータ実績DB7に登録する(前記S213等)。
そして、上記の登録された制御パラメータは、入出力処理部12を介して、加工装置(群)5に送信され、設定(適用)される。
[表示例]
図18は、端末17における画面表示例である。端末17は、本システム(工程制御処理部)に対するユーザによる閾値の設定などを含む入出力操作のインタフェース(例えばGUI)を持つコンピュータ等である。本例では、端末17の画面に、誤計測検出・補正DB11に格納されている情報に基づき、製品名称、工程、種類(s,W,L等の単位)などと、それらに対応した、誤計測とみなす差分/残差などに関する閾値と、を含む情報が一覧できる表が表示される。この表の情報をユーザが編集する事により、任意の閾値を、誤計測検出・補正DB11に登録する事が可能である。その他、ユーザにより設定変更等が可能な各種の閾値や、処理対象の単位、数などの情報についても同様に編集・設定することができる。
図18は、端末17における画面表示例である。端末17は、本システム(工程制御処理部)に対するユーザによる閾値の設定などを含む入出力操作のインタフェース(例えばGUI)を持つコンピュータ等である。本例では、端末17の画面に、誤計測検出・補正DB11に格納されている情報に基づき、製品名称、工程、種類(s,W,L等の単位)などと、それらに対応した、誤計測とみなす差分/残差などに関する閾値と、を含む情報が一覧できる表が表示される。この表の情報をユーザが編集する事により、任意の閾値を、誤計測検出・補正DB11に登録する事が可能である。その他、ユーザにより設定変更等が可能な各種の閾値や、処理対象の単位、数などの情報についても同様に編集・設定することができる。
<効果等>
上述した実施の形態に関する効果や補足等について説明する。実施の形態によれば、以下のような効果が得られる。半導体デバイスの製造工程の制御等において、従来技術では、制御の基準となる半導体デバイス形状をスキャトロメトリで計測した際に誤計測が発生し、その誤った計測値によって製造工程の処理条件を誤制御してしまうことで、回路パターンの寸法バラツキ等を発生させる事があった。それに対し、本実施の形態によれば、上記誤計測を検出し補正する事を可能としており、これによって、製造工程の処理条件の誤制御を低減できる。即ち、製造工程の好適な制御を実現でき、回路パターンの寸法バラツキ等を低減する事ができる。この結果、半導体デバイスの動作特性を向上させ、かつ半導体デバイスの歩留まりを向上させる。
上述した実施の形態に関する効果や補足等について説明する。実施の形態によれば、以下のような効果が得られる。半導体デバイスの製造工程の制御等において、従来技術では、制御の基準となる半導体デバイス形状をスキャトロメトリで計測した際に誤計測が発生し、その誤った計測値によって製造工程の処理条件を誤制御してしまうことで、回路パターンの寸法バラツキ等を発生させる事があった。それに対し、本実施の形態によれば、上記誤計測を検出し補正する事を可能としており、これによって、製造工程の処理条件の誤制御を低減できる。即ち、製造工程の好適な制御を実現でき、回路パターンの寸法バラツキ等を低減する事ができる。この結果、半導体デバイスの動作特性を向上させ、かつ半導体デバイスの歩留まりを向上させる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、CD−SEMやスキャトロメトリ以外でも、前述の関係(図19等)を満たすような他の計測手段を適用可能である。
本発明は、特に、製造途中のウェハ形状を計測しその計測値に基づいて製造工程の制御を行う半導体デバイスの製造方法及び製造システム等に適用して有効である。
1…工程制御処理部、2…データベース部、3…データ演算処理部、4…計測装置(群)、5…加工装置(群)、6…搬送ライン、7…制御パラメータ実績DB、8…計測値DB、9…製造仕様DB、10…制御モデルDB、11…誤計測検出・補正DB、12…入出力処理部、13…フィードフォワード(FF)処理部、14…フィードバック(FB)処理部、15…制御パラメータ計算部、16…誤計測検出・補正部、17…端末、201〜204,209,210,1001,1004…計測値、205,1005…FF変動量、206…FB変動量、207,1007…目標値、208,1008…設定値、301…ウェハ、302…ロット、303…サイト。
Claims (17)
- 半導体デバイスを製造するための複数の処理工程と、当該処理工程の結果を計測するための1つ以上の計測工程と、を含み、コンピュータの情報処理を用いて前記半導体デバイスの製造を制御する、半導体デバイス製造方法であって、
前記半導体デバイスのロット、当該ロットを構成する複数のウェハ、及び当該ウェハに含まれる複数のサイトのうち少なくとも1つの単位を計測対象とし、
前記複数の処理工程のうち少なくとも1つを制御対象とし、
前記計測工程での計測対象の計測で第1の計測手段と第2の計測手段を併用し、
前記第1の計測手段による計測点と前記第2の計測手段による計測点とで同じ計測点を有し、
前記計測工程での前記第1の計測手段による第1の計測値と、前記計測工程での前記第2の計測手段による第2の計測値とを収集する第1の処理ステップと、
前記計測対象の単位における、複数の計測点に関して、前記第1の計測手段による第1の計測値と、前記第2の計測手段による第2の計測値とを用いて、誤計測を検出する第2の処理ステップと、
上記検出した誤計測に該当する計測値を、前記第1及び第2の計測値を用いて、補正する第3の処理ステップと、
上記補正した計測値に基づき、前記制御対象の処理工程の処理条件に関する設定値ないし制御パラメータを計算し、当該計算した値に基づき、当該処理工程の処理条件を変更する、第4の処理ステップと、を有すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第1の計測手段として、走査電子顕微鏡を用い、
前記第2の計測手段として、スキャトロメトリを用いること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第3の処理ステップでは、前記第1の計測値を前記第2の計測値に代入することにより前記第2の計測値を補正すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第1の計測手段による計測対象は、前記ロットの複数ウェハのうちの一部とし、前記第2の計測手段による計測対象は、前記ロットの複数ウェハのうちの全部とすること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第2の処理ステップは、
前記ロット内のウェハ内の複数の計測点に関して、前記第1と第2の計測値を用いて、計測点単位またはサイト単位での誤計測を検出する処理ステップと、
前記ロット内の複数の各ウェハの前記第2の計測値の平均値を用いて、ウェハ単位での誤計測を検出する処理ステップと、
前記ロットの前記第2の計測値の平均値と、前記ロットの前記第1の計測値の平均値とを用いて、ロット単位での誤計測を検出する処理ステップと、を有し、
前記第3の処理ステップは、上記検出した各単位ごとに、前記第1及び第2の計測値を用いて、補正する処理を行うこと、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第2の処理ステップは、前記ロット内のウェハ内の複数の計測点に関して、前記第1と第2の計測値を用いて、計測点単位またはサイト単位での誤計測を検出する処理ステップを有し、
上記サイト単位の検出の処理ステップでは、前記ウェハ面内の複数のサイトまたは計測点における計測値の傾向を計算した値について、前記第1と第2の計測値の間で比較し、当該比較における差分値が、所定の閾値を超える場合、該当の計測点を、前記第2の計測手段による誤計測として検出すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項6記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第3の処理ステップでは、前記第1の計測値について前記傾向を計算した値を用いて、前記第2の計測値を補正すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第2の処理ステップは、前記ロット内の複数の各ウェハの前記第2の計測値の平均値を用いて、ウェハ単位での誤計測を検出する処理ステップを有し、
上記ウェハ単位の検出の処理ステップでは、ロット間でのロット内の計測値の傾向を計算した値について、第1のロット内の各ウェハの前記第2の計測値の平均値と、当該第1のロットに対する隣接する過去の第2のロット内の各ウェハの前記第2の計測値の平均値との間で比較し、当該比較おける差分値が、所定の閾値を超える場合、該当のロット内のウェハの計測点を、誤計測として検出すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項8記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第3の処理ステップでは、前記第2のロット内の各ウェハの前記第2の計測値の平均値について、前記傾向を計算した値を用いて、前記第2の計測値を補正すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第2の処理ステップは、前記ロットの前記第2の計測値の平均値と、前記ロットの前記第1の計測値の平均値とを用いて、ロット単位での誤計測を検出する処理ステップを有し、
上記ロット単位の検出の処理ステップでは、前記ロットの前記第2の計測値の平均値と、前記ロットの前記第1の計測値の平均値と、前記第1と第2の計測値の相関関係を表す予測式ないし回帰式に基づいて、前記ロット単位の誤計測を検出すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項10記載の半導体デバイス製造方法において、
前記第3の処理ステップでは、前記第1の計測値から前記予測式ないし回帰式により前記第2の計測値を予測した値を用いて、前記第2の計測値を補正すること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項5記載の半導体デバイス製造方法において、
前記サイト単位の誤計測の検出及び補正の処理、前記ウェハ単位の誤計測の検出及び補正の処理、前記ロット単位の誤計測の検出及び補正の処理の順序で、前記サイト単位の処理結果を用いて前記ウェハ単位の検出及び補正の処理を行い、前記ウェハ単位の処理結果を用いて前記ロット単位の検出及び補正の処理を行うこと、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項1記載の半導体デバイス製造方法において、
前記複数の処理工程は、ホトリソグラフィ工程と、エッチング工程と、を含み、
前記ホトリソグラフィ工程の後の半導体デバイスの寸法を前記計測対象とし、
前記エッチング工程を前記制御対象とすること、を特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 半導体デバイスを製造するための複数の処理工程を実行する複数の加工装置と、当該処理工程の結果を計測するための1つ以上の計測工程を実行する1つ以上の計測装置と、を含み、コンピュータの情報処理を用いて前記半導体デバイスの製造を制御する、半導体デバイス製造システムであって、
前記半導体デバイスのロット、当該ロットを構成する複数のウェハ、及び当該ウェハに含まれる複数のサイトのうち少なくとも1つの単位を計測対象とし、
前記複数の処理工程のうち少なくとも1つを制御対象とし、
前記計測工程での計測対象の計測で第1の計測装置と第2の計測装置を併用し、
前記第1の計測装置による計測点と前記第2の計測装置による計測点とで同じ計測点を有し、
前記計測工程での前記第1の計測装置による第1の計測値と、前記計測工程での前記第2の計測装置による第2の計測値とを収集する第1の処理と、
前記計測対象の単位における、複数の計測点に関して、前記第1の計測装置による第1の計測値と、前記第2の計測装置による第2の計測値とを用いて、誤計測を検出する第2の処理と、
上記検出した誤計測に該当する計測値を、前記第1及び第2の計測値を用いて、補正する第3の処理と、
上記補正した計測値に基づき、前記制御対象の処理工程の処理条件に関する設定値ないし制御パラメータを計算し、当該計算した値に基づき、当該処理工程の処理条件を変更する第4の処理と、を行う制御処理部を有すること、を特徴とする半導体デバイス製造システム。 - 請求項14記載の半導体デバイス製造システムにおいて、
前記第1の計測装置として、走査電子顕微鏡を用い、
前記第2の計測装置として、スキャトロメトリを用いること、を特徴とする半導体デバイス製造システム。 - 請求項14記載の半導体デバイス製造システムにおいて、
前記制御処理部は、
前記第2の処理では、
前記ロット内のウェハ内の複数の計測点に関して、前記第1と第2の計測値を用いて、計測点単位またはサイト単位での誤計測を検出する処理と、
前記ロット内の複数の各ウェハの前記第2の計測値の平均値を用いて、ウェハ単位での誤計測を検出する処理と、
前記ロットの前記第2の計測値の平均値と、前記ロットの前記第1の計測値の平均値とを用いて、ロット単位での誤計測を検出する処理と、を行い、
前記第3の処理では、上記検出した各単位ごとに、前記第1及び第2の計測値を用いて、補正する処理を行うこと、を特徴とする半導体デバイス製造システム。 - 請求項14記載の半導体デバイス製造システムにおいて、
前記制御処理部は、
前記処理工程の加工装置の処理条件の設定値ないし制御パラメータを登録する第1の記憶手段と、
前記第1と第2の計測値を収集し格納する第2の記憶手段と、
前記処理工程における製造仕様を格納する第3の記憶手段と、
前記第2の計測値と前記製造仕様を用いて前記制御パラメータを算出するための制御モデルを登録する第4の記憶手段と、
前記第2の計測値について誤計測の検出を判定するために用いる閾値を格納する第5の記憶手段と、を有し、
前記制御処理部は、前記第1及び第2の計測値と前記閾値とを用いて、前記第2の計測値について誤計測を検出して補正し、当該補正後の第2の計測値と前記制御モデルを用いて前記設定値ないし制御パラメータを計算し前記処理工程の加工装置に反映する処理を行うこと、を特徴とする半導体デバイス製造システム。
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