JP2008177534A - 半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システム - Google Patents

半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】APC制御やメンテナンスに起因しないQC値の変動要因を抽出し、半導体製造工程における異常原因の特定が可能な半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムを提供すること。
【解決手段】半導体製造装置の管理システム100は、半導体製造装置2により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値とユーザインターフェース8から出力された制御信号とに基づいて、QC値の変動を含むQC値変動期間を設定し、QC値変動期間の前後における、半導体製造装置2のメンテナンス、またはAPC設定値の変更を、イベントして検索する。この検索されたイベント間に解析期間を設定し、解析期間中のQC値と半導体製造装置2をモニタして得られたEESパラメータとに関して相関解析を行い、算出された相関係数と相関解析したEESパラメータとを対応付けて、QC値の変動要因を抽出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェーハに処理を施し半導体集積回路等を製造する半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムに関する。
半導体製造工程においては、プロセスの目的変数がある目標値に保たれることが求められる。
例えば、薄膜の積層工程においては、膜厚がレシピ等に定められた目標値になることが必要である。
また、例えば、露光工程においては、寸法値が設計値に対して許容範囲以内であることが求められる。
しかし、半導体製造工程で用いられる製造装置は、様々な外乱により、プロセスの結果である目的変数に変動が生じることがある。
例えば、露光工程においては、露光量が照明光学系の状態や、回路パターンを転写するレチクルの状態によって変動する。その露光量の変動が寸法の変動となって顕在化することがある。
このようなプロセスの目的変数の変動が発生すると、半導体集積回路を構成する素子が所望の動作をしない。したがって、不良製品として半導体製造工程の歩留りを低下させることになる。
半導体製造工程においては、QC(Quality Control:品質管理)値と呼ばれる、プロセスの目的変数のモニタリングが行われている場合がある。このモニタリングにより、工程途中の物理量(QC値)が測定される。
例えば、露光工程においては、レジストの寸法や、その後の加工工程を経て形成された素子の仕上り寸法が測定される。
一方、EES(Equipment Engineering System:装置エンジニアリングシステム)データと呼ばれる半導体製造装置の内部状態は、様々なセンサ等によりモニタリングされる。
例えば、露光工程で用いられる露光装置では、露光量、フォーカス値、現像液温度など、数百種類のEESパラメータが取得される。
従来は、既述のQC値とEESパラメータの値との相関解析を行うことにより、QC値を変動させている装置側の要因を、EESパラメータから特定していた(例えば、特許文献1参照。)。
近年、プロセスの目的変数を一定に保つために、目的変数の値に基づいて製造装置の状態を制御するAPC(Advanced Process Control:先端プロセス制御)が行われている。
例えば、露光工程においては、QC値として測定されているレジスト寸法値に基づいて、レジスト寸法値が一定になるように露光装置の露光量を制御する。露光量とレジスト寸法には線形に近い関係が存在する。このため、レジスト寸法が大きくなり過ぎる傾向がQC値から検知されれば、逆にレジスト寸法を小さくするよう露光量の設定を変更する。
また、EESパラメータに基づいて、ある不良状態の発生を検知するFDC(Fault Detect Classification:不良検知分類)が実施される。このFDCは、EESパラメータ群がある範囲の値を取ったとき、その装置で予め設定した不良状態が発生していると推測する。FDCを行うには、EESパラメータから不良を検知するためのモデル(FDCモデル)を作成しておく必要がある。
ここで、半導体製造装置は、その状態を正常に保つため様々なメンテナンス作業が行われる。例えば、真空チャンバーのクリーニングや、装置各部の調整などである。メンテナンス作業が行われると、装置が正常な状態になるが、EESパラメータの急激な変動を引き起こすことがある。
上述のように、QC値の変動が検知されその変動の要因をEESパラメータから特定する場合に、解析対象期間中にAPC制御やメンテナンスが行われると、EESパラメータから真の変動要因を抽出できないという問題があった。
また、APC制御やメンテナンスにより装置の状態が変わると、以前と同じFDCモデルを適用することができないという問題があった。すなわち、APC制御やメンテナンスにより装置状態が変化した場合に、装置状態の変化前と同じFDCモデルを適用すると、異常の誤検出または見逃し等を引き起こす可能性があった。
特開2005-197323号公報
本発明は、APC制御やメンテナンスに起因しないQC値の変動要因を抽出し、半導体製造工程における異常原因の特定が可能な半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムを提供することを目的とする。また、APC制御やメンテナンスにより装置状態が変化した場合にも、FDCモデル等の異常検出基準を用いた適切な異常検出の実施が可能な半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る半導体製造装置の管理システムは、
半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部と、
前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部と、
前記半導体製造装置のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部と、
前記QC値および前記EESパラメータに基づいて、前記QC値を制御するために前記EESパラメータの値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部と、
前記APC設定値を格納するAPC設定値格納部と、
前記QC値の変動を含むQC値変動期間を設定するQC値変動期間設定部と、
前記メンテナンス情報格納部および前記APC設定値格納部から、前記QC値変動期間の前後における、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記APC設定値の変更を、イベントとして検索するイベント情報検索部と、
検索された前記イベント間に、前記QC値の変動要因を解析するための解析期間を設定する解析期間設定部と、
前記解析期間中に得られた前記QC値と前記EESパラメータとに関して相関性を定量的に算出するための統計解析を行い、算出された相関性に基づいて前記QC値の変動要因を抽出する変動要因抽出部と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る半導体製造装置の管理システムは、
半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部と、
前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部と、
前記半導体製造装置のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部と、
前記QC値および前記EESパラメータに基づいて、前記QC値を制御するために前記EESパラメータの値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部と、
前記APC設定値を格納するAPC設定値格納部と、
前記EESパラメータの値を監視し、監視されたEESパラメータの値と前記半導体製造装置の異常を判定するための異常検出基準とに基づいて、前記半導体製造装置の異常を検出する装置異常検出部と、
前記メンテナンス情報格納部および前記APC設定値格納部から、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記APC設定値の変更を、イベントとして取得するイベント情報取得部と、
前記イベント情報取得部で取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連するか否かを判定するイベント情報判定部と、
前記イベント情報取得部で取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連すると判定された場合に、前記異常検出基準の更新指示を出力可能な更新指示部と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る半導体製造装置の管理方法は、
半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値に対して、前記QC値の変動を含むQC値変動期間を設定するQC値変動期間設定ステップと、
前記QC値変動期間の前後における、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記QC値を制御するために前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータの値を補正するAPC設定値の変更を、イベントとして検索するイベント情報検索ステップと、
検索された前記イベント間に、前記QC値の変動要因を解析するための解析期間を設定する解析期間設定ステップと、
前記解析期間中に得られた前記QC値と前記EESパラメータの値とに関して相関性を定量的に算出するための統計解析を行い、算出された相関性に基づいて前記QC値の変動要因を抽出する変動要因抽出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る半導体製造装置の管理方法は、
半導体製造装置のメンテナンス、または、前記半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を制御するために前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータの値を補正するAPC設定値の変更を、イベントとして取得するイベント情報取得ステップと、
取得された前記イベントが、前記EESパラメータの値と前記半導体製造装置の異常を判定するための異常検出基準とに基づいて前記半導体製造装置の異常を検出する装置異常検出部により監視されたEESパラメータと、関連するか否かを判定するイベント情報判定ステップと、
取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視された前記EESパラメータと関連すると判定した場合に、前記異常検出基準の更新指示を出力する更新指示ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムによれば、APC制御やメンテナンス等のイベント起因ではないQC値の変動要因の抽出が可能となり、半導体製造工程における不良状態等の異常検出が可能となる。
また、本発明の他の態様に係る半導体製造装置の管理方法、および半導体製造装置の管理システムによれば、APC制御やメンテナンス等のイベントによる装置状態の変化に追従した異常検出基準を適用することができる。
この発明は、半導体製造工程において、APCによりプロセスの目的変数が一定に保たれている系において、APC制御やメンテナンス情報をイベント情報として取得する。
そして、該イベント情報をトリガとして、イベントとイベントとの間の期間で製造装置の変動要因抽出、またはFDCモデルの更新を行うものである。
なお、以下の各実施の形態においては、半導体集積回路の製造工程として、露光工程に適用した場合について説明するが、他の製造工程についても同様に適用することができる。
以下、発明を適用した各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
この実施の形態は、APC制御された半導体製造装置から、APC制御情報あるいはメンテナンス情報等のイベント情報を取得し、QC値の変動要因解析期間をイベント発生時刻に基づいて設定するものである。また、該イベント発生をトリガとしてFDCモデルの更新を行う。
既述のように本実施の形態では、半導体製造工程のうち、トランジスタのゲートの露光工程を例に述べる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体製造装置の管理システムおよびクリーンルームを含む構成を示すブロック図である。
図1に示すように、雰囲気が管理されたクリーンルーム1内には、前の工程(例えば、レジスト塗布工程)から搬送されたウェーハを処理(ここでは、例えばレジストの露光処理)する半導体製造装置(例えば、露光装置)2と、露光処理されたウェーハのQC値(ここでは、例えば、露光後におけるゲート部分のレジスト寸法)を測定するQC値測定装置3と、が設けられている。
QC値測定装置3には、例えば、測長SEM(Scanning Electron Microscope)が用いられる。
なお、QC値測定装置3によりQC値が測定されたウェーハは、後の工程(例えば、エッチング工程)に搬送される。
また、図1に示すように、APCにより制御された半導体製造装置の管理システム100は、半導体製造装置2で処理されたウェーハを特定するための生産管理情報を格納する生産管理情報格納部としての生産管理情報データベース4と、半導体製造装置2により処理された複数のウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部としてのQC値データベース5と、半導体製造装置2をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部としてのEESパラメータデータベース6と、半導体製造装置2のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部としてのメンテナンス情報データベース7と、を備える。
なお、各データベース5、6、7には、データ収集サーバ(図示せず)を介してデータが入力されるようになっている。
ここで、生産管理情報は、現在どのようなロット(ウェーハ)が半導体製造装置2で処理されているかを特定するための生産管理上の情報である。この生産管理情報は、例えば、ロット(ウェーハ)番号、品種名、工程名、処理日時等の情報を含む。
また、トランジスタのゲートの露光工程では、例えば、露光後におけるゲート部分のレジスト寸法(被処理寸法)がQC値として測定されている。
また、EESパラメータは、半導体製造装置2の各部に取り付けられたセンサ(図示せず)等で取得される様々な情報が含まれており、半導体製造装置2の内部状態を示す。例えば、実露光量、フォーカス追従性、同期精度、チャンバー温度、チャンバー圧力、座標軸傾きなど、約200種類のEESパラメータが取得される。
また、メンテナンス情報は、技術者が製造装置のメンテナンス作業を行ったことを示す履歴情報であり、作業対象装置、作業時刻、作業内容等が含まれている。
さらに、半導体製造装置の管理システム100は、情報を表示し、ユーザ(技術者)の操作に応じて制御信号を出力するユーザインターフェース8と、生産管理情報、QC値の分布、およびEESパラメータに基づいて、QC値を制御するためにEESパラメータの値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部としてのAPC設定装置9と、を備える。
QC値データベース5に格納されたQC値は、ユーザインターフェース8を介して、例えば、時系列グラフとしてディスプレイ等に表示される。
APC設定装置9は、EESパラメータとして例えば露光処理時の実露光量の値を取得し、例えば過去5ロット分のQC値に基づいて次の処理ロットのQC値を予測する。そして、APC設定装置9は、この予測に基づいて、レジスト寸法が所望の値になるよう露光量(EESパラメータ)の補正値(APC設定値)を算出する。そして、APC設定装置9は、この算出された露光量の補正値を、次のロットの露光処理時の露光量として露光装置である半導体製造装置2に出力する。なお、APC設定値の算出においては、例えば、予め測定された実露光量とレジスト寸法との関係をテーブル化したデータを用いる。
さらに、半導体製造装置の管理システム100は、APC設定装置9により生成されたAPC設定値を格納するAPC設定値格納部としてのAPC設定値データベース10と、ユーザインターフェース8からの制御信号の入力に応じて、情報を出力するコンピュータ(CPU)11と、を備える。なお、各データベース4,5,6,7,10は、例えば磁気ディスク等により構成される。
コンピュータ11は、QC値とユーザインターフェース8から出力された制御信号とに基づいて、QC値の変動を含むQC値変動期間を設定するQC値変動期間設定部11aと、メンテナンス情報データベース7およびAPC設定値データベース10から、QC値変動期間の前後における、半導体製造装置2のメンテナンス、またはAPC設定値の変更を、イベントとして検索するイベント情報検索部11bと、を有する。換言すれば、半導体製造装置の管理システム100は、QC値変動期間設定部11aと、イベント情報検索部11bと、を有し、これらはCPUの機能により実現される。
イベント情報としては、APC設定装置9が設定値を変更した時刻、およびメンテナンス作業が行われた時刻が含まれる。
また、コンピュータ11は、さらに、検索されたQC値変動期間前後のイベント間に、解析期間を設定する解析期間設定部11cと、該解析期間中のQC値とEESパラメータとに関して相関解析を行い、算出された相関係数と相関解析したEESパラメータとを対応付けてユーザインターフェース8に出力し表示させる変動要因抽出部11dと、を有する。なお、上記と同様に、解析期間設定部11cおよび変動要因抽出部11dは、CPUの機能により実現される。
ここで、以上の構成を有する半導体製造装置の管理システム100の動作について説明する。
図2は、図1の半導体製造装置の管理システム100を用いた、半導体製造装置の管理方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、コンピュータ11のQC値変動期間設定部11aは、半導体製造装置2により処理された複数のウェーハを測定して得られたQC値とユーザインターフェース8から出力された制御信号とに基づいて、QC値の変動を含むQC値変動期間を設定する(ステップS1)。
次に、コンピュータ11のイベント情報検索部11bは、メンテナンス情報データベース7およびAPC設定値データベース10から、QC値変動期間の前後における、半導体製造装置2のメンテナンス情報、またはQC値を制御するため半導体製造装置2をモニタして得られたEESパラメータの値を補正するAPC設定値の変更情報を、イベント情報として検索する(ステップS2)。なお、QC値変動期間の前後におけるイベントとは、QC値変動期間前におけるイベントのうちQC値変動期間に直近のイベントと、QC値変動期間後におけるイベントのうちQC値変動期間に直近のイベントとを意味する。
次に、コンピュータ11の解析期間設定部11cは、検索されたQC値変動期間の前後におけるイベント間に、QC値変動期間を含むようにして、相関解析を行う期間である解析期間を設定する(ステップS3)。
次に、コンピュータ11の変動要因抽出部11dは、該解析期間中に得られたQC値とEESパラメータとに関して相関解析を行う。これにより、算出された相関係数が基準値以上のEESパラメータをQC値の変動要因として特定することができる(ステップS4)。
そして、変動要因抽出部11dは、算出された相関係数と相関解析した該EESパラメータとをユーザインターフェース8に出力し表示させる(ステップS5)。すなわち、変動要因抽出部11dは、ユーザインターフェース8にQC値変動要因抽出結果を表示させる。これにより、ユーザは、ユーザインターフェース8の表示を見ることで、QC値変動要因を知得することができる。
さらに、コンピュータ11は、イベント情報検索部11bにより該解析期間中に該EESパラメータに関連するイベント情報があるか否かを判断する(ステップS6)。
そして、関連するイベント情報がある場合には、コンピュータ11は、このイベント情報をQC値変動要因に関連するイベント情報として、ユーザインターフェース8に出力し表示させて(ステップS7)、フローを終了する。
一方、ステップS6で、関連するイベント情報がない場合には、フローを終了する。
本実施の形態に係る半導体製造装置の管理方法では、以上のフローにより、イベント起因でない真のQC値変動要因を抽出することができる。
次に、既述の半導体製造装置の管理方法を具体的に適用した一例について説明する。
図3−1は、露光処理時刻とQC値であるレジスト寸法との関係を示す図である。また、図3−2は、露光処理時刻と設定されたAPC設定値である露光量との関係を示す図である。また、図3−3は、露光処理時刻とメンテナンス履歴との関係を示す図である。
なお、図3−1において、レジスト寸法はゲートの露光工程で処理されたゲートのレジスト輻の測定値(1ウェーハあたり、5ポイントを選択して測定し、その平均値をプロットする。)である。また、図3−1においては、1点が1ウェーハを表しており、各露光処理時刻に測定した各レジスト寸法を露光処理順に横軸に並べてプロットし結んでいる。この図3−1の内容は、例えば、QC値データベース5の出力に基づいて、ユーザインターフェース8に表示される。
図3−1において、100nmが所望のレジスト寸法であり、95nmから105nmが許容されるレジスト寸法の範囲である。
しかし、図3−1の時刻t1を境にレジスト寸法が増大し、許容範囲を超えていることが分かる。
そのため、APC設定装置9は、図3−1の時刻t2で、レジスト寸法(QC値)が増大変化したことから次の処理ロットでも同様にレジスト寸法が増大すると予測し、このレジスト寸法を所望の値に制御するため、露光量(EESパラメータ)を引き上げて補正した(すなわち、APC設定値を設定した。)(図3−2)。その結果、レジスト寸法値は所望の値、すなわち上記許容範囲内、に制御された。
その後、図3−1の時刻t3の時点で、技術者(ユーザ)によるメンテナンス作業が実施された。技術者は、露光装置である半導体製造装置2のフォーカス系の調整作業を行った(図3−3)。この作業により、フォーカス値が変動し、レジスト寸法の値が細くなった。
この傾向が5ロット以上継続した図3−1の時刻t4で、APC設定装置9は、レジスト寸法を所望の値の中央(100nm)に制御するため、APC設定値である露光量の設定を引き下げた。その結果、レジスト寸法は所望の値に制御された。
トランジスタのゲートの寸法は、素子特性に大きな影響を及ぼすため、このようにレジスト寸法は所望の値に維持されることが望ましい。
ここで、図3−1の時刻t1から時刻t2にかけての寸法変化がなぜ起きたか検討する。
そこで、上記寸法変化と関係のあるEESパラメータを抽出する作業を実施する。この抽出されたEESパラメータの項目名より、寸法変動を起こした露光装置の不具合箇所を特定することができる。
本実施の形態では、既述のように、変動要因の抽出に相関解析を用いた。レジスト寸法(QC値)と各EESパラメータとの相関係数Rを次式で求める。
Figure 2008177534
本実施の形態では、ウェーハ毎の平均値(5ポイント測定)を用いる。(1)式において、xはi番目のウェーハのEESパラメータの値、yはi番目のウェーハのQC値、μはxの平均値、μはyの平均値、nは全ウェーハ数である。すなわち、x、yはウェーハ毎の平均値であり、μ、μはn個のウェーハについての平均値である。
本実施の形態では、(1)式により求められた相関係数が例えば0.6以上になるEESパラメータを、レジスト寸法(QC値)の変動と関係あるEESパラメータとして抽出する。
ここで、相関解析では、解析期間の設定が重要になる。
すなわち、全期間にわたる相関解析では、各時期によって寸法値と相関性の強いEESパラメータが異なるため、変動要因の抽出が困難である。
例えば、図3−1の時刻t2と時刻t4では、APC設定装置9が制御した露光量が、時刻t3では、メンテナンス作業で変化したフォーカス値が相関性の強いEESパラメータとなる。
しかし、全期間に対し共通して寸法値と相関性のあるEESパラメータはない。このため、全期間に対する相関解析では、EESパラメータは要因として抽出されない。
そこで、本実施の形態の変動要因抽出では、ユーザがユーザインターフェース8に表示された図3−1のレジスト寸法の時系列変化より、解析対象とする変化を指定する(図2のステップS1)。
例えば、ユーザが、図3−1の時刻t1から時刻t2の寸法増大を指定する。すると、コンピュータ11は、ユーザが指定した寸法変動期間の前後に対し、イベント情報を検索する(図2のステップS2)。既述のように、イベント情報としては、APC設定装置9が設定値を変更した時刻、およびメンテナンス作業が行われた時刻が含まれる。
この場合、図3−1の時刻t0と時刻t2の時点でAPC設定装置9が設定値を変更していたことが抽出される。すると、コンピュータ11は、抽出されたイベントとイベントとの間で解析期間を設定する(図2のステップS3)。このように解析期間は、寸法変動期間の前後における直近のイベント間に設定される。また、解析期間は、抽出されたイベントを含まない範囲で、できるだけ広い範囲となるように設定することが相関解析を行う上で好ましい。
そして、コンピュータ11は、設定された解析期間でQC値とEESパラメータの値を各データベースより取得し、(1)式の相関係数を算出する (図2のステップS4)。
ここで、図4は、ユーザインターフェース8を介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報の一例を示す図である。また、図5は、ユーザインターフェース8を介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報の別の一例を示す図である。また、図6は、ユーザインターフェース8を介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報のさらに別の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザインターフェース8にQC値変動要因抽出結果が表示され、同期精度Yが相関係数0.85と最も高く、該当解析期間の寸法変動原因であると特定される(図2のステップS5)。
このように、ユーザは、前後のイベントが自動検索された解析期間が設定されていることより、イベント起因でない真の変動要因を見出し、製造装置の改善を行うことができる。
一方、ユーザが図3−1の時刻t2や時刻t3の変動を指定した場合、QC値変動期間前後のイベントが検索され上記と同様に相関解析が実行される。
例えば、図3−1の時刻t2の変動を途中に含み、時刻t1と時刻t3を含まない期間をユーザが指定する。この場合、図3−2に示すように、イベントとして時刻t0と時刻t2のAPC設定の変更、および時刻t3のメンテナンス実施が検索され、解析期間は、時刻t0と時刻t3との間に設定される。
この場合、図5に示すように、ユーザインターフェース8にQC値変動要因抽出結果が表示され、解析期間中に存在したイベント情報として時刻t2のイベント情報が合わせて併記される。このとき、例えば、イベント情報とEESパラメータとの関連付けがなされたテーブル(図示せず)を用意し、例えば「APC設定値変更」イベントには露光量に関係(影響)するEESパラメータ名が関連付けられているとする。コンピュータ11の変動要因抽出部11dは、このテーブルを用いて、イベント情報と該EESパラメータとの関連が存在すればユーザインターフェース8に表示させる(図2のステップS6、7)。
また、ユーザが、図3−1の時刻t3のQC値の変動を指定した場合も同様に、時刻t3のイベント情報であるフォーカス系のメンテナンス情報が、図6のように表示される。
このように、図5、6のようなイベント情報が併記された形で結果が表示されると、ユーザは、抽出されたイベントによる既知の寸法変動であることを把握できる。
なお、上記で述べたQC値の変動期間は、自動的に抽出してもよい。例えば、予めしきい値を設定し、しきい値以上のQC値変動が発生した期間をQC値変動期間として自動抽出してもよい。この場合、QC値変動期間設定部11aは、ユーザインターフェース8から出力された制御信号によらずに、自動的にQC値変動期間を抽出する。
以上のように、本実施の形態によれば、QC値の変動要因をEESパラメータから解析する際、QC値変動期間の前後におけるイベント情報を自動的に検索し、検索されたイベント間に解析期間を設定することにより、イベント起因でない真のQC値変動要因を抽出することができる。また、QC値変動期間中にイベントが発生していた場合には、イベントとEESパラメータとの関連を調べることで、QC値の変動要因をイベント起因であると特定することができる。このように、APC制御やメンテナンス等のイベントに応じて、半導体製造工程における異常検出を行うことができる。
なお、本実施の形態では、QC値とEESパラメータの値とに関して、例えば(1)式に示した相関係数を利用し、この相関係数の計算結果に基づいてQC値の変動要因を特定している。しかしながら、このような相関解析に限定されず、QC値の変動とEESパラメータとの相関性を定量的に算出することが可能であれば、その他の統計解析または統計的手法を用いることもできる。例えば、PLS(Partial Least Square)解析、主成分分析等を用いてもよい。また、本実施の形態では、変動要因となるEESパラメータ抽出方法として、単変量の相関解析を用いている。すなわち、QC値の変動が単一のEESパラメータに起因しているという仮定のもとに説明を行った。しかしながら、QC値の変動が、同時に複数のEESパラメータに起因する可能性もある。このような場合には、単変量解析の替わりに、多変量解析を用いることで、本実施の形態の構成を同様に適用することができる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態では、APC制御された半導体製造装置において、APC制御情報あるいはメンテナンス情報等のイベント情報を取得し、このイベント発生をトリガとしてFDCモデルの更新を行う構成について説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体製造装置の管理システムおよびクリーンルームを含む構成を示すブロック図である。なお、図7において第1の実施の形態と同様の符号を付された構成は、第1の実施の形態と同様の構成である。
図7に示すように、APCにより制御された半導体製造装置の管理システム200は、半導体製造装置2で処理されたウェーハを特定するための生産管理情報を格納する生産管理情報格納部としての生産管理情報データベース4と、半導体製造装置2により処理された複数のウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部としてのQC値データベース5と、半導体製造装置2をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部としてのEESパラメータデータベース6と、半導体製造装置2のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部としてのメンテナンス情報データベース7と、を備える。
なお、各データベース5、6、7には、第1の実施の形態と同様に、データ収集サーバ(図示せず)を介してデータが入力されるようになっている。
さらに、半導体製造装置の管理システム200は、情報を表示し、ユーザ(技術者)の操作に応じて制御信号を出力するユーザインターフェース8と、生産管理情報、QC値の分布、およびEESパラメータに基づいて、QC値を制御するためにEESパラメータ値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部としてのAPC設定装置9と、を備える。
さらに、半導体製造装置の管理システム200は、APC設定装置9により生成されたAPC設定値を格納するAPC設定値格納部としてのAPC設定値データベース10と、第1の装置異常検出部としての第1のFDCモデルユニット12と、第2の装置異常検出部としての第2のFDCモデルユニット13と、を備える。
第1のFDCモデルユニット12は、EESパラメータデータベース6に格納された第1のEESパラメータの値を監視し、半導体製造装置2の異常を判断するための第1の異常検出基準としての第1のFDCモデルに基づいて、半導体製造装置2の異常を検出し、この異常をユーザインターフェース8に出力し表示させるようになっている。
第2のFDCモデルユニット13は、EESパラメータデータベース6に格納された第2のEESパラメータの値を監視し、半導体製造装置2の異常を判断するための第2の異常検出基準としての第2のFDCモデルに基づいて、半導体製造装置2の異常を検出し、この異常をユーザインターフェース8に出力し表示させるようになっている。
すなわち、第1のFDCモデルユニット12および第2のFDCモデルユニット13は、それぞれ、生産管理情報、QC値情報、およびEESパラメータを用いて、入力されたEESパラメータがある特定の値、あるいは変化をした場合、予め不良であると設定された不良形態が製造装置において発生していると警告を発するものである。
例えば、半導体製造装置2がエッチング装置である場合において、エッチングプロセス中のチャンバー内の圧力変動が突発的な変化を示すと、ダストを発生させる不良が起きることが予め判明しているとする。この場合、例えば、第1のFDCモデルユニット12は、プロセス中のチャンバー内圧力変化を常時モニタリングし、その変化量がしきい値レベルを超えた場合、ダスト発生不良が起きていることを、ユーザインターフェース8に警告表示させる。
さらに、半導体製造装置の管理システム200は、第1のFDCモデルユニット12とそれが監視する第1のEESパラメータに関連(影響)するイベントとを関連付け、さらに第2のFDCモデルユニット13とそれが監視する第2のEESパラメータに関連(影響)するイベントとを関連付けたテーブル14と、ユーザインターフェース8に情報を出力するコンピュータ(CPU)211と、を備える。
コンピュータ211は、イベント情報取得部211aと、イベント情報判定部211bと、更新指示部211cと、を有する。換言すれば、半導体製造装置の管理システム200は、イベント情報取得部211aと、イベント情報判定部211bと、更新指示部211cと、を有し、これらはCPUの機能により実現される。
イベント情報取得部211aは、メンテナンス情報データベース7およびAPC設定値データベース10から、半導体製造装置2のメンテナンス情報、またはAPC設定値の変更情報を、イベント情報として取得するようになっている。
イベント情報判定部211bは、テーブル14を用いて、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視する第1のEESパラメータ)と関連するか、第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視する第2のEESパラメータ)と関連するか、またはそれ以外の場合かを判定するようになっている。
更新指示部211cは、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視する第1のEESパラメータ)と関連すると判定された場合に、第1の異常検出基準である第1のFDCモデルの更新指示をユーザインターフェース8に出力し表示させることができる。
また、更新指示部211cは、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視する第2のEESパラメータ)と関連すると判定された場合に、第2の異常検出基準である第2のFDCモデルの更新指示をユーザインターフェース8に出力し表示させることができる。
さらに、更新指示部211cは、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視するEESパラメータ)と関係すると判定された場合に、第1のFDCモデルユニット12に第1の異常検出基準である第1のFDCモデルの自動更新を指示することができる。
さらにまた、更新指示部211cは、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視するEESパラメータ)と関係すると判定された場合に、第2のFDCモデルユニット13に第2の異常検出基準である第2のFDCモデルの自動更新を指示することができる。
更新支持部211cが、第1のFDCモデルの更新指示をユーザインターフェース8に出力し表示させるか、または第1のFDCモデルの自動更新を第1のFDCモデルユニット12に指示するかは、例えば、第1のFDCモデルが監視する第1のEESパラメータの種別に応じて設定することができる。同様に、更新支持部211cが、第2のFDCモデルの更新指示をユーザインターフェース8に出力し表示させるか、または第2のFDCモデルユニット13に第2のFDCモデルの自動更新を指示するかは、例えば、第2のFDCモデルが監視する第2のEESパラメータの種別に応じて設定することができる。
ここで、以上の構成を有する半導体製造装置の管理システム200の動作について説明する。
図8は、図7の半導体製造装置の管理システム200を用いた、半導体製造装置の管理方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、先ず、コンピュータ211のイベント情報取得部211aが、メンテナンス情報データベース7およびAPC設定値データベース10から、半導体製造装置2のメンテナンス情報、または、APC設定値の変更情報を、イベント情報として取得する(ステップS21)。
次に、コンピュータ211のイベント情報判定部211bが、テーブル14を用いて、イベント情報取得部211aで取得されたイベント情報が、第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視する第1のEESパラメータ)、または第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視する第2のEESパラメータ)と関連するか否かを判定する(ステップS22)。
次に、コンピュータ211の更新指示部211cが、ステップS23で、取得されたイベント情報が、第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視する第1のEESパラメータ)、または第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視する第2のEESパラメータ)と関連すると判定した場合には、ステップS24で、関連すると判定されたFDCモデルユニットに応じて、第1または第2のFDCモデルを自動更新するか否かを判断する。
そして、自動更新する場合には、ステップS25に進み、更新指示部211cが、第1、または第2のFDCモデルの自動更新を、対応するFDCモデルユニットに対して行うとともに、自動更新指示を行ったことをユーザインターフェース8に出力し表示させ、フローを終了する。
一方、自動更新しない場合は、ステップS26に進み、更新指示部211cが、第1または第2のFDCモデルの手動更新指示をユーザインターフェース8に出力し表示させる。これにより、ユーザインターフェース8の表示を見たユーザは、FDCモデルの手動更新の必要性を認識し、必要に応じてFDCモデルを変更することができる。
また、コンピュータ211の更新指示部211cが、ステップS23で、取得されたイベントが、第1のFDCモデルユニット12(または、それが監視する第1のEESパラメータ)、および第2のFDCモデルユニット13(または、それが監視する第2のEESパラメータ)のいずれにも関連しないと判定した場合には、フローを終了する。
本実施の形態に係る半導体製造装置の管理方法では、以上のフローにより、異常検出基準(FDCモデル)の更新が必要なイベントが発生した場合、該当するFDCモデルを適切に更新し、誤報あるいは異常の見逃しを防ぐことができる。
次に、既述の半導体製造装置の管理方法を具体的に適用した一例について説明する。本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、トランジスタのゲートの露光工程への適用例について説明する。
ここで、図9は、ユーザインターフェース8を介して表示される、FDCモデルの異常検出状況の一例を示す図である。また、図10は、FDCモデルと関連するイベント情報の種別を含むテーブルの一例を示す図である。
ところで、第1の実施の形態の図4では、レジスト寸法異常の原因として、同期精度Yを特定している。したがって、図4で特定された同期精度Yによるレジスト寸法異常は、同期精度Yがある値を超えると寸法異常が起きる事例となっている。
そこで、露光工程おけるFDCモデルとして、第1のFDCモデルユニット12には、例えば、同期精度Yを常時監視させ、その値が設定されたしきい値を超えた場合「寸法異常発生」警告を発するアルゴリズムが組み込まれているものとする。
同様に、第2のFDCモデルユニット13には、フォーカス追従性パラメータの値がある値を下回った場合、寸法異常が生じることを検知するアルゴリズムが組み込まれているものとする。
第1のFDCモデルユニット12、または、第2のFDCモデルユニット13の異常検出状況は、ユーザインターフェース8を介して、ディスプレイ等に表示される(図9)。異常の度合いは、しきい値を超える度合いに応じて、例えば、正常範囲(Good)、要注意範囲、および異常範囲(Bad)、の3レベルに分けて表示されている。なお、図9では、正常範囲(Good)表示と異常範囲(Bad)表示との間の表示が要注意範囲に相当する。
ユーザは、ユーザインターフェース8を介して、第1のFDCモデルユニット12、または、第2のFDCモデルユニット13の警告を受けて、製造ラインを停止して調査、メンテナンスを実施するか判断する。あるいは、ユーザは、ユーザインターフェース8を介して、第1のFDCモデルユニット12、または、第2のFDCモデルユニット13の警告を受けて、自動的に製造ラインを停止させる場合もある。
ここで問題となるのは、メンテナンス等のイベント発生により半導体製造装置2の状態が変化した場合、異常検出基準(FDCモデル)の見直しが必要となることである。
例えば、同期精度による異常検出基準は、ウェーハステージとレチクルステージとの同期機構の調整を行った場合、見直しが必要になる。同様に、フォーカス追従性による異常検出基準は、フォーカス系の調整を行った場合、見直しが必要になる。
これらの見直しをせず該当する異常検出基準、すなわち、FDCモデルの使用を続けた場合、異常の誤検出や不良の見逃しが発生する恐れがある。
そこで、コンピュータ211は、イベント情報取得部211aにより半導体製造装置2に関するイベント情報を取得する(図8のステップS21)。イベント情報には、本実施の形態の露光装置の場合、露光量に関するAPC設定値の変更情報、および露光装置のメンテナンス情報が含まれる。
次に、コンピュータ211のイベント情報判定部211bは、イベント情報取得部211aによって取得されたイベント情報と、テーブル14を参照し、現在稼働しているFDCモデルユニット(または、それが監視するEESパラメータ、もしくは現在運用されている異常検出基準)に関連(影響)するイベントの発生有無を判断する(図8のステップS22、23)。
ここで、各FDCモデルユニット(EESパラメータ、または異常検出基準でもよい)に対し、関連するイベント情報の種別を、例えば、図10に示すようなテーブル情報としてテーブル14に記憶しておく。図10において、第1のFDCモデルユニット12は同期精度、第2のFDCモデルユニット13はフォーカスに関するイベントにそれぞれ関連していることを示す。
例えば、イベント情報取得部211aは、第1の実施の形態の図3の時刻t3の時点において、メンテナンス作業のイベントが発生したことを検知し、かつそれがフォーカス系の調整作業であることより、フォーカスに関連したイベントであると認識する。すると、イベント情報判定部211bは、図10のテーブルよりフォーカス追従性パラメータ(EESパラメータ)で寸法異常を検知している第2のFDCモデルユニット13が同イベントに該当していると判断する。
次に、イベント情報判定部211bの判定結果を受け、更新指示部211cが更新指示を出力する。出力方法の一つは、図9のユーザインターフェース8を介した画面において、該当する異常検出基準(FDCモデル)に更新が必要であることを表示する。この際、図10のテーブルを参照し、更新方法が手動と指定されたモデルの場合、更新指示部211cは、ユーザインターフェース8に「手動更新必要、停止中」と表示する。同時に、更新指示部211cは、該当するFDCモデルユニット(図示例では、第2のFDCモデルユニット13)に停止の指示を出す(図8のステップS26)。なお、図9では、第2のFDCモデルユニット13が停止中であることから、正常範囲(Good)、要注意範囲、異常範囲(Bad)のいずれにも表示がなされていない。
停止の指示を受けたFDCモデルユニットは、異常判定処理を中止する。ユーザは図9の表示を認識し、該当する異常検出基準(FDCモデル)を手動更新する。第1の実施の形態の図3の時刻t3のイベントの場合、フォーカス系メンテナンス後のフォーカス追従性パラメータ(EESパラメータ)の変動を調査し、寸法異常を検知するのに適切な判定条件を新たな異常検出基準(FDCモデル)として第2のFDCモデルユニット13に設定する。
一方、図10のテーブルで更新方法が自動になっている場合、図9の画面には「更新必要、自動更新中」の表示を出力し、該当するFDCモデルユニットに自動更新の指示を出す(図8のステップS24、25)。指示を受けたFDCモデルユニットは、予め組み込まれたアルゴリズムに従い、異常検出基準の更新を行う。
例えば、第1のFDCモデルユニット12は、更新の指示を受けた後、異常判定処理を中断し、例えば10ロット分のデータを用いて同期精度Yとレジスト寸法との関係から寸法異常を検知するのに適切なしきい値を自動設定(すなわち異常検出基準を自動更新)する。そして、第1のFDCモデルユニット12は、設定完了後、異常判定処理を再開する。
なお、更新指示部211cは、手動あるいは自動更新が完了すると、図9のユーザインターフェース8において、該当する更新状況表示を削除する。
このように、本実施の形態によれば、イベント情報を取得し、イベント発生に起因する装置状態の変化に対応して、異常検出基準(FDCモデル)の更新が必要な場合、該当する異常検出基準(FDCモデル)を適切に更新し、誤報、誤検出、あるいは異常の見逃しを防ぐことができる。
すなわち、本実施の形態において、イベント発生による装置状態の変化に追従した異常検出基準(FDCモデル)を効率的に運用することができる。したがって、APC制御やメンテナンスに応じて、異常検出を行うことができる。なお、本実施の形態においては、イベント発生による装置状態の変化に追従して異常検出基準(FDCモデル)を更新するようにしているので、第1の実施の形態と同様に、イベント間で更新が行われるようになっている。
なお、本実施の形態では、半導体製造装置の管理システム200にFDCモデルユニットを2つ設ける構成としたが(すなわち、第1のFDCモデルユニット12、および第2のFDCモデルユニット13を設けている。)、これに限定されず、監視するEESパラメータの個数に応じて複数個のFDCモデルユニットを設ける構成とすることもできる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を、図11から図14を参照して説明する。この実施の形態は、半導体製造工程を露光工程とした場合に、レジスト寸法値を変動させる露光装置パラメータを具体的に列挙し、それらを用いて異常検出基準としてのFDCモデルを構成するものである。ここで、露光装置パラメータは、第1および第2の実施の形態で説明したEESパラメータに相当する。
第1の実施の形態に記載のシステムを構築し、1年間運用を行った。その結果、レジスト寸法値を変動させる露光装置パラメータが複数抽出された。そして、これらの抽出されたパラメータ群に対し、レジスト寸法値との関係を調査した。
以下では、抽出された露光装置パラメータのうち、特に、同期精度と、ウェーハ直交度と、ショット(shot)倍率および現像工程払い出し遅れ時間と、について詳述し、さらに、同様にして抽出されたその他のパラメータも含めて露光装置パラメータをまとめて列挙する。なお、これらの露光装置パラメータとレジスト寸法値との相関性は、従来認識されておらず、第1の実施の形態に記載のシステムの運用を通じて具体的に認識されたものである。
抽出された露光装置パラメータの一例として、まず、同期精度について説明する。第1の実施の形態に記載のシステムを運用した結果、同期精度Y成分の標準偏差平均値と、配線層1層目の配線幅の変動との相関性が認められた。このパラメータは、ウェーハステージとレチクルステージとの追従(または同期)精度に関するもので、ウェーハステージ面に設定されたXY方向のうちY方向成分の同期精度に関するものである。また、このパラメータは、同期精度Y成分の標準偏差の平均値を表す。ここで、標準偏差の平均値の意味は、具体的には以下の通りである。すなわち、1つのウェーハに対する露光処理は実際には多数のショット処理からなるため、これら多数のショット処理を所定数のショット処理に分け、まず所定数のショット処理に対して同期精度Y成分の標準偏差を計算し、次に得られたこれらの標準偏差を当該ウェーハについて平均化したものである。
なお、以下では、同期精度のY方向成分について説明するが、X方向成分についても同様であり、同期精度X成分の標準偏差平均値も、抽出された露光装置パラメータである。
実際に運用した露光工程では、配線層1層目の配線幅の目標値は150nmであり、設計上の許容範囲は140nmから160nmである。図11は、同期精度Y成分の標準偏差平均値と、寸法変動量(絶対値)との関係を示した散布図である。ここで、寸法変動量(絶対値)は、上記配線幅の目標値からのずれ量の絶対値を表している。また、散布図の各点は各ウェーハを表している。図11に示すように、同期精度Y成分の標準偏差平均値の増大と共に寸法値の目標値からの乖離が大きくなり、5nmを超えたところで寸法変動量(絶対値)は10nmを超え、寸法値が設計上の許容範囲を超えることが分かった。
そこで、同期精度Y成分の標準偏差平均値が5nmを超えると警告を発する第3のFDCモデルを構成した。そして、第2の実施の形態に記載のシステムに、この第3のFDCモデルが組み込まれた第3のFDCモデルユニットを設ける構成とする。第3のFDCモデルは、同期精度Y成分の標準偏差平均値を入力として、配線層1層目の配線幅が目標値から10nm以上変動する恐れのある異常を検知する。同時に、検知に用いる露光装置のパラメータ(すなわち、同期精度Y成分の標準偏差平均値)の内容より、ウェーハステージおよびレチクルステージのメンテナンスを行うようオペレータに指示を出す。この際、例えば、図7におけるユーザインターフェース8を介してメンテナンス指示を表示し、これを見たオペレータは指示に従いメンテナンスを行うことができる。また、この第3のFDCモデルの関連イベント種(情報)として同期精度を登録しておく。
なお、第2の実施の形態においては、図10に示すように、同期精度に関係するFDCモデルとして第1のFDCモデルについて説明したが、本実施の形態では同期精度に関してより詳細な内容を説明するにあたり、第1のFDCモデルと区別して第3のFDCモデルを記載している。
続いて、抽出された露光装置パラメータの別の例として、ウェーハ直交度について説明する。第1の実施の形態に記載のシステムを運用した結果、ウェーハ直交度とゲート寸法との相関性が認められた。このパラメータは「合せずれ」に関するもので、ウェーハ座標の傾きを表している。本実施の形態では、ウェーハ直交度は、ショット単位に計測されたものを、ウェーハにおいて平均化した値である。
実際に運用した露光工程では、ゲート寸法値の目標値は100nmであり、設計上の許容範囲は95nmから105nmである。図12は、ウェーハ直交度と、寸法変動量(絶対値)との関係を示した散布図である。ここで、寸法変動量(絶対値)は、上記ゲート寸法値の目標値からのずれ量の絶対値を表している。また、散布図の各点は各ウェーハを表している。図12に示すように、ウェーハ直交度がゼロからプラス方向、またはマイナス方向に大きくなると、寸法値のずれ量が大きくなり、ウェーハ直交度の絶対値が0.1μrad(マイクロラジアン)を超えると寸法変動量(絶対値)は5nmを超え、ゲート寸法値の変動が設計上の許容範囲を超えることが分かった。
そこで、ウェーハ直交度の絶対値が0.1μradを超えると警告を発する第4のFDCモデルを構成した。そして、第2の実施の形態に記載のシステムに、この第4のFDCモデルが組み込まれた第4のFDCモデルユニットを設ける構成とする。第4のFDCモデルは、ウェーハ直交度を入力として、ゲート寸法が目標値から5nm以上変動する恐れのある異常を検知する。同時に、検知に用いる露光装置のパラメータ(すなわち、ウェーハ直交度)の内容より、ウェーハステージのメンテナンスを行うようオペレータに指示を出す。この際、例えば、図7におけるユーザインターフェース8を介してメンテナンス指示を表示し、これを見たオペレータは指示に従いメンテナンスを行うことができる。また、この第4のFDCモデルの関連イベント種(情報)として「合せ」を登録しておく。
さらに、抽出された露光装置パラメータの別の例として、ショット倍率および現像工程払い出し遅れ時間について説明する。第1の実施の形態に記載のシステムを運用した結果、ショット倍率および現像工程払い出し遅れ時間と、ゲート寸法値との相関性が認められた。ショット倍率は、露光処理時のレチクル像の相対的な拡大率を表すものである。また、現像工程払い出し遅れ時間は、露光処理が終了したウェーハに対するレジスト現像処理工程において、所定の現像処理が終了して実際にウェーハが現像ユニットから取り出されるまでの遅延時間を表す。なお、レジスト現像処理工程は露光処理工程と隣接する工程であり、各処理装置も一体的に設けられているため、ここでは広い意味で露光工程に含めて説明を行う。
ショット倍率および現像工程払い出し遅れ時間と寸法値変動との因果関係は明確ではないが、現像工程払い出し遅れ時間をX軸に、ショット倍率をY軸に取り、ゲート寸法の目標値からのずれ量の絶対値に対して等高線を描くと、図13の結果が得られた。図13では、ゲート寸法の目標値からのずれ量の絶対値を寸法変動として記載し、それぞれ、寸法変動=1nm、3nm、5nmの場合の曲線を図示している。この結果より、現像工程払い出し遅れ時間が10秒以上かつショット倍率が0.1ppm以上になると、ゲート寸法が設計上の許容範囲を超えることが分かった。
そこで、図13の等高線に従い、現像工程払い出し遅れ時間とショット倍率とから、ゲート寸法の目標値からのずれ量の絶対値を推定する2変数関数を構成した。さらに、この2変数関数を利用した第5のFDCモデルを構成し、ゲート寸法上の許容範囲から5nm以上の寸法変動を検知すると警告を発するようにした。そして、第2の実施の形態に記載のシステムに、この第5のFDCモデルが組み込まれた第5のFDCモデルユニットを設ける構成とする。上述のように、第5のFDCモデルは、ショット倍率と現像工程払い出し遅れ時間とを入力として、ゲート寸法が目標値から5nm以上変動する恐れのある異常を検知する。同時に、検知に用いる露光装置のパラメータ(すなわち、ショット倍率および現像工程払い出し遅れ時間)の内容より、光学系機構と現像ユニットのメンテナンスを行うようオペレータに指示を出す。この際、例えば、図7におけるユーザインターフェース8を介してメンテナンス指示を表示し、これを見たオペレータは指示に従いメンテナンスを行うことができる。また、第5のFDCモデルの関連イベント種(情報)として、「合せ」と、レジスト塗布、ベーキング、現像処理ユニットである「クリーントラック」とを登録しておく。
なお、第5のFDCモデルで用いた2変数関数として、例えば、マハラノビス距離等の多変量関数を用いてもよい。また、寸法変動に関係する露光装置パラメータ抽出方法として、第1の実施の形態では単変量の相関解析を用いているが、本実施の形態ではショット倍率と現像工程払い出し遅れ時間とからなる2変量の相関解析を用いている。なお、相関係数を用いた相関解析に限らず、PLS解析、主成分分析等を用いてもよい。
図14は、第3〜第5のFDCモデルを一覧にした図である。なお、第1の実施の形態のシステム(図1)を露光工程で運用した結果、レジスト寸法の変動要因となるその他の露光装置パラメータも得られた。第3〜第5のFDCモデルに関連する露光装置パラメータ、およびその他の抽出された露光装置パラメータをまとめると次のようになる。

(1)ウェーハステージとレチクルステージとの同期精度を表すパラメータ(同期精度、平均値、標準偏差)
(2)フォーカス位置の目標値と実測値との差異を表すパラメータ(フォーカス追従、平均値、標準偏差)
(3)チルト量の目標値と実測値との差異を表すパラメータ(Z軸傾き、平均値、標準偏差)
(4)アライメントに関するパラメータ(平行移動、回転、倍率、直交度)
(5)レジスト塗布、ベーキング、または現像に関するパラメータ(温度、流量、処理時間)

ここで、第3のFDCモデルは(1)に、ウェーハ直交度は(4)に、ショット倍率は(4)に、現像工程払い出し遅れ時間は(5)に、分類される。また、(1)において、パラメータの説明に補記された(同期精度、平均値、標準偏差)は、同期精度のみならず、その平均値、その標準偏差、その標準偏差平均値等がパラメータであることを意味する。これは、(2)、(3)についても同様である。(2)は、投影光学系のフォーカス位置についての追従性を表すパラメータである。(3)は、ウェーハステージ面に垂直なZ軸方向に対するチルト(傾き)量を表すパラメータであり、例えば光軸のチルト量を表す。(4)は、レチクルとウェーハとのアライメント(位置合わせ)に関するパラメータを表し、具体的には、平行移動、回転、倍率、直交度等を表す。(5)は、露光工程に関連する工程であるレジスト塗布、ベーキング、または現像における温度、流量、処理時間等のパラメータを表す。
これらの露光装置パラメータに関して、本実施の形態に示したように、レジスト寸法値との関係を調査し、レジスト寸法値が設計上の許容範囲を超える場合を検知するための検知ルールを求め、FDCモデルを構成した。
構成したFDCモデルには、本実施の形態で述べたように、関連するイベント種(情報)が登録されている。このFDCモデル群を第2の実施の形態のシステム(図7)に組み込むことで、モデルの更新が必要なイベントが発生すると、該当するFDCモデルの更新指示が自動的に出力される。
以上述べたように、本実施の形態によれば、レジスト寸法値を変動させる要因としての露光装置パラメータを抽出し、各抽出された露光装置パラメータに対して、レジスト寸法値が設計上の許容範囲を超える場合を検知する検知ルールを設定したFDCモデルを構成することで、レジスト寸法異常を検知し、その発生原因に応じたメンテナンス指示を自動的に出力することができる。なお、検知ルールとしては、例えば、レジスト寸法値が所望の値に収まるための各露光装置パラメータの管理値、または、単変量もしくは多変量の検知関数などを用いることができる。
露光処理において、レジスト寸法値を所望の値に安定させることは、半導体製品の歩留まり向上において重要である。従来、寸法値が変化した場合、露光量調整などの容易なパラメータで調整されていた。この場合、寸法を変動させた真の装置変動要因は改善されないまま放置されることになり、問題の再発等の不具合が生じていた。本実施の形態によれば、第1の実施の形態のシステムにより寸法を変動させる要因を抽出し、抽出された露光装置パラメータに関連するFDCモデルを第2の実施の形態のシステムに組み込んで運用することで、従来の問題点が解消され、レジスト寸法値を所望の値に安定させることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体製造装置の管理システムおよびクリーンルームを含む構成を示すブロック図である。 図1の半導体製造装置の管理システムを用いた、半導体製造装置の管理方法を示すフローチャートである。 露光処理時刻とQC値であるレジスト寸法との関係を示す図である。 露光処理時刻と設定されたAPC設定値である露光量との関係を示す図である。 露光処理時刻とメンテナンス履歴との関係を示す図である。 ユーザインターフェースを介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報の一例を示す図である。 ユーザインターフェースを介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報の別の一例を示す図である。 ユーザインターフェースを介して表示される、EESパラメータ、相関係数、関連イベント情報のさらに別の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体製造装置の管理システムおよびクリーンルームを含む構成を示すブロック図である。 図7の半導体製造装置の管理システムを用いた、半導体製造装置の管理方法を示すフローチャートである。 ユーザインターフェースを介して表示される、FDCモデルの異常検出状況の一例を示す図である。 FDCモデルと関連するイベント情報の種別を含むテーブルの一例を示す図である。 同期精度Y成分の標準偏差平均値と、寸法変動量(絶対値)との関係を示した散布図である。 ウェーハ直交度と、寸法変動量(絶対値)との関係を示した散布図である。 現像工程払い出し遅れ時間およびショット倍率と、寸法変動量(絶対値)との関係を示す図である。 第3の実施の形態に説明したFDCモデルの具体例を一覧にした図である。
符号の説明
1 クリーンルーム
2 半導体製造装置
3 QC値測定装置
4 生産管理情報データベース
5 QC値データベース
6 EESパラメータデータベース
7 メンテナンス情報データベース
8 ユーザインターフェース
9 APC設定装置
10 APC設定値データベース
11,211 コンピュータ(CPU)
11a QC値変動期間設定部
11b イベント情報検索部
11c 解析期間設定部
11d 変動要因抽出部
12 第1のFDCモデルユニット
13 第2のFDCモデルユニット
14 テーブル
100,200 半導体製造装置の管理システム
211a イベント情報取得部
211b イベント情報判定部
211c 更新指示部

Claims (7)

  1. 半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部と、
    前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部と、
    前記半導体製造装置のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部と、
    前記QC値および前記EESパラメータに基づいて、前記QC値を制御するために前記EESパラメータの値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部と、
    前記APC設定値を格納するAPC設定値格納部と、
    前記QC値の変動を含むQC値変動期間を設定するQC値変動期間設定部と、
    前記メンテナンス情報格納部および前記APC設定値格納部から、前記QC値変動期間の前後における、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記APC設定値の変更を、イベントとして検索するイベント情報検索部と、
    検索された前記イベント間に、前記QC値の変動要因を解析するための解析期間を設定する解析期間設定部と、
    前記解析期間中に得られた前記QC値と前記EESパラメータとに関して相関性を定量的に算出するための統計解析を行い、算出された相関性に基づいて前記QC値の変動要因を抽出する変動要因抽出部と、を備える
    ことを特徴とする半導体製造装置の管理システム。
  2. 半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値に対して、前記QC値の変動を含むQC値変動期間を設定するQC値変動期間設定ステップと、
    前記QC値変動期間の前後における、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記QC値を制御するために前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータの値を補正するAPC設定値の変更を、イベントとして検索するイベント情報検索ステップと、
    検索された前記イベント間に、前記QC値の変動要因を解析するための解析期間を設定する解析期間設定ステップと、
    前記解析期間中に得られた前記QC値と前記EESパラメータの値とに関して相関性を定量的に算出するための統計解析を行い、算出された相関性に基づいて前記QC値の変動要因を抽出する変動要因抽出ステップと、
    を含むことを特徴とする半導体製造装置の管理方法。
  3. 半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を格納するQC値格納部と、
    前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータを格納するEESパラメータ格納部と、
    前記半導体製造装置のメンテナンス履歴を格納するメンテナンス情報格納部と、
    前記QC値および前記EESパラメータに基づいて、前記QC値を制御するために前記EESパラメータの値を補正するAPC設定値を生成するAPC設定部と、
    前記APC設定値を格納するAPC設定値格納部と、
    前記EESパラメータの値を監視し、監視されたEESパラメータの値と前記半導体製造装置の異常を判定するための異常検出基準とに基づいて、前記半導体製造装置の異常を検出する装置異常検出部と、
    前記メンテナンス情報格納部および前記APC設定値格納部から、前記半導体製造装置のメンテナンス、または前記APC設定値の変更を、イベントとして取得するイベント情報取得部と、
    前記イベント情報取得部で取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連するか否かを判定するイベント情報判定部と、
    前記イベント情報取得部で取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連すると判定された場合に、前記異常検出基準の更新指示を出力可能な更新指示部と、を備える
    ことを特徴とする半導体製造装置の管理システム。
  4. 前記更新指示部は、前記イベント情報取得部で取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連すると判定された場合に、前記装置異常検出部に前記異常検出基準の自動更新を指示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体製造装置の管理システム。
  5. 前記半導体製造装置が露光装置の場合において、前記装置異常検出部の監視するEESパラメータは、下記(1)〜(4)に示すパラメータのいずれか、または任意の組み合せであって、
    (1)ウェーハステージとレチクルステージとの同期精度
    (2)ウェーハ直交度
    (3)ショット倍率
    (4)現像工程払い出し遅れ時間
    前記装置異常検出部は、それが監視しているEESパラメータについてのレジスト寸法値の異常検出基準に基づいて、前記レジスト寸法値の異常を検出した場合には、前記露光装置のメンテナンス指示を出力する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体製造装置の管理システム。
  6. 半導体製造装置のメンテナンス、または、前記半導体製造装置により処理されるウェーハの被処理寸法を測定して得られたQC値を制御するために前記半導体製造装置をモニタして得られたEESパラメータの値を補正するAPC設定値の変更を、イベントとして取得するイベント情報取得ステップと、
    取得された前記イベントが、前記EESパラメータの値と前記半導体製造装置の異常を判定するための異常検出基準とに基づいて前記半導体製造装置の異常を検出する装置異常検出部により監視されたEESパラメータと、関連するか否かを判定するイベント情報判定ステップと、
    取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視された前記EESパラメータと関連すると判定した場合に、前記異常検出基準の更新指示を出力する更新指示ステップと、
    を含むことを特徴とする半導体製造装置の管理方法。
  7. 前記更新指示ステップにおいて、取得された前記イベントが前記装置異常検出部により監視されたEESパラメータと関連すると判定された場合に、前記装置異常検出部に前記異常検出基準の自動更新を指示する
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装置の管理方法。
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