JP2011189711A - 処理液、インクセット及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機酸性化合物及び無機酸性化合物から選択される少なくとも1種の酸性化合物と、含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有し、25℃におけるpHが0.5〜2.0であって、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含むインク組成物中の分散粒子を凝集させる処理液。
【選択図】なし
Description
また、ヘッド部分を腐食させることなく、高品位の画像を形成できるとして、樹脂微粒子及びベンゾトリアゾールを含む、インク組成物を凝集させる処理液が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、本発明は、長期的に継続する画像形成において、耐傷性、ドット径安定性及び記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能で、かつ、塗布性に優れる処理液と、インク組成物とを含むインクセットを提供することを課題とする。
更に、本発明は、長期的に継続する画像形成において、耐傷性、ドット径安定性及び記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能な画像形成方法を提供することを課題とする。
<2> 前記有機酸性化合物が有機カルボン酸である<1>に記載の処理液。
<3> 前記有機酸性化合物と前記無機酸性化合物とを10:1〜1:10のモル比で含有する<1>又は<2>に記載の処理液。
<4> 前記有機カルボン酸が2価以上のカルボン酸である<2>又は<3>に記載の処理液。
<5> 前記酸性化合物を少なくとも2種含むと共に、前記酸性化合物の少なくとも1種は、カルシウム塩としたときの水100gへの溶解度(25℃)が0.1g以下であって、かつ、該酸性化合物の全酸性化合物質量に対する割合が1〜70質量%である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の処理液。
<7> 含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選ばれる少なくとも1種がベンゾトリアゾールである<1>〜<6>のいずれか1項に記載の処理液。
<8> 更に、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含有するインク組成物と、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の処理液と、を含むインクセット。
<9> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を有する画像形成方法。
<10> 前記処理液付与工程は前記処理液の付与をローラー塗布により行う<9>に記載の画像形成方法。
<11> 前記処理液付与工程後に、前記インク付与工程を有する<9>又は<10>に記載の画像形成方法。
また、本発明によれば、長期的に継続する画像形成において、耐傷性、ドット径安定性及び記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能で、かつ、塗布性に優れる処理液と、インク組成物とを含むインクセットを提供することができる。
更に、本発明によれば、長期的に継続する画像形成において、耐傷性、ドット径安定性、及び記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能な画像形成方法を提供することができる。
本発明の処理液は、有機酸性化合物及び無機酸性化合物から選択される少なくとも1種の酸性化合物(以下、単に「酸性化合物」ともいう。)と、含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「本発明の化合物」ともいう。)と、を含有し、25℃におけるpHが0.5〜2.0であって、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含むインク組成物中の分散粒子を凝集させる特徴を有する。
かかる構成の処理液を用いることで、長期的に継続する画像形成において、
塗布性に優れる処理液とすることができ、かつ、耐傷性、ドット径安定性及びインクジェット記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能となる。
本発明の処理液は、有機酸性化合物及び無機酸性化合物から選択される少なくとも1種の酸性化合物を含有する。
酸性化合物を含有することにより、インク組成物の凝集は進み、処理液の塗布面状の向上、作成された画像に発生するキズ発生の抑制、ドット均質性(特に、二次色ドット)、及び光沢ムラの抑制を抑制することができ、特に、処理液の塗布面状の向上、作成された画像に発生するキズ発生の抑制、ドット均質性(特に、二次色ドット)において顕著な効果を示す。
前記酸性化合物は、有機酸性化合物及び無機酸性化合物から選択されるが特に限定されることなく用いることができるが、中でも、凝集速度、キズ発生の抑制の観点から、有機酸性化合物を用いることが好ましい。
有機酸性化合物はインク組成物を凝集させることができる。
前記有機酸性化合物としては、少なくとも1種の酸性基を有する有機化合物であれば特に制限はない。前記酸性基としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、およびカルボキシル基等を挙げることができる。本発明において酸性基は、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基またはカルボキシル基であることが好ましく、カルボキシル基であることがより好ましい。
本発明における無機酸性化合物は、リン酸、硝酸、硫酸などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記無機酸性化合物の中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸が最も好ましい。
カルシウム塩の水への溶解度が0.1以下である酸性化合物を含有することがより好ましい。
1質量%未満であると光沢ムラの発生抑制効果が小さくなり、比率が70質量%を超えると、ドット均一性の観点から好ましくない。
本発明において、溶解度は、水100gに対して、25℃で溶解する酸性化合物の重量(g)である。カルシウム塩の水への溶解度が0.1g/100g以下の酸性化合物として以下のものが挙げられる。リン酸カルシウムの溶解度は0.0018、酒石酸カルシウムの溶解度は0.0023、クエン酸カルシウムの溶解度は0.085。この中で、酒石酸、リン酸が好ましく、リン酸が最も好ましい。
それ以外の有機酸カルシウムの溶解度として、マロン酸カルシウムの溶解度は0.35、DLリンゴ酸カルシウムの溶解度は0.92などが挙げられる。
本発明の処理液は、含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選択される少なくとも1種の化合物(以下、本発明の化合物ともいう。)を含有して構成され、耐擦性、記録媒体の搬送性の観点から、含窒素ヘテロ環化合物を含有することが好ましい。
含窒素ヘテロ環化合物の好ましい例は、含窒素5員環又は6員環構造が好ましく、中でも含窒素5員環が好ましい。
ヘテロ環としては、例えばテトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ペンタアザインデン環等があげられる。
即ち、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾインダゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、キノリン、ピリミジン、ピペリジン、ピペラジン、キノキサリン、モルホリンなどが挙げられ、これらは、上記記載のアルキル基、カルボキシル基、スルホ基、などの置換基を有してよい。
好ましい含窒素6員環化合物の具体例としては、トリアジン、メチルトリアジン、ジメチルトリアジン、ヒドロキシエチルトリアジン環、ピリミジン、4−メチルピリミジン、ピリジン、ピロリンがあげられる。
本発明における有機メルカプト化合物としては、アルキルメルカプト化合物や、アリールメルカプト化合物、ヘテロ環メルカプト化合物などが挙げられる。
アルキルメルカプト化合物としては、システインやチオリンゴ酸などが挙げられ、アリールメルカプト化合物としては、チオサリチル酸などが挙げられ、ヘテロ環メルカプト化合物としては、2−フェニル−1−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトピリミジン、2,4−ジメルカプトピリミジン、2−メルカプトピリジンなどが挙げられ、これらは、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、などの置換基を有してよい。
本発明の化合物の添加量は、特に限定されないが、好ましい添加量は、1リットル中、0.0001〜1.0molの濃度、好ましくは0.001〜0.5molの濃度、より好ましくは0.005〜0.5molの濃度、さらに好ましくは0.01〜0.5molの濃度、特に好ましくは0.01〜0.3molの濃度、最も好ましくは0.05〜0.3molの濃度である。0.0001mol以上の添加量であると本発明の効果が見られなくなることが無くなり、1.0mol以下とすると溶解し切れず析出が発生したりすることが無くなり好ましい。
本発明の処理液は、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。前記酸性化合物に対する水溶性有機溶剤の含有率は質量基準で0.15〜0.70であるが、0.20〜0.60であることが好ましく、0.25〜0.50であることがよりに好ましい。
有機酸性化合物に対する水溶性有機溶剤の含有率が前記範囲内であることで、ドット径安定性、耐傷性が良好になる。また処理液を塗布で付与する場合に、処理液の塗布性が良好になり、均一な塗布面状を得ることができる。
前記構成であることによりドット径安定性、耐傷性がより効果的に向上する。
本発明の処理液は、酸性化合物、本発明の化合物、および水溶性有機溶剤に加えて、その他の添加剤を含んで構成することができる。処理液におけるその他の添加剤としては、後述するインク組成物におけるその他の添加剤と同様である。
本発明の処理液は、界面活性剤の少なくとも1種を含んでもよい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。表面張力調整剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤であることが好ましい。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等も挙げられる。
処理液の表面張力は、例えば、界面活性剤を添加することで調整することができる。また処理液の表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、プレート法により25℃の条件下で測定されるものである。
処理液のpHが0.5未満であるとインク組成物の凝集速度が速すぎて、1次色と2次色のドット径均一性が悪化し、また、耐擦性が悪化する。また、2.0を超えると凝集速度が遅すぎて、ドットの合一が発生し粒状性が悪化する。
上記pHは特に0.5〜1.5が好ましい。
また処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、0.5〜10mPa・sの範囲が好ましく、1〜5mPa・sの範囲がより好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明のインクセットは、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含有するインク組成物と、本発明の処理液と、を含んで構成される。
本発明のインクセットは、前記インク組成物と本発明の処理液を含んで構成することにより、長期的に継続する画像形成において、耐傷性及びドット径安定性に優れ、かつ、画像形成後のインクジェット記録媒体の搬送性に優れた画像の形成が可能とすることができる。
本発明におけるインク組成物は、水、並びに色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含み、必要に応じて、水溶性有機溶剤、界面活性剤およびその他の添加剤を含んで構成することができる。
本発明におけるインク組成物は水を含有するが、含有する水の量には特に制限はない。本発明において水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、色材の少なくとも1種を含有する。前記色材は水不溶性色材であることが好ましい。水不溶性色材を含有することで、インク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
水不溶性色材とは、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材をいい、具体的には、25℃の水に溶解する量が0.5質量%以下であることをいう。
本発明においては、水不溶性の顔料自体、又は分散剤で表面処理された水不溶性の顔料を水不溶性色材として含有することができる。
これら顔料のうち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、カーボンブラック系顔料が好ましい。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
色材として顔料を含有する場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていることが好ましい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては、水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであれば特に制限はないが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基又はカルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
カチオン性基は、プラスの電荷を有するものであれば、特に制限はないが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンを含むカチオン性基であることがより好ましく、窒素を含むカチオン性基であることが更に好ましい。中でも、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることが特に好ましい。
ノニオン性基は、マイナス又はプラスの電荷を有しないものであれば、特に制限はなく、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、そのpKaは3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水=3:2(V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/Lに溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。
理論上、低分子分散剤のpKaが3以上であれば、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点から、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基が更に好ましい。
染料を保持した担体(水不溶性色材)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
更に、凝集性の観点から、後述するポリマー粒子(好ましくは自己分散性ポリマー粒子)の酸価に対して、ポリマー分散剤の酸価が大きいことが好ましい。
なお、色材の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定することにより求められるものである。
水不溶性色材は、1種単独で又は2種以上を組合わせて使用してもよい。
本発明におけるインク組成物は、水を溶媒として含むものであるが、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を更に含有することが好ましい。水溶性有機溶剤を含有することで、乾燥防止、浸透促進を図ることができる。水溶性有機溶剤を乾燥防止剤として用いる場合、インク組成物をインクジェット法で吐出して画像記録する際に、インク吐出口でのインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。
中でも、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。また、これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの水溶性有機溶剤は、インク組成物中に10〜50質量%含有されることが好ましい。
なお、水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明におけるインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられる。表面張力調整剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。本発明においては、凝集速度の観点から、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤であることが好ましく、アニオン性界面活性剤であることがより好ましい。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等も挙げられ、耐擦過性を良化することもできる。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含んで構成することができる。これにより形成される画像の耐傷性がより効果的に向上する。
本発明におけるポリマー粒子としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などのアニオン性基を有する樹脂の粒子が挙げられる。これらのうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1以上を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、インク組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
上記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
特に、酸価は、25以上であると自己分散性の安定性が良好になり、100以下であると凝集性が向上する。
また前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明においては、自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸 共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/30/30/5)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸 共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(62/35/3)
B−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(45/51/4)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(45/49/6)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(45/48/7)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(45/47/8)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(45/45/10)
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を更に含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物を調製後に直接添加してもよく、インク組成物の調製時に添加してもよい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定されるものである。
本発明の画像形成方法は、本発明の処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を有して構成される。
処理液付与工程は、インク組成物と接触したときに凝集体を形成可能な本発明の処理液を記録媒体上に付与する工程であって、インク組成物と処理液とを接触させて画像化する構成とすることができる。この場合、処理液が例えば顔料粒子を含有するインク組成物と接触したときには、インク組成物中の顔料粒子を含む分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。
処理液の詳細及び好ましい態様については、既述の通りである。
また、該塗布ローラーについては、特に限定されず、例えば、特開2009−61645号公報の図7に記載されている構造を有する液体塗布装置を用いて行うことができる。また、続く画像形成は、例えば、同公報の図1に記載されている構造を有する前記液体塗布装置を備えたインクジェット記録装置を用いて形成することができる。
インク付与工程は、既述のインク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成する。
処理液が付与された記録媒体上にインク組成物を付与する方法としては、特に限定されないが、中でも、印字機構が簡単で、騒音が発生しない等の利点を有する点で、インクジェット法が好ましい。
本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物の詳細については既述の通りである。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
ここで「処理液付与工程の後、0.1秒以上10秒以内に開始」とは、処理液の付与・乾燥終了から、最初のインク滴が記録媒体上に着滴するまでの時間が0.1秒以上10秒以内であることを意味する。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に画像を形成するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
〜インク組成物の調製〜
[顔料分散液の調製]
(ポリマー分散剤P−1の調製)
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加え窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥してポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)10部と、前記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1規定 NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した後、更に、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、8000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(シアン分散液)を得た。
シアン分散物の調製において、ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製)の代わりに、ピグメント・レッド122を用いた以外はシアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(マゼンタ分散液)を調製した。
シアン分散液の調製において、シアン顔料ピグメント・ブルー15:3の代わりに、イエロー顔料ピグメント・イエロー74を用いた以外は、シアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(イエロー分散液)を調製した。
シアン分散液の調製において、シアン顔料ピグメント・ブルー15:3の代わりに、カーボンブラック(デグッサ社製NIPEX160−IQ)を用いた以外は、シアン分散液の調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物(ブラック分散液)を調製した。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g、イソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は64000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))、酸価は38.9(mgKOH/g)であった。
次に、重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1mol/L NaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の自己分散性ポリマー微粒子(B−01)の水分散物(エマルジョン)を得た。
上記で得られた各色の顔料分散液、及び自己分散性ポリマー微粒子を用いて、下記表1に示したインク組成(固形分)になるように各成分を混合してそれぞれインク組成物を調製した。調製したインク組成物をプラスチック製ディスポーサブルシリンジにて、PVDF5μmフィルター(ミリポア社製Millex SV、直径25mm)で濾過して完成インク組成物とした。
各色インク組成物について、東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGを用いてpH(25℃)を測定した。また、協和界面科学(株)製 FASE Automatic Surface Tensionmeter CBVP−Zにて、25℃における表面張力を測定した。結果を表1に示す。
(処理液1)
以下の材料を混合して、処理液1を作成した。
・マロン酸 25g
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル 4g
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4g
・イオン交換水 全体で100gとなるように添加
処理液1の調製において、下記の表2に示す本発明の化合物を、0.1mol/L添加し、pHを表2のようにした以外は、処理液1と同様に行って処理液2〜9、1−1、1−2、1−4、1−5を調製した。
記録媒体としてA4サイズのOKトップコート(王子製紙(株)製)を用いて、上記のインク及び処理液を用いて、下記画像記録条件で画像を描画記録した。
尚、処理液付与工程の後、1秒以降にインク付与が開始されるようにした。
記録媒体へのインク描画の直前に表2に示す処理液を、塗布ローラーを用いて1.5g/m2になる様に媒体表面に塗設した。
該塗布ローラーは特開2009−61645号公報の図7に記載されている構造を有する装置を用い、また、インクジェット記録装置は同公報の図1に記載されている構造の装置を用いた。
−−処理液用乾燥条件(送風乾燥)−−
風速 :15m/s
温度 :記録媒体の表面温度が60℃となるように記録媒体記録面背面から接触型平面ヒーターで加熱した。
送風領域:450mm(乾燥時間0.7秒)
<打滴方式>
インク組成物として、上記で得られたシアン顔料インクC、マゼンタ顔料インクM、イエロー顔料インクY、黒色顔料インクKを用いて、下記の条件で、4色シングルパス画像形成を行った。
インクの各色の打滴順は、M−K−C−Yの順で行った。
処理液が付与された記録媒体上に下記条件で、インク組成物を付与した。
ヘッド :1,200dpi/20inch幅ピエゾフルラインヘッドを4色分配置した。
吐出液滴量:2.4pLの記録とした。
駆動周波数:30kHz(記録媒体搬送速度635mm/sec)
−−インク用乾燥条件(送風乾燥)−−
風速 :15m/s
温度 :記録媒体の表面温度が60℃となるように記録媒体記録面背面から接触型平面ヒーターで加熱した。
送風領域:640mm(乾燥時間1秒間)
−−定着−−
シリコンゴムローラ(硬度50°、ニップ幅5mm)
ローラ温度:90℃
圧力:0.8MPa
500枚描画後、そのまま24時間放置した後、再び同様にして500枚描画を行い、以下の各評価を実施した。
上記作成した処理液100gに対して上記マゼンタ顔料インクM1を1g添加して着色液とし、この着色液を記録媒体上に塗布して、塗布面状を目視観察した。塗布条件は上記の処理液付与工程と同じ条件とした。
(評価基準)
A:全体に色濃度ムラがなく均一。
B:僅かにスジ状の濃淡があるが、全体としては均質で実用上問題ないレベル。
C:スジ状の濃淡ムラ、及び、部分的にハジキ状ムラがあり、実用不可。
上記描画作成した試料について目視にて搬送方向に発生するキズについて評価した。
(評価基準)
A:キズ発生なし。
B:僅かにキズ発生しているが、画像に損傷なく問題ないレベル。
C:極細い傷が発生しているが、許容内。
D:はっきりしたキズが発生し、実用上問題。
上記2次色ドットについて、王子計測機器株式会社製のドットアナライザーDA−6000を用いてマゼンタベタ画像上に描画されたシアンドット(2次色ドット)の均質性を観察した。
(評価基準)
A:全体に揃ったドットサイズであって、ドットの形状も均質で良好なレベル。
B:よく観察すると場所により僅かにドットサイズのバラツキがあるが全体としては良好なレベル。
C:場所によりややドットサイズが異なり、僅かに欠損ドットが希に見られる実用上下限のレベル。
D:ドットサイズが場所により不均一で、明らかに円形でないドットが各所にある実用上問題あるレベル。
マゼンタとブラックの2次色ベタ画像を描画し、その画像に対し指触試験を行い指跡の光沢ムラを目視にて評価した。
評価基準
A:光沢ムラが見られない。
B:僅かに光沢ムラ発生しているが、問題ないレベル。
B’:光沢ムラ発生しているが、実用上許容内。
C:指跡状にはっきりした光沢ムラが発生し、実用上問題。
BT:ベンゾトリアゾール
MBT:5−メチルベンゾトリアゾール
ABT:5−アミノベンゾトリアゾール
CBT:5−クロロベンゾトリアゾール
TT:テトラゾール
ATT:5−アミノテトラゾール
MTT:5−メチルテトラゾール
PTT:5−フェニルテトラゾール
PMT:2−フェニル−1−メルカプトテトラゾール
処理液2、3において、それぞれ本発明の化合物の添加量を表3に記載したようにした以外は、同様に行って評価した。
処理液1、2において、本発明の化合物の種類、並びに酸性化合物の種類及び添加量、pHを表4に記載したようにした以外は、同様に行って評価した。処理液1、2、10〜26は全てpH0.5〜1.5の範囲にあった。
処理液1、18において、水溶性有機溶剤の種及び添加量を下記表5に記載したように変更した以外は、同様にして行い評価した。
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
DEGmEE:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
DPG:ジプロピレングリコール
TPGmME:トリプトピレングリコーツモノメチルエーテル
GP−250:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成ニューポールGP−250)
Claims (11)
- 有機酸性化合物及び無機酸性化合物から選択される少なくとも1種の酸性化合物と、含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有し、25℃におけるpHが0.5〜2.0であって、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含むインク組成物中の分散粒子を凝集させる処理液。
- 前記有機酸性化合物が有機カルボン酸である請求項1に記載の処理液。
- 前記有機酸性化合物と前記無機酸性化合物とを10:1〜1:10のモル比で含有する請求項1又は請求項2に記載の処理液。
- 前記有機カルボン酸が2価以上のカルボン酸である請求項2又は請求項3に記載の処理液。
- 前記酸性化合物を少なくとも2種含むと共に、前記酸性化合物の少なくとも1種は、カルシウム塩としたときの水100gへの溶解度(25℃)が0.1g以下であって、かつ、該酸性化合物の全酸性化合物質量に対する割合が1〜70質量%である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の処理液。
- 前記pHが0.5〜1.5である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の処理液。
- 含窒素ヘテロ環化合物及び有機メルカプト化合物から選ばれる少なくとも1種がベンゾトリアゾールである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の処理液。
- 更に、色材及びポリマー粒子の少なくとも1種を含有するインク組成物と、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の処理液と、を含むインクセット。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を有する画像形成方法。
- 前記処理液付与工程は前記処理液の付与をローラー塗布により行う請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記処理液付与工程後に、前記インク付与工程を有する請求項9又は請求項10に記載の画像形成方法。
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