JP2011189569A - フィルム一体化成形品製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムがカールしていても、埋め込み体が所望の位置/姿勢でフィルムに埋め込まれたフィルム一体化成形品を製造する。
【解決手段】埋め込み体が埋め込まれたフィルムを備える成形品の製造システムであって、成形品を射出成形する金型30を備える射出成形装置58と、フィルムの第1表面を吸着する平坦な吸着面を備えた吸着テーブル70と、フィルムを吸引して吸着保持する平坦な吸着保持面を備え、吸着テーブル70に吸着されたフィルムの第2表面に吸着保持面を押し当てて吸引することによってフィルムを保持し、保持したフィルムを金型30に位置合わせするロボット96と、金型30に搬送される前に、ロボット96に保持されたフィルムの第1表面に埋め込み体を貼り付ける貼り付け装置56と、ロボット96によって平坦状態で金型30に位置合わせされた、且つ第1表面に埋め込み体が貼り付けられたフィルムを金型30に固定する固定装置とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、フィルム表面に埋め込み体が埋め込まれ、樹脂成形品と一体化された埋め込み体を有するフィルム一体化成形品の製造システムに関する。
従来より、図柄を有する樹脂フィルム、例えば図柄を印刷したアクリルフィルムを樹脂成形品の表面に一体的に貼り付け、樹脂成形品のデザイン性を高めることが行われている。このような樹脂成形品(フィルム一体化成形品)は、例えば、自動車のコンソールやドアトリム、スイッチベース等の内装部品、の携帯電話、ノート型コンピュータに使用されている。
また、特許文献1に記載するように、埋め込み体を埋め込んだフィルムが表面に一体的に貼り付けられたフィルム一体化成形品が知られている。このようなフィルム一体化成形品は、あたかも象嵌品のように見える。埋め込み体は、例えば金属、紙、布、ガラス、突き板、皮革などの材料で作製され、例えば、メーカーのロゴやワンポイント意匠形状などの種々の形状にデザインされている。
このような特許文献1に記載された、埋め込み体を埋め込んだフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品は、以下の順序にしたがって製造される。
まず、フィルムの一方の表面に埋め込み体を貼り付ける。なお、このとき、埋め込み体はフィルムの表面上にあって、フィルムに埋まり込んでいない。
次に、埋め込み体が貼り付けられたフィルムの周縁部を、埋め込み体を射出成形金型の可動型の成形面に向けた状態で、クランプ装置によって可動型のパーティング面(合わせ面)に固定する。
続いて、ヒータの加熱によってフィルムを軟化させるとともに、可動型の成形面を囲むように合わせ面に形成された吸引溝や成形面内に形成された吸引孔を介して軟化したフィルムを吸引する。それにより、フィルムが可動型の成形面に密着する。また、このときに、埋め込み体はフィルムでその周囲を押さえ込まれる。
さらに続いて、可動型を固定型に移動させて金型を閉じ、成形機のノズルから溶融樹脂を金型内に射出する。
そして、射出樹脂の冷却後、金型を開け、成形品を取り出し、成形品周縁部の余白フィルムをトリミングすることにより、埋め込み体が埋め込まれたフィルム(象嵌フィルム)を表面に備えるフィルム一体化成形品が得られる。なお、埋め込み体がフィルムを越えて射出樹脂まで埋め込まれた、または少なくとも一部分がフィルムから突出したフィルム一体化成形品が作製される場合もある。
特許第4128930号公報
しかしながら、埋め込み体を埋め込んだフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品を作製する場合、以下の問題がある。
具体的に説明すると、フィルム一体化成形品に使用するフィルムは、製造上且つ搬送上の理由から、芯に巻かれてロール状にされている。ロール状のフィルムを用いてフィルム一体化成形品を作製する場合、ロール状フィルムの先端部がロール状フィルム本体から引き出され、射出成形装置の金型の可動型と固定型との間に送られる。そして、クランプ装置がロール状フィルムの引き出された部分を可動型に固定し、その部分をヒートカッタがロール状フィルム本体から切り離す。そのために、射出成形装置の金型近傍に、ロール状フィルムを支持して該ロール状フィルムを可動型と固定型との間に向かって間欠的に送るフィルム送り装置と、ヒートカッタとが設置される。なお、埋め込み体は、可動型と固定型との間に搬送される前に、ロール状フィルムの所定の位置に貼り付けられる。
しかし、フィルム送り装置が射出成形装置に設置されているため、埋め込み体をロール状フィルムの任意の所定の位置(所望の位置)に位置合わせして貼り付けることが可能な装置を配置するスペースが十分でなく、仮に設置するとしても複雑なものになり、実用化が困難である。
また、埋め込み体が貼り付けられたロール状フィルムの引き出された部分がカールした状態でクランプ装置によって可動型に固定され、埋め込み体およびフィルムが、本来あるべき位置から可動型の成形面に接近または離れ、可動型に対する規定の位置および姿勢と異なる位置および姿勢になることがある。そして、射出成形後の完成品において、埋め込み体やフィルムの位置および/または姿勢が所望のものと異なることがある。
そこで、本発明は、シンプルな構成により、所望の位置および姿勢で埋め込み体がフィルムに貼り付けられ、且つフィルムが所望の位置および姿勢で樹脂成形品の表面に一体的に埋め込まれたフィルム一体化成形品を製造することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明によれば、
埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品を製造するフィルム一体化成形品製造システムであって、
フィルム一体化成形品を射出成形する金型を備える射出成形装置と、
フィルムシートの第1の表面を吸着する平坦な吸着面を備えたシート吸着テーブルと、
シート吸着テーブルに吸着されている平坦状態のフィルムシートの第2の表面を吸引して吸着保持する平坦な吸着保持面を介して該平坦状態を維持しつつフィルムシートを保持し、保持したフィルムシートを射出成形装置の金型に位置合わせするロボットと、
金型に搬送される前に、ロボットに保持されている平坦状態のフィルムシートの第1の表面に埋め込み体を貼り付ける埋め込み体貼り付け装置と、
ロボットによって平坦状態を維持されつつ金型に位置合わせされている、且つ第1の表面に埋め込み体が貼り付けられたフィルムシートを金型に固定するシート固定装置とを有するフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、
埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品を製造するフィルム一体化成形品製造システムであって、
フィルム一体化成形品を射出成形する金型を備える射出成形装置と、
フィルムシートの第1の表面を吸着する平坦な吸着面を備えたシート吸着テーブルと、
シート吸着テーブルに吸着されている平坦状態のフィルムシートの第2の表面を吸引して吸着保持する平坦な吸着保持面を介して該平坦状態を維持しつつフィルムシートを保持し、保持したフィルムシートを射出成形装置の金型に位置合わせするロボットと、
ロボットによって平坦状態を維持されつつ金型に位置合わせされている、且つ第1の表面に埋め込み体が貼り付けられたフィルムシートを金型に固定するシート固定装置とを有し、
シート吸着テーブルの吸着面が、第1の吸着面と第2の吸着面とから構成され、
第2の吸着面が埋め込み体を吸着し、
第1の吸着面が、第2の吸着面とフィルムシートとの間に埋め込み体が存在する状態で該フィルムシートの吸着を開始するフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
さらに、請求項3に係る発明によれば、
シート吸着テーブルが、固定吸着テーブルと、固定吸着テーブル内に退避可能な可動吸着テーブルとから構成され、
固定吸着テーブルが第1の吸着面を備え、
可動吸着テーブルが第2の吸着面を備えるフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、
シート固定装置が、フィルムシートの周縁部を金型の合わせ面に押し付けて該フィルムシートを金型に固定し、
ロボットの吸着保持面がフィルムシートの周縁部以外の第2の表面の部分を吸着保持するように構成されているフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
加えて、請求項5に係る発明によれば、
シート吸着テーブルに吸着されているフィルムシートの第2の表面を転動するローラを有するフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
加えてまた、請求項6に係る発明によれば、
ロール状フィルムを回転可能に且つ交換可能に支持するロール支持機構と、
ロール支持機構に支持されているロール状フィルムの先端部を保持して移動することにより該先端部を引き出すフィルムチャック装置と、
フィルムチャック装置が引き出したロール状フィルムの部分をフィルム幅方向に切断してフィルムシートを作製するフィルムカット装置とを有し、
フィルムチャック装置がシート吸着テーブルの上にフィルムシートを搬送した後に、シート吸着テーブルがフィルムシートを吸着するフィルム一体化成形品製造システムが提供される。
本発明によれば、フィルムシートが、シート吸着テーブルによって平坦状態にされた後、その平坦状態を維持したまま、埋め込み体が貼り付けられ、ロボットによって金型に向かって搬送される。また、ロボットによって平坦状態に保持された状態で、埋め込み体が貼り付けられたフィルムシートが、金型にシート固定装置によって固定される。これにより、シート固定装置による固定後、フィルムと埋め込み体との金型に対する位置および姿勢は、規定の位置および姿勢にされる。そして、所望の位置および姿勢で埋め込み体がフィルムに埋め込まれ、且つフィルムが所望の位置および姿勢で樹脂成形品の表面に一体的に貼り付いたフィルム一体化成形品を製造することができる。
また、フィルムシートをロボットが搬送するので、ロボットの動作範囲であれば、どの位置でもフィルムシートの所望の位置に埋め込み体をシンプルな構成によって貼り付けることができる。
本発明に係る一例のフィルム一体化成形品の断面図である。 図1に示すフィルム一体化成形品の製造の流れを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るフィルム一体化成形品製造システムの上面図である。 フィルムカット装置の上面図である。 フィルムカット装置の側面図である。 シート搬送装置の側面図である。 シート搬送装置のハンドツールの断面図である。 埋め込み体貼り付け装置の側面図である。 射出成形装置の金型の断面図である。 フィルムカット装置によるフィルムシートの作製方法を示す図である。 図10に続く、フィルムカット装置によるフィルムシートの作製方法を示す図である。 フィルムカット装置からシート搬送装置にフィルムシートを受け渡す方法を説明するための図である。 埋め込み体貼り付け装置によるフィルムシートへの埋め込み体の貼り付け方法を説明するための図である。 シート搬送装置によるフィルムシートの金型への位置合わせを説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係るフィルムカット装置の上面図である。 本発明の第2の実施形態に係るフィルムカット装置の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るフィルムカット装置の上面図である。 本発明の第3の実施形態に係るフィルムカット装置の側面図である。
まず、本発明に係る、埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムを表面に一体的に備えるフィルム一体化成形品を説明する。その後に、フィルム一体化成形品の製造システムを説明する。
図1は、本発明に係るフィルム一体化成形品の断面を示している。また、図2は、そのフィルム一体化成形品の製造手順を簡略的に示している。
図1に示すように、本発明に係るフィルム一体化成形品10は、樹脂成形品(例えば、形帯電話の筐体)12と、その表面に一体的に貼り付けられたフィルムシート14とから構成される。そのフィルムシート14には、埋め込み体16が埋め込まれている。また、このフィルム一体化成形品10は、射出成形装置によって作製される。
フィルムシート14は、透明、半透明、または部分的に透明なベースフィルム14a(例えばアクリルフィルムシート)の一方の表面に印刷層14b(図柄パターンの層)を形成し、さらに印刷層14bの表面に接着層14c(接着剤の層)を形成して構成されたものである。接着層14cにより、フィルムシート14と樹脂成形品12とが接着する。この接着層14cを形成する接着剤は、射出樹脂の熱によって溶融し、常温では固化する接着剤である。なお、フィルムシート14は、印刷層がない、絵柄を有するベースフィルムの表面に接着層のみを形成したものであってもよい。
埋め込み体16は、例えば文字やキャラクターなどの図柄やパターン形状の薄体であって、例えば、金属、紙、皮革、ゴム、布、突き板、ガラスなど、天然或いは人口素材による意匠性、触感として特徴のある材料で製作されている。
次に、このようなフィルム一体化成形品10の製造の流れについて説明する。なお、ここでは、埋め込み体16の製造の流れについても説明する。
まず、図2(A)に示すように、離型シート20上に感圧接着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesives)やホットメルト接着剤の層22を形成する。次に、埋め込み体16の材料(例えば金属)の層24を形成する。
続いて、図2(B)に示すように、トムソン型やピナクル型により、PSA層22と材料層24とを、所望する埋め込み体16の形状に型抜きする。そして、図2(C)に示すように、材料層24(すなわち埋め込み体16)を保護する保護シート26を貼り付ける。これにより、埋め込み体シール28が完成する。
次に、図2(D)に示すように、埋め込み体シール28の埋め込み体16を、PSA層22を介してフィルムシート14に貼り付ける。埋め込み体16は、印刷層14bおよび接着層14cが形成されていない側のベースフィルム14aの表面S1(特許請求の範囲に記載の「第1の表面」に対応)に貼り付けされる。
そして、図2(E)に示すように、埋め込み体16が貼り付けられたフィルムシート14の周縁部を、射出成形装置の金型30の一方の型(可動型)30aの合わせ面30cに固定する。ヒータ(図示せず)によってフィルムシート14を軟化するとともに、可動型30aの吸引孔30a1によって軟化したフィルムシート14を成形面30a2に向かって吸引する。そして、フィルムシート14を成形面30aに密着させる。このとき、埋め込み体16がフィルムシート14に埋まり込む。
次に、金型30を閉じ、樹脂12が固定型30bのスプル30b1の経路を通って金型30内に射出される。金型30内の樹脂が冷却した後、金型30を開け、フィルムシート14が表面に密着一体化した成形品を取り出し、その成形品周縁部の余白フィルムをトリミングすると、完成品として図1に示すフィルム一体化成形品10が得られる。
ここからは、上述のフィルム一体化成形品10の製造方法に基づく製造システムについて説明する。製造装置について、3つの実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図3の上面図(レイアウト図)に示す、本発明の第1の実施形態に係る、フィルム一体化成形品10を製造するシステムは、概略4つの装置から構成される。
フィルム一体化成形品10の製造システム50は、ロール状のフィルム(ロールフィルム)を切断してシート状のフィルム(フィルムシート14)を作製するフィルムカット装置52と、フィルムシート14を搬送するシート搬送装置54と、フィルムシート14に埋め込み体16を貼り付ける埋め込み体貼り付け装置56と、フィルム一体化成形品10を成形する射出成形装置58とを有する。
フィルムカット装置52は、図3の部分拡大図である図4および側面図である図5に示すように、ロールフィルム60から、フィルム一体化成形品10に使用するフィルムシート14を作製する装置である。フィルムカット装置52は、ロールフィルム60を支持するロール支持台62と、ロールフィルム60の先端部を引き出すフィルムチャックユニット64と、引き出されたロールフィルム60の部分60aをその幅方向に切断してフィルムシート14を作製するカッタユニット66と、フィルムシート14を吸着する吸着テーブル70とから構成されている。
フィルムカット装置52のロール支持台62は、ロールフィルム60を回転可能に且つ交換可能に、さらに所定のテンションで引き出し可能に支持するように構成されている。また、ロール支持台62は、ロールフィルム60から引き出した部分60aの接着層(フィルムシート14の接着層14cに対応)が形成されている表面S2(特許請求の範囲に記載の「第2の表面」に対応)が上側(反吸着テーブル70側)に向くように、ロールフィルム60を支持している。なお、このロールフィルム60は、接着層を外側に向けて芯72に巻かれている。
フィルムチャックユニット64は、ロールフィルム60の先端部を保持して引き出し方向(X軸方向)に移動可能に構成されており、ボールねじ74とサーボモータ76とからなる駆動装置によって駆動され、ロールフィルム60本体からその先端部を任意の設定量引き出す。
そのために、フィルムチャックユニット64は、ロールフィルム60の先端部を引き出すときに該先端部の接着層側の表面S2を吸引して吸着保持する複数の吸着パッド78を有する。これらの吸着パッド78は、ロールフィルム60の幅方向(Y軸方向)に並んでフィルムチャックユニット64に設けられている。複数の吸着パッド78は、真空ポンプ(図示せず)またはコンプレッサに接続された真空エジェクタ(図示せず)に接続されており、エアーバルブによってフィルムの着脱を制御できるようにしている。
複数の吸着パッド78はまた、エアシリンダ79によって支持されており、このエアシリンダ79によってZ軸方向に移動する。このエアシリンダ79による吸着パッド78のZ軸方向の移動についての詳細は後述する。
さらに、フィルムチャックユニット64は、Y軸方向に延びる回転中心線を中心として自由回転するローラ80を有する。このローラ80は、詳細は後述するが、吸着テーブル70がフィルムシート14を吸着しているとき、フィルムシート14の接着層側の表面S2上を転がり、フィルムシート14を吸着テーブル70に密着させる役割をする。また、ローラ80は、その両端それぞれが、チャックユニット64に設けられた2つのエアシリンダ82それぞれのZ軸方向に進退するピストンロッドの先端に支持されている。これらのエアシリンダ82により、ローラ80は、吸着パッド78の吸着保持中、後退した位置(フィルムシート14から離れた位置)で待機する。
カッタユニット66は、フィルムチャックユニット64によって引き出されたロールフィルム60の部分60aを幅方向(Y軸方向)に、フィルムチャックユニット64の吸着パッド78が吸着保持する部分と支持台62との間で切断する刃を備えるヒートカッタ84と、ヒートカッタ84をZ軸方向に進退させる直動機構86とを有する。直動機構86により、ヒートカッタ84は、X軸方向に移動するチャックユニット64と干渉しない位置まで後退(上昇)して待機し、切断時に降下してチャックユニット64によって引き出されたロールフィルム60の部分60aをその刃によって溶融切断する。チャックユニット64がカッタユニット66の切断位置CpからX軸方向に所定の長さだけロールフィルム60の先端を引き出し、その後カッタユニット66が引き出されたロールフィルム60の部分60aを切断することにより、所定の長さのフィルムシート14が得られる。
吸着テーブル70は、フィルムシート14を吸引して吸着することにより平坦状態にするテーブルであって、フィルムシート14全体を吸着できる大きさの平坦な吸着面70aを備えている。吸着面70aには複数の吸引孔70bが形成され、フィルムシート14は、この吸引孔70bを介して、真空ポンプ(図示せず)またはコンプレッサに接続された真空エジェクタ(図示せず)によって吸引される。その結果、フィルムシート14は、その全体が吸着テーブル70に平坦状態で密着する。なお、フィルムチャックユニット64の吸着パッド78による吸着と、吸着テーブル70による吸着は、例えば電磁弁によって別々に制御される。
また、図4および図5に示すように、吸着テーブル70の吸着面70aには、部分的に吸着面70aを覆う吸引孔シールテープ92が貼り付けられている。これは、フィルムシート14の大きさに対応した大きさのテープであって、フィルムシート14の大きさが吸着テーブル70に比べて小さい場合に、フィルムシート14に対向しない吸引孔70bを塞ぐために使用される。これは、吸引孔シールテープ92がない状態で真空ポンプまたは真空エジェクタに接続されたコンプレッサを作動させると、フィルムシート14に対向しない吸引孔70bが外気を吸引し、吸着テーブル70が所定の吸着力でフィルムシート14を吸着できなくなるからである。
なお、フィルムカット装置52によるフィルムシート14の作製の詳細については後述する。
図3に戻り、シート搬送装置54は、フィルムカット装置52が作製したフィルムシート14を、フィルムカット装置52から埋め込み体貼り付け装置56に、また埋め込み体貼り付け装置56から射出成形装置58に搬送するように構成されている。
シート搬送装置54は、図6に示すように、フィルムシート14を平坦状態で保持するハンドツール94と、ハンドツール94を先端に備えて該ツール94の位置や姿勢を変更するロボット96と、ロボット96をX軸方向に移動させる直動機構98とを有する。
ハンドツール94は、図7に示すように、フィルムシート14を吸引して吸着保持する吸着プレート100と、吸着プレート100を保持するプレートベース102と、プレートベースを保持してロボット96の先端に固定されたメインベース104とを有する。
吸着プレート100は、平坦な吸着面100aを備え、その吸着面100aには複数の吸引孔100bが形成されている。複数の吸引孔100bは、真空ポンプ(図示せず)またはコンプレッサに接続された真空エジェクタ(図示せず)に接続されている。なお、フィルムカット装置52の吸着テーブル70による吸着と、シート搬送装置54の吸着プレート100による吸着は、例えば電磁弁(図示せず)によって別々に制御される。
プレートベース102は、吸着プレート100の吸着面100aと直交する方向に移動可能にメインベース104に支持されている。具体的には、メインベース104には、プレートベース102に取付けられた吸着面100aの直交方向に延びる複数のガイドロッド106それぞれを該直交方向に摺動可能に支持する複数のガイドブシュ108が設けられている。また、メインベース104とプレートベース102との間には、両者を離間するように付勢するスプリング110が配置されている。
図6に戻り、ロボット96は、例えば、6軸のロボットであって、ロボット96をX軸方向に移動させる直動機構98と協働し、フィルムカット装置52の吸着テーブル70から埋め込み体貼り付け装置56に、また埋め込み体貼り付け装置56から射出成形装置58の金型30にフィルムシート14を搬送する(ハンドツール94を移動させる)。
図3に戻り、埋め込み体貼り付け装置56は、シート搬送装置54のハンドツール94が保持するフィルムシート14に埋め込み体16を貼り付けするように構成されている。
具体的には、埋め込み体貼り付け装置56は、図8に示すように、シート搬送装置54のハンドツール94に保持された状態のフィルムシート14が載置される載置面112aを備えるステージ112と、ステージ112に形成された貫通孔112bを介して埋め込み体16をフィルムシート14に押し付けるエアシリンダ114と、ロール状の埋め込み体シール28(ロールシール116)を支持する支持軸118と、保護シート26を回収する保護シート回収リール120と、埋め込み体シール28の離型シート20を回収する離型シート回収リール122とを有する。なお、埋め込み体シール28は、離型シート20を外側に向けて芯124に巻かれている。
また、埋め込み体貼り付け装置56は、埋め込み体シール28を支持軸118から、ステージ112の貫通孔112bとエアシリンダ114との間を介して、保護シート回収リール122に案内するガイドローラ126,128と離型シート20を離型シート回収リール120に案内するガイドローラ130とを有する。
ステージ112は、板形状であって、フィルムシート14がシート搬送装置54によって載置される平坦な載置面112aを備えるとともに、貫通孔112bが形成されている。この貫通孔112bは、載置面112a上のフィルムシート14に、載置面112aの反対側から埋め込み体16を貼り付けるために形成されている。なお、載置面112aの反対側の表面は、理由は後述するが、埋め込み体シール28のPSA層22が付着しないように不粘着処理されている。
エアシリンダ114は、ステージ112の貫通孔112bに進退する押圧部材114aを、そのピストンロッドの先端に備える。エアシリンダ114は、二点鎖線に示すように押圧部材114が後退しているときにステージ112の貫通孔112bと押圧部材114aとの間に配置された、離型シート20が離型シート回収リール120によって剥がされた埋め込み体シール28の埋め込み体16を、押圧部材114aによって保護シート26を介して貫通孔112b内に向かって押し進める。これにより、埋め込み体16をフィルムシート14に貼り付ける。なお、このとき、押圧部材114aによって貫通孔112bに向かって押し進められていない他の埋め込み体16がステージ112に接触するが、不粘着処理によって埋め込み体16のPSA層22がステージ112に付着することはない。
保護シート回収リール120は、埋め込み体シール28の保護シート26を巻き取って回収するリールであって、サーボモータ(図示せず)によって断続的に回転駆動される。この保護シート回収リール120が断続的に回転することにより、支持軸118から、ステージ112の貫通孔112bとエアシリンダ114との間に埋め込み体シール28の埋め込み体16が断続的に配置される。
離型シート回収リール122は、埋め込み体シール28の離型シート20を巻き取って回収するリールであって、サーボモータ(図示せず)によって断続的に回転駆動される。離型シート回収リール122は、断続的に回転し、ステージ112の貫通孔112bとエアシリンダ114との間より上流側(埋め込み体シール28の移動方向に関して)で、埋め込み体シール28から離型シート20を剥がして回収する。
図3に戻り、射出成形装置58は、ホッパ132に収容されている固形の樹脂材料を溶融し、溶融した樹脂を所定の射出圧力で金型30内に射出する。金型30は、X軸方向に移動する可動型30aと、溶融した樹脂の経路になるランナーとスプルが形成された固定型30bから構成されている。また、金型30は、フィルムシート14が固定される平坦な合わせ面30cを備えている。この合わせ面30cに、シート搬送装置54の吸着プレート100に吸着保持された状態のフィルムシート14を固定できるように、射出成形装置58は構成されている。
具体的には、射出成形装置58の金型30の可動型30aは、図9に示すように、フィルムシート14の周縁部を可動型30aの平坦な合わせ面30cに固定するクランプ機構(特許請求の範囲に記載の「シート固定装置」に対応)134を有する。クランプ機構134がフィルムシート14の周縁部を合わせ面30cにおいてキャビティの全周囲に固定できるように、シート搬送装置54のハンドツール94の吸着プレート100は、周縁部を残してフィルムシート14を吸着保持する大きさに設計されている。なお、図では2つのクランプ機構134のみ示されているが、クランプ機構134は、フィルムシート14の周縁部を可動型30aの合わせ面30c全体に固定できるように複数基該可動型30aに設けられている。
クランプ機構134は、フィルムシート14の周縁部と一端が接触するクランププレート136と、クランププレート136の他端を支持するロッド138を回転させるロータリアクチュエータ(図示せず)とを有する。ロータリアクチュエータがロッド138を回転させることにより、クランププレート136がフィルムシート14の周縁部を可動型30aの合わせ面30cに固定する(クランプする)、またはリリースする(アンクランプする)。また、クランプ機構134、アンクランプ状態のときに、クランププレート136が合わせ面30cより可動型30a側に完全に退避するように構成されている(クランププレート136が完全に退避できるスペース140が可動型30aに形成されている)。これにより、クランプ機構134のクランクプレート136と接触することなく、シート搬送装置54のロボット96は、フィルムシート14を可動型30aの合わせ面30cに位置合わせすることができる。
ここからは、フィルム一体化成形品10の製造の流れ、特に、ロールフィルム60からフィルムシート14が作製され、射出成形装置58の金型30の可動型30aに、埋め込み体16が貼り付けられたフィルムシート14が固定されるまでの流れについて説明する。
まず、ロールフィルム60からフィルムシート14が作製される流れについて、図10〜12を参照しながら説明する。
図10(A)に示すように、フィルムチャックユニット64が、先端がカッタユニット66の切断位置Cpに位置するロールフィルム60の先端部の上方に位置し、そのエアシリンダ79が、吸着パッド78をZ軸方向に移動させ、吸着パッド78をロールフィルム60の先端部に接触させる。吸着パッド78は、ロールフィルム60の先端部に接触した状態で吸引を開始し、ロールフィルム60の先端部を吸着保持する。これにより、吸着パッド78は、ロールフィルム60の先端部を容易に且つ確実に吸着保持することができる。
次に、フィルムチャックユニット64が、吸着テーブル70に向かって移動し、図10(B)に示すように、引き出したロールフィルム60の部分60aの先端がカッタユニット66の切断位置Cpから所定の距離L離れた位置に到達したときに停止する。そして、カッタユニット66のヒートカッタ84が降下し、ロールフィルム60の部分60aを切断する。これにより、長さLのフィルムシート14が作製される。
ヒートカッタ84による切断の完了後、フィルムチャックユニット64が、その吸着パッド78がフィルムシート14を吸着保持した状態で、吸着テーブル70の上方に向かって移動する。図11(A)に示すように、フィルムシート14が吸着テーブル14上の所定の位置(吸引孔シールテープ92が貼り付けされていない部分上の位置)に到達すると、フィルムチャックユニット64は停止する。
フィルムチャックユニット64が停止すると、そのエアシリンダ79が、フィルムシート14を吸着保持した状態の吸着パッド78を吸着テーブル70に向かって移動させる。これにより、フィルムシート14が吸着テーブル70に押し付けられて固定される。なお、フィルムチャックユニット64の停止位置を調整すれば、フィルムシート14を吸着テーブル70の任意の位置に押し付けて固定することができる。
フィルムシート14が吸着テーブル70に押し付け固定されると、吸着テーブル70がフィルムシート14を吸引し始める。それと同時に、フィルムチャックユニット64の吸着パッド78が吸引を停止し、エアシリンダ79によってフィルムシート14から離れる。さらに同時にまたはその後に、図11(B)に示すように、エアシリンダ82によってローラ80が降下し、フィルムシート14に接触する。そして、フィルムチャックユニット64が、カッタユニット66に向かって移動し、ローラ80がフィルムシート14の表面上を転動する。これらにより、フィルムシート14が吸着テーブル70に密着する。
なお、フィルムチャックユニット64がフィルムシート14の上方を往復動することにより、ローラ80がフィルムシート14の表面上を複数回転動するようにしてもよい。これにより、フィルムシート14が吸着テーブル70により密着する。
フィルムチャックユニット64が移動してカッタユニット66の近傍位置に到達すると、シート搬送装置54のハンドツール94が移動し、吸着テーブル70に吸着されているフィルムシート14の上方に、吸着プレート100の吸着面100aとフィルムシート1とが平行になる姿勢で停止する。続いて、ハンドツール94は降下し、図12(A)に示すように、フィルムシート14の表面にハンドツール94の吸着プレート100を押し当てる。これにより、フィルムシート14は、吸着テーブル70と吸着プレート100との間に平坦状態で挟持される。
フィルムシート14が吸着テーブル70と吸着プレート100との間に挟持されると、吸着テーブル70がフィルムシート14の吸引を停止する。その直後に、吸着プレート100がフィルムシート14を吸引し始める。これにより、フィルムシート14が、吸着テーブル70から吸着プレート100に平坦状態で受け渡される。そして、図12(B)に示すように、シート搬送装置54は、ハンドツール94を上昇させ、フィルムシート14を埋め込み体貼り付け装置56に向かって搬送する。
フィルムカット装置52からフィルムシート14を受け取ると、シート搬送装置54は、ハンドツール94が保持するフィルムシート14を、図13(A)に示すように、埋め込み体貼り付け装置56のステージ112上に配置する。具体的には、シート搬送装置54は、吸着プレート100によるフィルムシート14の吸着保持を継続しつつ、埋め込み体16が貼り付けられるフィルムシート14の部分をステージ112の貫通孔112bに位置合わせした状態で、フィルムシート14をステージ112に押し当てる。これにより、フィルムシート14は、吸着プレート100とステージ112との間に平坦状態で挟持される。
フィルムシート14がステージ112上に載置されると、図13(B)に示すように、埋め込み体貼り付け装置56のエアシリンダ114の押し子114aが上昇し、保護シート26を介して埋め込み体16をフィルムシート14に貼り付ける。このとき、シート搬送装置54のハンドツール94の吸着プレート100がフィルムシート14を支持する役割をする。これにより、埋め込み体16が平坦状態のフィルムシート14に強く密着することができる。
フィルムシート14への埋め込み体16の貼り付けが完了すると、シート搬送装置54は、埋め込み体貼り付け装置56から射出成形装置58の金型30に向かって、埋め込み体16が貼り付けられたフィルムシート14を搬送する。
図14(A)に示すように、シート搬送装置54は、フィルムシート14が可動型30aの合わせ面30cと平行する状態で、ハンドツール94を可動型30aと固定型30bとの間に移動させる。そして、ハンドツール94を可動型30aに向かって移動させることにより、図14(B)に示すように、フィルムシート14を可動型30aの合わせ面30cに位置合わせする。この位置合わせの完了後、図9に示すように、クランプ機構134によってフィルムシート14の周縁部を可動型30aの合わせ面30cに固定する。これにより、埋め込み体16が貼り付けられたフィルムシート14は、平坦状態で可動型30aの合わせ面30cに固定される。
本実施形態によれば、フィルムシート14が、吸着テーブル70によって平坦状態にされた後、シート搬送装置54は平坦状態のフィルムシート14をフィルムカット装置52から受け取り、平坦状態で保持する。そして、フィルムシート14は、シート搬送装置54によって平坦状態が維持されたまま、埋め込み体16が貼り付けられ、射出成形装置58の金型30にクランプ機構134によって固定される。これにより、クランプ機構134による固定後、フィルムシート14と埋め込み体16との金型30の可動型30aに対する位置および姿勢は、規定の位置および姿勢にされる。そして、所望の位置および姿勢で埋め込み体16がフィルムシート14に埋め込まれ、且つフィルムシート14が所望の位置および姿勢で樹脂成形品の表面に一体的に貼り付いたフィルム一体化成形品を製造することができる。
また、フィルムシート14をロボット96が実質的に搬送するので、ロボット96の動作範囲であれば、どの位置でもフィルムシート14の所望の位置に埋め込み体16をシンプルな構成の埋め込み体装置56によって貼り付けることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態と略同一であるが、埋め込み体のフィルムシートへの貼り付け方法が異なる。具体的には、図3および図8に示すような埋め込み体装置56がなく、フィルムカット装置において埋め込み体をフィルムシートに貼り付ける。したがって、埋め込み体をフィルムシートに貼り付けることができるフィルムカット装置について説明する。なお、シート搬送装置および射出成形装置は、第1の実施形態と同一であるため、説明は省略する。
図15は本実施形態に係るフィルムカット装置の上面図であり、図16はその側面図である。
図15および図16に示すように、本実施形態に係るフィルムカット装置352は、吸着テーブル以外の構成要素は、第1の実施形態のフィルムカット装置52の構成要素と同一である。したがって、吸着テーブル370について説明する。
吸着テーブル370の吸着面は、吸着面370a(特許請求の範囲に記載の「第1の吸着面」に対応)と吸着面370b(特許請求の範囲に記載の「第2の吸着面」に対応)とに区分されている。
吸着面370aは、第1の実施形態の吸着面70aと同様に、フィルムシートを吸着して平坦状態にする役割をする。
吸着面370bは、埋め込み体16が載置される吸着面であって、フィルム一体化成形品10における埋め込み体16の位置に対応する吸着テーブル370の位置に設けられている。この吸着面370bは、PSA層が上方に向いた状態で載置された埋め込み体16を吸着する。この場合、吸着面370bは、埋め込み体16を固定するために吸着する。吸着面370aによる吸着と、吸着面370bによる吸着は、例えば電磁弁によって別々に制御される。
次に、本実施形態のフィルムカット装置による埋め込み体貼り付け方法について説明する。
まず、吸着テーブル370の吸着面370bに、PSA層が上方に向いた状態で埋め込み体16を載置する。例えば、載置は手作業またはロボットによって行われる。
ロボットによって行われる場合、例えば、ロボットが、その先端が埋め込み体16のPSA層に貼り付くことにより該埋め込み体16を保持し、吸着面370b上に配置する。その後、吸着面370bが吸引を開始して埋め込み体16をロボットの先端から引き離す。これにより、埋め込み体16が、PSA層が上方に向いた状態で吸着面370bに固定される。
次に、第1の実施形態と同様に、フィルムチャックユニット64とカッタユニット66とによって、フィルムシートを作製する。そして、第1の実施形態と同様に、フィルムチャックユニット64がフィルムシートを吸着テーブル370の所定の位置(埋め込み体16の上方に、該埋め込み体16が貼り付けされるフィルムシートの部分が存在するような位置)に配置する。
フィルムシートが吸着テーブル370の所定の位置に配置されると、このフィルムシートと吸着面370bとの間に埋め込み体が存在する状態になる。この状態で吸着面370aが吸引を開始する。これにより、フィルムシートが吸着面370aに吸着するとともに、埋め込み体16がフィルムシートに貼り付く。
吸着面370aにフィルムシートが吸着すると、フィルムチャックユニット64のローラ80が、フィルムシート上を転動する。これにより、埋め込み体16は、フィルムシートに強く貼り付けられる。
本実施形態は、埋め込み体16(埋め込み体シール28)が、図8に示すように、ロール状態で提供されない場合、または様々な種類の埋め込み体16を使用する場合に有効である。
(第3の実施形態)
本実施形態は、上述の第2の実施形態の改良形態である。上述の第2の実施形態の場合、埋め込み体16が肉厚であると、フィルムチャックユニット64がフィルムシートを搬送している途中に、フィルムシートが埋め込み体16に強く当たり、フィルムシートが吸着パッド78から離れるおよび/または吸着面に固定(吸着)されている埋め込み体16の位置または姿勢が変わることがある。本実施形態は、これに対処するものである。
本実施形態に係るフィルムカット装置を図17および図18に示す。図に示すように、フィルムカット装置552において、第2の実施形態のフィルムカット装置352と異なる点は、吸着テーブルだけである。したがって、吸着テーブルについて説明する。
フィルムカット装置552の吸着テーブルは、固定吸着テーブル570と、可動吸着テーブル571とから構成されている。
固定吸着テーブル570は、不動の吸着テーブルある。その吸着面570aは、第2の実施形態の吸着面370aと同様に、フィルムシートを平坦状態にする役割をする。また、固定吸着テーブル570は、可動吸着テーブル571を収容するスペース570bを備える。
可動吸着テーブル571は、固定吸着テーブル570の吸着面570aと直交する方向(Z軸方向)に移動可能なテーブルであって、固定吸着テーブル570の吸着面570aと平行な吸着面571aを備える。この可動吸着テーブル571は、埋め込み体16が載置されるテーブルであって、フィルム一体化成形品10における埋め込み体16の位置に対応する固定吸着テーブル570の位置に設けられている。可動吸着テーブル571の吸着面571aは、PSA層が上方に向いた状態で載置された埋め込み体16を吸着して固定する役割をする。
また、可動吸着テーブル571は、フィルムチャックユニット64がフィルムシートを固定吸着テーブル570の所定の位置(埋め込み体16の上方に、該埋め込み体16が貼り付けされるフィルムシートの部分が存在するような位置)に向かって搬送するときに、固定吸着テーブル570内に退避するように構成されている。これにより、可動吸着テーブル571の吸着面571a上の埋め込み体16と、フィルムチャックユニット64が搬送するフィルムシートとの接触を回避することができる。
フィルムシートが固定吸着テーブル570の所定の位置に配置されると、可動吸着テーブル571は元の位置(吸着面570a,571aが同一平面上に配置される位置)に戻る。次に、固定吸着テーブル570がフィルムシートの吸引を開始する。そして、第2の実施形態と同様に、フィルムチャックユニット64のローラ80が、フィルムシート上を転動し、埋め込み体16がフィルムシートに強く貼り付けられる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の3つの実施形態では、埋め込み体16が貼り付けられるフィルムシートは、ロール状のフィルムの引き出した部分をカットして作製されたものであるが、これに限らない。予め、所定の大きさにカットされたフィルムシートを吸着テーブルの上に載置するようにしてもよい。
また、本発明は、埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムが表面に一体的に貼り付けられたフィルム一体化成形品を製造するシステムであって、特にそのフィルムがカールしている場合に対処するものであるが、当然ながら、カールしていないフィルムにも適用可能なことは明らかである。
30 金型
56 埋め込み体貼り付け装置
58 射出成形装置
70 吸着テーブル
96 ロボット

Claims (6)

  1. 埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品を製造するフィルム一体化成形品製造システムであって、
    フィルム一体化成形品を射出成形する金型を備える射出成形装置と、
    フィルムシートの第1の表面を吸着する平坦な吸着面を備えたシート吸着テーブルと、
    シート吸着テーブルに吸着されている平坦状態のフィルムシートの第2の表面を吸引して吸着保持する平坦な吸着保持面を介して該平坦状態を維持しつつフィルムシートを保持し、保持したフィルムシートを射出成形装置の金型に位置合わせするロボットと、
    金型に搬送される前に、ロボットに保持されている平坦状態のフィルムシートの第1の表面に埋め込み体を貼り付ける埋め込み体貼り付け装置と、
    ロボットによって平坦状態を維持されつつ金型に位置合わせされている、且つ第1の表面に埋め込み体が貼り付けられたフィルムシートを金型に固定するシート固定装置とを有するフィルム一体化成形品製造システム。
  2. 埋め込み体が少なくとも部分的に埋め込まれたフィルムを表面に備えるフィルム一体化成形品を製造するフィルム一体化成形品製造システムであって、
    フィルム一体化成形品を射出成形する金型を備える射出成形装置と、
    フィルムシートの第1の表面を吸着する平坦な吸着面を備えたシート吸着テーブルと、
    シート吸着テーブルに吸着されている平坦状態のフィルムシートの第2の表面を吸引して吸着保持する平坦な吸着保持面を介して該平坦状態を維持しつつフィルムシートを保持し、保持したフィルムシートを射出成形装置の金型に位置合わせするロボットと、
    ロボットによって平坦状態を維持されつつ金型に位置合わせされている、且つ第1の表面に埋め込み体が貼り付けられたフィルムシートを金型に固定するシート固定装置とを有し、
    シート吸着テーブルの吸着面が、第1の吸着面と第2の吸着面とから構成され、
    第2の吸着面が埋め込み体を吸着し、
    第1の吸着面が、第2の吸着面とフィルムシートとの間に埋め込み体が存在する状態で該フィルムシートの吸着を開始するフィルム一体化成形品製造システム。
  3. シート吸着テーブルが、固定吸着テーブルと、固定吸着テーブル内に退避可能な可動吸着テーブルとから構成され、
    固定吸着テーブルが第1の吸着面を備え、
    可動吸着テーブルが第2の吸着面を備える請求項2に記載のフィルム一体化成形品製造システム。
  4. シート固定装置が、フィルムシートの周縁部を金型の合わせ面に押し付けて該フィルムシートを金型に固定し、
    ロボットの吸着保持面がフィルムシートの周縁部以外の第2の表面の部分を吸着保持するように構成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルム一体化成形品製造システム。
  5. シート吸着テーブルに吸着されているフィルムシートの第2の表面を転動するローラを有する請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルム一体化成形品製造システム。
  6. ロール状フィルムを回転可能に且つ交換可能に支持するロール支持機構と、
    ロール支持機構に支持されているロール状フィルムの先端部を保持して移動することにより該先端部を引き出すフィルムチャック装置と、
    フィルムチャック装置が引き出したロール状フィルムの部分をフィルム幅方向に切断してフィルムシートを作製するフィルムカット装置とを有し、
    フィルムチャック装置がシート吸着テーブルの上にフィルムシートを搬送した後に、シート吸着テーブルがフィルムシートを吸着する請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルム一体化成形品製造システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012135930A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Star Techno Co Ltd インモールドラベル成形用ラベル切断装置におけるラベルシート移送装置及びラベルシート移送方法
KR101387925B1 (ko) * 2012-11-16 2014-04-29 한일이화주식회사 랩 커팅 및 부착 자동화 시스템
KR102685833B1 (ko) * 2022-03-14 2024-07-16 주식회사 성일 Grp 물탱크 판넬 성형장치

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