JP2011184084A - パウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素及び水蒸気等のガスバリア性に優れ、且つ、スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチとして使用するのに十分な強度を有し、且つ、優れた生産効率のために環境負荷が小さい積層体からなるパウチを提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層及びポリアミド系樹脂層がこの順で並んだ3層を少なくとも有するポリアミド系多層フィルム、並びに金属フィルム及びヒートシール性樹脂フィルムを含む積層体を、そのポリエステル系樹脂層が最外層となり、そしてヒートシール性樹脂フィルム層が最内層となるように製袋することによって得られ、且つ、該接着性樹脂層が、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とするパウチを提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パウチに関し、更に詳しくは、酸素及び水蒸気等のガスバリア性に優れ、且つ、スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチとして使用するのに十分な強度を有し、且つ、優れた生産効率のために環境負荷が小さいパウチに関するものである。
酸素及び水蒸気等のガスバリア性を有するパウチを構成する積層体として、一般的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム層(PET)/ドライラミネート接着剤層(DL)/ガスバリア性付与フィルム層/ドライラミネート接着剤層(DL)/ヒートシール性樹脂フィルム層、の3枚のフィルムを張り合わせた構成を有するものが使用される(以下本発明において、層間に使用する「/」は層間の境界面を意味する)。
しかしながら、その外側にさらに、例えば化粧箱のような外装容器を有しないパウチは、搬送及び陳列時にむき出しの状態であるため、外部環境から内容物を保護するために、高い落下強度及び耐衝撃性等が要求される。また、このようなパウチは、フック穴等でぶら下げて陳列されたり、又は立たせて陳列されることが多く、その自重を支えるため又は自立性形状を維持するための腰や強度を有することが要求される。このような要求を満たすためには、上記3枚のフィルムからなる積層体に、さらに物理的強度付与フィルム、例えばナイロン等のポリアミド系樹脂フィルムからなる層を設け、少なくとも4枚のフィルムを張り合わせる必要があった(特許文献1参照)。
このように少なくとも4枚のフィルムからなる積層体は、その製造工程における環境負荷が大きいことが知られている。すなわち、多くの積層体は3枚又はそれ以下の枚数のフィルムからなるため、最大2回のラミネート工程を経て製造され、したがって、生産現場で好適に使用されるタンデムラミネート機を用いることにより、1回の巻出し・巻取り工程で製造することができる。しかしながら、上記少なくとも4枚のフィルムからなる積層体は、少なくとも3回のラミネート工程を経る必要があり、したがって、タンデムラミネート機に付した後でさらにもう一度、シングルラミネート機に付す必要がある。実際の生産現場において、巻出し・巻取り工程を1回行うことにより、多量の二酸化炭素が排出され得、したがって、外装容器を有しないパウチを構成する4枚のフィルムからなる積層体は、3枚又はそれ以下の枚数のフィルムからなる積層体に比べ、2倍近くの環境負荷がかかる。
特開2001−79991号公報
本発明は、上記の問題を解決し、酸素及び水蒸気等のガスバリア性に優れ、且つ、スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチとして使用するのに十分な強度を有し、且つ、優れた生産効率のために環境負荷が小さい積層体からなるパウチを提供することを目的とする。
本発明者らは、種々研究の結果、ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層及びポリアミド
系樹脂層がこの順で並んだ3層を少なくとも有するポリアミド系多層フィルム、並びに金属フィルム及びヒートシール性樹脂フィルムを含む積層体を、そのポリエステル系樹脂層が最外層となり、そしてヒートシール性樹脂フィルム層が最内層となるように製袋することによって得られ、且つ、該接着性樹脂層が、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とするパウチが、上記目的を達成することを見出した。
本発明のパウチを構成する積層体は、ポリエステル系樹脂層/接着性樹脂層/ポリアミド系樹脂層の3層構成を有するポリアミド系多層フィルムを含む。このポリアミド系多層フィルムを共押出しにより形成し、形成されたフィルムの前記ポリエステル系樹脂層と反対側の表面に、金属フィルム、好ましくはアルミニウムフィルム及びヒートシール性樹脂フィルムを順に張り合わせることにより、当該積層体を製造することができる。
すなわち、本発明のパウチを構成する積層体の一態様は、ポリエステル系樹脂層/接着性樹脂層/ポリアミド系樹脂層/ドライラミネート接着剤層/金属フィルム層/ドライラミネート接着剤層/ヒートシール性樹脂フィルム層、の層構成を有する。上記層構成を有する積層体を、ヒートシール性樹脂フィルム層が最内層となるように製袋し、本発明のパウチを得ることができる。
本発明のパウチを構成する積層体において、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む接着性樹脂を使用するため、良好な層間密着性を有するポリアミド系多層フィルムを、共押出しにより得ることができる。
高いガスバリア性とスタンドパウチ等への適用が可能な高い物理的強度とを兼ね備える従来型積層体は、4枚のフィルム、すなわち、表面保護層としての基材フィルム、物理的強度付与フィルム、ガスバリア性付与フィルム、ヒートシール性樹脂フィルムの4枚を張り合わせて製造される。これに対し、本発明において、基材フィルム及び物理的強度付与フィルムの2枚のフィルムの代わりに、基材フィルムとしての機能を果たすポリエステル系樹脂層と、物理的強度付与フィルムとしての機能を果たすポリアミド系樹脂層と、これら2層の接着を担う接着性樹脂層とを有する1枚の共押出しフィルムが使用される。したがって、従来型積層体と比べ、その製造において1回のラミネート工程を省くことができ、タンデムラミネート機による1回の巻出し・巻取り工程での製造が可能となる。従来型積層体のように、タンデムラミネート機に付した後でさらにもう一度シングルラミネート機に付す必要がないため、本発明によれば、コスト、時間、手間及び環境負荷に関して優れた生産効率を達成することができる。
また、上記のような従来型積層体において、物理的強度付与フィルムとして、コスト及び入手し易さ等の観点から、ポリアミド系樹脂フィルムが好適に選択され得る。しかしながら、該ポリアミド系樹脂フィルムは、ボイル処理又はレトルト処理等の高温処理に付されると、収縮を起こす。したがって、ポリアミド系樹脂フィルムを含む積層体を、レトルトパウチ等の高温処理用容器に適用するには、耐熱性及び耐水性に優れ且つ耐変形性に優れたフィルム、例えば十分な厚みを有するポリエステル系樹脂フィルムをポリアミド系樹脂フィルムと張り合わせ、その収縮を防ぐ必要がある。そのため、従来型積層体において、上記ポリアミド系樹脂フィルムと共に、基材フィルムとして、かなりの厚みを有するポリエステル系樹脂フィルムが選択される場合が多い。このような積層体は、重くまた嵩張るために、原材料の調達及び製造時だけでなく、廃棄時にも多大な環境負荷がかかる。
これに対し、本発明において、ポリアミド系樹脂層とポリエステル系樹脂層とが、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む接着性樹脂層を介して、共押出しによって1枚のフィルムとして形成され、その後、このフィルムの前記ポリエステル系樹脂層と反対側の表面に金属フィルムが張り
合わせられる。この構成によって、すなわち、ポリアミド系樹脂層を、共押出し形成されたポリエステル系樹脂層及び特定の接着性樹脂層と、金属フィルムとで挟み込むことにより、ポリアミド系樹脂層の熱収縮を好適に防ぐことができる。このような場合、ポリアミド系樹脂層の熱収縮を防止するために、ポリエステル系樹脂層を厚く設定する必要はない。層を構成する樹脂の組成や使用する金属フィルムによっても異なるが、ポリエステル系樹脂層の厚さを、例えば、ポリアミド系樹脂層の厚さの10分の1程度に設定しても、良好な熱収縮防止効果が発揮され得る。
したがって、本発明によれば、従来よりも積層体の厚みを薄くすることが可能となり、それに伴い、環境負荷を大幅に低減することができる。さらに、本発明のパウチは、等しい程度のガスバリア性及び物理的強度を有する従来型の4枚構成の積層体からなるパウチと比べて、製造工程がより短い点でも好ましい。これらの利点に基づき、本発明のパウチは、従来型の4枚構成、すなわちポリエステル系樹脂フィルム層/ドライラミネート接着剤層/ポリアミド系樹脂フィルム層/ドライラミネート接着剤層/ガスバリア性付与フィルム層/ドライラミネート接着剤層/ヒートシール性樹脂フィルム層、の4枚のフィルムを張り合わせた構成を有し且つ同レベルのガスバリア性及び物理的強度を有する積層体からなるパウチと比べて、格段に小さな環境負荷で製造することができる。
本発明のパウチを構成する積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下にさらに詳しく説明する。
本発明のパウチを構成する積層体の層構成
本発明にかかるパウチを構成する積層体の層構成としては、例えば、図1に示すように、ポリエステル系樹脂層1、接着性樹脂層2、ポリアミド系樹脂層3、ドライラミネート接着剤層4a、金属フィルム層5、ドライラミネート接着剤層4b、ヒートシール性樹脂フィルム層6、からなることを基本構造とする積層体を上げることができる。
ここで、ポリエステル系樹脂層1、接着性樹脂層2及びポリアミド系樹脂層3は、共押出しされ、ポリアミド系多層フィルム7を構成する。
該ポリアミド系多層フィルムのポリアミド系樹脂層側の表面に、ドライラミネート接着剤層を介して金属フィルムをラミネートし、次いで同様にドライラミネート接着剤層を介してヒートシール性樹脂フィルムをラミネートすることにより、本発明のパウチを構成する積層体が得られ、さらにこれを、該ヒートシール性樹脂フィルムが最内層となるように製袋することによって、本発明のパウチを得ることができる。ポリアミド系樹脂層側の表面にドライラミネート接着剤層をコーティングする前に、必要に応じて、該表面に印刷層を設けてもよい。
なお、上記の例示は、本発明のパウチを構成する積層体の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、各層について詳細に説明する。
ポリアミド系多層フィルム
本発明の一態様において、ポリアミド系多層フィルムは、ポリエステル系樹脂層/接着性樹脂層/ポリアミド系樹脂層、がこの順で並んだ3層からなる。ここで、各層の厚みは、ポリエステル系樹脂層の厚さ(a)、接着性樹脂層の厚さ(b)、及びポリアミド系樹脂層の厚さ(c)が、それぞれ、1μm<(a)<20μm、0.1μm<(b)<20μm、5μm<(c)<40μmであって、ポリアミド系多層フィルムの厚さ(a)+(b)+(c)は、6.1〜80μmの範囲である。ポリエステル系樹脂層が1μmより薄いと、レトルトパウチに必要とされる十分な耐熱性及び耐水性が得られない。また、20μmより厚いと、製膜化適性が低下し、且つ環境負荷が大きくなるため好ましくない。接
着性樹脂層が0.1μmより薄いと、ポリエステル系樹脂層とポリアミド系樹脂層との十分な接着が得られない場合がある。また、20μmより厚いと、製膜化適性が低下するため好ましくない。ポリアミド系多層フィルムが5μmより薄いと、スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチとして使用するのに十分な強度が得られない。一方、40μmより厚いと、製膜化適性が低下し、且つ環境負荷が大きくなるため好ましくない。また、ポリアミド系多層フィルムの厚さが6.1μmより薄いと、スタンドパウチ等に適用するために必要な強度が得られず、また80μmより厚いと、製膜化適性が低下し、且つ環境負荷が大きくなるため好ましくない。
熱処理によるポリアミド系樹脂層の収縮を防止するためには、積層体全体の構成に応じて変化し得るが、(a)/(c)は好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.2以上である。
また、必要な物理的強度を維持したまま、原材料の調達及び製造時並びに廃棄時にかかる環境負荷を小さくするために、そして製膜化適性を向上させるために、積層体全体の構成に応じて変化し得るが、(a)/(c)は好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.25以下である。
上記の理由から、本発明の一態様において、ポリエステル系樹脂層の厚さが3μmであり、そしてポリアミド系樹脂層の厚さが12μmであるポリアミド系多層フィルムが使用される。
また別の態様において、より高い物理的強度を要するパウチの用途に好適な構成として、ポリエステル系樹脂層の厚さが5μmであり、そしてポリアミド系樹脂層の厚さが20μmであるポリアミド系多層フィルムが使用される。
ポリエステル系樹脂層
本発明の構成において、ポリエステル系樹脂層は、パウチ表面に耐熱性を付与する役割を果たす。また、同様に耐熱水性を付与し、さらに、後述の金属フィルム層と共にレトルト処理における外観変化を抑制する役割も果たす。
ポリエステル系樹脂層を構成するポリエステル系樹脂組成物は、二塩基酸とグリコールとが共重合されたポリエステル共重合体、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体、スルホン基含有ポリエステル等の結晶性ポリエステルからなる。
酸成分である二塩基酸としては、スルホン酸基含有ジカルボン酸と、その他のジカルボン酸等が挙げられる。
スルホン酸基含有ジカルボン酸としては、スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸等が挙げられる。スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸等の金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。本発明において、良好な接着性及び耐変形性を得るために、好ましくはナトリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を使用することができる。スルホン基含有ポリエステルにおいて、スルホン酸基含有ジカルボン酸の共重合比率は、全酸成分に対して、好ましくは0.5〜10モル%である。また、その極限粘度は、好ましくは0.3〜0.8dl/gである。
その他のジカルボン酸としては、スルホン酸金属塩を含まない通常ジカルボン酸であり、芳香族、脂肪族、脂環族の各ジカルボン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
グリコール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、炭素数6〜12個の脂環族グリコール(1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等)、および両者の混合物等が挙げられる他、芳香族グリコール(p−キシレングリコール等)、ポリアルキレンエーテルグリコール類(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)等が挙げられる。
上記のポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮合によって得られる。例えば、上記ジカルボン酸成分およびグリコール成分を直接反応させ、水を留去してエステル化した後に重縮合を行う直接エステル化法、あるいはジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステル交換を行った後に重縮合を行うエステル交換法等によって得られる。この他に、溶液重縮合や界面重縮合等によっても共重合体が得られ、特に限定されるものではない。
パウチの用途に応じて、種々のポリエステル系樹脂を使用することができ、これは2種以上の混合物であってもよい。PETを使用する場合、優れた熱寸法安定性、保香性及び耐熱性が得られる。また、スルホン基含有ポリエステルを使用する場合、高い層間接着強度を有する共押出しフィルムが得られる。
ポリエステル系樹脂層は、必要に応じて種々の添加剤、例えば滑剤を含有していてもよい。
ポリアミド系樹脂層
ポリアミド系樹脂層は、パウチの強度特性を向上させ、スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチとして使用するのに十分な強度、耐衝撃性等を与える役割を果たす。
ポリアミド系樹脂層を構成するポリアミド系樹脂組成物は、脂肪族ポリアミドからなるが、その他のポリアミド成分、例えば、芳香族ポリアミド等を含有してもよい。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂肪族または脂環式のジアミン類と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸もしくはその誘導体との重縮合反応で得られる脂肪族ポリアミド、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等の縮合によって得られるポリアミド樹脂、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタム化合物から得られるポリアミド樹脂、あるいはそれらの混合物等を使用することができる。具体的には、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610等の脂肪族ポリアミド系樹脂を使用することができる。
好ましい脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6/66が挙げられる。2種以上の脂肪族ポリアミドとしてはナイロン−6とナイロン−6/66の任意の割合の組み合わせが挙げられる。
ポリアミド系樹脂組成物は、脂肪族ポリアミドからなるが、その他のポリアミド、例えば芳香族ポリアミドを0〜20重量%程度、好ましくは5〜17重量%程度、より好ましくは10〜15重量%程度含有していてよい。
接着性樹脂層
本発明において、接着性樹脂層は、ポリエステル系樹脂層とポリアミド系樹脂層との間の親和性及び密着性等を高め、両者が強固に密接着し、層間剥離(デラミ)等を起こさないように作用する。上記の接着性樹脂層としては、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する樹脂組成物からなる。
変性ポリオレフィンは、主成分であるポリオレフィンの一部を共重合、共縮合等により他の物質(モノマー)で置換するか、或いは適当な物質(モノマー)を局部的に反応させるなどの方法により変性したポリオレフィン樹脂である。
具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
好ましい変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンセグメントとオレフィン以外の極性を有するセグメントとがブロック状及び/又はグラフト状及び/又はランダム状に結合している構造を有する共重合体であり、例えばプロピレン系ポリオレフィンセグメントと乳酸を構成成分として含むセグメントとの共重合体、エチレン系ポリオレフィンセグメントとアクリル酸単位を構成成分として含むセグメントとの共重合体、プロピレン系ポリオレフィンセグメントとアクリル酸単位を構成成分として含むセグメントとの共重合体が挙げられる。具体的には、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂として、三井化学株式会社製のアドマーSE800、SF740、SF731、SF730を使用することができる。
スルホン基含有ポリエステルとしては、上述のポリエステル系樹脂層の項において記載した、スルホン酸基含有ジカルボン酸を酸成分として含むポリエステル系樹脂が使用される。
接着性樹脂層を構成する樹脂組成物は、変性ポリオレフィン又はスルホン基含有ポリエステルからなるか、又はこれらをパウチ用途に応じて任意の割合で含有する混合物からなるものであってよい。本発明のパウチが、ボイル処理やレトルト処理等の高温水処理に付される用途で使用される場合は、接着性樹脂層はスルホン基含有ポリエステルからなるか、又は、樹脂組成物中のスルホン基含有ポリエステルの配合比を高めることが好ましい。
ポリアミド系多層フィルムの製膜
本発明において、ポリアミド系多層フィルムの製膜化に際し、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を使用することができ、さらには、改質用樹脂等も使用することができる。
本発明のポリアミド系多層フィルムは、上記の各層を構成する樹脂組成物を、Tダイ法、インフレーション法等の製膜化方法を用いて、共押出しすることにより形成することができる。また、例えばテンター方式、或いはチューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してもよい。さらに、得られたフィルムは、必要ならばその両表面または片
表面にコロナ放電処理を施すこともできる。
印刷層
上記ポリアミド系多層フィルムの、ポリアミド系樹脂層側の表面(すなわち、ポリエステル系樹脂層と反対側の表面)に、第一のドライラミネート接着剤層を設ける前に、必要に応じて、印刷層を設けることができる。
印刷層は、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、さらに、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調製し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式を使用し、前述のポリアミド系多層フィルムのポリアミド系樹脂層側の表面に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷することにより形成することができる。
上記において、インキビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シエラツク、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルプチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム等の1種ないし2種以上を使用することができる。
第一のドライラミネート接着剤層
本発明の一態様において、上記ポリアミド系多層フィルムの、ポリアミド系樹脂層側の表面に、又は印刷層を設けた場合はその上に、第一のドライラミネート接着剤層を設ける。
第一のドライラミネート接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等、を使用することができる。
上記の接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、さらに接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
本発明においては、上記ポリアミド系多層フィルムの、ポリアミド系樹脂層側の表面に、又は印刷層を設けた場合はその上に、上記の接着剤を、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法等のコート法、あるいは、印刷法等によって施し、次いで、溶剤等を乾燥させて第一のドライラミネート接着剤層を形成することができ、そのコーティングないし塗工量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
金属フィルム層
本発明の一態様において、上記で第一のドライラミネート接着剤層を形成した後で、金属フィルムをドライラミネートすることにより、金属フィルム層が形成される。本発明の構成において、金属フィルムは、パウチにガスバリア性を付与し、且つ、上述のポリエステル系樹脂層と共に、ポリアミド系樹脂層の熱収縮を防ぎ、レトルト処理におけるパウチの外観変化を抑制する。
金属フィルムとしては、金属箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムを張り合わせた金属箔、金属蒸着フィルム等が挙げられ、該金属としては、アルミニウム、銅、ステンレス等が挙げられる。本発明において、ガスバリア性、加工性及びコスト面から、アルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムを張り合わせたアルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等のアルミニウムフィルム、特にアルミニウム箔が好ましい。
金属フィルム層の厚さは、6〜40μm、好ましくは7〜20μmである。6μm未満では、パウチとして使用するのに十分なガスバリア性が得られず、またポリアミド系樹脂層の熱収縮を防止できない可能性がある。一方、40μmを超えると、環境負荷が大きくなるため、好ましくない。
第二のドライラミネート接着剤層
本発明の一態様において、金属フィルムをドライラミネートした後で、第二のドライラミネート接着剤層を設け、ヒートシール性樹脂フィルムをラミネートする。第二のドライラミネート接着剤層を構成する接着剤としては、上記第一のドライラミネート接着剤層の項において挙げたものと同じ接着剤を使用することができる。該接着剤を、上記金属フィルムの全面にコーティングすることにより、当該層を形成することができる。
ヒートシール性樹脂フィルム層
次に、本発明において、ヒートシール性樹脂フィルム層について説明すると、かかる層は、熱によって溶融し、融着し得る慣用のヒートシール性樹脂フィルムをドライラミネートすることにより形成される。該フィルムを形成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等、またはこれらの樹脂の1種ないしそれ以上からなる混合物が挙げられる。
本発明の一態様においては、第二のドライラミネート接着剤層上に、上記のヒートシール性樹脂フィルムないしシートをドライラミネートして、ヒートシール性樹脂フィルム層を形成することができる。
本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、食品衛生法にて加圧加熱殺菌食品として表示をするために必要な23N/15mm以上のシール強度を得るために、厚さ30μm〜100μmの無延伸ポリプロピレンフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
また、上記の樹脂のフィルムないしシートは、単層ないし多層で使用することもできる。
その他の包装材用積層材料
通常、パウチは、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、パウチを構成する積層体には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性等の種々の条件が要求される。このために、本発明においては、上述の層の他にも、意図する条件を充足するその他の包装材
用積層材料を任意に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−プタジェンースチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジェン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂のフィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。その他、例えば、合成紙等も使用することができる。
上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm程度の範囲から選択して使用することができる。
本発明において、これらのフィルムないしシートは、種々のコーティング法、印刷法、又はドライラミネート法等の方法を用いて、ポリアミド系多層フィルムと金属フィルムとの間、又は金属フィルムとヒートシール性樹脂フィルムとの間に、ドライラミネート接着剤層を介して適宜に積層することができる。
パウチ
上記の積層体を用いたパウチについて説明する。本発明において、上記の積層体を使用して、この積層体を二つ折にし、又は積層体2枚を使用して、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、その端部をヒートシールして、パウチを製造することができる。
シール型としては、例えば側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、スタンディングパウチを形成するためのシール型等の公知の型を用いることができる。
またヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
上記の本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
ポリエステル系樹脂(ベルポリエステルプロダクツ製、ベルベットEFG6C)、接着性樹脂(三井化学株式会社製、アドマーSF740)、ポリアミド系樹脂(ナイロン−6、UBEナイロン−1022FDX23)を用いて、ポリエステル系樹脂層/接着性樹脂層/ポリアミド系樹脂層の構成で、ポリエステル系樹脂層の厚み(a)=2μm、接着性樹脂層の厚み(b)=1μm、ポリアミド系樹脂層の厚み(c)=12μmであるポリアミド系多層フィルムを共押出しにより作成した。
次に、上記で形成したポリアミド系多層フィルムのポリアミド系樹脂層の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ドライラミネート接着剤(三井化学株式会社製、タケラックA310/A3)をグラビアロールコート
法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングして、第一のドライラミネート接着剤層を形成した。次いで、該第一のドライラミネート接着剤層の面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートし、次いで、脂肪族系ドライラミネート接着剤(ロックペイント製、RU40/H4)をグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングして第二のドライラミネート接着剤層を形成した。最後に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートして積層して、本発明のパウチを構成する積層体を製造した。
次に、上記で製造した積層体の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、底部を船底シール部を形成すると共に上方に開口部を有する、巾130mm、高さ170mm、折込35mmのスタンドパウチを製造した。上記で製造したスタンドパウチ内に、その開口部から水を210g充填包装し、しかる後、その開口部をヒートシールして上方シール部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度120℃、圧力2.1kgf/cm2・G、時間30分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、レトルト包装品を製造した。
[比較例1]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(三井化学株式会社製、タケラックA310/A3)をグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングしてドライラミネート接着剤層を形成し、次いで、厚さ15μmのポリアミドフィルムをラミネートし、次いで、同様にポリウレタン系ドライラミネート接着剤からなるドライラミネート接着剤層を形成した。次いで、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネートし、次いで、脂肪族系ドライラミネート接着剤(ロックペイント製、RU40/H4)をグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングしてドライラミネート接着剤層を形成し、最後に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルム層/ドライラミネート接着剤層/ポリアミドフィルム層/ドライラミネート接着剤層/アルミニウム箔/ドライラミネート接着剤層/無延伸ポリプロピレンフィルム層、からなる積層体を製造し、実施例1と同様にしてスタンドパウチを製造し、レトルト処理を行い、レトルト包装品を製造した。
[比較例2]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ドライラミネート接着剤(三井化学株式会社製、タケラックA310/A3)をグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングしてドライラミネート接着剤層を形成し、次いで、厚さ7μmのアルミニウム箔をラミネートし、次いで、脂肪族系ドライラミネート接着剤(ロックペイント製、RU40/H4)をグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングしてドライラミネート接着剤層を形成し、最後に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルム層/ドライラミネート接着剤層/アルミニウム箔/ドライラミネート接着剤層/無延伸ポリプロピレンフィルム層、からなる積層体を製造し、実施例1と同様にしてスタンドパウチを製造し、レトルト処理を行い、レトルト包装品を製造した。
[実験例]
上記の実施例1、並びに比較例1及び2で製造したパウチについて、下記のデータを測定した。
(1)スタンド適性
スタンドパウチを作成した際の外観を観察した。
(2)外観変化
210g水を充填し、120℃、30分加圧加熱式殺菌後の外観変化を観察した。
(3)落下強度
上記方法にて作成したレトルト包装品を、高さ120cmからコンクリート面に、水平および鉛直方向に1回ずつ(計2回)落下させ、パウチの破損および内容物の漏れの有無を確認した。
(4)突刺強度
上記方法にて作成したレトルト包装品から内容物を取出し、積層体の表面から、直径1mmφの針を200mm/minの突刺速度で突刺して、針がフィルムを貫通するのに要した強度(N)を測定した。
(5)寸法安定性
120℃×30分熱水式レトルト後に巾130mm、高さ170mm、折込35mmの形態のままであれば◎、収縮した場合は×とした。
(6)環境配慮
積層体1m2あたりの質量を計算し比較した。
(7)二酸化炭素排出量
LCA(ライフサイクルアセスメント)手法により、巾130mm、高さ170mm、折込35mmのスタンドパウチ100万袋あたりの二酸化炭素排出量を算出した。対象範囲は、原材料調達段階から製造段階までで、算出には社団法人産業環境管理協会の「JEMAI-LCA-Pro」ソフトを使用した。
評価結果を表1、表2に示す。ここに示された結果より明らかなようにように、本発明のパウチは、比較例1及び2のパウチと比較して、スタンド適性、、レトルト後外観変化、落下強度、突刺強度、寸法安定性、環境配慮及び二酸化炭素排出量の全ての項目においてバランスよく優れた特性を示した。
Figure 2011184084
Figure 2011184084
1 ポリエステル系樹脂層
2 接着性樹脂層
3 ポリアミド系樹脂層
4a、4b ドライラミネート接着剤層
5 金属フィルム層
6 ヒートシール性樹脂フィルム層
7 ポリアミド系多層フィルム

Claims (7)

  1. ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層及びポリアミド系樹脂層がこの順で並んだ3層を少なくとも有するポリアミド系多層フィルム、並びに金属フィルム及びヒートシール性樹脂フィルムを含む積層体を、そのポリエステル系樹脂層が最外層となり、そしてヒートシール性樹脂フィルムが最内層となるように製袋することによって得られ、且つ、該接着性樹脂層が、変性ポリオレフィン及びスルホン基含有ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする、パウチ。
  2. 前記ポリアミド系多層フィルムは、共押出しにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記ポリアミド系多層フィルムの厚さが6.1〜80μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパウチ。
  4. 前記ポリエステル系樹脂層の厚さが3μmであり、そして前記ポリアミド系樹脂層の厚さが12μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパウチ。
  5. 前記ポリエステル系樹脂層の厚さが5μmであり、そして前記ポリアミド系樹脂層の厚さが20μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパウチ。
  6. 前記積層体が、ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層、ポリアミド系樹脂層、ドライラミネート接着剤層、アルミニウムフィルム層、ドライラミネート接着剤層、及びヒートシール性樹脂フィルム層、がこの順で並んだ層構成からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパウチ。
  7. スタンドパウチ、レトルトパウチ又は搬送及び陳列時における保護用化粧箱の不要なパウチであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパウチ。
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