以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図である。
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されている。
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、所定の操作を行う決定ボタン20aおよび選択ボタン20b,20cが設けられている。この選択ボタン20b,20cは、後に説明する障子セレクト演出の際のAボタンおよびBボタンとしても用いられる。
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球および後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレールGにより案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、図示しない遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
遊技盤4には、遊技状態において遊技球が流下する領域となる遊技領域4a(図2参照)が形成されており、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる多数の遊技釘が設けられている。また、図4に示すように、遊技領域4a上において、遊技盤面を左右に仕切る中心線上であって、高さ方向の中央部には始動入賞口9が設けられている。さらに、その中心線の左側であって高さ方向の中央部には、普通図柄作動ゲート10が設けられている。
さらに、始動入賞口9のやや下側位置に本発明の可変入賞装置である大入賞口11が設けられ、始動入賞口9の側方には、一般入賞口12a〜12dが設けられている。また、遊技領域4aの中央部下端部には、アウト口13が設けられている。
始動入賞口9は、遊技球が入賞可能とされている。始動入賞口9には、始動入賞口スイッチ9S(図5)が設けられており、始動入賞口9に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ9Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。
普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能とされており、遊技球が通過したことを条件として普通図柄当り判定用乱数を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当り判定用乱数の抽出により普通図柄の当り判定を行い、当り判定に当選した場合に、普通図柄Nに当り普通図柄を表示するとともに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根が所定秒数の間開放する。
大入賞口11は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、上述した大当り乱数に基づいて大当り判定を行い、特別図柄が大当りの表示結果となり、遊技状態が大当り状態となったときに、閉じているシャッタが所定の態様で開閉する。このシャッタが開いている状態が遊技球を受け入れやすい開状態となり、シャッタが閉じている状態が遊技球を受け入れ難い閉状態となる。大入賞口11は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。また、大入賞口11は、開状態と閉状態との一回の開閉動作を1ラウンドとした開閉動作を行う。ここでの1ラウンド中における開状態としては、1ラウンド中大入賞口11が一定時間開放し続ける状態のほか、1ラウンド中に開閉を断続的または間欠的に継続して、結果として遊技球を受け入れやすくする状態も含むものである。
一般入賞口12a,12bは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。これらの一般入賞口12a,12bは、透光性基板15に設けられている。
アウト口13は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a,12bなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
また、遊技盤4は、透光性を有する透光性基板15からなっている。この透光性基板15は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、その部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板15には、遊技釘が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板15とフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとなっている。そして、図2に示すように、この透光性基板15の背面側に各種の画像を表示する大画面の表示領域16aを備えた表示手段である液晶表示装置16が配置されている。液晶表示装置16に表示された画像は、透光性基板15の略中央の遊技釘が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認できるようになっている。液晶表示装置16は、後に説明する有効ラインに大当り図柄を表示することにより、大当り遊技状態への移行を遊技者に報知する。
この表示領域16aには、図4に示すように、9つの図柄表示領域E1〜E9が設定され、各図柄表示領域には、本発明の識別図柄となるメイン装飾図柄Dの各装飾図柄1〜D9がそれぞれ可変表示および停止表示される。装飾図柄D1〜D9が停止表示された際の態様には、それぞれ「7」の数字を模した図柄(以下「主図柄」という)、「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」「小槌」を模した図柄(以下「発展図柄」という)、およびその他の桜の花びらを模したブランク図柄がそれぞれ設定されている。メイン装飾図柄Dが変動表示される際には、図柄表示領域E1〜E9ごとにそれぞれ設定された図柄の配列の順番でそれぞれ表示される。各図柄表示領域E1〜E9の表示される各識別図柄の表示順序などについては、後に説明する。また、表示領域16aには、メイン装飾図柄Dの他にも、背景画像、キャラクタ画像等が表示される。
また、後に説明する確変遊技期間中に行われる障子演出では、これらの装飾図柄D1〜D9の前面に隠蔽画像となる障子画像が重畳表示される。この障子画像が表示されることにより、装飾図柄D1〜D9は、障子画像によって隠蔽され、遊技者が視認不能な状態となる。また、障子画像が表示されている際には、図34(b)〜(d)に示す停止表示図柄dが障子画像の前面に表示される。停止表示図柄としては、装飾図柄D1〜D9に対応する小図柄d1〜d9が設定されている。
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置16の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ18L,18R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ19L,19R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球および始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dにより賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図5参照)等を具備している。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像および音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、およびバックアップクリアスイッチ26が、それぞれ配置されている。
さらに、図4に示すように、遊技領域4aの上部には、特別図柄を変動表示させる保留球数(特別図柄保留個数)を報知する4つの特別図柄保留ランプR1〜R4が設けられており、左側の2つの特別図柄保留ランプR1,R2と右側の2つの特別図柄保留ランプR3,R4との間には、特別図柄Jおよび普通図柄Nを表示する図柄表示装置16bが設けられている。特別図柄Jは、大当りか否の判定の結果を示す図柄であり、特別図柄Jとしては、「F」、「A」、「H」、「−」の4種類の図柄が表示される。また、普通図柄表示装置は、特別図柄Jの表示位置の側方に配置されたLEDランプからなり、普通図柄Nは、普通図柄表示装置の色によって表示される。さらに、図柄表示装置16bと表示領域16aの間には、普通図柄を変動表示させる保留球数(普通図柄保留個数)を報知する普通図柄保留ランプr1〜r4が設けられている。
これらの特別図柄Jのうち、「F」、「A」、「H」が大当り特別図柄となる。特に、「F」は、15R継続確変大当り特別図柄、「H」は、2R継続確変大当り図柄、「A」は、通常大当り特別図柄となる。また、「−」ははずれ特別図柄となる。さらに、普通図柄Nとしては、LEDランプが赤く点灯したときにはずれ普通図柄となり、緑色に点灯したときに当り普通図柄となる。
表示領域16aに停止表示されるメイン装飾図柄Dは、特別図柄Jに対応しており、特別図柄Jが「F」、「A」である場合には、図柄表示領域E1〜E9の組み合わせにより設定されている成立ラインL1〜L9の各図柄表示領域に「7」の主図柄が停止表示されるか、すべての図柄表示領域E1〜E9に発展図柄が停止表示される。また、特別図柄Jが「−」「H」である場合には、その他の態様で各図柄表示領域E1〜E9に識別図柄が停止表示される。さらに、特別図柄Jが「F」、「A」のいずれかである場合、主人公と対戦相手とが相撲の勝敗を模したアニメーションが表示され、「F」の場合には、主人公が勝利する表示がなされて確変大当りであることが報知され、「A」の場合には、対戦相手が勝利する表示がなされて通常大当りであることが報知される。また、確変遊技期間中に表示される停止表示図柄は、障子画像の裏側で表示される装飾図柄D1〜D9のいずれか1つが変動表示されている際には、全図柄が変動表示され、装飾図柄D1〜D9がすべて停止表示された時には、各装飾図柄D1〜D9に対応する小図柄d1〜d9(図34(b)〜(d)参照)が停止表示される。
図5は、図1〜図4に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40および払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、1チップマイコンより構成されているメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
メインCPU31は、後述するカウントスイッチ11CSなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当り抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインCPU31は、大当り抽選の結果や遊技状態の消化などにより、通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態との間を移行制御している。ここで、メインCPU31は大当り判定手段を構成しており、大当り抽選に当選することが、通常遊技状態から特定遊技状態への移行を行う移行条件となる。
また、遊技状態としては、通常遊技状態および大当り遊技状態のほか、通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態および時短遊技状態が設定されている。確変遊技状態では、通常遊技状態よりも、メインCPU31における大当り抽選の当選確率を高く設定して、大当り遊技状態に移行しやすくしている。また、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間を短縮する。こうして、始動入賞口9の羽根9aを開きやすくし、場合によっては普通図柄の当選確率を高く設定して、さらに始動入賞口9の羽根9aを開きやすくして始動入賞口9への入賞割合を高めている。こうして、短時間で多くの大当り抽選を行うことを可能とすることにより、結果として大当り遊技状態に移行しやすくしている。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれにもなっていない遊技状態を意味する。また、通常遊技状態および大当り遊技状態以外の遊技状態では、確変遊技状態と時短遊技状態とが同時に進行する場合もあり、確変遊技状態または時短遊技状態のみが進行する場合もある。
メインCPU31は、確変大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を確変遊技状態と時短遊技状態とに移行させ、通常大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態へと移行させる。確変遊技状態では、次に大当り抽選当選するか、所定回数、たとえば50回の装飾図柄D1〜D9の変動が終了するまで確変遊技状態が継続する。時短遊技状態では、次に大当り抽選に当選するか、所定回数、たとえば100回の特別図柄の変動表示が終了するまで時短遊技状態が継続する。メインCPU31は、時短遊技状態で大当り抽選に当選した場合には、遊技状態を大当り遊技状態に移行させ、所定回数の特別図柄の変動が終了した場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。なお、確変遊技状態は、次の大当り遊技状態への移行が生じるまで継続する態様であってもよい。このように、メインCPU31では、大当り遊技状態、通常遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態のいずれに移行するかを制御している。また、確変大当り遊技状態から確変遊技状態に移行すると、メイン装飾図柄Dの変動表示時間を短縮する制御を行う。
また、メインROM32には、メインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図6に示す特別図柄決定テーブル、図7に示す変動パターンテーブル等が記憶されている。さらに、メインRAM33は、メインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。このメインRAM33に、図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを副制御回路40に送信するための送信バッファが設けられている。
メインCPU31は、図6に示す特別図柄決定テーブルから選択された特別図柄を図柄表示装置16bに表示させる。メインCPU31は、大当り判定用乱数カウンタを用いて行われる大当り抽選の結果を特別図柄決定テーブルに参照して特別図柄を決定する。また、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに行われる大当り抽選では、大当り特別図柄抽選も同時に行っている。大当り特別図柄抽選では、大当り特別図柄決定用乱数(0〜9)から1つを取得する。ここで取得された乱数が0〜7の場合には、確変大当りであり、継続ラウンド数が15となる図柄「F」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。また、取得された乱数が8の場合には、確変大当りであり、継続ラウンド数が2ラウンドとなる図柄「A」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。さらに、取得された乱数が9の場合には、通常大当りであり、継続ラウンド数が15ラウンドとなる図柄「H」を選択して図柄表示装置16bに表示させる。なお、大当り特別図柄抽選は、大当り抽選によって大当りと判定された際に行う態様とすることもできる。また、大当りラウンド数の関係は図6に示すものに限られない。たとえば、「A」の大当りによって、2ラウンドしか継続されないものであってもよい。
また、大当り抽選に落選してはずれが選択された場合には、特別図柄決定テーブルから「−」を選択し、図4および図5に示す図柄表示装置16bに特別図柄として表示させる。この場合、取得された大当り図柄決定用乱数は不要となるので破棄される。このように、大当り抽選は、予め設定された確率で行われている。具体的に、通常遊技状態(時短遊技状態も含む)であるときには、1/300の確率で大当り遊技状態へ移行する大当り抽選が行われ、確変遊技状態であるときには、5/300の確率で大当り遊技状態へ移行する大当り抽選が行われる。
さらに、メインCPU31は、選択された図柄に基づいて、図柄指定コマンドを決定する。具体的に、選択された図柄が「−」である場合には、図柄指定コマンドをz3と決定する。また、選択された図柄が「F」である場合には、図柄指定コマンドをz0と決定する。さらに、選択された図柄が「A」である場合には、図柄指定コマンドをz1と決定する。そして、選択された図柄が「H」である場合には、図柄指定コマンドをz2と決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、メインCPU31は、図7に示す変動パターンテーブルを参照して、変動パターンコマンドを決定する。変動パターンコマンドを決定するために、上記の大当り抽選および大当り特別図柄抽選とはさらに別個に変動パターン決定抽選を行う。変動パターン決定抽選では、複数の変動パターン決定乱数から1つの変動パターン決定乱数値を取得する。ここで取得された変動パターン決定乱数値のほか、大当り抽選の当落、現在の遊技状態、および特別図柄保留個数を図7に示す変動パターンテーブルに参照して、変動パターンコマンドを決定するとともに、変動パターンコマンドに対応する変動時間および演出内容を決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した変動パターンコマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
具体的に、まず大当り抽選に落選した場合について説明すると、遊技状態が通常遊技状態であり、保留個数が0〜3個のいずれかである場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h0、h3、h4、h5、およびh6のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。また、保留個数が4個である場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h1、h3、h4、h5、およびh6のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。
また、遊技状態が時短遊技状態であり、保留個数が0個である場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h0、h3、h4、h5、およびh6のいずれかの変動パターンコマンドが決定され、保留個数が1〜4個のいずれかである場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h2、h3、h4、h5、およびh6のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。さらに、遊技状態が確変遊技状態であり、保留個数が0個である場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h0、h1、h3、h4、h5、h6、およびh7のいずれかの変動パターンコマンドが決定され、保留個数が1〜4個のいずれかである場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h0、h2、h3、h4、h5、h6、およびh7のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。
一方、大当り抽選に当選した場合について説明すると、特別図柄の種類がHまたはFであり、遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態である場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h8、h9、h10、およびh11のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。また、確変遊技状態中である場合には、取得された変動パターン決定乱数値に応じて、h8、h9、h10、h11、およびh12のいずれかの変動パターンコマンドが決定される。そして、特別図柄の種類がAである場合には、取得された変動パターン決定乱数値によらず、変動パターンコマンドとしてh13が決定される。
メインRAM33は、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターンコマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
また、主制御回路30には、カウントスイッチ11CSをはじめとする各スイッチ等が接続されている。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
また、パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに、主制御回路30におけるメインCPU31は、上記の大当り抽選を行う。大当り抽選の結果、通常大当りまたは確変大当りが決定された場合には、遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行する。このように、大当り遊技状態には通常大当り遊技状態と確変大当り遊技状態とがあり、このうちの確変大当り遊技状態が特別大当り遊技状態となる。また、検出信号に基づく大当り抽選の結果を報知する識別図柄の変動表示が行われている最中には、検出信号を最大4つ保留し、その保留個数と同数の特別図柄保留ランプR1〜R4を点灯させる。
さらに、大当り抽選の結果の大当りが通常大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、時短遊技状態に移行する。また、大当りが確変大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、確変遊技状態に移行する。一方、大当り抽選の結果がはずれとなった場合には、大入賞口11の開閉制御を行うことはないが、大当りとなった場合には、大入賞口11を開閉制御する。大入賞口11の開閉制御では、大入賞口11の開状態と閉状態との1回の開閉動作を1ラウンドとして、大当り特別図柄乱数値に基づいて決定されたラウンド数まで大入賞口11開閉動作の駆動制御を行う。
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置16を用いた識別図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置16に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ18L、18Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ19L、19Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、およびランプ制御回路70を有している。
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる一方、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号等にしたがい電源供給ユニット24を制御する。
サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図8に示す演出表示パターンテーブル、図9に示す確変遊技状態においてのみ用いられる障子表示パターンテーブル、図10と図11に示すはずれ用予告表示パターンテーブル、および図12と図13に示す大当り用予告表示パターンテーブル等が記憶されている。さらに、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムおよび主制御回路30から送信される図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを格納するための受信バッファが設けられている。
サブCPU41は、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドや変動パターンコマンド等を図8〜図13に示す各テーブルに参照して、演出表示、障子表示、予告表示などの各表示の表示パターンおよび表示内容を決定する。サブPCU41は表示制御手段を構成する。
サブCPU41は、図8に示す演出表示パターンテーブルから選択された演出表示パターンに沿って、所定の演出を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。サブCPU41は、演出表示を決定するにあたって演出表示パターン決定抽選を行う。演出表示パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜99の乱数から、1つの演出表示パターン決定乱数値を取得する。このときに取得された演出表示パターン決定乱数値と、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドを演出表示パターンテーブルに参照して、演出表示パターンを決定する。
ここで、液晶表示装置16における表示領域16aに表示されるメイン装飾図柄Dの表示態様について説明する。図14(a)に模式的に示すように、液晶表示装置16における表示領域16aには、9つの図柄表示領域E1〜E9が3行3列のマトリクス状に配置されている。各図柄表示領域における装飾図柄D1〜D9の停止順序を図14(b)を用いて説明すると、これらの9つの図柄表示領域E1〜E9において、まず、第一,第九図柄表示領域E1,E9における装飾図柄(以下「第一停止図柄」ともいう)D1,D9が停止表示され、次に、第二,第四,第六,第八図柄表示領域E2,E4,E6,E8における装飾図柄(以下「第二停止図柄」ともいう)D2,D4,D6,D8が停止表示される。続いて、第三,第七図柄表示領域E3,E7における装飾図柄(以下「第三停止図柄」ともいう)D3,D7が停止表示される。そして、最後に第五図柄表示領域E5における装飾図柄(以下「第四停止図柄」ともいう)D5が停止表示される。
また、有効ラインは、通常有効ラインと特別有効ラインとが設定されており、図14(c)に示すように、通常有効ラインとして、第一〜第八有効ラインL1〜L8が設定されている。第一有効ラインL1は、第一,第二,第三図柄表示領域E1,E2,E3からなり、第二有効ラインL2は、第四,第五,第六図柄表示領域E4,E5,E6からなる。また、第三有効ラインL3は、第七,第八,第九図柄表示領域E7,E8,E9からなり、第四有効ラインL4は、第一,第四,第七図柄表示領域E1,E4,E7からなる。さらに、第五有効ラインL5は、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8からなり、第六有効ラインL6は、第三,第六,第九図柄表示領域E3,E6,E9からなる。そして、第七有効ラインL7は、第一,第五,第九図柄表示領域E1,E5,E9からなり、第八有効ラインL8は、第三,第五,第七図柄表示領域E3,E5,E7からなる。
さらに、各図柄表示領域E1〜E9では、それぞれ図柄の変動表示配列が設定されている。いま、図15(a)に示すように、第一,第二,第四,第六,第八,第九図柄表示領域E1,E2,E4,E6,E8,E9の表示配列をAパターン、第三,第七図柄表示領域E3,E7の表示配列をBパターン、第五図柄表示領域E5の表示配列をCパターンとする。ここで、Aパターンでは、図15(b)に示す7種10個の図柄が変動表示される。この変動表示では、表示番号が若い順に順次表示され、具体的に「小槌」→「扇子」→「ブランク」→「手形」→「ブランク」→「酒樽」→「ブランク」→「軍配」→「7」→「小槌」→…の順序で変動表示される。
また、Bパターンでは、図15(c)に示す7種21個の図柄が変動表示され、Cパターンでは、図15(d)に示す7種21個の図柄が変動表示される。
図8に示す表示パターンテーブルを用いた表示パターンの決定は、以下の通りにして行われる。まず、変動パターンコマンドがh0〜h3のいずれかである場合、表示パターン決定乱数を破棄し、演出表示パターンとしてそれぞれhz0〜hz3が決定され、表示内容としてそれぞれ通常変動はずれ、短縮変動はずれ、超短縮変動はずれ、およびノーマルリーチが決定される。
変動パターンコマンドがh4である場合、表示パターン決定乱数によって決定される演出表示パターンが異なる。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチAの上段ラインが決定され、演出表示パターンとしてhz4が決定される。また、表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチAの下段ラインが決定され、演出表示パターンとしてhz5が決定される。
また、変動パターンコマンドがh5である場合、表示パターン決定乱数によって決定される演出表示パターンが異なる。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチBの中段ラインAが決定され、演出表示パターンとしてhz6が決定される。また、表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチBが決定され、演出表示パターンとしてhz7が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh6である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンが決定される。表示パターン決定乱数が0〜34のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「小槌リーチ」が決定され、演出表示パターンとしてhz8が決定される。「小槌リーチ」が表示される際には、通常変動はずれと同様の停止順によって各図柄表示領域における図柄を停止表示させてから、後に特定発展演出である「小槌リーチ」が表示される。また、表示パターン決定乱数が35〜64のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「扇子リーチ」が決定され、演出表示パターンとしてhz9が決定され、表示パターン決定乱数が65〜84のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「手形リーチ」が決定され、演出表示パターンとしてhz10が決定される。さらに、表示パターン決定乱数が85〜94のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「酒樽リーチ」が決定され、演出表示パターンとしてhz11が決定される。表示パターン決定乱数が95〜99のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「軍配リーチ」が決定され、演出表示パターンとしてhz12が決定される。これらの「扇子リーチ」、「手形リーチ」、「酒樽リーチ」、「軍配リーチ」についても「小槌リーチ」と同様に、通常変動はずれと同様の停止順によって各図柄表示領域における図柄を停止表示させてから、所定の演出表示がなされる。変動パターンコマンドがh7である場合には、表示パターン決定乱数を破棄し、演出表示パターンとしてhz13が決定され、障子セレクト演出が決定される。受信コマンドがh0〜h7までの場合には、表示内容がはずれのものとなる。一方、受信コマンドがh8〜h13は、表示内容が大当りのものとなる。
変動パターンコマンドがh8である場合には、表示パターン決定乱数を破棄し、演出表示パターンとしてhz14が決定され、ノーマルリーチが決定される。変動パターンコマンドがh9である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンが決定される。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチAの上段ラインが決定され、表示パターンとしてhz15が決定される。表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチAの下段ラインが決定され、表示パターンとしてhz16が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh10である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンが決定される。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチBの中段ラインAが決定され、表示パターンとしてhz17が決定される。表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、表示内容として雷電リーチBの中段ラインBが決定され、表示パターンとしてhz18が決定される。
また、変動パターンコマンドがh11である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンが決定される。表示パターン決定乱数が0〜04のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「小槌リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz19が決定される。また、表示パターン決定乱数が05〜14のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「扇子リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz20が決定され、表示パターン決定乱数が15〜34のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「手形リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz21が決定される。さらに、表示パターン決定乱数が35〜64のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「酒樽リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz22が決定される。表示パターン決定乱数が65〜99のいずれかである場合には、表示内容としてスーパーリーチ「軍配リーチ」が決定され、表示パターンとしてhz23が決定される。
さらに、変動パターンコマンドがh12である場合には、表示パターン決定乱数を破棄し、表示パターンとしてhz24が決定され、表示内容として障子セレクト演出が決定される。そして、変動パターンコマンドがh13である場合には、表示パターン決定乱数により、以下のように表示パターンが決定される。表示パターン決定乱数が0〜49のいずれかである場合には、表示内容として突然大当り演出Aパターンが決定され、表示パターンとしてhz25が決定される。さらに、表示パターン決定乱数が50〜99のいずれかである場合には、表示内容として突然大当り演出Bパターンが決定され、表示パターンとしてhz26が決定される。
確変遊技状態にある期間は、装飾図柄D1〜D9の変動表示から停止表示までを複数回行わせる所定の遊技期間となる。確変遊技状態では、図9に示す障子表示パターンテーブルを用いた障子表示パターンの決定が以下の通りにして行われる。障子表示パターンを決定するためには、まず確変遊技状態であることが前提とされる。確変遊技状態であると、サブCPU41は、複数、たとえば0〜99の障子表示パターン乱数値から1つの障子表示パターン乱数値を取得する。それから、取得した障子表示パターンおよび主制御回路30から送信される変動パターンコマンドに基づいて、図9に示す障子表示パターンテーブルを参照して、障子表示パターンを決定する。なお、本実施例においては、図9に示す障子表示パターンテーブルを確変遊技状態の際に用いることにしたが、通常遊技状態または時短遊技状態に所定の遊技期間を設定して、障子表示を行うようにしてもよい。サブCPU41は、有効期間決定手段を構成する。
障子表示パターンには、大開放、中開放、小開放、および閉鎖が設定されている。遊技状態が確変遊技状態にある際には、原則的に隠蔽画像となる障子が閉鎖された状態が表示され、メイン装飾図柄Dが障子によって隠蔽され、遊技者が視認できなくなっている。障子が閉鎖された画像から所定の表示条件が成立した際、具体的に、図9に示す障子表示パターンテーブルを参照して決定された障子表示パターンが大開放、中開放、および小開放のいずれかとなった場合に、障子を退避表示させて、メイン装飾図柄Dを露出表示させる。サブCPU41は、隠蔽表示制御手段および露出表示制御手段を構成する。
また、障子表示パターンを変更することにより、表示される有効ライン数が変化する。障子が表示されていない状態では、8ライン設定されているが、中開放、小開放では1ラインとなり、閉鎖では0ラインとなる。このように、障子画像を表示することにより、有効ライン数を減少させる。そして、確変遊技状態では、この減少させられた有効ライン数をもって遊技結果の報知を行う。このとき、大当りであるか否かの結果に基づいて、障子表示パターン(いずれの開放か)を決定する。サブCPU41は、ライン数減少手段および隠蔽領域決定手段を構成する。
さらに、障子表示パターンが大開放以外の中開放、小開放、および閉鎖の際には、図34(b)〜(d)に示すように、障子画像の前面に停止表示図柄dが表示される。停止表示図柄dは、装飾図柄D1〜D9を表示する図柄表示領域E1〜E9のように3×3のマトリクス状の表示領域を備えている。これらの表示領域に、小図柄d1〜d9がそれぞれ表示される。小図柄d1〜d9は、装飾図柄D1〜D9のすべてが停止表示されるまで変動表示され、装飾図柄D1〜D9のすべてが停止表示されたときに停止表示される。
また、小図柄d1〜d9の停止表示される際の態様には、装飾図柄D1〜D9と同様「7」「軍配」「酒樽」「手形」「扇子」「小槌」、およびブランク図柄が設定されている。この小図柄d1〜d9が停止表示される際には、対応する装飾図柄D1〜D9と同一の図柄が停止表示される。たとえば、装飾図柄D1に「軍配」が停止表示される場合には、小図柄d1にも「軍配」が停止表示される。このように、メイン装飾図柄Dの停止表示に対応して停止表示図柄dを停止表示させることにより、メイン装飾図柄Dの停止表示が行われたことを報知する。サブCPU41は、停止報知図柄表示制御手段を構成する。
図10〜図13に示す予告表示パターンテーブルを用いた予告表示パターンの決定は、以下のようにして行われる。予告表示パターンを決定する際には、予告表示パターン決定抽選を行う。予告表示パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜99の乱数から、1つの予告表示パターン決定乱数値を抽出する。ここで抽出された予告表示パターン決定乱数値と、図8を参照して決定された演出表示パターンと、現在の遊技状態とを図10〜図13に示す予告表示パターンテーブルに参照して、予告表示パターンおよび表示内容を決定する。ここで、大当り抽選の結果、大当りではないと判断されていれば図10および図11に示す予告表示パターンテーブルが用いられ、大当りであると判断された場合には、図12および図13に示す予告表示パターンテーブルが用いられる。
さらに、サブROM42は、図示しない大当り用装飾図柄決定テーブルおよびはずれ用装飾図柄決定テーブルを有している。サブCPU41は、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドを解析し、大当りとなるか否かを判断する。その結果、大当りとなると判断した場合には、大当り用装飾図柄決定テーブルを参照して大当り用装飾図柄を決定し、はずれとなると判断した場合には、はずれ用装飾図柄決定テーブルを参照してはずれ用装飾図柄を決定する。そして、装飾図柄決定抽選によって装飾図柄決定用乱数を取得し、この装飾図柄決定用乱数を装飾図柄用決定テーブルに参照して装飾図柄を決定する。
また、サブCPU41は、決定した表示パターンおよび装飾図柄に基づいて、各図柄表示領域における図柄を可変表示させ、変動表示から停止表示に至るまでの表示制御を行う。サブCPU41は、所定の始動条件の成立である始動入賞口9への遊技球の入賞があった場合に、液晶表示装置16に表示する装飾図柄D1〜D9を変動表示させ、装飾図柄D1〜D9を所定の変動時間の経過後に停止表示させる表示制御を行う。
さらに、サブROM42には、装飾図柄D1〜D9と同時に表示領域16aに表示される各種の演出パターンが記憶されている。演出パターンとしては、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドに対応する変動内容に応じた各種のパターンが記憶されている。また、サブCPU41は、サブROM42に記憶された演出パターンの中から、主制御回路30から送信される変動パターンコマンドに応じた演出パターンを液晶表示装置16に表示させる。この演出パターンには、発展リーチ演出が含まれる。発展リーチ演出としては、各発展図柄に対応する発展リーチ演出、具体的には、「小槌リーチ演出」、「扇子リーチ演出」、「手形リーチ演出」、「酒樽リーチ演出」、「軍配リーチ演出」が設定されている。
また、有効ラインL1〜L8のいずれかの有効ラインに同一種類の発展図柄が停止表示されて発展する発展リーチ演出は、有効ラインに表示された発展図柄種類に対応する発展リーチ演出となるように設定されている。たとえば、第一有効ラインL1に「小槌」の発展図柄の組み合わせが停止表示されて発展する発展リーチ演出は、「小槌リーチ演出」となる。
また、これらの発展リーチ演出では、発展前における3行3列の装飾図柄D1〜D9に代えて、横1列の3つの図柄からなる発展リーチ演出用図柄が表示される。発展リーチ演出用図柄としては、数字の「0」〜「9」が設定されており、3つの図柄がすべて同種の数字として表示された場合が大当り図柄(特定の識別図柄の組み合わせ)となる。さらに、サブCPU41は、複数の発展リーチ演出用図柄決定乱数の中から1つの決定乱数を取得し、発展リーチ演出が行われる際、すなわち停止図柄決定テーブルを参照し、発展図柄から発展に対応する詳細表示パターンが決定された際には、取得した乱数に応じた発展リーチ演出用図柄を決定する。
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM(画像記憶手段)54a,54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置16に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置16に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、装飾図柄、特別図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データROM54bには、各種画像データを液晶表示装置16に表示させるための画像データを記憶している。VDP51は、サブCPU41から出力される装飾図柄および特別図柄に対応する画像データを画像データROM54a,54bから読み出し、この画像データに基づく図柄等の画像を液晶表示装置16に表示させる。
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下「AMP」という)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18L、18Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当り演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
ランプ制御回路70は、装飾ランプ19L、19Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ19L、19Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
払出・発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と、発射ハンドル6cおよび発射モータを有する発射装置82とを作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
電源供給ユニット24は、副制御回路40の制御にしたがい副制御回路40、主制御回路30および払出・発射制御回路80への電力供給を行う。
(パチンコ遊技機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図16〜図29までのフローチャートを参照して説明する。図16はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
(メイン制御処理の動作手順)
図16に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期設定処理を行い(S1)、次に、特別図柄制御処理(S2)を行う。その後、普通図柄制御処理を行い(S3)、さらに図柄表示装置制御処理(S4)を行った後、乱数更新処理を行う(S5)。以後、このステップS2〜ステップS5の工程を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、このメイン制御処理には、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、割込許可フラグの設定を条件に定期的(たとえば2msごと)にシステムタイマ割込み処理が割込んで実行される。このシステムタイマ割込処理のコマンド出力処理により、図柄指定コマンド等の各種コマンドが主制御回路30から副制御回路40に出力される。以下に、特別図柄制御処理ステップS2〜乱数更新処理ステップS5の処理について説明する。
特別図柄制御処理(S2)は、図17に示すフローチャートのようにして行われる。特別図柄制御処理を開始すると、まず、制御状態フラグをロードする(S11)。この制御状態フラグは、液晶表示装置16における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
次に、特別図柄記憶チェック処理(S12)が図18に示すフローチャートの手順に沿って行われる。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”であるか否かを判断する(S21)。その結果、データが“00”でなければ処理を終了する。また、データが“00”である場合には、保留個数が“0”であるか否かを判定する(S22)。その結果、保留個数が“0”であればデモ表示処理を行い(S23)、その後、処理を終了する。一方、保留個数が“0”でなければ、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする(S24)。
制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットしたら、大当り判定用前処理を行う(S25)。このとき、メインCPU31は高確率フラグを読み出して大当り判定テーブルを選択し、大当り乱数を用いて選択された大当り判定テーブルをサーチする。
それから、大当り判定用前処理において大当り判定テーブルをサーチした結果に基づいて、大当り判定として、大当りであるか否かの判断を行う(S26)。その結果、大当りである場合には、大当り図柄の決定処理を行い(S27)、大当りでなければはずれ図柄の決定処理を行う(S28)。
大当り図柄の決定処理では、遊技球が始動入賞口9に入賞するときに行われる大当り特別図柄抽選で抽出される大当り特別図柄乱数値に基づいて大当りの種別を決定する。大当り乱数値が「0」〜「7」である場合には、特別図柄として「F」、図柄指定コマンドとしてz0が選択される。また、大当り乱数値が「8」である場合には、特別図柄として「A」、図柄指定コマンドとしてz1が選択される。大当り乱数値が「9」である場合には、特別図柄として「H」、図柄指定コマンドとしてz2が選択される。さらに、大当り乱数値「0」〜「9」の場合において、それぞれ図柄指定コマンド「z0」〜「z3」を選択し、選択した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、はずれ図柄の決定処理では、特別図柄として「−」、図柄指定コマンドとしてz0を選択する。こうして選択した図柄指定コマンドz0からz3のいずれかを、メインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、メインCPU31は変動パターン決定処理を行う(S29)。変動パターン決定処理では、図示しない変動パターンテーブルを用い、複数、たとえば0〜99の乱数のうちから1つの乱数を取得し、ステップS26における大当り判定の結果を図7に示す変動パターンテーブルに参照して変動パターンコマンドを選択して決定する。メインCPU31は、決定した変動パターンコマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(S30)。それから、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアし(S31)、特別図柄記憶チェック処理が終了する。
図17に示すフローに戻り、特別図柄記憶チェック処理が済んだら、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。特別図柄変動時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”である場合に、ステップS30で決定された変動時間の待ち時間タイマ(t)が0となったら制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、さらに特別図柄変動時間が確定した後の時間に対応する確定後待ち時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマ(t)にセットするこうして、特別図柄変動時間管理処理を終了する。
特別図柄変動時間管理処理が済んだら、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。特別図柄表示時間管理処理では、制御状態フラグが特別図柄確定停止時間管理を示す値データ“02”である場合に、特別図柄変動時間管理処理で決定された確定後待ち時間タイマ(t)が0となったら、ステップS26大当り判定の結果に基づく制御フラグをセットする。具体的に、大当り判定の結果が大当りであった場合には、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする。一方、大当り判定の結果がはずれであった場合には、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”をセットし、処理を終了する。
特別図柄表示時間管理処理が済んだら、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。大当り開始インターバル管理処理では、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップS13でセットされた大当り開始対応時間だけ待機し、大当り開始対応時間が経過したのち、大入賞口の開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中処理を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「F」「H」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「A」である場合には0.5秒とする。
さらに、大入賞口開放中処理を行う(S16)。大入賞口開放中処理では、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示すデータ“04”であるときに以下の処理を行い、“04”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタが10以上であるか、開放上限時間を経過したか(大入賞口時間タイマが“0”)のいずれかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留球監視時間(たとえば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留球監視時間を経過したのち、次のステップに進むように設定する。いずれかも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなく次のステップに進む。
続いて、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。大入賞口内残留球監視処理では制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示すデータ“05”であるときに以下の処理を行い、“05”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口開放回数カウンタが最終ラウンドを示す数値となっているか否かを判定する。この判定の結果、最終ラウンドであるときは大当り終了インターバル処理を示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当り終了インターバルに対応する時間(以下「大当り終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当り終了対応時間を経過したのち、大当りインターバル処理を実行するように設定する。いすれも満たされない場合は大入賞口再開放待ち時間管理処理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップS16における大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行するように設定する。
続いて、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。大入賞口再開放前待ち時間管理処理では、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中処理を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口時間タイマにセットする。開放上限時間は、ステップS27で決定された特別図柄が「F」「H」である場合には29秒とし、ステップS27で決定された特別図柄が「A」である場合には0.5秒とする。
それから、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。大当り終了インターバル処理では、図19に示すように、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示すデータ“07”であるか否かが判定され(S32)、データ“07”でなければ大当り終了インターバル処理が終了する。また、制御フラグがデータ“07”であれば大当り終了インターバル処理に対応する待ち時間タイマ(t)が“0”であるか否かを判定し(S33)、“0”でなければ大当り終了インターバル処理が終了する。また、待ち時間タイマ(t)が“0”であれば、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”をセットする(S34)。
次に、確変に当選しているか否か(ステップS27で選択された大当り図柄が確変大当り図柄か通常大当り図柄か)を判定する(S35)。その結果、確変に当選している場合には、大当り終了後に確変遊技状態に移行する確変遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、高確率フラグをセットする(S36)。その後、確変回数カウンタを所定数、たとえば50にセットする(S37)。それから、大当り終了後に時短遊技状態にも移行する時短遊技状態フラグを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S38)。一方、確変に当選していない場合には、大当り終了後に時短遊技状態に移行する時短遊技状態コマンドを送信バッファにセットし、時短フラグをセットする(S39)。その後、時短回数カウンタを所定数、たとえば100にセットする(S40)。こうして、大当り終了インターバル処理が終了する。
図17に戻り、大当り終了インターバル処理が済んだら、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理を行い、データ“08”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、大当り判定用乱数カウンタ、大当り停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。さらに、高確率フラグがセットされている場合には、確変図回数カウンタから1減算し、確変回数カウンタが0になったら高確率フラグをクリアする。また、高確率フラグがセットされておらず、時短フラグのみがセットされている場合には、時短回数カウンタから1減算し、時短回数カウンタが0になったら、時短フラグをクリアする。ステップS20が終了すると、ステップS2の特別図柄制御処理が終了する。
こうして特別図柄制御処理が終了すると、図16に戻り、普通図柄制御処理を行う(S3)。普通図柄制御処理では、図柄表示装置16bに表示される普通図柄に関する制御を行う。普通図柄制御処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは羽根9aの開放、閉鎖を示す変数をメインRAM33に記憶して、普通図柄制御処理が終了する。
それから、図柄表示装置制御処理を行う(S4)。図柄表示装置制御処理では、ステップS2における特別図柄制御処理およびステップS3における普通図柄制御処理の結果に基づいて、図4に示す特別図柄J、普通図柄Nなどの可変表示の表示制御を行う。
その後、乱数更新処理を行う(S5)。ここでは、はずれ図柄用乱数、リーチ判定用乱数、演出条件選択用乱数などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップS2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(たとえば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込処理を図20に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の手順を図20に示すフローチャートを参照して説明する。
図20に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムアドレスデータ等を一旦退避させ(S41)、乱数更新処理を行う(S42)。乱数更新処理では、メインCPU31が、大当り判定用の乱数や大当り図柄決定用の乱数を更新する処理を行う。乱数更新処理が済んだら、スイッチ入力検出処理を行う(S43)。
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行う。また、始動記憶数カウンタが4以上の場合には、可変表示中や大当り中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため、以下の処理を行わない。
そして、大当り判定用乱数カウンタから大当り判定乱数を抽出し、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄用乱数を抽出する。また、抽出した大当り判定用乱数および大当り図柄用乱数をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数がステップS26〜ステップS27における大当り判定および大当り図柄の決定処理に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
スイッチ入力検出処理が済んだら、タイマ更新処理を行う(S44)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマなどを更新する。タイマ更新処理の後は、遊技情報データ生成処理を行う(S45)。遊技情報データ生成処理では、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。それから、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い(S46)、続いて、各種コマンドを出力するコマンド出力を行う(S47)。コマンド出力では、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターンコマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。
続いて、ランプ制御処理(S48)および払出処理(S49)を行う。ランプ制御処理では、ランプ点滅コマンドを副制御回路40に出力する。また、払出処理では、賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。払出処理が済んだら、退避させたメイン制御処理のプログラムアドレスデータ等のレジスタを復帰させ(S50)、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。その後、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行い(S51)、システムタイマ割込処理が終了する。
(副制御回路の動作手順)
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図21は、副制御回路40により繰返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、サブCPU41では、最初に所定の初期化処理を行い(S61)、次に乱数更新処理を行う(S62)。続いて、主制御回路30から送信され、受信バッファに格納されている各種コマンドのコマンド解析制御処理を行い(S63)、その後ボタン演出制御処理を行う(S64)。これらのコマンド解析制御処理およびボタン演出制御処理については、後に詳しく説明する。
それから、このコマンド解析制御処理の結果に基づいて表示制御処理を行う(S65)。表示制御処理では、コマンド解析処理で決定された装飾図柄および表示パターンなどに基づいて、図柄表示制御を行い、続いて背景表示制御処理を行う。
その後、音制御処理を行う(S66)。音制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ18L,18Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ18L,18Rから音声を発生させる。
続いて、ランプ制御処理を行う(S67)。ランプ制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ19L,19Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ19L,19Rを点滅させる。以降ステップS92〜ステップS96を繰り返し実行する。
次に、主制御回路30から送信されたコマンドを受信した際の処理について説明する。図22に示すように、主制御回路30から送信されたコマンドを副制御回路40が受信したら、まず保護レジスタを退避する(S71)。次に、主制御回路30からの送信で入力されたコマンドをサブRAM43における受信バッファに格納する(S72)。続いて、レジスタを復帰させる(S73)。こうしてコマンドを受信した際の処理は終了する。
続いて、サブ制御タイマ割込処理について説明する。副制御回路40は、上記サブ制御処理中に、図23に示すサブ制御タイマ割込処理を行う。サブ制御タイマ割込処理では、まず、副制御回路40は、レジスタを退避し(S81)、次に、タイマ更新処理を実行する(S82)。
このタイマ更新処理では、各種画像データの表示時間や音声出力時間・ランプ点灯時間等を管理する各種タイマの更新を行う。続いて、デモ中タイマによる計測時間が所定の待機時間(例えば3分)を経過したか否かを判定する。3分経過したと判定した場合には、遊技移行回数計数手段としての処理を行い、大当り回数カウンタをクリアして、移行回数を初期値(0回)に戻す。その後、その他のタイマ更新に対応して各演出データを更新して、タイマ更新処理を終了する。また3分が経過していないと判定した場合には、移行回数を初期値に戻すことなく、各演出データの更新等を行う。その後、操作ボタン入力処理を行う(S83)。それから、サブ制御タイマ割込処理に戻り、レジスタを復帰して(S84)、サブ制御タイマ割込処理を終了する。
ステップS83における操作ボタン入力処理は、図24に示す手順で行われる。図24は、操作ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。操作ボタン入力処理では、まず選択ボタン(以下「Aボタン」という)20bの操作があったか否かを判断する(S91)。その結果、選択ボタン(以下「Bボタン」という)20cの操作があったと判断した場合には、ボタン有効タイマが0となっているか否かを判断する(S92)。その結果、ボタン有効タイマが0となっていると判断した場合には、そのまま操作ボタン入力処理を終了する。一方、ボタン有効タイマが0となっていないと判断した場合には、演出ボタンフラグAをセットする(S93)。
また、ステップS91において、Aボタン20bの操作がないと判断した場合には、Bボタン20cの操作があったか否かを判断する(S94)。その結果、Bボタン20cの操作がないと判断した場合には、そのまま操作ボタン入力処理を終了する。また、Bボタン20cの操作があったと判断した場合には、ボタン有効タイマが0となっているか否かを判断する(S95)。その結果、ボタン有効タイマが0となっていると判断した場合には、そのまま操作ボタン入力処理を終了する。一方、ボタン有効タイマが0となっていないと判断した場合には、演出ボタンフラグBをセットする(S96)。こうして、操作ボタン入力処理を終了する。
続いて、図21のステップS63に示すコマンド解析制御処理について説明する。図25は、コマンド解析制御処理の手順を示すフローチャートである。図25に示すように、コマンド解析制御処理では、まず副制御回路40が主制御回路30から送信される変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S100)。具体的には、受信バッファに変動パターンコマンドが格納されているかを確認する。その結果、変動パターンコマンドを受信していれば、演出表示パターン決定処理を行う(S101)。
演出表示パターン決定処理では、演出表示パターン抽選を行って演出表示パターン決定乱数値を抽出する。この抽出した演出表示パターン決定乱数値と、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドとを、図8に示す演出表示パターンテーブルに参照して、演出表示内容を決定する。それとともに、変動パターンコマンドに従った変動時間を決定する。たとえば、変動パターンコマンドがh0である場合には、表示パターン決定乱数値によらず、通常変動はずれとなる内容が決定される。また、変動パターンコマンドがh5であり、表示パターン決定乱数値が15である場合には、雷電リーチBとなる内容が決定される。なお、演出表示パターンとして障子セレクト演出が決定された場合には、ボタン有効タイマを5000msにセットする。
演出表示パターン決定処理が済んだら、予告表示パターン決定処理を行う(S102)。予告表示パターン決定処理では、予告表示パターン抽選を行って予告表示パターン乱数値を抽出する。この抽出した予告表示パターン乱数値と、ステップS102で決定した演出表示パターンと、現在の遊技状態とを図10〜図13に示す予告表示パターンテーブルに参照する。こうして、予告表示パターンを決定する。
予告表示パターン決定処理が済んだら、障子表示パターン決定処理を行う(S103)。障子表示パターン決定処理では、障子表示パターン抽選を行って障子表示パターン乱数値と、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドを図9に示す障子表示パターンテーブルに参照して、障子表示パターンを決定する。なお、障子表示パターンは、確変遊技状態のときのみに決定される。この障子表示パターンによって、隠蔽画像(障子を表示する画像)によって有効ラインが隠蔽されて、有効ライン数が減少させられる。
こうして、障子表示パターン決定処理が済んだら、発展図柄決定処理を行う(S104)。発展図柄決定処理では、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドおよびステップS102で決定した演出表示パターンに基づいて、有効ラインに表示する発展図柄を決定する。それから、リーチライン決定処理を行う(S105)。リーチライン決定処理でも同様に、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドおよびステップS101で決定した演出表示パターンに基づいて、リーチライン(有効ライン)を決定する。
それから、仮停止図柄決定処理を行う(S106)。仮停止図柄決定処理では、受信した変動パターンコマンドがh4、h5、h9、h10のいずれかである場合に、雷電リーチに発展する前の仮停止図柄を決定する。ここでの仮停止図柄は、ステップS101で決定した表示パターンを仮停止図柄決定テーブルに参照し、表示パターンがhz04〜hz07、hz15〜hz18のいずれかである場合に、これらの表示パターンに対応する仮停止図柄が決定される。その後、ステップS107に進む。また、ステップS100において、変動パターンコマンドを受信していないと判断した場合にも、ステップS107に進む。
それから、図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(S107)。具体的には、受信バッファに図柄指定コマンドが格納されているかを確認する。その結果、図柄指定コマンドを受信していれば、8ライン停止図柄決定処理を行う(S108)。8ライン停止図柄決定処理では、8ライン停止図柄を決定するために抽出された乱数値と、ステップS104で決定された発展図柄と、ステップS105で決定されたリーチラインと、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドに基づいて、図柄表示領域に表示する装飾図柄D1〜D9を決定する。
その後、リーチ演出用図柄決定処理を行う(S109)。演出表示としてスーパーリーチが決定された場合には、発展リーチ演出が行われるが、この発展リーチ演出では横1列の図柄からなる発展リーチ演出用図柄が必要となる。ここでは、この発展リーチ演出用図柄を決定する。発展リーチ演出用図柄は、発展リーチ演出用図柄を決定されるために取得される乱数値と、ステップS105で決定された発展図柄と、主制御回路30から送信された図柄指定コマンドに基づいて決定する。
また、ステップS107で図柄指定コマンドを受信していないと判断した場合には、他の受信コマンドに対応する処理を実行し(S110)、その後コマンド解析制御処理を終了する。
続いて、ボタン演出制御処理について説明する。図26は、ボタン演出制御処理の手順を示すフローチャートである。図26に示すように、ボタン演出制御処理では、ボタン演出が行われるか否かを判断する(S111)。ここで、ボタン演出とは、Aボタン20bまたはBボタン20cを遊技者が操作して押すことにより、演出に影響が生じる制御である。Aボタン20bを操作することにより、演出ボタンフラグAがセットされ、Bボタン20cを操作することにより、演出ボタンフラグBがセットされる。その結果、ボタン演出が行われないと判断した場合には、ボタン演出制御処理を終了する。
一方、ボタン演出処理が行われると判断した場合には、障子演出が行われるか否かを判断する(S112)。障子演出は、確変遊技状態中にのみ行われるので、障子演出が行われるか否かは、遊技状態が確変遊技状態か否かと実質的に同義である。障子演出が行われるか否かの判断の結果、障子演出が行われると判断した場合には、ボタン有効タイマが0となっているか否かを判断する(S113)。ボタン有効タイマは、ステップS102における演出表示パターン決定処理において障子セレクト演出が決定された場合セットされている。
ボタン有効タイマが0となっているか否かの判断の結果、ボタン有効タイマが0となっていると判断した場合には、演出ボタンフラグがセットされているか否かを判断する(S114)。その結果、演出ボタンフラグがセットされていると判断した場合には、演出ボタンフラグAがセットされているか否かを判断する(S115)。演出ボタンフラグAがセットされている場合には、左障子開放演出決定処理を行う(S116)。また、ステップS114で演出ボタンフラグがセットされていないと判断した場合も、左障子開放演出決定処理を行う(S116)。
さらに、ステップS115において演出ボタンフラグAがセットされていないと判断した場合には演出ボタンフラグBがセットされていることになる。したがって、右障子開放演出決定処理を行う(S120)。こうして、左障子開放演出決定処理または右障子開放演出決定処理を行ったら、装飾図柄配置決定処理を行う(S117)。装飾図柄配置決定処理では、開放する側の障子を開放したときに装飾図柄が表示されるように装飾図柄を配置する処理を行う。
装飾図柄配置決定処理が済んだら、演出ボタンフラグをクリアし(S118)、決定した演出の画像制御データをセットする(S119)。こうして、ボタン演出制御処理を終了する。
また、ステップS113でボタン有効タイマが0でないと判断した場合には、演出ボタンフラグがセットされているか否かを判断する(S121)。その結果、演出ボタンフラグがセットされている場合には、演出ボタンフラグAがセットされているか否かを判断する(S122)。その結果、演出ボタンフラグAがセットされていると判定した場合には、左障子選択中演出決定処理を行う(S123)。またステップS121において、演出ボタンフラグがセットされていないと判断した場合にも、左障子選択中演出決定処理を行う(S123)。したがって、Aボタン20bおよびBボタン20cが操作されない場合には、左障子選択中演出決定処理を行うことになる。
さらに、ステップS122において、演出ボタンフラグAがセットされていないと判断した場合には、演出ボタンフラグBがセットされていることになるので、この場合には、右障子選択中演出決定処理を行う(S124)。また、ステップS112において、障子演出でないと判断された場合には、他のボタン操作に対応する処理を実行する(S125)。それから、演出ボタンフラグをクリアし(S118)、決定した演出の画像制御データをセットする(S119)。こうして、ボタン演出制御処理を終了する。
次に、表示制御処理(S65)について説明する。図27は、表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図27に示すように、表示制御処理においては、まずデモ表示制御処理を行う(S131)。デモ表示制御処理は、遊技状態が大当り遊技状態以外の遊技状態であって、特別図柄ゲームが行われていないときの表示制御処理であり、変動パターンコマンドを受信していないときに行われる。
デモ表示制御処理が済んだら、変動表示制御処理を行う(S132)。変動表示制御処理は、特別図柄ゲームが行われているときに表示制御処理であり、変動パターンコマンドを受信したときに行われる。その後、大当り遊技状態時に行われる大当り表示制御処理を行い(S133)、表示制御処理を終了する。
ここで、変動表示制御処理(S132)について説明する。図28は、変動表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図28に示すように、変動表示制御処理においては、まず装飾図柄表示制御処理を行う(S141)。装飾図柄表示制御処理では、ステップS101において決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄D1〜D9を変動表示させる。このとき、サブCPU41は、装飾図柄D1〜D9を図15(b)〜(d)に示す配列の順に変動するようにして変動表示を行う。サブCPU41は、変動表示を決定した時間の間行った後、装飾図柄D1〜D9を順次停止表示させる。
装飾図柄表示制御処理が済んだら、キャラクタ表示制御処理を行う(S142)。キャラクタ表示制御処理では、ステップS101において決定された演出パターンおよびステップS102において決定された予告表示パターンに基づいて、キャラクタの表示制御を行う。ただし、ここでは、図9に示す障子表示パターンテーブルを参照して決定される障子表示パターンの表示内容については決定しない。
キャラクタ表示制御処理が済んだら、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判断する(S143)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かは、主制御回路30から確変遊技状態コマンドが送信されているか否か、具体的には、受信バッファに確変遊技状態コマンドが格納されているか否かによって判断する。その結果、確変遊技状態でないと判断した場合には、変動表示制御処理を終了する。
一方、確変遊技状態であると判断した場合には、障子表示制御処理を行う(S144)。障子表示制御処理では、ステップS103において決定された障子演出パターンに基づいて、障子の開放表示状態を制御表示する。また、障子の表示に合わせて停止表示図柄d(図34参照)を障子の前面に表示する。さらに、図9に示す障子表示パターンテーブルに参照して決定された表示内容が大開放である場合には、大開放フラグをセットする。それから、停止表示図柄表示制御処理を行って(S145)、変動表示制御処理を終了する。
停止表示図柄表示制御処理は、図29に示す手順に沿って行われる。図29は、停止表示図柄表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図29に示すように、停止表示図柄表示制御処理では、まず、障子が大開放であるか否かを判断する(S151)。大開放であるか否かは、ステップS144でセットされる大開放フラグがセットされているか否かによって判断する。
その結果、大開放中であると判断した場合には、大開放フラグを消去した後、停止表示図柄消去処理を行う(S152)。停止表示図柄消去処理では、ステップS144で表示した停止表示図柄dを障子の大開放に合わせて消去する処理を行う。こうして、停止表示図柄消去処理を行ったら、停止表示図柄表示制御処理を終了する。
また、ステップS151において大開放中ではないと判断した場合には、停止表示図柄変動表示制御処理を行う(S153)。停止表示図柄変動表示制御処理では、装飾図柄D1〜D9の変動表示から停止表示にいたるまでの表示制御に合わせて、停止表示図柄dにおける小図柄d1〜d9の変動表示から停止表示にいたるまでの表示制御を行う。ここで、停止表示図柄dを変動表示させるにあたり、装飾図柄D1〜D9の変動表示では、演出表示パターンに従って、それぞれ異なる変動表示を行わせているが、停止表示図柄については、小図柄d1〜d9について、演出表示パターンによらず同一の変動表示を行う。こうして、停止表示図柄dについての変動表示の制御負担を軽減している。
停止表示図柄変動表示制御処理が済んだら、装飾図柄D1〜D9の変動時間(=停止表示図柄の変動時間)が0となっているか否かを判断する(S154)。その結果、変動時間が0となってないと判断した場合には、そのまま停止表示図柄表示制御処理を終了する。一方、変動時間が0となっていると判断した場合には、停止表示図柄停止表示制御処理を行う(S155)。停止表示図柄停止表示制御処理では、停止表示図柄dにおける小図柄d1〜d9をそれぞれ装飾図柄D1〜D9と同一の図柄に差し替え、各表示領域に小図柄d1〜d9を停止表示させる。こうして、停止表示図柄表示制御処理を終了する。
次に、特別図柄ゲームの流れについて説明する。特別図柄ゲームでは、始動入賞口9に遊技球が入賞し、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の検出信号を主制御回路30に出力すると、主制御回路30では大当り抽選を行う。主制御回路30は、その抽選結果に基づいて、図6に示す特別図柄決定テーブルから図柄指定コマンドを選択して決定するとともに、図7に示す変動パターンテーブルから変動パターンコマンドを選択して決定選択する。主制御回路30は、選択した図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドをそれぞれ副制御回路40に送信する。副制御回路40では、受信した図柄指定コマンドに基づいて、装飾図柄D1〜D9を決定するとともに、受信した変動パターンテーブルから変動演出パターンを決定する。
表示領域16aにおいては、始動入賞口9に遊技球が入賞する前は、9つの図柄表示領域において、各装飾図柄D1〜D9は停止表示されている。また、図4に示す図柄表示装置16bでは、特別図柄Jが停止表示されている。この状態から、始動入賞口9に遊技球が入賞すると、図30(a)に示すように、各図柄表示領域E1〜E9における装飾図柄D1〜D9および図4に示す特別図柄Jが変動表示を開始する。なお、図中の下向きの矢印は装飾図柄D1〜D9が変動表示中であることを意味する。
それから、所定の変動時間が経過した後、第一,第九図柄表示領域E1,E9における装飾図柄(第一停止図柄)D1,D9が停止表示(仮停止表示)される。続いて、図30(b)に示すように、第二,第四,第六,第八図柄表示領域E2,E4,E6,E8における装飾図柄(第二停止図柄)D2,D4,D6,D8が停止表示される。
その後、第三,第七図柄表示領域E3,E7における装飾図柄(第三停止図柄)D3,D7が停止表示され、図30(c)に示すように、最後に第五図柄表示領域E5における装飾図柄(最終停止図柄)D5が停止表示される。ここで、第三停止図柄が停止表示された時点で、上段(第一有効ラインL1)、下段(第三有効ラインL3)、中段(第二有効ラインL2)のいずれかに雷電リーチ発展目が停止表示された場合には、雷電リーチに発展する。図30(c)に示す例では、上段に雷電リーチ発展目が停止表示されている。ここでまずこの雷電リーチの動作について説明する。
雷電リーチ発展目は、図31(a)に示すように、上段の場合には、第一,第二図柄表示領域E1,E2に「7」が停止表示され、第三図柄表示領域E3に「手形」が停止表示される。また、下段の場合には、図31(b)に示すように、第七図柄表示領域E7に「手形」が停止表示され、第八,第九図柄表示領域E8,E9に「7」が停止表示される。さらに、下段の場合には、図31(c)に示すように、第四,第六図柄表示領域E4,E6に「7」が停止表示され、第五図柄表示領域E5に「軍配」が停止表示される。
雷電リーチに発展すると、次の手順で画像表示が進行する。まず、図31(a)に示すように上段に雷電リーチ発展目が停止表示された場合には、図32(a)に示すように、第三図柄表示領域E3の下方位置であり、第六,第九図柄表示領域E6,E9の位置に相撲取りを模した「雷電」と名づけられたキャラクタRCが表示される。続いて、図32(b)に示すように、キャラクタRCが第三図柄表示領域E3に停止表示された「手形」を持ち上げる動作を表示する。このキャラクタRCの動作に合わせて、第三図柄表示領域E3における装飾図柄D3が再変動する。その後、図32(c)に示すように、第三図柄表示領域E3における装飾図柄D3が停止表示され「7」である場合には大当りとなり、その他の図柄である場合には、はずれとなる。
また、中段に雷電リーチ発展目が停止表示された場合には、図33(a)に示すように、キャラクタRCが第五図柄表示領域E5の側方に表示され、第五図柄表示領域E5の装飾図柄D5を横スクロールさせる動作を表示する。このキャラクタRCの動作に合わせて、第三図柄表示領域E3における装飾図柄D5が再変動する。さらに、下段に雷電リーチ発展目が停止表示された場合には、図33(b)に示すように、キャラクタRCが第七図柄表示領域E7の上方に表示され、第七図柄表示領域E7の装飾図柄D7を投げつける動作を表示する。このキャラクタRCの動作に合わせて、第七図柄表示領域E7における装飾図柄D7が再変動する。こうして、雷電リーチが表示される。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、確変遊技状態中は、変動時間が短縮された短縮遊技状態となっている。この確変遊技状態中に、障子が閉じて有効ラインを隠蔽し、有効ラインを減少させる画像が表示され、種々の予告やリーチ演出などを行う障子演出が行われる。この障子演出について説明する。
障子演出では、ステップS104において、図9に示す障子表示パターンテーブルを参照して決定される障子表示の表示内容や、ステップS103において、図10〜図13に示す予告表示パターンテーブルを参照して決定される予告表示の表示内容に基づく演出が行われる。障子表示の表示内容では、変動開始時、前半時、後半時、図柄確定時ごとに、障子表示が決定される。ここで表示される障子の画像は、メイン装飾図柄Dが表示されるレイヤより優先的なレイヤに表示される。すなわち、たとえば障子表示によってメイン装飾図柄D(装飾図柄D1〜D9)が隠蔽されたとしても、障子表示の裏のレイヤでは装飾図柄D1〜D9が変動表示されていることになる。障子表示の内容としては、図34(a)に示す大開放、(b)に示す中開放、(c)に示す小開放、(d)に示す閉鎖が設定されている。なお、図9に示す表示内容のうち、選択障子については後に説明する。
大開放時には、図34(a)に示すように大開放時には、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が完全に表示されるとともに、その他の図柄表示領域は、障子Sによってわずかに隠蔽された表示となる。また、中開放時には、図34(b)に示すように、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が完全に表示されるとともに、その他の図柄表示領域は、障子Sによって完全に隠蔽された表示となる。
さらに、小開放時には、図34(c)に示すように、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が障子Sによってそれぞれ半分くらい隠蔽されるとともに、その他の図柄表示領域は、障子Sによって完全に隠蔽された表示となる。そして、閉鎖時には、図34(d)に示すように、図柄表示領域E1〜E9は障子Sによってすべて完全に隠蔽された表示となる。
障子表示の表示内容では、障子表示パターンによって変動開始時、前半時、後半時、図柄確定時ごとに、障子表示が上記の閉鎖、小開放、中開放、大開放のいずれを表示するかが決定される。ここでの障子表示では、時間の経過とともに、障子が徐々に開放するか、そのままの状態であるかの変化のみが設定され、時間が経過すると障子が閉じる態様についての設定はない。
次に、予告について説明する。この予告は、障子表示の変動開始時から前半時にかけて行われるものである。予告には、障子揺れ予告、雷電マーク予告(大、小)、発展図柄予告(大、小)、シルエット予告(人なし、キャラクタ)がそれぞれ設定されている。
このうち、障子揺れ予告では、図35(a)に示すように、閉鎖した状態にある障子Sが微妙に揺れる表示を行う。雷電マーク予告(大)では、図35(b)に示すように、閉鎖した状態にある障子Sの中央部分に大型の雷電マークMBが表示される。また、雷電マーク予告(小)では、図35(c)に示すように、閉鎖した状態にある障子Sの中央部分に、小型の雷電マークMSが表示される。
さらに、発展図柄予告(大)では、図35(d)に示すように、閉鎖した状態にある障子Sの中央部分に、大型の発展図柄、ここでは手形HBが表示される。発展図柄予告(小)では、図35(e)に示すように、閉鎖した状態にある障子Sの中央部分に、小型の発展図柄、ここでは手形HSが表示される。発展図柄としては、手形のほか、軍配、扇子、酒樽、小槌などの他の図柄に対応するものも設定されている。
シルエット予告(人なし)では、図36(a)に示すように、まず閉鎖した障子Sが表示され、障子Sの裏側に人影HFが表示される。続いて、図36(b)に示すように、障子Sが開いて中開放となる。このとき、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が障子Sの間から表示される。また、シルエット予告(キャラクタ)では、図36(c)に示すように、まず閉鎖した障子Sおよび人影HFが表示され、続いて、図36(b)に示すように、障子Sが開いて中開放となる。このとき、障子Sの間から表示される第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8の前に、キャラクタRCが表示される。
これらの障子演出や予告表示を行いながら、確変遊技状態中における特別図柄ゲームが進行する。この確変遊技状態中における特別図柄ゲームの進行の一例について説明する。メイン装飾図柄Dおよび停止表示図柄dの変動表示が終了した直後は、図37(a)に示すように、障子Sが閉じるとともに、停止表示図柄dが停止表示された状態となっている。また、障子Sに隠蔽されて視認することができない状態となっているが、装飾図柄D1〜D9も停止表示されている。この状態から始動入賞口9に遊技球が入賞して始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の検出信号を主制御回路30に出力すると、装飾図柄D1〜D9の変動表示が開始される。装飾図柄D1〜D9の変動表示が開始されても、図37(b)に示すように、障子Sが閉鎖した閉鎖状態が維持される。このとき、画面下方に「高確率モード 残り49ゲーム」と表示がなされ、現在確変中(高確率中)であるとともに、確変の残り回数を表示する。
また、障子Sの右上には、停止表示図柄dが表示されている。この状態では、停止表示図柄dにおける各小図柄d1〜d9は、変動表示されている。続いて、主制御回路30から送信される変動パターンコマンドに基づいて決定される変動時間が終了した後、装飾図柄D1〜D9および小図柄d1〜d9が停止表示される。このとき、障子Sが閉じたままの場合には、図37(c)に示すように、装飾図柄D1〜D9が視認できない状態のまま、停止表示図柄dが停止表示される。このように、停止表示図柄dが停止表示されることにより装飾図柄D1〜D9が視認できないにもかかわらず、装飾図柄D1〜D9が停止表示されたことを遊技者に報知することができる。また、「高確率モード 残り48ゲーム」と表示されることにより、確変の残り回数が一回減少したことを遊技者に報知することができる。
また、障子Sが開放するパターンについて説明すると、メイン装飾図柄Dおよび停止表示図柄dの変動表示が終了した直後は、図38(a)に示すように、障子Sが閉じるとともに、停止表示図柄dが停止表示された状態となっている。ここまでは障子Sが開放しない場合と同様である。続いて、所定時間が経過すると、図38(b)に示すように、障子Sが開いて中開放となる。このとき、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が完全に表示され、装飾図柄D2,D5,D8が変動表示された状態となる。また、障子Sが中開放となったときにも、障子Sの右上位置に停止表示図柄dが表示された状態となっている。
その後、図38(c)に示すように、障子Sは中開放のまま第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8の装飾図柄D2,D5,D8が停止表示される。こうして一回の変動表示が終了する。その後、図38(d)に示すように、障子Sが閉じ、残りゲームが1減算されて「高確率モード 残り48ゲーム」との表示がなされる。
また、リーチ表示がなされる流れについて説明すると、図39(a)に示すように、まず障子Sが閉鎖して閉鎖状態となり、画面下方に「高確率モード 残り49ゲーム」と表示がなされる。続いて、所定時間が経過すると、図39(b)に示すように、障子Sが開いて中開放となり、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が完全に表示され、装飾図柄D2,D5,D8が変動表示された状態となる。ここまでの間は、停止表示図柄dが表示されている。
その後、図35(c)に示すように、障子Sがさらに開いて大開放となり、第二,第五,第八図柄表示領域E2,E5,E8が完全に表示されるとともに、その他の図柄表示領域は、障子Sによってわずかに隠蔽された表示となる。このとき、第一,第二,第四,第六,第八,第九図柄表示領域E1,E2,E4,E6,E8,E9の「7」が表示され、リーチ状態となる。障子Sが大開放となった際には、装飾図柄D1〜D9を遊技者が視認することができるので、停止表示図柄dは消去される。このようにして、確変遊技状態における特別図柄ゲームが進行する。
このように短縮遊技状態であり、装飾図柄D1〜D9の変動時間が短く設定された確変遊技状態では、障子演出が行われていることから、現在の遊技状態が確変遊技状態であることを遊技者に確実に報知することができる。この確変遊技状態では、障子Sの開放度合いによって複数の図柄表示領域E1〜E9の一部または全部が隠蔽され、有効ラインが減少させられる。遊技者は短縮遊技状態という識別図柄の表示時間が短い状態であっても、有効ライン数が減少することから、遊技結果を容易に認識することができる。したがって、複数の有効ラインが設定されており、識別図柄の変動時間が短縮されている場合であっても、遊技者が遊技結果を容易に理解することができ、もって遊技者に遊技を楽しませることができる。また、有効ラインの減少させるにあたり、障子Sを表示する隠蔽画像を用いることにより、有効ラインを減少させる画像を容易に生成することができるとともに、遊技者が遊技結果を容易に理解することができ、もって遊技者に遊技を楽しませることができる。
さらに、確変遊技状態中は、図9に示す障子表示パターンテーブルからわかるように、障子Sの開放度合いが大きいほど、換言すると、図柄表示領域E1〜E9のうち、障子Sによって隠蔽されるものの数が少なく、有効ラインの減少数が少ないほど、リーチのときの大当りに対する信頼度が高くなるように設定されている。このため、隠蔽画像が隠蔽する隠蔽領域によって大当り期待度を報知することができる。したがって、大当り遊技状態への移行を望む遊技者に対して、より遊技の興趣向上を図ることができる。
また、確変遊技状態中においては、隠蔽画像として障子Sをメイン装飾図柄Dの前面に表示することにより、メイン装飾図柄Dを隠蔽している。それから、所定の表示条件が成立した場合、具体的には、図9に示す障子表示パターンテーブルを用いて決定した障子表示パターンに「大開放」「中開放」「小開放」のいずれかが含まれている場合にのみ障子が開放して装飾図柄D1〜D9の全部または一部が遊技者にとって視認可能な状態となる。さらに、大当りとなる場合、図柄確定時には障子Sが必ず大開放となっており、装飾図柄D1〜D9の全体が視認可能に表示される。したがって、装飾図柄D1〜D9が表示される回数は、大当り抽選を行った回数よりも少なくなるとともに、大当りとなる場合には装飾図柄が表示される。このため、装飾図柄D1〜D9が表示される回数に対して、大当り図柄が表示される回数の割合が大当り抽選の当選割合よりも高くなる。よって、障子Sが消去されて装飾図柄D1〜D9が表示される際に、大当り図柄が表示される割合が、大当り抽選で予め設定された大当り各位率に基づく割合よりも高くなることから、大当り抽選の結果に応じて遊技者に与えられる大当りに対する期待感よりも、高い期待感を遊技者に与えることができる。
さらに、障子Sが「閉鎖」「小開放」「中開放」のいずれかとなっている際には、装飾図柄D1〜D9の少なくとも一部が障子Sによって隠蔽され、遊技者からは装飾図柄D1〜D9の全体については視認不能となっている。このため、装飾図柄D1〜D9の表示のみでは、装飾図柄D1〜D9の変動が終了したか否かを報知するのが困難となっている。この点、障子Sが表示されている際には、装飾図柄D1〜D9の停止表示が行われたことを報知する停止表示図柄dが障子Sの前面に表示されている。このため、装飾図柄D1〜D9が隠蔽されているにもかかわらず、装飾図柄D1〜D9の変動表示から停止表示の区切りを遊技者に確実に報知することができる。
次に、障子セレクト演出について説明する。障子セレクト演出では、装飾図柄の変動表示が開始されると、図40(a)に示すように、障子Sが閉鎖して閉鎖状態となる。このとき、画面下方に「高確率モード 残り49ゲーム」と表示がなされ、現在確変中(高確率中)であるとともに、確変の残り回数を表示する。
次に、図40(b)に示す選択障子が表示される。選択障子では、障子Sは中開放とされており、右障子SRまたは左障子SLの一方が普通の状態、他方がブラックアウトされた状態で表示される。図40(b)に示す例では、右障子SRがブラックアウトされた状態で表示されている。また、中開放された障子Sからは、キャラクタRCが表示されており、「ボタンで開く障子を選択してください」というメッセージとともに、「あと○秒」というボタン有効タイマの残り時間が表示される。このメッセージに応じて遊技者がAボタン20bまたはBボタン20cを操作すると、ブラックアウトされる障子が左右いずれかに決定される。Aボタン20bを操作すると、左障子SLは通常の表示となり、右障子SRがブラックアウト表示される。また、Bボタン20cを操作すると、左障子SLがブラックアウト表示され、右障子SRが通常の表示となる。なお、Aボタン20bおよびBボタン20cのいずれも操作されていないときには、左障子SLは通常の表示となり、右障子SRがブラックアウト表示される。
こうして、右障子SRまたは左障子SLを選択して、ボタン有効時間が経過したら、図40(c)に示すように、キャラクタRCが、通常の表示がなされている側の障子、ここでは左障子SLを開く動作をして左障子SLを開く。すると、第一,第四,第七図柄表示領域E1,E4,E7が表示され、そこに「777」の文字が表示される。この「777」の文字により、大当り抽選に当選したことを遊技者に報知する。その後、図40(d)に示すように、キャラクタRCが歓喜する画像が表示される。
このような障子セレクト演出を設定し、遊技者によるAボタン20bおよびBボタン20cの操作によって開く障子を変えて大当りの報知を行うことにより、遊技者に対して、遊技に参加する満足感を与えることができる。そして、この満足感を与えることによる遊技の興趣向上を図ることができる。
(遊技用プログラムの実施形態)
パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)等の情報処理装置を用いて上述の実施形態におけるパチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を行うための遊技用プログラムの実施形態について、図41を参照して説明する。図41は、遊技用プログラムを実行するパソコン100を示す正面図である。
図41に示されるように、パソコン100は、コンピュータ本体101と、表示領域102に画像を表示する表示装置103と、遊技者や操作者が操作入力を行うキーボード、マウス等を含み、パチンコ遊技機1における発射ハンドル6cやテンキー等と同様の機能を実現し得る操作入力装置104とを有している。なお、パソコン100では、パチンコ遊技機1に備えられている遊技釘や遊技球を画像として表示装置103に表示して、あたかも遊技釘を備えた遊技領域を遊技球が通過するような画像により、パチンコ遊技機1で実現されるパチンコ遊技を擬似的に行えるようになっている。
コンピュータ本体101は、少なくともCPU、ROM、RAMを有し、そのCPUがRAMに記憶されているデータを用い、ROMに記憶されている遊技用プログラムを含む制御プログラムに従い作動する。
そして、この遊技用プログラムは、上述したメイン制御処理、サブ制御処理及びシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラムが含まれていて、パソコン100に対し、以下の(1)〜(5)の各機能を実現させることができるようになっている。すなわち、
(1)予め設定された確率によって、遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かを判定する大当り判定機能と、
(2)所定の始動条件が成立したことを条件に、大当り判定機能による判定結果を報知する識別図柄を表示する表示手段に表示する識別図柄を変動表示させ、所定の変動時間が経過した後、大当り判定機能による判定結果に応じた識別図柄を停止表示させる表示制御を行う表示制御機能と、
(3)識別図柄の変動表示から停止表示までを複数回行わせる所定の遊技期間を決定する遊技期間決定機能と、を備え、
表示制御機能は、
(4)遊技期間決定機能によって決定された所定の遊技期間中、識別図柄に重畳した状態で識別図柄の前面に隠蔽画像を表示させることにより、識別図柄を隠蔽する隠蔽表示機能を有するとともに、
(5)遊技期間決定機能によって決定された所定の遊技期間中、所定の表示条件が成立することにより、識別図柄の前面から隠蔽画像を退避させる退避表示を行うことにより、識別図柄を露出表示させる露出表示制御機能を有するようになっている。
これらの遊技用プログラムをCPUがROMから読み出し実行することによって、パソコン100において、上述したパチンコ遊技機1におけるパチンコ遊技を擬似的に行えることとなる。
パソコン100において、遊技用プログラムは、ROMに記憶されているが、CD−ROM等の記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、図42に示されるように、ネットワーク200を介して、遊技用プログラムを記憶しているサーバ201にパソコン100が接続され、サーバ201から遊技用プログラムをダウンロードするようにしてもよい。パソコン100の代わりに、携帯電話等の携帯端末で遊技用プログラムを実行するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、複数の有効ラインが3行3列に設定さているが、その他の態様とすることもできるし、有効ラインが1ラインとする態様とすることもできる。また、有効ラインを減少させるためには、障子のような隠蔽画像を用いるほか、有効ラインの表示自体を消滅させる態様とすることもできる。
また、上記実施形態では、障子Sを退避表示するにあたり、障子Sが開放する表示をなしているが、たとえば障子Sを消滅させる表示とすることもできる。さらに、隠蔽画像としては、障子Sのほかの画像を用いることができることは当然である。また、上記実施形態では、停止表示画像として装飾図柄D1〜D9に対応させた9つの小図柄を表示するようにしているが、他の表示態様を停止表示画像とすることもできる。たとえば、装飾図柄D1〜D9が停止表示されたときに障子の前面に「停止」というメッセージを表示して装飾図柄D1〜D9の全部が停止していることを報知することもできるし、他のキャラクタを表示するなどとすることもできる。さらには、残りゲーム数が減少した数字が表示された瞬間の画像をもって、停止表示画像とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、隠蔽画像を確変遊技状態の間に表示するようにしているが、確変遊技状態以外の所定の遊技状態の際に隠蔽画像を表示する態様とすることもできる。また、上記実施形態では、障子Sが「中開放」は「小開放」のときにも停止表示図柄dを表示するようにしているが、装飾図柄の一部、特に最終停止図柄が隠蔽されていないときには、停止表示図柄を消去させる態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、障子表示制御処理の際にまず停止表示図柄dを表示するようにしているが、停止表示図柄dを表示させると判断した場合にのみ停止表示図柄を表示させる態様とすることもできる。他方、上記実施形態では、遊技機として、パチンコ遊技機を対象としているが、たとえばスロットマシン、特に、液晶表示画面を有するスロットマシンを対象とすることもできる。